第2835号2024年9月9日)の内容

<1面>
自民党政権の反動攻撃粉砕!
日共中央・「連合」指導部を弾劾し反戦反安保・改憲阻止の闘いを!
<2面>
初の日米「拡大抑止」閣僚会合
核先制攻撃体制の構築・強化
<3面>
極右ファシストの台頭に揺らぐマクロンのフランス
イギリスの「反移民・反イスラム」暴動
<4面>
敦賀原発2号機を廃棄せよ
使用済み核燃料の中間貯蔵施設(むつ市)の稼働を許すな
福島第一原発冷却水漏出事故
<5面>
大軍拡反対! 憲法改悪を阻止しよう!
 自治体労働者委員会
Topics 「連合」会長・芳野が岸田に最大級の賛辞
<6面>
万華鏡2024――情勢の断層を読む
日印「2プラス2」
砕氷船の建造競争
戦時経済への突進
実動演習「漢光」
 「解放」最新号




























  


自民党政権の反動攻撃粉砕!

日共中央・「連合」指導部を弾劾し反戦反安保・改憲阻止の闘いを!

 すべてのたたかう労働者・学生諸君!
 いま自民党政権は、裏金疑獄≠竦カ活必需品をはじめとする未曽有の物価高・公共料金や学費の値上げ、社会保障給付の削減と負担の増大、賃金のうちつづく実質切下げにたいする労働者・学生の怒りの爆発と、わが同盟を先頭とする改憲と安保強化・大軍拡に反対する闘いに追いつめられている。そうであるがゆえに彼らは、九月十二日告示・二十七日投開票の自民党総裁選挙をつうじて、地に落ちた自民党の支持率を回復させるために必死となっているのだ。
 総裁候補者どもは一様に、「自民党を刷新する」などと空叫びして裏金疑獄≠フ居直りともみ消しに躍起となっている。同時にこれらの輩は、マスコミやSNSをフル活用して「中国の脅威に対抗する日本国家の安全保障」と「九条改憲」の大宣伝をくりひろげ、この総裁選を活用して、改憲・安保強化を大合唱し、日本型ネオ・ファシズム支配体制のよりいっそうの強化をたくらんでいるのだ。このネオ・ファシストどもの危機のりきり策を断じて許してはならない! 今こそ、自民党政権による戦争と圧政と貧困の強制に反撃する闘いに起ちあがろう!

