第2773号2023年6月19日)の内容

<1面>
軍事強国化に突進する岸田政権
   の極反動攻撃を打ち砕け!

 6・18―25労学統一行動に総決起せよ

プーチンの世紀の大犯罪
カホフカ・ダム爆破弾劾!

<2面>
6・6国会前 軍拡2法阻止に起つ
入管法改定案採決強行阻止!
 4000名が国会に怒り 6・7

6・4沖縄 ミサイル配備反対集会
<3面>
「生成AI」狂騒劇
 
労働者への犠牲強制許すな
 導入に狂奔する岸田政権
 
全面的統制下の中国版生成A
<4面>
「EV化」で大再編されるトヨタのサプライチェーン
<5面>
電機2023春闘
 ジョブ型制度緻密化のための労使協議への解消

Topics 「異次元の少子化対策」の名で消費税増税
<6面>
万華鏡2023――情勢の断層を読む
 モスクワ・サミット/「平和ミッション」?/兵器あさり/「アカ狩り」
 「解放」最新号





























  

軍事強国化に突進する岸田政権の極反動攻撃を打ち砕け!

6・18―25労学統一行動に総決起せよ

軍拡財源法制定を阻止せよ

 岸田政権はいま、「防衛力強化資金」の創設をうたう軍拡財源法を、――全学連を先頭として国会前闘争に決起した労働者・人民の怒りの声を傲然とふみにじって――今国会会期末(六月二十一日)までになんとしても成立させるために猛突進している。この軍拡財源法は、今後五年間で四三兆円にものぼる軍事費を確保しGDP比二%の年一一兆円に倍増するという実に反動的なものである。岸田がたくらむ軍拡財源法の採決強行を断じて許すな!
 岸田政権がこの極反動法の制定を急いでいるのは、台湾併呑にむけて軍事的威嚇行動を常態化している習近平の中国に対抗し日本国軍を米軍とともに戦争を遂行しうる戦闘部隊として飛躍的に強化するためにほかならない。
 六月はじめ、中国軍艦艇が、台湾海峡を航行中の米インド太平洋軍のミサイル駆逐艦とカナダ海軍艦艇の前方一四〇bなど近距離を二度にわたって横切るという軍事行動にうってでた。南シナ海においても、中国軍戦闘機が国際空域を飛行していた米空軍の偵察機にたいして、目と鼻の先を横切るという挑発を仕掛けた(五月三十日)。それは、「台湾の統一」の「核心的利益」をあくまでも貫く≠ニいう意図をアメリカ権力者につきつける習近平政権の傲然たる軍事的恫喝にほかならない。
 この習近平・中国の威嚇的な軍事的攻勢を抑えこむために、首相・岸田は日本国家をアメリカとともに対中国の先制攻撃を遂行しうる軍事強国へと一気におしあげようとしているのだ。「今日のウクライナは明日の東アジア」と叫びたてロシアのウクライナ侵略を利用しながら、歴代自民党政権がいまだかつてなしえなかった一大軍拡を一気呵成になしとげようとしているのが岸田なのだ。「安倍さんもできなかったことを、いま俺はやっている」などという言辞にその意図は露骨にしめされているではないか。この歴史を画する一大反動攻撃を日本労働者階級・人民は断固として打ち砕くのでなければならない。
 岸田政権は、大軍拡のための法制定と同時に、日本の軍事強国化と日米軍事同盟の対中攻守同盟としての強化のための軍備増強に血眼となっている。過去最大の六兆八〇〇〇億円という今年度の軍事費の計上。「敵基地攻撃能力」と称しての、中国本土の基地や軍事中枢を攻撃しうるアメリカ製巡航ミサイル「トマホーク」の購入。一二式対艦誘導弾の射程を一〇〇〇`以上に延伸する大改造や極超音速ミサイルの開発への着手。最新鋭のステルス戦闘機F35Aの増配備。沖縄県の宮古島・石垣島などには、労働者・人民の猛然たる反対を押し切って次つぎと陸自の対艦・対空ミサイル部隊を配備するとともに、種々のミサイルや弾薬の搬入を強行してもいる。
 ロシアのウクライナ侵略を発火点として一挙に熾烈化した米―中・露の激突。この激動する現代世界のまっただなかで、バイデンのアメリカに安保同盟の鎖で締めあげられた「属国」日本の岸田政権は、対中・対露のグローバルな軍事包囲網の強化を確認したG7広島サミットを跳躍台としていま、日米軍事同盟の強化を基礎として軍事強国への道を驀進しているのだ。
 岸田極反動政権は、アメリカと一体となって対中国戦争を遂行しうる軍事強国へと日本国家を飛躍させるためにこそ、いま史上空前の大軍拡と憲法の大改悪にむけて突進しているのだ。グローバル安保同盟を打ち砕け!
 軍事強国にふさわしいネオ・ファシズム支配体制を飛躍的に強化するために岸田政権が強行している諸攻撃を断じて許すな! 外国人難民を監視し排斥する入管法の改定を弾劾せよ! 国民総監視・総管理体制を創出するためのマイナンバー法改定を弾劾せよ!

