第2853号(2025年2月3日)の内容
<1〜3面>
凶暴化する最末期の軍国主義帝国
第二次トランプ政権の登場
学術会議法人化法の制定に突進する石破政権
<4面>
キーンソード25
対中国の日米共同作戦計画に基づく戦争遂行体制構築
日本の全空域を覆いつくし米日両空軍が共同演習
<5面>
Topics 「全労連」指導部の大混迷
JAM本部の「価格転嫁」要求の虚妄
◎わが同盟の2025春闘スローガン
<6面>
革共同政治集会に参加して
今こそ「革マル派の時代」を切り拓くために奮いたとう
ウクライナ人民に思いをよせ仲間とともに頑張ろう!
□『新世紀』最新号(第335号)紹介
「解放」最新号
凶暴化する最末期の軍国主義帝国 ――第二次トランプ政権の登場 一月二十日にアメリカ新大統領となったドナルド・トランプは、就任後ただちに、合衆国大統領の権限たる「大統領令の発令」をフル活用して、諸政策の強権的な貫徹に狂奔しはじめた。 「国境を侵す侵略者」と烙印した貧しき移民労働者を容赦なく国外にたたきだす「強制送還作戦」の開始、連邦政府の官僚機構を意のままに動かすための・その大再編への着手、さらには連邦議会襲撃事件(二〇二一年)に加わった「トランプ親衛隊」の狂信的極右を含む約一五〇〇人を野に放つ「恩赦」――これらをトランプが大統領の命令ひとつで次々に強行していることは、始動した全体主義国家アメリカの暗黒性をむきだしにするものにほかならない。 対外的には、「アメリカをしのぐ超大国」にのしあがらんとする習近平率いる中国の真っ向からの挑戦をうけているトランプは、「領土拡大」=アメリカ大陸全域への支配圏拡大という帝国主義的野望を公然とむきだしにしながら、この中国との全面的な対決にのりだそうとしている。 「アメリカの衰退を終わらせ、尊敬される正当な国家としての地位を取り戻し、全世界の畏怖と称賛を呼び起こす」などとうそぶき、三歳児的わがままを全世界に押し通しはじめたトランプの<帝国>。みずからの衰退を認めながら、アメリカを利用し貶めてきた℃メすべてに敵愾心をあらわにするその姿こそは、ソ連邦崩壊後三十余年を経て凋落しはてたこの軍国主義帝国の、まさしく最末期のあがきを示すものにほかならない。 トランプ再登場を起爆剤として、二十一世紀世界の覇権をかけたアメリカ帝国主義と中国ネオ・スターリン主義との世界的な激突は熾烈化の度を増している。トランプからの「ウクライナ停戦調停」の誘いに雀躍したロシア大統領プーチンは、トランプがしつらえる「ディール」のテーブルにつくまでのあいだにウクライナの占領地域を拡大しようと攻撃をエスカレートさせている。パレスチナにおいては、トランプとの腹合わせにもとづいてシオニスト・ネタニヤフが、ヨルダン川西岸地区における新たな殺戮にのりだした。 戦火に包まれ暗黒化を深める二〇二五年の現代世界。いまこそ全世界の労働者階級は、国境を越え団結して、この現代世界の暗黒を突き破るために巨歩をふみだすのでなければならない。アメリカの労働者・人民は、たちあらわれた<帝国>の反人民性に目覚め、階級的団結をかためて、<反トランプ政権>の断固たる闘いに決起せよ! 「内なる敵」の撲滅を開始した皇帝気取りのトランプ 大統領トランプは、就任後一週間あまりで、四十以上にもおよぶ「大統領令」や「覚書」を乱発し、その執行にのりだした。それらは、バイデン前政権がとってきた諸施策やそのもとでつくられてきた諸制度、さらには前政権がとりむすんできた国家間関係をことごとく卓袱台(ちゃぶだい)がえし≠キるものにほかならない。 「不法移民」の入国を停止し・在米の「不法移民」を国外に送還するための「国家非常事態宣言」の発令と、空軍機を使っての南米への強制送還の開始。 