第2883号(2025年9月1日)の内容
<1面>
プーチン・ロシアの大規模・無差別攻撃を許すな!
米露結託によるウクライナの分割・強奪を粉砕せよ!
<3面>
国際反戦集会かちとる 8・3
沖縄/北陸
<6面>
第63回国際反戦集会 海外からのメッセージ@
ENSU/英レボリューショナリー・マルクシスツ/TPT‐4/
仏ユニオン・パシフィスト/APFUTU
<4面>
特集 戦後80年 3
スターリン・ソ連邦の犯罪
対日参戦/シベリア抑留
<5面>
トヨタ自動車
人事=賃金制度の抜本的な改悪を許すな!
Topics 反戦平和・反改憲運動を圧殺する「連合」労働貴族を許すな
2面:◆詩 全世界の労働者とともに
ウクライナ侵略に加担する金正恩
日鉄がUSスチールを完全子会社化
「解放」最新号
プーチン・ロシアの大規模・無差別攻撃を 許すな! 米露結託によるウクライナの分割・強奪を粉砕せよ! プーチンのロシアは、八月十五日の米露首脳会談の直後から、ウクライナ全土への悪逆な大規模・無差別攻撃を強行しつづけている。 ロシア軍は、十七日からハルキウ、キーウ、そして西部リビウにいたるまでのウクライナ全土の都市にたいして、ミサイル・ドローン攻撃を強行している。夜間に住宅やインフラ施設、工場を狙ったこれらの攻撃によって、一歳未満の子どもを含む数多の人民を虐殺しさったのだ。プーチンが割譲を要求しているドネツク州では、ポクロウシクなどの「要塞ベルト地帯」と呼ばれる難攻不落の都市群を陥落させるための攻勢を強めている。一一万人以上もの兵力をこの地域に集中的に投入し、大量の戦死傷者もいとわぬ人海戦をしかけているのだ。 プーチンは首脳会談をつうじてアメリカ大統領トランプをまんまと手玉にとり、「即時停戦しそののちに和平交渉に進む」としていたトランプの方針を「戦争を停止せず和平交渉を続ける」というものへと転換させ、さらに経済制裁の発動をも棚上げにさせた。まさに停戦無し、制裁無し≠ヨのトランプの政策転換のゆえにプーチンは、ウクライナ大統領ゼレンスキーとの首脳会談を引きのばすだけ引きのばしつつ、殺人鬼としての姿をよりむき出しにしてウクライナ人民に襲いかかっているのだ。 今やプーチン政権は、石油価格下落による国家財政枯渇の危機にあえぎ、軍需産業を最大の基幹産業とする奇形的な戦時経済の行き詰まりに直面している。ロシアの戦死者は今年六月時点で二五万人以上にもおよんでおり、その数は日々増大している。これらのゆえにプーチンは、ウクライナを降伏させ属国化するための軍事攻撃にますます前のめりになっているのだ。 いまウクライナの労働者・人民は、プーチンとトランプの結託のもとウクライナ分割・強奪のための無差別攻撃にさらされている。こうしたなかで、ウクライナのたたかう左翼の人々は、プーチンの狙いがウクライナの国も民族も文化も抹殺し、ロシアに服従させられた属国にすることにあることを暴きだし、「トランプとプーチンによるウクライナへの和平おしつけ」に反対し「真に公平で永続的な和平」の実現のためにたたかいつづけている。そして、米欧からの支援の縮小のなかで、みずからの力でなんとしても侵略を阻止する決意に燃え立ち、「オリガルヒと占領者のいないウクライナのために」の旗印のもとに着実な闘いを創造しているのだ。 彼らを先頭にしたウクライナ人民を決して孤立させてはならない。われわれはウクライナ人民と連帯し<プーチンの戦争>を打ち砕く闘いを、今こそ大きく創造しようではないか! ウクライナ・欧州首脳の米露結託への抵抗 八月十八日、トランプとゼレンスキーとが、ホワイトハウスにおいて首脳会談をおこなった。この米―ウクライナ首脳会談の場においてトランプは、プーチンと合意したウクライナの「二州(ドネツク・ルハンシク)割譲案」をゼレンスキーに押しつけることを企んだ。 このトランプにたいして、ゼレンスキーは、「ウクライナ憲法で禁じられている領土の放棄はできない」「領土問題は私がプーチンと直接話す。