第2775号(2023年7月3日)の内容

<1・8面>
大軍拡に反撃
 6・18労学統一行動
<1面>
首都
<8面>
関西北海道
<2面>
軍拡財源法の制定阻止!
 6・13那覇6・16札幌
<5面>
岸田政権によるマイナンバーカード取得強制を許すな!
英国労働者が大規模スト
<4面>
日共式「岸田大軍拡反対」方針の反労働者性
<6面>
原子炉崩落の危機 福島第一原発
10月再稼働が破綻 柏崎刈羽原発
<7面>
Topics 「骨太方針」―転職・配転の強制
定年後再雇用労働者が過労死
鳥インフル殺処分で過酷な労働
<3面>
万華鏡2023――情勢の断層を読む
日英豪の軍事同盟
「反スパイ闘争」
スーダン内戦の裏側
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
「解放」最新号


















  

反戦反安保・改憲阻止の火柱 6・18

既成反対運動の沈黙を打ち破り全学連・反戦が戦闘的デモ


 
 岸田政権への怒りに燃え全学連・反戦の白ヘル部隊が国会・首相官邸へと進撃
(6月18日、東京都港区)
 六月十八日、全学連と反戦青年委員会は、全国において「日本の大軍拡・憲法改悪阻止!」「プーチン・ロシアのウクライナ侵略を打ち砕け!」を掲げ、労学統一行動に決起した。首都圏のたたかう労働者・学生は、首都中枢を席巻するデモンストレーションを断固としてうちぬいた。
 岸田政権は通常国会において、日本の軍事強国化と日本型ネオ・ファシズム支配体制強化のための数々の反動法を次々と成立させた。軍拡財源法と軍需産業強化法(軍拡二法)、原発推進をうたったGX電源法、国民総監視体制強化のための改定マイナンバー法、外国人難民を排斥する改定入管法、差別増進法≠ニいうべきLGBTQ法――これら歴代のどの政権もなしえなかった極反動法を、院内での抵抗さえも放棄した野党の総屈服と日共中央による反対運動の完全放棄に助けられて、一挙に制定したのが岸田日本型ネオ・ファシズム政権なのだ。
 岸田政権が今夏今秋にうちおろそうとしている日本の軍事強国化・憲法改悪の総攻撃を断じて許すな! この決意に燃えて、戦闘的・革命的労働者とたたかう学生は勇躍決起した。岸田政権の反動諸攻撃にたいして、なにひとつ大衆闘争をつくりだすことをしない日共・志位指導部の大犯罪を弾劾しのりこえるかたちで、国会・首相官邸に「大軍拡阻止! 安保粉砕! ファシズム反対!」の怒りの巨弾を叩きこんだのだ。
 わがたたかう労学は、<プーチンの戦争>を打ち砕く烈々たる闘志に燃えて、一切の既成「左翼」どもの死の沈黙を弾劾し、ウクライナ反戦の火柱を日本の地において断固としてぶちあげた。ウクライナの軍と人民による反転攻勢を阻むために、カホフカダムを爆破しドニプロ川下流域を人民もろとも大洪水に叩きこむという今ヒトラー・プーチンの新たな大犯罪を満腔の怒りをこめて弾劾してたたかいぬいたのだ。

