第2832-33号2024年8月26日)の内容

<1〜5面>
世界へ轟け 反戦の声
<1〜3面>
8・4第62回国際反戦集会
 全国7ヵ所で開催
 中央東海、沖縄、九州
<4〜5面>
国際反戦中央集会 基調報告
 <プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>を打ち砕け!
<6面>
労働者・人民に生活苦を強いる岸田政権を許すな
Topics 厚労省「ギグワーカーの待遇改善」の大ウソ
□パリ五輪の陰で
<7面>
バングラデシュ政権が倒壊
ドイツが対イスラエル軍事支援をなし崩しに停止
<8面>
沖縄県民大集会で奮闘 8・10 宜野湾市
「日米2+2反対!」
 
米総領事館・自民道連に抗議 7・28 札幌
「関西万博」工事現場で大爆発事故

 「解放」最新号


























  



国際反戦集会が大高揚 8・4


ロシアのウクライナ侵略粉砕!

イスラエルのガザ人民大虐殺弾劾!

核戦争勃発を阻止する闘いの爆発を!



 
 今ヒトラー≠フ世紀の蛮行粉砕! 拳を突き上げる労・学
(国際反戦中央集会、8月4日、松戸市民会館)
 八月四日、わが同盟と全学連・反戦青年委員会は、全国七ヵ所において第六十二回国際反戦集会を開催した。たたかう労働者・学生は、ロシアのウクライナ侵略とイスラエルのガザ人民大虐殺への憤激に燃えて集会を圧倒的にかちとった。
 ロシアのウクライナ侵略開始から二年半。プーチン政権は「ウクライナ支援の停止」を叫ぶ欧州極右勢力の跳梁にほくそ笑み・トランプのアメリカ大統領への返り咲きを期待しながら、占領地の拡大と病院や発電所などを狙い撃ちにした爆撃に狂奔している。この侵略者と結託した中国などがロシアに有利なかたちでの「戦争終結」に向けた蠢きを開始してもいる。それゆえウクライナ人民のレジスタンス闘争は、そして全世界人民のウクライナ侵略粉砕の闘いは、いま重大な事態に直面しているのである。そうだからこそわれわれは、<プーチンの戦争>粉砕の闘いを断固として高揚させ全世界に波及させるのでなければならない。同時に、イスラエルのガザ・パレスチナ人民大虐殺を絶対に許してはならない。
 米日両権力者による核軍事同盟を飛躍的に強化する攻撃を断固としてうち砕け!「反安保」を放棄した日共中央を弾劾し、反戦反安保闘争を推進せよ。
 首都圏のたたかう労働者・学生は、こうした闘いの大前進をかちとる拠点を打ち固めるために、会場の松戸市民会館に総結集し、国際反戦中央集会の大高揚をかちとったのである。


以下 見出し

革命的反戦闘争の巨大な前進をかちとれ ――基調報告


世界の反戦平和の闘いとわれわれの課題
 ――欧州派遣団からの特別報告


「連合」指導部の抑圧に抗し大軍拡・改憲阻止の闘いを!
 ――労働者代表

学費値上げ反対・反戦・反ファシズムの闘いの爆発を!
 ――全学連委員長


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第六十二回国際反戦中央集会 基調報告

<プーチンの戦争><ネタニヤフの戦争>を打ち砕け!

核戦争の勃発を阻止する国際反戦闘争の爆発を!




