「解放」最新号(第2930号2026年8月10日)の内容
<1〜2面>
第64回国際反戦集会の大高揚かちとる
8・2
<3面>
国学院大学
自治委員会・学生総会かちとる
国家情報局の設置弾劾!
<4面>
「航空宇宙自衛隊」への改編
米・日の宇宙軍拡を許すな!
コメ在庫増大
困窮するコメ農家を切り捨て
<5面>
「強い経済」を叫ぶ高市政権の
労働時間規制の撤廃を打ち砕け!
平和教育弾圧に反対するシンポジウムに革命的檄 7・17 札幌
<6面>
「資本の生き血」とは何か?
◆お知らせ
本紙8月17日付は休刊とします。
第2931・2932合併号(8月24日付)から通常どおり発行します。
「解放」
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国際反戦集会の高揚かちとる 8・2 <トランプの戦争>阻止! <プーチンの戦争>粉砕! 高市政権の憲法大改悪反対!
いままさに、新たな世界大戦・核戦争勃発の危機が切迫している。ウクライナ人民のレジスタンスに追いつめられたプーチンが核攻撃にふみきる衝動を高め、イラン侵略を強行して惨敗を喫したトランプが、敗北をおし隠すためにさらなる戦争の拡大に狂奔している。そして日本においては極反動・高市政権が、憲法大改悪の総攻撃に突進している。このきわめて緊迫した情勢のもとで、反戦集会に結集した労働者・学生は、<トランプの戦争>阻止! <プーチンの戦争>粉砕! 高市政権の憲法大改悪反対! 世界大戦勃発の危機を突き破ろう! の鬨の声をあげ、革命的反戦闘争のさらなる前進の拠点を確固としてうち固めたのである。 新東西対決下の世界大戦勃発の危機を突き破れ! ――基調報告 国際反戦中央集会の会場である東京「なかのZERO」大ホールには、首都圏の労働者・学生が大結集した。 午後一時、割れんばかりの拍手のなかで司会が力強い開会挨拶をおこない、実行委員会代表の同志・播田昇が基調報告に立った。 彼はまず、この一年間の労学両戦線における闘いをふりかえった。極右・高市が首相の座につき議会を制圧していこう一切の既成指導部が腰砕けになるなかで、唯一われわれのみが反戦・反改憲・反ファシズムの闘いをたたかいぬいてきた。ウクライナ人民と連帯して<プーチンの戦争>粉砕の闘いを、さらにトランプのイラン侵略反対の闘いを燃えあがらせてきた。「この闘いの地平に立って、<トランプの戦争>阻止! <プーチンの戦争>粉砕! 高市政権による改憲総攻撃反対! の巨大な闘いを創造しよう。核兵器が人民の頭上で炸裂する惨禍を三度くりかえしてはならない。いまこそ革命的反戦闘争の炎を燃えあがらせよう!」同志・播田の呼びかけに会場の労学が「ヨシ!」と力強く呼応した。 同志・播田は、イラン爆撃を再開したトランプを弾劾するとともに、「トランプは、またもや墓穴を掘るにちがいありません」と喝破した。そして「今こそ反戦闘争の爆発によって<トランプの戦争>にとどめを刺すのでなければならない」と力強く呼びかけた。 「そうだ!」大きな歓声が会場を揺るがす。 トランプは、AI兵器を駆使して邪悪なイラン指導部を吹き飛ばせば簡単に片が付く、などと愚かにも信じこんだ。「このトランプの最大の誤算は、イスラム教という宗教的信念で結ばれた共同体の絆の強さも、みずからの宗教指導者を殺害された人民の怒りも、まったく理解できなかったことにある」と同志・播田は暴きだした。 ロシアの侵略開始から五年目の夏を迎えるいま、ウクライナ人民の壮大なレジスタンスはロシア侵略軍を追いつめつつある。ウクライナが自前のドローンやミサイルによってロシアの継戦能力の要をなす石油精製施設を破壊し、またクリミア半島を完全に孤立化させて侵略軍の補給路を断っている。このウクライナの反撃とロシア国内での「戦争反対」の声の高まりに追いつめられたプーチンは、首都キーウをはじめとするウクライナの都市にたいする無差別の人民殺戮攻撃に狂奔している。「追いつめられるほどに小型核兵器の発射ボタンに手をかけかねない今ヒトラーを、全世界の反戦闘争のうねりで包囲せよ」と、同志・播田は強く呼びかけた。 