第2923号(2026年6月22日)の内容

<1〜2面>
特集
高市改憲―戦争国家への大改造を撃て!

 国民投票法・改憲条文案
 第九条の破壊緊急事態条項
 スパイ防止法/軍需生産拡大
 「国旗損壊罪」創設

うた 血に濡れゆく日章旗
<3面>
◆究極の「インサイダー取引」
◆政府ぐるみの国家的集団詐欺
札幌駅前集会に檄 5・29
<4面>
人民に窮乏化を強いる「サナエノミクス」 解説
<5面>
韓国・現代自動車労組がAIロボット導入に反対
Topics イラン侵略・ナフサ供給不足――高市政権の貧困強制を許すな
<6面>
『安保三文書』改定の企み 2
無人兵器/シーレーン防衛
日共中央への憤懣を吐露する下部党員 沖縄
 「解放」最新号
























  



特集 

高市改憲
――戦争国家への大改造を撃て!



 いま国会議事堂前に、そして全国各地の駅頭や広場に、「改憲阻止! 高市やめろ!」の怒りの声が轟いている。イラン侵略を強行したトランプに抱きつき、トランプの要求に応じてホルムズ派兵を画策し大軍拡に突進している高市が、「一年内に改憲を発議せよ」と号令を発した。日本をアメリカとともに侵略戦争を遂行しうる戦争国家たらしめるために高市政権は、第九条の破棄を核心とする憲法大改悪の攻撃にふみだしたのだ。これにたいして怒りを燃やした万余の労働者・人民が、たたかう労働者・学生とともに、憲法改悪と大軍拡に反対する巨大な闘いのうねりをつくりだしているのである。
 それゆえにこそ高市政権は、労働者・人民の「改憲反対・参戦阻止」の闘いの拡大にたいする危機感と憎悪をむきだしにして、反対運動にたいする弾圧に血眼になっている。平和教育への「教基法違反」認定や国家情報会議(局)法の制定、そして今日版の治安維持法というべきスパイ防止法や国旗損壊罪法を制定する策動などのありとあらゆる極反動攻撃をふりおろしているのだ。来春の改憲発議とその後の改憲国民投票を射程にいれて、<反改憲>運動の破壊に狂奔しているのである。
 憲法改悪を許すか否か、日本国家を戦争国家へと大改造する攻撃を許すか否か、いまこそ決戦の時だ!
 高市政権による憲法改悪攻撃を阻止するために、本号は「高市改憲―戦争国家への大改造を撃て!」と題した特集を組んだ。すべての労働者・学生が、職場・学園・地域での闘いの武器として活用されんことを!