 第六十二回国際反戦集会に結集した労働者・学生のみなさん!
 ロシアのプーチン政権は、今このときも、ウクライナの首都キーウをはじめとする諸都市に滑空誘導弾などの殺戮兵器をあられのように撃ちこみ、人民を殺戮しています。この憎き侵略者どもは、欧州における極右勢力の跳梁にほくそ笑み、そしてアメリカにおけるトランプ再登場の可能性に期待しながら、ウクライナ東部・南部の占領地の拡大に血眼となっているのです。断じて許してはなりません!
 ウクライナというひとつの国・ひとつの民族を抹殺し、ロシアに組みこむことを狙った<プーチンの戦争>、この世紀の蛮行をうち砕こう! 全世界の労働者・人民は、たたかうウクライナ人民を孤立させるな! 今こそ、プロレタリア国際主義に立脚し、ウクライナ反戦闘争の嵐を巻きおこせ! 私たちは、<プーチンの戦争>粉砕の闘いの巨大な前進をかちとる決意に燃えて、本反戦集会を断固としてかちとろうではありませんか!
 私たちは、ロシアのウクライナ侵略粉砕とともに、イスラエルのネタニヤフ政権によるガザ人民ジェノサイドを満腔の怒りを込めて弾劾しようではありませんか。パレスチナという民族を皆殺しにし、パレスチナ人民を「流浪の民」に追いやることを狙った<ネタニヤフの戦争>。この今ヒトラー≠フ蛮行をうち砕こう!
 ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下から七十九年――日米の両帝国主義権力者は、アメリカ軍による対中国・対ロシア・対北朝鮮の核攻撃体制を強化するとともに、これに日本国軍を完全に組みこもうとしています。まさにそれは、日米安保同盟をアジア版NATOの中核をなす核軍事同盟として飛躍的に強化する画歴史的な攻撃にほかなりません。これを断固としてうち砕こう!「米欧主導の国際秩序」なるものを突き崩すために対外膨張≠ノ狂奔する中国、このネオ・スターリン主義中国による核戦力の一大増強に反対しよう! ロシアによるベラルーシへの核兵器の前方配備と実戦訓練を許すな!
 すべてのみなさん! <プーチンの戦争>と<ネタニヤフの戦争>をなんとしてもうち砕き、<米―中・露激突>下の核戦争の勃発を阻止する反戦闘争を大爆発させるために、ともに奮闘しようではありませんか!

T 核武装した殺人鬼政権による民族抹殺の暴挙を許すな!

