第2751号(2023年1月16日)の内容

<1〜3面>
23春闘の戦闘的高揚を!
 大幅一律賃上げ獲得! 大軍拡・増税阻止!
 春闘を政労使協議に解消する「連合」労働貴族を弾劾し闘おう
 中央労働者組織委員会
<4〜5面>
分断と荒廃を露わにする落日の帝国アメリカ
<6〜7面>
年頭の決意
 北海道/関西/東海
 教育/社会事業/情報通信/中小企業/化学
<8面>
12・13 教育労働者宅への不当捜索弾劾!
警察権力の新たな弾圧に反撃
  12・22 わが同盟が記者会見
「安保三文書」の閣議決定を許すな!
12・15
 全学連が首相官邸に怒りの拳
 国会前で闘う学生が奮闘
 「解放」最新号























  


23春闘の戦闘的高揚を!

 大幅一律賃上げ獲得! 大軍拡・増税阻止!

 春闘を政労使協議に解消する「連合」労働貴族を弾劾し闘おう

 中央労働者組織委員会

 すべてのたたかう労働者諸君!
 わが同盟は今二〇二三春闘を、まさに日本労働者階級の岸田政権・独占資本家階級にたいする一大反転攻勢として戦闘的にたたかいぬくべきことを呼びかける。生活必需品価格・公共料金の引き上げを断じて許さず、大幅かつ一律の賃上げを獲得するために奮闘しよう! すべての労働者の団結した闘いで二三春闘の戦闘的高揚をかちとれ!
 ロシアのウクライナ侵略を発火点に、まさに現代世界は「戦争の時代」に突入した。ここ東アジアにおいても「台湾併呑」をたくらむ中国・習近平政権とこれを阻止せんとするアメリカ・バイデン政権との軍事的・政治的・経済的角逐が日に日に高まり、台湾海峡を焦点として戦争勃発の危機が切迫している。この危機に促迫されて岸田ネオ・ファシズム政権は、日米軍事同盟を文字どおりの攻守同盟として飛躍的に強化し、対中国・対ロシア・対北朝鮮の軍事力を大増強することに狂奔しはじめた。「専守防衛」のたてまえを最後的に投げ捨て、「反撃能力」の名において先制攻撃体制の構築に一気呵成にのりだしたのだ。
 <プーチンの戦争>によって天然ガスと小麦の供給が途絶し、多くの諸国で深刻なエネルギー不足と食糧危機が引き起こされている。このゆえに資源小国という日本国家の存立基盤における脆弱性を打開することに焦る日本帝国主義の岸田政権と独占ブルジョアどもは、バイデンから対中国「デカップリング」策への協調を強いられつつ、サプライチェーンの再編とエネルギー・食糧安全保障の確立のために猛突進しはじめた。半導体・量子・AIなど最先端技術分野における国際競争にうち勝ちふたたび経済大国として復活≠キるという淡い願望を抱いて、政府みずからが主導し「連合」労働貴族を抱きこんで、GX・DXを軸とした日本の産業構造・事業構造の再編に猛然と突き進んでいる。これらの財源を確保するために、物価高騰にあえぐ労働者・人民にさらに増税を押しつけ社会保障を切り捨てるなどの大衆収奪をいちだんと強化しているのだ。
 すべてのたたかう労働者諸君! この政府・独占資本家階級の悪逆な攻撃を打ち砕くために、われわれは今二〇二三春闘を戦闘的に高揚させよう。岸田政権・独占ブルジョア階級の攻撃のお先棒を担ぐ「連合」芳野指導部を弾劾し、岸田政権の欺瞞的な賃上げ要請≠ヨの期待を煽る「全労連」ダラ幹を許さず、労働者階級の団結した闘いで<大幅一律賃上げ>をかちとろう。産業構造の再編を賭けた「労働移動」「リスキリング」「日本型職務給導入」などの労働者への犠牲強要反対! 日本国軍の大軍拡反対! 軍事費大増額・軍拡のための大増税を阻止しよう! <プーチンの戦争>を打ち砕け! 労働者・人民に戦争と貧困を押しつける岸田極反動政権の打倒をめざしてたたかおう!