憲法大改悪を粉砕せよ

 ネオ・ファシスト岸田政権・自民党は、維新・国民の改憲翼賛政党の議員どもと腹合わせをし、改憲条文案のとりまとめへと両院憲法審査会の議論を集約しようとうごめきはじめた。
 岸田政権・自民党は、現行憲法に「緊急事態条項」を創設し有事に政府が国会の議決ぬきに法律と同等の効力をもつ「緊急政令」を定める権限を盛りこむこと、さらには自衛隊を「戦力」と明記し「国防規定」を盛りこむべきことを自党議員どもに吠えたてさせてきた。自民・維新・国民の改憲推進派議員どもは、いまや「議論のまとめに入るべきだ」とほざいて「論点整理」へと審議を誘導しはじめている(六月八日の衆院憲法審査会)。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 日本国家をアメリカと一体となって対中国先制攻撃を遂行しうる軍事強国へと飛躍させる野望をたぎらせている岸田自民党政権の、ネオ・ファシズム憲法の制定≠ニいうべきこの戦後史を画する一大攻撃を日本労働者階級・人民の総力を結集して粉砕しよう!

以下見出し

米―中・露角逐下の熱核戦争勃発の危機

反戦反安保・改憲阻止、ウクライナ反戦の高揚を!


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      プーチンの世紀の大犯罪 
                
     
      カホフカ・ダム爆破弾劾!
                                                 

