「解放」最新号(第2697号2021年12月6日)の内容

<1〜2面>
改憲阻止闘争の爆発をかちとれ
 <反安保>を放棄する日共をのりこえて闘おう!
<3面>
「経済安全保障」としての半導体産業復活戦略
 TSMC日本誘致の意味するもの
<4面>
「行政のデジタル化」をテコとした支配体制強化を許すな
<5面>
オンライン申請手続の早期実施を市区町村に迫る政府
Topics 経団連の医療・介護政策への提言
◎『新世紀』第316号紹介
<6面>
国会前に改憲発議阻止の声
 11・19闘う学生が労働者人民の先頭で奮闘
自衛隊演習に労・学・市民が抗議
 11・19那覇
「野党共闘の前進」を強弁し改憲阻止闘争を放棄する日共中央を弾劾せよ
 「解放」
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改憲阻止闘争の爆発をかちとれ

<反安保>を放棄する日共をのりこえて闘おう!

 岸田政権はいま、憲法第九条の破棄と緊急事態条項の創設を柱とする憲法改悪にむけて突進している。
 十二月六日から召集される臨時国会において、安倍や高市ら極右政治エリートに牛耳られた岸田自民党は、自民党内タカ派の別働隊たる日本維新の会、そして「連合」内右派労働貴族に支えられた国民民主党と連携を強めながら、改憲国会発議にむけた攻勢にうってでようとしている。
 米・中激突のただなかで、その最前線においてある日本帝国主義の岸田政権は、日米軍事同盟を対中国グローバル同盟として強化するための攻撃と日本を軍事強国化するための改憲攻撃に突き進んでいるのだ。
 事態は極めて切迫している。今こそ改憲阻止の巨大な闘争を職場・学園・地域から断固として創造しようではないか!
 わが同盟は、すべての労働者・学生・人民に訴える!
 全学連のたたかう学生は、既成反対運動の萎靡沈滞を突き破り、全国の学園において「憲法改悪阻止」「日米グローバル同盟反対」「日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化反対」の闘いを断固として推進している。革命的・戦闘的労働者もまた職場深部において、日本型ネオ・ファシズム政権を支える労働運動≠ヨの道を公然と突き進む「連合」芳野指導部を弾劾し、断固たる反撃の闘いをつくりだしている。すべての労働者・学生・人民は、岸田政権による憲法改悪の攻撃をうち砕くために、今こそわが革命的左翼とともに闘いに起ちあがれ!
 <米中冷戦>下で高まる戦争勃発の危機を突破する革命的反戦闘争を創造せよ!
 労学両戦線から新たな戦争と貧困の強制を断固としてうち砕く闘いを創造する組織的拠点をうち固めなければならない。すべての労働者・学生は12・5革共同政治集会に結集せよ!

台湾・南シナ海で高まる戦争勃発の危機

 「台湾の完全統一」を掲げ攻勢を強める習近平中国

 対中軍事包囲網の形成に血眼となるバイデン政権

改憲・グローバル同盟強化に突進する岸田政権

「反安保」を放棄する日共中央を弾劾し反改憲・反戦反安保闘争を創造せよ!