「不法移民」増加の根拠とみなした、合衆国憲法修正十四条(アメリカで生まれた子どもには両親の国籍にかかわらず米国籍を付与する、とするそれ)にもとづく伝統的施策(出生地主義)の「見直し」の命令。 さらには、WHO(世界保健機関)からの脱退、気候変動対策をめぐる「パリ協定」からの再離脱、「グリーン・ニューディール」政策の一環としての電気自動車(EV)推進政策の廃止、沿岸地域における化石燃料採掘規制の撤廃、「男・女二つの性のみ認める」ことの宣言、連邦政府・軍内部の「多様性推進」政策の破棄、などである。 こうして、「移民やマイノリティに寛容で環境保護に偏重した民主党の政策は極左の主張」と断じてこれを葬りさるとともにトランプは、このような「リベラル」的な政策を立案し実行してきた官僚・政府職員の一掃にとりかかっている。イーロン・マスクをトップとする「政府効率化省(DOGE)」の設置を布告したことがその号砲である。これとあわせてトランプは「キャリア官僚の政治任用職への転換促進」をも命じた。これもまた、キャリア官僚に多いとされる民主党支持者や「リベラル派」を放逐し、トランプの手兵へと根こそぎ置きかえるための措置にほかならない。 トランプは、こうした布告のたてつづけの発令それじたいを、「過激で腐敗した既存支配層」と「闘う」姿を労働者・人民にたいしておしだすためにもおこなっている。このような演出は、一月二十日に連邦議会議事堂の円形大広間でおこなわれた「就任式典」にも露骨に示された。 連邦政府の支出でなく、自身に集められた寄付金(約三〇〇億円)でおこなわれたこの式典においてトランプは、前大統領バイデンと前副大統領ハリスとを「被告人」さながらに演壇横に座らせたうえで、就任演説においてこの前政権の「罪状」を並べたてた。「(前政権は)暴力的かつ不公正な司法省と政府の武器化」をくりかえしてきたとか、「今の政府は、国内の単純な危機さえ管理できず、その一方で国外では次々と起こる悲惨な事案に足を踏み入れている」「われわれの公衆衛生システムは災害時に機能しない」とかと。そのたびに、トランプによってかき集められた来賓(ほとんどが白人)はスタンディング・オベーションをくりかえした。バイデンとハリスは、硬直した表情のままそこに座っているほかなかった。 この式典こそは、前任者たるバイデンとハリスをば「犯罪者」としてつるしあげるためにトランプがしつらえた「法廷」であった。そして、トランプいうところの「連邦政府を操ってきたディープ・ステイト(影の政府)」にたいする逆襲≠フ開始を告げる儀式であったのだ。 このようにして、民主党、連邦政府官僚、さらには「不法移民」とされた人々にたいする労働者・人民の憎悪をあおるトランプ。「薬物中毒、レイプ犯などの不法移民が数百万人いる」だの「地球温暖化は嘘」だのといったフェイクを「X」などのSNSを使って垂れ流しつつ、この「内なる敵」と「闘う」おのれへの熱狂をかきたてるというトランプのやり方。それはまさしく、「共産主義者とユダヤ人」という「内部の敵」と闘う「労働者の味方」としてみずからをおしだし権力を握っていったナチスのアドルフ・ヒトラーのそれを猿真似したものにほかならない。明らかにトランプは、ナチス・ドイツのごとき全体主義国家をアメリカにうちたて、それに皇帝として君臨しようとしているのである。 だがトランプは、内心では怯えている。トランプは就任演説で「今日はキング牧師の記念日」だとあえて触れ、さらに二十三日にはこの黒人指導者キング牧師や大統領J・F・ケネディの暗殺にまつわる「真相解明のための機密文書公開」を命じたのであった。トランプが「ディープ・ステイト」と呼ぶFBI(連邦捜査局)、ないしCIA(中央情報局)の手で暗殺されたケネディとキング。