国会・首相官邸へ白ヘル部隊が進撃

 午後二時三十分、芝公園二十三号地から労学の白ヘル部隊がデモにうってでた。
 
 ロシア大使館に弾劾の拳を叩きつける労学
(6月18日、東京都港区・神谷町交差点)
 労学のデモ隊は、「日本の大軍拡を許すな! 改憲阻止! 安保粉砕! <プーチンの戦争>粉砕!」と大書された横断幕と、真紅の全学連旗・反戦旗・革マル旗を高々と掲げて、力強い足取りで進撃する。「日米グローバル同盟反対!」「米―中・露激突下の戦乱勃発の危機を突き破れ!」などのスローガンが書かれた赤・青・緑の色とりどりの幟旗が翻る。初夏の日射しが強く照りつけるなか、この暑さをものともせず、労働者・学生は怒濤のようにシュプレヒコールを轟かせながら進撃した。
 神谷町交差点に近づいてきた。左手にあるのがロシア大使館だ。侵略者プーチンへの怒りに燃えたデモ隊の労学は拳を固く握りしめロシア大使館に向かって身構えた。たたかう学生がよびかけた。「カホフカダム爆破という大犯罪に手を染めたプーチンに弾劾の嵐を叩きつけよ! ロシア軍を叩きだすためにたたかうウクライナ人民と連帯してプーチンを怒りの炎で包囲せよ!」
 デモ隊のシュプレヒコールがあたり一帯を制するほどの大音量で響きわたった。「プーチンの戦争を打ち砕くぞ!」「カホフカダム爆破弾劾!」「ロシア人民は反戦闘争に起ちあがれ!」「ウクライナ人民と連帯してたたかうぞ!」
 ロシア大使館に怒りの拳を叩きつけたデモ隊は、さらに桜田通りを北上した。
 アメリカ大使館に向けて「日米グローバル同盟粉砕!」「アジア版NATO構築阻止!」のシュプレヒコールを叩きつけた後、デモ隊は一路国会に向けてすすむ。「軍拡反対・安保粉砕」力強いかけ声をあげながら、デモ隊は一糸乱れぬ隊列で進撃してゆく。
 霞が関二丁目交差点にさしかかった。国会議事堂が眼前に見える。つい先日の六月十六日に、労働者・人民の反対の声をふみにじって軍拡財源法の参院本会議での可決を強行したのが岸田政権だ。なにひとつ反対闘争を組織化することなく、院内での立民との「共闘」にいそしんできた日共中央、この犯罪的対応のゆえに岸田政権の反動諸攻撃が許されているのだ。
 労学は怒りに燃えて拳をふりあげた。
 「軍拡財源法の制定弾劾!」「先制攻撃体制の構築阻止!」「安保破棄めざしたたかうぞ!」「改憲発議を阻止するぞ!」「岸田政権を打倒するぞ!」
 デモ隊は国会周辺・官庁街一帯を席巻しつつ、岸田反動政権を弾劾する怒りの声を轟かせた。
 こうしてたたかう労学は、日比谷公園までのデモを終始戦闘的にうちぬいたのだ。