 まさに今、憲法大改悪という一大反動攻撃にうってでた岸田ネオ・ファシズム政権にたいして、すべての労働者・学生・人民は、改憲を絶対に阻止する闘いに全国各地で総決起しなければならない。
 にもかかわらず、この決定的な局面で、総選挙における「野党共闘」の惨敗と日本共産党そのものの無惨な議席減少に直面して、完全に腰砕けとなっているのが不破=志位指導部にほかならない。
 いまや立憲民主党の代表選挙において四人の候補者すべてが、前代表・枝野と日共委員長・志位との「限定的な閣外からの協力」という合意の破棄をこぞって主張している。
 小選挙区で「野党統一候補」などと銘打った立憲民主党の候補者を当選させるために、なけなしの日共の票田をさしだしてきた挙げ句の果てに、完全にソデにされているのが日共中央なのだ。にもかかわらず、なおも惨めったらしく「野党共闘の発展・強化を」などと立憲民主党にすがりつき哀訴する以外にないのが彼らなのだ。まさにそれは、議会主義・市民主義に骨の髄まで冒されたネオ・スターリニスト党たる彼らの最末期の姿いがいのなにものでもない。
 彼ら日共中央は、これまで「二〇二二年までに野党連合政権樹立」を党創立一〇〇周年の党的目標として掲げてきた。そして、「野党連合政権」に加わるならば、「自衛隊は合憲の憲法解釈をとる」とか「急迫不正の侵害にたいしては安保条約第五条にもとづいて対処する」などという驚くべき右翼的な代案を掲げてきた。この彼らは、安倍・菅らのネオ・ファシスト政権がしかけてきた改憲・軍事強国化の攻撃をうち砕く闘いを職場・学園において組織化することをいっさい放棄し、「自主自立の平和外交」なる反人民的な代案の宣伝にいっさいの闘いを解消してきた。しかも、「労組は市民運動の敷き布団たれ」などと労働者に説教をたれ、労働者階級の反戦・改憲阻止の闘いを「市民と野党の共闘」という名の選挙カンパニアに解消してきた。その最深の根拠こそ立憲民主党主導政権になんとか参画したいという政権ありつき病≠ノとりつかれたことにある。「私が総理大臣になったら、政府としては自衛隊は合憲という立場をとる」(二〇一七年秋)などという志位和夫の許しがたい言辞にそれはまざまざとしめされているではないか。
 「『反安保』を完全に投げ捨てた日共中央をいまこそのりこえてたたかおう」――衆院選の直後からわが革命的左翼が発したこの呼びかけは、乾いた大地に染み渡るように党内に浸透してゆき、多くの良心的な下部党員たちを大きく揺さぶっている。
 澎湃とわき起こる日共指導部への不信と怒りの声につきあげられ、まさに深刻な党的な危機に直面しているのが日共中央の代々木官僚どもなのだ。この彼らが、周回遅れで口にしはじめたのが「『改憲許すな』の草の根からの大運動を」などという下部党員への号令にほかならない(十一月十八日の委員長・志位の記者会見)。
 だがこのような呼びかけも、その内実は、九条改憲にかんして「海外での自衛隊の武力行使の一切の制約を取り外すものであり、海外で戦争をする国づくりを進めるもの」などというように、「専守防衛」の「建前」から逸脱していることを問題にするものでしかない。
 だがしかし、こんにちの政府・支配階級は、台湾を焦点とした米・中の軍事的激突にかんして「台湾有事は日本有事」などと公然と叫びたてながら、中国軍を撃破する日米共同作戦を遂行しうる軍隊として日本国軍の一大強化に突進している。そして、「日本防衛」をも掲げながらアメリカとともに戦争を遂行する軍事強国にふさわしい最高法規たる憲法を手にするために憲法第九条の破棄=憲法改悪にうってでようとしているのが岸田政権なのだ。
 この岸田政権の改憲攻撃にたいして、憲法改悪反対の方針から、「安保反対」を抜きさるほど犯罪的なことがあるか!
 いうまでもなく、岸田政権・自民党がたくらんでいる第九条の破棄は、北朝鮮や中国などの「敵国」とみなした諸国家にたいして、日米軍事同盟にもとづいてアメリカとともに戦争する一流の軍事強国へと日本をおしあげることを狙った攻撃にほかならない。まさにそれゆえに、われわれは、改憲阻止の闘いを<反安保>を鮮明にしておしすすめるのでなければならないのだ。
 改憲を正当化するために「中国脅威」論を煽っている岸田政権にたいして、代々木官僚は「軍事に軍事で構えれば軍事対軍事の悪循環をつくりだす」と非難し、「中国の覇権主義的な行動には、国際法に基づく冷静な外交的な批判で包囲していく」などとお願いしている。今ごろになって「中国の覇権主義的な行動」などというが、かつてこのネオ・スターリン主義国家中国を「社会主義をめざす国」だの「世界の平和の流れを主導している」だのと全面的に美化してきたのは、老党首・不破を筆頭とする代々木官僚ではないか。この己れの過去にフタをしたうえで「中国の覇権主義」なる非難を吹聴するのは、日共そのものがネオ・スターリン主義者の党であることを隠蔽するためにほかならない。
 しかも、日共中央が政府に対置している「国際法にもとづく冷静な外交的な批判」なる代案につらぬかれているのは、「日本国家の安全保障」という日共の愛国ナショナリズムにほかならない。現存日本ブルジョア国家が「中国の覇権主義」にたいしていかに立ち向かうべきなのかなどと主張し政府に進言するのは、中国のネオ・スターリニスト官僚とそのもとで支配される労働者人民との対立も、そして米日両帝国主義の政府・支配階級と労働者人民との階級対立も没却して、政府・支配階級の煽りたてるナショナリズムに棹さすことをしか意味しないではないか。
 米・日と中国のそれぞれの権力者に支配されている労働者階級・人民の国境を越えたプロレタリア的団結を創造することこそが、米日両帝国主義とネオ・スターリン主義中国とが激突する現代世界の戦争的危機を突き破る唯一の道なのだ。
 われわれは、いっさいの既成反対運動をのりこえ、革命的な反戦闘争を断固として創造しようではないか。そして、これを基礎にして、全世界の人民にも<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破る反戦の闘いに起ちあがることを呼びかけようではないか!
 すべての労働者・学生諸君!
 われわれは、「反安保」を放棄する日共中央翼下の既成反対運動をのりこえたたかおう!「改憲」を主張する国民民主党を支えるというかたちで、改憲策動を翼賛している「連合」労働貴族を徹底的に弾劾せよ! 臨時国会での憲法審査会の開催を阻止せよ!「戦争放棄」「戦力不保持」を謳う憲法第九条を葬りさることを狙った自民党改憲案の国会提示を断じて許すな! 新型コロナ感染拡大を利用した緊急事態条項の創設に反対せよ! 岸田政権による憲法改悪の攻撃こそは、対中国の日米グローバル同盟に見合った憲法への改定という重大な意味をもっている。これを暴きだしつつ、<反安保><反ファシズム>の旗高くたたかおう!
 日米軍事同盟のグローバル同盟としての強化反対! 敵基地先制攻撃体制の構築を許すな! 空前の大軍拡を阻止せよ! 米日両権力者は、対中国の最前線出撃拠点の要をなす辺野古新基地の建設を強権をふるって強行している。沖縄のたたかう労働者・学生と連帯し、日本全土において辺野古新基地建設阻止のうねりをまきおこせ!
 <米中冷戦>下の戦争的危機を突き破る革命的反戦闘争を推進せよ!
 パンデミックの長期化のもとで日本帝国主義の生き残りのためにあらゆる犠牲を労働者・人民に転嫁してのりきろうとしている岸田政権と独占ブルジョアどもの総攻撃――首切り・賃下げと労働強化、物価値上げ、社会保障切り捨てなどの諸攻撃――、これをうち砕くために「貧窮強制反対」の政治経済闘争を断固として創造しよう!

