第2936号(2026年9月21日)の内容
<1面〜2面>
高市大軍拡を打ち砕け!
「新しい戦い方」の名において大軍拡・総動員体制構築に突進
軍需生産と武器輸出の拡大
来年度軍事費10数兆円超!
<4面>
エボラ出血熱の感染爆発に再び襲われたコンゴ
��脱露�≠フ道を突き進むアルメニア
<5面>
『翠雨の人』を読んで
日本共産党のソ連水爆実験に対する反労働者的対応
Topics 高市「成長戦略」を絶賛し後押しする電機連合指導部
<6面>
第64回国際反戦集会
海外からのメッセージ �B
LALIT(モーリシャス)
<3面>
万華鏡2026――情勢の断層を読む
海底マンガン争奪戦
誤算の報い
絶海の孤島に魔手
「解放」最新号
高市大軍拡を打ち砕け! 戦争国家化のための新たな安保防衛政策――二〇二六年版『防衛白書』 トランプのアメリカがシーア派イスラム宗教国家イランにハイテク軍事力をもって襲いかかり、プーチンのロシアが隣国ウクライナへの軍事侵略と労働者人民を狙い撃ちする悪らつな殺人攻撃に狂奔している。世界はいま、トランプの軍国主義帝国、プーチンのロシア帝国、習近平のネオ・スターリン主義中国という核戦力を手にした超大国の権力者どもが相互に角逐しつつ、みずからに刃向かう主権国家を軍事力をもって圧服し勢力圏を拡大しあう弱肉強食の戦争の時代に突入しているのだ。このもとで、米中露が互いに「使える核兵器」の開発・配備にしのぎをけずっているがゆえに、熱核戦争の勃発する危機が日増しに切迫している。 東アジアにおいては、トランプのアメリカが日・豪・比などの「同盟国」を束ねて対中国の軍事演習をくりかえし、中国を封じこめる軍事包囲網の形成に血道をあげている。これにたいして習近平の中国は、プーチンのロシアおよび金正恩の北朝鮮との結託をいよいよ強めつつ、対米核戦力の大増強と海空軍力の強化を基礎として、南シナ海・東シナ海そして西太平洋の全域において台湾併呑を射程に入れての対米・対日の軍事行動をいやましに強化している。こうして東アジアにおいて、世界を核の劫火に叩きこむ大戦勃発の危機が日増しに高まっているのだ。 この中・露の軍事的跳梁を眼前にして、「わが国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面」し「戦後最大の試練の時」にある、と帝国主義権力者としての危機感をむき出しにしているのが高市政権にほかならない。この政権はいま、トランプ政権の「日本は対中国の最前線に立て!」との日米核軍事同盟にもとづく要求を渡りに船として、日本を対中国戦争を遂行する戦争国家へと大改造するための憲法改悪と大軍拡に猛突進している。だがそれは、まさしく没落する軍国主義帝国との��心中の途�≠ヨの突撃いがいのなにものでもない。 高市政権・防衛省は、八月初めに発行した二〇二六年版『防衛白書』において、日本国家の新たな安保防衛政策の一端を提示し宣伝している。そこにおいて政府・防衛省は、ウクライナやイランにおける戦争の様相をにらみながら、�@AIの駆使や種々の無人機の大量投入など「新しい戦い方」の導入、�A「継戦能力」の抜本的強化とそのための軍需産業基盤の強化、�Bこれを基礎とした「同盟国・同志国」への殺傷兵器輸出の一挙的な拡大とこれをテコとしての対中国軍事包囲網の形成強化といった、対中国戦争遂行に向けての反動諸施策を列挙している。 これをふまえて政府・防衛省は、今年末までに「国家安全保障戦略」をはじめとする「安保三文書」を全面的に改定し、<軍国日本再興戦略>というべき日本の戦争国家化のための新たな安保防衛政策を定式化しようとしているのだ。 すべてのたたかう労働者・学生諸君! この高市極右政権の憲法大改悪を中軸とする、戦後史を画する一大反動攻撃を断じて許すな! いまこそわれわれは、「連合」労働貴族の闘争抑圧をうち破り、日共指導部翼下の「反安保」も「反ファシズム」も抜き去った無力な反対運動をのりこえ、日本全土を揺るがす反戦反安保・反ファシズム・反改憲の巨大な奔流を創造するためにともに勇躍総決起しようではないか! |
