第2838号2024年9月30日)の内容

<1〜3面>
改憲阻止・安保強化粉砕の炎を
 ロシアのウクライナ侵略粉砕!
 
ガザ人民ジェノサイド弾劾!
 
10月労学統一行動に総決起せよ
   ――中央学生組織委員会―― 〈下〉

<4〜5面>
「JPビジョン2025プラス」大リストラ・合理化反対!

「解雇規制の撤廃」を絶叫

Topics 「昭和型」労働を壊せ

<6面>
日比谷野音に轟く怒りの声 9・19

「9・16さようなら原発全国集会」に檄
 「解放」最新号






















  

改憲阻止・安保強化粉砕の炎を

ロシアのウクライナ侵略粉砕!

ガザ人民ジェノサイド弾劾!


10月労学統一行動に総決起せよ


中央学生組織委員会

<下>

U 米―中・露激突下で戦乱に叩きこまれる現代世界

 A 歴史的分岐点にたつウクライナ
 B ガザ人民ジェノサイドに狂奔するイスラエル
 C 南シナ海、台湾、朝鮮半島における戦争勃発の危機の高まり
 D アジア版NATO構築と憲法改悪に突き進む自民党政権
 E 議会主義に埋没する既成反対運動とわが全学連の闘い

V 革命的反戦闘争の大爆発をかちとれ!

 A 歴史的分岐点にたつウクライナ


 自民党総裁選をつうじて日米安保同盟の強化や憲法改悪をおしすすめる極反動政権が登場しようとしているこのときに、日共中央は、一切の闘いを総選挙に向けた政策宣伝へと収れんしている(九月十七日付・常任幹部会声明)。
 立憲民主党代表選において元首相・野田が「安保法制廃止はやらない」「自民党政権の安保・外交政策を継承する」と発言し、候補者すべてが「共産党との選挙協力拒否」の姿勢を鮮明にしたのであった。これに直面した日共・志位=田村指導部は、立民との「共闘の基盤が失われる重大問題」だなどと憔悴ぶりをあらわにして述べながら「総選挙は共産党躍進が最優先」などと表明した(書記局長・小池の記者会見、九月三日)。志位=田村指導部は、「市民と野党の共闘」という二〇一五年いらいの統一戦線政策の事実上の破棄に踏み切ったのだ。
 だがもちろん、代々木官僚は、この「市民と野党の共闘」の「到達点」として「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を提唱(二〇一五年九月十九日)してきたのであった。だからしてそれは、彼らの「日本の民主主義的な変革」という基本路線の核心的なものなのである。それゆえに、党組織の深刻な危機にのたうつ代々木官僚どもは、みずからの基本路線の惨めな大パンクを認めるわけにはいかない。このような党(指導部)の内的な矛盾≠隠蔽するために・その自己批判を徹底的に回避し、共闘相手=立民の変節≠ニいう外的条件の変化≠強調し・それにいっさいを帰すという、官僚的な術策を弄しているのだ。
 だが、これまで「市民と野党の共闘」の名のもとに、労働運動を「市民運動の敷き布団」などと軽視し諸集会で労組の旗を降ろさせ、「反安保」も「反ファシズム」も共闘の邪魔≠ニみなして掲げさせないよう統制してきたのが代々木官僚どもである。こうした数多の犯罪にふたをして、下部党員・活動家を集票マシンとして引き回そうなどというのはあまりにも破廉恥であり犯罪的ではないか。
 日共中央がこの統一戦線政策の実質上の転換に踏み切ったのは、党組織の空中分解寸前の危機のただなかで、差し迫る「総選挙での惨敗」がその最後の引き金を引くという悪夢≠ノ怯えた、官僚どものあがきいがいのなにものでもない。
 いまや日共党内は、たとえば、松竹某の除名処分に異議を唱えた福岡県委員会常任の地方官僚を除名にするや、この元常任からSNSなどでパワハラ≠ニ非難され大混乱に陥るというような惨状を露わにしている。
 このかんわが革命的左翼がおしすすめてきたイデオロギー的=組織的闘いによって、「安保・自衛隊」問題では、「反安保」を放棄する党中央への下部党員・活動家の造反がまきおこり、こうしたわが革命的左翼に共鳴する部分と、これに右翼的に反発して「安保・自衛隊容認の党」への純化を主張した松竹になびく部分とへの分解を露わにしている。またウクライナ侵略をめぐっても、革命的左翼に共感する良心的党員と、プーチン擁護派のゴリスタ党員、そして党中央への三分解が生みだされてきた。党指導部がマツタケ派狩り≠ノ狂奔するほどにこれらの諸対立は拡大再生産されている。これが戦闘的・革命的労働者や全学連のたたかう学生たちの闘いによってグラグラに揺さぶられた日共の現状なのだ。〔この混乱は、松竹某が党を相手取って「除名処分撤回」裁判を起こし、産経などの右派マスコミと癒着して右翼的造反を煽ることで促進されてもいる。〕
