第2724号(2022年6月27日)の内容

<1面>
闘う労学が首都に反戦の火柱 6・19
 米―中・露激突下の世界的戦乱の危機を突き破る闘いに決起
<4面>
「アジア太平洋版NATO」構築への突進
 日米首脳会談・クアッドサミットの意味
<2面>
◎大パンクした米州会議
◎放送業界再編に狂奔する自民党
<3面>
県民大行動に千名が決起
 学生が最先頭で奮闘 6・4辺野古
「自衛隊感謝決議」賛成に走った日共を弾劾せよ
<5面>
「兼務発令」乱発――自治体当局の労働強化を許すな
Topics ウクライナ支援カンパでお茶を濁すJP労組本部
<6面>
大ロシア版図復活を煽る「ネオ・ユーラシア主義」
怒髪 天を衝く――日々思うこと
□うた プーチン許すまじ
週間日誌は3面に掲載
 「解放」最新号












  


闘う労学が首都に反戦の火柱 6・19

米―中・露激突下の世界的戦乱の危機を突き破る闘いに決起


 
 「ウクライナ反戦、改憲阻止・安保粉砕!」の決意も固く首都を進撃
(6月19日、東京都港区・神谷町交差点)
 「プーチンの戦争を打ち砕くぞ!」「憲法改悪阻止・先制攻撃体制の構築反対!」――六月十九日、首都圏の全学連と反戦青年委員会のたたかう労働者・学生は、同日に北海道・東海・関西・沖縄の各地で闘争にたちあがった仲間たちと連帯して、ロシアのウクライナ侵略を弾劾し、岸田政権の空前の大軍拡と憲法改悪への猛突進を阻止する闘いに決起した。首都中枢を席巻する大デモンストレーションを展開し、ロシア大使館、アメリカ大使館、国会・首相官邸に労学の怒りを叩きつけたのだ。
 プーチンの放った侵略軍はいま、ウクライナ東部セベロドネツクを包囲して無差別・大量の砲爆撃を浴びせ、人民皆殺しに狂奔している。東・南部の占領地においては社会・教育・文化・経済の「ロシア化」なるものを強行するとともに、大量の人民をロシアの辺境地域などに強制移住させている。これにたいしてウクライナ人民はウクライナ軍とともに決死の反撃を勇猛果敢に戦いぬいている。
 このプーチンのウクライナ侵略を決定的契機にして、中国・ロシアとアメリカはいっそう熾烈に激突し、世界的戦乱が勃発する危機が極限的に高まっている。中国・ロシア・北朝鮮との激突の最前線に立つ岸田ネオ・ファシズム政権は、バイデン政権の要請に応え日米軍事同盟の飛躍的強化と日本の軍事強国化、憲法改悪に猛突進している。
 だがこのときに、日本共産党の不破=志位指導部は目前に迫った参院選に浮き足だち全党を票集めに駆りたてて、ウクライナ反戦も、反戦反安保・改憲阻止の闘いも完全に放棄している。わが同盟を先頭とする革命的左翼は、代々木官僚の度しがたいまでの反労働者的・反人民的対応を徹底的に弾劾し、全国各地で闘いの火柱をぶちあげたのだ。