一 物価高騰と産業構造再編のもとでの23春闘

 生活必需品価格急騰に苦しむ労働者と賃金抑制攻撃

 いま労働者・人民は、昨年来の急激な円安のもとで生活必需品価格・公共料金の高騰に直面させられ、非正規労働者や学生のなかには日々の食事にさえ事欠く悲惨な生活を強いられる者が続出している。電気・ガス代は軒並み二割から三割近く引き上げられた。さらに鉄道運賃、固定電話の通話料、診療費や公立学校の授業料などの公共料金が引き上げられたり、引き上げられようとしている。電気・ガス代は、今春さらに二割程度再引き上げされようとしている。食用油の三五・五%をはじめ加工食品など生活必需品を含めて昨年中に値上げされた商品は二万品目を超えた。
 「連合」労働貴族どもの裏切りによって長期にわたる実質賃金の低下を強いられている労働者・人民は、もはや生活を従来どおりに続けられないという事態にたたきこまれているのだ。暑さ、寒さを我慢してエアコンの稼働時間を短くしたり、電車に乗らずに歩いたり、食事を抜いたりすることを余儀なくされている。
 しかも、今年に入ってからも「値上げ」「再値上げ」の波がつづき、二月から三月に値上げラッシュ≠ェ発生するという。パン・野菜・調味料など食品・飲料だけで七三九〇品目、トイレットペーパーなど家庭紙全品、家具・雑貨などの生活必需品価格が五%から二五%も(再)値上げされるのだ。
 労働者・人民を塗炭の苦しみに陥れているこの物価高騰は、なにゆえに引き起こされているのか。
 新型コロナ感染の全世界的拡大による<パンデミック恐慌>、これをのりきるための米・欧・日の帝国主義諸国がたれ流した膨大な緩和マネー≠ェ、株式などの金融資産だけではなく生活物資である石油や穀物などの商品市場に流れこんだ。そしてロシアのウクライナ侵略によって石油・天然ガス・穀物の供給不足が引き起こされ、それらの価格が急騰した。このゆえに、食料品など生活必需品の爆発的なインフレが世界的に引き起こされた。さらに日本の場合には、米欧各国がインフレを抑制するために金融引き締めに転じるなかで、唯一黒田・日銀だけが「アベノミクス」の「異次元金融緩和」政策をとりつづけることによって、日米の金利差による三〇%もの急激な円安を招き、石油・食糧などの輸入物価をおしあげたのである〔本紙第二七五〇号、篠路論文参照〕。
 資本主義そのものの命脈が尽きたことをあらわにしている国際的なマネーゲームの横行のすえにもたらされているのが、全世界的なインフレの蔓延であり、エネルギーや穀物を輸入にたよる産業構造をつくってきた日本における生活必需品価格の高騰という、労働者・人民の生活苦なのだ。
 しかも岸田政権は、軍事費の大増額および「GX(グリーン革新=脱炭素化)、DX(デジタル革新)」を名分とした巨額の大企業支援を賄うために社会保障を大幅に切り捨てている。
 彼らは、年金給付額を削減するために導入してきた「マクロスライド制」を三年ぶりに適用し、給付水準の改定を物価上昇率以下に抑制している〔実質切り下げだ!〕。安倍政権のもとで削減をくりかえしてきた生活保護費については、子どものいる世帯などでわずかばかりの引き上げをはかるだけで、高齢者や若年の単身者などは据え置きだ。昨秋に多くの高齢者の医療費窓口負担が一挙に二倍に引き上げられたのにつづいて、社会保障の保険料および利用料の値上げも目白押しだ。岸田が新年にあたって鳴り物入りでうちあげた「異次元の少子化対策」なるものについては、財源を軍事費に優先的に投入するがゆえにその具体化を先送りした。
 労働者・人民が、うちつづく生活必需品価格値上がりのもとで塗炭の苦しみを味わわされているこのときに、もっぱら軍事費の大増額や大企業支援策に優先的に国家資金をつぎ込み、増税や社会保障切り捨てなどいっそうの大衆収奪強化に狂奔しているのが岸田政権なのである。
 こういう事態の進行のもとで、今二〇二三春闘にむけて、首相・岸田および経団連や経済同友会の独占ブルジョアどもは、「物価上昇を超える賃上げ」を口にせざるをえなくなっている。だが彼らは、いわゆる「デジタル人材」など企業に新たな付加価値をもたらすとみなした労働者のみに選別的に賃上げし、それ以外の大多数の労働者にはこれまで以上に低賃金と不安定雇用を押しつけようとしているのである。
 首相・岸田は一月五日に、経済三団体の「新年祝賀会」と「連合」の「新年交歓会」に相次いで参加してほざいた。「リスキリング支援」「日本型職務給の確立」「成長分野への雇用移動」を「三位一体ですすめ、構造的な賃上げを実現する」と。独占ブルジョアどもも口々に叫んだ。賃上げには「人への投資や労働移動の円滑化が必須だ」(経団連会長・十倉)、「産業・企業の新陳代謝と円滑な労働移動が不可欠だ」(経済同友会代表幹事・櫻田)と。
 独占資本家どもは、社内の優秀な人材≠確保しつづけるために、業績のよい企業は「ベースアップ」(それ自体「付加価値の増大」に寄与した度合に応じて差をつけるというものであって一律の賃上げではない)もやむなし、としながらも、国際競争に敗退し沈没しかねない日本の産業・企業の危機をのりきるための事業再編と労務政策の緻密化に躍起となっている。
 まさにこの連中は、「新陳代謝」の名で、競争力を失った企業はドシドシ潰し、そこに雇われていた労働者を労働市場に放りだせと叫ぶ。投げだされた労働者は・いや在職中の労働者もまた、「リスキリング」の名のもとに、成長分野の企業や企業内の成長部門で雇ってもらえるように、デジタル技術などの資本家が要求する新たな技術・技能をみずからの責任で習得せよということなのだ。資本家どもは、求める能力を身につけたと彼らが認定するひとにぎりの労働者にかぎって採用し、その能力にみあって高めの賃金≠与える。それ以外の大多数の労働者にたいしては能力がない≠ニ烙印し、限定正社員や非正規雇用さらに「雇用によらない働き方」など、これまで以上の低賃金・不安定雇用を強いるのだ。まさに独占ブルジョアどもは、労働者に技術・技能の習得を競わせ、習得した能力を評価してこれをもって彼らを選別し、いっそう苛酷にこき使い搾り取っていこうとしているのだ。
 この独占資本家どもにたいして「連合」労働貴族は、昨年までをわずか「一%」上まわるだけの「三%程度」という超低率の賃上げ要求「指標」――実質賃金の目減り分の取り戻しにもならないそれ――を形ばかり掲げつつ、「産業・企業の成長」をめぐる政労使協議にこそ力を注ごうとしている。会長・芳野は、五日の「連合」の新年交歓会で立憲民主・泉、国民民主・玉木の両党首は紹介だけで発言させず、岸田にのみ発言させた。そこで芳野は、岸田の「賃上げ要請」を天まで持ちあげ、「労働移動、リスキリング」への協力を誓ったのである。
 まさに物価急騰のもとでたたかわれる今二三春闘は、政労使≠ェ一体となって「労働移動、リスキリング」をつうじての産業構造再編策の推進を協議し、それを労働者に強制する場へとねじ曲げられているのである。

 安保強化・大軍拡に狂奔する岸田政権

 軍拡のための増税への突進

 産業再編の犠牲を労働者に強要する政府・独占資本家

 既成労働運動指導部の政府・独占資本への協力と補完


二 「連合」「全労連」指導部の裏切りを許さず春闘の大高揚を勝ちとれ!