12・5革共同政治集会に結集せよ
 たたかう労働者・学生諸君!
 現代世界は、新型コロナ・パンデミック下で熾烈化した米中の冷戦的激突のもとで、「暗黒の世紀」としての様相をあらわにしている。われわれは、かかる現実への憤激に燃えて、今こそ戦争と貧困と暗黒支配に覆われたこの二十一世紀現代世界を根底的に覆すために、全世界プロレタリアートの自己解放をめざした階級闘争の全世界的な蘇生をかちとるために力のかぎり奮闘しよう。
 今から三十年前のアンチ革命者ゴルバチョフがもたらしたスターリン主義ソ連邦の自己崩壊によって革命ロシアは埋葬された。この「歴史の逆転」をばわれわれの手で「再逆転」し、二十一世紀を「プロレタリア革命の世紀」たらしめるために総力をあげてたたかおう!
 世界の労働者階級・人民の未来は、ひとえにわが反スターリン主義革命的左翼の奮闘にかかっている。われわれは日本の地で、反スターリニズム運動の怒濤の前進をかちとろうではないか! その闘いの深紅の旗は、<反帝国主義・反スターリン主義>である。
 すべての労働者・学生は、12・5革共同政治集会に全国から総結集せよ!
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「経済安全保障」としての半導体産業復活戦略

TSMC日本誘致の意味するもの(上)