露・米両大使館、国会、首相官邸に戦闘的デモ

 「ワーッショイ!」十四時三十分、総決起集会で闘いの意志をうち固めあった労働者・学生の白ヘルメット部隊が、芝公園二十三号地から梅雨の合間の夏の陽射しが照りつける首都の街頭にうってでた。
 御成門小学校の交差点を左折し、一路神谷町に向かう。マイクを持った学生が熱烈に訴える、「交差点の左にロシア大使館がある、プーチンの軍事侵略・人民大虐殺にわれわれの煮えたぎる怒りを叩きつけよう!」「ヨシッ!」デモ隊が呼応し、交差点からロシア大使館にむけて声を振り絞って弾劾のシュプレヒコールを浴びせる。「プーチンの戦争を打ち砕くぞ! 人民大虐殺を許さないぞ! ウクライナ人民と連帯してたたかうぞ! プーチン政権を打倒せよ!」――神谷町界隈を行き交う労働者・市民は、わが隊列の勇姿に目を見張り共感のまなざしを送っている。
 デモ隊は桜田通りを北に進撃する。間もなく虎ノ門三丁目、左手がアメリカ大使館だ!「対中・対露攻守同盟の強化反対! 中距離核ミサイルの配備反対!」
 バイデン政権がウクライナ侵略への対応に追われている間隙を突いて習近平政権が一気におしすすめるASEAN諸国や太平洋島嶼諸国の抱きこみ、台湾を威嚇し日本を恫喝する軍事行動。これに驚愕したバイデン政権は、習近平政権とのASEAN諸国や太平洋諸国の抱きこみ合戦に躍起になっている。同時に米日韓および米日豪の核軍事同盟の結束をうち固め、日本列島への中距離核ミサイル配備をもくろみ、ここ東アジア太平洋域で対中・対露の実戦さながらの軍事演習を相次いで強行している。「米―中・露激突下の戦乱の危機を突き破るぞ!」たたかう労学は声のかぎりシュプレヒコールをあげた。
 霞が関の官庁街に進撃する。左手の坂の上に国会議事堂が見える。その左が岸田の本拠・首相官邸だ。岸田はいま、金融政策や財政再建策などをめぐって政治エリート間の対立をうみだしながらも、米―中・露激突のもとで中国・ロシア・北朝鮮にたいする最前線を担う決意をうち固め、維新の会や国民民主党をもひきつれて、日米軍事同盟強化・大軍拡と改憲への猛突進を開始した。「憲法改悪阻止!」「先制攻撃体制の構築阻止! 沖縄の軍事要塞化反対! 日米グローバル同盟粉砕!『反安保』を放棄した既成反対運動をのりこえたたかうぞ!」官庁街に労学の烈々たるシュプレヒコールが轟きわたる。
 たたかう意気に燃える首都圏の労働者・学生は機動隊の弾圧をはねのけ、解散地の日比谷公園までのデモンストレーションを最後まで戦闘的に貫徹したのだ。