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「新しい戦い方」の名において大軍拡・総動員体制構築に突進 政府・防衛省は、二〇二六年版『防衛白書』の第�T部「わが国を取り巻く安全保障環境」に、あらたに「新しい戦い方をめぐる動向」という章をもうけた。そこでは「各国の取組」などを紹介しながら、「無人アセットの大量運用を含む『新しい戦い方』や長期戦への備え」を急ぐ必要性があるとことさらに主張した。そのわけは明白である。 高市政権・防衛省は、「宇宙戦、サイバー戦、電磁波戦、認知戦」を遂行する軍事作戦能力の構築においても、そしてそれを支えるAIや量子といった先端技術の開発・獲得においても、<敵国>たる中国、さらにはロシアに比べて日本が決定的に立ち後れていることに焦りを募らせている。しかも、そのような状況をただちに打開せよとアメリカのトランプ政権から尻をけりあげられてもいるからである。 高市の日本がおいてある現代世界は、米と中・露とが激しく角逐しあう大戦勃発前夜というべき危機を深めている。しかも激突するアメリカと中国・ロシアとは「使える核兵器」やAI兵器をはじめとした核戦力の増強にしのぎを削っているのである。 とりわけ東アジアにおいて、台湾や朝鮮半島を焦点として戦争の危機が日々高まっている。中国の習近平政権は、ロシアおよび北朝鮮と政治的・軍事的に結託して、アメリカに安保の鎖で縛られた「属国」として対中軍事包囲網の前面に立ち・なおかつその中核となっている日本の高市政権にたいして政治的・軍事的威圧をいっそう強めている。 これらを「最大の戦略的挑戦」(中国について)、「日本にたいする示威行動」「重大な安全保障上の懸念」(中・露・朝について)とうけとめ危機感を募らせているのが、高市政権にほかならない。まさにそれゆえに、トランプ政権に追従して対中国の戦争を遂行する戦争国家へと日本をつくりかえるために、憲法改悪に猛突進するとともに、大軍拡に全体重をかけているのである。 「属国」の「新しい戦い方」 『白書』においては、日本が「新しい戦い方」をするための具体的な方策については、「章」を設けて論及してはいないものの、「第�U部第1章第四節『三文書の改定』について」など随所にちりばめられたものを見れば、その概要はおおむね明らかとなる(「新しい戦い方」については、安保三文書の改定のなかで明示するとされている)。 現時点、マスコミなどに「政府関係者」からリークされていることからすれば、その特徴は、在日米軍司令部が直接指揮する体制をつくりだしつつある自衛隊統合作戦司令部に、米軍事AI企業パランティアの「メイブン・スマート・システム」を配備すること、日米両軍が弾道および巡航ミサイルで、さらにはドローンを「大量運用」して、敵国を先制的に攻撃する体制を構築すること、さらには「宇宙戦、サイバー戦、電磁波戦、認知戦」を遂行することなどにあるといえる。もう少し、具体的に見ていこう。 (イ)ネットワーク化された衛星・カメラ搭載のドローンなどによって得た膨大な情報を瞬時に解析し、敵よりも早く正確な「意志決定」を可能にするAIシステムの使用。 (ロ)AIを搭載した「無人アセット」(ドローン兵器)を大量に投入しての攻撃・迎撃。さらに長射程のドローン兵器と弾道ミサイル・巡航ミサイルとを組み合わせた攻撃。 (ハ)空・海・陸の軍事侵攻に先だつ種々の攻撃。指揮・統制や通信・情報収集のカナメとなる衛星にたいする攻撃(宇宙戦)、政府諸機関・軍需企業・インフラなどにたいするサイバー攻撃、そしてAIを駆使したディープ・フェイク情報の拡散(情報戦・認知戦)。また、通信・GPS・レーダーの妨害(電磁波戦)など。 