第2834号2024年9月2日)の内容

<1面>
<プーチンの戦争粉砕>の炎を!
ウクライナ侵略を打ち砕け!
イスラエルのガザ大虐殺弾劾

<2〜3面>
戦乱の危機を突き破れ!
全国で国際反戦集会

 8・4 関西北陸北海道
Topics 「対話と学びあい」を号令
「全労連」第32回定期大会
<4〜5面>
国際反戦中央集会 基調報告 〈下〉
<プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>を打ち砕け!

<6面>
大浦湾の本格工事着工弾劾
 辺野古現地に怒りの火柱 8・20
  キャンプシュワブ・ゲート封鎖を敢行
 海上実力阻止闘争に決起 8・20
  弾圧に抗し作業台船に肉迫
 安和桟橋土砂搬出阻止に起つ 8・22
  闘う学生が実力闘争を牽引
 「解放」最新号









  

<プーチンの戦争粉砕>の炎を!

ウクライナ侵略を打ち砕け!

イスラエルのガザ大虐殺弾劾!


ウクライナ軍のクルスク制圧作戦と揺らぐプーチン支配体制


 八月二十四日のウクライナ独立記念日を目前にひかえた六日朝、ウクライナ軍数千の部隊は、ロシア西部の国境地域クルスク州への越境軍事行動にうってでた。かつてソ連軍がナチス・ドイツ軍との史上最大の戦車戦をくりひろげた「クルスクの戦い」(一九四三年七〜八月)、その舞台となったこの地を、ウクライナ政府はあえて選んで奇襲作戦を敢行したのだ。
 ウクライナ軍の装甲車・歩兵部隊が一挙に一〇`bにわたって進軍したこの電撃作戦によって、クルスク州スジャ(天然ガスパイプラインの中継基地がある)をおさえ、二週間で一二五〇平方`b(東京二十三区の二倍の面積)の地域を制圧した。この一連の作戦でウクライナ軍は、住民の死者を一人も出すことなく、行政施設に残されたロシア国旗を破棄しウクライナ国旗を次々と翻していった。そして、数百人のロシア兵を捕虜として確保した。
 このウクライナ軍の見事な制圧作戦をまえにして茫然自失となり、ほぼ一日のあいだ完全沈黙を決めこんだのがロシア大統領プーチンであった。翌七日になってプーチンは、「ウクライナを地獄に落とす」と叫び、焦り狂った姿を露わにした。
 クルスク州に越境してきたウクライナ軍にたいして、国境警備にあたっていたロシア軍は戦闘経験のない徴集兵ばかりであり、われ先にとばかりに投降した。ウクライナ東部などから転戦した部隊は、一部はウクライナ軍の待ち伏せ作戦によって壊滅し、残った部隊も塹壕を掘り防衛ラインをつくることに手一杯であった。
 ウクライナ軍の越境作戦を許すという大失態を犯したロシア軍参謀総長ゲラシモフは、プーチンにたいして、「ウクライナ軍が一〇〇〇人ほど来たが押しかえした」などという虚偽報告をおこなった。このことが明るみになるや激怒したプーチンは、あわててクルスクでの作戦指揮からゲラシモフをはずし、その任をFSB(連邦保安庁)長官ボルトニコフに命じた。だが、しょせん「裸の王様」でしかない皇帝<vーチンが狂ったように命令をくだしたところで軍隊が機動的に動くはずもなく、いまクルスクではFSBと軍と内務省警備隊とのあいだで、誰の責任で部隊が動くのかまったく決まらないほどの大混乱ぶりをさらけだしているのだ。
 ウクライナと国境を接しているにもかかわらず、「戦争ではない。国外での特別軍事作戦だ」などというプーチン政権のキャンペーンに騙されて日常生活を送ってきたクルスク州内八地区の住民は、このウクライナ軍の越境作戦に仰天し一三万三〇〇〇人がいっせいに避難した。彼ら住民たちはいま、口ぐちに「ロシア軍は私たちを守らなかった」「行政は何もやってくれない」と、その怒りの声をプーチン政権に向けている。
 プーチン政権は、閣僚と地方首長の合同会議を押っ取り刀で招集し住民保護や食料配布にかんする協議をおこなった(十二日)。だが人民の怒りはまったく収まりはしない。