米―中・露激突下の戦乱勃発の危機を突き破れ――総決起集会

<プーチンの戦争>を粉砕せよ!――わが同盟代表が連帯挨拶

岸田日本型ネオ・ファシズム政権打倒めざして前進せよ

 6・18労学統一行動を総力をあげて実現した首都圏の、そして全国の労働者・学生諸君!
 数々の反動法案を強行採決した岸田日本型ネオ・ファシズム政権が、既成反対運動の沈黙に乗じて大軍拡・改憲にむけた反動攻撃に拍車をかけようとしていたこの重大な局面において、わが労学は既成反対運動の度しがたい腐敗を弾劾しのりこえて、国会・首相官邸を席巻する<反戦反安保・改憲阻止>のうねりを巻きおこした。
 岸田政権による反動諸法制定の攻撃にたいして、「連合」指導部は黙認≠ニいうかたちでエールを送る大犯罪をはたらいた。そして日共・志位指導部は、党内の四分五裂状況に脅え、運動をやれば組織が分裂する≠ニ悲鳴をあげながら、反対運動の組織化を完全に放棄し・立民との「院内共闘」に没入したのであった。こうした既成反対運動の惨状を突き破って、六波にわたる対国会闘争をうちぬき、また大学キャンパスにおいて反戦・反改憲のうねりを巻きおこしてきたのが全学連のたたかう学生たちだ。そして職場深部から不屈の闘いをつくりだしてきたのが戦闘的・革命的労働者たちなのだ。
 まさにこうした労学両戦線において獅子奮迅の闘いを創造してきた労学の力を総結集してうちぬかれたのが、東京・全国における6・18闘争にほかならない。この闘いこそは、岸田政権による大軍拡と貧困の強制、ファシズム支配体制強化の攻撃をうち破り、日本労働者階級・人民の未来を切りひらく道を赤々と照らしだしたのだ。
 第二に、わが労学は、ウクライナの軍と人民がロシアに占領された地域を奪還するための反転攻勢にうってでている局面において、ウクライナ反戦の火柱をぶちあげた。カホフカダムの爆破というプーチンの犯罪をまえにしてもなお沈黙し、プーチンを擁護する自称「左翼」どもの腐敗を弾劾し、「カホフカダム爆破弾劾! スターリンの末裔・プーチンの犯罪を許すな!」の怒りの声を首都・全国から轟かせたのだ。
 この闘いは、侵略軍を撃破するために命がけで戦うウクライナ人民への熱烈な檄となったのだ。日本の地からこうした闘いをさらに推進し・この闘いを全世界に波及させることこそが、ロシアの軍事侵略を打ち砕く力となるのである。
 「ロシア人民は、プーチンの強権的弾圧に抗し、反戦の闘いに起ちあがれ!『一九一七年』の精神を<いま・ここ>で呼びさまし、ソ連邦の国有財産の簒奪者たるプーチンの打倒めざして前進せよ!」「ウクライナ人民は、プーチン政権に抗するロシア人民と連帯して、侵略軍を叩きだせ! ウクライナ人民の戦いに鼓舞されてロシアにおいて『侵略戦争を内乱に転化する』戦いが呼び起こされたまさにその時には、ウクライナ人民は一九一七年革命に合流したあの精神をよみがえらせ、真実の共同体をユーラシアの大地にうちたてる道に向かって前進しよう!」――こうしたわが同盟が発したロシア・ウクライナの労働者・人民への革命的よびかけ、このよびかけをわがものとし・同時にみずからもまた発しつつたたかいぬいたのが、戦闘的・革命的な労働者・学生たちにほかならない。
 このように本闘争をたたかったことは、反スターリン主義革命的左翼の真価を遺憾なく発揮した巨大な意義をもっているのだ。
 さらには、ロシアのウクライナ侵略を契機として米―中・露の激突が熾烈となり、台湾・朝鮮半島を焦点として熱核戦争勃発の危機が高まるただなかで、日米グローバル同盟の強化とアジア版NATOの構築に反対し、同時に台湾併呑をたくらむ中国権力者の軍事行動を弾劾する反戦の炎を赤々と燃えあがらせたこともまた、第三の意義としてうち固めようではないか。
 6・18闘争の戦闘的高揚にふまえさらに前進せよ!
 台湾をめぐる米・中の軍事的角逐が熾烈となるなかで岸田政権は、対中・対露の核軍事包囲網の形成をたくらむバイデン政権の先兵となって、NATO軍事演習への日本国軍の参加、南西諸島へのミサイル配備、中国・北朝鮮を先制攻撃しうる軍事体制の構築に猛突進している。この岸田政権による一大軍拡・日米グローバル同盟強化を打ち砕く反戦反安保の闘いを、全国のキャンパスから、職場深部から創造せよ! 憲法第九条の大改悪と緊急事態条項の創設を打ち砕け! 改憲発議を阻止する全人民的なうねりを創造せよ!
 改憲・大軍拡、「労働市場改革」の名による解雇・賃下げ攻撃、原発・核開発、国民総監視体制強化のためのマイナンバーカード強制など、岸田政権のあらゆる攻撃に反対する闘いを集約し、岸田日本型ネオ・ファシズム政権の打倒めざしてたたかおう!

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御堂筋を戦闘的デモで席巻

6・18全関西労学統一行動 大阪

 
「安保粉砕! 内閣打倒!」のかけ声高く大阪中心部で
デモを展開する関西の労学(6月18日)
 六月十八日、全学連関西共闘会議と反戦青年委員会は、大阪において反戦反安保労学統一行動に勇躍決起した。G7広島サミットを区切りとして、米―中激突の危機がいよいよ高まるもとで、岸田政権は大軍拡財源確保法などの反動諸法の制定を強行した。たたかう労働者・学生は、軍事強国化に突進する岸田政権への憤激を燃やすとともに、世界的戦乱勃発の危機を突き破る決意をうち固め、この日の闘争に勇躍決起した。
 午後二時十分、白ヘルとゼッケンで身を固めた労学の部隊が、大阪市西区のうつぼ公園から勢いよくデモにうってでた。先頭には「ロシアのウクライナ侵略阻止! 反戦反安保・改憲阻止! 大軍拡・大増税を許すな!」と大書された横断幕がひるがえる。各大学の幟や「沖縄・南西諸島の軍事要塞化反対!」などと書かれた色とりどりの幟が続く。デモ隊は「安保粉砕!」「改憲阻止!」「内閣打倒!」「プーチン倒せ!」というかけ声を発しながら力強く進む。
 
 
「岸田政権打倒!」決意を固める労学
(6月18日、大阪市)
デモ隊は大阪の中心・御堂筋にでて南に進撃する。「大軍拡二法の制定弾劾!」「先制攻撃体制の構築反対!」「憲法改悪阻止!」「日米グローバル同盟の強化粉砕!」「中国の威嚇的軍事行動反対!」「米―中露激突下の大戦勃発の危機を突き破るぞ!」「岸田ネオ・ファシズム政権を打倒するぞ!」デモ隊の闘志みなぎる雄叫びが響きわたる。デモ隊が心斎橋にさしかかると、沿道の労働者・市民がいっせいに注目する。
 たたかう労学は、難波・元町中公園まで戦闘的にデモを貫徹し、大阪の地に<反戦反安保・改憲阻止><ウクライナ反戦>の火柱を赤あかとぶちあげたのだ。