 六月六日の未明、プーチンの命令を受けたロシア特殊工作部隊は、ウクライナ南部カホフカの巨大ダムを爆破し、ドニプロ川下流地域を大洪水に叩きこんだ。カホフカ貯水池の水位を限界ギリギリにまで高めさせたうえで、水力発電施設の下部にしかけていた大量の爆薬を炸裂させたのだ。四万二〇〇〇人が暮らすドニプロ川流域を水没させた今ヒトラー・プーチンのこの大犯罪を、われわれは満腔の怒りを込めて弾劾する!
 ウクライナ軍はいま、満を持して領土奪還の反転攻勢をザポリージャ州とドネツク州の四ヵ所で開始した。この反攻作戦の開始に直面したプーチンは、なけなしの敗残ロシア軍部隊をこの地域に集中するためにこそ、ドニプロ川下流地域一帯に大洪水をひきおこすことによってウクライナ軍機甲部隊のドニプロ川渡河=ヘルソン州南部進撃を阻止することを企んだのだ。
 カホフカ貯水池の膨大な水(水量は琵琶湖の約三分の二ほど)が、しかもロシア軍がしかけた何十万個もの地雷や不発弾を含んだ濁流が、約六〇〇平方`b(東京二十三区の面積に匹敵)の下流域に怒濤となって流れこんでいる。ドニプロ川の水位は最大一二bも上昇し、約八十の集落が次々と水没させられたのだ。死者と行方不明者は、ウクライナ軍が昨秋解放した北西側だけで数十人にのぼる。ロシア軍が占領する南東側から逃れてきた人民は、老人や子どもや女性や家畜の死体が大量に浮かんでいたと証言している。ロシア軍は水没した集落の住民を完全に見殺しにし、あまつさえロシアのパスポートを持たない者を濁流のなかに追いかえしてさえいるのだ。北西側の人民は、必死に助け合いながら避難している。この避難民にたいしてロシア侵略軍は、いまなお砲撃を加えつづけているのである。この人非人どもの犯罪を断じて許すな!
 カホフカ・ダムが破壊されたことによって、ザポーリージャ原発は冷却水用貯水池(カホフカ貯水池の一部)の水位が刻一刻と低下している。肥沃な穀倉地帯であったドニプロ川下流域の大地は、たとえ水が退いたとしても大量の砂と発電所から流出したオイルと地雷とによって、何十年にもわたって耕作ができない不毛の地と化した。プーチンは、ロシア領に併合した占領地を死守≠キるために、あらんかぎりの悪事をはたらいているのである。
 すべての労働者・学生諸君! 今ヒトラー・プーチンの世紀の大犯罪に弾劾の嵐を叩きつけよ! わが反スターリン主義革命的左翼は、日本のそして全世界の労働者・人民に呼びかける。新たな犯罪に手を染めた侵略者プーチンを、全世界の怒りの炎で包囲せよ! いまこそすべての労働者・学生は<プーチンの戦争>を打ち砕く闘いに総決起せよ!

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「生成AI」狂騒劇

 労働者階級・勤労人民への一切の犠牲強制を許すな

利用拡大と規制をめぐる国際的な利害対立

 こんにち世界中の資本家や企業経営者どもが、文章や画像、動画、音楽、音声、コンピュータ・プログラムなどをみずから生成する≠ニ称されている「生成AI」(生成的人工知能)に色めきたっている。アメリカのIT企業「オープンAI」が、日常言語による生成AIの利用を容易にした「チャットGPT」を開発したことによって、これまで文章や動画などの作成に要してきた「人件費コスト」が大幅に軽減できるのではないかと、資本家や企業経営者どもは皮算用しているのである。彼らを抱える各国の権力者どもは、自国の利害を貫徹するために、生成AIの開発促進・利用拡大や規制をめぐって、互いに火花を散らしているのだ。