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国民投票法の改定・改憲条文案策定への突進




   
   6・14 沖縄労学統一行動に決起
「憲法改悪阻止! 安保粉砕! イラン侵略粉砕!」
シュプレヒコールをあげる沖縄のたたかう労働者・学生
(6月14日、那覇市)
 「来春までに改憲発議を」という高市の号令を受けた自民党はいま、維新や国民民主・参政などをまきこんで、改憲国民投票のための法整備を急ぐとともに早期の改憲発議のために「憲法改正条文案」の策定に狂奔している。
 @国民投票法の「整備」
 六月十一日に衆院憲法審査会は、自民・維新・国民民主・参政の四党が共同提案した改憲のための「国民投票法」の「改正案」をめぐる審議を開始した。この「改正案」は、投票立会人の選定基準などを他の国政選挙と同じにすることを謳っているだけで、「国民投票法」の制定時(二〇〇七年)に問題になったテレビやインターネットの有料利用についての新たな規制はなんら盛りこまれてはいない。独占資本家どもをスポンサーとする自民党や維新などは、改憲賛成の有料広告をやりたい放題にできる仕組みを「整備」しようとしているのである。
 A緊急事態条項の創設と第九条の改悪=破壊
 衆・参の憲法審査会を牛耳る自民・維新の極反動分子どもは、この五月に「改憲条文案」をめぐる論議を、野党をまきこんで一気に加速している。
 五月十四日の衆院憲法審査会に、衆院法制局が作成した「緊急事態条項イメージ案」なるものが、改憲条文案策定の議論を促進するためにと称して提出された。これを作成させたのは衆院憲法審査会会長の古屋と与党筆頭幹事の新藤という極反動分子どもだ。
 この「緊急事態条項イメージ案」の核心は、「国会の機能が維持できなくなるような緊急事態」において内閣=首相に法律と同一の効力を有する「緊急政令」を制定する権限を付与すると明記したことにある。
 五月二十一日の憲法審査会で新藤はほざいた。
 ――これまでの憲法審査会の主要議題は「選挙が困難になるなどの緊急事態における国会機能の維持」についてであった。しかし、「国会の機能」が維持できない緊急事態を想定して「国家の機能」そのものを維持するための仕組みを整備しておかなければならない。そうした仕組みの無い憲法は「主権国家の憲法としては未完成だ」と。
 「緊急事態条項」に明記すべきは国会機能の維持策よりも、「国家機能の維持」のために内閣=首相に非常大権を与えることのほうが重要だと新藤は主張しているのだ。首相が立法府に縛られることなく自由に国家権力を発動できるという条項がないことに不満を言うのは、極反動分子どもがまさしく日本国家を戦争国家へと大改造するための改憲を企んでいるがゆえなのである。
 この新藤の発言を受けるかたちで維新の議員はほざいた、「国家機能の維持」と言うのであれば「死活的に重要な憲法九条改正と緊急事態条項創設の二つを一緒に論議すべき」と。これはもちろん自民党との腹合わせにもとづく発言だ。首相に緊急政令制定権を与える「緊急事態条項案」を論議のテーブルに載せた高市自民党は、さらに維新に「九条改定」の必要を主張させて、この両方を早期かつ同時に、憲法審査会における改憲条文案づくりの土俵にあげようとしているのである。
 高市を頭とする自民党は、日本を戦争国家へと大改造するためにこそ、来年中の国会発議=国民投票をつうじて、緊急事態条項の新設と憲法第九条の破壊とを一挙に強行することを企んでいる。米中激突の狭間において日本帝国主義の政府・支配階級は、日米安保の鎖によってガッチリと縛られているがゆえに、日米軍事同盟を基軸とする対中国・対北朝鮮の軍事包囲網構築を主導的に担う国家へと日本国家を改造するという国家意志をうち固めたのである。

 高市政権の改憲攻撃を、労働者・学生・人民の壮大な闘いの力によって打ち砕こう! いまこそスクラムを組んでたちあがろう!



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内閣への全権委任を目論む緊急事態条項の創設




 「来春までの改憲発議」を叫ぶ高市・自民党政権は、「戦争の放棄・戦力の不保持」を謳う憲法第九条の破壊とともに緊急政令を含む緊急事態条項の新設を俎上に載せ、改憲条文案の策定を加速させている。
 五月十四日、自民党・維新の会は衆議院法制局と衆院憲法審査会事務局に「緊急事態条項イメージ案」なるものを作成させ憲法審査会に提出した。
 国会に初めて提出されたと称するこの条文イメージ案なるものは、自民、日本維新の会、国民民主、公明の四党が昨年まとめた改憲骨子案を踏まえたものだと称されている。しかし、昨年の骨子案には「緊急政令」については含まれていなかった。この案は、二〇一二年の自民党の「憲法改正草案」の「緊急事態条項」とほとんど変わらない代物である。
 五月二十一日の衆院憲法審査会において、「国会としておよそ認められない条項で、論外だ」(中道改革連合・西村)という反発や、「緊急政令を含めれば……議論が停滞する」(国民・玉木)などという欺瞞的な懸念表明などをはねつけ、「(緊急政令は)当然に備えていくべきものだ」と条文イメージ案に書かせたのが自民党・新藤(与党筆頭幹事)だ。
 「緊急事態条項」の眼目は政府がフリーハンドに制定できるとする「緊急政令」にある。「緊急事態の発生により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるとき」には「内閣は法律と同一の効力を有する緊急政令を制定することができる」というのがそれである。
 「緊急事態」の事例としてあげていることは、@地震等による大規模な自然災害、A感染症の大規模な蔓延、B内乱等による社会秩序の混乱、C外部からの武力攻撃、Dその他これらに匹敵する事態、などである。この「緊急事態」を認定するのは内閣とされている。
 戦争や政府危機に直面した場合には内閣が「緊急事態」を認定=宣言するとされているが、この「認定」は内閣(政府)の専決で恣意的になされ、これさえおこなえば、政府は強大な権限を手にすることができるという代物だ。
 高市政権は「内乱等」という項目を「外部からの武力攻撃」より前においた。政府の政策に反対する運動や反政府運動の高揚さえも「内乱」と烙印し、「緊急事態」としてこれへの徹底的な弾圧をもくろんでいるのである。「基本的人権」などはお構いなしに労働者・人民や自治体およびその管理下にある港湾や諸施設を強制的に戦争に総動員する、このような戦時体制をつくりだすことを国家意志に高め、法制化しようとしているのである。高市・自民党政権は、日本をアメリカとともに戦争を遂行しうる軍事強国につくりかえるために、これまでの法的な制約を一挙に突破することをもくろんでいるのだ。
 この緊急事態条項は、憲法に明記されている「国権の最高機関」としての国会を有名無実化し、政府(内閣)に立法権を委譲することを認めたナチス・ドイツの「全権委任法」と変わりないものであり、戦時中の日本の「国家総動員法」と同様に、政府への白紙委任状を与えるものにほかならない。
 緊急事態条項の創設を許すな。
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第九条の破壊――「戦争放棄・戦力不保持」の全面否定