その名前を今このときにあげて「真相解明」を訴えたのが、昨年七月の選挙集会で銃撃され九死に一生を得たというおのれの体験をば、「われわれの信念を阻もうとする者たち」によって抹殺されかかったが「神によって救われた」(就任演説)≠ネる物語へと仕立てあげているところの大統領トランプなのである。 没落帝国の新たな世界戦略の発動 ロシア有利の停戦案℃諾をウクライナに迫るトランプ 「大イスラエル」建設に狂奔するシオニストへの支援強化 アジアにおける「対中国軍事包囲網」形成の策動 ガタガタのEUを分解に追い込む策謀 <トランプ帝国>の出現とその意味 (1)たちあらわれたトランプ第二次政権は、「黄金時代が始まる」などとうそぶきつつ、外に向かっては「アメリカ・ファースト」の名のもとに、アメリカ一国の利害をあらゆる国家にたいして強引に貫徹しようとしている。 軍事同盟をとりむすんでいる相手国や友好国ですらおのれの従僕のようにみなして、アメリカの国益(主として通商上の利益)に奉仕すべきことをただただゴリ押しする。あまつさえ、主権国家の権力者にたいして「アメリカに領土をよこせ」などと――軍事力と「関税障壁」とをかけあわせた脅しによって――迫り、もって北米ならびに中南米の全域を軍国主義帝国の支配圏たらしめようとするほどの傲岸さをむきだしにしているのが、二期目のトランプ政権なのだ。 そして内に向かっては、このトランプ政権は、白人優越主義にもとづいて「不法移民」と烙印した人々の国外への「追放」に狂奔している。 さらに、二二〇万人の職員を擁する連邦政府の官僚機構や司法当局などをことごとく「内なる敵」=「ディープ・ステイト」に操られているなどと烙印し、これをおのれの言いなりになるように改変・改造しようとしてもいる。 こうしてトランプは、形式的には残されてきたブルジョア的「三権分立」制度をも解体し、文字通りの全体主義的統治形態をうちたてようとしているのである。 こうした全体主義的支配の強化のためにトランプは、移民への敵愾心や「アメリカの富を奪っている」とみなした諸外国への憎悪を労働者・人民のあいだにかきたてることをねらって、SNSでフェイク・ニュースを洪水のように垂れ流している。その尖兵となっているのは「X」を牛耳る大富豪イーロン・マスクや、トランプによる制裁を恐れて民主党支持から転向するとともに・「フェイスブック」の「ファクトチェック」廃止をも誓うにいたった「メタ」CEOザッカーバーグなどの、巨大テック企業のボスどもである。このように勤労人民をフェイクで操り、被害者意識をあおりたてて「敵との闘い」へと駆りたてるというのは、まさにトランプの「二十一世紀のヒトラー」たるゆえんをはっきりと物語っているではないか。 内外に向かって自己中心性と野蛮と暗黒性をむきだしにする、皇帝ドナルド一世≠戴く<トランプ帝国>の出現――まさにこれこそは、軍国主義帝国が後戻りのできない奈落への道をまっしぐらに進んでいることを象徴するものにほかならない。 (2)その最末期性は、アメリカの政府・支配階級がかつては掲げてきた「自由と民主主義を全世界に広める」という理念をもはや投げ捨てさって、いまやアメリカの「開拓の歴史」に根をもつ「フロンティア精神」なるものを――白人至上主義を根幹とするそれを――宣揚している大統領トランプの姿そのもののなかに、はっきりとあらわれている。 スターリン主義ソ連邦の自己崩壊(一九九一年)いこう、「唯一のスーパーパワー」となったアメリカ帝国主義は、「自由・民主主義・市場経済の普遍妥当性」の旗をふりかざし、「コロンビア精神(開拓者精神)」にみなぎりながら、全世界を席巻し傲岸のかぎりをつくした。 すなわち、満身創痍ゆえに凶暴化し「軍国主義帝国」化したアメリカは、軍事的には、ユーゴスラビア、アフガニスタンそしてイラクへの三つの侵略戦争を強行し、あまたの人民を血の海に沈めた。経済的には、アメリカの核軍事力と金融支配とをバックにしてグローバライゼーションという名のアメリカナイゼーションをおしすすめ、世界中の勤労人民を貧窮のどん底に突き落としていった。