 ところで、ウクライナ独立記念日である八月二十四日に大統領ゼレンスキーは、「(ロシアにたいし)われわれは借りを返す」「われわれの土地に悪の種を蒔くものはみずからの領土でその実を刈り取ることになる」「(越境作戦は)悪へのブーメランだ」という声明を発した。
 こうしたウクライナ政府の声明には、今回の軍事行動にかけたその思惑が滲みでているといえる。すなわち、二年半にわたってウクライナ軍事侵略を強行しつづけ五〇万人にのぼる戦死・戦傷者をうみだしながらも、「戦争ではない」などとロシア国内の労働者・人民を騙しつづけてきたプーチン、その虚偽性・欺瞞性を、ウクライナ側は、全ロシアの労働者・人民のまえに暴きだそうとしたのである。「国民を守る強い大統領」なるプーチンの虚飾をはぎとりロシア人民のなかに広範に存在する厭戦気分を掻きたて、もってプーチン政権をして侵略戦争の継続不能に追いこむこと――これが今回のクルスクへの越境という一大作戦にこめられた狙いなのだ。いまウクライナ軍部隊がブリャンスク州、ベルゴロド州方面に徐々に前進をはかっていることからするならば、さらに今後、ロシア領内における制圧地域を拡大するということも充分に考えられるのである。
 かつての対独戦のロシアにおける聖地≠スるクルスクの国境をウクライナ軍にやすやすと突破され一部地域を制圧されたプーチンは、屈辱感とヒステリーを一挙に昂じさせている。この輩は、ウクライナとの消耗戦≠続行し、「ウクライナ支援をやめる」と公言するトランプがアメリカ大統領の座に就くならば、年内にも東南部四州とクリミアを奪う当面の勝利≠ェ得られるなどと計算してきた。だが、今回のウクライナ軍の一撃≠ノよってプーチンは、みずからの嘘を暴かれ軍の反抗さえ招きかねないことに顔面蒼白となり、心底おびえているのである。
 第二次世界大戦いこうのソ連時代にも、ソ連邦崩壊後のロシアでも、一度も経験していない外国軍による越境と領土制圧という事態。それは、「核軍事大国」を自負するプーチン・ロシアにとってこのうえない屈辱的事態にほかならない。「戦術核の使用」をふりかざして「核恫喝」をしていることからしてウクライナ軍が国境を越えて進軍してくることなどまったく想定もしていなかったロシア皇帝プーチンは、いまや完全な権威失墜に見舞われている。
 アメリカ大統領選挙がおよそ二ヵ月後に迫り、十一月にも開催予定の「ウクライナ平和サミット」にむけて「和平」の声が高まるなかで、ウクライナ軍は、二年半にわたってロシア人民を騙しつづけてきたプーチンの嘘とデマを暴きだし、ロシア国家権力・暴力装置内部の抗争に火をつけその支配体制をガタガタに揺さぶるために、今回のクルスク越境・制圧作戦にうってでたのだ。
 いまやロシアは、深刻な兵器・兵員の不足、都市部を中心とする若者層の国外逃避、それゆえの労働力不足に見舞われており、戦争の長期化と破綻寸前の戦時経済のもとで、ロシア人民のプーチンにたいする不信はマグマのように急速に拡大しつつある。それは、今回のウクライナ軍の越境・制圧作戦によって一挙に爆発し、<反プーチン>の奔流へと発展転化するにちがいない。
 新たな局面をまえにしてわれわれは、<プーチンの戦争>をうち砕くために、レジスタンスをたたかうウクライナ人民と連帯して、この日本の地でウクライナ反戦闘争の炎をより一段と赤々と燃えあがらせようではないか!

以下、見出し

パレスチナ民族抹殺に狂奔するネタニヤフ政権

<今ヒトラー>どもが跋扈する二十一世紀世界の戦乱の危機を突き破れ!

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第六十二回国際反戦中央集会 基調報告

<プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>を打ち砕け!