A 国策≠ニしてのTSMC誘致

 十月十四日に、世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリー)である台湾積体電路製造=TSMCは、二〇二四年の操業開始を目標にして半導体製造工場を日本に建設する計画を発表した(十一月九日に、「ソニーとの合弁で熊本に建設」と正式発表)。首相・岸田は、この発表当日の記者会見で次のように語った。「最先端半導体製造の台湾企業の日本進出で日本の半導体産業の不可欠性と自律性が向上し、経済安全保障への大きな寄与が期待される」、と。政府・経産省は、この工場建設に、建設費の半額にあたる少なくとも四〇〇〇億円の国家資金を投入することを言明している。一民間企業の、しかも海外企業の工場建設に政府がこれだけ巨額の補助金を供出することじたいが、いまだかつてない事態である。この政権は、このような異常な直接支援をおこなうために、今年末の臨時国会において補助金支出法≠フようなものを泥縄式にでっちあげようとしている。
 このTSMC工場の日本新設計画は、先端半導体の国内製造拠点をもたない現状に「経済安保」上の危機感を募らせてきた日本政府が、「前例のない支援」なるものをエサにして誘致工作に狂奔したことの結果にほかならない。
 すでに菅政権当時から日本政府は、「経済安全保障の観点」を前面におしだしつつ、TSMC誘致を柱とする「半導体製造国内基盤確保」策の実現に血道をあげてきた。
 TSMCは、アップルのiPhone用の半導体チップや、インテルやクアルコムなどのアメリカ大手半導体企業が自社ブランドで供給している先端半導体のほとんどすべてを受託生産してきた。スマートフォンや高性能コンピュータ、5Gシステムなどの頭脳部≠構成する先端ロジック半導体の分野では、九〇%以上の世界シェアをもっている。とりわけ、その技術的最先端をなす回路線幅5ナノb以下という微細半導体を量産しうる能力は、世界で唯一TSMCしかもっていない。
 かつて一九八〇年代には世界の半導体市場の五〇%以上のシェアを握っていた日本の半導体産業は、いまやシェア一〇%を割るまでに凋落している。しかもAI・5G・自動運転・ロボティックスなどの最新のデジタル技術に必須不可欠な先端ロジック半導体については、それを製造する能力も設計する能力も、日本企業はもっていない。それゆえに「産業の頭脳」(経産相・萩生田)とみなしてきた先端半導体の供給の多くを、TSMCや韓国サムスンなどの海外企業に依存してきたのだ。
 いま米・中間の政治的・軍事的角逐が台湾をめぐって一気に熾烈化している。ひとたび「台湾危機」が惹起し、台湾からの半導体供給が途絶すれば、デジタル技術=ICTの基盤の上に立脚する日本の政治・社会・経済・軍事の全システムはたちどころに麻痺し機能停止に追いこまれる。しかもコロナ・パンデミック下で加速された全世界的な「デジタル革命」によって空前の半導体供給不足が生じてもいる。このような情況下で先端半導体の確保を海外に頼らざるをえない状態をこのまま続けることは、「国家の独立と生存」そのものを脅かす。――このような危機感を募らせてきたがゆえに、日本政府・権力者はTSMCの誘致に狂奔してきたのだ。
 もっとも、ソニーとの合弁・協力でつくる今回の新工場は、22〜28ナノの製品(カメラ用CMOSイメージセンサーのデータ処理に使われる半導体と思われる)を生産するそれであり、岸田の言うような「最先端半導体」の工場とはとうてい言えない。それでも、半導体産業消滅≠フ悪夢に苛まれている政府・経産省は、ともかく「半導体産業復活」の足がかりを得たい一心で藁にもすがる気持でこの誘致計画を推進したのだ。
 そのようなものとして、このTSMC誘致=「半導体製造基盤確保」策は、米・中冷戦下の新たな世界的激動に震撼させられている日本帝国主義の危機を、行政・軍事・社会・経済の「デジタル化」によって――だから労働者・人民にさらなる犠牲を強制して――のりきっていくための日本国家の存亡を賭けた国策プロジェクト≠ノほかならない。

(以下、見出し)

B 米中激突下の「半導体確保」

 「台湾危機」と半導体供給の揺らぎ

C 空前の半導体不足ののりきり

(つづく)
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「行政のデジタル化」をテコとした支配体制強化を許すな

 台湾周辺や南シナ海において、いま、米・英・豪軍と日本国軍が中国軍と対峙し、相互対抗的に軍事演習をくりひろげている。まさに一触即発の戦争的危機が深まるただなかにおいて、首相・岸田は日米同盟をさらに強化する、自分がその先頭に立つ、という意志を声高に叫びたてている。「海上保安能力」や効果的な「ミサイル防衛能力」の強化、防衛費のGDP比二%以上の増額をぶちあげるなど、軍事力の増強に血道をあげているのだ。まさにいま岸田自民党政権は、日米軍事同盟をグローバルな対中攻守同盟として飛躍的に強化するために突進している。そして同盟国のアメリカとともに戦争を遂行する国家へと日本を飛躍させること、これを為しとげようと策している。そのためにこの日本型ネオ・ファシズム政権は、この日本の国内支配体制を一挙的に強化する策動に狂奔している。菅前政権が強行してきた「行政のデジタル化」ならびにマイナンバーカードの普及を、さらに進めようと血眼になっているのだ。
 新たに成立した第二次岸田政権は、「民間部門のデジタル化」をさらにおしすすめる構えを鮮明にしている。コロナ・パンデミックのもとで露となったデジタル化の遅れ≠フ取戻しと日本経済の生き残りのために、政府が統括管理する「行政保有データ」を、独占資本の求めに応じて提供することを早々に実施していくに違いない。すでに開始している「行政のデジタル化」については、菅前政権がうちだした「DXをつうじた社会の大転換」という指針にのっとって一挙にのりだしている。
 菅前政権は、「民間部門のデジタル化」と「行政のデジタル化」を車の両輪と位置づけ、この両輪を繋ぎ「民間部門のデジタル化」を加速するためには、「行政のデジタル化」がデジタル化推進の「一丁目一番地」であると位置づけ突き進んできたのであった。「行政のデジタル化」を進めるために、「縦割り行政に横串を刺す」ための機構すなわちデジタル庁を確立し、自治体十七業務システムの「標準化」やマイナンバーカードの拡充に一挙にふみだしたのであった。
 本稿では、設置されたデジタル庁のもと、各府省庁・各地方自治体当局が一挙に拍車をかけ推進している「行政のデジタル化」についてとりあげる。