 だがそれは、日共中央が「国民の切実な願いにこたえる」と称して保守政党である立民との「野党共闘」をおしすすめるために、代案の右翼的緻密化にひた走ってきたことによって生みだされたものにほかならない。日共中央は、みずからの参画する政権のとるべき政策として「急迫不正の際の自衛隊活用」「安保条約第五条にもとづく対応」などの犯罪的代案をドシドシうちだしてきたのであって、それらは志位指導部に追いだされた松竹と五十歩百歩のものでしかなかったのだ。こうして立民への全党あげての「リスペクト」にうつつをぬかし・労働運動をもないがしろにするうちにみずから招き寄せた党のさらなるイデオロギー的溶解と、このゆえのマツタケ派≠フ簇生、党そのものの分解――かかる惨状をのりきるために、「市民と野党の共闘」のパンクを立民のせい≠ノして転換をはかろうというのはあまりにも浅はかであり、そのことじたいがますます党の分解を促進せずにはおかない。いま革命的左翼のイデオロギー的=組織的闘いに揺さぶられた下部党員・活動家たちのなかに、志位=田村指導部への造反が渦巻いているのだ。
 この惨状は、日本労働者階級を裏切り犯罪を重ねてきたスターリン主義党の、一〇二年にわたる恥多き歴史の終焉をしめすものでしかないのである。
 すべての諸君! いま学生戦線では、愛大闘争に共感した民青同盟員が、全国各地で全学連の門戸を叩き、つぎつぎに戦列に加わっている。われわれは心ある日共党員・活動家たちにたいして、いまこそ志位=田村指導部と決別し、反スターリン主義革命的左翼とともにたたかうべきことを呼びかけようではないか!
 われわれは、日共中央が党の独自性としておしだしているところの大軍拡・改憲反対方針の犯罪性を完膚無きまでに批判するのでなければならない。
 彼らは、岸田政権による大軍拡を「アメリカ言いなりの『戦争国家づくり』」「その震源地は日米軍事同盟」と特徴づける。だがしかし大軍拡反対・辺野古新基地建設反対などの闘争方針においては、「緊急の課題の実現」のために「安保条約にたいする賛成・反対の違いを超える」と称して、「反安保」を投げ捨てている。
 「震源地は日米軍事同盟」と言ってはいても、彼ら代々木官僚は、現時点における日米両権力者による「日米軍事同盟」強化の特質についてなんらとらえていない。そのことは、彼らが「アジアには日米、米韓の軍事同盟が存在しているが、ヨーロッパのNATOのような多国間軍事同盟が存在しないことも重要な事実」などとほざいていることに端的にしめされている。現にいま米日両権力者がおしすすめるアジア太平洋版NATOの構築をなんらとらええない彼らは、したがってこの策動に反対することも、その中核をなすものとして強化されている日米軍事同盟の現在的強化に反対することも完全に放棄しているのだ。
 だがそれは、岸田政権がNATO諸国を含むアメリカの同盟国と事実上の軍事同盟関係を次々とつくりだしているこのときに、この現在の日米軍事同盟強化の核心中の核心から労働者人民の目をふさぎ闘いを内側から破壊する犯罪ではないか。彼らは反対運動に起ちあがった人民に、米―中・露<新東西冷戦>の時代における日米安保強化の飛躍性への自覚を促し、日米軍事同盟の強化を打ち砕く主体的力を創造するという核心問題を完全に欠如しているのだ。
 このことは、「東アジアの平和構築への提言」なる安保・外交政策上の代案――議長・志位がその欧州訪問をつうじてさも現実的であるかに粉飾し宣伝したそれ――の犯罪性に規定されている。それは「軍事対軍事」の「ブロック的対応」ではなく、「米中も含めて地域のすべての国を包摂する東アジアサミット」での「対話と外交」を発展させることで、「平和」を実現する、などという代物である。この政策的代案はその実、日米軍事同盟の存在も「核の傘」の存在も前提にしたうえで、現存日本政府に「対話と外交」をお願いするものでしかない。
 だがそれは東アジアの現実からあまりにも浮きあがった倒錯の極みにほかならない。南シナ海・台湾での中国権力者の軍事強硬策と・米欧日の軍事同盟にもとづくこれへの対抗とによって、また朝鮮半島における米日韓と北朝鮮の軍事的角逐によって、東アジアではいつ戦火が噴き上がるともしれぬ危機が高まっているのであって、これに反対する反戦の闘いの創造の彼岸において権力者に「対話」をお願いするほど無力で犯罪的なことはない。それぞれの権力者が国家戦略にもとづき階級的・党派的利害をかけて角逐しているその非和解性を無視抹殺し、権力者たちが相互に「対話」してさえいれば「平和」が実現できるなどという観念妄想を吹聴するのは犯罪的なのだ。
 アメリカと中国・ロシアとの激突のもとでの東アジア(台湾・南シナ海・朝鮮半島)における核戦争の危機を突き破る道は、それぞれの国の労働者階級・人民のプロレタリア国際主義に立脚した団結にもとづく反戦闘争の創造いがいにはありえないのである。