 生成AIとは、インターネット上に流されている膨大な文章や画像・動画などのデジタルデータを素材≠ノして、それを特定の演算方法(「アルゴリズム」)にもとづいて処理し、文章や画像などをそれらしく造る<Rンピュータ・ソフトウエア群である。これが実用化されたのは、大量のデータを高速処理するコンピュータそのものの能力が飛躍的に向上したことにもとづく。
 すでにアメリカや欧州、日本、中国などでは、これを利用して作成された動画や画像が、フェイク動画・画像をも含めて、大量にネット上に流されている。昨年三月には、ウクライナ大統領ゼレンスキーが国民にロシア軍への抵抗をやめるように呼びかけたフェイク動画がロシア・プーチン政権によって流布された。こうした政治的効果を狙ったフェイク動画・画像が、米―中・露の激突のもとで、そしてアメリカの民主・共和両党の対立激化のもとで、それぞれの陣営による「情報戦」の一環として流布されているのである。
 また米・欧では、生成AIの素材データ≠ニして利用された絵画や著作の制作者たちが、著作権侵害を訴えて開発企業や利用者にたいして大量の損害賠償訴訟を起こしているという。
 こうした弊害を重視し、総じて規制強化を急いでいるのが欧州の政府だ。「個人情報」をAIの素材≠ノ利用する法的根拠がないことを理由にイタリア政府は、いったんは生成AIを使用禁止にしたほどだ。アメリカ巨大IT企業によって欧州の伝統的・芸術的作品がコピーされたり「個人のプライバシー」が侵害されたりすることを非難するEU諸国の政府は、生成AIを「高リスク」なものと規定した「欧州AI規制法」を年内にもEU独自で制定しようとしている。このように生成AIに厳しい規制を加えようとしているのが欧州諸国の政府だ。
 これにたいして生成AIを開発・販売しているIT企業を抱えているアメリカ政府は、適切に規制しつつ利用を拡大する≠ニ唱えている。IT企業の自主規制や既存の法律で充分に対処できるとバイデン政権は主張しているのだ。とはいえ米・欧は、強弱の差はあれ著作権者のAI開発者にたいする拒否権(オプトアウト)を認めているのだ。
 この欧米とは逆に日本政府は、二〇一八年にAIによる画像・著作の利用についての著作権規制を緩める法改定をおこなった。これと軌を一にして岸田政権は、「DX・GX促進」の名で政府・地方自治体に生成AIの利用を促している。生成AIの利用拡大によって一九九〇年代いらいのIT敗戦≠挽回しようと願望しているのが日本政府・支配階級だ。このことはG7広島サミットにおいて岸田が議長国の地位を利用して生成AIの国際的規制作りのイニシアチブをとろうとあがいたことに示されている。〔もっとも、G7では利害が対立する各国は「国際的な論議を進める」ことしか合意しなかったのだが。〕
 こうした帝国主義諸国による国際的ルールとは無関係に、まったく独自の生成AI規制を設けているのがネオ・スターリニスト中国の官僚政府だ。