こうした「現在の戦い方」に対応すると称して政府・防衛省は、「継戦能力」の名において、ドローン兵器や長射程ミサイルなどの備蓄を平時のうちから増大させるだけではなく、有事の際に武器弾薬を「必要に応じて」さらに大量に投入しうる兵器生産能力の飛躍的増強の必要性をおしだしているのだ。 それは、反米シーア派国家イランにたいして弾薬が払底するほどまで、AIの「メイブン・スマート・システム」が軍事指揮を担うかたちで夥しい爆弾・ミサイルをぶちこみ、殺戮と破壊のかぎりをつくした軍国主義帝国アメリカのおぞましき侵略戦争、それに日本が参戦するという意志を示したものとしての意味をもっているのだ。 それだけではない。いまや高市政権は、トランプ政権からの命に従って自衛隊統合作戦司令部に、すでに米軍司令部に投入されているAIシステムを配備しようとしているのであって、王様気取りのトランプが崇めるAIの直接指示で自衛隊は操られ軍事攻撃に総動員されることになる。それはまさに、日本国軍は米軍の完全な配下の一部隊として統合されること、それにとどまらず、軍事面において「日本のアメリカ属国化」がこれまでとも異次元のレベルにおいて急激に深まることを意味するのである。 以下 見出し アメリカAIに指揮される攻撃体制の構築 国家総動員のたくらみ |
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トランプ政権の指揮下で軍需生産と武器輸出を拡大 高市政権は、アメリカのトランプ政権からの統制のもとに、同盟国・同志国にたいする武器の輸出や、それらの国々との武器の共同開発に全面的にのりだそうとしている。〔すでに今年四月、「防衛装備移転三原則」およびその運用指針を改定。いわゆる五類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)を撤廃。殺傷兵器をふくむ武器輸出を全面解禁した。〕 これは没落軍国主義帝国アメリカと、ネオ・スターリン主義中国との「新東西角逐」というべき激突のなかで、高市政権が中国(やロシア)との全面戦争に備え、没落をいっそうあらわにしている��親分�<Aメリカを��子分�≠フ分際で全面的に支えるとともに、アメリカの先兵として同盟国・同志国を軍事的・経済的に、対中国包囲網に組みこむ策動にほかならない。 『防衛白書』(以下『白書』と略)では、中国の対外的な姿勢や軍事的な動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」とした。この中国との��死闘�≠�かちぬくために、アメリカとの日米軍事同盟にもとづく軍事即応態勢を強め、日本の軍事力・技術力などの「総合的な国力」と「同盟国・同志国などとの協力・連携」で対応するとしている。具体的には、軍事的な「訓練、部隊運用、装備品、産業基盤」など様ざまな面で相互支援の環境を整えようとしているのだ。 日本を米軍の一大軍事補給拠点に 今年一月、アメリカのトランプ政権は「国家防衛戦略」(NDS)を発表した。そこでは、アメリカ国家の「防衛」目標として、「本土の防衛」に加え、「インド太平洋における中国の台頭の阻止」が謳われている。 そして、こうした軍事目標を実現するために、この地域における米軍兵力の増強と、そのプレゼンスの強化だけではなく、「第一列島線」に沿って強固な「拒否的防衛」を構築するために、アメリカの同盟国にその負担をさらにいっそう負わせるとしている。 そのための政治的な枠組みとして「インド太平洋における産業基盤強靭化パートナーシップ」(PIPIR)をアメリカが主導して設立した(米・日・豪・韓など十六ヵ国が参加)。アメリカは、インド太平洋地域の同盟国・同志国と軍需産業の分野での協力を進めるために、「共同開発」、「共同生産」、「共同維持整備」、対中国の「サプライチェーンの強靭化」を追求するとしている。