第1740号(2002年10月21日)の内容

<1面>
10・20闘争に全国から結集せよ
さし迫る米帝のイラク侵攻阻止!
有事立法粉砕! 日本の参戦を許すな!
全世界の労働者人民と連帯して反戦闘争の火柱をあげよう!

<4〜5面>
10・20闘争の大爆発をかちとれ
中央学生組織委員会
戦争狂の足下に広がる反戦の声

<2面>
四分五裂し衰退する民主党

<6面>
自治体職場から住基ネット反対の闘いを!
九州郵政局による定昇カットを許すな
Topics 「連合」笹森が賃闘放棄を公言

<7面>
自治労第73回定期大会
国家に奉仕する公務労働運動≠ノ邁進する自治労本部

<8面>
燃えあがる反米アラブ民族主義
◆「ヤンキーダム終焉の端初」を読んで
筆者の決然たる姿がうかぶ
聞こえなかった音が聞こえる!

<3面>
万華鏡2002――情勢の断層を読む
ダメの守(かみ)
真相はイエメン
今どきマッカーサー
オタク鷹
店じまい

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

「解放」最新号

 








































  

10・20闘争に全国から結集せよ
さし迫る米帝のイラク侵攻阻止!
有事立法粉砕! 日本の参戦を許すな!
全世界の労働者人民と連帯して反戦闘争の火柱をあげよう!

 アメリカ帝国主義のイラク侵攻を目前にして、いま、先進国の労働者・人民が続々と起ちあがっている。
 「イラクを攻撃するな!」と、ロンドンで四〇万人の労働者・人民がデモをくりひろげた。ベルギーでは、反核活動家が米空軍基地に査察≠フために突入した。バルセロナでもローマでも、多くの労働者・人民が反戦デモに決起した。
 ブッシュのお膝元のワシントンでも、九月二十九日に二五〇〇人の市民が集結し、「イラク攻撃反対!」「石油のために血を流すな!」と叫んだ。アメリカ人民は十月二十六日にも、大規模なデモを計画し、たたかう戦列を整えている。
 ブッシュ政権に尻押しされたシャロンのジェノサイドにたいして、パレスチナ人民は不屈の抵抗闘争を続けている。イラクへの先制核攻撃にうって出ようとしているアメリカ権力者にたいする怒りに燃えて、ムスリム人民は<反米・反シオニズム>の闘いを、世界各地で高揚させている。
 だが、小泉政権がアメリカ帝国主義のイラク攻撃への参戦を策し有事法制定に邁進しようとしているこの日本においては、労働者・人民の反戦闘争はあまりにも脆弱である。北朝鮮・金正日指導部による過去の日本人拉致の「自白」をネオ国家主義者どもが活用して、排外主義的ナショナリズムをヒステリックに煽りたてている今この時。首相・小泉が「集団的自衛権行使」を持論とする超タカ派の石破を防衛庁長官に指名した、今この時。
 社民党は「拉致などない」と言ってきた責任を追及され、分解寸前に陥っている。日本共産党は、与党顔負けに日朝会談を評価し、「全面的に協力する」と、小泉に申し出ている始末である。
 たたかう労働者・学生諸君! もはや一刻の猶予も許されない。米議会は戦争狂ブッシュ政権に、イラク軍事侵攻へのゴーサインを与えた。国連では、これまで米英のイラク侵攻に異を唱えてきたロシア・中国・フランスなどの常任理事国が、ブッシュの恫喝のまえに相次いで屈服しはじめた。いまや米英によるイラク軍事侵略はカウントダウンの段階に入った。
 社共の闘争放棄を弾劾しよう! 「救国」産報運動に没入する「連合」の内部で、「連合」にすり寄る「全労連」の内部でも、わがたたかう仲間は腐敗した既成労組指導部を弾劾し、職場から反戦闘争を組織せよ! 全国の学園から「アメリカ帝国主義のイラク侵攻阻止」の反戦の声を巻き起こせ! ブッシュのイラクへの先制核攻撃阻止! 日本の参戦を許すな! 有事法制定を阻止せよ! 全世界のたたかう労働者・人民と連帯して、反戦闘争の炎を燃えあがらせよう!
 すべてのたたかう労働者・学生は、10・20労学統一行動に総決起せよ!