  
自民党道連に怒りの拳

6・18全道労学統一行動 札幌


 
「改憲阻止! 安保粉砕!」のかけ声高く北海道の労学が
戦闘的デモをくりひろげる(6月18日、札幌市)
 六月十八日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と全道から結集した反戦青年委員会の戦闘的・革命的労働者は、札幌市中心部において「改憲・大軍拡阻止! <プーチンの戦争>を打ち砕け!」を掲げ、全道労学統一行動に決起した。
 「いくぞー!」午後二時十五分、中島公園で隊列を組んだ白ヘル部隊は、たたかう学生の合図でデモ行進を開始する。「改憲阻止! 安保粉砕!」のかけ声をあげながら、デモ隊は自民党道連をめざして北上する。隊列の先頭には「改憲・大軍拡阻止!」と赤字で大書した横断幕がひるがえる。労働者・学生は怒りに燃えてシュプレヒコールをあげる。「軍拡財源法の制定弾劾!」「軍需産業強化法の制定弾劾!」「先制攻撃体制の構築反対!」シュプレヒコールにあわせ参加者たちは、手に持った幟やプラカードを高くつきあげる。
 
 
 労学が反戦反安保・ウクライナ反戦のシュプレヒコール
(6・18、札幌市・中島公園)
繁華街をぬけ大通公園にさしかかるとデモ隊は進路を西にかえる。大通公園沿いの歩道から青年が、労・学の部隊に呼応して拳をつきあげる。札幌駅前通りを北進するデモ隊に、道庁前の赤れんがテラスで男性が身をのりだすようにして労・学の部隊に注目する。
 いよいよ自民党道連が入るビルが見えてきた。労・学は道連にたいして嵐のようなシュプレヒコールをたたきつける。「ネオ・ファシズム支配体制の強化反対!」「岸田政権の打倒めざしてたたかうぞ!」全道の労・学は、既成反対運動の沈黙をつきやぶり、この日のデモを最後まで戦闘的にたたかいぬいたのだ。
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岸田政権によるマイナンバーカード取得強制を許すな!

 六月二十一日、首相・岸田は、労働者・人民の怒りと不信の声を傲然と踏みにじって、現行の健康保険証廃止とマイナンバーカード取得の義務化をあくまでも強行することを宣言した。われわれは、「令和版デジタル行財政改革」の名のもとに労働者・人民の総監視=総管理体制を強化するマイナンバーカード取得義務化を断固として粉砕しようではないか!
 この岸田政権の策動にたいする労働者・人民の怒りの声は、全国各地において日に日に高まっている。毎日のように、保険医療・年金などマイナンバーカードにまつわる深刻なトラブルが頻発しているのだ。病院窓口においてマイナ保険証を利用できず「十割負担」を強いられた事例は一二九一件、別人の医療情報がひもづけられた「誤登録」は七三〇〇件超、公金受取口座に別人の口座が誤登録された事例は実に一三万件におよんでいる。労働者・人民の生活に欠くことのできない医療・保険・年金などを脅かすトラブルに見舞われている労働者・人民の怒りと不信は全国に広まりつつある。
 これを抑えこみ来年秋に現行保険証の廃止とマイナンバーカードへの一体化をなんとしても強行するために、岸田政権は、「トラブルの総点検」をおこなうと称して「マイナンバー情報総点検本部」なるものを立ちあげた。その本部長たるデジタル相・河野はあいつぐトラブルにかんしてこうほざいた。「マイナンバーカードの仕組みやシステムに起因するものは一つもない」「問題は制度ではなく人為的ミスにある」と。この男は、マイナンバーカードにかんする誤記載・誤登録などのトラブルの一切を、事務手続きを担った自治体労働者のミスによって引き起こされたものだと強弁しているのだ。この犯罪的言辞をすべての労働者・人民は怒りを込めて弾劾せよ!
 全国の自治体労働者は、九七〇〇万人分を超えるマイナンバーカード発行手続きにともなう膨大な事務作業を遂行するために、連日連夜にわたって労働強化と超長時間労働を強いられている。岸田政権は、この膨大な事務作業を担ってきた労働者に一切合切の責任を転嫁して健康保険証のマイナカードへの一体化をあくまでも強行しようとしているのだ。この目論見をつらぬくためにこの政権は、「新型コロナ並みの対応をおこなえ」などと関係省庁・自治体当局に号令を発し、今秋までにカード取得者の「総点検」をおこなうことを強制している。
 すべての労働者・学生・人民諸君! 全国で相次ぐトラブルを招いた失策を居直る岸田政権を弾劾せよ! 労働者・人民の個人情報を国家のもとに一元的に管理することを狙ったマイナンバーカード取得の強制を断じて許すな!