 「日本経済再生」をめぐる政労使協議に陥没する「連合」芳野指導部を許すな!

  「デフレマインドからの脱却」なるもの

  政府・独占資本家の産業構造・事業構造再編策への協力

  実質賃金下落を容認する「三%」の超低率要求

  「賃金=労働の対価」論の反労働者性


 岸田政権に「賃上げ実現」をお願いする「全労連」指導部

  岸田の「賃上げ要請」への幻想の煽りたて

  「中小企業支援」の対政府要請への歪曲


三 大増税・大衆収奪反対と一体に<大幅一律賃上げ獲得>のために闘おう!

 すべてのたたかう労働者諸君!
 われわれは、今二〇二三春闘を現下のうち続く物価引き上げを許さず、大幅な・かつ一律の賃上げを獲得するためにたたかおう。これと一体に、岸田政権の産業政策や労働政策に、軍拡とそのための大増税に反対し、いっさいの大衆収奪強化に反対する政治経済闘争を推進しようではないか。
 それとともに、岸田政権による日米軍事同盟の対中・対露攻守同盟としての強化・大軍拡と憲法改悪という画歴史的な攻撃に反対する闘いを、また「ロシアのウクライナ侵略反対」の反戦闘争を、労働戦線から大きくつくりだすのでなければならない。
 労働者階級の団結をうち固め、二〇二三春闘の戦闘的高揚をきりひらこう。

 <大幅一律賃上げ>を獲得するために闘おう!

 われわれは、すべての労働者が大幅な賃上げを・しかも一律にかちとるために、産業・企業や雇用形態、企業規模の違いを超え、労働者の団結を創造しうち固めてたたかうのでなければならない。とりわけ低賃金を強制されている非正規雇用労働者の賃金・労働諸条件の抜本的改善を求めて、すべての仲間はスクラムを組んでたたかおう。
 生活必需品価格・公共料金の値上げによる実質賃金の大幅な切り下げを許さず大幅な賃上げを獲得するために、「連合」指導部の「三%」とか「全労連」指導部の「三万円」とかではなく、まさに大幅な賃上げを・しかもいっさいの分断を排して一律にかちとることをめざして奮闘しなければならない。
 いま岸田政権や独占資本家どもは「構造的賃上げ」の名において、ひとにぎりの高度人材≠ノのみ高めの賃金≠保証し、その他の大多数の労働者はこれまで以上に低賃金と不安定雇用に陥れようとしている。産業構造・事業構造を再編するために、これを担う人材を育成・確保するために、彼らは労働者に「労働移動」と「リスキリング」と「日本型職務給」なるものを強制し、いっそう苛酷に搾取・収奪せんとしているのだ。
 にもかかわらずこの政府・独占資本家に全面協力しているのが「連合」指導部であり、岸田の「賃上げ要請」に期待を託しているのが「全労連」の日共系ダラ幹なのだ。これら既成労組指導部による春闘の破壊・歪曲を弾劾しのりこえ、職場から膝を交えて論議をくりひろげ、仲間たちの決起を促して賃上げ獲得の闘いを創造しよう。
 そもそも賃金をめぐる闘いの本性は、労働者階級と彼らを搾取する資本家階級との「非和解的」(黒田寛一『賃金論入門』一五四頁)なものであって、政府や独占資本家にすがりお願いして賃上げを施してもらうなどという発想は唾棄しなければならない。労働者が団結してたたかうことなくしては賃上げはかちとれないのだ。
 それにもかかわらず、賃金闘争を労使一体化≠フ思想にもとづいて「労使協議」に解消してきたのが労働貴族だ。他方、議会主義を徹底化し、「政治の責任で賃金の上がる国に」などと政府に政策転換を促すことにねじ曲げてきたのが日共・志位指導部だ。「全労連」指導部が岸田の「賃上げ要請」への期待を煽っているのは、まさにこの志位指導部の指導の必然的帰結にほかならない。われわれは、これらすべての既成左翼・労働運動指導部の倒錯と腐敗を暴きだし、大幅一律賃上げ獲得めざして組合の深部から闘いを創造しようではないか。
 賃上げは労働者の団結した力でこそ勝ちとることができるのだ。やれ「リスキリング」だ、やれ「日本型職務給」だ、やれ「人事考課に基づく昇給」だとかというように、労働者を分断・支配する攻撃が日々経営者・資本家や政府からしかけられている今こそ、<大幅一律賃上げ獲得>のスローガンのもとにすべての労働者は団結してたたかうべきなのだ。

 「労働移動、リスキリング」の名による犠牲強要を許すな!
 軍拡のための増税反対!


