「解放」最新号(第2850号2025年1月1日)の内容
<1〜4面>
反スタ運動の怒濤の前進を!
危機的現代の根底的変革をめざして闘おう
<5面>
ウクライナの同志との交流 メッセージと映画
<6面〜7面>
戦争とファシズムを打ち砕け!
(漫画解説)
<8面〜9面>
トランプ再登場で加速する世界経済の激変
<10面〜11面>
年頭の決意
沖縄/関西/九州
自治体/郵政/交運/電機/地域一般
<12面>
写真特集 激闘 2024
≪お知らせ≫ 本号は二〇二四年十二月二十三日付にあたりますが、二五年一月一
日付新年特別号とします。二四年十二月三十日付、二五年一月六日付、同十三日付は
休刊にします。
「解放」
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反スタ運動の怒濤の前進を! 危機的現代の根底的変革をめざして闘おう
アメリカにおけるトランプ政権の再登場、米―中激突のさらなる熾烈化とそれによる第三次世界大戦勃発の危機、まさにこの破局の切迫のまっただなかにおいて、われわれは二〇二五年を迎えている。 すでに一〇〇〇日以上もロシア侵略軍とたたかってきた偉大なウクライナの労働者人民は、だがしかし、いま大きな壁に突き当たっている。そして殺人鬼ネタニヤフ政権による大殺戮によってガザ・パレスチナ人民は地獄の苦しみを強制されている。 この危機的世界にたいして、まさに仁王立ちになって立ち向かっているもの――それが、わが日本の反スターリン主義運動である。わが同盟と革命的・戦闘的な労働者と学生こそが、この世界を根底から変革する闘いを最先頭に立ってたたかいぬいているのである。 この一年間の闘いをとおして、われわれはわが運動を世界におし広げてきた。二〇二三年の十一月に、わが欧州派遣団はウクライナの左翼と交流し、その後も連帯の絆はかたく結ばれ、そしてますます強く・深いものになっている。このことは、「帝国の平和ではなく人民の平和を」というウクライナ左翼のスローガンのなかにも鮮やかに示されているではないか。 それだけではない。昨二〇二四年の十一月にアルゼンチンで開かれた「革命的マルクス主義と戦争」と題する国際会議を見よ! われわれは世界の戦闘的左翼とともに、「プーチンの代理人」、「スターリニストの残党」、「トロツキズムの背教者」などの反労働者的なふるまいを粉砕しつつ、「ウクライナ侵略粉砕」「パレスチナ人民大虐殺弾劾」の闘いをおしすすめてきた。いまやこの闘いは世界に広がりつつあるのだ! いままさに、北朝鮮と対峙する韓国の尹錫悦政権は、自己の政権危機をのりきるために「非常戒厳」宣布を強行し、労働者人民の勇敢な反撃を喰らって自滅した(十二月十四日に国会で「弾劾」決議が可決)。他方、中東においては、半世紀にわたってロシアの後ろ盾のもとに圧政を敷き数多の人民を虐殺してきたシリアのアサド政権が、ムスリム民衆に支えられた反政府武装勢力によって打ち倒された。ロシアのウクライナ侵略が開始されてから三年になろうとしているこんにち、米―中・露激突下の現代世界は新たな大激震を開始している。 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 日本の反スターリン主義運動を世界の反スターリン主義運動へと飛躍させること――これのみが、戦争と貧困と暗黒支配に覆われた世界を根底から変革し、人類の破滅の危機を革命的に突破する唯一の道なのだ。このことをわれわれは誇りをもって確認し、全世界の苦闘する労働者人民とともに、この新たな年を勇躍つきすすもうではないか! T 二〇二四年のわが革命的左翼の闘い A ウクライナ侵略粉砕・パレスチナ人民大虐殺弾劾の闘い わが革命的左翼は、昨一年間をつうじて、ロシア権力者プーチンが強行している隣国ウクライナにたいする極悪無道の侵略戦争――この<プーチンの戦争>を粉砕する闘争を、日本の地において、いっさいの既成指導部の闘争放棄を弾劾してたたかいぬいてきた。 