以下、見出し

AIによる文章・画像などの「自己生成」とは

大量首切り、搾取・収奪の強化を許すな!

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「EV化」で大再編されるトヨタのサプライチェーン

労働者の大量の首切りを許すな


 自動車産業において、「カーボンニュートラルを達成する」というかけ声の下に、世界的に「EV革命」と呼ばれるガソリンエンジン系の車から電気(モーター)自動車(EV)への転換が図られている。国際的にも日本国内においても、これまで自動車産業に参入していなかったテスラ(アメリカ)をはじめとして、巨大新興企業がEV生産に次々に参入しており、従来の自動車完成メーカー間の枠を越えて激しいEV生産・販売競争がくりひろげられている。
 エンジン(内燃機関)車では、三万点の部品が必要とされ、その組立てにあたってはすりあわせ技術≠ニいわれる高度な技術が必要である。これにたいして、EVの場合は二万点ほどの部品をユニット方式で組立てることができる。したがってこれまで自動車製造に参入していなかった新興企業でも比較的容易にEV製造に参入することができるのだ。こうして莫大な資金力を有するIT企業やベンチャー企業なども交えて新たなかたちで自動車作りの競争がくりひろげられているのだ。
 二〇二二年の世界EV販売台数ランキングでは、一位テスラ・シェア一七・五%(アメリカ)、二位BYD・シェア一二%(中国)といわれ、従来の自動車メーカーとは異なる巨大企業が上位を占めている。日本系の企業で十位以内に入っているのは「日産・ルノー・三菱自動車グループ」が七位に入っているだけである。トヨタグループは販売量では二十八位であり、シェアは〇・三%にすぎない。エンジン系の車を含めた車販売総台数で世界第一位を占めたトヨタグループは、EV販売では世界的な流れから大きくたち遅れている。
 トヨタは前社長・豊田章男が「敵は炭素であり、内燃機関ではない。カーボンニュートラルに向けて技術の選択肢を広げる」と宣言し、駆動源をエンジンから電気モーターに一気に転換することは避けて、いわゆる「全方位戦略」をとると表明した。トヨタ経営陣は、ヨーロッパではカーボンニュートラル車としては認定されず、販売を規制されるハイブリッド車(HV)――車の駆動源として電気モーターとエンジンの両方を組み合わせて小さい容量のバッテリーをも搭載している――を含めて、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)のすべてを開発・生産するという戦略をとるというのだ。新たに社長に就任した佐藤の下の新経営陣も「EVファースト」を掲げながらも、「全方位戦略」は変えないと表明している。
 EVの生産にあたっては新たにエンジン車とは異なるEV用の部品を採用しなければならない。トヨタ経営陣が「全方位戦略」をとって従来のHVなどのエンジン系の車とともにEVも生産することになれば、これまで構築してきたエンジン系のサプライチェーンとともに新たにEV用のサプライチェーンをも構築しなければならない。トヨタ経営陣は、このEV用の部品をも基本的にはトヨタグループと呼ばれるトヨタ直系の大・中の部品企業グループに開発・製造・供給させようとしている。トヨタ本体を頂点とするトヨタグループを構成する大・中の部品企業がEV用の新たなサプライチェーンを構成しつつある。
 このトヨタグループを構成する大・中の部品企業の経営者どもは、新たにEV用の部品の生産に主力を注ぐにあたっては従来の経営体制を再編・強化するとともに、他方ではこれまで主力を注いできたエンジン車用の部品製造部門をきりはなして子会社にまかせたり、一次・二次の下請け企業にまかせたりしている。これにともなってこれまでエンジン車系の部品を作りつづけてきた二次・三次下請けの部品企業は受注先を変えられたり、受注量を減らされたりして不安定な経営へとおいやられている。多くの下請けの中小零細な部品企業は、元請け企業から選別・淘汰され廃業・倒産の危機にさらされるのだ。なによりも、その下で働く多くの労働者は、派遣労働者のみならず正社員といえども、いま解雇・首切りの嵐にさらされようとしている。