強権的=軍事的支配体制強化のためのデジタル国民総背番号制

 岸田政権は、全国民の医療、税・所得・口座、年金、子供・子育て、世帯情報、福祉・介護、雇用保険・労災など二十九項目におよぶ全個人情報(別表)を、十二ケタの個人番号をもって国家が監視し管理するために、マイナンバーカードの取得義務化に拍車をかけている。さらに、このカードに運転免許証をも一体化することを企んでいる。〔マイナカードのスマホ搭載が開始された。これは人民監視を一挙的に強化する策動だ。〕
 明らかに、労働者・人民の生活実態、経歴、思想傾向を国家が把握し、「デジタル個人情報」として一元的に集約・管理する体制を、すなわちデジタル国民総背番号制≠構築することを企んでいるのが岸田日本型ネオ・ファシズム政権にほかならない。それは、この政権がいま飛躍的におしすすめている日本の軍事強国化の策動と表裏一体の攻撃なのだ。
 プーチン・ロシアによるウクライナ軍事侵略の強行、この世紀の蛮行を渡りに船として、岸田政権は、強大な核軍事力をバックとして台湾の早期併呑を策す習近平の中国やICBM開発・配備に狂奔する金正恩の北朝鮮にたいする先制攻撃体制の構築に突進している。この政権は、アジア・欧州にまたがるアメリカ主導のグローバルな対中国(対ロシア)包囲網の構築を最先頭で担う世界の軍事強国≠ノのしあがらんとしている。まさにこの軍事強国・日本にふさわしい強権的=軍事的支配体制の強化に突進しているのがこのネオ・ファシスト政権なのだ。
 それだけではない。デジタル化の遅れを挽回せよ≠ニいう独占資本家階級の要求を体して、岸田政権は「令和版デジタル行財政改革」を旗印としたマイナンバー制度の構築に血眼となっている。事業規模二兆円ともいわれるマイナンバー関連事業には、ICT企業の独占ブルジョアどもが、ここぞとばかりに群がっている。NTTや富士通、パナソニックなどの情報通信独占体や電機独占体がそのシステム構築を担っている。また、「先進医療の開発」のためと称して、製薬資本が一億人の医療・保険情報=ビッグデータに群がっているのだ。「国民の利便性向上」なる謳い文句のもとに、岸田政権は、日本のICT独占体諸企業に膨大な利益を提供しようとしているのだ。

ネオ・ファシズム反動化阻止! 軍事強国化反対!

 われわれは、すべての労働者・学生諸君によびかける! 岸田政権による健康保険証の廃止―マイナンバーカードの取得強制の策動が、軍事強国にふさわしい日本型ネオ・ファシズム支配体制を飛躍的に強化する一大攻撃であることを断固として暴きだせ! マイナンバー制度を活用した国民総監視=総管理体制の構築を許すな!
 同時にわれわれは、岸田政権が「安保三文書」策定を区切りとしておしすすめている日本の軍事強国化と日米グローバル同盟強化に反対する反戦反安保闘争をおしすすめていくのでなければならない。
 <戦争を遂行する国>への飛躍を狙う岸田政権のネオ・ファシズム反動攻撃を打ち砕け! 岸田政権・自民党は憲法改悪の策動にいま一気に拍車をかけている。このかん岸田自民党は、与党公明党および日本維新の会や国民民主党を抱きこんで、衆参両院の憲法審査会において改憲条文案策定にむけた審議に血道をあげてきた。自民党議員どもは、首相・内閣に「緊急政令発布」の権限を付与せよ≠ネどとほざいている。その狙いは、「有事」にさいして労働者・人民を総動員するために、首相・内閣が、かつて「全権委任法」によって行政府に立法権を握らせたナチスのヒトラー同様の権限を手にすることにある。
 すべての労働者・学生諸君! マイナンバーカード取得強制反対の闘いを<反ファシズム>の旗高くたたかうとともに、反戦反安保闘争や<増税阻止>の政治経済闘争と結びつけおしすすめようではないか。これらすべての闘いを総集約し、岸田日本型ネオ・ファシズム政権打倒めざしてたたかおう。
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日共式「岸田大軍拡反対」方針の反労働者性