アメリカの独占資本=多国籍企業は、「安価な労働力」をもとめて中国や旧ソ連圏を含む全世界に進出し、苛烈きわまる搾取と収奪に明け暮れたのであった。 だがしかし、中洋ムスリム人民のレジスタンスのまえに惨めに敗北した挙句、<米―中対決の時代>の到来のなかで加速度的に零落の坂道を転がり落ちていったのが軍国主義帝国であった。 このアメリカの没落の果てにたちあらわれた大統領トランプは、もはや従来のアメリカ権力者のように「自由・民主主義・市場経済の全世界への拡大」の旗を掲げはしない。アメリカ帝国主義がおしすすめてきた「経済のグローバライゼーション」についても、他国がアメリカを食い物にし「富」を奪うための武器でしかないとみなしているのがトランプなのだ。 だがこのトランプは、アメリカ権力者・支配階級がつねに抱き続けてきたところの・「新大陸」を開拓した白人入植者のスピリットたる「フロンティア精神」=「コロンビア精神」については、これをむしろ鮮明に掲げている。それは、一月二十日の「就任演説」にはっきりとあらわれた。 トランプはいう――「米国人は探検家であり、建設者であり、革新者であり、起業家であり、開拓者である。フロンティア精神はわれわれの心に刻まれている」「われわれ米国人の祖先は、広大な大陸の端にあった小さな植民地の集まりを、地球上で最も並外れた市民からなる強大な共和国に変えた」「米国人は未開の原野の険しい土地を何千マイルも突き進んだ。砂漠を越え、山々を登り、未知の危険に勇敢に立ち向かい、……」云々と。 ここには、五〇〇万〜七〇〇万人ともいわれる先住民=ネイティブ・アメリカンを虐殺し、彼らから土地を奪い生活を破壊し「保留地」なるものへと追いやりながら、西へ西へと開拓地を押しひろげていった「アメリカ建国史」にたいする、しかも「神によって割りあてられたこの大陸に伸び広がっていくというわれわれの明白な天命(マニフェスト・デスティニー)」と称してこの先住民掃討を傲然と正当化した入植白人の精神性にたいする、臆面もない賛美歌が奏でられているではないか。北米全域をアメリカの支配圏とみなし、グリーンランドやパナマ運河にまで「アメリカの領土を拡大する」と傲然と口にしてはばからない大統領トランプのメンタリティが、これなのだ。 このトランプが「アメリカを再び偉大にする(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン)」と絶叫するとき、「かつて偉大であったアメリカ」とは、おそらくは「フロンティアの消滅」が宣言されたのちの、十九世紀末から二十世紀初頭のアメリカ――帝国主義国家化したアメリカ――を指しているのであろう。 トランプが演説のなかで「偉大な大統領」として言及した共和党の大統領ウィリアム・マッキンリー(任期一八九七〜一九〇一年――彼は二期目就任後半年で暗殺された)は、この十九世紀末〜二十世紀初頭の時期に、スペインとの戦争を経てキューバを保護国化し、プエルトリコ、グアム、フィリピンを奪い取るというように、カリブ海から太平洋にまで領土を広げた。そして、諸外国からの輸入品に関税を課し保護貿易を推進した。この時期は、テキサス州に油田が発見され、また当時世界最大の超巨大企業であったUSスティール――いまや凋落し、日本製鉄の買収の対象となっている鉄鋼会社――が設立されるなど、アメリカが経済的にも世界最強国にのしあがっていった時期(アメリカの「金ぴか時代」と呼ばれる)であった。 いまトランプが、アラスカにそびえる標高六一九〇メートルの北米大陸最高峰の名をば、先住民の呼び名に由来する「デナリ」から・かつての大統領にちなんだ旧称の「マッキンリー」に戻す大統領令に署名したのは、トランプの白人至上主義の露出であるだけではない。