第2856号(2025年2月24日)の内容

<1〜2面>
<25春闘勝利>の鬨の声
 大幅一律賃上げ獲得!
 2・9労働者総決起集会かちとる
<3面>
第7次「エネルギー基本計画」原案
 原発の「最大限活用」を宣言
泊3号機の再稼働を許すな
<4面>
ディープシーク・ショック
 揺らぐ米テック企業のAI覇権
<5面>
NTT法見直し
 「IOWN開発」を軸に国策会社として維持・強化
Topics 内部留保を賃上げに
 「連合」の尻を追う「全労連」ダラ幹
<6面>
日米首脳会談反対に起つ
 2・7 札幌沖縄
 「解放」最新号

  


<25春闘勝利>の鬨の声 2・9


大幅一律賃上げ獲得! 

労働者総決起集会かちとる




 
満場の労働者が25春闘勝利の決意も固く「団結ガンバロウ!」を三唱
(2月9日、東京「銀座ブロッサム」)
 二月九日、日本列島を覆った大雪をついて、たたかう労働者たちは全国から首都・東京に結集し、二五春闘勝利の意気高く、「労働者怒りの総決起集会」を実現した。たたかう労働者たちは、政府・独占資本による物価つり上げ・低賃金の強制と、それに全面的に協力する「連合」芳野指導部への怒りをたぎらせ、本集会を二五春闘の勝利にむけた総決起の場としてかちとった。

二五春闘の戦闘的高揚を!
  基調報告

 午後一時、集会実行委員長が闘志をみなぎらせて開会宣言を発した。戦争と圧政と貧窮に労働者・人民が苦しめられている現実のただなかで、「今春闘を、日本の労働運動を前に進める闘いとして、労働者階級の固い団結でかちとろう!」
 会場の熱気が一気に高まり、ただちに自治体労働者と郵政労働者の司会のもと、第一部が開始された。教育労働者の春山俊二氏が、基調報告「物価引き上げを許すな! 大幅一律賃上げ獲得! 大軍拡・安保強化反対! 改憲阻止! 二五春闘を戦闘的に高揚させよう!」の提起に立った。
 冒頭、春山氏は朗々たる声で呼びかけた。「世界で数多の労働者・人民が餓死線上にさらされ、また無辜の人民がプーチンとネタニヤフの戦争によって虐殺されている。日本においても労働者・人民は貧困につきおとされている。今こそ戦争と圧政と貧困に苦しむ世界の労働者・人民とともに起ちあがるときだ。二五春闘において、既成指導部の腐敗を許さず、大幅一律賃上げ獲得めざしてたたかおう!」参加者は彼の提起に集中する。
 いま、春闘の開始にあたって、経団連会長・十倉は、「物価引き上げにたいする共感の輪を社会に広げていく」などと言い放った。これに唱和して、「労働者は物価高を認めるべきだ」と資本家の下僕のごとき言辞を吐き、労働者に物価高を受け入れさせる役割を果たしているのが、「連合」会長・芳野なのだ。芳野は、物価高が労働者を襲い怒りが高まっているにもかかわらず、春闘の戦闘的高揚を抑えこみ、労使協議や政労使協議に春闘を解消しようとしているのだ。
 労働者はきわめて厳しい現実のなかに叩きこまれている。「物価は二〇二〇年から五年間で六〇%も上昇した。米や野菜がべらぼうに高騰。卵も同じ。さらに一万品目もの食品が値上げされる。」「労働者の実質賃金は三年連続でマイナス。ダブルワーク、スポットワークをせざるをえない労働者が増えつづけている」。まさに「二十一世紀版の古典的貧窮」ではないか。

「連合」芳野指導部の大裏切りを許すな!