 六月二十一日に幕を閉じた今国会において、岸田自民党政権は、日本を軍事強国へと押しあげるための極反動法を次々と制定した。この日本型ネオ・ファシズム政権の攻撃にたいして、六波にわたる対国会闘争に連続的に決起したのが全学連のたたかう学生であり、「連合」労働貴族や「全労連」のダラ幹の闘争抑圧と歪曲に抗して各職場での闘いを創造してきたのが戦闘的・革命的労働者なのだ。
 だが、この決定的なときに日本共産党の志位指導部は、岸田政権の軍拡財源法制定阻止の大衆的闘いを呼びかけもしなかっただけではない。彼らは、国会会期末が迫るなかで首相・岸田が「解散・総選挙」の恫喝をしかけたことにたいして、ただただ、「解散をもてあそんではならない」などと悲鳴をあげ完全に腰砕けとなったのだ。
 すべてのたたかう労働者・学生は、闘争放棄を決めこむ日共中央を弾劾し、反戦反安保・改憲阻止・ネオファシズム反動化阻止の闘いの爆発をかちとろうではないか! 心あるすべての日共党員諸君! 腐敗した志位指導部と決別し、わが同盟とともに<軍事大国化阻止!>の闘いに起ちあがれ!

T 反動諸法制定阻止闘争の完全な放棄

U 「日米軍事同盟反対」の蒸発

  「憲法第九条改悪反対」の後景化

V 日共式統一戦線戦術≠フ破綻

W 「日中両政府への提言」の犯罪性

 こんにちの日共中央は、とどまるところを知らない腐敗・変質をさらけだしている。彼らは、@「互いに脅威とならない」という日中共同声明(二〇〇八年)、A尖閣諸島問題などは「対話と協議」で解決する日中合意(二〇一四年)、B「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を目標とした東アジア地域の協力、――これらを「共通の土台」とした「外交努力」なるものを岸田・習近平両政権に要請する「提言」を発表した。そして「(日中)双方から肯定的な受けとめが得られた」などと欣喜雀躍して喧伝しているのが志位指導部である。「敵基地攻撃能力保有と大軍拡に対するわが党の厳しい立場は明確ですが、それを『提言』のなかではあえて書いていません」などとわざわざ断りをいれながら。
 このような「提言」なるものは、日共中央が現代世界において高まる熱核戦争勃発の危機を突き破る反戦の闘いから完全逃亡していることを押し隠す煙幕いがいのなにものでもない。日共中央は、自党を現実政治を動かす党であるかのように見せかけるために、この「提言」を「両国政府が受け入れ可能」であるがゆえに「現状を前向きに打開するうえで実効性のある内容」だなどと喧伝しているのだ。だが、米日両権力者による対中軍事包囲網強化を弾劾することも、中国の台湾併呑のための軍事力強化の犯罪性を弾劾することもない「提言」など、なんの力をもつというのか。
 見よ! バイデン政権に尻を叩かれた日本帝国主義の岸田政権は、日米軍事同盟を対中攻守同盟として飛躍的に強化するとともに、日米安保条約などの国際法的根拠がないにもかかわらず、「2プラス2」のガイドラインや円滑化協定などの軍および武器・弾薬の運用にかかわる国際的取り決めにもとづいて韓・豪・英およびNATOとの軍事的連携を強化しているのだ。現に岸田は、NATO日本事務所の設置要請にのりだし、またNATO史上最大の軍事演習に日本国軍を歴史上はじめて派遣した。
 この米・日両権力者の攻撃にたいして、労働者階級を中核とする全人民の反戦反安保闘争を組織することなくして、岸田や習近平などの権力者にたいして「共通の土台」に立ってください≠ネどとお願いするなどというのは、こうした権力者どもが軍事政策と一体で展開する瞞着外交にたいする、労働者・人民の幻想を煽ることにしかならないのだ。
 彼らがこうした錯誤に陥る主体的根拠こそは、日米軍事同盟の帝国主義階級同盟としての本質を無視抹殺し、日米軍事同盟が存在することを前提として現存政府が「平和の外交政策」を即採用することが可能であるなどと観念していることにある。
 いまや代々木官僚は、現存する帝国主義国家およびネオ・スターリン主義国家の階級性・党派性を不問に付して、米・日や中国のそれぞれの権力者が「外交的話し合い」を進めることをつうじて「平和の国際秩序」を形成するならば熱核戦争の勃発を抑止しうるなどという妄想にとりつかれている。そして労働者・学生・人民の反戦の闘いを、この権力者間の外交交渉を尻押しするものへと解消しているのだ。
 現に東アジアにおいては、米・日両権力者と中国権力者との軍事的角逐によって戦争勃発の危機がうみだされている。この危機を突き破るためには、これら権力者どもの軍事政策の展開に反対する労働者・人民の反戦の闘いを創造するのでなければならない。中国の「力による一方的な現状変更」にたいして「法の支配にもとづく国際秩序を維持する」と叫んで、帝国主義ブルジョアジーの階級的利害を貫徹するために日米軍事同盟を強化しているのが、米・日の両権力者にほかならない。これにたいして「社会主義現代化強国」への飛躍という世界制覇戦略にもとづいて中国のスターリニスト官僚としての党派的・官僚的利害――全世界のプロレタリアート自己解放の闘いに真っ向から敵対するそれ――を貫徹するために対米挑戦にうってでているのが習近平らのネオ・スターリニスト官僚である。
 これら米・日―中の権力者どもはそれぞれの階級的・党派的の利害をかけて角逐しているのであって、この両者の非和解性を無視して「共通の土台」に立って話し合い外交を進めれば「平和」が実現できるかのように吹聴するのは、労働者・人民の反戦闘争の組織化を阻害するものであり、反プロレタリア的犯罪いがいのなにものでもない。
 米―中激突下で高まる世界大戦・熱核戦争勃発の危機を突き破る道はただひとつ、米・日と中国それぞれの権力者に支配されている労働者・人民の国境を越えた団結を創造し、これにもとづく反戦の闘いを組織化する以外にはありえないのだ。