アメリカが帝国主義国家として世界に躍り出ていったマッキンリーの時代をば「開拓者の国アメリカ」の絶頂期として理想化し、その二十一世紀における再現≠たくらんでいることの露頭なのだと言わねばならない。〔同時に、二度の世界大戦とそれ以降のアメリカの歴史については、モンロー主義を捨て世界に手を広げすぎた歴史として、否定しているのがトランプであるにちがいない。〕 ところで、この当時のアメリカにおける「西部開拓」、先住民を虐殺しつつなしとげられたそれを賛美し、「血と土」の生存圏思想をうちかためたのがアドルフ・ヒトラーにほかならなかった。「アーリア人種の優越性」の名のもとに、ワイマール体制下で富を独占していた一部金融資本を排斥するために「反ユダヤ主義」を扇動するとともに・プロレタリア階級闘争の撲滅のために「反共産主義」を掲げナチス体制を築いたヒトラー、このヒトラーをトランプが「いい面もあった」と称賛するのもゆえなきことではないのである。 白人中心主義に裏打ちされた「アメリカ建国史」なるものに依拠して「米国の偉大な復活」を語るトランプ。このトランプは、ちょうどウクライナを侵略するプーチンが「大国ロシアの復活」を叫び、台湾併呑を狙う習近平が「中華民族の偉大な復興」を叫ぶ・その口吻を真似たかのように、わずか二五〇年の「歴史」をもちだしておのれの「領土拡大」という帝国主義的野望の正当化をはかっている。だがしかし、まさにこのことじたいが、世界秩序を主導し各国を束ねる「理念」も「価値」ももはや放擲したすえに「自国ファースト」にしがみつく、アメリカ軍国主義帝国の落日の象徴いがいのなにものでもないではないか。 (3)われわれ日本の革命的左翼はいまこそ、アメリカの労働者階級・人民にたいして、没落アメリカに出現した<トランプ帝国>によるあらゆる圧政と貧困の強制を打ち砕く闘いに、こぞって起つべきことを訴えるのでなければならない。 「超格差社会」アメリカのどん底で、資本家どもによって職を奪われ賃金を切り下げられ、貧窮と屈辱に縛りつけられてきた白人労働者たちよ! トランプは、傷つけられた「アメリカ人の誇り」をとり戻してくれる「労働者の味方」などでは断じてない。トランプこそは大資本家の代弁者であるとともに「現代のヒトラー」なのだ。このことにいまこそ目覚め起ちあがれ! 異国の地アメリカで低賃金労働と差別の辛苦をなめ、そしていまトランプに操られたファシストどもによる迫害と脅迫にさらされている移民労働者たちよ! トランプ政権の移民強制送還策動をはねかえすためにたたかおう! そして白人労働者をはじめとするすべてのアメリカの労働者・人民は、トランプによる「反移民」の排外主義の扇動をうちやぶり、移民労働者たちとともに団結してたたかおう! トランプの手先どもによる移民への迫害から、そして「強制送還」の魔の手から、彼らを守れ! いまこそアメリカの労働者・人民は、白人、ヒスパニック、黒人、アジア人などの人種・民族の違いを超え、トランプが扇動するUSAナショナリズムをうちやぶり、<反トランプ政権>の闘いに起ちあがろうではないか! 労働者の切実な利害を守るための闘争を放棄して久しいAFL‐CIO(アメリカ労働総同盟・産業別組合会議)の指導部をも弾劾しつつ、労働者階級の階級的団結を強化して、資本家どもによる貧窮の強制をはねかえせ! アメリカの労働者・学生・人民よ! 世界の労働者・人民の敵たるトランプとその帝国にたいする断固たる闘争に総決起せよ! その闘いの旗は<反帝国主義・反スターリン主義>でなければならない。 米―中激突下の現代世界を覆う暗黒を突破し、輝く未来をこの手でひらくために、いまこそわれわれ日本反スターリン主義革命的左翼とともにたたかおうではないか! |