 B 改憲・大軍拡阻止! <プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>打ち砕け!
 
 すべての全学連のたたかう学生諸君! 戦闘的・革命的労働者のみなさん!
 今秋期われわれは、「憲法改悪・大軍拡阻止!」「<プーチンの戦争>粉砕!」「<ネタニヤフの戦争>粉砕!」を課題とする革命的反戦闘争の大爆発をかちとろう!

憲法改悪反対! 大軍拡阻止! 日米グローバル同盟粉砕!

 ヤミ献金を居直り・改憲や軍事強国化を誰が最もおしすすめうるかを競い合ってきた自民党総裁候補ども――その誰が次期政権の座についたとしても、軍事費倍増を決定し大軍拡に突進した岸田政権以上に、日米軍事同盟の強化と日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化に猛突進するにちがいない。われわれは、誕生しようとしている新たな自民党政権がふりおろすであろう極反動攻撃に仁王立ちになって対決し、これを粉砕するために断固としてたたかおうではないか!
 われわれは今秋期、「日米の先制攻撃体制構築阻止! 南西諸島―日本全土のミサイル基地化反対! 日米グローバル同盟粉砕!」の反戦反安保闘争を巻きおこそうではないか!
 日米一体の先制攻撃体制の構築を阻止せよ!
 八・五兆円への軍事費大増額とこの巨額の軍事費を投入しての大軍拡――それは長射程ミサイルの取得・配備やそのための弾薬庫の整備、衛星コンステレーションの構築など先制攻撃体制の一挙的構築を主眼とするものにほかならない。「原潜の保有」とか「非核三原則見直し」とかを叫びたてる自民党政治エリートどもを弾劾し、巨額の軍事費を投入しての大軍拡に反対しよう!
 政府による日米一体の先制攻撃体制の構築は、日米安保の鎖で締めあげられた「属国」日本の軍事強国化の中心環をなしている。その実体的側面をなすのが、長射程ミサイル配備をはじめとする日本国軍の大増強と基地強化にほかならない。われわれは、先制攻撃体制構築のための一切の策動に反対するのでなければならない。
 自衛隊「統合作戦司令部」の設置と在日米軍司令部への一体化を許すな! 米軍中距離核ミサイルの配備阻止! 自衛隊部隊へのトマホーク配備を許すな!
 自民党政権が軍事強国への飛躍をかけてアメリカ製兵器をはじめとする軍需生産を拡大し、さらに世界に殺傷兵器を輸出することを許してはならない。
 岸田政権が強行した大浦湾での杭打ち本格工事着工を弾劾し、「辺野古新基地建設阻止・南西諸島の軍事要塞化反対」の闘いを巻きおこそう。対中国最前線に位置する南西諸島の軍事要塞化の攻撃は、日本全土のミサイル基地化の先駆けをなすのであって、われわれは、沖縄―日本全国を貫く反戦・反基地の闘いを燃えあがらせるのでなければならない。
 いま日本全土で対中国の戦争遂行体制づくりがおしすすめられるなかで、米軍基地の七〇%が集中する沖縄において米兵による少女暴行事件が頻発している。そして岸田政権が、バイデンの意を受けて大浦湾埋め立てを強行しようとするなかで引き起こされたのが安和ダンプ死傷事故であった。これらの事件・事故をも徹底的に弾劾せよ!
 われわれは、反戦反基地の闘いを国家権力によるネオ・ファシズム的弾圧をはねかえしつつ、<反安保><反ファシズム>の旗高く推進しよう。もって反基地闘争に起ちあがった人々に、反戦と反ファシズムの確固とした意志と、日米安保条約への反対さらにはその破棄についての革命的自覚をうながし、反戦反基地の闘いを反安保闘争として内容的に高揚させるために奮闘しよう!
 われわれは、日本政府がホスト役≠ニなって欧州NATO諸国軍の部隊訪問・合同軍事演習を常態化させていることを断じて許してはならない。
 アジアの同盟諸国と欧州NATO諸国とを日本を扇の要≠ニして結びつけ対中・対露の多国間軍事同盟を構築しようとしているバイデン=ハリスのアメリカ。このアメリカ権力者と、これに日米安保の鎖で縛られた「属国」日本の自民党政権とによる、日米グローバル同盟構築の策動に断固反対しようではないか。
 「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえ、<日米軍事同盟のアジア版NATOの中核をなす核軍事同盟としての強化反対>の旗高くたたかおう!
 <基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう!
 日米両政府による日米安保の強化は、ネオ・スターリン主義中国による台湾・南シナ海での威嚇的軍事行動への対抗として強行されている。そして日本政府は、みずからの先制攻撃体制構築の策動や南西諸島の軍事要塞化などのいっさいを「中国の脅威」を煽りたてることによって正当化している。だからしてわれわれは、日米軍事同盟の強化に反対するとともに、台湾・南シナ海をめぐる中国の軍事強硬策に反対することをも反戦闘争の任務とするのでなければならない。
 台湾やアジア諸国の労働者・人民に軍艦と核ミサイルを突きつけ、国内では数多の勤労人民を貧窮と抑圧のもとにおきながら、「中華民族の偉大な復興」という反プロレタリア的なイデオロギーにもとづくスターリン主義的膨張政策を貫徹しようとしているのが、中国ネオ・スターリン主義党=国家官僚である。それは台湾併呑をおのれの使命と任じる習近平を皇帝≠ニ仰ぐ特権官僚どもの特殊的利害にもとづいた反人民的な策動以外のなにものでもない。
 習近平政権による「台湾の中国化」の策動に断固として反対しよう!
 いままさに東アジアにおいては、南シナ海・台湾を焦点とした米・日・欧と中・露の相互対抗的な軍事的応酬により一触即発の危機が日々高まっている。それは、ロシアのウクライナ侵略を転回点として一挙に熾烈化した米・日・欧と中・露との世界的激突という事態の東アジアにおける端的な現われなのだ。
 それゆえにわれわれは、「米―中・露激突下での戦争勃発の危機を突き破れ!」の革命的スローガンを掲げてたたかうのでなければならない。
 南シナ海・台湾を焦点とする米・日・欧と中・露との軍事的応酬反対!
 朝鮮半島における新たな戦争勃発を阻止せよ! 米日韓三角軍事同盟の構築・強化反対! 北朝鮮の核・ミサイルの開発・配備反対!
 アメリカ帝国主義とソ連・中国のスターリン主義の角逐のもとで南北に引き裂かれてきた朝鮮半島の人民が、こんにちの米―中・露の角逐のもとで新たな分断を強いられ核戦争の危機にたたきこまれている。われわれは南北朝鮮の人民にたいして自国の好戦的権力者どもを弾劾して起ちあがることを、さらには「南北朝鮮のプロレタリア的統一をめざしてたたかおう」という革命的呼びかけをも発しつつたたかおう!

 <軍国日本>再興のための憲法改悪を粉砕せよ!

 われわれは、政府・自民党が策す憲法大改悪を絶対に阻止しようではないか!
 自民党改憲案の策定・国会提出を許すな! 改憲国民投票の実施反対! 職場深部で反改憲の闘いを巻きおこすべく奮闘する労働者と連帯して憲法改悪阻止の巨大な闘いを巻きおこせ!
 いま自民党が策定しようとしている改憲案こそは、米軍の「属国」軍として強化される自衛隊の存在と首相の指揮権を明記するかたちで「交戦権否認」「戦力不保持」を謳う現行第九条を葬りさるとともに、「武力攻撃、テロ・内乱、感染症蔓延など」を緊急事態とみなして首相・内閣に「緊急政令」発布の権限を与えるというきわめて反動的な代物である。
 まさにそれは、アメリカの核攻撃態勢の一翼を担って中国・ロシア・北朝鮮を先制攻撃しうる軍事強国に日本国家を飛躍させるためのネオ・ファシズム憲法の制定という戦後史を画する攻撃にほかならない。それゆえにこれを打ち砕くためには、日共中央の議会主義的闘争歪曲を弾劾し、労働者階級を中核とする広範かつ強力な闘争を組織するのでなければならない。
 「反安保」「反ファシズム」を放棄する日共系改憲反対運動をのりこえ、改憲阻止の闘いを<日米グローバル同盟反対><日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化反対>の旗高くたたかおう!
 今日版の国家総動員体制づくり反対!「セキュリティ・クリアランス」の名での労働者・研究者への弾圧を許すな。大学を軍事研究の拠点にすることをねらった「防衛イノベーション技術研究所」の設置や改定国立大学法人法にもとづく大学への国家的統制の強化反対! サイバー攻撃のために政府が常時、民間事業者の通信を監視・利用することを謳う「能動的サイバー防御」法案の制定を阻止しよう!
 自民党政権による能登半島地震の被災民切り捨てを弾劾せよ!「大規模災害への備え」の名のもとに震災を利用して緊急事態条項新設の策動を強める政府・自民党を断じて許すな!〔九月二十一日から二十二日にかけて、復旧の遅れる能登の被災地を豪雨が襲い甚大な被害をもたらした。だが、自民党総裁候補どもはこの大災害に一言も触れなかった。〕

ウクライナ反戦闘争の爆発をかちとれ!