以下、見出し
イラクへの先制核攻撃に突き進む狂犬=ブッシュ政権
 国連査察団派遣に横車を押すアメリカ
 軍事万能主義の超タカ派が主導するブッシュ政権

排外主義的ナショナリズムを煽り参戦にひた走る小泉政権

米英のイラク侵攻阻止! 日本の参戦を許すな!






10・12 全学連 米議会の対イラク侵攻容認決議弾劾!
米大使館に断固抗議


アメリカ大使館正門前で「イラク侵略阻止!」のシュプ
レヒコールをあげる全学連の学生(10月12日)


 全学連のたたかう学生たちは十月十二日、アメリカ大使館正門前に「米帝のイラク先制核攻撃阻止!」と大書した横断幕をひろげ、怒りのシュプレヒコールをとどろかせた。
 アメリカ議会は下院が十日、上院が十一日未明、「イラクの脅威からアメリカの安全保障上の国益を守り、イラクにかんするすべての国連安保理決議を履行させるため」という理由のもとに、大統領ブッシュが「必要かつ適切」と判断するならばイラクにたいして軍事力を行使できる、と謳った決議案を採択した。この上下両院の決議をうけて、大統領ブッシュは「イラクが無法国家として振る舞ってきた日は終わりに近づいた」などと傲然と表明した。これは事実上の宣戦布告ではないか!
 アメリカ議会の決議に直面して、フランス、中国、ロシアの権力者は国連安保理における米・英との妥協の道を探りはじめた。もはや一刻の猶予もない。ブッシュ政権はUSAナショナリズムとユニラテラリズムをむきだしにしてイラク民衆に襲いかかろうとしている。このブッシュ政権にたいする怒りに燃えて全学連の学生たちは、断固として起ちあがった。
 午前十時三十分、全学連の白ヘル部隊がアメリカ大使館の正門前に姿をあらわす。横断幕をかかげ、星条旗をにらみつけつつシュプレヒコールを叩きつける。「米議会の武力行使容認決議弾劾! アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争阻止!」警察権力・機動隊がジュラルミンの盾を振りかざして排除にのりだしてくる。この凶暴な弾圧を学生たちはうって一丸となってはね返す。そして代表の学生が抗議文を読みあげ大使館に突きつけたのだ。
 わが全学連は、アメリカのイラク侵略阻止の闘いに総力で決起する決意をうち固めている。
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米英のイラク侵略阻止! 日本の参戦阻止!
10・20闘争の大爆発をかちとれ
「国連」への幻想にふける既成平和運動を
のりこえて闘おう


 戦争狂ブッシュは、ついに、「大量破壊兵器の開発・使用の阻止」をふりかざして対イラク先制攻撃のカウントダウンをはじめた。十月十〜十一日には、米議会上下両院が、国連決議なしでもイラクを武力攻撃できる権限を大統領に付与する決議を可決した。ブッシュ政権は、この米議会決議を圧力手段として、対イラク武力行使容認の国連安保理決議を採択すべきだとEU諸国・ロシア・中国・アラブ諸国などの各国を脅迫している。米英両帝国主義は、新国連決議を最後通牒としてイラク軍事侵攻にふみきろうとしている。ウォーモンガー権力者どものこの暴虐を、われわれは絶対に許してはならない。
 イラク人民を血の海に沈めようとしているアングロ・アメリカン帝国主義にたいして、いま、全世界の労働者・人民が「イラク攻撃反対」の闘いに陸続とたちあがっている。アラブ諸国人民は、パレスチナ人民を虐殺しつづけているイスラエル・シャロン政権とこれを支援しているブッシュ政権にたいする怒りを燃えたぎらせ、<反米・反シオニズム>の闘いに決起している。ドイツ・イタリア・スペインなどの大陸EU諸国において、のみならずブッシュやブレアの足下でも、数万・数十万人の労働者・学生が「イラク攻撃反対」のデモをくりひろげている。
 それに比して、わが日本はどうだ。わが革命的左翼と戦闘的労働者や全学連の奮闘にもかかわらず、「イラク攻撃反対」の闘いはなお微弱である。それどころか、日本中が「北朝鮮による拉致糾弾」キャンペーンに覆いつくされ、アメリカによるイラク攻撃の危機がおし隠されてしまっている。なんたる屈辱か!
 「連合」指導部は、反戦・平和運動にとりくむ各労組を弾圧して回っている。彼らは戦争翼賛者としての正体をむきだしにしているのだ。北朝鮮との「友党関係」を謳ってきた社民党は、反北朝鮮<Lャンペーンの嵐のなかで、いまや消滅の危機に瀕している。「イラク攻撃反対」を口にしている日共中央も、衆参補選や地方選・総選挙にむけてみずからの「世界とアジアの平和に貢献する外交戦略」なるものを宣伝することに米英のイラク侵略阻止・日本参戦阻止の闘いを歪曲している。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 血に飢えたアメリカ帝国主義の蛮虐を絶対に許してはならない。われわれは、「国連憲章」にもとづく「道理ある外交」という代案の宣伝に埋没している日共翼下の既成平和運動をのりこえて、米英のイラク軍事侵略と日本の参戦・有事法制定を阻止する反戦闘争を、全世界のたたかう労働者・人民と連帯し渾身の力をふりしぼってたたかいぬこうではないか!
 たたかう労働者・学生は、首都での10・20労働者・学生統一行動に全国から総結集せよ!