ウクライナ人民の現在には、帝国主義とスターリン主義の巨悪と矛盾が集中している。スターリンによるソ連邦への上からの併呑とロシア化政策、強制的農業集団化とホロドモールなどの約七十年間にわたるスターリン主義の圧政、そしてソ連邦崩壊以降のマフィア的資本主義化とオリガルヒの跳梁による弱肉強食≠フ強制と強欲な西欧独占資本の収奪。――この二つながらの悲惨を世代を超えておしつけられて呻吟してきたのがウクライナ人民である。 このウクライナ人民にたいしてプーチンがしかけた侵略戦争こそは、スターリン主義ソ連邦の崩壊を「地政学的大惨事」とうそぶいたこのスターリンの末裔≠ェ「大国ロシア=ソ連邦の版図復活」をなしとげんとして強行した世紀の蛮行にほかならない。 われわれは、こうしたこの戦争の階級的・歴史的意味を暴きだしつつたたかってきた。そして全世界の労働者階級に呼びかけた。――「労働者は共に資本主義社会の底辺に生きる者として、同胞の犠牲のうえにみずからの利害を追求することはできない。支配階級の国家権力に抗しうる労働者階級の力の源泉は、ただ賃金奴隷としての自覚にもとづく労働者階級の階級的団結にこそある。そして本質的に国境をもたない労働者階級の団結の質は、国家の壁によって隔てられた兄弟にたいする態度の中にこそ示される。/だから労働者は、ウクライナの同胞を見捨ててはならない」(「第62回国際反戦集会 海外へのアピール」『新世紀』第三三二号)、と。 一九九一年のソ連邦の崩壊に直面して、左翼としての骨をへし折られ脱イデオロギー化して対応不能に陥った数多の自称「左翼」ども。一度たりともスターリン主義との対決をしたことがないこの連中は、いまスターリニスト・ソ連邦への郷愁にすがりつき、ロシアのウクライナ侵略に直面して侵略者プーチンを擁護するという反プロレタリア的腐敗を剥きだしにしている。このような全世界の自称「左翼」の腐敗を徹底的に弾劾しつつ、われわれはこのかん<プーチンの戦争粉砕>の闘いをたたかってきた。そしてそのただなかで、苦闘するウクライナの左翼の同志たちとの連帯の絆をもつくりだしてきたのだ。 われわれは同時に、シオニスト・ネタニヤフ政権によるパレスチナ人民にたいするジェノサイドを弾劾する闘いを創造してきた。 「パレスチナ民族など存在しない」と喚きながら、パレスチナ自治区を地上から抹殺せんとして、女性・子ども・老人を含めて人民を皆殺しにするこの殺人鬼ネタニヤフ政権を弾劾する闘いを、われわれはたたかいぬいてきた。そして中洋ムスリム人民にたいして、「パレスチナ人民を見殺しにするアラブ権力者どもに抗し、イスラミック・インター‐ナショナリズムにもとづき反シオニズム・反米闘争に起ちあがれ!」と呼びかけつつたたかってきたのだ。 一九四八年のパレスチナの地でのユダヤ人国家イスラエルの建設=いわゆる「ナクバ」によってみずからの故郷を奪われ難民にされたパレスチナ人民は、いごイスラエルの庇護者となったアメリカ帝国主義と、中東における権益拡大のためにアラブ民族主義の権力者を支援してきたスターリン主義ソ連邦との対立と瞞着のもとで翻弄され見殺しにされてきたのだ。われわれは、この中東におけるスターリン主義の犯罪をも暴きだしてきた。 このようにわれわれは、<反帝国主義・反スターリン主義>世界革命戦略に立脚して、ロシアのウクライナ侵略戦争とイスラエルのパレスチナ人民大虐殺という二つの<世紀の大事件>の階級的・歴史的意味をえぐりだし、「ウクライナ侵略粉砕」の闘争と「パレスチナ人民ジェノサイド弾劾」の闘争とをひとつに結びつけつつたたかってきたのである。 B 米・中激突下の熱核戦争の危機を打ち破る革命的反戦闘争を推進 東アジアにおいては、朝鮮半島、台湾、南シナ海を焦点として、米・日・韓―中・露・北朝鮮の政治的・軍事的角逐が一段と激化し、熱核戦争にさえ転化しかねない危機が切迫している。わが同盟は、ウクライナ侵略粉砕・パレスチナ人民虐殺弾劾の闘いとともに、東アジアにおける戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を断固として推進してきた。 