 高市政権・自民党は、「自民党新ビジョン」において「死活的に求められる憲法改正」と叫びたて、第九条の改悪に突進している。「国家存亡の危機に備える」ためには憲法の「平和主義は無力だ」とうそぶき、第九条の「戦争の放棄・戦力及び交戦権の否認」条項を解体し、「自衛隊(国防軍)の保持」を謳う戦争条項にすり替えることを策しているのだ。
 二〇一八年に安倍政権時代に策定した改定案では、「戦争の放棄」条項をそのままにして、第九条の2に「自衛隊の保持」を明記するとした。――
 「国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、……自衛隊を保持する」。
 この安倍案は連立政権を組んだ公明党を抱きこむために、「戦争の放棄」条項に「自衛隊の保持」を加えたものだ。
 二六年二月の総選挙で三一六議席を獲得した高市は、連立を組む極右・維新の会を利用して、現行憲法の「戦争放棄・戦力不保持」理念を真っ向から否認した二〇一二年の自民党案を復活させようとしている。
 この二〇一二年案は、「自衛隊の保持」ではなく「国防軍の保持」を掲げている。――
 @現行憲法の「第二章 戦争の放棄」の条項を「安全保障」なる戦争条項に変更する。そのうえで、「戦争と武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という条文を「国際紛争を解決する手段としては用いない」に変え、かつ、「永久に」の文言を削除する。さらに、「国の交戦権は、これを認めない」を「自衛権の発動を妨げるものではない」とする。要するに、第九条を、国家による「自衛」の名による戦争行為を積極的に位置づける戦争条項にすり替えるのだ。
 A「九条の2」を追加し、この項に「国防軍を保持する」「国防軍は国際社会の平和と安全を確保するための活動を行う」と明記する。すなわち、「国防軍」と称する日本国軍を保持し、かつ、「国際社会の平和」の名による海外派兵をも公然と認めているのだ。
 この第九条改定案の核心は、現行憲法に謳う軍国主義権力による侵略戦争を全否定した平和主義理念――「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(前文)を全面的に否認し、「国防軍の保持」と「国の交戦権」を承認することにある。そして守るべき日本国家の「国柄」として、「象徴天皇を頂く日本国家の歴史と伝統」を固守する条項を掲げること、これが自民党政府の言う「死活的に求められる憲法改正」なるものなのだ。
 高市自民党は、こうした憲法改悪を正当化するために、「戦後の国際秩序の大きな転換」をあげつらっている。――「国連の安全保障理事国であるロシアが侵略行為を行っている」から現憲法の前文にいう「平和を愛する諸国民の公正と正義」を「信頼」することはできない、だから「国家の安全保障」のための国防軍が必要なのだ、というのだ(「党新ビジョン」)。
 時代は変わった、平和主義は無力だ、時は戦争の時代だ≠ニ称して、核兵器をもつ大国に伍する軍事力・経済力をもつ軍事強国に、同盟国アメリカとともに戦争をやれる国家に飛躍することが「国益」だと叫んでいるのが高市自民党なのだ。ネオ・ファシストどもは、一にも二にも、「軍国日本」再興にとっての桎梏とみなした憲法第九条の破壊に突進しているのである。
 アメリカの「属国」として、アジアにおける対中国(ロシア・北朝鮮)の軍事包囲網(核による拡大抑止を含む)を構築する、そのために日本国軍の大軍拡に突進するという国家意志。これにもとづいて、アメリカとの軍事同盟を結ぶ戦争国家にのしあがるために日本型ネオ・ファシズム憲法を制定しようとしているのが、極反動高市政権・自民党なのである。