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日米共同統合実動演習 キーンソード25 対中国の日米共同作戦計画に基づく戦争遂行体制構築 日本全土を舞台にした史上最大規模の演習 米日両国の権力者は、昨二〇二四年十月二十三日から十一月一日にかけて、日本全土を舞台にした史上最大規模の統合実動演習「キーンソード25」を強行した。自衛隊三万三〇〇〇人、米軍一万二〇〇〇人を動員し、米空母ジョージ・ワシントン、海上自衛隊ヘリ空母いせ、イージス艦をはじめ艦艇四十艇、最新鋭ステルス戦闘機F35やF22、F16、電子戦機など航空機三七〇機をこの演習に投入した。 この期間、沖縄・南西諸島は、戦場さながらの状況にたたきこまれたのだ。新石垣空港には高機動ロケット砲システム・ハイマースを搭載した米軍輸送機が降りたち、島々を日・米のオスプレイが飛び交い、各民間空港でも軍用機が離発着をくりかえした。島々の港湾施設には兵員や軍事物資をのせた船舶が次々と接岸し、公道を地対空誘導弾PAC3をのせた軍用車が走行し、野戦病院まで設置された。 「南西諸島の軍事要塞化反対! 日米の対中国戦争態勢の構築を許すな!」革命的・戦闘的な労働者・学生たちを先頭に沖縄の労働者人民は、このキーンソード演習を阻止するために縦横無尽にたたかいぬいた。一四〇名の労働者・学生・市民が自衛隊車両陸揚げを阻止するために中城湾港のゲートを封鎖してたたかった(十月十九日)。宮古島、石垣島の自衛隊駐屯地ゲート前で、さらにハイマースを積んだ米軍輸送機が降りたった新石垣空港で、労働者人民は米日両軍に怒りの拳をたたきつけた。そして全港湾の労組員五〇〇名余は、米日両権力者が軍事利用を策す那覇新港と石垣港の埠頭で抗議集会を開催し「港湾が兵站基地となり戦争の犠牲者となることや協力者となることを拒否する」と雄叫びをあげた(十月二十八日)。沖縄全島が、対中戦争に突き進む米日両権力者にたいする労働者人民の怒りに包まれたのだ。 そのさなかに、与那国島に初飛来した陸上自衛隊オスプレイが離陸に失敗して機体を破損する軍事事故を引き起こした。沖縄の労働者人民は、各地の闘いで「欠陥機オスプレイの飛行を許さんぞ!」と怒りの声をあげ、陸自オスプレイを飛行中止に追いこみ、石垣港の民間油槽所を使った海上自衛隊油槽船への給油訓練も阻止したのである。 以下 見出し 中国軍の台湾侵攻を想定した対中国戦争の予行演習 日本国軍の米軍のもとへの融合・一体化 中国軍撃破の攻撃的訓練 民間動員体制の構築 沖縄・南西諸島の軍事要塞化をうち砕け! |
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JAM本部の「価格転嫁」要求の虚妄 二〇二五春闘に向けてJAM中央は「人への投資として一万五〇〇〇円以上」とする超低額の賃上げ要求をうちだした。この金額ではとても生活向上など望めないのは明らかである。だがこの要求を彼らは、「生活向上を実感でき、格差拡大を許さない賃上げ」だ、などと胸をはっているのだ。しかもこの実現には「価格転嫁」のとりくみこそが肝要である、と昨年にもまして声を張りあげているのである。 ここでは、今春闘を「価格転嫁」要求運動にねじ曲げるJAM本部方針の反労働者性を暴きだす一助として、昨年の六月にJAM本部が開催した「二〇二四年度政策・制度要求中央討論集会」の内実を「価格転嫁」問題に絞って明らかにしたい。 各単組から「価格転嫁」要求の破綻の報告 この集会は、昨年八月末定期大会の「事前討議」の場として、「価格転嫁促進」や「ものづくり支援」などの政策・制度要求にかんして、各単組の実態・意見を集約し、これを大会方針に反映する場としてもたれた。この場で明らかになったのは、JAM指導部の提唱する「価格転嫁」要求運動の破綻である。 