日米軍事同盟強化・大軍拡、憲法改悪への突進

 いま、ここ東アジアにおいて、「アメリカを凌駕する超大国」にのしあがることをめざして猛突進する中国、ウクライナ人民への無差別攻撃に狂奔する侵略者プーチンのロシア、このロシアとの同盟的結託を基礎に核・ミサイルの開発・配備に狂奔する金正恩の北朝鮮と、老いぼれバイデンのアメリカ、「属国」日本、尹錫悦の韓国とが、相互に核戦力をふりかざして激烈に抗争している。いつ熱核戦争が起こるかも知れぬ危機が極限的に高まっているのである。
 岸田自民党政権はいま、今年四月の日米首脳会談と七月の日米安保協議委員会(「2+2」)の合意にもとづいて、「統合司令部」に格上げされる在日米軍司令部の傘下に、自衛隊が新設する「統合作戦司令部」を組みこみ一体化させることに突き進んでいる。まさに自衛隊=日本国軍を文字どおりアメリカの「属国軍」として、対中国の軍事作戦の先頭に立たせようというのが岸田政権なのだ。
 岸田政権はロシアのウクライナ侵略を恰好の契機として、「今日のウクライナは明日のアジア」などと叫びたててバイデン政権とともに日米軍事同盟の飛躍的強化、米日韓三角軍事同盟の再構築・強化をおしすすめてきた。オーストラリア・フィリピン・イギリスなどのアメリカ同盟国と日本とのあいだで相互に軍隊を派遣することを可能とする「円滑化協定」をとり結ぶなど、これら諸国との実質上の軍事同盟の構築をおしすすめてきた。日米軍事同盟を要として、アジア版NATOというべき多国間軍事同盟を構築し、NATOとの連携強化にも一挙に踏みだしてきたのが岸田にほかならない。
 八月三十日に、岸田政権は各省庁の来二〇二五年度予算の概算要求の合計が、過去最高となる総額一一七兆円超となることを明らかにした。なかでも二一年度までは五兆円台であった軍事費を、岸田政権の三年間で年々急増させてきたうえに今回の要求では今二四年度比七・〇%増の八兆五三八九億円にまで大増額したのだ。彼らは、中国や北朝鮮の領土を射程に入れる中距離ミサイルの購入などに九七〇〇億円、「防空ミサイル防衛能力」なるものに五三七九億円、そして中国や北朝鮮の基地や部隊などの情報を収集するための衛星コンステレーション構築などに五九七四億円と、まさに敵基地を先制攻撃する体制を構築するために、この巨額の予算を計上しているのだ。これは、岸田以後の後継政権が、年々軍事費を増額させつづけ、対中国の最前線でアメリカとともに戦争する体制を強化しつづけることを大前提として策定されているのである。
 この極反動政権は、労働者・人民の反対の闘いを強権的に弾圧しながら、辺野古新基地建設を加速するとともに、南西諸島に米製巡航ミサイル・トマホークおよび長射程化する国産一二式地対艦ミサイルの配備に突き進んでいる。中国の「台湾侵攻」が間近であるとみなし、これに対抗する戦争体制づくりを急ピッチでおしすすめているのが、力の衰えをあらわにしている軍国主義帝国アメリカの「属国」たる日本帝国主義の権力者どもなのである。
 さらに彼らは、「殺傷能力のある兵器」の輸出をおしすすめるために「防衛装備移転三原則」の改定=骨抜き化をはかり、軍需産業基盤強化法の制定などをドシドシ断行してきた。これらを基礎に、いま自民党政権とこれに支援された日本の軍需独占体は、軍需産業の一挙的強化、日本のアメリカの兵器工場化≠ノ驀進しているのである。
 先制攻撃体制の構築反対! 大衆収奪強化をテコとする巨額の軍事予算計上を許すな!
 岸田は、退任間近の九月下旬に国連総会に出席するために訪米し、日米首脳会談と米日韓三国首脳会談をおこなおうとしている。すでに退任が決まっているバイデンと岸田は、日米軍事同盟の飛躍的強化と米日韓三角軍事同盟再構築の地平を盤石にし、次期政権に引き継ぎ・永久化することを、帝国主義国家権力者としての最後の使命としているのだ。対中国の臨戦態勢を強化するために、アジア人民を熱核戦争の危機に叩きこむこともいとわず、岸田はヨレヨレ・バイデン政権とともに最後の務め≠果たそうとしているのだ。
 同時に岸田政権・自民党は、憲法改悪の攻撃を一気に激化させている。九月二日に自民党の憲法改正実現本部(本部長・古屋圭司)は、八月七日の総裁・岸田の指示にのっとって、「緊急事態条項」新設だけでなく、第九条に自衛隊保有を明記することを核心とする「憲法改正の論点整理」を決定し発表した。まさにアメリカの核攻撃態勢の一環として、自衛隊を中国・ロシア・北朝鮮に先制攻撃をなしうる軍隊へと飛躍させるための一大反動攻撃にほかならない。そのために戦力不保持と交戦権の否認を謳った現行第九条を破棄し、ネオ・ファシズム憲法を創設するという極反動攻撃に突進しているのが、バイデンに安保の鎖で締めあげられた「属国」宰相・岸田なのだ。
 中国・ロシア・北朝鮮という核保有国との最前線に立つ日本帝国主義の最高権力者めざして総裁候補に名のりをあげている自民党の政治エリートども。彼らは、こぞってアメリカ帝国主義の要求につき従い、岸田同様に日米軍事同盟を文字どおりの対中国・対ロシアのグローバル攻守同盟として強化する道を一路驀進しようとしている。
 今こそすべての労働者・人民は、自民党政権による安保強化・改憲攻撃にたいする一大反撃に起ちあがれ!

