第2748号(2022年12月12日)の内容
<1面>
「安保三文書」の閣議決定阻止!
米―中・露激突下の戦争的危機を突き破る反戦闘争を!
習近平政権の人民弾圧弾劾!
11・30 全学連が中国大使館に緊急闘争
<6面>
2022年版『防衛白書』
日本帝国主義の生き残りをかけた大軍拡の宣言
<2面>
改憲・大軍拡反対の声轟く
闘う学生が総がかり行動で奮闘
11・30 日比谷
<3面>
健康保険証廃止=マイナンバーカード取得義務化阻止!
<4〜5面>
「ゼロエミ」船の開発で生き残りをはかる造船諸独占体
後期高齢者の健康保険料負担増を許すな!
Topics 「マイナ保険証」への切り替えを強制する岸田政権
「解放」最新号
「安保三文書」の閣議決定阻止! 米―中・露激突下の戦争的危機を突き破る反戦闘争を! 岸田政権は今月中旬にも、「安保三文書」の閣議決定を強行しようとしている。「反撃能力」の名による先制攻撃のための長距離ミサイルの導入、軍事費のGDP比二%=一一兆円への大増額、そしてこの財源を確保するために労働者・人民の血税を投入することをうたった、この新たな軍事戦略の策定を、われわれは総力をあげて粉砕するのでなければならない。 東アジアにおいては、中国の習近平政権が台湾併呑に向けた軍事行動をますます強化し、さらには中・露に支えられた北朝鮮の金正恩政権が弾道ミサイルの発射をくりかえしている。これらと最前線で対峙している岸田政権は、アメリカ・バイデン政権とのあいだで日米軍事同盟を一段と強化しながら、対中国・対ロシア・対北朝鮮の戦争遂行体制の構築を急いでいる。 日本をアメリカとともに先制攻撃をなしうる軍事強国へとつくりかえるという岸田ネオ・ファシスト政権のこの戦後史を画する攻撃を、われわれは絶対に打ち砕くのでなければならない。今こそ「安保三文書の閣議決定阻止!」の巨大な闘争を巻きおこそうではないか! 「軍事ではなく外交」などと称して岸田政権に安保・外交政策の転換を求める日共翼下の反対運動をのりこえたたかおう! 日米グローバル同盟の強化反対! 米―中・露激突下の戦争勃発の危機を突き破る反戦の闘いを今こそ巻きおこせ! 岸田日本型ネオ・ファシズム政権打倒をめざして総決起せよ! 台湾をめぐって激烈な角逐をくりひろげる米・中 東アジアにおいては、アメリカ帝国主義バイデン政権と中国ネオ・スターリン主義習近平政権との台湾をめぐる角逐がますます熾烈化している。このことは、G20サミットの直前にインドネシア・バリ島で開催された対面の米中首脳会談(十一月十四日)において鮮明に示された。 この場において習近平は、バイデンが発した「中国にとってのレッドラインは何か?」という問いかけにあえて応えるかたちをとって、「台湾問題は中国の核心的利益のなかの核心であり、越えてはならない一線だ」「中国を分裂させようとする者を中国人民は決して許さない」とバイデンの鼻先に突きつけたのであった。 まさにそれは、米中の権力者が、相互に台湾をめぐる両国の激突がもはや必至であるという認識をもち、「(越えてはならない)レッドライン」を確認しあうことが、首脳会談の主要なテーマとなったことを示したのであった。 かの八月の米下院議長ペロシの訪台にあわせて強行した一大「軍事演習」――台湾の海上と上空を完全に封鎖し・台湾の東側から支援に駆けつける米軍・日本国軍部隊を弾道ミサイルで攻撃するという台湾侵攻計画にもとづいたそれ――をもって、中国国家が台湾を制圧する軍事的能力を獲得しつつあることをアメリカ権力者に現実に突きつけてきたのが習近平の中国であった。このことを基礎として習近平が中国との激突(レッドライン)を避けたいのであれば、アメリカの「台湾支援」政策を破棄せよ≠ニバイデンにたいして強く迫ったのである。 これにたいしてバイデンは、「(中国の台湾にたいする軍事行動は)威圧的で挑発的な行為だ」「一方的な現状変更に反対する」と習近平を非難した。 まさにこのとき台湾にほど近い沖縄・南西諸島においては、中国の台湾侵攻を想定した日米共同の大規模軍事演習「キーン・ソード23」が強行されていたのであった。 このように中国にたいして日本との「同盟の力」を見せつけながら、台湾への「武力侵攻」をやめよと習近平に迫ったのが、もはや独力で中国を封じこめる力を失って久しい老いたる大国≠フ指導者たるバイデンであったのだ。 