核戦争の勃発を阻止する国際反戦闘争の爆発を


<下>

V 〈アメリカとともに戦争する国〉への飛躍を策す岸田政権

 アジア版NATOの中核として日米軍事同盟を強化

 このように世界が米―中・露の激突を基軸として激動しているそのただなかで、日米両権力者によって日米軍事同盟の新たな・画歴史的な強化がすすめられていることを、私たちは怒りを込めて暴きだすのでなければなりません。
 七月二十八日に東京で開催された日米「2プラス2」において、アメリカの国務長官ブリンケンは言い放ちました。「日米同盟は七十年以上、インド太平洋における平和と安定の礎となってきたが、いまやそれ以上のものになっている」と。日米軍事同盟をアジアにおける対中・対露のグローバルな多国間軍事同盟のケルンとして強化することをたくらんでいるのが、アメリカ権力者にほかなりません。
 このアメリカ権力者に応えて、すでに岸田政権はイギリス、オーストラリアに続いて、フィリピンとも、相互に軍を派遣しあうための「円滑化」協定を結んでいます。米日韓の三角軍事同盟の形成・強化にも踏みだしました。さらに、ドイツ・イタリア・フランスというNATO諸国の軍隊も次々と日本に寄港しています。それは、日米安保条約のような国際法的根拠がないにもかかわらず、日本が他のアメリカ同盟国とのあいだで事実上の軍事同盟関係を構築していることを意味します。
 バイデンのアメリカは、もはや一国で中国・ロシアを封じ込める力を有していない。それゆえに、バイデン政権は、「属国」日本の岸田政権をつかって、「格子状の同盟」の名のもとに、日本をいわばハブ≠ニして、多国間の軍事同盟をつくりだそうとしているのです。
 日米軍事同盟を扇の要≠ノして、これをいわばヨコにひろげるかたちで対中国・対ロシアの多国間の軍事同盟を強化していく。そしてそのために、扇の要≠スる日米軍事同盟そのものを名実ともに核軍事同盟としていっそう強化しようとしているのが日米両権力者にほかなりません。
 今回の「2プラス2」にあわせて、日米の「拡大抑止」閣僚会合――米韓の「核協議グループ」と同様のそれ――が初めて開催されました。それは、中国・ロシア・北朝鮮との対峙の最前線に位置する日本および韓国を舞台にして、アメリカの核先制攻撃態勢を一挙に強化するためのものにほかなりません。
 在日米軍司令部に新たに「指揮権」を付与してこれを「統合軍司令部」として再編すること、そしてこの在日米軍司令部の傘下に日本国軍の「統合作戦司令部」を組みこみ一体化させること。このことが合意されたことは重大です。中国・ロシア・北朝鮮にたいして核による先制攻撃態勢をとる米軍のもとに日本国軍を一体化させ・米軍の指令ひとつで日本国軍もまた先制攻撃を担う――こうした軍事態勢を構築しようとしているのが日米両権力者にほかなりません。

以下、見出し

W 革命的反戦闘争の巨大な前進をかちとれ!

 A 「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえ闘おう!

 B 侵略者プーチンを包囲せよ! 殺人鬼ネタニヤフの蛮行を許すな!

 C 対中・露の日米グローバル同盟の強化反対! 大軍拡・改憲阻止!

 D わが革命的反戦闘争を全世界へ波及させよ!



目次

T 核武装した殺人鬼政権による民族抹殺の暴挙を許すな!

 A ウクライナ全土への無差別攻撃に狂奔する「現代のロシア皇帝」プーチン
 B ガザ人民ジェノサイドと新たな戦争放火にうってでるネタニヤフ

U 米―中・露の<新東西冷戦>下で高まる核戦争勃発の危機

 A 東アジアにおける熱核戦争勃発の危機の高まり
 B 反米同盟を強化する中・露と対中・露グローバル同盟を強化する米・日

 (第二八三二‐三三号)

V <アメリカとともに戦争する国>への飛躍を策す岸田政権

W 革命的反戦闘争の巨大な前進をかちとれ!