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今日版治安維持法=スパイ防止法制定の企み

 高市政権はいま、スパイ防止関連法(スパイ防止基本法、外国代理人登録法、ロビー活動公開法)の制定を、国家情報会議(局)の設置につづく「諜報力強化の第二段階」と位置づけて、その制定にむけた有識者会議を早急に発足させようとしている。
 「国家情報会議の設置で器をつくった。スパイ防止法が本丸だ」と高市を先頭に国家権力者どもは喚きたてている。各省庁のもとに分散していた情報組織を、首相を議長とする国家情報会議直轄の国家情報局のもとに一元的に統括する体制を構築したことにふまえて、この政権は、スパイ防止関連法という稀代の人民弾圧法の制定にむけて突進しているのだ。




武器輸出全面解禁と軍需生産拡大の号令

同盟国・同志国への売りこみ
 四月二十一日に高市政権は、閣議と国家安全保障会議(NSC)において、「防衛装備移転三原則」の「運用指針」を改定し、殺傷力をもつ「防衛装備品」=兵器の輸出解禁にふみきった。新たな「運用指針」は、輸出できる「防衛装備品」を「救援・輸送・警戒・監視・掃海」の「五類型」としてきた「限定」を撤廃し、護衛艦やミサイルなどの殺傷力のある兵器の輸出を「原則可能」としたのである。そして首相、官房長官、外相、防衛相による「四大臣会合」での審査=決定を「歯止め」などと称し、国会へは事後承認でよしとしたのだ。
 その場合の輸出対象国は日本と「防衛装備・技術移転協定」を締結した国家に限るという。それらは日本政府が言うところの「同盟国・同志国(パートナー国)」であり、現在は十七ヵ国、発効前や交渉中をふくめると二十ヵ国となる。
 高市は、「武器輸出全面解禁」を決定したその場で、みずからが武器輸出の「トップセールス」にうってでることを宣言した。防衛相・小泉も「防衛装備品についてトップセールスを一層強化したい」と表明した。高市はベトナムとオーストラリアに、小泉はインドネシアとフィリピンに、それぞれ売りこみに奔走した。「日本が専守防衛の考え方のもとで整備している防衛装備品に期待する声がパートナー国からよせられている」などと語りつつ。
 オーストラリアとのあいだでは初の「大型武器輸出案件」となる、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦をベースとした改良型フリゲート艦の共同開発を合意(四月十八日)、フィリピン(五月二十八日)とインドネシア(六月五日)には、海自の中古の「あぶくま」型護衛艦や陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾(中SAM)や「おやしお」型潜水艦などの輸出にむけての協議を開始しているのだ。〔ニュージーランドにも、オーストラリアに続いて「もがみ」型護衛艦の輸出が目論まれているという。〕




「非国民」排斥を狙う「国旗損壊罪」創設

 かつてアジア諸国を蹂躙し幾千万もの人民の血に染まった日章旗を、再び神聖化する攻撃が始まった。「国旗損壊罪」創設法案が今国会に提出されようとしているのだ。これこそは、血塗られた軍国日本の再興をたくらむ極反動攻撃いがいの何ものでもない。断じて許すな!
 六月一日、極右・高市の肝煎りの法案、「国旗損壊罪」の条文案を自民党のプロジェクトチームと内閣第一部会の合同会議が了承した。国旗にたいする侮辱≠ノ刑罰を加えるという驚くべき内容だ。
 @「人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法で公然と国旗を損壊、除去、汚損した者は二年以下の拘禁刑または二〇万円以下の罰金に処す。」
 A「自ら損壊している状況を撮影し、映像を不特定多数に提供、公然と陳列した場合も処罰する。」
 B「行為の外形その他の客観的な事情を総合的に勘案し処罰するかどうかを判断する。」
 きわめて凶悪な法案ではないか。「国旗損壊」の「行為の外形」はいっさい規定されず、権力者の「総合的勘案」でいかようにも特定できるようにされている。そのうえ、「行為」とみなされるものの範囲にも制限がない。「映像を不特定多数に提供」することまで刑罰の対象としており、個々人が国旗を批評する私的通信までもが罰せられることになるのだ。