そして彼は、「プーチンの悪逆無道の蛮行への怒りを燃やし、戦い斃れた兵士たちの無念と彼らへの感謝を思い、決意を燃やしているのではないでしょうか」とウクライナ人民の内奥に思いを馳せつつ、呼びかけた。「私たちは、ウクライナ人民の怒りと憎しみと悔しさと、未来に向けた決意を、いつまでもどこまでも共有し、共存共苦を基礎にすえて、この日本の地で<プーチンの戦争>を粉砕するためにたたかいましょう!」 「オー!」「そうだ!」同志・播田の熱烈な発言に感激した労働者・学生が拍手と歓声で応える。 高市日本型ネオ・ファシズム政権の改憲総攻撃
そしてこの東アジアにおける東西対抗の最前線に立たされている日本の高市政権が、アメリカの「属国」として、対中軍事包囲網づくりを主導する軍事強国へと飛躍せんとしている。 高市は、専制体制下で迅速な意志決定をおこなう中国・ロシアに垂涎しつつ、日本型ネオ・ファシズム支配体制を強化する総攻撃にうってでている。同時に「沈む日本経済」の危機突破をかけて高市政権は軍需生産の拡大に突進している。「こうした反動攻勢の結節点をなすのが憲法九条を破棄し緊急事態条項を創設する憲法大改悪の攻撃である」と同志・播田は明らかにし、この高市政権による改憲発議を絶対に阻止しようと訴えた。「ヨシ!」と闘志みなぎる声と拍手がまきおこる。 同志・播田は、高市政権が対中国戦争を米軍と一体化して遂行しうるように日本国軍を飛躍的に強化するとともに、改憲や米軍基地強化に反対する運動と組織を破壊する攻撃を強めていることへの対決を呼びかけた。沖縄・辺野古における事故を利用しての平和教育と教職員組合の破壊攻撃。報道機関にたいする統制。これらは日本型ネオ・ファシズム体制を、政・官・財・労・学・マスコミの<鉄の六角錐>を柱としていっそう強化する攻撃にほかならないと彼は喝破した。 さらに彼は、この政権が今国会で「男系男子の天皇」をごり押しする皇室典範の改定と「愛国心醸成」を主眼とする国旗損壊罪の新設を強行するなどの改憲にむけたイデオロギー攻勢を強めていることを暴きだし、断固として粉砕しようと呼びかけた。彼の渾身の呼びかけに、会場の労学は力一杯の拍手で応えた。 次に彼は「現代世界の構造の変容」を捉えるべきことを提起した。「われわれは今、どんな歴史的時代を生きているのか? この暗黒の時代をどのように変革するのか? これを見定めるためには、まずもって現代世界の構造の変容を捉えなければならない」と。 没落軍国主義帝国アメリカと「社会主義現代化強国」の看板を掲げ「破産国」ロシアを従えたネオ・スターリン主義中国との新東西角逐というべき激突、これが二十一世紀世界の特質の第一であり、米―中・露の角逐が大戦前夜のような様相を呈していることが危機的世界の第二の特質であると彼は明らかにした。米・中・露の権力者どもが先端半導体やレアアースなどの戦略物資の囲い込みに狂奔している。それは来るべき正面衝突に勝ちぬくための準備という意味をもっているのだ、と。 こうして二十一世紀世界は「力ある者」が「力こそ正義」をかざして「力による平和」の名において「主権国家」そのものを軍事力で破壊する暴虐の吹き荒れる時代へと本格的に突入した。これが第三の特質であり、そして四つめに、世界中で労働者人民が貧窮に突き落とされ戦争で故郷を追われ難民となって「北」の諸国に押し寄せている。これにたいして「憎悪と排斥」をあおり凶暴な弾圧をふりおろしているのが独裁者どもであることを彼は明らかにした。 さらに同志・播田は続ける。「こうした二十一世紀型の東西角逐がなにゆえにもたらされたのかを歴史的にも明らかにしなければならない、それが現代世界の場所的=歴史的な構造把握における第五のことがらです」と。彼は「唯物史観と現代」『社会の弁証法』(黒田寛一著作集第二巻』)の一節(三三〇頁)を読みあげて、スターリニスト・ソ連邦崩壊から三十五年の今日、あたかも「帝国の時代」に舞い戻るかのごとくの暴虐が吹き荒れる世界がなにゆえに現出したのかについて提起した。 ウクライナ反戦・イラン反戦の炎を!