 そしてわれわれは、この<大幅一律賃上げ獲得>の闘いと一体のものとして、「GX・DX推進」にむけた産業構造再編、そのための「労働移動・リスキリング・日本型職務給の確立」を前面に掲げた政府の労働政策、そしてこれに尻押しされた独占資本家どもによる首切り、異職種や遠隔地への転籍・配転・出向、賃下げ、労働強化の攻撃をはね返すためにたたかおうではないか。
 岸田は、大軍拡をうちだすとともにその財源を増税に求めることを傲然と宣言した。この「軍拡のための増税」という戦後はじめての攻撃を阻止するためにたたかおう。さらに軍拡と独占体支援策の他面で強行されようとしている年金の削減、医療費窓口負担増額などの社会保障利用料の値上げなど社会保障の切り捨てに反対してたたかおう。

 大軍拡反対・日米軍事同盟強化阻止、憲法改悪阻止の闘いを!

 岸田政権の「安保三文書」の改定による「反撃能力の保有」と称する敵国への先制攻撃体制構築への突進は、「専守防衛」のたてまえを最後的に否定しさり戦争への道を突き進む、日本の戦後史を塗り変える一大反動攻撃にほかならない。しかもこれにつづいて彼らは、第九条を破棄し「緊急事態条項」を新設する憲法改悪に突進しようとしている。
 「連合」指導部が支持し実体的にも支えている玉木の国民民主党は、自公連立政権の一角に加えてもらうことをたくらみ、軍拡にも改憲にも賛成している。他方、立憲民主党の泉執行部は、維新との共闘≠願望し、軍拡・改憲支持に舵を切りつつある。そして日共・志位指導部は「岸田政権の大軍拡を許さない国民大運動」なるものを呼びかけてはいる。だがそれは、日共の「外交ビジョン」という平和の流れ≠フ幻想を煽りたてる代案の宣伝運動にほかならない。また改憲阻止の闘いも、「全労連」指導部がそうであるように「憲法を生かす運動」というものでしかない。
 われわれはこのような既成労働運動指導部・既成野党の腐臭を放つ対応を弾劾し、――全学連の革命的学生と固く連帯して――労働戦線の深部から<安保強化・軍拡阻止、憲法改悪阻止>の闘いを創造しよう。二三春闘のただなかにおいても、賃金闘争・政治経済闘争とともに、この闘いをそれじたいとしても断固としてたたかいぬこう。通常国会において一月から三月に、政府・自民党はこの大軍拡のための軍事予算を核心とする二三年度国家予算案の成立を強行しようとしている。これを打ち砕くための闘いに起て!

 岸田政権打倒めざして突き進もう!

 これらすべての闘いを集約して、岸田反動政権打倒をめざしてたたかおう。
 今年、G7議長をつとめる岸田は、五月の広島サミットを――バイデンにつき従う属国の宰相≠ナしかないにもかかわらず――日本帝国主義国家の国際的地位を高める機会にせんとしている。そのためにもこの男は、新年早々参勤交代≠謔しくバイデンのもとを訪ね、日米軍事同盟強化、いっそうの役割分担強化を誓おうとしている。
 そもそも党内「第五派閥」の長でしかないこの男は、安倍なき安倍派の萩生田や無派閥の高市ら安倍の後継者≠気どるタカ派連中にたえず突きあげられ党内力学のバランスをとりつつ、統一協会問題やみずからの任命した閣僚の数かずの不祥事を傲然と居直りもみ消して、反動攻撃に突進しているのだ。いまこそこの反動攻撃と不祥事もみ消しに怒る労働者・人民に、この政権の悪逆さ・ネオファシズム的本性を暴きだし、彼らに<反ファシズム>の自覚を促しながら反政府闘争への高揚をめざしてたたかおう。

 ウクライナ反戦の闘いをさらにおしすすめよう!

 われわれは、昨年の激闘を引き継いでウクライナ反戦の闘いをさらに労働戦線から組織するために奮闘しよう。
 この冬にも、厳冬期に発電所や送電施設を攻撃し寒さでウクライナ人民の闘志を挫こうとしてきたプーチンの悪逆な攻撃に抗して、ウクライナの労働者・人民は侵略者プーチンへの怒りに燃えて、ロシア軍を全土から叩きだす戦いを意気高くたたかいぬいている。ロシアの心ある労働者・人民は、虐殺者プーチンによる「動員」や反政府闘争への血の弾圧に抗して決起しつつある。彼らと連帯して<ロシアのウクライナ侵略粉砕>の反戦闘争を労働戦線からさらに創造しよう。この闘いを全世界に波及させるために奮闘しよう。
 われわれはウクライナやロシアの左翼、労働者・人民に連帯のメッセージを発し、彼らのうちにわが反スターリン主義革命的左翼への共感をつくりだしてきた。いまこそ彼らと固く連帯してさらに奮闘しよう。
 日本の左翼戦線においては、労働戦線になお巣くっている旧向坂派の労組官僚どもや安斎育郎などの日共内・日共文化人内のオールドスターリニストどもが、「NATOが悪い」とか「ブチャ虐殺はウクライナのフェイクだ」とかの、まさに破廉恥きわまりないプーチン擁護論を叫び、ウクライナ反戦の闘いに公然と敵対してきた。われわれはこの連中が自己崩壊したスターリン主義ソ連邦の反マルクス主義性をいまだに何ひとつ反省することもなく、なおも「ソ連社会主義」への郷愁に浸っていることを断固として批判し、その犯罪性を暴き弾劾してたたかってきたのだ。この地平にふまえて、さらに各職場から<プーチンの戦争粉砕>の闘いを創造しよう。
 すべてのたたかう労働者諸君! 今二〇二三春闘を総力を結集してたたかいぬこう!