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 究極の「インサイダー取引」



イラン侵略で暴利を貪った強欲トランプ
 アメリカ政府倫理局は、大統領トランプ個人の有価証券取引が、二〇二六年の第1四半期(一月〜三月)だけでじつに三六四二回(一日平均四十回)におよび、売買総額は二億二〇〇〇万j〜七億五〇〇〇万j(一日平均約四億円から一三億円)に達した、と発表した。これは連邦議会全議員の一年分の証券取引額を優に上回る途方もない額である。このような取引でトランプ個人が得た利益は「少なくとも数百万j〜数千万j」だという。
 今年の第1四半期といえば、いうまでもなくベネズエラ侵攻からイラン侵略へとアメリカ国家が侵略戦争に突入した真っ最中。そのさなかにこれだけの投機に狂奔し暴利を貪っていたのが、トランプなのだ。それはいうまでもなくこの強欲大統領が、自分が「最高司令官」として指揮する戦争行為そのものを私腹を肥やす道具として最大限活用したからにほかならない。
 暴露されているそのあくどい手口はこうだ。
 三月二十二日。トランプはSNSをつうじて「四十八時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ多数の発電所を爆撃する」とイラン人民を脅迫した。これによって株は大幅安となり原油の先物価格は高騰した。
 三月二十三日の早朝六時四十九分。「何者か」がわずか一分間で株の大量の「買い」と原油先物の巨額の「売り」をおこなった。
 七時四分。トランプがふたたびSNSで「対話が始まった。イラン爆撃は延期する」と投稿。そのとたんに株価は一・一%上昇し、一バレル=一〇〇jを超えていた原油価格は一挙に八四jまで暴落した。〔イラン政府は「対話開始」を否定。〕
 六時四十九分に異常な売買をおこなった人物は、十五分後のトランプの発表のあと、ただちに買った株を高値で売り抜け、原油先物商品を底値で買い戻して、暴利を獲得した。
 このタイミングでこのような「取引」をおこなうことのできる人物が、トランプ本人(その代理人)以外にありえない、ということは歴然としている。
 四月七日にも同じことが起きた。翌八日にアメリカとイランの「二週間停戦」が発表される直前、トランプが「発電所と橋を破壊する」「一つの文明を壊滅させる」「石器時代に戻してやる」と叫びたてイラン人民を恐喝していたまさにそのとき、「何者か」が高値の原油先物商品を九億五〇〇〇万jも「売り」に出した。その直後に「二週間停戦合意」が発表され、原油価格は一五%以上も下落した。巨額の「売り」をしかけた人物は高値で売った先物商品をすぐさま底値で買い戻し莫大な差益を得た。イラン人民が「橋を守れ」「発電所を守れ」と人間の鎖≠つくって抵抗していたまさにそのときに、である。
 トランプは侵略開始後の四ヵ月のあいだに、この種のマッチポンプを何回もくりかえした。そのたびごとに株価は下がって上がり、原油価格は上がって下がった。このあからさまな市場操作をおこないながらこの守銭奴は数千万j(数十億円)もの差益を獲得して私腹を肥やしたのである(株式では軍需企業や石油・ガス企業の株をピンポイントで買いつづけた)。これは、「アメリカ建国二五〇年」の歴史のなかでも前代未聞の「大統領による究極のインサイダー取引」である。
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人民に窮乏化を強いる