この集会のなかで昨二四春闘においてJAM本部が叫んできた「価格転嫁」要求にまつわって、次のような意見が各単組からの出席者によって表明された。 (1)まず、下請け・中小企業においては、「価格転嫁」などほとんどなされていないことが、赤裸々に明らかにされた。――「中小企業のものの価格が上がらない。大手はほぼ上がっているが、中小では九〇%、九五%の価格でないとお客さんに購入してもらえない。」「車の値段は上がっているが、部品の値段は上がっていない。むしろ『年次値引き』でどんどん安くなる状況にある。」 (2)公正取引委員会などの公的機関の関与のもと「価格交渉」をおこなっても、逆に納入価格を下げられているとも報告された。――「金型業界では、従来は(発注企業の)技術部門が特命のような形で手配していたが、公取が入った結果、(手配が)購買部門に全部移管になり、全部『アイミツ』(相見積もり)になった。」 (3)さらにあくどい手口が駆使されているという告発も。――「利益の六五%を親会社に配当しなければならないとか、えぐい話があったりする。」「取引が終わって利益がでたらそのなかから何%かをキャッシュバックをしてくれといわれる。」 ここから明らかなことは、各単組の要求を受けて中小企業経営者が納入先大企業に「労務費の価格転嫁」を要求してもまったく「価格転嫁」できないどころか、逆に「アイミツ」で価格を下げられたり、強引に価格を上げると受注が半減してしまったりと散々な目にあっているということだ。このことに各現場の組合役員がなんとかしてくれ≠ニいう切実で切迫した訴えを発しているということである。 だがこれにたいしてJAM指導部は、「困難な状況がだされていますが、よかったという例はありませんか」などと、出された意見をないがしろにする姿勢に終始した。のみならず「価格転嫁」ができなかった単組の「実態調査・対応検討」をやる、会社側とのコミュニケーションをはかる、価格転嫁促進ツールの使用、一昨年に公取・内閣府がだした「価格交渉に関する指針」を守らせるように要請するなどと、現実に直面していることとは無縁に、これまでどおりの方針・指示を平然と語っているだけなのだ。 |
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わが同盟の二〇二五春闘スローガン T 大幅一律賃上げ獲得! 春闘勝利! ◇政府・独占資本の賃下げ・諸物価引き上げを許すな! ◇賃上げ抑制・物価引き上げに加担する「連合」指導部弾劾! ◇「価格転嫁」を尻押しする既成指導部を許すな! U 一切の解雇・配転攻撃を労働者の団結で打ち砕け! ◇解雇・配転攻撃に協力する「連合」指導部を許すな! V 石破政権の社会保障切り捨て・軍拡大増税反対! 労基法改悪を打ち砕け! W 大軍拡・安保強化・改憲反対! ウクライナ侵略反対! ガザ・ジェノサイドを許すな! 労働組合を戦闘的に強化し、ネオ産業報国会=「連合」を脱構築しよう! 戦争と貧困と圧政に喘ぐ全世界の労働者階級と連帯して闘おう! |
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世界の反スタ運動へ雄飛を!――わが同盟の戦闘宣言 ウクライナの同志との熱き交流 「アメリカ・ファースト」を呼号するトランプ政権の再登場で第三次世界大戦勃発の危機が高まる現代世界。これへの怒りに燃えるすべての労働者・学生に、『新世紀』第三三五号を贈る。 ◆巻頭の「反スタ運動の怒濤の前進を!」(無署名)は、二〇二五年年頭のわが同盟の戦闘宣言である。 わが革命的左翼は、<プーチンの戦争>を粉砕する闘いを全世界のたたかう人民の最先頭でたたかいぬき、この闘いをつうじてウクライナ左翼の同志との強く深い連帯の絆をつくりだしてきた。