彼は続けた。集会実行委員会のアピール(『新世紀』第三四四号)は呼びかけている、「われわれは、国境の壁によって隔てられているとはいえ本質的には祖国を持たない国際労働者階級として団結しよう。もちろん、労働者の兄弟が侵略者と闘っているときには、ともに疎外された労働者の兄弟として連帯して闘おう」と。国家権力者と支配階級どもの「現実政治の論理」に与してはならない、陣営主義や地政学的発想に同調してはならない、軍国主義国アメリカだけを「帝国主義的侵略者」とみなしプーチン率いるロシアFSB強権国家の侵略を免罪してはならない。プーチンを免罪するのは、マルクス主義を裏切り世界のプロレタリアートを裏切り革命ロシアを簒奪したスターリン主義への無反省のゆえに、自滅した「ソ連型社会主義」への密かな郷愁を今なお抱いているからである、と。 そして彼は、「ウクライナは武器をおけ」などとほざいた欧州左翼の残党どもの集会(六月二十日にロンドンで開催されたそれ)に「深い連帯」というメッセージを送った日本共産党を「腐ってもなおスターリニスト党であることを自己暴露したのです」と弾劾した。「たたかうウクライナの労働者に思いを馳せ、彼らの血涙をわがものとしつつ、こういう腐敗分子を最後的に一掃するという反スターリン主義者としての責務を、ウクライナ反戦闘争のまっただなかで完遂しようではないか!」 「そうだ!」「ヨシ!」労働者・学生は、日共指導部の腐敗への怒りを爆発させるように大きな拍手と歓声で応えた。 つづけて同志・播田は、「米・イスラエルによるイラン侵略戦争を打ち砕け」と提起した。彼は二月末の米・イスラエルによるイラン・ハメネイ指導部の一挙的爆殺にたいして、全学連を先頭にしてイラン反戦闘争を燃えあがらせてきたこと。トランプとネタニヤフの蛮行を軍事的新植民地主義の暴力的貫徹として弾劾するとともに、宗教=民族戦争の帝国主義的形態としての性格を暴きだしてきたことの意義を明らかにし、この地平に立ってさらに<トランプの戦争>を打ち砕く闘いを推進せよと呼びかけた。 さらに彼は、米―中・露<新東西角逐>下の世界大戦勃発の危機を突き破ろうと呼びかけた。 ここで彼は「一つだけ述べます」ときりだした。七月二十八日に発生した熊本の大地震にたいして、首相・高市が被災民のことなど歯牙にもかけない本性を露わにし、もっぱら自衛隊の活躍を改憲のために宣伝していることを怒りを込めて弾劾した。「そうだ!」労学の怒りの声があがる。 以下 見出し 改憲阻止闘争の爆発をかちとれ スターリン主義との対決を! 海外からの連帯メッセージ 労働戦線から「反戦・反改憲」の決意表明 全学連の熱き闘争宣言 ――有木委員長 |
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国家情報局の設置弾劾! 「属国」日本の諜報機関強化を策す高市政権 七月三十一日に高市政権は、――今通常国会で成立させた「国家情報会議(局)設置法」にもとづいて――「国家情報会議」の初会合を招集し、その下に「国家情報局」を発足させた。 いま高市政権は、アメリカ・トランプ政権の「対中国の最前線に日本が立て」という要求に積極的に応えて、中国との戦争をアメリカと一体となって遂行できる国への日本の大改造を急ピッチでおしすすめている。そのために中国およびロシア・北朝鮮などにたいする諜報・防諜体制の強化と、それをも口実として、わが革命的左翼を先頭とする反政府的な闘いを圧殺する治安弾圧体制の強化にのりだしたのだ。 高市は、これまで警察庁・外務省・防衛省・法務省(公安調査庁)などに分かれていた国内外の情報収集や治安担当の機関を首相の直轄下に一元化するために、首相を議長とし内閣官房長官、外務、防衛、財務、法務、国家公安委員長など関係閣僚を議員とする「国家情報会議」を内閣に新設した。そして、すべての治安・情報機関を監督・指揮し、そこから情報を吸いあげる実働機関として「国家情報局」を「内閣情報調査室」を格上げして内閣官房に設置した。これを日本における治安・諜報機関の司令塔≠ニ位置づけ、アメリカの「属国」として、米CIA(中央情報局)などに対応する、いわば「日本版CIA」として確立しようとしている。