このバイデンが今回の首脳会談にひっさげてきたのが、中国の人工知能やスーパーコンピュータの開発、最先端半導体の製造装置開発に「アメリカ由来の技術」を利用することを禁じるという、対中国の新たな半導体封鎖″(十月七日発表)である。〔バイデン政権は「アメリカ由来の技術」を利用している韓国・日本などのアジア諸国および欧州諸国の企業にたいしても、この規制策に従わなければアメリカが制裁を発動するという警告を発した。〕中国による半導体およびその開発技術の取得を軍用・民生用の別なく全面的に阻止することをねらった、かつてなく強烈な半導体規制。このいわば「見えない弾道ミサイル」を習近平の土手っ腹にぶちこみながら首脳会談にのぞみ、「両国の競争が衝突にならないように……」などと呼びかけたのがバイデンにほかならない。 このバイデンの強硬策を、首脳会談において「アメリカの貿易戦・科学技術戦」と呼んで非難したのが習近平であった。習近平は、アメリカによる同盟国をまきこんだこの半導体規制に風穴を開けるために、半導体関連企業を擁する韓国・日本などの政府とアメリカ政府との軋轢につけこみ両者を離間することを企図して、バイデンによる「科学技術交流の政治化」を声高に非難してみせたのである。 まさしくバイデン―習近平会談は、台湾をめぐる軍事的・政治的角逐と半導体をめぐる経済的・政治的角逐とがからみあいながら米・中の対立が熾烈化していることをいっそう浮き彫りにしたのであった。 まさにそれは、米中の全面的な対決が、台湾や南シナ海を焦点として――「半導体戦争」とからみあいながら――「熱い戦争」へと転化する危機がかつてなく高まっていることを全世界に知らしめたのである。 バイデン政権はこんにち、「国際秩序の再構築をめざす意志をもち、経済、外交、軍事、技術の力を向上させている唯一の競争相手」たる中国を主敵≠ニ改めて断じ、この中国をば同盟諸国の力をも総動員して政治的・軍事的・経済的に抑えこんでいくことを柱に据えた世界戦略をうちだしている(十月十二日発表の「国家安全保障戦略」)。 中国にたいする「永続的な競争力」を維持することを優先し・かつ「国際システムの差し迫った脅威」たるロシアを「抑制する」ことをば、ロシアのウクライナ侵略によって激変した現代世界におけるアメリカ帝国主義国家の戦略目標として定めなおしたのがバイデン政権なのだ。 このように「中・露二正面の抑止」を鮮明にしたバイデン政権は、これを達成するために「アメリカの核戦力の近代化」を進めるとともに、「最強の連合体を構築」すると称して、NATO同盟諸国および日本をはじめとした「インド太平洋」諸国との軍事的・政治的関係の強化に狂奔しているのである。 そのことは、G20会議にあわせて開催された、日本の岸田政権および韓国の尹錫悦政権との三ヵ国首脳会談にも示された。この会談においては、弾道ミサイル発射をくりかえす北朝鮮への対応にとどまらず、中国の台湾・南シナ海での「一方的な現状変更」に反対することや、南太平洋諸国との関係強化を実現することが確認された。すでに尹政権は、文在寅前政権が唱えた「三不政策」(THAADシステムを配備しない、米主導のミサイル防衛システム網に参加しない、日米韓三ヵ国の軍事同盟を構築しない)の「撤回」を表明しているのであるが、この尹政権を岸田政権とともに従えて、米日韓三角軍事同盟をば対北朝鮮のみならず対中国の同盟としても構築する策動に拍車をかけているのがバイデン政権なのである。 このような米日韓同盟の構築の追求とあわせてバイデン政権は、さらに米―フィリピンの軍事同盟関係強化にものりだしている。すなわち米副大統領ハリスは、中国の南シナ海軍事拠点化策動に対抗して対米関係強化を鮮明にしているフィリピン・マルコス政権とのあいだで首脳会談(十一月二十一日)をもち、その場において「南シナ海でフィリピンの軍、航空機、船舶が攻撃された場合、アメリカは防衛力を発動する」と言明したのであった。 こうしてアジア太平洋地域における対中国の軍事的包囲網を構築し、もって中国による「一方的な現状変更」の策動をなんとしても抑えこもうと躍起になっているのがバイデン政権なのである。 これにたいして中国の習近平政権は、二〇四九年の建国一〇〇年までにアメリカ帝国主義をしのぐ「社会主義現代化強国」を築きあげるという戦略目標を実現するために、「核心的利益中の核心」たる台湾の併呑をねらった軍事的強硬策に拍車をかけるとともに、南シナ海の軍事拠点化の完成へ、さらには南太平洋諸国との政治的・経済的・軍事的関係強化へと突き進んでいる。 