 ロシアによるウクライナ侵略戦争はいま、ウクライナ人民の壮大なレジスタンスにもかかわらず、世界の権力者どもによる「和平交渉」の蠢きのなかで、ウクライナが奪われた領土を取り戻せるか・それともロシアが東南部四州とクリミア半島を強奪するかの大きな分岐点にさしかかっている。日本反スタ左翼の一翼をなす全学連は、日本の地においてウクライナ反戦闘争のさらなる高揚をかちとるためにまなじりを決して奮闘するのでなければならない。ウクライナ反戦闘争の国際的波及をかちとり、侵略者プーチンを労働者・人民の怒りで包囲せよ!
 ウクライナ政府・軍の放った越境軍事行動は、「特別軍事作戦」の嘘を暴き、皇帝プーチンとFSB官僚どもを震撼せしめその権威を地に落とした。焦燥に駆られた皇帝プーチンは、ウクライナ全土へのミサイル攻撃や東部ポクロウシクなどへの突撃に狂奔している。ロシア軍による病院・学校・避難所などを狙ったウクライナ全土へのミサイル攻撃弾劾! 動員兵を肉弾にした東部諸都市への突撃作戦を許すな! プーチン政権による核兵器使用の恫喝を許すな!
 ウクライナ反戦の闘いを完全に放棄した日共・志位=田村指導部を弾劾せよ! いま彼らは「国連憲章にもとづく公正な和平」なるものを唱えての議長・志位の欧州歴訪の成果なるものを宣伝している。
 だがしかし、「いまこそ外交を!」と銘打つ国際平和会議(ローザ・ルクセンブルク財団主催)に集まった欧州左翼の代表者たちは、厳しい局面でレジスタンスを闘いぬいているウクライナの人々にたいして、「キーウとモスクワの両政府」によって「血なまぐさい消耗戦に巻き込まれた人々」などと悪罵を投げつけるとともに、中国やブラジルなどの「外交的イニシアチブを取り上げて、戦争当事国を戦争終結に向かわせることが重要」などという声明を採択したのである。日共議長・志位は、「この国際会議のイニシアチブに強く賛成します」などとほざいてこれに加担したのだ(にもかかわらず『しんぶん赤旗』では、右のような声明の核心部分については報道していない)。
 右の国際会議の参加者たちの「和平」案なるものは、彼らが中国の「停戦」案を美化していることに明らかなように、侵略者ロシアが占領している四州およびクリミアをロシア領とすることを前提としているにちがいない。にもかかわらず、従来はまがりなりにも「ロシア軍の(占領地からの)即時撤退」を「公正な和平」(傍点は筆者)の核心的な内容としてきた代々木官僚・志位が、国際会議声明にたいして一片の批判も講ずることなく、「強く賛成」したことは何を意味するか? それは、日共中央じしんが、ウクライナに屈服的な停戦を「和平」の名で強いる権力者どもの策動を尻押しする方向へ、舵を切りつつあることの証左なのだ。
 われわれは日共中央の犯罪を、そして欧州左翼どもの腐敗を弾劾し、反スターリン主義者たらんとする者としての矜持にかけて、<プーチンの戦争>粉砕の闘いをおしすすめよう!
 われわれは、ロシアの人民にたいして訴える。「特別軍事作戦」の虚構が暴かれることに怯える「皇帝」の足下から、<ウクライナ侵略戦争反対―FSB強権支配体制打倒>の闘いを巻きおこせ!「特別軍事作戦」なるものは、ソ連邦崩壊後に国有財産を簒奪して支配者にのしあがったFSB官僚どもが、この富と強権支配とを守りぬくためにしかけている侵略戦争いがいのなにものでもない。このプーチンの悪に目覚め、今こそ決起せよ! 旧KGB仕込みの嘘と暴力で人民をいかようにも支配できると思いこみ驕り高ぶってきたプーチンとFSB官僚どもを奈落に叩き落とすために起つべきときは、まさに今なのだ。ウクライナ人民と連帯し、一九一七年のソビエト革命の精神を甦らせたたかおう!
 ウクライナ人民は、プーチンの侵略軍をはねかえすために――東部や南部で解放を心待ちにする同胞たちを思いながら――不屈に闘いぬいている。その尖端で、ウクライナ左翼の仲間たちは、「帝国の平和ではなく、人民の平和を」という呼びかけを発しつつ、労働者階級の団結を強化しながらたたかっている。われわれは闘うウクライナ人民と連帯してたたかおう!
 中・東欧の労働者人民に訴える。かつてクレムリンの暴虐と闘った先達の魂を受け継ぎ、スターリンの末裔プーチンの戦争に反対せよ!
 欧米諸国の労働者・人民は、「ウクライナ支援反対」を叫ぶ極右の排外主義を打ち破れ!
 BRICS連合を率いて「ロシア軍の撤退なき和平」を主導する中国ネオ・スターリン主義権力者の策動を許すな!

虐殺者ネタニヤフの蛮行を打ち砕け!