以下、見出し

「日本経済再生」を掲げ労働者にいっそうの犠牲を強要

「平和外交」への政策転換を政府にお願いする日共中央をのりこえ闘おう!

自民党政権のネオ・ファシズム反動攻撃を阻止せよ!
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史上初の「拡大抑止」閣僚会合

日米核先制攻撃体制の構築・強化を許すな!

 七月二十八日、東京で外相・上川、防衛相・木原とアメリカの国務長官ブリンケン、国防長官オースティンの四人が出席し、史上初の日米「拡大抑止」閣僚会合が開催された。異例にもこの会合は、日米安全保障協議委員会「2プラス2」の終了後に、同じ四人が同じ場所に再び集まっておこなわれた。それは、この会合が先行の「2プラス2」とは次元を異にする核兵器の配備と運用を主要課題とすることを強調するための演出にほかならない。
 会合終了後に日米両政府が公表した「共同発表」の特徴は何か。
 それは第一に、「北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の追求」、「中国の核戦力の拡大」、「ロシアの国際的な不拡散体制の毀損」などをあげて、これらによって「一層悪化する地域の安全保障環境」がもたらされているという「評価を共有」していることである。
 ここには、東アジアにおける北朝鮮・中国・ロシアの核戦力の強化にたいする米日両権力者の危機感が露出している。ここ二〜三年、「核大国」ロシアを後盾としその軍事技術支援をうけている北朝鮮は、巡航ミサイル・弾道ミサイルの発射をくりかえしている。金正恩政権は、在日・在韓米軍基地をも射程に入れた核攻撃体制の構築に猛然と突進している。中国は、五〇〇発の核弾頭を保有し、そのうち二十四発の実戦配備を完了している。ロシアは、ウクライナ侵略開始いこう核兵器の使用をちらつかせ、戦術核兵器による攻撃演習を「三段階」に分けて強行している。こうした北朝鮮・中国・ロシアの対米・対日の核攻撃体制の強化をまえにして、焦燥感と対抗心をむきだしにしているのが日米両権力者なのだ。このゆえに彼らは、核兵器が実際に使用される戦闘を想定して、日米共同の軍事体制を構築することを急いでいるのである。
 第二の特徴は、「アメリカの核政策および核態勢ならびに同盟における核および非核の軍事的事項のあいだの関係性」を「緊密に協議する確約を再確認した」とうたいあげたことである。
 それは、アメリカの核戦力と日本の通常戦力を統合・一体化させて核先制攻撃体制を構築する宣言にほかならない。「拡大抑止の強化」の名のもとに日米両権力者は、日米核軍事同盟を中核としてアジア版NATOを構築することを企んでいるのだ。
 すなわち、日本にたいしてアメリカの「核の傘」を提供するという従来の「拡大抑止」概念の内実を、米日共同での核攻撃作戦体制を構築するというものへと改変したことを、それは意味するのだ。そして、日米両権力者は、すでに米韓両政府が追求している「一体型拡大抑止」なるものをモデルとして核攻撃作戦体制を構築しようとしているのだ。
 米韓両軍は、アメリカの核戦力と韓国の通常戦力を統合した「一体型拡大抑止」の図上演習を史上はじめて実施した(七月三十日〜八月一日、ソウル南方の在韓米軍基地)。この演習は「米韓核協議グループ」の創設(二三年)にもとづき、米韓首脳会談で交わした「朝鮮半島核抑止・核作戦指針」(七月)にのっとり実施された。米韓両国権力者は核を搭載した米軍の戦略原潜や戦略爆撃機などの核戦力を随時、展開し、金正恩政権に軍事的圧力をかけているのだ。〔実際すでに「米韓核協議グループ」創設時や米韓合同演習時におこなっている。〕このような米韓の「一体型拡大抑止」とほぼ同様の追求をしようとしているのが日米両権力者なのだ。