あなたには助けてほしい」と返したのだ。 こうした要求を呑ませるためにゼレンスキーは、トランプとの口論に終始した二月の首脳会談と同じ轍を踏まないように、とにもかくにもトランプをプーチンから引きはがすことに注力したのであった。今回の会談にブラック・スーツで身を包んで登場したゼレンスキーは、みずからの妻オレーナからトランプの妻メラニア宛ての手紙を手渡した。そして、会談冒頭の一分間にゼレンスキーは九回も「ありがとう」「感謝します」を連発した。 こうしたゼレンスキーの立ち居振る舞いに上機嫌となったトランプは、「停戦の必要はない」とくりかえしながらも、「領土割譲」をゼレンスキーに押しこむことは控え、「領土については当事国で話すもの」「(ウクライナに)強力な保護と安全を提供する」と言明したのであった。 この米ウクライナ会談に直続して同日、欧州諸国首脳を加えた拡大会合がホワイトハウスで開催された。この会合には、ゼレンスキー、トランプのほかに、英、仏、独、伊、フィンランドの五首脳、NATO事務総長ルッテ、EU欧州委員会委員長フォンデアライエンが参加した。 かの米露首脳会談においてプーチンに丸めこまれ、「停戦か、さもなくば制裁か」というみずからの主張を棚上げしたトランプ。この気まぐれで人格未形成のアメリカ大統領にたいする再々度の方針転換≠強力に求めたのが欧州諸国首脳たちであった。「停戦に向けて努力し、ロシアに圧力をかけよう」(ドイツ首相メルツ)、「停戦をロシアが拒否するなら制裁を強化する必要がある」(フランス大統領マクロン)と。この彼らにたいしてトランプは、「私たちが即時停戦を望んでいるのは明らかだ」と応じたのだ。 そして、ウクライナの「安全の保証」についてもトランプは、「(NATOには加盟させないが)ヨーロッパが負担しわれわれが支援する」と述べ、アメリカの「安全の保証」への関与を明言した。〔米国務長官ルビオは二十一日、米軍とNATOが具体的な作戦計画である「軍事オプション」を策定した、と発表した。欧州各国が地上部隊を送りアメリカは「空から」支援するということが基軸となるといわれている。〕 会合のなかで欧州の首脳たちは、おだてに弱いトランプにみずからの要求を呑ませるために次々とトランプへの賛辞を並べたてた。「あなたのおかげでプーチンが対話姿勢に転じた。今後も欧州は一体となって対応します」(イタリア首相メローニ)とか「あなたが行き詰まりを打破した」(NATO事務総長ルッテ)とかというように。 この二つの会談をつうじて、トランプに「即時停戦の実現をめざす」と言わしめ、「ウクライナの安全確保への関与」を確約させ、核大国ロシアによる占領拡大と領土強奪のウクライナへのゴリ押しに一定の歯止めをかけることに、当面は奏効したのがゼレンスキーと欧州権力者たちなのだ。 もちろん、トランプはいまなお「プーチンの交渉姿勢を考慮する必要がある」などと語っているように、再びみたびプーチンの意向に沿って方向転換することは十分にありうる。拡大会合の席上で「プーチンは私のためにディールに応じると思うよ」などとマクロンにささやいたほどなのである。 トランプは、米露首脳会談を開催しプーチンを国際舞台に復帰させ、これとひきかえに北極海の資源開発に参入することをもくろんでいるだけではない。アメリカの唯一の競争相手たる習近平の中国の対米挑戦の勢いを削ぐことを第一とする国家戦略を取っているがゆえに、中国とロシアの同盟的関係に楔を打ちこむためにも、これまで築いてきた「プーチンとの素晴らしい関係」(米露会談後のトランプの発言)を維持しないわけにはいかないのだ。しかも、エプスタイン疑惑の証拠までプーチンに握られているであろうことからして、なおさらそうなのだ。 以下 見出し ロシアの侵攻に怯え結束する欧州権力者 ウクライナの分割・強奪を打ち砕け! <プーチンの戦争>粉砕の闘いを! |