 
「25春闘勝利に向け打って一丸となり闘おう!」
(2月9日、東京「銀座ブロッサム」)
 労働者が低賃金・生活苦にあえいでいるにもかかわらず、「連合」指導部は、「賃金、経済、物価を安定した巡航軌道にのせる」などとほざき、資本家どもによる物価値上げのお先棒を担いでまわっている。この彼らの二五春闘にむけた方針の犯罪性を、春山氏は憤激をこめて弾劾する。
 第一に、彼らの要求内容はあまりにも低額であり、しかも「格差賃金」を認めるという犯罪的なものである。第二に、賃上げのために物価値上げを促進すべきなどと主張している。第三に、春闘のたたかい方については「政労使協議」の一点張り。それは、階級協調主義にもとづき独占資本と日本国家の生き残りに奉仕する、ネオ産業報国会の頭目としての姿ではないか。
 そして第四には、反戦平和の取り組みを完全に放棄しているのだ。
 この「連合」指導部の大裏切りを弾劾し、二五春闘の戦闘的爆発をかちとろう!
 春山氏は、みずからの教育労働戦線における闘いについても述べた。政府・文科省は、「ICTを活用した個別最適な学び」の推進を叫び、教員にさらなる過重労働を強制しつつ、「定額・働かせ放題」の「給特法」の永久化を強行しようとしている。たたかう教育労働者たちは、日教組本部の裏切りを許さず、「給特法」撤廃の闘いをおしすすめている。
 人勧制度のもと、公務労働者は、賃金闘争において、民間労働者から分断されている。民間労働者との階級的団結を広げるために、たたかう教育労働者たちは職場で組合員との論議をつくりだしているのだ。

労働者人民の反転攻勢にうってでよう!

 たたかう労働者はいかなる指針のもとに二五春闘をたたかうか。春山氏はパトスをこめてあきらかにしていく。
 まず第一に、独占ブルジョアどもの賃金の実質的切り下げの攻撃をうち砕き、大幅でしかも一律の賃上げをかちとろう! 資本家による労働者の分断を許さず、労働者は団結してたたかおう! 賃下げに荷担する「連合」指導部の裏切り弾劾!
 「賃金をめぐる闘争は、賃労働者と資本家とが相互に自己の階級的利害を貫徹しあう闘いであって、その本性は非和解的である」。労働貴族どもの裏切りを許さず、階級的団結にもとづく賃金闘争をおしすすめることなしに、労働者は賃上げを獲得することはできないのだ。
 第二に、資本家どもによる解雇・転籍・出向・配転の攻撃をうち砕くために奮闘しよう! 第三に、社会保障制度の改悪に反対しよう! アメリカ帝国主義の強圧をうけた石破政権による、軍事費の大増額・大軍拡のための社会保障削減や大増税を許すな!
 そして同時に、反戦・反安保・改憲阻止の闘いを創造しよう! プーチンのウクライナ侵略阻止! アメリカに庇護されたネタニヤフによるパレスチナ人民大虐殺を許すな! 反戦の取り組みを放棄しさった「連合」指導部をのりこえ、石破政権による大軍拡・改憲攻撃を阻止するためにたたかおう!
 彼は、同志黒田寛一の『現代における平和と革命』「改版あとがき」の一文を紹介した。日本軍国主義のアジア侵略も、原子爆弾の投下によって惹起された惨事も、すべての進歩的知識人を手玉にとったスターリン主義も、「われわれが日本人であるかぎり、永遠に記憶されなければならない事態ではなくして、まさしく追体験されなければならない世紀の出来事なのである」。
 「戦後八十年」のこんにち、まさに「世紀の出来事」を追体験して、反戦の闘いを渾身の力でつくりだすのだ。春山氏はこのことを訴えたのだ。
 二五春闘を戦闘的に爆発させよう! 反戦の闘いを断固として創造しよう!
 最後に彼は、労働運動を左翼的に転回させるために奮闘しよう、と呼びかけた。既成指導部の抑圧をうちやぶり、労働者・人民の反転攻勢にうってでよう! こう檄を発して、春山氏は基調提起を結んだ。意気高くなされた春山氏の報告に、参加者は万雷の拍手で応えた。二五春闘勝利に向けた鬨(とき)の声を轟かせたのだ。

以下 見出し

トランプ政権の登場――
暗黒の世界を変革しよう!