そしてまた、バイデン政権が中国を封じこめるために「アメリカの外交、情報、経済手段から安全保障支援、戦力配置の決定にいたるまでの力を政府が統合」することと「同盟国やパートナー国との統合」とを合わせて追求していることにたいしては、中国もまた国家総力戦≠ナ対抗せんとしているのである(それは、先の中共第二十回党大会の習近平政治報告においてうちだされた、中国の「国家安全」のためには軍事、経済、文化、社会、科学技術、情報、資源などを総動員すべきとする「総体的国家安全保障観」なるものにもとづいている)。 同時に習近平政権は、対中国の米・欧・日の共同戦線≠打ち破るために、欧州諸国および日本政府をバイデン政権から少しでも引きはがすことを企図した策動をくりひろげている。 中国を訪問したドイツ首相ショルツやEU大統領ミシェルとのあいだで「経済連携強化」をうたっただけではない。岸田との日中首脳会談(十一月十七日)において習近平は、「世界は新たな変革期に入った。新時代の要請にかなう日中関係の構築を」と呼びかけたのであった。これらは、中国の伝統的な帝国主義離間政策の今日版というべきものにほかならない。 こうして今、東アジアにおいて米・中の政治的・軍事的・経済的の角逐がいっそう激化しているのである。 朝鮮半島における戦争勃発の危機の高まり 台湾とともに、朝鮮半島においても戦争勃発の危機が高まっている。 北朝鮮の金正恩政権は、アメリカ全土を射程に入れるICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星17」などの戦略核兵器の開発を進めるとともに、戦術核兵器を実戦配備することをめざして、ミサイル発射をくりかえしている。 ウクライナを侵略したロシアが、核兵器保有国であるがゆえに米欧からの軍事制裁をうけなかったのみならず、プーチンによる「小型核兵器の使用の可能性」という威嚇が米欧の帝国主義権力者をして戦慄させたということ。このことを目の当たりにして金正恩政権はいまや、「核兵器を持てば米欧から攻撃されない」という確信をいよいよ深めるとともに、「使える核兵器」などと呼ばれる戦術核兵器の威力≠痛感し、その開発と配備を――ロシアの核軍事技術の援助をうけて――急ピッチで進めているのだ。国連安保理での「対北朝鮮制裁決議案」をことごとく否決に追いこむばかりか、アメリカによる北朝鮮を威嚇する軍事演習の方を問題にするという、国際政治場裏での中・露の強力な政治的バック・アップにも支えられながら。 これにたいしてアメリカのバイデン政権は、韓国の尹政権とともに、金正恩が最も恐れる≠ニ言われる戦略爆撃機B1Bをも投入しての大規模軍事演習を強行してきた(日本の自衛隊も共同で軍事行動をおこなった)。さらに韓国の尹政権は、「キル・チェーン」と呼ばれる米韓合同の先制攻撃システムの構築・強化にのりだしている。 こうして今、東アジアにおいては、ロシアのウクライナ軍事侵略を契機として、台湾併呑に向けた策動を一気に加速させた習近平の中国と、核ミサイルの開発・配備へと突進を開始した金正恩の北朝鮮を起動力として、米・日・韓(および豪)と中・露・北朝鮮との角逐が激化し、戦争勃発の危機を高めているのだ。 以下 見出し 戦争遂行体制の構築へ突き進む岸田政権 憲法改悪・大軍拡を阻止せよ |
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習近平政権の人民弾圧弾劾! 11・30 全学連が中国大使館に緊急闘争
いま北京・上海など中国全土において、労働者・学生・人民が「ゼロコロナ」の名で人民を抑圧し貧窮を強制してきた習近平政権にたいする怒りの闘争を巻きおこし、「習近平下台!」の声を轟かせている。これにたいしてネオ・スターリニスト政府は、「敵対勢力の取り締まり」を叫び(十一月二十九日)、凶暴な弾圧の牙をむきだしにした。 ただちに、全学連のたたかう学生たちは、決起した中国人民と固く連帯して、ネオ・スターリニスト習近平政権を弾劾する闘争に断固うってでたのだ。 午後三時前、たたかう学生たちは、港区・麻布の中国大使館前に登場した。彼らはただちに、「習近平ネオ・スターリニスト政権による人民弾圧を許すな!」と大書した横断幕と全学連旗を掲げる。「人民への暴力的弾圧弾劾!」「中国人民と連帯してたたかうぞ!」「ネオ・スターリニスト官僚政府を打ち倒せ!」