 イスラエルのネタニヤフ政権によるガザ人民ジェノサイドを満腔の怒りをこめて弾劾せよ!
 避難民が集結する学校や病院、難民キャンプなどをねらった残虐きわまりない爆撃を弾劾せよ! ガザ―エジプト国境を制圧しつづけ、人民を飢餓と感染症の地獄にたたきこむことを断じて許すな! ヨルダン川西岸での軍事攻撃・入植地拡大の蛮行を打ち砕け!
 レバノン・シリア・イエメンさらにはイランにたいする戦争放火を許すな!
 イスラエルへの莫大な軍事支援を継続し、虐殺に加担するバイデン=ハリス政権を弾劾せよ! アメリカの人民は、「反ユダヤ主義の撲滅・イスラエル国家全面擁護」のトランプの台頭をも許さずたたかおう!
 日共中央は、「ガザ攻撃の中止と即時停戦」をアメリカを含む各国政府に請願しているにすぎない。ここには、シオニストの暴虐とこれを支えるアメリカ帝国主義への怒りと憎しみが完全に欠如している。
 しかも彼らは、「イスラエルのジェノサイド」と「ハマスの無差別攻撃」とを横並びにして「国際法違反」と断罪している。だが、虐殺者ネタニヤフの卑劣きわまりない世紀のジェノサイド、この「二十一世紀のホロコースト」と、ガザ人民を「天井のない監獄」に閉じこめてきた憎きイスラエルにたいしてパレスチナ人民の指導部であるハマスが「パレスチナ解放」をめざして敢行したやむにやまれぬ決起とを、等しく暴力だから≠ニ一括りにして非難するなど犯罪的なのだ。これこそ、民族解放闘争をとうの昔に否定しさった日共中央の度し難い腐敗ではないか。
 かつてソ連スターリン主義官僚は、中東における政治的地歩を築くという利害にもとづいてパレスチナ解放闘争を利用し、裏切りつづけてきた。このスターリン主義者の犯罪について頬被りし、パレスチナ解放闘争に敵対しているのがネオ・スターリン主義者たる代々木官僚なのだ。
 われわれは、こうした日共中央の腐敗を弾劾し、日本の地から<ネタニヤフの戦争>を打ち砕く闘いを巻きおこそう!
 中洋・全世界で起ちあがるムスリム人民にたいして、イスラミック・インター―ナショナリズムにもとづき<反シオニズム・反米>の闘いを巻きおこせと呼びかけつつたたかおう!

学費値上げ阻止闘争の高揚をかちとれ!

 この秋、全学連のたたかう学生たちは、国公私立大学の学費大幅値上げに反対する学費闘争のうねりを全国のキャンパスで巻きおこそうではないか!
 東大藤井当局による学費一一万円値上げを許すな! これに追随しようとする全国の国立大学当局、「国立大との公平な競争」を吹聴する私立大当局が、こぞって授業料値上げに踏み切ることを断じて許すな! 政府・文科省が年度内におこなおうとしている「授業料の適正化」=大幅値上げ勧告の決定を粉砕せよ!
 政府・文科省は、「就学の自由」や「教育の機会均等」をも傲然と踏みにじりながら、学生たちを、物価高騰と労働者(父母)への低賃金の強制のもとでさらなる困窮に突き落とそうとしている。学生生活を破壊する学費値上げを絶対に許すな! 政府・文科省が、伊藤忠の御曹司たる慶応塾長・伊藤に、卓越研究を進めるエリート大学には高所得の学生だけ来ればいい≠ニいう「優勝劣敗」思想を吹聴させていることを弾劾し、「超格差社会」として現出している現代資本主義の悪をも暴きだしたたかおう!
 東大などの国立大学当局が学費値上げの正当化のために吹聴する「教育学修環境の充実」なるものは、政府・文科省が推進する「大学改革」に呼応するものにほかならない。それは、米―中・露激突のもとでの軍事強国への飛躍と軍需生産拡大による日本帝国主義経済の危機突破をかけて、大学を軍事技術にも転用可能な最先端技術の研究拠点・「人材」育成拠点へと再編するという政府・支配階級の高等教育政策にもとづくものなのだ。
 政府・文科省は、大学の軍事技術開発のための研究拠点化、自治サークル活動への規制・弾圧や軍事研究に反対する学者のキャンパスからのパージ、軍事費確保のために教育予算を削減したうえでの学費値上げなどを、個別大学当局に一挙に号令している――改定国立大法人法にもとづく「合議体設置」など、大学への国家的統制および軍産学の連携強化を図りながら。それゆえわれわれは、学費値上げを打ち砕くためには、「大学での軍事研究反対」「大学当局のファシズム化反対」の旗幟を鮮明にし、反戦・反ファシズムの闘いと結びつけてたたかうのでなければならない。教育のネオ・ファシズム的再編反対!
 政府・国家権力による革命的学生運動破壊の攻撃を打ち砕け! 愛大当局による自治会役員三名への不当「退学処分」を断じて許すな!
 大戦前夜という情勢のもとで日本政府・国家権力によってふりおろされている、学生の運動と団結の拠点=学生自治会を根絶せんとする治安維持法型≠フ弾圧を、全国の学生の団結で打ち破れ!

 全学連は今秋期、「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえ、改憲阻止・反戦反安保の闘い、プーチンの戦争粉砕、ネタニヤフの戦争粉砕の反戦闘争、学費値上げ阻止闘争などの諸闘争の大爆発をかちとろう! たたかう労働者階級と連帯して、自民党政権による一切のネオ・ファシズム反動攻撃を打ち砕く闘いの怒濤の前進をかちとろう!
 10・6―20労働者・学生統一行動に決意も固く総決起せよ!
(九月二十二日)


目 次

T 今春期の全学連の闘い――その総括
 A 革命的反戦闘争の断固たる推進
 B キャンパスでの「反戦・反ファシズム・学費値上げ阻止」の闘いの爆発
 C 革命的学生運動破壊の攻撃を打ち砕く闘いの推進
(第二八三七号)

U 米―中・露激突下で戦乱に叩きこまれる現代世界
 A 歴史的分岐点にたつウクライナ
 B ガザ人民ジェノサイドに狂奔するイスラエル
 C 南シナ海、台湾、朝鮮半島における戦争勃発の危機の高まり
 D アジア版NATO構築と憲法改悪に突き進む自民党政権
 E 議会主義に埋没する既成反対運動とわが全学連の闘い

V 革命的反戦闘争の大爆発をかちとれ!
 A 総選挙に埋没する日共・志位=田村指導部を弾劾せよ!
 B 改憲・大軍拡阻止! 〈プーチンの戦争〉〈ネタニヤフの戦争〉を打ち砕け!
(本 号)


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郵政

「JPビジョン二〇二五プラス」にもとづく大リストラ・合理化反対

JP労組本部の「事業ビジョン案」づくり運動をのりこえ闘おう!