<プーチンの戦争>を打ち砕け! ――総決起集会

 デモンストレーションに先だって、十三時から全学連と反戦青年委員会は芝公園二十三号地で総決起集会をかちとった。
 風間全学連副委員長の開会宣言につづき、有木全学連委員長が基調報告に立つ。有木委員長は冒頭、怒りと闘志をみなぎらせて宣言した。「プーチンのロシア軍が今まさに強行しているウクライナ東部セベロドネツクへの総攻撃を、われわれは断じて許してはならない。断固たる怒りを叩きつけようではないか」「岸田政権・自民党による<軍国日本>再興のためのいっさいの策動を打ち砕け!」――「ヨシッ!」会場の労学がいっせいに呼応する。
 有木委員長は、プーチンの侵略軍がいま東部セベロドネツクなどで強行している包囲・殲滅戦を怒髪天を衝く怒りをこめて弾劾した。「ウクライナ軍と人民は、セベロドネツクを死守するためにいま決死の反撃にうってでている。」たたかうウクライナ人民に熱い連帯を表明し、「この日本の地からウクライナ反戦の闘いを断固としてまきおこそう」と熱烈に呼びかけた。
 このときに、日共指導部は大衆的な闘いを何ひとつ組織していない。有木委員長はこの日共中央を弾劾してたたかうことをすべての労学に熱く呼びかけた。「プーチンへの怒りも、ウクライナ人民と共存共苦することもいっさいないのが日共官僚どもだ。彼らの関心事は、プーチンやソ連と同一視されて票田を失ってしまうことを回避する、これだけである」と。
 有木委員長はさらに訴える、「岸田ネオ・ファシスト政権が振り下ろす憲法改悪と日米軍事同盟の飛躍的強化を打ち砕く闘いをまきおこそう」と。習近平・中国はいま、プーチン・ロシアと結託して対米・対日の軍事的威嚇行動をエスカレートさせている。これにたいして、アメリカ・バイデン政権と日米軍事同盟をうち固め、改憲と大軍拡に猪突猛進しているのが岸田政権だ。憲法第九条を葬りさり・緊急事態条項創設をたくらむ憲法改悪を打ち砕け。軍事費の対GDP比二%以上への大増額や先制攻撃体制の構築、辺野古新基地建設の強行と沖縄全島の軍事要塞化、「われわれは絶対に許すことはできない」。この有木委員長の怒りと気迫あふれる闘争宣言に、すべての仲間たちは「そうだ!」の声で呼応し、たたかう決意をうち固めたのだ。
 「日共中央はいま、参院選にむけて自党の安保・外交政策を宣伝することにいっさいを解消している。」まさに「反安保」を放棄し、「九条を生かした平和外交」なるものを宣伝するにすぎないのがこの連中だ。「日共中央翼下の運動をのりこえ、『日米グローバル同盟反対』の旗高くたたかいぬこう」――会場の熱気はいっそう高まる。すべての集会参加者はプーチンにたいする、岸田にたいする怒りとたたかう意志を熱くうち固めていったのだ。
 つづいて反戦青年委員会のたたかう労働者だ。彼は冒頭、「都市丸ごと焦土と化し、人民を大虐殺しているネオ・ヒトラー=プーチンの蛮行を煮えたぎる怒りをこめて弾劾しよう」と呼びかけた。そしてロシアのウクライナ侵略を契機として世界的に食料・エネルギー価格が高騰しているなかで、日本でも食料品など生活必需品や電気・ガスなど公共料金の値上げが相次ぎ、労働者・人民の生活を極限的に圧迫している。この反人民性きわまりない経済政策・物価対策をとりつづけている岸田政権を怒りに満ちて弾劾したのだ。
 岸田は「物価高の原因はロシアの侵略だ」と傲然と言い放っている。だが今日のここ日本における生活必需品価格の高騰は、何よりも自民党政権と一体となった黒田日銀の「異次元の金融緩和」、まさにこれがあらゆる商品への投機を呼びおこしたことにこそ起因するのだ。しかも今日、米・欧諸国が「インフレ対策」の名のもとに「利上げ」に踏みきるなかでも、政府の国債利払い負担を増大させないためにも日銀が「超緩和策」をとりつづけていることのゆえに円安がとめどなく進行し、輸入品価格を急騰させているのだ。にもかかわらず、「家計の値上げ許容度は高まっている」などと傲然とほざいたのが日銀・黒田なのだ。
 「今二二春闘において独占資本家どもは、『連合』指導部との結託のもと超低額の回答を突きつけた」――反戦青年委の同志はいちだんと怒りをこめて、この物価高騰のもとでも賃金抑制をいっそう徹底した独占ブルジョアどもと、忠犬よろしくこれに全面的に協力加担した労働貴族を弾劾したのだ。

「今こそ反スターリン主義の闘いを」 ――わが同盟が連帯発言

 
 米大使館・首相官邸・国会へ向けて進撃する全学連・反戦の白ヘル部隊
(6月19日、東京都港区虎ノ門)
 集会の熱気がいちだんと高まるなか、次はわが革共同革マル派の連帯発言だ。
 「プーチンの侵略軍による皆殺し戦に抗して決死にたたかっているウクライナ人民と連帯して、<ウクライナ反戦>の闘いをいっそう戦闘的に燃えあがらせよう」
 ロシアのウクライナ侵略開始から約四ヵ月のこんにち、わが同志は誇りに満ちて、ロシアの侵略直後からのわが<ウクライナ反戦>の闘いの意義を明らかにする。「『NATOこそが悪い』『ウクライナは無条件降伏せよ』と語る一部『左翼』諸党派や文化人。このプーチンの擁護者どもは、ソ連崩壊後もスターリン主義の破産と犯罪を何ひとつ反省することもない。プーチンの侵略戦争はスターリンの民族政策などスターリン主義者の歴史的犯罪をこそ根源としている。これを暴きだしわれわれはたたかってきた」
 二月二十四日の侵攻開始直後に、わが同盟は緊急声明を掲載した『解放』号外を日本語・英語・ロシア語で発行し全世界に送り届けた。全学連の学生はロシア大使館への弾劾闘争をはじめ連日の闘いをたたかいぬき、全学連・反戦は二波にわたって労学の大闘争を実現してきた。わが革命的左翼は各大学・職場において、いっさいの反対運動指導部の欺瞞と錯誤を暴きだし<ウクライナ反戦>の闘いを創造するために果敢にイデオロギー的・組織的闘いを展開してきたのだ。すべての仲間が四ヵ月におよぶ激闘を想起しその手応えを噛みしめて、「ヨシッ!」の声で呼応する。
 「このプーチンの戦争を契機として全世界で世界的戦乱の危機が高まっている。その最大の焦点がここ東アジアであり、岸田政権は日米軍事同盟の飛躍的強化と日本の軍事強国化、憲法大改悪に突進している」――わが同志はすべての仲間に反戦反安保・改憲阻止の闘いを全力で創造することを呼びかける。
 習近平政権はプーチン政権と結託して、アメリカから覇権を奪取する挑戦を一気に強めている。これにたいしてバイデン政権は、中国こそが「主敵」であることをあらためて宣言し、NATOとともに米日韓や米日豪の核軍事同盟を強化しインドやASEAN諸国をまきこんで重層的な中国包囲網をつくりだそうとしている。台湾および日本周辺において、中・露と米・日などは実戦さながらの軍事演習を相互対抗的にくりひろげ、戦争勃発の危機が極限まで高まっている。まさにこの世界情勢の激変のもとで、歴史を画する極反動攻撃に踏みだしたのが岸田ネオ・ファシズム政権だ。――同志の提起に、すべての参加者がわが革命的左翼に課せられた使命の重大性を噛みしめ、闘志を燃えあがらせて拍手と「そうだ!」の声で応えた。