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特集 戦後80年 B スターリン・ソ連邦の犯罪 対日参戦――領土拡張と人民殺戮の強行 一九四五年八月八日、第二次世界大戦の終結まぎわに、ソ連共産党書記長スターリンは、米大統領ルーズベルト・イギリス首相チャーチルとの「ヤルタ秘密協定」にもとづいて、「日ソ中立条約」(一九四一年)を一方的に破棄して日本に宣戦を布告し、ソ連軍百数十万を「満洲国」に侵攻させた(八月九日)。さらに、南樺太(南サハリン)、全千島列島を軍事占領下に置いた。 このソ連邦の対日参戦によってもたらされた悲劇・惨劇は、いまもなおその傷口から血を吹いている。――シベリア抑留、中国残留孤児、ソ連兵への「性接待」、そして北方四島の占有支配など。まさにこれらは、レーニンの「無賠償、無併合、捕虜抑留せず」の基本原則を踏み破ったスターリン主義ソ連邦の大犯罪にほかならない。 満州・千島列島への侵攻 ヤルタ秘密協定にもとづく参戦 六〇万人の日本人捕虜を極寒のシベリアに長期抑留 スターリンの秘密指令 中国・アジア人民を蹂躙した日本軍国主義の十五年戦争は、八十年まえの敗戦をもって終わった。だが今度は、「戦勝国」たるアメリカが日本を占領支配下に置き、他方では、米英帝国主義と「ヤルタの密約」を結んだスターリンのソ連邦が、満州・北朝鮮などに侵攻し、南樺太から千島列島を占領した。それだけでなく、スターリンが一九四五年八月二十三日に発した秘密指令(日本軍将兵五〇万人をソ連領内へ移送することを命じるそれ)にもとづいて、ソ連軍は、これらの地域にいた日本軍兵士や軍属を大量に捕虜として拘束しシベリアなどの強制収容所に抑留したのだ。レーニンの戦後処理にかんする原則――賠償を求めず・併合せず・捕虜を抑留せず――をことごとく踏みにじったのが、スターリンである。このソ連政府の犯罪は、じつに最長十一年間にわたった。 まだ小学生であったころの私には、鮮烈な記憶がひとつある。スターリン批判によって最後の日本人抑留者が釈放された直後、一方では抑留の苛酷な現実を記す生なましい手記が多数出版されて庶民のあいだで反ソ感情が膨らみ、他方では社会党や共産党がソ連を「平和の砦」として宣伝していた。ちょうどそのころ、日本の満州支配や皇軍の暴虐とともに、ソ連による日本兵シベリア抑留の苛酷な実態を克明に描いた五味川純平の小説『人間の条件』が映画化されていた。それを見た私は映画の最後の場面に釘付けになったのである。 それは、ソ連の手先になって日本兵捕虜を奴隷のごとく働かせて死なせた上官にたいして主人公が怒りを爆発させ、その上官を殴り殺す場面であった。その代償はシベリアの雪原への脱走すなわち死である。私は主人公に共感して手に汗を握ったのであるが、大きな謎が残った。狂暴・下劣な皇軍の下士官を手なづけたソ連という国はどういう国なんだろう、と考えても、小学生にわかるわけはなかった。 ラーゲリでの苛酷な労働と生活 スターリン型計画経済に組みこまれた捕虜の労働 レーニンの「無併合・無賠償・捕虜抑留せず」 一九一七年十月二十六日(新暦十一月八日)の第二回ソビエト大会の宣言「平和についての布告」において、レーニンは次のように述べている。 「公正な、すなわち民主主義的な講和は、戦争で疲弊しくるしみ苦悩している、すべての交戦国の労働者階級と勤労階級の圧倒的多数の者が渇望しているものであり、またロシアの労働者と農民がツァーリ君主制の打倒後このうえなくきっぱりと根気づよく要求してきたものであるが、政府がこのような講和とみなすのは、無併合(すなわち、他国の土地を略奪することのない、他民族を強制的に合併することのない)、無賠償の即時の講和である。」 また、レーニンにとっては、兵士=捕虜および民間人の長期抑留など問題外のことなのであった。 |