 いま全国の郵政職場は空前の人員不足に見舞われ、そのもとで郵政労働者は極限的な労働強化を強いられている。この人員不足は、郵政経営陣が二〇二一年の「中期経営計画」で三万五〇〇〇人の人員削減をうちだし、それにのっとり三万人以上も削減してきたからだ。社長・増田は「人員削減は順調に推移している」などと言い放っている。ふざけるな! この輩は、五月十五日に「JPビジョン二〇二五プラス」(以下「二〇二五プラス」という)と称する向こう二年間の経営計画を公表した。経営陣はこの経営計画にのっとりリストラ・合理化諸施策を振りおろしてきているのだ。
 経営陣の施策は、郵便・物流事業におけるヤマトとの「業務提携」(二〇二三年十月)など「荷物分野へのシフト」に事業の生き残りをかけ、大量に引き受けた小荷物の区分・輸送・配達の一切合切を郵便労働者に押しつけ・犠牲を強いるものなのだ。窓口事業においても、徹底的に人員削減をしたうえで営業を柱とする事業改革をおしすすめ、「収益の向上」を窓口労働者に押しつけるものなのだ。まさに経営陣の「二〇二五プラス」なるものは郵政労働者を徹底的に犠牲にするものにほかならない。
 ところが、JP労組本部労働貴族どもは、事業ごとの「ユニット」体制をつくり、そのもとで効率化施策・「事業ビジョン案」づくりに突進し、経営陣のリストラ・合理化諸施策を全面的に支え協力しているのだ。
 郵政のたたかう労働者は、本部の「事業ビジョン案」づくり運動をのりこえ「二〇二五プラス」にもとづくリストラ・合理化諸施策に断固反対しよう。職場深部から首切り・強制配転・極限的労働強化を打ち砕く闘いを創造しようではないか!

T 郵政経営陣の「二〇二五プラス」にもとづく諸攻撃

1 郵便内務部門
荷物の増加に対応する地域区分局の再編・最新型区分機の導入拡大

2 集配部門
「集配体制見直し Reiwaスタイル」の全国への拡大

3 窓口事業部門
人員削減、営業収益を上げるための窓口事業の大改革

U 本部の「事業ビジョン案」づくりの反労働者性

V 本部の全面協力を弾劾しリストラ・合理化反対の闘いを職場から創造しよう!


 われわれの課題と任務の第一は、経営陣による「二〇二五プラス」にもとづくリストラ・合理化攻撃に反対する闘いを、本部の「事業ビジョン案」づくり運動をのりこえ創造することである。同時に、現下の絶対的な人員不足のもとでのいっそうの人員削減・強制配転や労働強化を強いられていることに断固反対してたたかおう。
 新たな機械の導入による郵便・輸送部門の一大合理化反対!「集配体制見直し Reiwaスタイル」の全国拡大反対! ヤマトとの「業務提携」による極限的労働強化をうち砕け! 窓口事業部門のデジタル機器の導入による効率化反対! 人員削減反対! 営業の強制反対! を掲げてたたかおう。
 第二には、<大幅一律賃上げ獲得>をめざして、来春闘に向けて闘いを強化することである。今二四春闘で本部は、経営陣の賃金抑制策に呼応して、多くの郵政労働者にたった二八〇〇円にすぎないベースアップを受け入れた。物価上昇に追いつかず実質賃金が大幅に切り下げられ郵政労働者は生活苦に叩きこまれているのだ。なおかつ経営陣の会社別一時金(ゆうちょ銀行のみ四・四ヵ月、他事業は四・三ヵ月)を受け入れ妥結した。
 二五春闘で経営陣は、事業業績の赤字を口実に、ベースアップを低額に抑えこむだけでなく、会社別に差を付ける妥結にもちこもうとするに違いない。これを本部は受け入れようとしているのだ。
 われわれは、これを許さず<大幅一律賃上げ獲得>をめざしてたたかおう! 怒れる労働者を組織し二五春闘に向けてたたかう戦列を強化しようではないか。
 第三には、人事給与制度の改悪に断固反対してたたかうことである。
 経営陣は、「二〇二五プラス」で「人的資本経営」などと称して働き方に応じた「郵政型職務給」の導入を狙っている。それは、一般職と地域基幹職一・二級との統合、すなわち賃金の低位平準化を突破口に定期昇給制度の廃止や業務・生活関連手当の剥奪を強行し、もってより働き方に応じた賃金体系にしようとしているのだ。
 これにたいして本部は、「将来ビジョン」なるものを掲げ、受け入れようとしている。
 われわれは、来二五春闘で人事給与制度の改悪に応じようとしている本部を弾劾し、人事給与制度改悪反対の闘いを強化しよう。
 一般職と地域基幹職一・二級との統合の低位平準化反対! 定期昇給の廃止反対! 業務・生活関連手当の剥奪反対!
 本部の「将来ビジョン」の欺瞞性を暴きだしたたかおう。
 第四には、ウクライナに侵略し虐殺を続ける<プーチンの戦争>粉砕・ガザ人民へのジェノサイドを強行する<ネタニヤフの戦争>粉砕の闘いを断固推進することである。世界でウクライナ反戦やネタニヤフの戦争に反対する闘いは、労働組合を主体にたたかわれている。われわれはこの闘いと連帯し反戦闘争の国際的な爆発をかちとるために奮闘しよう。
 JP労組本部は、侵略者プーチンとガザ人民の虐殺に手を染めるネタニヤフを何ひとつ弾劾しない。それだけでなく組合員を反戦闘争へ組織化することを完全に放棄している。
 われわれは、この本部を弾劾し職場から<プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>を打ち砕く反戦闘争を創造しよう。そして、自民党政権の大軍拡・憲法改悪に反対する闘いを同時にたたかおう。
 すべてのたたかう郵政労働者のみなさん!
 本部は、組合員が過酷な現実に叩きこまれていることを無視して、「事業ビジョン案の再検討」を叫び事業の持続性確保のための提言に血道をあげている。本部は九月末にも、「事業ビジョン案」と「人事給与制度の検討内容」を「素案」として示し、組合員に貫徹するために、説明会・検討会を組織しようとしている。われわれは、この反労働者性を徹底的に暴きだし、提言運動をのりこえ断固たたかおう。そして各職場の具体的分析を媒介にして運動=組織方針を解明して、フラクション活動を強化し職場から怒れる組合員を組織してたたかおう。もって組合の戦闘的強化をかちとろうではないか。
 全国の仲間たち、共に闘わん!
 (九月十五日)