 
(本号)
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戦乱の危機を突き破れ! 全国で国際反戦集会 8・4 


 

日米核安保粉砕の雄叫び


関西集会 大阪


 八月四日、関西地方のたたかう労働者・学生は、第六十二回国際反戦関西集会を成功的に実現した。
労・学が「ウクライナ侵略粉砕! ガザ人民虐殺弾劾!」の怒りの拳
(8月4日、大阪市立大正区民ホール)
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反戦・原発反対の闘志固める


北陸集会 金沢


 八月四日、北陸のたたかう労働者・学生は第六十二回国際反戦北陸集会を開催した。
   熱核戦争勃発の危機を突き破るぞ! 北陸の労・学がたたかう決意をうち固める
(8月4日、金沢市)
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革命的反戦闘争の前進を決意


北海道集会 札幌


 八月四日、たたかう労働者・学生が全道から総結集し、札幌市中央区民センターにおいて、第六十二回国際反戦北海道集会を盛大に実現した。
闘いの前進を誓う北海道の労・学
(8月4日、札幌市)
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大浦湾の本格工事着工を弾劾 

 

8・20

辺野古現地に怒りの火柱

闘う学生が<反安保>の旗高く奮闘

 許しがたいことに岸田政権は、八月二十日、ついに辺野古新基地建設のための大浦湾での本格的な埋め立て工事に着手した。沖縄の労働者・人民の「辺野古新基地建設阻止!」の怒りの闘いを傲然と踏みにじり、巨大な鋼管杭を海中に打ち込み護岸工事を強行したのだ。この暴挙を満腔の怒りで弾劾する!
 「米兵の少女暴行事件糾弾! 安和桟橋でのダンプ死傷事故弾劾!」の反基地闘争が沖縄全島を揺るがすかたちで爆発しているただなかで、反人民性をむき出しにする岸田ネオ・ファシズム政権は、アメリカ・バイデン政権との誓約にもとづいて、遅れに遅れている辺野古新基地建設工事を一挙に加速させようとしているのだ。まさにそれは、南シナ海・台湾近海で軍事行動を激化させている中国を封じこめるための米日両軍の一大軍事拠点を構築する攻撃にほかならない。
 この日、沖縄県学連のたたかう学生たちと革命的・戦闘的労働者たちは、怒りに燃えて集まった労働者・市民とともに名護市辺野古のキャンプシュワブ・ゲート前において、そして埋め立て工事が強行されようとしていた大浦湾で、埋め立て工事阻止の実力闘争に勇躍決起した。たたかう学生たちは、闘争放棄をきめこむ日共中央を弾劾しつつ、<日米グローバル同盟粉砕!>の旗高く闘いを戦闘的に牽引したのだ。
「大浦湾の埋め立て阻止!」怒りを叩きつける!
(8月20日、キャンプ・シュワブ第4ゲート)
    




キャンプシュワブ・ゲートを封鎖し土砂の搬入を阻止する学生・労働者・市民
(8・20、辺野古)
 





   闘う学生が杭打ち作業を弾劾
(瀬嵩の浜)
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海上実力阻止闘争に決起

海保の弾圧はねのけ作業台船に肉迫


  「大浦湾での本格工事を絶対に許さない!」怒りに燃えた海上行動チームは、ゲート前での闘いと連携して、瀬嵩浜の沖合のA護岸予定地、作業台船の停泊する工事現場で実力阻止闘争に起ちあがった。県反戦の労働者たちは、ポセイドン号を駆って、その先頭で<反戦・反安保>の旗幟鮮明にたたかいぬいたのである。
   作業台船に肉迫する県反戦の労働者たち(8月20日、大浦湾)
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8・22


安和桟橋 土砂搬出阻止に起つ

琉大・沖国大生が実力闘争を牽引


 八月二十二日、名護市の安和桟橋において土砂搬出作業再開を阻止する現地抗議行動が「本部町島ぐるみ会議」などの呼びかけのもとにおこなわれた。琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、怒りにみなぎり結集した労働者・市民とともに土砂搬出作業を阻止する実力闘争に起ちあがった。 
   「ダンプ死傷事故弾劾!」先頭で闘う県学連
(8月22日、名護市安和桟橋前出口)
  弾圧をはね返し抗議行動
(8・22、名護市)
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