 すべての労働者・学生諸君! われわれは、いっさいの大衆闘争を放棄し票田開拓に埋没する日共中央をのりこえ、反戦反安保・改憲阻止の闘いの断固たる前進をかちとるのでなければならない。たたかうウクライナ人民と連帯し、ウクライナ反戦の一大高揚をかちとろうではないか!
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福島第一原発の原子炉崩落の危機

労働者人民を新たな核惨事に叩きこむ政府・東電を許すな

 岸田政権は、労働者人民の反対の声をふみにじって、ついに五月三十一日に、東京電力福島第一原発事故以降の日本の原子力政策の大転換を画するGX電源法を可決・成立させた。危険極まりない老朽原発の六十年超運転をも可能とするこの法律を制定するために、岸田政権は原発の危険性を徹底的に隠蔽した。福島第一原発の事故原発が原子炉崩落の危機にあり、原発事故によって長きにわたる苦難を強いられている被災人民さらには日本の労働者人民が、ふたたび新たな核惨事に叩きこまれる危機に直面していること。<3・11>は終わるどころか、原発事故の深刻さ・反人民性をいやというほどつきつけるこの事態を、原発事故を引き起こした張本人たちは隠蔽することに狂奔したのである。われわれは、彼らのこの策動を絶対に許すわけにはいかない。
 東京電力が、昨年五月にひきつづいて今年三月末におこなった福島第一原発1号機の、原子炉格納容器の水中ロボットを使っての内部調査によって、圧力容器が落下・崩壊する危機が一刻の猶予もないほどに高まっていることが明らかとなったのだ。
 すでに昨年の調査において、衝撃的にも、原子炉圧力容器を支える円筒形の台座(「ペデスタル」)が激しく損傷し、圧力容器を支えられなくなる危険性が極めて高いことが明らかとなった。鉄筋コンクリート製(厚さ一・二b、直径約六b、高さ八・五b)の台座のコンクリートが、事故時の高温の燃料デブリによって下部一bも溶けてなくなり、中の鉄筋がむきだしになっていたのだ。このときの調査は、台座の外側・四分の一周ほどの範囲であった。それが、今回の調査において、内側も全周にわたって鉄筋がむき出しになっていることが事実をもって明らかとなったのである。しかも圧力容器の底は、事故時の二〇〇〇度に達する溶けた核燃料によって大穴が開いてもいる。
 もはや三四〇ガル程度の地震によっても圧力容器が崩落する危機にあるのである。そのときには、圧力容器の落下にともなって、これに接続された格納容器が破壊され放射性物質が大量に外部に放出される。圧力容器の崩落と連動して、原子炉建屋上部に設置された使用済み核燃料プールが損傷して水が流出し使用済み核燃料が溶融する。このプールは格納容器の外にあることからして、まき散らされる放射性物質の量は桁違いのものとなる。さらには再臨界の可能性さえある。すさまじい放射能禍に、まさに今、労働者人民が叩きこまれてもおかしくない事態にたちいたっているのだ。
(中略)
 官房長官・松野は、四月二十七日の記者会見において、圧力容器の底に穴が開いていることについて「環境や住民の健康に影響は及ぼさない」と言い放った! 岸田政権は、労働者人民の放射能被害など知ったことではない、という権力者の本性をむき出しにして、原子力政策の大転換、原発推進政策の実現に突進しているのである。
 被災地・福島においては、この事故原発の危機が明るみにでた最中にも、岸田政権は帰還困難区域の一部に設定した特定復興再生拠点の避難指示を次々とすべて解除した(五月一日の飯舘村長泥地区が最後)。危険も知らされず、やっと帰還をはたしたと安堵する被災者がふたたび放射能に襲われる、こんなことが許せるか! やっと試験操業を脱し、本格操業に向け必死の漁業者の断固反対の声をおしつぶして、汚染水海洋放出をいよいよ夏にも強行しようとしている。
 労働者人民にいっさいの犠牲をおしつけ、帝国主義日本の生き残りをかけて原発・核開発に突進する岸田政権を許すな!
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軍拡財源法の制定阻止! 