「縦割り打破」を掲げてのデジタル庁の発足

自治体十七業務の標準化と全国共通システムへの移行の強制

個人データの集積・利活用を狙うマイナンバーカードの拡大策

自治労・自治労連指導部の闘争放棄を弾劾し闘おう

 こうしたネオ・ファシズム的支配体制を飛躍的に強化するための攻撃がうちおろされているにもかかわらず、自治労・自治労連本部は政府の宣伝するデジタル化の「利便性」に共鳴してしまい、「行政のデジタル化」に拍車がかけられていることにたいする危機意識のかけらもないのだ。
 自治労本部は自治体システムの標準化について、「地方交付税や人員の削減、個人情報の一元化、自治の否定につなげない取り組み」を進めるという方針をうちだし、具体的には「移行にむけた財源や期間の確保、単独事業への影響、交付税や人員の削減につなげないなど」について「省庁・政党対策」にとりくむ、としている。つまり新システムへの移行を容認し大前提にして、政府が受け入れやすい問題についてとりくむ、ということだ。「自治の否定につなげない」取り組みを進めるというが、その内実は、自治事務の標準化はほどほどにしてほしい、地方自治を尊重してほしい、と政府にお願いするにすぎないのだ。
 そもそも自治労本部はまったく危機感が欠如しているではないか。それは彼らが、デジタル化の「マイナス効果」なるものにちょっぴり言及しているとはいえ、デジタル化の「効率性」や「利便性」に完全に足をすくわれ、果ては「新しい社会像」が生みだされるとか、「デジタル民主主義」が政治のあり方を変える、などと期待している始末だからなのだ。
 まったく危機感がないのは自治労連本部も同じだ。人員削減の手段にしないで、個人情報が手厚く保護されるのなら、住民に「利便をもたらし」、「業務効率化を実現する」観点でデジタル化に「とりくみましょう」などと「住民のためのデジタル化」の旗を振っているのだ。
 政府権力者による、デジタル化をテコとしたネオ・ファシズム的支配体制の強化を打ち砕こう!
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オンライン申請手続の早期実施を市区町村に迫る政府

 市区町村の職場では、今まで経験したことのない業務の急激な変化が巻き起こっている。政府・総務省や内閣府(九月からはデジタル庁)が、市区町村当局にたいして住民の利用頻度が高いサービスをオンラインで申請できるようにせよとの指示を出し、業務の標準化・共通化と称して細部まで政府の指定するやり方に変更するよう実質的に命令してきているからだ(市区町村によってはすでに実施に移されている)。
 そもそもデジタル庁は二〇二三年度から二〇二五年度までの三年間で市区町村の基幹業務(十七業務)を標準化・共通化して政府クラウドへ繋げて統括管理するとしている。この準備だけでも各自治体は大わらわである。そのうえに政府は、これに先駆けて二〇二二年度中に「オンライン申請」を実施せよと市区町村に迫っているのだ。

(以下、見出し)

地域の実情を無視した方式を押しつけるデジタル庁

 マイナンバーカードの普及に狂奔

岸田政権による「行政のデジタル化」を許すな
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   最新号紹介