学生たちはあらん限りの力をこめて中国大使館に怒りのシュプレヒコールを叩きつける。 有木全学連委員長が発言に立った。「われわれは、習近平政権が『ゼロコロナ』の名において人民監視・行動制限・言論弾圧をほしいままにし、人民を強権支配のもとに組み敷くことを断じて許さない!」「『社会主義市場経済』のもとでの人民への貧窮の強制、香港・ウイグル人民への血の弾圧、台湾併呑を狙った軍事行動の強行、そしてウクライナ侵略を強行するプーチン政権の擁護――中国人民の怒りの背景にあるところの、これら一切のネオ・スターリニストの犯罪を弾劾する! 中国人民は、ネオ・スターリン主義者としての反人民的本性をむきだしにする習近平政権を打ち倒せ!」 「ヨシ!」学生たちは、有木委員長の烈々たる発言をうけてますます闘志を燃えたたせた。 たたかう学生たちは、大使館正門前に二度にわたって抗議団を送りだし、弾劾の拳を叩きつけた。「習近平政権の人民弾圧を許さないぞ!」「香港・ウイグル人民への弾圧弾劾!」「台湾併呑を狙った軍事行動反対!」「侵略者プーチンの擁護を許さないぞ!」 こうして全学連のたたかう学生たちは、中国政府に「国際的な人権保障の取り決めの順守」をお願いするにすぎない日共中央の腐敗をのりこえ、中国ネオ・スターリン主義の犯罪をあまねく弾劾し終始戦闘的にたたかいぬいたのである。 |
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二〇二二年版『防衛白書』 日本帝国主義の生き残りをかけた大軍拡の宣言 岸田政権は今、「安保三文書」の策定(国家安全保障戦略・防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画の抜本的改定)に全体重をかけて突きすすんでいる。ここにおいて岸田政権は、「国力としての防衛力の構築」を旗印として、「敵国」への先制攻撃体制構築のための長射程ミサイルの保有とともに、先端軍事技術開発を産官学一体で推進する体制の強化や衰退する軍需産業育成策など、国家総力戦体制づくり≠ニいうべき新たな軍事戦略を策定しようとしているのだ。これこそは、中国・ロシア・北朝鮮を敵性国家≠ニして、日本をアメリカとともに戦争する軍事強国へと名実ともに飛躍させる一大攻撃にほかならない。 こうした新たな軍事戦略の策定に向けての布石をうってゆくものとしてうちだされたのが、二〇二二年版『防衛白書』にほかならない。 以下 見出し 「中国の台湾侵攻阻止」を軍事「目標」として明示 対中国・北朝鮮の先制攻撃体制の構築 国家総力戦体制づくり≠フ企み |
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健康保険証廃止=マイナンバーカード取得義務化を阻止せよ デジタル相・河野は十月十三日の記者会見において、現在は紙などで発行されている健康保険証を二〇二四年秋に廃止し「マイナンバーカード」に統一するという方針をうちだした。「国民皆保険制度」を前提とするこれまでの健康保険証を廃止して、マイナンバーカードにこの保険証を組みこむことによって、このカードの取得を事実上義務化する策動に踏みきったのだ。しかも、運転免許証のデータをマイナンバーカードに組みこむことも、二四年度末としていたものを二四年秋に前倒しする、さらにスマートフォンへのカード機能の搭載について、多くの人民にカードを取得させたうえで、OS「アンドロイド」の端末に来年五月十一日から提供する方針をうちだした。 岸田政権は、病院で診察を受ける際にマイナンバーカードがなければ健康保険に加入している資格確認ができないようにして、まさに労働者人民の命と健康を人質にしてカードの取得を強制するという許しがたい攻撃にふみだしたのだ。この強行策にたいして、いま全国の保険医団体がつぎつぎと抗議と反対の声明を発し、労働者人民が怒りをたぎらせて、「保険証廃止を許すな!」と抗議を岸田政権につきつけている。われわれは、この保険証廃止=マイナンバーカード取得義務化の策動を、断固としてうち砕くのでなければならない。 以下 見出し 取得率停滞の強権的突破を図る岸田政権 労働者人民の管理強化を狙う「医療DX」の推進 日本型ネオ・ファシズム支配体制の抜本的強化を許すな |