 ウクライナ反戦を放棄する日共中央を弾劾

 「このときにウクライナ反戦も、反戦反安保・改憲阻止の闘いも完全に放棄し、参院選での『現有議席死守』に全党を駆りたてているのが日共の不破=志位指導部だ」、同志は代々木の官僚どもを怒りを漲(みなぎ)らせて弾劾し、彼らの錯誤と犯罪性を徹底的に暴きだす。
 「国連憲章守れの一点」で権力者間の合意をつくりだすなどという日共中央の主張などまさに幻想にすぎず、労働者・人民の闘いへの決起を押しとどめる犯罪だ。「彼らにはプーチンへの怒りもなく、ウクライナ人民への共感、共存共苦ともおよそ無縁なのだ。彼らが心を砕いているのは、プーチンや旧ソ連とみずからを区別だてすることでしかない。彼らは来たる参院選で敗北するならば、党そのものが空中分解しかねないと怯えているのだ」「党中央への疑問・批判を噴出させている下部党員に、党中央からの決別をうながそう」――わが同志の呼びかけに、すべての労働者・学生が、いまこそ腐敗を極める日共中央を弾劾し反スターリン主義運動の飛躍をかちとるのだと決意をうち固めたのだ。
 集会の最後に早稲田大学のたたかう学生が決意を表明する。六月十六日に早大のわが革命的学生たちは、メインストリートの大隈銅像前で「ウクライナ侵略粉砕! 憲法改悪阻止!」を掲げて「アピール集会」を実現し、すべての早大生に決起を呼びかけてきた。「『ウクライナ侵略粉砕』の旗や写真入りのプラカードを掲げ、大隈銅像前の雰囲気を塗りかえた」早大での闘いの生き生きとした報告に労働者も学生も共感をもって聞き入る。「ここ首都東京から労学の怒りの火柱をぶちあげよう、私はその最先頭で奮闘する」――この烈々たる決意にすべての労学は鼓舞され、戦闘的デモにうってでる決意を万全のものとしてうち固めたのだ。

 すべての労働者・学生諸君! この日、わが革命的左翼は全国五ヵ所でウクライナ反戦、改憲阻止・反戦反安保の闘いを断固として貫徹した。いっさいの既成反対運動指導部がプーチン・ロシアのウクライナ侵略を免罪したり、「日米核シェアリング」や敵基地先制攻撃体制構築を鼓吹する政府・自民党の国防キャンペーンにまきこまれたりし、また参院選に埋没していっさいの大衆的闘いの創造を放棄している。全世界の「左翼」もまた、<プーチンの戦争>を弾劾することを回避したり「ウクライナは降伏せよ」とつぶやいたりするのみでなんらの闘いも展開していない。まさにその根拠は、彼らのすべてがスターリン主義の破産と犯罪について今なお考察することも・いや感覚することさえないことにこそある。わが革命的左翼は、彼らの腐敗を暴きだし、すべての労働者・人民の進むべき道をさししめしつつ、<ウクライナ反戦><改憲阻止・反戦反安保>の闘いを創造するために奮闘したのだ。この闘いの地平に立ってさらに前進しよう!