 A ウクライナ全土への無差別攻撃に狂奔する「現代のロシア皇帝」プーチン

 ロシアのウクライナ侵略から二年半――プーチンはいま、その残忍さをむきだしにして、ウクライナ全土への無差別爆撃と、東部・南部の占領地の拡大に狂奔しています。欧州においては、先の議会選でプーチンから資金援助をうけた過去をもつ極右勢力が台頭し、大統領選の渦中にあるアメリカにおいては、トランプが「ウクライナ支援の打ち切り」と「戦争の終結」を叫んでいます。こうした状況を見ながらプーチンは、欧州各国政府の政治的動揺にほくそ笑み、トランプ再登場に期待をかけて、ウクライナへの侵攻に拍車をかけているのです。
 七月八日にロシア軍は、首都キーウにあるウクライナ最大の小児専門病院や産科病院にミサイルを撃ちこみ、子どもを含む夥しい人びとを虐殺しました。プーチンが狙ったのは、医療機関や教育施設をはじめとする一〇〇におよぶ施設でした。明らかにプーチンは、レジスタンスをたたかうウクライナ人民の強固な意志をなんとか挫こうとして――もうひとりの虐殺者イスラエルのネタニヤフのやり方を模倣して――子ども・妊婦・入院患者を標的にしたのです。
 この侵略者の残虐な攻撃にたいして、ウクライナ自由労働組合総連合は、ただちに声明を発しました。「ウクライナの労働組合員は、そして全国民は、ロシアの侵略者に抵抗し、占領地の解放のために戦う」と、全世界に向けてよびかけました。プーチンの悪逆非道の侵略にもかかわらず、いやそれゆえにこそ、ウクライナのたたかう労働者・人民は、同胞や愛する家族のために、不屈の闘志を燃やして侵略者プーチンに立ちむかっているのです。
 私たちは、プーチンの侵略を絶対にうち砕く決意をいまいちど新たに、さらにたたかおうではありませんか!
 東部・南部の「制圧」に狂奔するプーチンは、少数民族の人民や囚人を戦場に送りだすだけでなく、アフリカやインドやネパールなどの貧困人民をカネで雇い騙して前線へ送りこんでいます。人間の命を何とも思わないその人海戦術によって、侵略開始以降この春までに三十数万の死傷者をだしてきましたが、この春以降の死傷者はさらに十数万にのぼるとも言われています。
 こうした暴挙は、しかし同時にプーチンの焦りの表白にほかなりません。夥しい数のロシアの青年(とくに都市の)が、徴兵逃れのために海外に脱出している。国家予算の三分の一を投入しての戦争継続はもはや限界に突き当たり、あと一ヵ月で兵器も枯渇すると言われている。そしてアメリカ帝国主義による支援が半年以上にわたって停止したことが、かえってプーチンの野望の「西方拡大」を恐れる欧州各国権力者の結束を招いてもいる。――こうしたことのゆえにプーチンは、焦りに満ちた人民への無差別攻撃に出ているのです。だがしかし、すべてのみなさん! プーチンの暴虐を打ち砕くことをめざしてたたかうウクライナのレジスタンスにとって、そして世界の労働者・人民のウクライナ反戦闘争にとって、いま重大な事態が生みだされています。
 「私だったらウクライナ戦争を一日で終わらせる」と公言するトランプが米大統領選で当選するかもしれません。このトランプは、再び大統領に返り咲いたときには、ウクライナにたいしてロシアが占領している地域の放棄を迫りながらロシアに有利な「即時停戦」をはかろうとするにちがいありません。
 それだけではありません。「EUによるウクライナへの支援」に一貫して反対してきた「EUの異端児」=ハンガリー首相オルバン。このオルバンが、フランスのルペンの党やドイツのAfDといったみずからと気脈を通じる極右政党が勢力を拡大するなかで、七月から就任したEU議長の座を利用して、「一時的な停戦と和平協議の開始」をウクライナに迫っています。今年いっぱいで議長の任期が切れるその前に、侵略者プーチンを免罪し・ロシアに有利なかたちでの「和平」に向けた道筋をつけようと狂奔しているのが、オルバンなのです。
 さらに、窮地にたつプーチンに救いの手≠さしのべようとしているのが、習近平の中国です。習近平は、ゼレンスキーが提唱し米欧がバックアップした「平和サミット」に対抗するかたちで、六月の中露首脳会談において「ロシアが参加しない和平協議には意味がない」と、プーチンを支える姿勢を鮮明にしました。インド、ブラジル、南アフリカなどのグローバル・サウス諸国との関係を強化するとともに、「一帯一路」のヨーロッパへの玄関口≠ナあるハンガリーのオルバン政権との関係を強化することをも狙って、中国が提唱する「ロシア軍の撤退」なき「和平案」への支持をとりつけようとたくらんでいるのです。そうすることによって、「スターリンの末裔」プーチンの犯罪を免罪しているのが、中国のネオ・スターリン主義者どもなのです。