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分断と荒廃を露わにする落日の帝国アメリカ


 「アメリカの結束」を掲げたバイデンが大統領に就任してから二年。軍国主義帝国アメリカはいま、全社会を覆いつくす混乱と分断と荒廃を全世界にさらけだし、いよいよ没落の急坂を転げ落ちている。全米各州でおこなわれた中間選挙(昨年十一月八日投開票)を経て新たな連邦議会を開会したその矢先に、下院多数派を占めた共和党内から二十名のトランプ支持派議員が造反し、――やり直し投票を十四回くりかえしても――下院議長を選出できないという前代未聞の事態が現出した。ようやく、議会開会四日目になって十五回目の投票によって共和党下院院内総務マッカーシーが下院議長に選出されるにいたった(一月七日)。
 「アメリカ・ファースト」「ウクライナ支援反対」を呼号するこの議員グループ(極右団体「ティーパーティー」の流れをくむ「フリーダム・コーカス」)は、マッカーシーが連邦議会議事堂襲撃事件(二一年一月)にかんする「トランプの責任」に言及したことをもって彼への投票を拒みつづけた。このゆえに下院は、四日間にわたって投票と休会とを延々とつづけるという機能麻痺に叩きこまれたのである。
 こうした事態を眼前にして、大統領バイデンは「こんなに時間がかかるのはちょっと恥ずかしい。世界が見ている」とつぶやくことしかできなかった。まさしく落ちぶれ果てた軍国主義帝国アメリカの大統領にふさわしい言辞ではないか!
 連邦議会を機能麻痺に叩きこんだこの不様なドタバタ劇こそは、「民主主義陣営のリーダー」を自任するアメリカ帝国主義の無残な末路を象徴するものにほかならない。発足から三年目を迎えたバイデン政権が、「自由と民主主義」だの「国際協調」だのというボロ旗を掲げ直しているのだとしても、上下両院のねじれ≠ニいう事態のもとで、この政権がデッドロックにつきあたりヨレヨレぶりを露わにするであろうことは明らかである。
 老衰ぶりを露わにするアメリカ帝国主義の惨状を目の当たりにして、習近平の中国は――その足下を経済的危機と人民のネオ・スターリニスト専制支配にたいする反逆に揺さぶられながら――一気に対米の軍事的・政治的・経済的攻勢を強めている。
 アメリカを「世界の覇者」の座から引きずり降ろしつつある習近平・中国およびプーチン・ロシアと、これをなんとしても阻止することに血眼となっているバイデンのアメリカとの世界の覇権をかけた激突。それは、世界大的な大戦勃発の危機をいやがうえにも高めているのである。

T 勝者なき中間選挙 

  トランプ派の敗北
 昨年十一月の中間選挙においては、「レッドウエーブの席巻」(共和党の圧勝)という予測報道とは裏腹に、上院では与党・民主党が五十一議席を得て過半数を制した。(選挙後に非改選の民主党上院議員シネマが離党し無所属に転じたことによって民主党の議席は五十となった。)下院においては、共和党が二二二議席(改選前二一二)を得て辛うじて過半数をおさえたとはいえ、民主党をわずか十議席うわまわったにすぎなかった。
 来たる二〇二四年の米大統領選において再び共和党から立候補することをもくろんでいるトランプは、その前哨戦と位置づけたこの中間選挙において上下両院議員および州知事の共和党候補の総計三三〇名を推薦しテコ入れをはかってきた。「自分が推薦した候補は必ず勝つ」などと思いあがったトランプは、推薦した候補の大部分が次々と落選するという惨憺たる結果をつきつけられた。
 二〇一六年の大統領選においてトランプの支持基盤となったペンシルベニアなど北東部・中西部の「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」における上院議員選挙においては民主党候補が勝利した。そして、決選投票にまでもつれこんだ、共和党の拠点ジョージア州における上院議員選挙においても同様に民主党が議席を獲得したのであった。
 いまや共和党内におけるトランプの権威は完全に失墜した。すでに保守派の内部からさえも、「アメリカは新たな指導者を求めている」(前副大統領ペンス)などと明言しトランプを次期大統領候補から排除する動きが加速している。そして、フロリダ州知事デサンティスが共和党候補の選考対象として一気に前面に躍り出ている。〔「反移民」を標榜するデサンティスは、昨年九月、同州に到着した移民五十人を航空機でマサチューセッツ州の島に送致した。〕
 いまやトランプ派の失速≠ヘ鮮明になっている。トランプは、深刻化する諸物価の高騰のもとで生活苦に突き落とされている労働者・人民にたいして、とりわけ「プア・ホワイト」と呼ばれる白人労働者にたいしてバイデンの失政≠あげつらうとともに、みずからこそが「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」(=古き良きアメリカの再興=jを実現するのだとアピールしてきた。そうするならば共和党の圧勝≠ェもたらされるなどと夢想してきたのだ。だが、それは完全にパンクしたのである。
 その最大の要因は、トランプに推薦された共和党候補が、人工妊娠中絶禁止、銃規制強化反対、移民受け入れ規制強化、黒人・移民・性的少数者の社会的排斥という主張をくりかえしたことにたいして、「Z世代」(一九九〇年代半ばから二〇一〇年に生まれた世代)と呼ばれる十〜二十歳代の若年層や女性や黒人および移民を中心とする労働者・人民の怒りと批判が一挙に拡大したことにある。日々の生活のなかで貧窮と差別に苦しむ多くの労働者・人民にとって、このトランプが煽動する「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」(MAGA)なるスローガンは、宗教的・民族的・人種的・地域的の反目と憎悪を煽りたて、差別・社会保障切り捨てを公然と鼓吹するものでしかないのである。
 一方では、白人層の半数、アメリカの人口の四分の一にのぼるキリスト教福音派の多くが人工妊娠中絶禁止を主張するトランプ派=いわゆる「MAGA派」候補に票を投じた。これにたいして、トランプおよび「MAGA派」の煽動によって、黒人やアジア・中南米系人民、女性や性的少数者にたいする殺人・傷害・いやがらせなどのヘイトクライムが全米各地で頻発し増加の一途をたどっているなかで、黒人の八割強、中南米系の六割が「反トランプ」を掲げる民主党候補の支持に回ったのであった。そして、「ジェネレーション・レフト(左派世代)」と呼ばれる若年層(十八〜二十九歳)は、貧富の格差拡大・極端化や福祉切り捨てや政治エリートの腐敗など社会的諸矛盾をもたらしているアメリカ社会に批判を強めている。これらの労働者・人民の多くが、非正規雇用を強いられたり極限的な貧困に突き落とされている若者・女性・高齢者・黒人・移民など「社会的弱者の権利」を傲然と切り捨てるトランプ派への批判票≠投じたのであった。
 〔こうした労働者・人民のトランプ派への怒りは、昨年六月に最高裁が人工妊娠中絶の権利を否定する判断をしめしたことを契機として一挙に拡がった。トランプ前政権のもとで保守派判事が多数を占めた最高裁は、「中絶禁止は憲法違反」という従来の憲法解釈を全面的に否定しさったのであった。〕