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「解雇規制の撤廃」を絶叫するネオ・ファシストども

 自民党総裁選の候補者どもが、「憲法改正」「軍備増強」とともに、「大企業の解雇ルールの見直し」(小泉)や「解雇の金銭解決制度の導入」(河野)を公約に掲げ叫びたてている
 かつて「聖域なき構造改革」「自民党をぶっ壊す」と叫んだワンフレーズ親父を猿まねして、「聖域なき規制改革」「日本型雇用をぶっ壊す」とわめく小泉進次郎。このネオ・ファシスト二世は、岸田政権の「三位一体の労働市場改革は本丸部分が抜けている」とほざき、「大企業の解雇ルールの見直し」を断行すると叫んでいる。
 小泉のいう「大企業の解雇ルール」とは、会社都合の整理解雇の際に資本家に課せられる「四要件」(@人員削減の必要性、A解雇回避努力の履行、B人選の合理性、C説明・協議責任の履行)の判例である。リストラ・人員整理を強行しようとする資本家にとっては、とりわけ「解雇回避努力の履行」(希望退職の募集や配置転換などをしたか否か)という要件は、手間とコストを要する障害≠ニみなされている。小泉は、この「解雇回避の努力」について、その中味を「リスキリング」や「再就職支援」におきかえろ、とほざいているのだ。このようにして、独占資本家どもに解雇のフリーハンドを与えようとしているのだ。
 小泉は「労働者が業績が悪くなった企業や居心地の悪い企業に縛り付けられる今の制度を変える」などと言う。解雇規制を緩めることが労働者を大企業の束縛から解放する≠アとになる、というのだ。このような言いぐさは、まさに黒を白といいくるめるデマゴギー以外の何ものでもない。
 小泉に負けじと「解雇の金銭解決制度」の導入をあからさまに叫んでいるのが河野太郎だ。河野が緩和すべきと言う「規制」とは、現行労働契約法第十六条の「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という規定である。多くの労働者・労働組合が資本家の解雇攻撃とたたかうために法廷闘争で武器として活用してきたこの規定――いわゆる「解雇権濫用法理」(現在は労働契約法第十六条で明文化されているそれ)を、「解雇の金銭解決」を制度化することによって空文化しようと企んでいるのが河野である。
 河野は、「会社都合で解雇されても金銭の保障がされない中小零細企業の従業員を救う」などと労働者の味方*ハをして、資本家どもに「金銭解決」という労働者を自由に解雇する道を開こうとしているのだ。極右の高市や元官房長官・加藤など他の候補も、選挙向けの打算で「解雇規制の緩和」は「まだ早い」とつぶやいているものの、彼らのすべては「労働市場改革・規制緩和」の必要性を認めているのであり、五十歩百歩なのだ。
 小泉の「解雇規制の撤廃」にせよ、河野の「解雇の金銭解決」にせよ、独占資本家どもが泣いて喜ぶ支援策にほかならない。「三位一体の労働市場改革」の旗を振る岸田政権にたいして、「さらなる労働市場の円滑化」と称して解雇規制の緩和・撤廃を要求してきたのが独占資本家どもだからだ。
 総裁選不出馬を公表した岸田が、おのれの成果を誇示するために公表した「ジョブ型人事指針」なるもの。岸田はそこで日立製作所など大手二十社の独占資本家どもが断行してきた「ジョブ型人事の導入事例」を列挙し、未だ導入を躊躇する各社の尻をたたいている。九月中には企業のトップを集めて「ジョブ型人事推進会議」の開催まで予定している。
 「指針」に名を連ねているのは、いずれも「新人事制度」の導入にあたり「生産性につなげる改革」と称して大量の「早期・希望退職」という名の人員整理を強行している独占資本だ。富士通は五十歳以上の幹部社員三〇三一人を早期退職、オムロンは二〇〇〇人、資生堂は一五〇〇人等々。リコーは九月十二日に、国内外で二〇〇〇人の人員整理、うち国内で一〇〇〇人の「希望退職」を発表した。他にも、住友化学が四〇〇〇人、パナソニックが一〇〇〇人などと、年間一万人にも達する勢いだ。数多の労働者がリストラにともなう「人員整理」の対象となり、経営者が必要とする職務に限って・必要な「スキル」をもつとみなされた少数の労働者以外の大多数の労働者は容赦なく強制配転されるか、切り捨てられているのだ。
 「成長産業への転換」の旗を振る岸田政権に庇護されて「事業構造の再編」をおしすすめる独占資本家どもは、大量人員削減にのりだしている。この強欲で無慈悲なコストカッター≠ヌもが、みずからにとっての障害≠ニみなしているのが、「解雇権濫用」規制と「整理解雇の四要件」を武器にした労働者の「首切り反対」の闘争にほかならない。「解雇回避の努力」を課せられた資本家どもは、退職金の割り増しなどを餌にして「希望退職」を募り「配置転換」を手配しなければならない。そのために消費する時間と労力とコストを省くために、彼らは「解雇規制の見直し」を声高に求めてきたのである。
 こうした独占資本家に応えて次期総理・総裁に推されることを狙って、「解雇規制の見直し」「日本型雇用をぶっ壊す」と声高に叫びたてているのが小泉・河野らの自民党総裁選の候補者どもなのだ。