以下、見出し

1 「全方位戦略」にもとづく特異なEV用供給網の構築

 
 EV用部品の新たな開発・生産への転換

  電池生産――トヨタ

  「イーアクスル」の生産への転換――アイシン

  半導体、電動化製品、ソフトウエア関連部品の拡充――デンソー


2 エンジン車用供給網の縮小――中小零細企業の廃業・倒産・大量解雇の嵐

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電機二〇二三春闘

ジョブ型制度緻密化のための労使協議への解消


T 電機連合労働貴族の超低額妥結弾劾!


 電機大手企業経営者は三月十五日に各労組にたいして「開発・設計職基幹労働者の賃金水準改善額」として「七〇〇〇円」の回答をおこなった(NECと東芝は内二〇〇〇円を福利厚生にかかわる費用≠ニして回答)。初任給は高卒一七万六〇〇〇円、大卒は二三万円に到達する額を回答(引き上げ要求五〇〇〇円にたいして回答は五〇〇〇円もしくはそれを越える額にばらついた)。一時金は日立六・一ヵ月+特別加算三万円、三菱五・八ヵ月、富士電機六・〇ヵ月、OKI四・一ヵ月を回答した(十二社中八社は「業績連動算定方式」をとっている)。
 このような「水準改善額七〇〇〇円」の超低額回答を電機連合労働貴族は「高く評価できる」(委員長・神保)などと美化し、各労組執行部はすぐさま受け入れ集約=妥結を決定したのだ。この回答をもって電機労働貴族が「十二社そろっての満額回答は史上初めてだ」などと喧伝することはまったくもって許し難い。そもそも要求じたいが七〇〇〇円などというのは、まったく話にならない超低額ではないか。電機労働者が低賃金で呻吟し、かつ生活必需品価格が著しく高騰する(今後も値上げが目白押しだ!)なかで実質賃金のさらなる低下は明らかではないか。電機労働者を馬鹿にするのもいいかげんにしろ!
 さらにNECや東芝はその内の二〇〇〇円分を「福利厚生」費(ポイントとして付与する形態をとる)としている。しかもそれは「キャリアアップのための研修費等に使うもの」として与えられるのだ。今や「福利厚生」費とは労働者みずからが自己啓発し資本にとって有益な労働力としてその能力を高めるための費用として位置づけられているのだ。電機労働貴族どもはこのような「キャリアアップのための費用」を「賃金改善分」であるかのように言いなして受け入れたのだ。
 そもそもこの「改善額七〇〇〇円」は「個別賃金水準」として定めた特定のポイント(「開発・設計職基幹労働者」)にたいする回答なのである。多くの電機企業では「仕事・役割・貢献度」にもとづく賃金支払い形態を導入しており、このポイント以外のほとんどの労働者は据え置きや数百円の改善≠ノすぎない。上司による「評価」によってはマイナスもありえるのだ。マスコミで「相次ぐ満額回答」だとか「歴史的な高水準」だとかと喧騒しているその内実は実に欺瞞的なものであり、電機労働貴族はこのことを重々承知したうえで「高く評価」し妥結したのだ。まったく許すことはできない。
 電機連合本部は回答指定日の二日前の三月十三日に「賃金は五〇〇〇円以上の水準改善を図る」「一時金は年間四ヵ月の確保を図る」という最終方針(回答引き出し基準=闘争回避基準)を決定した。この時すでにJCM内や他の産別で「満額回答」や「妥結」の決定が表面化し組合員からは「当然満額七〇〇〇円!」の声が吹きあがっているのを電機連合本部・各単組指導部は承知していた。そのゆえに中闘組合執行部は会社側と「満額回答」で決着する腹合わせをしたうえで、回答指定日に向けて五〇〇〇円からの積み上げをはかる交渉をしているかのようなポーズをとりつつ「満額回答」での妥結を演じたのだ。このような労働貴族どもの対応は、超低額回答すらも、あたかも経営陣と交渉を重ねることによって勝ちとったものであるかのようにおしだすまったくの茶番でしかない。

以下、見出し

U 人材獲得・育成≠フための労使協議への解消

 ジョブ型人事制度構築に全面協力する労働貴族

 「電機統一闘争」の最後的破綻

V <大幅一律賃上げ>めざしてさらに奮闘しよう!

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軍拡二法案の参院採決阻止!

闘う学生が労働者・市民の先頭で奮闘

6・6 国会前
 六月六日、早稲田大学・国学院大学などの首都圏のたたかう学生たちは、「軍拡財源法・軍需産業強化法の制定阻止」を掲げ、国会前闘争に起ちあがった。
「軍拡財源法・軍需産業強化法の制定阻止!」
労働者・市民の先頭で闘う学生
(6月6日、国会前)
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入管法改定案の採決強行阻止!

四千名が国会に怒りの声

6・7
 六月七日、国会正門前において入管法改悪に反対する諸団体主催の「入管法改悪の強行採決に反対する緊急大集会」が開催された。国会前の集会には入管法改定に怒る労働者・学生・市民四〇〇〇名が集まり「強行採決反対」の声をあげた。早稲田大学・国学院大学などの首都圏のたたかう学生たちは、「野党の対案こそ国際標準」などという宣伝にうつつを抜かす日共中央の議会主義的闘争歪曲をのりこえ、<ファシズム反対>の旗高く最先頭でたたかいぬいた。
「入管法改定阻止! ファシズム反対!」4000名の労働者・市民とともに闘う全学連
(6月7日、国会前)
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「ミサイル配備を許すな!」

労・学・市民三四〇が抗議

6・4 沖縄
 六月四日、沖縄県うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地のゲート前において、「6・4ミサイル配備を断念せよ! うるま市民集会」(主催・ミサイル配備から命を守るうるま市民の会)が開催された。琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちは、結集した労働者・市民とともに、<反安保>の旗幟鮮明にその最先頭でたたかいぬいた。
「ミサイル配備阻止!」労・学・市民が怒りにもえて結集
(6・4、うるま市勝連分屯地ゲート前)
 新隊舎建設を強行する陸自に断固抗議(6月4日)  
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