  革共同革マル派代表

 <大幅一律賃上げ獲得>のスローガンについて

全学連・各産別労働者代表が決意表明




 
 

わが同盟の二〇二五春闘スローガン



 
  T 大幅一律賃上げ獲得! 春闘勝利!

   ◇政府・独占資本の賃下げ・諸物価引き上げを許すな!
   ◇賃上げ抑制・物価引き上げに加担する「連合」指導部弾劾!
   ◇「価格転嫁」を尻押しする既成指導部を許すな!


  U 一切の解雇・配転攻撃を労働者の団結で打ち砕け!
   ◇解雇・配転攻撃に協力する「連合」指導部を許すな!
 

 V 石破政権の社会保障切り捨て・軍拡大増税反対!
   労基法改悪を打ち砕け!


W 大軍拡・安保強化・改憲反対!
  ウクライナ侵略反対! ガザ・ジェノサイドを許すな!
 

労働組合を戦闘的に強化し、ネオ産業報国会=「連合」を脱構築しよう!

戦争と貧困と圧政に喘ぐ全世界の労働者階級と連帯して闘おう!



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第七次「エネルギー基本計画」原案

原発の「最大限活用」を傲然と宣言した政府・経産省


 政府・経済産業省は昨二〇二四年十二月十七日に、国の中長期的なエネルギー政策の指針として第七次「エネルギー基本計画」の原案を公表した。「二〇五〇年までに二酸化炭素の排出量をゼロにする」という目標をおしだして日本のエネルギー構成をどのようにするのかを軸に、その基本指針を定めたのが、原案である。今回、公表された原案の最大の特徴は、東京電力福島第一原発の大事故以後に掲げてきた「可能な限り原発依存度を低減する」との文言を削除し、原発を「最大限活用する」と明記したことにある。
 第二の特徴は、新増設にむけて次世代革新炉などの研究・開発を国が全面的にバックアップするとの方針を盛りこんだことである。原発の新増設を政府主導で進めていくことを傲然と表明したのだ。
 第三には、政府は新増設の資金を電気料金に上乗せする新たな制度の導入を策していることである。
 第四には、再処理工場、MOX燃料工場の竣工を「必ず成し遂げるべき重要課題」として、「官民一体で責任をもってとりくむ」と明記したことである。政府・独占資本家どもは、破綻が明らかとなっているにもかかわらず核燃料サイクル推進をあくまでも護持するというのだ。
 核惨事を引きおこした福島第一原発の廃炉作業は見通しすらたっていない。被災した地元住民四万二〇〇〇名の人たちがいまだ故郷に帰還することができず苦渋の生活を強いられている。この悲惨な現実がいまもなお続いているにもかかわらず、石破政権は、岸田政権の原発・核燃料サイクルの推進政策を引き継ぎ、経団連をはじめとする経済界からの要請に応え、原発推進の姿勢をよりいっそう鮮明にしたのである。
 地震国日本において、原発・核燃料サイクル施設の稼働を許すことは決してできない。第二の「フクシマ」の再来を招くのは必至ではないか。石破政権による原発・核燃料サイクル推進の策動を絶対に阻止しなければならない。