以下、見出し
T さし迫る米英のイラク侵攻と反対運動の国際的高揚
 
新国連決議″フ択のゴリ押し

 対イラク先制攻撃に突進するアメリカ帝国主義


 実利主義♀O交に奔走するロシア・中国


 参戦・有事法制定に血道をあげる小泉政権


 盛りあがる国際的反対運動と日本既成平和運動の沈滞


U 日共系の「平和外交」への転換要求運動をのりこえて闘おう
 反戦の炎を全世界へ!
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自治労第73回定期大会
国家に奉仕する公務労働運動≠ノ邁進する自治労本部


 八月二十三日から二十五日までの三日間にわたって、第七十三回自治労定期大会が山口市で六〇〇〇人の代議員・傍聴者の参加のもとに開催された。
 今大会は中間年ではあるが、自治労本部は、「裏金」問題に決着をつけ、「自治労の再生」を内外に示す重要な大会として位置づけた。許しがたいことに彼らは、職場組合員の怒りを封じこめ、数かずの疑惑にふたをしたまま裏金問題の幕引きをはかった。これに手を貸したのが向坂派系のダラ幹どもなのだ。
 有事法の制定、住民基本台帳ネットワークの運用強行、公務員制度改悪、人事院による史上初のマイナス勧告などなど、公務労働者の生活そのものを根底から破壊する悪辣な諸攻撃がかけられているなかで、職場ではこれらの攻撃を補完し協力する自治労本部への激しい不信・怒りが渦巻いている。にもかかわらず、自治労本部主流派と副委員長や書記長などの重要ポストを与えられた向坂派との薄汚い野合によって対立点がぼかされ、総じて大会論議は散漫、低調であった。だがしかし、自治労の戦闘的再生に向けたこのかんのわが革命的・戦闘的労働者の熱い組織的闘い、これに触発されて、多くの良心的な代議員から、「裏金問題」に蓋をし、ひたすら国家に奉仕する公務労働運動≠おしすすめる本部ダラ幹どもにたいする批判が噴出し、彼らを震撼させたのだ。
 大会当日、わが同盟の情宣隊は、「侵略戦争法=有事法の制定を阻止しよう!」「国家に奉仕する公務労働運動への変質を許さず自治労運動の戦闘的再生を!」と訴える横断幕を掲げ、革マル派自治体労働者委員会のビラとパンフをくまなく配布した。多くの代議員が「ご苦労さん」「そのとおりだ! 有事法の必要性を認める本部はおかしい」「裏金問題の隠蔽を許すな」「住基ネットは危険だ」などと応えながらビラを次々と受け取った。わが情宣隊は熱い共感をかちとったのだ。
 われわれは力不足のゆえに、裏金問題の幕引きや自治体改革路線にもとづく本部方針の可決を許さざるをえなかった。この屈辱感をバネにして、組織的な力を強化し自治労運動の戦闘的再生のためにさらに奮闘しようではないか。

以下、見出し

1 裏金問題にフタをし居直る自治労本部を断じて許すな

2 有事法制反対、住基ネット運用反対の突き上げが続出!