「このことは、『帝国の平和ではなく人民の平和を』というウクライナ左翼のスローガンのなかにも鮮やかに示されているではないか」と、巻頭論文は誇りをもって確認する。 そして訴える。「日本の反スターリン主義運動を世界の反スターリン主義運動へと飛躍させること――これのみが、戦争と貧困と暗黒支配に覆われた世界を根底から変革し、人類の破滅の危機を革命的に突破する唯一の道なのだ」と。 わが闘いの新たな地平は、われわれが、反スタ主義者としてのみずからの背骨をより強くより太く鍛えあげてきたからこそきりひらきえたのだ。マルクス主義の「土着化」の論理をわがものとし同志黒田の「実践の場所の哲学」を血肉化するために、さらに努力しわが運動を世界に広げるために奮闘しようと呼びかける。 ◆ウクライナの「コモンズ」が世界の人民にむけてつくった映画をめぐるわが同盟とウクライナの左翼との交流の報告を掲載した。 アメリカのベトナム侵略に抗してベトナム人民を支援し現地でたたかったウクライナ兵士を追ったドキュメンタリー映画は、グローバル・サウスの人民はなぜ今起ちあがらないのか、<プーチンの戦争>をうち砕く闘いに起ちあがれ、と訴えている。映画を観ての感動を伝えた手紙に応えて、ウクライナの同志はいう、「あなた方は、地理的に近くにいる一部の同志たちよりも、私たちのことを分かってくれている」と。彼らの「どん底からの、心からの呼びかけ」に応えてたたかおう。 「11・2『革命的マルクス主義と戦争』国際会議を実現」は、プーチン擁護の自称「左翼」が集まった「ハバナ・フォーラム」に対抗して、わが同盟の古くからの友人であるFLTIが中心になって開催した会議をめぐる報告である。この会議にわが同盟が送った連帯メッセージは感銘をもってむかえられた。ウクライナ人民と連帯しロシアの侵略に反対するわが革命的左翼の闘いの国際的広がりがはっきりと示されている。 ◆「反戦闘争のうねりを巻き起こせ」(中央学生組織委員会)はまず、トランプ再登場で全世界が見舞われている大地殻変動を明らかにしている。 大統領就任をまえにしてトランプはグリーンランドとパナマ運河の明け渡しを傲然と要求した。中国を抑えこみ・落日の軍国主義帝国の復活をかちとるために、北アメリカ全域を支配圏にくみこむ策動に現実にのりだしたのだ。また、中国との全面的対決のためにロシアの抱き込みをはかるという戦略転換にふみきったのだ。 本論文は呼びかける――トランプ政権によってプーチンに有利な「ウクライナ停戦」案が強制されようとしているなかで、ますます凶暴化するロシアの攻撃をうち砕く反戦闘争の嵐を巻き起こせ。<ネタニヤフの戦争>粉砕の闘いに起ちあがろう。石破政権による安保強化・大軍拡・憲法改悪の攻撃を打ち砕く革命的反戦闘争の爆発をかちとろう、と。 ◆「トランプ再登場で加速する現代世界経済の構造的激変」(葛巻亮)は、腐朽をきわめる現代帝国主義経済の断末魔をえぐりだす。 アメリカの貿易赤字を「アメリカの富が奪われている」とみなすトランプは、中国をはじめ世界各国に関税障壁を築くことを宣言している。このアメリカ帝国の対中デカップリングの強化をはねかえすために、中国主軸の「新エネルギー」国際供給網をつくりだすことに狂奔しているのが習近平・中国だ。グローバル・サウス諸国の囲い込みをめぐって米・中の角逐が激化し、米・中それぞれの足下では<階級分裂>にもとづく<貧富の差>が拡がっていることが明らかにされている。 ◆わが革命的左翼を「反社会的詐欺集団」と描きだす新たな治安弾圧攻撃を粉砕せよと呼びかける二論文をも掲載した。 「日共式『自由時間拡大』論の反労働者性」(霜月温)と「ロシアのウクライナ侵略を免罪する日共中央」(津田健三)は、今日の日共の腐敗を徹底的に批判している。 |
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