高市は、この国家情報局(会議)とNSC(NSS)を車の両輪とするネオ・ファシズム支配体制の飛躍的強化にふみだしたのだ。 高市は、発足した国家情報局の初代局長に内調トップであった内閣情報官・原和也を据えた。警察庁の警備公安出身で、かつて安倍晋三の秘書官を務めたこの男を据え、対中国の戦争に向けた対外の諜報・防諜体制強化と、わが同盟を先頭とする反戦・反改憲の運動・組織の一挙的弾圧・破壊を策しているのだ。 国家情報局は七〇〇人体制といわれており、要員は、内調や各省庁の情報機関・部門の人員を充てるとされている。今後、情報要員が不足すると称して、「専門性をもつ情報要員の養成は重要だ」(官房長官・木原)と強調し、民間からも人員を募って情報要員を養成することを高市政権は策している。高度なハッキング技術をもつ者、AIを駆使して様々な偽造動画や偽造写真を制作できる技術者、海外で警戒されずに対象者に接近できる語学能力を有する者など、諜報活動を担いうる人物を民間から募って「インテリジェンス・アカデミー」なる施設で情報要員として養成して訓練する計画なのだ。 いうまでもなくこれらは、国内の労働者人民の監視と反対運動の破壊のために、電話やインターネット上の通信傍受=盗聴やデータ窃取をおこなうほか、ハッキングでの攪乱やネットを使ったデマ情報の拡散、反対運動への身分を偽装した潜入工作などを担う「工作員」を育成するものにほかならない。 以下 見出し 日米共同の戦争遂行=諜報体制づくり 「対外情報庁」新設とスパイ防止法制定 |
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「航空宇宙自衛隊」への改編 中・露に対抗した米・日の宇宙軍拡を許すな! 六月二十六日、高市政権は防衛省設置法等改定案を参院本会議で可決・成立させ、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改編することを決定した。同時に、空将(空自の最高位)を指揮官とする「宇宙作戦集団」――衛星の打ち上げや宇宙の「状況把握」・「監視能力」の強化などをおもな任務とする宇宙領域の専門部隊――を新たに編成することも決定した。この部隊は、空自の府中基地(東京都府中市)と防府北基地(山口県防府市・山陽小野田市)を拠点として八八〇人規模で発足するとされている。 「軍国日本」の再興をたくらむ高市政権は、日米が共同して、宇宙の軍事利用とりわけキラー衛星の開発・配備をすすめている中国・ロシアに対抗するために、アメリカ宇宙軍(二〇一九年創設)につき従って日本国軍に「宇宙作戦」を担う専門部隊を創設するという一大軍拡にふみだしたのである。 以下 見出し JAXAを動員した宇宙監視=攻撃体制の構築 トランプ政権の宇宙軍拡への積極的呼応 |
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「強い経済」を叫ぶ高市政権の労働時間規制撤廃を打ち砕け 七月二十一日に高市ネオファシズム政権は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。二七年度を「責任ある積極財政元年」と位置づけ、国家主導で日本産業の「競争力の底上げ」をはかり、軍民両用技術の産業を基軸とした「強い経済」を実現するとぶちあげたのだ。 「行き過ぎた緊縮志向と未来への投資不足の流れを断ち切り、国内投資を徹底的にテコ入れする」と叫ぶ高市政権は、この「骨太の方針」において――独占資本家どもに積極的な国内投資をうながし「戦略十七分野」への労働者の移動・確保をはかるためにも――独占資本家どもがこのかん「時間にしばられない働き方」を唱えて要求してきた「裁量労働制」や「変形労働時間制」の「拡充」、労働基準監督署による残業規制の一律指導の「見直し」などを掲げ、労働時間規制の緩和・撤廃にむけた反動的な姿勢を剥きだしにしている。「もっと働きたい」という労働者の要求に応えて「働きたい改革」を進めるなどとほざきつつ。 