以下 見出し

原発推進政策への大転換

 原発の新増設の資金を電気料金に上乗せ

AI・半導体などの電力需要の増大を口実に原発を推進

核燃料サイクルの確立とプルサーマルに固執

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ディープシーク・ショック

揺らぐ米テック企業のAI覇権


中国製格安・高性能AI¥o現の衝撃

 ドナルド・トランプの大統領就任式がおこなわれた一月二十日に、中国の新興企業「ディープシーク(深度求索)」は、新たな文章生成AI(人工知能)サービス「R1」を発表した。「格安・高性能」を売り物とするそのソフトウェアは、アップルのアプリストアで史上最高のダウンロード数を記録した。週明けの一月二十七日にはニューヨーク株式市場で、AI用最先端半導体の供給を世界で独占してきたエヌビディアの株価が一七%も暴落し、その株式時価総額は一夜にして九〇兆円も消失≠オた。膨大な資金を投入してAI開発の先陣争いをしてきたアメリカのビッグテック企業(GAFAMなどの巨大ICT企業)の株価もそろって急落した。米・欧帝国主義権力者やICT産業のなかに激震が走り、「スプートニク・ショック〔一九五七年に、人類初の人工衛星打ち上げでソ連に先を越されたショック〕の再来だ」と叫ぶものまで現れた。
 このような大パニックが惹き起こされたのは、公開された「R1」も・その直前に発表された「V3」も、現在の「最先端」と言われているオープンAI社(マイクロソフトの傘下)の「ChatGPT」に較べて文章生成能力で遜色ない≠ニされているからであり、にもかかわらず、「V3」はわずか二ヵ月で開発され、かかった費用も五六〇万j(約八億六〇〇〇万円)で済んだ、とディープシーク社が発表したからである。これは、「ChatGPT」の開発費の十分の一以下にあたる。それゆえにまた「R1」は、「ChatGPT」の二十〜五十分の一という破格の使用料(「API」という有料使用の場合)で市場に投じられたのだ。

以下 見出し

震撼させられたアメリカ・ビッグテック独占体

中国による情報窃取・情報支配への危機感

オープンソースで世界制覇を企む習近平中国


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「IOWN開発」を軸にNTTを国策会社として維持・強化

石破政権による「NTT法見直し」

 ガタガタ石破政権は、今通常国会において昨二四年四月制定の「NTT改正法」の見直し法案を提出し成立させようとしている。日米共同での対中国先制攻撃体制づくりに狂奔し日本帝国主義経済の存亡をかけて半導体産業の再興をはかる石破政権は、NTTへの政府規制を強化しながら、NTTが開発・実用化をすすめる次世代通信システム「IOWN」を産業構造再編と軍事力強化にフルに活用しようとしているのである。

以下 見出し

「経済安全保障」の名のもとNTTへの政府規制を強化

国家プロジェクトの推進に突進するNTT

NTT労働者への犠牲転嫁を許すな!


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日米首脳会談反対に起つ
 
 

在札幌アメリカ総領事館と自民党道連にたいする連続闘争に決起
 

2・7 札幌
二月七日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会の労働者は、日米首脳会談反対の決意も固く、在札幌アメリカ総領事館と自民党道連にたいする連続闘争に決起した。日米首脳会談は、歴史的な没落を深める軍国主義帝国の皇帝トランプが、主敵中国を封じこめるためにその最前線に位置する「属国」日本の宰相・石破に忠誠を誓わせる儀式にほかならない。たたかう労働者・学生は、「反安保」を完全に放棄する日共系反対運動の闘争放棄を弾劾し、米―中・露激突下の戦乱勃発の危機を突き破る旗幟を鮮明にして、最後まで戦闘的にたたかったのだ。
   トランプ政権に怒りの拳
(2月7日、在札幌米総領事館前)
   「石破政権の大軍拡を許すな!」自民党道連にシュプレヒコールの嵐
(2月7日、札幌市)
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在沖アメリカ総領事館にたいする抗議闘争に決起

2・7 沖縄
  日米首脳会談直前の二月七日、沖縄県学連のたたかう学生は、「日米首脳会談反対! トランプの『ガザ所有』発言弾劾!」を掲げて在沖アメリカ総領事館にたいする抗議闘争に断固として決起した。対中国の最前線たる沖縄の地において、全国のたたかう労働者・学生と固く連帯して、<反安保>の旗高くたたかったのだ。 
  日米両権力者にたいする怒りを叩きつける県学連の学生
(2月7日、浦添市・在沖米総領事館前)
   
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