資本家に解雇の自由≠与える「金銭解決」制度

 「解雇の金銭解決」は、安倍政権が二〇一七年に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」において「生産性革命」と銘打ってうちだしたものである。この閣議決定を受けて労働政策審議会において「解雇無効時の金銭救済制度に係わる法技術的論点に関する検討会」が設置され、この「検討会」が安倍亡き後も議論を重ねて二〇二二年に岸田政権に「報告書」を提出した。だが、「連合」芳野指導部を抱きこみ、「政労使会議」において「構造的賃上げ」と「三位一体の労働市場改革」をめぐって議論してきた岸田は、この「報告書」を「お蔵入り」させてきたのである。小泉・河野らは、この安倍の遺産をお蔵から引っ張りだし、総裁選の看板公約として掲げているのだ。
 「検討会」が提言している「解雇無効時の金銭救済制度」は、「無効な解雇がなされた労働者の保護を図る」ことを建て前とし、「無効な解雇」がなされた労働者には「労働契約解消金債権」が発生し、資本家がこれを支払って初めて「労働契約が終了する」ものとされている。しかしこれはあくまでも形式であり、内実はまったく違う。まず「解雇」を通告された労働者の側から裁判か労働審判に訴えなければならない「労働者申し立て制度」であること。そして「解雇」が労働契約法第十六条や「整理解雇の四要件」などに照らして「無効」と審判されることを前提とする「事後型」であること。さらに「職場復帰を希望しない者」に限って利用できるとする「新たなシステム」であること。「労働契約解消金」の算定方法は「政策的に判断する」として定められていない。しかも裁判は「一回的解決」の即決である。これは、資本家が労働契約法第十六条も「四要件」も気にせずに労働者を解雇できるようにする、文字通りの「解雇フリー」の制度にほかならない。
 経済同友会は七月に、「企業の柔軟な事業構造の転換を可能とする労働契約体系や解雇無効時の金銭解決のルール規定」をあからさまに要求している。経団連は「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」(一月)において、「労働時間規制のデロゲーション(適用除外)」と称して、裁量労働制や高度プロフェッショナル制度などの定額働かせ放題$ァ度の自由化を声高に要求している。
 独占資本家どもと自民党政権が企む「解雇の自由化」を許すな! 労働貴族どもの闘争放棄を許さず、「解雇の金銭解決制度」の導入反対・労働基準法の大改悪を阻止する闘いを巻き起こせ!

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 9・19

「安保強化・憲法改悪を許すな!」

日比谷野音に轟く怒りの声
 
 二〇一五年の侵略戦争法の安倍政権・自民党による強行成立から九年。九月十九日に首都圏を中心とする二七〇〇名の労働者・市民は、総がかり行動実行委員会などの主催で「the END自民党政治『戦争法廃止! 裏金政治を終わらせよう! 9・19日比谷集会&デモ』」に起ちあがり、首都中枢に怒りの声を轟かせた。
 わが同盟の情宣隊は、夕闇迫る日比谷公園にさっそうと登場し結集した労働者・市民に檄をとばした。彼らはただちに野音前に陣どり、「日本の大軍拡・改憲を阻止しよう! ウクライナ侵略を打ち砕け!」と大書した横断幕を広げ、ビラ撒きを開始した。黄色いビラには「安保強化・大軍拡・改憲を許すな!」の朱い文字が躍る。
 「安保強化・改憲を阻止しよう!」「ネオ・ファシズム支配体制の強化を打ち砕こう!」情宣隊の力強いかけ声に、結集する労働者たちは一瞬目を見張り、競ってわが紙の弾丸≠手にする。「ご苦労さん」「もっとください」「頑張りましょう」、元気に声を返し、目を輝かせて受け取っていく労働者が相次ぐ。弾圧の機をうかがっていたデカどもが苦々しげな表情を浮かべている。
2700名の労働者・市民が「改憲阻止・戦争法廃止!」の雄叫び
   結集する労働者・市民に情宣隊が闘う檄(9月19日、日比谷野音)
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代々木公園

原発再稼働反対! 大軍拡・改憲阻止!

9・16原発反対全国集会に檄
  九月十六日、東京・代々木公園において「9・16さようなら原発全国集会」(主催=「さようなら原発」一千万署名市民の会など)が開催された。関東を中心として北は北海道から南は沖縄まで、文字どおり全国から結集した平和フォーラム系の自治労・日教組などの諸労組や「全労協」「全労連」傘下諸労組の組合員と学生・市民など約五〇〇〇人が結集し、「原発再稼働反対!」「すべての原発を廃炉に!」の怒りの雄叫びをあげたのだ。
 集会開始時刻が迫る十三時すぎに、メイン会場の野外ステージ周辺には組合旗が林立し、「原発反対」を訴える様ざまなのぼり旗が掲げられた。労組中心の集会らしい雰囲気がつくられている。参加者の七、八割は労働組合員たちだ。
 会場入口では、わが同盟の情宣部隊が「原発再稼働反対! 大軍拡・改憲阻止!」のスローガンが大きく赤く刷られたビラを配布している。参加者がビラを次々と受けとっていく。集会開始を待っているあいだ、そこかしこで、参加者が本日の集会にむけて<原発・核開発反対>を唯一提起しているわが同盟のビラを熱心に読んでいる。各労組の隊列で参加してきた革命的・戦闘的労働者は、受けとったわが同盟のビラを活用して組合員たちとその場で論議をはじめている。
 「原発リプレース(建て替え)・新増設を許すな!」「放射能汚染水の海洋放出反対!」「すべての原発・核燃料サイクル施設を即時停止し廃棄せよ!」「女川2号機・柏崎刈羽7号機・島根2号機の再稼働を阻止せよ!」――これらの訴えが、参加した組合員たちのハートをガッチリとつかむ。
 わが同盟は、「大軍拡・改憲攻撃と一体の原発推進策動をうち砕け!」「共産党中央の『エネルギー政策転換』要求運動をのりこえたたかおう」「<プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>を粉砕せよ!」と訴えた。今総裁選をもはずみとして自民党政権が原発再稼働や使用済み核燃料の再処理施設稼働に突進していることを彼らの安保強化・改憲攻撃と一体のものとしてとらえ、原発再稼働反対の闘いを<原発・核開発反対>の闘いとしてたたかうと同時に、大軍拡・改憲阻止の闘いと固く結びつけてたたかうべきことを、集会に参加した労働者・学生・市民に呼びかけたのである。そして各労組でたたかう革命的・戦闘的労働者は、このわが同盟の檄に応えこれを活用して、ともに参加した仲間たちと熱い論議をかわした。こうしてわが革命的左翼は、本集会の戦闘的高揚をかちとったのだ。
   「さようなら原発全国集会」――労働者・市民・学生5000人が組合旗やのぼり旗を掲げて全国から大結集。「原発再稼働反対!」の声あげる(9月16日、東京・代々木公園)
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