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CO2排出ゼロ 「ゼロエミ」船の開発で生き残りをはかる造船諸独占体 わが国有数の軍需産業でもある造船産業の諸企業は、<新型コロナ・パンデミック>のもとで「存亡の危機」が叫ばれていたのであったが、政府からの手厚い支援を受けて息を吹き返し、こんにちの世界的な「脱炭素化」の流れのなかで危機的水域を脱出しつつあるかに見える。世界中の海運産業の諸企業が、保有する大型船舶(自動車運搬船・コンテナ船・バラ積み船など)からのCO2排出量を減らすために、燃料を現在の重油から液化天然ガス(LNG)へと切り替え、さらにはアンモニアや水素を燃料とする「ゼロエミッション(排出ゼロ)」燃料船などへと移行する建造発注が増大しているからである。しかもコロナ感染拡大下で滞留していた物流が回復し大型コンテナ運搬船の需要が拡大し新造船の発注が増大していた矢先に、ロシアのウクライナ侵略戦争が勃発しロシア産天然ガスの供給がストップしたことから、海上輸送でLNGを運搬する需要が一気に広がっているのだ。 しかしわが国の造船産業の諸企業では、すでに二〇一九年以降、三年間もLNG運搬船を建造していない。韓国の現代重工業などとの国際競争に敗北≠オ、LNG運搬船の建造から実質的に撤退しているからだ。そればかりか<米中激突>のもとで「台湾海峡の有事」が叫ばれ、中国の習近平政権が巨大空母を建造し海軍力を大幅に増強しているにもかかわらず、採算があわないからといって受注した多機能フリゲート艦(FFM)の建造を返上する企業まででている。 これらのことに経済安全保障および安全保障の観点から危機感をたかぶらせているのが政府・支配階級である。わが国の海軍力を強化するうえでも造船産業の産業基盤を強化することが不可欠であると考えた政府・国土交通省・海事局は、昨年の五月に「海事産業強化法」を国会で成立させ、それにもとづき各企業へと長期・低利融資や税制の特例措置などの支援に踏みだしている。その場合に彼らは、海事産業(海運・造船・舶用事業など)の諸企業にたいして合併や事業・資産の譲渡などをつうじての事業再編を強要し、国際競争力の強化に不可欠であるとみなして次世代船舶としての「ゼロエミ」船などの開発・導入を促しているのである。 政府からのこうしたテコ入れを受けて、いま造船産業の独占資本家どもは「存亡の危機」からの生き残りをかけて事業再編を強行しつつ、造船関連の職場で働く労働者に過酷な犠牲を転嫁して「ゼロエミ」船の開発を急いでいるのである。 以下 見出し LNG・アンモニア燃料船開発を急ぐ諸企業 軍需部門の拡充をテコとした事業再編 海軍力の産業基盤立て直しにのりだした政府 造船労働者への犠牲転嫁を許すな! |
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改憲・大軍拡反対の声轟く 闘う学生が総がかり行動で奮闘 11・30日比谷 |
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十一月三十日、東京・日比谷野外音楽堂において、憲法改悪や大軍拡に反対する集会が開催された(主催「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」)。岸田政権は先制攻撃体制の構築と軍事費倍増を謳う「安保三文書」の閣議決定を強行しようとしている。そのただなかで開催されたこの集会には、平和フォーラム加盟労組や「全労連」傘下労組の労働者をはじめとする一五〇〇名の労働者・学生・市民が結集した。 集会開会を前に、早稲田大学などの首都圏のたたかう学生たちは、日比谷野音に登場した。彼らはただちに「憲法改悪阻止! 大軍拡反対!」「岸田日本型ネオ・ファシズム政権を打ち倒せ!」などと書かれた横断幕を掲げ、会場に戦闘的息吹をふきこんだ。 |
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結集した労働者・市民に「岸田ネオ・ファシスト政権を倒せ!」と戦闘的な 檄を飛ばす闘う学生たち (11月30日、日比谷野音) |
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「安保三文書の策定阻止!」闘う学生が国会に向け怒りの拳を叩きつける (11月30日、東京・霞が関) |
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