 まさにいま、国家エゴイズムをむきだしにする権力者どもが、レジスタンスをたたかうウクライナ人民の願いと苦闘を完全に踏みにじるかたちで、ロシアに有利な「戦争の終結」をはかろうとたくらんでいます。
 こんにちこのときこそ、私たちは、プロレタリア的な反戦インターナショナリズムに立脚した<プーチンの侵略戦争粉砕>の巨大な闘いを巻きおこすのでなければなりません。
 だが、みなさん! こうした国家権力者どもの新たなうごめきが開始されているなかで、この策動を下支えするかのように、「ロシアとウクライナは武器を置き停戦を」などと唱えているのが、ヨーロッパ「左翼」の一部の者たちにほかなりません。私たちはこうしたデタラメな「左翼」にたいする批判の矢をさらに放っていこうではありませんか。
 彼らは言います。「ロシアよりも、ロシアを追いつめたNATOの方が悪い」、だから「NATOがウクライナに武器を送るのに反対すべきだ」と。今、こうした主張をするのは、ウクライナ人民にたいしてプーチンに膝を屈するか・丸腰で戦って死ぬかを選べというに等しいではありませんか。
 最もたちが悪いのになると、「ウクライナ人は民族主義イデオロギーにかりたてられている。支援すべきレジスタンスなどない」、このような悪罵をウクライナ人民に投げつける。こういう輩のすべてに共通しているのは、「誰が・誰を・侵略しているのか」、この出発点を意図的にアイマイにしているということであり、そして今ウクライナを呑みこもうとしている侵略者プーチンにたいする、階級的な怒りと憎しみのまったき欠如にほかなりません。
 「ロシアよりもNATOの方が悪い」と彼らはうそぶくが、「ロシアとNATOとどっちが悪いか」などという非場所的で評論家然とした問題のたてかたそれじたいが、彼らの発想が徹頭徹尾「パワーポリティクス」にはまりこんだものでしかなく、虐げられた労働者・人民の立場にたってこの戦争に立ちむかっていないことを、如実に示しているではありませんか。こういう者たちは、国際主義者でも、いわんや共産主義者でも断じてありません。
 私たちは、こうしたインチキ「左翼」どもの主張をもイデオロギー的に粉砕しつつ、ウクライナ反戦闘争の爆発をかちとるために奮闘しようではありませんか。そしてそのただなかで、私たちは、全世界の労働者・人民に声を大にして訴えようではありませんか。
 「たたかうウクライナ人民を孤立させるな! 領土強奪を狙うプーチンの暴虐からウクライナの兄弟たちを守れ!」と。
 プーチンの侵略をうち砕く反戦の闘いをプロレタリア国際主義の立場にたって創造することは、世界の労働者階級・人民の責務なのだ!
 欧米の労働者・人民は、「ウクライナ支援をやめよ」と叫ぶ極右どもの排外主義の鼓吹をうち破り、ウクライナ反戦闘争に起て! ガザ・ジェノサイドに憤激し起ちあがる人民は、ネタニヤフと同様の虐殺者プーチンにたいしても怒りを燃やして決起せよ!
 かつてソ連クレムリン官僚の暴虐とたたかったハンガリー・ポーランドなどの東欧の労働者・人民よ! もしもプーチンがウクライナの領土の一部を力ずくでもぎ取るかたちでの「戦争の終結」にこぎつけたならば、プーチンはその侵略の魔手を東欧の旧ソ連圏へとのばそうとするにちがいない。ウクライナの兄弟たちと連帯し支援し、「スターリンの末裔」プーチンの野望を粉砕せよ!
 ロシアの労働者・人民よ! 「ロシア兵」として駆りだされている人民よ! たたかうウクライナ人民と連帯し、「ウクライナ侵略戦争反対―FSB強権型支配体制打倒」に起て! ソ連邦の崩壊後に国有財産を簒奪して支配者にのしあがったFSB官僚ども、この輩どもが「大国ソ連」の版図復活の野望にもとづいてしかけているウクライナ侵略戦争をなんとしても粉砕せよ! この世紀の大犯罪を断じて許してはならない!
 たたかう労働者・学生のみなさん! プーチンがウクライナへの侵略を開始してから二年半。<プーチンの戦争>反対の闘いを世界の先頭で推進してきた私たちは、今が正念場なのです。たたかう労働者・学生は、<プーチンの戦争>粉砕の反戦の嵐を巻きおこすために、総力をあげてたたかおうではありませんか!