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「アジア太平洋版NATO」構築への突進

日米首脳会談・クアッドサミットの意味


 ロシア・プーチン政権のウクライナ軍事侵略によって米―中・露の激突は一挙に先鋭化している。米欧帝国主義の「NATO東方拡大」に対抗して、大ロシア主義をむきだしにしてウクライナの領土強奪にうってでたプーチンのロシア。ウクライナ正規軍および人民の果敢な反撃に直面したこの政権は、いまこれを「ネオナチ」などと烙印して東部ドンバスにおける残虐な人民殺戮戦を強行している。このロシアをネオ・スターリン主義中国は公然と支援するのみならず、台湾の併呑を策して南・東シナ海における対米・対日の軍事的威嚇行動を一挙に加速させているのだ。そして、この中・露に全面的にバックアップされた北朝鮮・金正恩政権は、日本海にむけてICBMをはじめとする弾道ミサイルを連続的に発射し、新たな核実験開始にうってでようとしている。
 ユーラシア大陸の東西において戦乱の火が噴きあがる世界的激動のまっただなかにおいて、五月二十三日に東京での首脳会談に臨んだアメリカ大統領バイデンと日本の首相・岸田は、「インド太平洋と欧州を区別しない」、「あらゆる場所」における「力による一方的な現状変更を阻止する」と表明した。東アジアにおいても、NATOとの連携にもとづいて中国・ロシアを封じこめるグローバルな包囲網を構築するために、その中軸にふさわしく日米軍事同盟を強化することを日米両国家の共通目標≠ニして公然とうちあげたのである。
 この日米両権力者の策動にたいして猛然たる対抗姿勢をむきだしにしたのが中国・習近平政権である。五月二十四日、この政権はプーチン政権と結託して、中露両軍の戦略爆撃機六機を「合同パトロール」と称して東シナ海・日本海・太平洋上の日本列島を取り囲む空域を編隊飛行させるというあからさまな軍事的威嚇にうってでた。
 いまや台湾海峡・沖縄を中心とする南西諸島のみならず日本海・太平洋をも舞台として米日両軍と中露両軍とが準臨戦態勢に突入し、「台湾有事」に備えての軍事訓練を恒常的にくりかえしている。
 かくして日米―中露の軍事的激突―世界大戦勃発の危機が日に日に高まっているといわなければならない。

 以下 見出し

T 「同盟の抑止力と対処力」――対中攻守同盟強化の宣言

U 中国排除の「経済安保」協力体制の構築

V 「統合抑止」戦略にもとづく没落帝国主義アメリカの生き残り策

W 軍事強国化への本格的突進を開始した岸田政権


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保健所の感染症対策業務

「兼務発令」乱発――自治体当局の悪辣な労働強化を許すな

 新型コロナウイルス感染症の患者数はなかなか減少せず、感染し重症化する人や死にいたってしまう人々がいまだに後を絶たない。全国の自治体などでは、感染症対策が三年目を迎える今日にいたっても、自治体労働者がなお膨大な対策業務に呻吟している。政府・厚生労働省により感染対策を丸投げされた各地方自治体当局は、感染症対策の当初には感染症対応のために臨時に労働者を雇おうとした。しかし雇おうにも専門知識のある人が集まらず、委託しようにも感染症対策ができる条件に見合った委託先が見つからない状態が続いた。
 この状態の打開策として、保健所を抱える多くの自治体当局は自治体労働者に犠牲を転嫁してなんとかのりきろうとしてきた。従来は選挙や臨時に発生した業務への対応のために、限られた専門部署のごく少数の労働者にたいしておこなっていた「兼務発令」を、自治体当局はあらゆる部署の労働者――事務職だけでなく道路管理や学校用務、警備職員など――にたいして発令し、彼らに自身の所属する部署の業務を抱えさせたまま保健所の感染症業務も担わせたのだ。もちろん、どの部署でも他部署へ労働者を回せる余裕はない。当局はこの職場実態を知りながら全職場のなかから数十人または数百人の労働者に「兼務発令」することによって、強制的に保健所業務を担わせている。
 彼ら兼務労働者は、日中は保健所での感染症対策業務をおこない、その日の保健所業務終了後に、自分の職場に戻って自分の本来の仕事に取りかかる。しかしたとえ夜遅くまで残業しても当然にも仕事は積み残される。これらの仕事は「兼務発令」されていない労働者が引き受けざるをえない。いずれにしても「兼務発令」のしわ寄せとして労働強度がいちじるしく増進しなおかつ長時間の労働が強いられることになる。