資本家どものさらなる強搾取を先導する高市極反動政権のこの労働時間規制撤廃の策動を、労働者の団結した闘いで粉砕せよ! 労基署の残業規制の一律指導の見直し≠号令 「骨太の方針」において高市政権は、「柔軟で多様な働き方」実現のために、「裁量労働制」の拡充などとともに、「労働時間制度の運用」と称して「三六協定の締結や柔軟な労働時間制度の活用」について「労働基準監督署による相談支援の充実」をはかることや、労働時間規制にかんする労働基準監督署の指導を「労使の合意に則った」ものに「速やかに見直す」ことなどをうちだした。これらは、このかん労基署が「過労死ゼロ」を掲げてかたちばかりとはいえ実施してきたところの・残業を月四十五時間以内に削減するよう各企業に求める指導を、「一律指導で企業の萎縮を招いている」などと非難≠キる独占資本家どもの要求に応えて破棄し、労働時間規制の緩和・撤廃をすすめることを宣言したものにほかならない。 労基署はこのかん、労働基準法上の「特別条項」の締結の有無にかかわらず、すべての企業にたいして残業を月四十五時間以内に削減することを求める「指導」をおこなってきた。このような「労働行政」をおしすすめてきたのは、過労死等防止対策推進法(二〇一四年制定)において、国が過労死防止などの対策を効果的に推進する「責務」が明記され、二〇一五年には安倍政権が「過労死ゼロ」を掲げたことを受けてのことであった。医学的見地にもとづき「おおむね月四十五時間を超えて残業が長くなるほど、業務と(脳・心臓疾患の)発症との関連性が徐々に強まる」という調査報告(厚労省、二一年)などをもおしだしつつ、こうした「指導」をおこなってきたのである。――もちろん、強制力のないこのような労基署の「指導」は、「過労死」などの労災にたいする政府・厚労省の責任逃れのためのもの以上ではない。とはいえ労基署のこうした「指導」が、「過労死」などに追いやられる労働者の労災認定を後押しし企業の責任を問う足がかりを与えてきてもいるのである。資本家どもにとっては労働者を酷使するうえで大きな妨げになってきているのだ。 搾取欲をたぎらせた独占資本家どものこうした要求をうけ、自民党の日本成長戦略本部が四月に労働時間制度の運用見直し(労基署による残業削減の「一律指導」の緩和)を唱え、政府の日本成長戦略会議・労働市場改革分科会も五月の取りまとめにおいて、労基署の運用を見直す必要性を明記してきた。これらを受けて高市政権は、「骨太の方針」において、労基署の指導見直しなどの基本方針をうちだしたのである。 こうしてこの政権はいま、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)において、裁量労働制の「拡充」などとともに、労基署の「一律指導」の撤廃・残業規制の緩和≠ノ一気に突き進もうとしているのだ。 以下 見出し 増え続ける労働者の過労死・精神的肉体的疾患 「連合」労働貴族の裏切りを許すな! |
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「資本の生き血」とは何か? 以下の拙文は、私が賃労働者として働いていた経験を基礎に『直接的生産過程の諸結果』を再読した際に、マルクスがプロレタリアの疎外された労働の経済学=哲学的意味を「資本の生き血」として暴露していることに目が釘付けとなり、その一点に限って学びとろうとした断片的メモにすぎません。 黒田さんの逝去二十年にあたり、いま、反スタ主義者として新たな出立のバネと立脚点を強固にうちかためたい――その一助としてこの学習メモを生かすことができれば、と考えた次第です。 「現実の労働過程では彼は労働手段を自分の労働の伝導器として役だて、労働対象を自分の労働がそこに現わされる材料として役だてる。まさにそうすることによってこそ、彼は生産手段を生産物の合目的的な形態に転化させるのである。ところが、価値増殖過程の立場から見れば、事柄は違って現われる。(a)労働者が生産手段を充用するのではなくて、生産手段のほうが労働者を充用するのである。