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トヨタ自動車 人事=賃金制度の抜本的な改悪を許すな! トヨタ自動車の労使は今、今春に合意した人事=賃金制度の大改悪にむけて協議をおしすすめている。 社長・佐藤は「春取り」と称する今二五春闘を集約する三月十二日の第四回労使協議会において、組合の賃金要求にたいして「総合的な人への投資」と称する回答をおこなった。その内容は、二五年度の賃金・一時金については、総額は組合要求どおりとするものの、個々人の配分については組合の配分要求より格差をつける。さらに今年十月までに人事=賃金制度を「全職種・資格において役割に応じた」「メリハリをつけられる」制度に変えるというものであった。とりわけ、技能職の労働者については「職種や昇格、手当のあり方を総点検して、人事制度まで踏み込んで見直す」というのだ。これを佐藤は、「従来の物差しでは測れない頑張り、挑戦が評価されていない」という組合の要望に応えた回答だとおしだした。 これにたいしてトヨタ労働組合執行委員長・鬼頭は、「組合員の努力への評価とともに私たちが行動を変えることへの期待と責任が込められている」回答だとしてうけいれたのだ。何を基準として賃金の格差をつけるのか、「役割におうじた」人事=賃金制度とは何か、その内実さえ組合員にはっきりさせないまま妥結したのである。ふざけるな! まったくの茶番劇でしかない。 この妥結にもとづいて、四月以降、頻繁に「労使専門委員会」が開催されている。経営陣は人事=賃金制度の改悪案を次々と提案し、労組執行部はこれをやすやすとうけいれているのだ。以下具体的に見てみよう。 以下 見出し 一時金の査定幅の拡大 技能発揮考課と技能発揮給の廃止 技能職の人事=賃金制度の見直しを許すな! |
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国際反戦集会かちとる 8・3 |
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対中最前線から反戦の炎 沖縄集会 浦添 |
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八月三日、沖縄のたたかう労働者・学生は浦添市内において国際反戦沖縄集会を断固として実現した。熱核戦争の現実的な勃発がさし迫るなか、対中国戦争の最前線とされた沖縄の地から反戦・反安保闘争、ウクライナ反戦闘争の高揚をかちとる決意をこめて、闘いの烽火を噴きあげたのだ。 プーチンの戦争粉砕! ガザ大虐殺弾劾! ――基調報告 闘う労・学が決意表明 |
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プーチンの戦争粉砕・沖縄の軍事要塞化阻止を決意 (8・3、浦添市) |
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熱核戦争の危機を突き破れ 北陸集会 金沢 |
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八月三日、北陸のたたかう労学は第六十三回国際反戦北陸集会を開催した。司会による開会宣言のあと、実行委員会作成のビデオが上映された。とりわけロシア占領下マリウポリにおける勇敢なレジスタンスの映像が労学を熱く鼓舞した。 反ファシズムの広範な戦線を! ――基調報告 各戦線からパトスあふれる決意表明 |
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「暗黒の世紀を輝かしい未来に向って切り拓くぞ!」決意に燃える北陸の労・学 (8月3日、金沢市) |
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