ネオ・スターリン主義中国の習近平政権は、「台湾独立勢力を恐怖させる」と呼号して台湾包囲の軍事演習を強行するとともに、南シナ海の岩礁をフィリピンから強奪する策動をくりかえしている。これらにたいするアメリカおよび日・豪などの軍事介入・妨害を阻止するために習近平政権は、核弾頭の一五〇〇発への増強や極超音速の中距離ミサイル配備の加速など対米核戦力の飛躍的強化に突進しているのだ。 この中国の台湾併呑・南シナ海領有化を阻止するために、アメリカのバイデン政権は、日米軍事同盟を基軸とし米韓・米豪・米比の軍事同盟を結びつけた対中国の多国間軍事同盟の構築・強化に突進している。同盟諸国軍を動員して台湾海峡や南シナ海における軍事行動を強行し、日本政府とともに沖縄・南西諸島を軍事要塞化する攻撃に狂奔してきたのだ。 われわれは、この米・日・韓―中・露・北朝鮮の相互対抗的な核戦争体制の構築と威嚇的軍事行動に反対し、東アジアにおける熱核戦争勃発を阻止するためにたたかってきた。こうした東アジアにおける米(日)―中の対立が根本的に非和解的であり、戦争的危機を突き破る力は国境を越えた労働者・勤労人民の団結にしかありえないことを鮮明にしてたたかってきたのだ。 ネオ・スターリニスト習近平指導部は、衰退するアメリカから二十一世紀半ばまでに世界の覇権を奪取することを国家戦略とし、その不可欠の環として「祖国の完全統一」=台湾併呑を位置づけている。さらにはスターリン主義的膨張主義を剥きだしにして南シナ海全域を「中国の管轄圏」と宣言している。 これにたいしてバイデン政権のアメリカは、みずからの力の衰退を補完すべく同盟国・パートナー国の軍事力・経済力・技術力を総動員し対中国の包囲網を重層的に構築するという「統合抑止戦略」を掲げてきた。これを「自由と民主主義」のボロ旗――アフガニスタン・イラクのムスリム人民の血に染まったそれ――でイデオロギー的に粉飾してきたのである。 右のような世界情勢の今日的特質の把握は、ソ連邦崩壊後の世界を「新東西冷戦の時代」として、そして「米中激突の時代」としてとらえてきたわれわれだけに可能なのである。二〇〇一年の<9・11ジハード自爆事件>を「ヤンキーダムの終焉の端初」と喝破し、二〇〇四年には「米中対決の時代への転回」を闡明(せんめい)してきた同志黒田寛一に導かれたわが革共同革マル派、その洞察と予見の先駆性・革命性は誰の目にも明らかである。かかる現代世界の基本構造の認識・把握に立脚して、われわれはこんにちの世界熱核戦争勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の指針をうちだし、闘いを推進してきたのである。 C 岸田・石破政権の反動総攻撃を打ち砕く闘い 昨年十月の総選挙において、石破自民党は、労働者人民の怒りに包まれて大惨敗し、自公与党の過半数割れという事態が現出した。これこそは、二〇一二年の安倍政権の発足いらい十二年間にわたって続いてきた「自民党一強」体制の崩壊にほかならない。 安倍・菅・岸田という三代にわたる自民党政権の巨悪――アベノミクスによる人民への貧窮の強制、「モリ・カケ」疑獄や統一協会との癒着などに象徴されるそれ――にたいする労働者人民の積もり積もった憤懣と怒りが、いわゆる「裏金」疑獄の暴露によって一気に噴出したのだ。この事態の基底にあるものは、歴代自民党政権が独占資本家どもと一体でおしすすめてきた非正規雇用の激増と低賃金の強制、労働者人民の貧困の深まり、凄まじい経済的格差の拡大であり、それを許容しそれに協力してきた「連合」指導部の度しがたい腐敗にほかならない。 こうしたなかでわが同盟と革命的労働者のみが、日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化と対決し、現存支配体制を下支えする「連合」指導部を弾劾しのりこえ、日本労働運動の戦闘的再生のためにたたかってきた。 