円安促進・インフレ加速政策



「サナエノミクス」の反人民性 解説


猛烈な物価高騰とその要因
 A いまあらゆるものの価格が上がっている。なんでこんなに物価が上がっているのか?
 B いろいろ要因はあるが、まずはアメリカのイラン侵略によってもたらされた国際的な原油価格の高騰、これが決定的な衝撃波になっている。国内のガソリン価格は、政府が補助金を出しつづけているから今のところはリットルあたり一七〇円台前後に抑えられている。でもプラスチック製品や医療用備品などの原料になるナフサが不足して、それを供給する企業が価格をつりあげている。
 A ナフサというものが僕たちの日用品にこれだけ広く使われているなんて、今まであまり考えてこなかった。高市は「充分足りている」と言い張っているが、医療関係者は手袋がないと「手術ができなくなる」と悲鳴をあげているし、建設業者は塗装用シンナーが手に入らなくて工事が進まない。スーパーで食品を包んでいるトレーも値上がりしている。品不足と値上がりのダブルパンチだね。
 B たしかにホルムズ・ショックによる石油価格の高騰がいまのインフレの原因にはちがいないんだが、それはダメ押しという感じだな。だって、この猛烈な物価高・インフレーションは、イラン侵略の前からずっと起きていたじゃないか。
 A それはそうだ。では、何が原因なんだ?
 B やはり一番大きいのは円安だ。いま円の対ドル・レートはだいたい一j=一六〇円前後。安倍政権の末期、コロナの走りの二〇二〇年ごろには、今となっては信じられない数字だが、一〇〇円から一一〇円だった。たった六年で一jあたり六十円・四〇%近くも円の値打ちが下がったということだ。
 A なぜ円安になると国内の物価が上がるんだ?
 B それは、輸入品を考えればわかる。日本の食糧自給率は三八%だし、石油の輸入依存率は九九%だ。これらの輸入品は主にドルで売買している。だから一台一〇〇jのスマートフォンを輸入するのに、一j=一〇〇円の為替レートのときには一万円を出せばよかったのが、一j=一六〇円になれば一万六〇〇〇円を払わなければならない。同じ製品がレートの変化だけで六〇%も高くなる。これが円安による物価高騰だ。このかんのインフレは、こうした円安が大きな要因だといってよい。

円安が進行するのはなぜか?
 A じゃあ、なんで円安がこんなに進んでいるのか?
 B 一言では答えにくいけれども、一番大きいのは、日本の政策金利が度外れに低いということだ。
 A 「政策金利」について説明してくれ。
 B 日本の経済指標となる「金利」には二つある。「長期金利」と「短期金利」だ。「短期金利」は、銀行が一晩だけ他の金融機関に資金を融通するときの金利で「無担保コールレート翌日物」という。これは、日銀が市場の金利を誘導するために金融政策決定会合で決めるから「政策金利」とも呼ばれている。他方「長期金利」のほうは、政府が発行する国債で満期十年のものの金利=「利回り」を指す。五月十八日には、この長期国債の金利が二・八%と二十九年ぶりの高水準まで跳ね上がった。これは異常事態で、世界最悪の借金国である日本にとっては大問題なんだが、今回は触れないことにしよう。
 A こんどの六月の日銀の会合で「利上げ」を決めたのは、その「短期金利」のほうだね。
 B そう。このかん日銀の植田総裁は、インフレを抑えるために短期金利=政策金利を上げようとしてきた。黒田日銀時代の異常なマイナス金利からこの二年間で少しずつ上げてきて、これまで〇・七五%だったのをようやく一%に上げた。金利を上げれば市中に溢れる通貨量が減るからインフレが収まるという理屈だ。昔からインフレを抑えるには金利を上げるのが中央銀行がうつ「定石」とされてきたんだ。
 A でも高市は「拙速に金利を上げるな」と言っているんだろ。
 B そうなんだ。「いま金利を上げるとせっかく活発になってきた企業活動に水を差す」と言って植田総裁に圧力をかけてきた。四月には「利上げも一つの選択肢」と口を滑らせた経産相の赤澤にたいして高市と財務相の片山が二人がかりで「厳重注意」したことを、わざわざ公表してみせた。それで四月の日銀政策決定会合での金利引き上げは見送りになったんだ。さすがに六月の決定は抑えられなかった。インフレ対策で欧州もアメリカも利上げに向かっているからね。それでも、安倍の低金利政策を引き継ぐのが高市の信条だから、日銀に圧力をかけつづけている。
 A でも、安倍の時代はデフレだろ。いまはインフレ。インフレの時代に金利を低く抑えれば、そのインフレに拍車をかけることになるでしょ?
 B そう。事実そうなっている。しかも日本の政策金利は先進国のなかでも断トツに低いから、円安はどんどん進み、それによってもインフレが加速する。
 A それはどういうこと?
 B いまアメリカの政策金利は三・五〜三・七五%。元々は日本と同じような超低金利だったのをどんどん上げてきてこうなった。トランプは「上げるのではなくて下げろ」と、中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に圧力をかけてきたが、パウエルは言うことを聞かなかった。ヨーロッパ各国の政策金利も、せいぜい二〜四%だ。どの国も、新自由主義政策下での金融緩和でインフレになったから、そろって金利を引き上げてきた。ところが日本だけが「アベノミクスを引き継ぐ」とぬかしている高市の圧力によって、いまだに低金利のままなんだよ。
 そうすると各国間の金利差が問題となる。日本はこんかい上げても一%、これとアメリカの三・七五%だと、投資家は、だんぜん日本の銀行で円資産を保有するよりもアメリカの銀行でドルで保有したほうが高い利子がつく。もうひとつは、日本政府の借金漬け財政への「不信」もある。だから円で資産をもっている金融機関やファンドは、円を売ってドルを買う。そうするととうぜん、ドル高=円安が進む、というわけさ。