新世紀

The Communist
第316号
2022年1月



岸田ネオ・ファシズム政権の戦争と貧困の強制を許すな

特集 自民党政権に抱きつく「連合」労働貴族

 十月三十一日の総選挙において、日本人民は岸田自民党政権による「絶対安定多数」の確保を許してしまった。この事態にたいする憤激をバネとして、岸田政権の反動攻撃を断固として打ち砕く闘いにただちにうってでようではないか! この闘いの創造をかちとる武器として『新世紀』第三一六号をすべてのたたかう労働者・人民におくる。
 ◆今回の選挙において自民党は、「敵基地攻撃能力保有」や「軍事費のGDP比二%=一〇兆円への倍増」などを叫びたてた。この反動性をなんら暴きだすことなく、日米安保同盟を前提とした「専守防衛」の対案≠対置したのが枝野の立憲民主党であり、この立民からソデにされないように「安保反対」を徹底して封印したのが日共・志位指導部だ。さらに、自民党候補の当選を助けるという挙にでて自民党の過半数維持に公然と手を貸したのが、「連合」労働貴族である。
 本号巻頭論文「日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化に反撃せよ」(無署名)は、これらの野党、既成指導部の腐敗と犯罪を弾劾し、「いまこそ、すべての労働者・学生・人民は、わが革共同革マル派とともに、岸田政権の打倒をめざして前進しよう!」と呼びかけている。
 ◆「岸田新政権の反動攻撃を粉砕せよ」(中央学生組織委員会)は、台湾をめぐって米日―中の戦争勃発の危機が切迫するなかで、岸田を首班とする新政権がうちおろす諸攻撃を打ち砕くために、全国の大学キャンパスから決起すべきことを訴えている。
 <米中冷戦>の焦点をなす東アジアにおいて、ますます高まる戦争勃発の危機のただなかで岸田政権は、アメリカ・バイデン政権とともに日米軍事同盟を強化する策動に血道をあげている。そして憲法改悪への猛突進を開始している。この決定的なときに、「野党共闘」にすがりつき「反基地」「反改憲」などの一切の大衆闘争を放棄した日共指導部の闘争歪曲をのりこえ、革命的反戦闘争の爆発をかちとろうと本論文は呼びかけている。
 ◆対中国の臨戦態勢にふさわしい国内支配体制の構築に狂奔する日本帝国主義権力者の策動の反人民性を暴きだせ!「デジタル庁創設をテコとするNSC専制体制の強化」(吉祥寺剛)は、政府・独占資本家階級が叫ぶ「経済・社会のデジタル化」に警鐘を乱打している。

日本労働運動破滅の危機を突破せよ

 ◆岸田自民党政権の貧窮人民切り捨ての「コロナ対策」と社会経済政策によって労働者が塗炭の苦しみを強いられているこのときに、ネオ・ファシスト政権への恭順と協力への道を突き進みはじめたのが、「連合」の芳野新指導部だ。本号の特集「『救国』産報運動を突き破れ」では、「連合」指導部の犯罪と反労働者性を徹底的に暴きだし、日本労働運動破滅の危機を断固として突破せよと呼びかける諸論文を満載した。
 首相・岸田直轄の「新しい資本主義実現会議」に嬉々として参加し、ネオ産業報国会の司令部≠ニしての本性をむきだしにした芳野指導部。この「連合」を今こそ脱構築せよ!「ネオ・ファシズム政権に抱きつく『連合』労働貴族を弾劾せよ」(無署名)は熱く訴えている。
 「連合」指導部は、二〇二二〜二三年度運動方針において、岸田政権の諸政策を尻押しし「新しい運動のスタイル構築」などとおしだしている。日本型ネオ・ファシズム政権を支える労組ナショナルセンター≠ヨの変質を画する「連合」指導部の反労働者的本質をつきだしているのが、「岸田自民党政権を支える労働運動への転換」(越塚大)だ。「政府・自民党にすがりついたトヨタ労働貴族」(岩瀬健治)もあわせて掲載した。
 さらに、教育・JCメタル・電機・郵政の各戦線の闘いの指針を収録した。独占資本家によるデジタル化・脱炭素化の産業構造再編や業務・労働組織再編の策動をうち破るために、「連合」労働貴族による闘いの歪曲に抗して職場深部において革命的・戦闘的労働者はいかにたたかうか、その方向性が鮮明にしめされている。
 コロナ感染爆発・医療崩壊下の東京五輪・パラリンピックの現場でバス・教育労働者が強いられた労働の実態を憤激をこめて暴露した論文を掲載した。
 本号を闘いの武器としておおいに活用されたい。
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改憲阻止の闘いを放棄する日共中央を弾劾せよ!

「野党共闘の前進」を強弁する志位

 十一月十日、特別国会開会にむけた日本共産党議員団総会で、あいさつにたった日共委員長・志位は、総選挙は敗北ではない、野党共闘は前進している≠ニ強弁し、来年夏の「参院選で躍進するために奮闘せよ」と号令を発した。立憲民主党にすりよっての「野党共闘」の歴然となった破綻。これをあくまでも居直り、参院選にむけて下部党員・活動家を票田開拓にひきまわそうとしているのが、代々木官僚どもなのだ。
 岸田政権はいま、衆院の四分の三を改憲勢力≠ェ制圧したことに勢いづき、憲法改悪と大軍拡に一気呵成に突進している。この日本労働者階級・人民がまなじりを決して起ちあがるべきときに、日共中央は改憲阻止の大衆的闘いの創造を完全に放棄している。これを正当化するために、野党共闘の前進≠ネどというウソ八百の「選挙総括」を吹聴し・たれ流しているのが志位なのだ。

「大局的確信」!?