(b)生きている労働が自分の客体的な器官としての対象的な労働のなかに自分を実現するのではなくて、対象的な労働が生きている労働を吸収することによって自分を維持し増殖し、そうすることによって自分を増殖する価値すなわち資本となり、資本として機能するのである。生産手段は、ただ、できるだけ大きな量の生きている労働の吸収者としてのみ現われる。生きている労働は、ただ、既存の価値の増殖の、したがってその資本化の、手段としてのみ現われる。そして、前に述べたことは別としても、まさにそれだからこそ、やはり生産手段は生きている労働に対立して特にすぐれた意味で資本の定在として現われるのであり、しかも今では生きている労働にたいする過去の死んだ労働の支配として現われるのである。まさに価値形成者として、生きている労働は、絶えず価値形成過程において、対象化された労働に合体されるのである。」(国民文庫版二九頁〜三〇頁)〔(a)(b)は私が便宜的につけたものです〕 資本の生産過程・価値増殖過程の特質を明らかにしたこの箇所をノートを取って読みすすめながら、私は目を見開かされる思いがした。自分がおこなってきた賃労働者としての労働のなんたるかが明確に暴きだされていると思ったからだ。特に(b)では次のことがいわれているように思う。(イ)「生きた労働」が「自分を実現する」こと、つまり自己の生命力を対象のなかに注ぎこむ行為が、「対象化された労働」による「生きた労働」の吸収として・労働者の生命力の吸収としておこなわれていること、(ロ)このような「対象化された労働」による「生きた労働」の吸収こそが価値の形成であり増殖であり資本の実現にほかならず、資本主義(的生産様式)の根本原理がこの事実(=労働者の自己疎外)にほかならないということ、である。 ここでマルクスが明らかにしていることは、いまの私に、じつに主体的に迫ってくる。マルクスは、「生きている労働が自分の客体的な器官としての対象的な労働のなかに自分を実現するのでなくて」というように、労働過程を主体的過程的にとらえることを基礎とし、本来的な労働過程の疎外された形態として「対象的な労働が生きた労働を吸収する」と論じている。私はここを読んで、思わず自分の労働を想起した。そして、それを自分の生命力を発現する過程としてとらえ返すことができた。自分の労働が苦痛であり人間性を否定されていたのは、ほかならぬ自らの「生きている労働」が、つまり自らの生命力の発現行為が対象的な労働としての生産手段に吸収される過程であるからなのだ。マルクスの労働論・実践論が私の躰のなかで脈打つような気がした。 「対象的な労働が生きた労働を吸収する」というのは、「対象的な労働」としての生産手段が資本となることにほかならない。賃労働者としての自らの生命力が吸収されること、これが資本制的生産・資本主義の根本原理なのである。これこそが私の労働の社会的な意味、資本主義社会を成り立たせている根本的な否定的本質にほかならない。ひと言でいえば、まさしく私の労働こそ「資本の生き血」(国民文庫版六〇頁)にほかならず、この資本主義社会の否定的本質なのだ。「資本とは何ですかと問われれば、<自己増殖をなす価値である>、とひと言で答えればよい」というのがこれまでの私の理解――いや、答え≠ニして覚えこんできたことだった。けれども決してそうではない。資本とは<われわれ労働者の生きた労働を吸収することによって自己増殖をなす価値である>というべきだ。私は心底からそう思う。われわれ賃労働者は「資本の生き血」の人格化にほかならない。――このように学習しながら、私のなかに熱いものがこみあげて感動を覚えた。わたし自身の内側から、疎外されたわたし自身とこの現実を覆すパトスがわき起こったからだ。 以下 見出し 主体的・過程的な把握の大切さ 「生産手段が労働者を使用する」ことの経済学=哲学的な意味 おのれの内にある小ブルジョア的なものの克服 仲間に学び、支えあい、ともにたたかう団結をつくっていく 賃労働=資本の廃絶をめざして |
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