闘う学生が自民県連に抗議

6・13 那覇

 六月十三日、琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、岸田政権による軍拡財源確保法案の参院採決を阻止するために、岸田政権・自民党にたいする抗議闘争に勇躍決起した。
 岸田政権は長射程ミサイル開発・購入など五年間で四三兆円にもおよぶ莫大な軍拡予算を捻出するために、労働者人民に犠牲を強制しようとしているのだ。法案成立に突進する岸田政権を断じて許せない!
 午後五時、ゼッケン・ハチマキで身を固めた琉大・沖国大のたたかう学生たちは、那覇市の自民党沖縄県連前に登場した。「軍拡財源法の制定阻止! 日米グローバル同盟強化を許すな!」と大書した横断幕を広げ、抗議行動を開始する。
 「軍拡財源法の制定阻止!」「先制攻撃体制の構築反対!」「日米軍事同盟の強化反対!」「岸田政権打倒めざしてたたかうぞ!」自民党県連に怒りのシュプレヒコールをたたきつける。県連前を歩いていた女性もこれに呼応しこぶしをつきあげる。
 琉大学生会会長がマイクを握り発言する。「軍拡財源法と軍需産業強化法に反対する闘いを<反安保>の旗幟を鮮明にしてたたかおう!」「岸田政権は南西諸島にミサイルをはり巡らせ先制攻撃の拠点たらしめようとしている。沖縄の軍事要塞化を許すな!」たたかう学生たちは自民党県連を怒りで包囲した。
闘う琉大・沖国大生が自民党県連に弾劾の拳
(6・13、那覇市)
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労学が自民道連前で奮闘


6・16 札幌

 六月十六日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会のたたかう労働者は、岸田政権による軍拡財源確保法案の採決を阻止する決意に燃えて、自民党道連にたいする緊急抗議闘争にたちあがった。岸田政権は、この日の参議院本会議において、国会前をはじめ全国でたたかう労働者・学生の反対の声を踏みにじって、軍拡財源法案の採決を――軍需産業強化法案の採決=成立(六月七日)にひきつづいて――強行しようとしていた。戦後史を画する大軍拡法案の採決を断じて許してなるものか! たたかう学生・労働者は怒りに燃えて、抗議闘争に決起した。
 岸田政権による軍拡二法の制定にたいし、大衆運動の組織化を完全に放棄した日共中央、そしてまた大軍拡を黙認≠キるというかたちで労組指導部としてエールを送った「連合」指導部。たたかう学生・労働者は、この既成指導部翼下の反対運動の度し難い腐敗をのりこえ、大軍拡法の制定を弾劾し、改憲・大軍拡阻止の闘いにただちに決起すべきことを労働者・人民に熱烈に呼びかけつつ、この日の闘争を戦闘的にたたかいぬいたのだ。
既成反対運動の闘争放棄をのりこえ道共闘と反戦が決起
(6月16日、札幌市)
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