 志位は発言の冒頭、「四年前の総選挙と今回の総選挙で、政党間の力関係がどう変わったかを冷静に検証する」などと称して、次のような主張を開陳した。曰く、自民・公明の「与党勢力」は四年前と比べて議席を減らし、「与党補完勢力」も四年前の希望と維新の合計と今回の維新とを比較すると得票数・議席数ともに減らしている。他方、「共闘勢力」は得票数も議席数も増やしている。「自民勝利、維新躍進、共闘惨敗」という評価は「事実と異なる」のであり、「四年間の市民と野党の共闘」は前進し「与党勢力」を追いつめたのだ、「そのことへの大局的確信をもて」と。
 この志位の「選挙総括」は、四年前は「希望」を丸ごと「補完勢力」に加え、今回は「改憲」の旗幟を鮮明にした国民民主を外すという、ご都合主義もはなはだしいものだ。しかも、日共じしんが議席数も・得票数も・得票率もすべて減らしたことに触れようともしていない。そもそも今回の総選挙を日共中央は、「党の九十九年の歴史ではじめて、政権交代に挑戦する歴史的選挙」と呼号してきたのではなかったか。「政権交代」どころか改憲勢力≠ノ四分の三を制圧された結果のどこに「確信をもて」というのか!
 この敗北は、日共中央が枝野の立憲民主党との「野党共闘」を自己目的化し、岸田政権が開始した改憲・大軍拡への猛突進にたいしても、「新しい資本主義」の名による労働者・人民へのさらなる犠牲強制にたいしても、なんら対決する姿勢さえ示さなかった日共の議会主義的腐敗がもたらした以外のなにものでもない。このみずからの犯罪を居直り、意気消沈したり・党中央への疑念を募らせたりしている下部党員をなだめ、参院選にむけて駆りたてていくためにひねりだされたのが、志位の「総括」なのだ。