以下 見出し

 B ガザ人民ジェノサイドと新たな戦争放火にうってでるネタニヤフ

U 米―中・露の〈新東西冷戦〉下で高まる核戦争勃発の危機

A 東アジアにおける熱核戦争勃発の危機の高まり

B 反米同盟を強化する中・露と対中・露グローバル同盟を強化する米・日


 
(つづく)
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全国七ヵ所で国際反戦集会を実現



 八月四日、わが同盟と全学連・反戦青年委員会は、全国七ヵ所で国際反戦集会を開催し成功裡に実現した。東海地方のたたかう労働者・学生は名古屋市の東別院ホールにおいて国際反戦東海集会を意気高くかちとった。

   革命的反戦闘争の更なる前進を誓う東海地方の労働者・学生たち
(8月4日、名古屋市・東別院ホール)
 

 八月四日に、沖縄のたたかう労働者・学生は、国際反戦沖縄集会を断固として実現した。参加した労働者・学生は、核基地の島・沖縄から、<東西新冷戦>下の熱核戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争の一大高揚をかちとる決意をうち固めた。

  沖縄・南西諸島の軍事要塞化阻止の反戦・反安保闘争をきりひらく拠点をうち固めた闘う労・学
(8月4日、浦添市)
 

 八月四日、九州のたたかう労働者・学生は、福岡市博多市民センターにおいて、第六十二回国際反戦九州集会を断固として実現した。

   国際反戦闘争の前進誓う九州の労・学
(8月4日、福岡市)


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ショルツのジレンマ

対イスラエル軍事支援をなし崩しに停止したドイツ



 ドイツ政府がイスラエルへの兵器輸出の認可を停止していた、ということが報じられた(『毎日新聞』七月二十六日付)。ところがドイツ政府は、三月になされたとされるこの停止決定を今日にいたるも公表していない。そもそもドイツはイスラエルの武器輸入量の三割を占めているのであって、この重大決定について沈黙すること自体が異常なことだ。これは、イスラエル支持を非難する国内外からの抗議をかわすための、姑息きわまるなしくずし以外のなにものでもない。
 認可停止という事実を漏らした≠フは、ドイツ政府ではなく、ドイツ行政裁判所である。それも、人権団体が起こした訴訟にたいする判決文のなかの一行として触れただけだ。しかも、六月十日に下されたこの判決なるものは、ガザの「パレスチナ人権センター」(PCHR)がドイツの「欧州憲法人権センター」(ECCHR)と共同でおこなった提訴――独政府のイスラエルへの武器供与が戦争犯罪への協力であり違法であるとするそれ――を却下する判決であった。要するに、ドイツはすでに武器輸出を認可していないのだから国法を犯しておらず提訴は不当である、という居直りの判決だ。
 ドイツ政府は他方では、イスラエルのガザ人民虐殺を弾劾する国内の反対運動を弾圧しつづけている。ドイツでは、イスラエルの行為を「ジェノサイド」と表現し表明することそれ自体が「反ユダヤ主義のヘイト」とみなされるだけでなく、「ユダヤ人の自決権」を否定する「犯罪」として法律に記されており、処罰される。このような理不尽に当然にも怒りを燃やして、アメリカやフランスの学生に呼応するドイツの学生が六月いご、ベルリン自由大学、フンボルト大学(ベルリン)、ライプチヒ大学などで次々と校舎占拠の闘いに起ちあがった。ショルツ政権は学生の決起を「意見の表明ではなく犯罪行為だ」(ベルリン市長の言)と烙印して学生を逮捕・起訴するという許しがたい弾圧に狂奔している。
 このようななかで、ドイツ国内法を逆手にとった法廷闘争も開始された。そのひとつが、ECCHRがガザ人民と連携しておこなった提訴であった。
 ドイツには、「紛争地に武器を供与しないという原則」が建前としてある。にもかかわらずドイツ政府は、イスラエルにたいしては、この「原則」を公然と破ってきた。これにたいして提訴者は、「戦争犯罪がなされるかもしれない国には兵器輸出をしてはならない」というドイツの国内法を活用して訴えたのだ。イスラエルは戦争犯罪をおこなっている国ではないか、と。
 四月に開始されたこの法廷闘争は、国際刑事裁判所(ICC)が「戦争犯罪」の名においてネタニヤフに逮捕状を請求(五月二十日)したことに力を得て、ショルツ政権を追いつめた。EUの一員としてはICC決定を公然と否定するわけにはゆかず、しかしイスラエルの戦争犯罪への加担という提訴内容を認めることは絶対にできない、というジレンマに立たされたショルツ政権は、提訴内容には答えず「兵器輸出停止」を理由にして却下する、という姑息なのりきり策を弄したのだ。