以下、見出し

在日米軍への核配備の公然化

日米核軍事同盟を中軸にアジア版NATOを構築
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極右ファシストの台頭に揺らぐマクロンのフランス

 七月七日におこなわれたフランス国民議会(下院)選挙の決選投票において、マリーヌ・ルペンの「国民連合 RN」を中心とする極右共闘は第三位(一四三議席)となり、このネオ・ファシスト党による政権獲得は阻止された。
 第一党派となったのは、総選挙の直前に結成された左派連合の「新人民戦線 NFP」(「不服従のフランス」、社会党、共産党、緑の党など)であり、一八二議席(過半数には足りず)を得た。大統領マクロンが主導する与党連合は、大惨敗した第一回投票(六月三十日)よりは盛り返したが、前回の総選挙から八十二議席も減らして一六八議席となり、第二党に転落した。
 「RN政権の樹立」は阻止したとはいえ与党連合が大後退し、「左翼」の新人民戦線に第一党の座を奪われたことに、マクロンや独占ブルジョアどもはいま、苦虫を噛みつぶしている。
 マクロンらはいま、「極右はダメだが極左もダメだ」と騒ぎたて、新人民戦線の分解を促そうとしている。彼らの言う「極左」とは、NFP内の最大勢力であり最左翼≠ナもある「不服従のフランス LFI」である。マクロンは、辞表を出した首相アタルを、オリンピック/パラリンピックの期間が終わるまで留任させ、その時間的猶予のうちにNFPにクサビをうちこんで、LFI以外の諸党(社会党・共産党・緑の党)を抱きこもうとしている。そうすることによって、「極左」を排除した中道諸派連立政権≠樹立することを企んでいるのである。
 これにたいしてLFIのメランションらは、「最大勢力となった新人民戦線が国を統治すべきだ」と主張してマクロンに政権委譲を迫り、独自の首相候補をおしたてている。だが独占資本家どもの意を体するマクロンは、LFI主導内閣≠フ樹立をあくまでも拒絶しているのだ。

以下、見出し

ファシスト内閣の登場を阻止した労働者・人民

選挙大敗で窮地にたつマクロン与党

極右「国民連合」の跳梁

「新人民戦線」の迷走と労働者の下からの闘い

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イギリス極右が煽動した「反移民・反イスラム」暴動

 七月末から八月にかけてイギリス全土で巻き起こった「反移民の暴動」――この発端は、「少女殺傷事件の犯人はイスラム教徒の不法移民だ」という偽情報がネット上で流されたことだ。
 七月二十九日に、イングランド北西部サウスポートで子供のダンス教室を十七歳の少年が襲い、三人の少女が刺殺され、子供・大人十一人が負傷した。容疑者の少年の両親はルワンダ出身の移民だが、少年自身はウェールズで生まれ育ったイギリス人だ。この事件について、極右のネトウヨ≠ェ「犯人はドーバー海峡をボートで越えてやってきた違法移民のイスラム教徒だ」というデマをSNSで拡散し「移民排斥」を喚きたてた。
 このフェイク情報に煽られて、リバプール、ロンドンなどイギリス全土の二十五都市で「反移民・反イスラム教」の暴動が巻き起こった。挑発分子どもは、モスクを襲撃し、難民申請中の人々が滞在しているホテルや施設に火を放ち、商店やレストランを手当たり次第に破壊し略奪行為におよんだ。
 これにたいして、イギリスの各地で人権団体や労働者・市民が抗議のカウンター・デモを組織し対抗した。「反移民・反イスラム」を叫びたてる極右の徒党に向かって、「人種差別反対」「移民歓迎」のプラカードを掲げたデモ参加者が対峙した。
 発足したばかりの労働党政権の首相スターマーは、「反移民」の暴動にたいしてわきあがった人民の怒りにおされ、ようやく八月四日になって「極右の暴徒の野蛮な行為を全面的に非難する」と表明した。極右ゴロツキども一〇〇〇人以上が逮捕され、ようやく「暴動」は沈静化した。

以下、見出し

マスクがモスク襲撃を教唆

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