いたるところで噴出する党中央への反発

 日共中央の「政権交代選挙」の号令につき従って総選挙を担った下部党員たちの多くは、「野党共闘惨敗」という冷厳な現実に打ちのめされている。『しんぶん赤旗』紙上においても、「本当にがっかり。もう立ち上がれない」とか、「ものすごいことが起こりそうだとワクワクしたが……結果がでてガックリ」とかの、地区委員や支部役員らの声を掲載せざるをえないほどなのだ。
 だが、それだけではない。何よりもわが革命的左翼の日共中央を批判するイデオロギー的=組織的闘いに揺さぶられた下部党員・活動家らから、「野党共闘」を最優先し「反安保」も「反改憲」さえも後景におしやることを強いてきた志位=不破指導部にたいする不信と公然たる反発がいたるところで噴きあがっているのだ。まさにそれゆえに、この下部党員たちを来年の参院選にむけた集票活動に駆り立てていくために、彼らをなだめすかし・あるいは抑えこむことに汲々としているのが代々木官僚どもなのだ。
 志位は議員団総会「あいさつ」において、「野党共闘」方針が正しかったにもかかわらず十分な成果がえられなかったと称し、それは「野党共闘への激しい攻撃があった」からだ、と汗だくになって弁明をくりかえしている。
 だが、「民主主義の政権か、共産主義が入った政権かの体制選択選挙だ」とか、「共産党=暴力革命の党」とかという自民党や維新のネオ・ファシストどもの右翼マスコミなどをも活用した大宣伝にたいして、およそ腰ぬけの対応に終始したのが志位指導部なのだ。「限定的な閣外からの協力」であって「共産党は政権には入りません」だの、「暴力革命」などというのは「デマにデマをかさねるもの」だのといった無様な弁明と防戦をくりかえすことしかできなかったのが代々木官僚どもなのだ。
 しかも、「連合」指導部は新会長・芳野が先頭にたって、「共産党との共闘などありえない」と声高に叫びたて、立民・枝野執行部に「野党共闘」の、とりわけ「野党共通政策」や「政権協力」の合意を破棄することを強硬に迫ってきた。いまや岸田政権に抱きつき、日本型ネオ・ファシズム政権を支える労働運動≠フ道に踏みだしたこの芳野指導部にたいして、日共中央はひとことも批判することなく沈黙をおし通しているのだ。
 さらに、今春の通常国会において国民投票法改定案の成立に加担し、そうすることによって改憲勢力を勢いづかせた枝野・立民の決定的な裏切り≠ノたいしてもひとことの批判もおこなわず、下部党員たちから噴出した立民批判を抑えこむことに狂奔したのがお前たちではないか。
 そればかりではない。「日米同盟を基軸とした現実的な外交・安保政策」なるものを党是とし、改憲の代案を提起してもいる立民指導部に迎合して、「共闘に対立点はもちこまない」と称して「反安保」も「反改憲」も棚あげにしたのが、志位指導部だ。党独自の選挙政策においてすら「安保条約の廃棄」も「九条改憲反対」も徹底的に後景化させ、岸田政権にたいする反安保・改憲阻止の闘いの組織化を投げ捨ててきたのが日共中央なのだ。
 まさに改憲勢力≠ノよる衆院の制圧を許した今回の選挙結果は、「広範な保守層との共同」路線にもとづいて、立民から「政策合意」「政権合意」を引き出すために代案の右翼的緻密化に精を出し、憲法改悪反対をはじめとする大衆運動の組織化を完全に放棄するとともに、党組織の担い手たちを立民の候補者に奉仕する集票マシーン≠ニして機能させてきた代々木官僚どもの犯罪的対応が招いた事態にほかならない。
 いまこそ、岸田政権の改憲と大軍拡への危機感を湧きたたせ、これへの闘いを創りだすべきときなのだ! こうした闘いにとりくもうともしない党中央への疑念と怒りをたぎらせている日共党員たちよ! 選挙惨敗の責任を問われた志位はいまなお「方針は正確だった」と傲然と言い放っている。方針通り動かなかったとして下部党員に敗北の責任を押しつけているのだ! 今こそ、志位を先頭とする代々木官僚どもの居直りを粉砕せよ。
 コロナ感染爆発のもとで資本主義の悪≠ェ剥き出しとなっている今このときに、「発達した資本主義の価値ある成果をすべて受け継ぐ」のが社会主義だ、などという反マルクス主義的言辞をふれまわり、資本主義の延命に手を貸しているのが、この転向スターリニストどもだ。腐臭を放つ日共中央から今こそ決別し、わが反スターリン主義の闘いに合流せよ。
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 「改憲発議阻止」の声轟く

11・19 国会前 

 首都圏の闘う学生が最先頭で奮闘
 十一月十九日、衆院第二議員会館前において、「改憲発議反対・辺野古新基地建設反対・敵基地攻撃能力保有反対」を闘争スローガンとした「十九日行動」(主催:総がかり行動実行委員会)が開催された。岸田自民党政権が改憲のための「自民党内の体制」の強化をはかりつつ、十二月六日からの臨時国会において憲法審査会を開くことを狙っている。この緊迫した局面において、憲法改悪阻止の決意に燃えた一〇〇〇名の労働者・学生・市民が結集した。早稲田大学・国学院大学などの首都圏のたたかう学生たちは「反安保」を放棄する日共中央をのりこえて、「日米グローバル同盟反対!」の旗幟を鮮明に集会の戦闘的高揚を切りひらくために奮闘したのだ。  
「憲法改悪阻止!」のシュプレヒコールをあげる首都圏の闘う学生たちに集会参加者たちが呼応
(11月19日、国会前)
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11・19 那覇  「自衛隊の統合実動演習阻止!」

労・学・市民が緊急抗議集会 
 十一月十九日、「自衛隊の大規模統合演習に反対する緊急抗議集会」(主催:沖縄平和運動センター)が那覇市の県民広場で開催された。琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちは、結集した労働者・市民と共に集会の戦闘的な高揚のために最先頭でたたかいぬいた。
 岸田政権・防衛省は、十一月十九日から十一月三十日にかけて三万人もの自衛隊員を動員した陸・海・空三軍による統合実動演習を第一列島線上に位置する沖縄本島や先島諸島、鹿児島県の種子島、長崎県の津多羅島を主要な演習場として強行しようとしていた。演習初日の十九日、石垣島の民間港を使った自衛隊の輸送訓練にたいして現地での抗議行動が市民団体によってとりくまれた。この闘いと連帯して那覇市での抗議集会が開催された。「対中国の日米共同作戦体制の強化を断じて許すな!」たたかう学生たちは、怒りにもえて<日米グローバル同盟の強化反対!>の旗高く奮闘したのだ。
自衛隊統合実動演習に抗議の拳をあげる労働者・学生
(11月19日、那覇市・県民広場)
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