その取り組みをアメリカの先兵となっておこなっているのが高市政権なのだ。 米日両政府は今年四月に、「日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議」(DICAS)において、AMRAAM(空対空ミサイル)やPAC‐3MSE、SM3‐ブロック�UAといったミサイルの共同生産、米軍艦船・航空機の共同維持整備、重要物資をふくむ対中国のサプライチェーンの強靭化についての協力を推進することで一致した(三月の日米首脳会談では、SM3‐ブロック�UAの日本での生産を四倍に増やすとした)。 すでにアメリカ政府の求めに応じて、日本政府は米軍のパトリオット・ミサイルを日本で生産して、アメリカに輸出する「防衛装備移転」を開始した。その意義について『白書』では「米軍のペトリオット・ミサイルの在庫をできるだけ早く補完し、米軍の態勢を支える」と記している。イランへの軍事侵略を開始して以来、米軍のミサイルなどの「武器庫」になってきたのが日本である。高市政権は今後ますます、日本を米軍の一大軍事補給拠点にしようとしているのだ。 さらに、アメリカとのあいだでAIなどの先端技術(無人航空機へ適用するAI技術など)の共同研究をすすめようともしている(イラン侵略でハメネイ指導部を爆殺するのに使われたAIシステムを想起せよ!)。 中露の極超音速滑空兵器を迎撃するといわれる「滑空段階迎撃用誘導弾」を共同で開発しようともしている。 高市政権は――DICASの枠組みをつうじて――トランプ政権の直接的な指示のもとに、アメリカ軍産複合体との共同開発などをつうじて、日本の軍需産業の育成や基盤整備をおこない、日本を軍事強国にせんと血道をあげているのだ。 以下 見出し アメリカの手先として対中国包囲網づくりを先導 「シーレーン防衛は日本の生命線」? <軍国日本の再興>を許すな! |
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来年度軍事費十数兆円! 大軍拡の財源確保に狂奔 防衛省は二〇二七年度予算の概算要求で、過去最大となる八兆八九〇八億円を計上した(八月三十一日)。この要求には、具体的な金額を明示せずに項目だけを示す「事項要求」が一五〇以上も含まれている。膨れあがった予算額をできるだけ低く見せかけるために、「現時点では未定」と称して金額を隠し事業項目だけを記すやり口で人民を欺瞞しているのだ。 首相・高市は、二七年度の各省庁の概算要求において、「強く豊かな日本」投資枠なるものを新設し、この枠の要求は「シーリング(上限額)」を撤廃した。AI・半導体関連事業や経済・軍事の安全保障予算を、「青天井」で要求させた。また、「事項要求」を多用し年末の予算編成時に一気に予算を積み増す手法を奨励した。この「天井」はずしと「事項要求」方式で、防衛省、経済産業省、国土交通省などの概算要求は無制限に拡大し、概算要求総額は「事項要求」を除いても空前の一四三兆円超に膨らんだ。 そのなかでも、防衛省の軍事費予算は突出している。防衛相・小泉は「防衛費が不必要に膨らんでいるという批判は当たらない」と傲然と居直りながら、十数兆円におよぶ巨大軍事費の獲得を狙っているのだ。 改定「安保三文書」の「三本柱」に重点 防衛省は概算要求において、改定「安保三文書」の「三本柱」――「『新しい戦い方』への対応」、「持続的な対応能力」、「防衛力の基盤」――に重点をおく大軍拡の財源確保に狂奔している。 �@「新しい戦い方」に対応しての自衛隊の統合作戦司令部の指揮統制へのAI導入や、ハイテクを活用した衛星・ドローンを駆使する新たな迎撃システムの研究・開発・調達の費用、これらのすべては「事項要求」で金額を示していない。 