以下 見出し

円安によって利益を得るのは誰か?

犠牲を押しつけられるのは労働者と低所得層

「高圧経済論」で補強したインフレ加速政策


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米日共同による「無人兵器の地獄絵図」

 「安保三文書」の改定にむけて高市政権・自民党の政治エリートどもは、ロシアが侵略するウクライナの戦場などで「AIや無人機が投入され、戦闘の様相が一変した」と断じて、AIを利用した情報指揮統制システムの整備を提唱するとともに、「無人アセット〔無人兵器〕を中心とした非対称的な防衛力の構築」を「提言」している。

「非対称的な防衛力構築」なるものの反人民性
 すでに高市政権は、軍民両用の無人機を量産する体制の整備にむけて走りだしている。政府としてドローンを経済安全保障推進法上の「特定重要物資」に指定し(二〇二五年十二月)、これにもとづき経済産業省は二〇三〇年までに国内で約八万機を量産できる体制の整備を政策目標に定めた(一月三十日)。また防衛省は、今二〇二六年度予算に軍用小型ドローンの大量調達費約一〇〇一億円を計上している。高市政権は、「両省が連携して国内生産基盤の拡大をはかる」と号令し、ドローンの国内量産体制の整備を急ぎに急いでいるのだ。





 「太平洋側のシーレーン防衛強化」

――対中戦争体制づくり

 自民党の政治エリートどもは、「太平洋側のシーレーン防衛を強化する」ことを提言している。太平洋上の「第二列島線」(小笠原諸島から南鳥島をへてグアムにいたる島々を結ぶ線状の海空域)を常時監視できる無人早期警戒機の保有や、太平洋上の島嶼部への警戒管制レーダーの整備などをすすめるべきだ、と。
 昨二〇二五年六月に、中国海軍の空母「遼寧」「山東」の二つの空母艦隊が、初めて西太平洋上の第二列島線周辺にまで進出し、双方が連携するかたちでの海上軍事演習を実施した。この中国軍の軍事行動によって、この海空域が日本国軍の対中国警戒監視体制にとっての空白領域≠ニなっていることを、政府・日本国軍はつきつけられたのだ。このことに危機感を高ぶらせた高市政権・自民党は、いまその穴埋め≠ノ躍起になっている。

以下 見出し

米本土から出撃した米軍主力部隊の防衛

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「改憲阻止! 高市政権打倒!」


札幌駅前集会に戦闘的檄


5・29


 五月二十九日、「せんそうさせない緊急アクション国会前行動」に連帯して、十九時からJR札幌駅前広場で、「平和憲法うちらが守る札幌アクション」が開催された。この集会には一〇〇〇人を超える労働者・市民・学生が、プラカードやメッセージボードをもち結集し、スタンディングとアピール行動がおこなわれた。わが戦闘的・革命的労働者は、職場から多くの仲間とともに結集した。たたかう学生は「憲法改悪を止めよう!」と書いたのぼりを掲げて闘いを牽引した。わが同盟情宣隊は、結集する参加者に「改憲阻止!高市政権打倒!」と朱刷りしたビラをくまなく配布した。 

  「憲法改悪反対!」声をあげる労・学・市民
(5月29日、札幌駅前)
  「高市政権打倒!」元気よく情宣
(5月29日、札幌駅前)
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