  大惨敗をまぬがれたバイデン
 「レッドウェーブ」は不発に終わったのだとはいえ、それはもちろん、バイデンにたいする労働者・人民の支持が回復されたことをなんら意味しない。今回の中間選挙投票日直前の十月下旬まで、バイデン政権の支持率は三九%にまで下落しつづけ、就任いらいの最低支持率にひたひたと近づきつつあったのだからである。
 生活必需品価格の高騰によって一挙に生活苦に突き落とされた労働者・人民の怒りはますます高まるばかりなのだ。物価上昇率は、FRB(連邦準備制度理事会)の金利引き上げによってやや緩和されたのだとはいえ、依然として八%に迫る歴史的なインフレはおさまる気配を見せてはいない。こうしたなかで、食料・衣料・ガソリンなどの生活必需品価格の高騰に見舞われ生活苦に突き落とされた労働者・人民の怒りはいやましに高まり、バイデン現政権にむけられているのだ。
 現下の狂乱的なインフレじたいが、バイデン政権が国債乱発によって調達した資金を独占資本支援のために「新型コロナ対策」と称して総額六兆jもばらまき、そうすることによって招きよせたものにほかならない。しかも、新型コロナ感染拡大下における需要の減退にともなって運輸・流通や飲食・宿泊などのサービス業の資本家どもが大量に解雇した労働者が、再び解雇されることを忌避して同様の職種に復帰しないことによって深刻な労働力不足に陥っている。このゆえにこれらの業種の賃金が上昇し、それを資本家が価格に転嫁することによって諸物価高騰に拍車をかけている。
 こうしたインフレの昂進を抑えこむためにFRBが実施した金融引き締め策を契機として、アメリカ経済は明らかに景気後退局面に突入している。〔二〇二二年のGDPは、第一四半期(一・六%)、第二四半期(〇・六%)と連続して減少した。〕
 昨年来、スタグフレーション転落の可能性が胚胎するアメリカ経済危機の深刻化のもとで、バイデン政権はますます政権支持率の低落化に見舞われてきた。これをのりきるために、バイデン政権は、八月に成立させたインフレ抑制法にもとづいて、三六九〇億j(約五〇兆円)にのぼる大型補助金を支出するという企業支援策をうちだしてきた。同時に、「Z世代」の若年層をみずからの支持基盤としてとりこむために、最大二万jにのぼる学生ローン返済免除法を約四三〇〇万人を対象として施行することを発表した(昨年八月)。
 それだけではない。中間選挙をまえにして、トランプが連邦議会襲撃事件を居直ったり、社会的弱者切り捨てや人種間対立を煽る言辞を呼号したことにたいして無党派層や共和党の支持層からさえも不信や怒りの声があがりはじめたこと、この機をとらえてバイデンの民主党は、共和党予備選に介入し、あえてトランプ派(MAGA派)候補者への応援<Lャンペーンを展開するという奇策≠ノうってでた。支持率が低くともトランプが相手なら勝てる≠ニいう計略をめぐらせながらである。
 こうして与党・民主党が大惨敗に見舞われるという事態を辛うじて回避したのだとはいえ、バイデン政権がますますヨレヨレぶりをさらけだすことはまちがいない。二三年一月から開会された新たな連邦議会においては、上院の過半数を民主党が確保したものの下院は共和党が制するというねじれ¥況に陥るのだからである。このゆえに、バイデン政権は、ウクライナ軍事支援をはじめとする安保・外交政策ならびに社会経済政策などの議会通過がますます困難になることは明らかである。
 今回の中間選挙においてむきだしとなっているアメリカのむごたらしい荒廃、その基底にあるものこそ、新型コロナ・パンデミックのもとで一挙的に拡大した階級間格差にもとづく社会の分断であり、数年以内には中国に「世界第一の経済大国」の座を奪われかねない危機に直面したアメリカ支配階級内部の対立と焦燥にほかならない。

 以下 見出し

U 中国封じ込めのための重層的包囲網づくり

 A <中国主敵>の新たな世界戦略
 B 「技術強国化」阻止を狙った半導体封鎖
 C 「一帯一路」創出への巻き返し


V 多国間軍事同盟再構築への猛進
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12・13 教育労働者宅への不当捜索弾劾!