3 大幅賃下げの人事院勧告に怒りが集中


4 「民主的公務員制度改革」請願署名を金で買う本部に怒り


5 市町村合併を容認する本部を許さずリストラをはね返そう
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ダメの守(かみ)
奇蹟の復活どころかあっという間に土俵際

 「私は、貴乃花になる」――なんのこっちゃ? これは金融担当相と経済財政担当相を兼任することになった竹中平蔵の弁。
 貴乃花といえば、そう、ヒザの故障を抱えながらも、無理をして土俵にあがり、致命傷を負った。首相・小泉に「痛みに耐えてガンバった! カンドウした!」なんて絶讃されたが、結局は長期休場の破目に。その貴乃花が一年後の秋場所の土俵に復帰しみごと返り咲きを果たした。大不況の泥沼にあえぐ日本経済のカジとり役を担わされた竹中が、貴乃花の奇蹟の善戦≠ノみずからと日本経済をなぞらえようとしたわけ。
 でも、そんな願望は夢のまた夢。もの言えば唇寒し……、竹中がなにがしかの政策めいたことをくっちゃべると、それに株式市場はすぐさま総スカン的に反応。アメリカ『ニューズウィーク』誌のインタビューに「大企業、大手行も整理の例外ではない」「四大メガバンクの破綻も辞さず」――竹中がこうしゃべったとたんに株は暴落し、どうにも下げ止まらない様相(十月十日には一時八二〇〇円割れ)。
 そもそも、九月に入ってからは、株価の下落をくい止めようとして、日銀がついに禁じ手にふみださざるをえなくなった。日銀が大手銀行の保有株を買いとる方針をうちだしたのがそれ。これが完全に裏目に。禁じ手を使わなければならないほどにひどくなっていたのかと、かえって不安をふくらませる効果しかもたらさなかった。長期国債が初めて入札で売れ残ってしまい、国債価格が急落。円・株とともに、ドーンとトリプル安に。
 内閣改造を断行した小泉は、不良債権処理策であくまでソフト≠ノ、銀行や企業に手心を加えようとしていた金融相・柳沢を切り捨てた。柳沢に代えてハード路線≠フ竹中に金融相と経財相を兼任させた。竹中はさっそく、不良債権処理の最強硬派を集めて「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」を発足。大企業・大銀行の破綻も辞さず≠ニいう声をあげた。破綻懸念の大手企業三社リストも提示。
 ただちに、それらの問題企業≠フ株がいっせいに売り浴びせられた。つづいて全銘柄が……。ああ竹中ショック=B
 株暴落の返り血を浴びせられ、焦りまくった竹中は、こんどは「インフレ・ターゲット(物価目標)制度の導入」を唱えはじめた。「インフレ・ターゲット」とは、日銀が市中に大量の資金を供給し、ある特定の率のインフレに誘導すること。これまで、デフレ対策として採用された例など、世界中でどこにもない。そもそも日銀は、これまでも大量の資金を市中にジャブジャブと供給してきたが、不況で企業にカネは回っていない。ゆえに日銀当局じしんが、物価上昇をうながす有効な金融政策などない、と竹中の要求をニベもなく拒否。
 「アメリカでは……」が口グセのゆえに「出羽(では)の守(かみ)」の名を冠せられてきた竹中。そのアメリカ経済が株とドルの連鎖暴落にみまわれニューエコノミーの虚飾は完全にはげ落ちた。もはや「アメリカでは」と口走ることもできない竹中。でもコイツは、やっぱりアメリカの手先。小泉が不良債権処理のハードランディング§_者・竹中を金融担当相に据えたのもアメリカ政府の圧力をうけてのこと。九月に訪米したときに小泉は、ブッシュから不良債権処理の遅れをなじられ、銀行への公的資金投入をも押しこまれた。ジャパン・バッシング(攻撃)どころか、パッシング(無視)へ、そしてナッシング(無)だ≠ニ。〔追記――十月十一日、アメリカ大統領経済諮問委員会委員長は、「アメリカ政府は竹中路線を支持する」という異例の表明をおこなった。〕
 株価急落に焦燥感をつのらせた小泉は、不良債権処理強行策だけではなく、朝令暮改もいいところの、ペイオフ全面解除の二年延長やら、補正予算編成、国債発行三〇兆円枠のなし崩し的突破をやろうと必死になっている。
 しかし、どう転んでも景気浮揚なんぞ不可能。金融大破綻がいよいよ切迫している。犠牲を被るのは、いつでも勤労人民。小泉政権をはり手、のど輪、突き落しで土俵下にはいつくばらそう!
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