「スタンド・オフ防衛能力の強化」の要に位置づける「極超音速誘導弾」の開発・取得に「一八一五億円+事項要求」、「ペトリオット・システムの能力向上」に「六五六億円+事項要求」、アメリカ製の滞空型無人機「MQ―9Bシーガーディアン」十七機の取得に「二九二二億円+事項要求」など、莫大な額を計上している。 �A「持続的な対応能力」つまり長期戦を戦う「継戦能力」の強化に不可欠な弾薬の確保、装備品の維持整備、空中給油・輸送機(KC―46A)、多用途ヘリコプター(UH―2)の取得、民間海上輸送力の導入・活用の費用、これらをほぼ「事項要求」として計上。 �B「防衛力の基盤」では「防衛生産・技術基盤」の強化と称して武器・弾薬を生産・供給する軍需産業の支援・育成費用や、すでに全面解禁した殺傷兵器の輸出拡大にむけた出資などがあげられている。とくに、弾薬・武器を製造・供給する施設を政府が取得し、民間が管理運営する「国有施設民間操業(GOCO)」方式の導入を初めて盛りこんだ。「国営工廠(こうしょう)」=武器製造工場の新設が狙いだ。〔政府・防衛省は、広島県呉市に「複合防衛拠点」をつくる計画を公表し、この施設で武器製造などを担う民間企業の募集も今月から始めている。〕 また「人的基盤」には、自衛官の「給与体系の独自見直し(事項要求)」を掲げ、なり手不足の自衛隊員をかき集める予算や、「退職自衛隊員・家族支援庁」なるものの構想も示している。 まさに、日本国軍をアメリカとともに対中戦争を担う軍隊として飛躍的に増強するために、武器・兵器の強化・高度化、隊員増員のための資金の調達、軍需生産の拡大と軍需産業の支援に莫大な財政投入を企んでいるのが、政府・防衛省だ。 以下 見出し 軍拡大増税に突進する高市政権 |
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エボラ出血熱の感染爆発に再び襲われたコンゴ 米・中レアメタル争奪戦下の内戦激化が感染拡大に拍車 九月十一日に、コンゴ民主共和国(以下DRC)の保健省は、東部地域を中心に増大するエボラ出血熱の感染確認者数が七〇二二人に達した、と発表した。五月いらい始まった感染の拡大は、二〇一八〜二〇一九年の二年にわたる同国史上最大の流行(三四七〇人が感染)を上回ったのだ。 保健省の発表によると、このうち死者は三三九八人に達し、致死率は四八・四%という高率になっているという。その直接の原因は、今回の流行が従来の「ザイール型」株とは異なり、ワクチンや治療法が開発されていない「ブンディブギョ株」というエボラ出血熱ウイルスの希少株によって引き起こされていることによるという。 以下 見出し 東部地域で困難を極める医療活動 「レアメタルの宝庫」で熾烈化する内戦 |
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『翠雨の人』を読んで 日本共産党のソ連水爆実験に対する反労働者的対応 私は今年三月末のNHK朝のラジオで、二〇二五年直木賞受賞の伊与原新氏本人の紹介により、小説『翠雨の人』(二〇二五年七月、新潮社)を知った。 この小説は女性科学者・猿橋勝子さんの生涯を描いている。主人公の猿橋さんはビキニの水爆実験による「第五福竜丸事件」(一九五四年三月一日)以降、米・ソの水爆実験に反対した科学者である。作者はヒューマニズムの立場から危機感と怒りをもって反対しつづけた猿橋さんに共感し、その人生を暖かい眼差しで見つめている。 このことを知り、私はぜひ読まなくてはならないと思った。わが先輩たちが社共既成指導部をのりこえて創造した「米ソ核実験反対!」の闘いの約七年前に、ソ連政府による水爆実験に反対の姿勢を貫いた科学者が日本にいたことに驚き、感動したからである。 以下 見出し 被爆した親友に会い 水爆実験反対を決意 一九五四年秋の放射能雨に 対する共産党の犯罪的対応 おわりに |
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