 治安維持法型弾圧を打ち砕け

 昨二〇二二年十二月十三日に、埼玉県警は長年反戦平和運動にとりくんできたさいたま市在住の教育労働者Aさん宅を「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」などという容疑で家宅捜索した。県警は車検証にかつてAさんが居住していた横浜の実家の住所が記載されていたことを、あろうことか犯罪に仕立てあげたのだ。そして延々七時間にもわたる捜索を強行し、Aさん所有の軽乗用車を強引に押収していったのである。

 驚くべき容疑のねつ造

 警察権力がAさん宅の捜索と車両押収の口実にした「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」なる容疑は正真正銘のでっちあげだ。
 警察権力は、Aさんが、「軽自動車検査協会」の職員をだましてデータベース(「軽自動車検査ファイル」)に不実の記録をさせたなどと強弁している。だがこれほどのデタラメなやり口がまたとあるだろうか。
 第一に、「軽自動車検査ファイル」は、そもそも「公正証書」ではない。ブルジョア法に照らしてさえ、「電磁的公正証書原本不実記録」罪などまったく成立しないことは明白なのだ。
 第二に、Aさんは車検証の更新手続きの一切をディーラーに任せていた。車検証更新のための申請書に住所や氏名を記入したのも、「軽自動車検査協会」に赴き窓口で申請をおこなったのも、Aさん本人ではない。すべてディーラーがおこなったことだ。Aさんが職員を欺したなどという犯罪事実などどこにもないのだ。
 そして第三に、県警のデカどもは、ディーラーにたいする任意聴取に際して、Aさんを罪に陥れるために、悪らつにもでっちあげのストーリーをディーラーに語らせようと試みた。Aさんがみずからディーラーにたいして、横浜の住所のままで車検登録を更新するように依頼した、などという虚偽の供述を取ろうとしたのである。
 だが事実は次の通りである。病身のAさんを気遣い住所変更に必要な書類を入手する労を省くために、ディーラーは、住所変更の手続きは必要ないとAさんに勧めたのだ。
 ちなみに「ナンバー違いで車検登録する例など山ほどある」と当のディーラー自身が語っている。警察権力が何が何でも容疑をでっちあげようとしたことは明らかではないか。

 「革マル派の組織犯罪」のでっち上げ

 捜査責任者である埼玉県警のデカは、Aさん所有の軽自動車を強引に押収するに際して「車が組織的に使われていたかどうかを調べる」などと言い放った。わが革マル派の組織のために当該車両が使用されていたかもしれないなどと強弁して車両を差し押えたのだ。
 だが、この軽自動車は、重い病気を抱えるAさん夫婦にとって生活に不可欠な日常的な足である。身障者である夫の通院や日々の買い物などに毎日用いていたのだ。権力があたかもこれを「革マル派の組織犯罪」に使われていたかのように描きだすのは、明らかに悪らつなフレームアップいがいの何物でもないのだ。
 また、裁判所が発行した「捜索差押許可状」の「差し押さえるべき物」欄には、押収対象として「革マル派の綱領、規約、文書類」などが真っ先に列挙されていた。だがそのようなものはあるはずもなく、警察権力が押収したのは、革マル派の機関紙『解放』たった一部にすぎなかった。わが機関紙の主張と今回の容疑に何の関連があるというのか。警察権力が、あらかじめレッカー車まで用意してAさんの車を強引に押収し、もってわが同盟の組織的犯罪があたかも存在するかのようにでっちあげようとしていることは明白ではないか。Aさんにたいする今回の弾圧は、紛れもなくわが同盟を憎悪する国家権力者どもによる革マル派組織破壊の攻撃にほかならないのだ。

 ネオ・ファシズム的弾圧を粉砕せよ

 警察権力は、反戦平和を訴え労働組合運動に熱心にとりくんできたAさんのような労働者に革マル派の組織成員というレッテルを貼り、Aさん所有の軽自動車が「革マル派の組織犯罪」に使われたかのような悪意に満ちたフレームアップをおこなった。これは、わが同盟を標的にした非合法的弾圧である。のみならず、警察権力は、革マル派とみなした者や革マル派に協力したとみなした者はすべて処罰の対象にするという暴挙に踏みだしたのだ。日本型ネオ・ファシズム権力は、政府に歯向かう者を「革マル派」と決めつけ、徹底的に弾圧するという治安維持法型の攻撃を開始したのだ。いまや政府の戦争政策などに仁王立ちになって立ち向かうわが「革マル派」の名は、戦前の治安弾圧に利用された「アカ」や「主義者」とまったく同義のレッテルとして利用されているのだ。
 ロシアのウクライナ侵略を転回点にして、世界はいまや核戦争と第三次世界大戦の暗雲に覆われている。このなかで岸田政権は安保関連三文書を閣議決定し「専守防衛」をかなぐり捨てた。中国やロシアに対抗して労働者人民を根こそぎ戦争政策に動員しようとしているのだ。こうした戦争前夜というべき現在の状況のもとで今回のネオ・ファシズム的弾圧は仕掛けられたのである。
 わが同盟は全人民に警鐘を乱打するために、十二月二十二日に、解放社本社において今回の弾圧事件について記者会見を実現した。この会見をつうじてわれわれは、警察権力による今回の捜索差し押えがいかにデタラメきわまりないものであったか、そしてこの弾圧の意味と背景は何か、ということを全社会的に明らかにしたのである。
 このわれわれの間髪を入れぬ反撃の闘いは、弾圧をプロモートした警察権力中枢を的確に射抜いた。記者会見終了の二時間後に、埼玉県警は軽自動車を含めた押収物をすべて還付するなどとおずおずと通告してきたのだ。われわれが権力の目論見を全社会的に暴露したことにうろたえた警察権力は、急きょ事件のもみ消しに奔走しはじめたのだ。だがわれわれは警察権力による姑息なもみ消しを断じて許さない。さらに反撃するであろう。