とりわけ昨二〇二四春季賃金闘争において革命的・戦闘的労働者たちは、政労使協議での談合≠ノもとづき超低率の「賃上げ要求」しか掲げなかった「連合」指導部を弾劾し、<大幅一律賃上げ獲得>のためにたたかってきた。 そして同時に、全学連と反戦青年委員会は、岸田―石破の自民党政権による日米軍事同盟強化・大軍拡に反対し憲法改悪を阻止する反戦反安保・反改憲の闘争を、日本共産党などの既成左翼の闘争放棄を弾劾しのりこえ、学園や職場から果敢につくりだしてきたのである。 D 大学のファシズム化≠粉砕する偉大な闘い マル学同と全学連の革命的学生たちは、愛知大学をはじめとする全学連の拠点大学の自治団体にかけられた敵国家権力とそれに使嗾された反動大学当局の憎悪に満ちた弾圧・破壊攻撃を断固としてはね返した。 愛大自治会の中心的担い手にたいする反動当局による退学処分攻撃を打ち砕くために、わが全学連は総力をあげてたたかってきた。また、早稲田大学や国学院大学などでの全学連の闘いへの憎悪に駆られた国家権力がしかけた「給付金詐欺」なるもののでっちあげ、この弾圧にわが革命的学生たちはただちに反撃し断固として打ち砕いた。 日共系「全学連」はいまや解散して久しく、全国の多くの大学では学生運動が消滅している。そのようななかにあって、わが全学連だけが「ウクライナ侵略反対」「パレスチナのジェノサイド反対」や「国公私立大学の学費値上げ反対」の闘いを、学園キャンパスにおいて良心的学生たちとともにその最先頭で創造しているのだ。だからこそこれに驚愕し恐怖した敵権力は、わが革命的学生運動の拠点にたいする凶暴な弾圧をしかけてきているのである。全国の革命的労働者たちは、職場の仲間にも呼びかけつつ、愛大当局の処分攻撃にたいする全学連の闘いを激励しそれと連帯してたたかっている。 以下、見出し U <トランプ帝国>の出現――加速化する世界の暗黒化 A 今ヒトラー<gランプの再登場 B 米・中激突下の世界の大激震・大変動 C 石破政権の反動諸攻撃と日本労働運動の産報化 V 反戦、反安保・反ファシズムの闘いの奔流を! A ロシアのウクライナ侵略を粉砕せよ! B <ネタニヤフの戦争>を打ち砕け! C 東アジアにおける熱核戦争の危機を突き破れ D 石破政権の安保強化・大軍拡攻撃を粉砕せよ E 二〇二五春闘の戦闘的高揚を! W 暗黒の世界をくつがえす思想的=組織的拠点を打ち固めよ A ウクライナ侵略反対闘争の革命的指針について B 「マルクス主義の土着化」とは何か C <変革的実践>へのパトスに燃えて |
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ウクライナの同志との交流 ――メッセージと映画―― 昨二〇二四年の12・1革共同政治集会において、第T部「基調報告」に続く第U部として、ウクライナの左翼とわが同盟とのこのかんの交流が、紹介された。 報告は、二三年秋に訪欧し約十日間にわたって彼らと討論してきた派遣団(労働戦線代表・学生戦線代表・国際部の同志岩倉と同志沢田)を代表して、同志・沢田今日子が約一時間にわたっておこなった。 沢田は、@日本からウクライナの同志に送った最近の手紙、Aこれへのウクライナの同志からの返信、B革共同政治集会にむけての「コモンズ」からのメッセージ、の三つを紹介した。そして最後に、「コモンズ」が世界の労働者人民、ロシアやアメリカや後進国の人民に向けてつくった約三十分の短編映画を上映した。 ウクライナの同志からの手紙に・また彼らがつくった映画に、満場の参加者は涙とともに決意を新たにした。集会後、「あの感動をもう一度……職場や学園の仲間たちと討論したいので」という声が多く寄せられた。そこで本紙上において、12・1集会の第U部を今一度紹介することにする。 〔編集局〕 (1) みなさん、こんにちは。 一年前のちょうど今ごろ、私たち欧州派遣団は、ウクライナの左翼の仲間たちと膝を交えて論議をしました。そしてそれ以降も、メールのやりとりをしたり、私たちの論文を送ったりしながら、ずっと交流を続けてきました。 