 研修もなしに疫学調査

 では「兼務発令」された労働者はどのような業務を担わされるのか。新型コロナ感染陽性者が発生すると、保健所当局は法律にもとづいた疫学調査を実施しなければならない。保健所の労働者に、陽性者の行動履歴にもとづく感染ルートを電話連絡により個別に聞き取り・把握させるのだ。
 保健所の労働者が陽性者に電話すると、陽性者は様ざまな不安や時には怒りをぶつけてくる。「一人暮らしで体調が悪化したときに誰も助けてくれない」「保育園児の孫に移してしまったらどうしよう」「一週間外出禁止と言われても仕事を休めば家賃が払えない」「すぐに入院させろ」。一本の電話が一時間以上になることも多く、熟練した保健所職員であっても一件の調査だけで肉体的精神的に疲弊するのである。
 「兼務発令」された労働者は、感染症の基礎知識もないままに「疫学調査はこのとおりお願いします」と言われて簡単な説明書を渡され、第一線に立たされることになるのだ。彼らを受け入れる保健所の側にも、にわかに集められた職員に研修をおこなう余裕などないからだ。兼務労働者はほとんど見よう見まねで疫学調査の電話をかけさせられる。電話の相手が何を言うかわからない緊張状態のなかで、調査漏れや回答できない質問への追加説明などの対応が増えざるをえない。住民からの質問に思わず「私は警備員ですからわかりません」と応えてしまう労働者もでてくるのが実情だ。保健師ですら疲弊する電話調査業務にまったくの素人が「保健所職員」として従事することのプレッシャーと過労のゆえに精神的に病むまでに追いこまれる職員も増えている。
 岸田政権のもとで各自治体当局は、口先では保健所体制の強化や保健所職員の負担軽減などと言いながら、長年にわたって削減してきた保健所数や人員を改善するどころか、あくまでも一切の犠牲を自治体労働者に転嫁してのりきろうとしている。

 自治労・自治労連本部が全面協力

 この事態は自治労・自治労連本部ダラ幹につき従う単組執行部の全面的協力により可能となっているのだ。各単組執行部はおしなべて「兼務発令」に異を唱えず、若干の労働条件や手当の改善を要求するにすぎない。そればかりか自治体当局が多発する「兼務発令」を、労働者が住民サービスの担い手として積極的に担うよう尻を叩いているほどなのだ。これを見てとった自治体当局はさらに感染症対策以外にも様ざまな業務に「兼務発令」を多用しはじめている。業務の繁忙期を人員補充せずにのりきること、すなわち「兼務発令」によって他の部署から労働者を投入したり、新たな事業を始めるにあたって担当組織を兼務労働者に担わせるといった形態で、確保しなければならない人員や費用を抑制する手法を拡大しはじめている。
 地方自治体職場においてたたかうすべての自治体労働者は、「コロナ感染症対策」の名による悪らつな労働強化の策動をうちくだくために奮闘しよう! コロナ禍にあっても住民サービスの向上を掲げて自治体当局による新たな労働強化策に棹さす自治労・自治労連本部および各単組執行部を許さず、労働条件改悪に反対してたたかおう。

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「米軍新基地建設を阻止せよ」
県民大行動に千名が決起  6・4辺野古
琉大・沖国大生が最先頭で奮闘
キャンプ・シュワブのメインゲート前で労働者・学生・市民が
怒りのシュプレヒコール
   闘う学生が<反安保>の声轟かす
(6月4日、名護市)
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