 すべてのたたかう労働者・学生諸君! いまや警察権力は政府に反対する者にたいする新たな弾圧に踏みだした。わが同盟は、反戦・反安保・反改憲の闘いをさらに前進させるとともに、日本型ネオ・ファシズム権力による一切の弾圧攻撃を打ち砕く闘いに起ちあがるべきことを訴える。

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警察権力の新たな弾圧に反撃

 12・22 わが同盟が記者会見

 十二月十三日に埼玉県警は、車の車検証にかつて住んでいた実家の住所が記載されていたことを「電磁的公正証書原本不実記録」とみなすというデタラメきわまりない容疑をでっちあげて、さいたま市在住の教育労働者宅を家宅捜索した。そして警察権力は、ただただ「車が(革マル派の組織のために)組織的に使われていたかどうかを調べる」などとうそぶき、車そのものを押収したのだ。
 いかなる「組織犯罪」に関係したかということさえ明らかにせず(むろんそんなものはあるはずもないのであるが)、あたかも車が「革マル派の組織犯罪」に使われていたかのようにみなして、労働者宅を捜索し車を押収した今回の事件。これは警察権力の悪らつきわまりないフレームアップであり、治安弾圧の新たな形態にほかならない。まさにこのゆえに、わが同盟は、全人民に警鐘を乱打するために、十二月二十二日午後、東京都内の解放社本社において記者会見をおこなった。
 記者会見には、新聞社とテレビ局あわせてマスコミ十二社が参加した。
 会見では、まず革共同弾圧対策部の同志・小林が、警察権力による家宅捜索と車押収のデタラメさ・容疑そのものの前代未聞性を全面的に暴露し、「これこそはまさに戦前の治安維持法型の弾圧」であることを喝破した。
 つづいてわが同盟を代表して同志・山中が今回の新たな弾圧の意味と背景を明らかにした。
 かの<プーチンの戦争>によって世界が一挙に戦争の時代へと急展開するなかで、日本の岸田極反動政権はいま、「専守防衛」を公然と投げ捨て「反撃能力=敵基地攻撃能力」を保有する軍事強国へと暴走していること。このゆえに権力者どもは、日本型ネオ・ファシズム支配体制を一段と強化しつつ、政府に反対する者にはいわゆる「人権」などいっさい認めず徹底的に痛めつけるという戦前の治安維持法型の弾圧を開始したこと。――こうしたことを、同志・山中は鮮明にした。そして「マスコミの皆さんは『社会の木鐸』として、日本を覆いはじめたこのドス黒い暗雲について、是非警鐘を乱打していただきたい」と訴えたのであった。
 参加した記者たちからは多くの質問が出され、質疑応答が交わされた。そのなかで、「なぜ今、革マル派に弾圧が集中しているのか」という点をめぐって、同志・山中は次のように明らかにした。
 「今回の警察権力の新たな弾圧は、二〇二二年八月以降われわれが、北井一味の反革命性を徹底的に暴きだしたこと、それゆえに北井一味を使った警察権力の革マル派攻撃――ネット上での誹謗・中傷とフェイクのまき散らしという姑息な手口でのそれ――が木っ端微塵に打ち砕かれてしまったこと、これへの権力の報復攻撃以外のなにものでもない」と。
 そして同志・山中は、松代・糸色・椿原という反革命にしてお粗末三人組の本性を余すところなく赤裸々にした。
 こうして記者会見は、当初の予定を大幅に越えて一時間にわたっておこなわれた。さらに会見終了後も、幾人かの記者たちは会場に残り、山中・小林両同志および受付の女性同志と歓談しあった。そして、会見の会場には「自由にお持ちください」として、『解放』の二〇二三年新年号および「反革命=北井一味を粉砕せよ!」シリーズ八号分のセットが置いてあったのであるが、すべての記者がこれを手にして本社を後にしたのであった。
 なお、この記者会見が終わってから二時間後に、警察権力は、「押収物はすべて返す」と連絡してきた。これは権力の完敗宣言以外の何物でもない。だが、権力のもみ消しは断じて許さない。われわれは、周章狼狽する権力をさらに追撃するであろう。

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12・15
  

「安保三文書」の閣議決定を許すな!
 


全学連 首相官邸に怒りの拳


 昨年十二月十五日、全学連のたたかう学生たちは、「『安保三文書』の閣議決定阻止」「日米グローバル同盟粉砕」を掲げて、首相官邸にたいする緊急闘争に断固として起ちあがった。 岸田政権による翌十六日の閣議決定を断じて許すな! この烈々たる闘志を燃やし、全学連のたたかう学生たちは、「反安保」を完全放棄した日共系反対運動をのりこえ、官邸前に反戦反安保の闘いの炎をぶちあげたのだ。
首相官邸前に勇躍決起した全学連
(22年12月15日)
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国会前で闘う学生が奮闘

八〇〇名の労働者・人民と共に

 昨年十二月十五日、「『安保関連三文書』閣議決定反対 国会議員会館前緊急抗議行動」(主催:総がかり行動実行委員会など)が八〇〇名の労働者・市民の結集のもとに開催された。 午後六時三十分、早稲田大学・国学院大学などの首都圏のたたかう学生たちは、衆院第二議員会館前において、結集した労働者・市民とともに、「『安保三文書』閣議決定を許さないぞ!」「憲法改悪阻止!」と怒りの声をあげた。
国会前で労働者人民と共に闘う学生
(22・12・15)
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