以下 見出し

国際的非難をかわす術策

「ジェノサイド反対」を「反ユダヤ主義」と烙印


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バングラデシュ――学生・人民の決起で政権が倒壊



 バングラデシュで七月いこう高揚してきた、学生を中心とした人民の反政府闘争。三〇〇人超もの犠牲者を出しながらも果敢にたたかいぬかれたこの闘争の爆発に直面して、追いつめられた首相シェイク・ハシナ(「建国の父」ことラーマン初代大統領の娘)は八月五日をもって辞任しインドへ亡命した。ただちにバングラデシュ国軍の主導のもとに、ムハマド・ユヌス(グラミン銀行創設者、ノーベル平和賞受賞者)を「最高顧問」に据えた暫定政権がつくりだされた。二〇〇九年いらい人民の頭上に君臨し圧政を敷いてきたハシナ政権はここに崩落した。
 今回の反政府闘争の直接の契機は、一九七一年のバングラデシュ独立戦争を戦った兵士の子孫に公務員の特別採用枠を割り当てる制度(公職クオータ制)を反対運動におされた政府がいったんは廃止(二〇一八年)したことをめぐって、この廃止を「違憲」とする決定を高等裁判所がおこなった(今年六月五日)ことだった。この「公職クオータ制復活=v決定にたいして「不平等だ」と怒った学生たちの抗議デモが高揚。この学生たちにたいしてハシナ政権は警察や特殊部隊をさしむけ、殴る蹴るの暴行・大量逮捕のみならず銃撃による殺害にもおよんだ。
 残忍な弾圧の模様はたちまちSNSで拡散され、学生たちの怒りは全土で爆発、「政権打倒」の闘いへと高揚。ここにいたってハシナはついに闘争鎮圧のための最後の手段として軍を招集したが、軍参謀総長ザマンは逆にハシナに辞任を迫った。頼みの軍からも見放され万策尽きたハシナは、軍の用意したヘリで逃げさるほかなかった。
 「公職クオータ制」をめぐる高裁決定を直接のきっかけとしたこの反政府闘争の爆発こそは、十五年にわたるハシナ政権の長期治政下で極限まで深まってきた「経済格差」と、政府による人民弾圧体制の強化にたいする、積もり積もった学生・人民の怒りの噴出にほかならない。


以下 見出し

「経済格差」の天文学的拡大への怒り

人民の生き血を吸う欧米日と中国の権力者


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沖縄県民大集会で奮闘
 
8・10 宜野湾市

 八月十日、米兵による少女暴行と政府による事件隠蔽に抗議する県民大集会が開催された。日米両政府への怒りに燃えて二五〇〇名の労働者・人民が起ちあがった。その最先頭で<反安保>の旗高く奮闘したのが琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちにほかならない。
8・10県民大集会で奮闘する闘う学生
  集会終了後に学生たちがシュプレヒコール
(宜野湾市)
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「日米2+2反対!」
 
米総領事館・自民道連に抗議 7・28 札幌

 七月二十八日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会の労働者は、日米安保協議委員会「2プラス2」反対の決意も固く、在札幌の米総領事館と自民党道連にたいする連続闘争に決起した。
在札幌アメリカ総領事館前で日米「2プラス2」反対を掲げ闘う
(7・28、札幌市)
全学連道共闘旗をひるがえし自民党道連前で奮闘
(7・28、札幌市)
 
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