そのなかで、本二〇二四年の一月ころ、コモンズの仲間から、「以前からつくりたいとずっと思っていたドキュメンタリー映画があります。できあがったら送ります」という知らせがありました。 そしてこの夏に映画は完成しました。それがこのあと見ていただく映画です。 映画を観る前に、この映画についての・このかんの私たちのやりとりを、少し紹介しておきたいと思います。そのほうが、この映画をつくった背景や彼らの思いが分かると思うのです。 以下、見出し 日本からウクライナの同志に送ったメール ウクライナの同志からの返事 集会に寄せられたコモンズのメッセージ ウクライナの人々の魂の叫び ――映画を観ての感想 映画 私たちはいかにベトナムの空を守ったか 米軍の侵略とたたかったウクライナの兵士たち |
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@ トランプ帝国(歌川国芳風)
A 叫ぶ頼清徳(ムンク風)
B 習近平・中国(葛飾北斎風)
C プーチン・金正恩(ミサイル風)
D ウクライナ・ヨーロッパの労働者たち
E 戦場の夫を待つウクライナの女性
F 世界にはばたく全学連・反戦
G 日本労働者の怒りの象徴
H 世界に団結を訴えるFLTI
I 殺人鬼ネタニヤフ
J メキシコ・カナダの権力者
K 石破と「連合」芳野・野田・玉木
L 若者の怒りにつつまれた韓国・尹錫悦
M 動揺するヨーロッパの権力者
N BRICSに群がるグローバルサウスの権力者
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トランプ再登場で加速する現代世界経済の構造的激変 国際供給網の分断・再編をめぐる米・中の激突 悪逆無道なプーチン・ロシアのウクライナ侵略を歴史的な転換点として、今ヒトラー≠ヌもがおちこちで跋扈する時代へと暗黒化の歩を速めてきた現代世界。この世界はいま、「アメリカ・ファースト」を叫ぶトランプの再登場によって、<米・中激突>を基軸とした軍事的・政治的・経済的角逐を一気に激化させ、熱核戦争勃発の危機さえをも手繰りよせつつある。この危機的事態を根底において突き動かしているものこそは、全世界の労働者・人民を戦争と貧困と失業と強搾取の奈落に突き落とすことによって延命し腐朽をきわめてきた現代帝国主義経済、その断末摩のあがきにほかならない。 <新型コロナ・パンデミック恐慌>と、それをのりきるために米・欧・日の帝国主義権力者どもがまき散らした膨大な緩和マネー=Aそしてロシアのウクライナ侵略が引き起こしたエネルギー・食糧の供給危機、これらが重なりあうことによって急激に昂進した<世界同時インフレ>は、<プーチンの戦争>・<ネタニヤフのガザ人民ジェノサイド>によって拍車をかけられた難民・移民の増大をも要因として、世界各国において貧富の差の拡大・社会の二極化を極限までおしすすめてきたのであった。むきだしとなったこの階級分裂にもとづく社会的分断と貧困の強制にたいして、労働者・人民の苦悩と怒りはいまや世界中にこだましている。 だが人民のこの血叫びは、痛苦なことに、圧政と強搾取を強いる支配階級にたいする階級的闘いへと高められることなく、民族・宗教・人種などをめぐる排外主義的な憎悪へと疎外され、帝国主義各国におけるネオ・ファシズム的極右勢力の拡がりとして現出してしまっている。アメリカ大統領選におけるトランプの「圧勝」こそは、その象徴的事態にほかならない。そしてこのことは、スターリン主義ソ連邦崩壊以後の脱イデオロギー状況がもたらしたプロレタリア階級闘争の衰滅的危機の深刻さを、スターリン主義の悪の深さを、改めてわれわれに突きつけているといわなければならない。 以下、見出し A 激化する<脱グローバル化>のせめぎ合い B 金融投機の活況のもとで深まるアメリカ経済の危機 C 新エネルギー供給網″\築に狂奔する習近平 |
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