第2715号(2022年4月25日)の内容

<1面>
ウクライナ東部への総攻撃阻止!
4・24労学統一行動に起て!
ウクライナ人民と連帯して闘おう

<4面>
スターリンの大ロシア主義にたいするレーニンの闘い
<5面>「モスクワ」撃沈/「悪魔の兵器」
◆ウクライナ烈歌
<3面>
4・8日比谷に反戦の声轟く
沖縄海兵隊がHIMARS部隊倍増
日共官僚のインチキ弁証法
<2面>
中国とソロモン諸島の「安保協定」
小松F15の飛行再開弾劾!
「同盟強靱化予算」増額反対!
<6面>
私鉄総連本部・大手労組ダラ幹による超低額妥結弾劾!
Topics 製造業独占体の大リストラ
<7面>
NTT
「新たな経営スタイルへの変革」の名による大リストラ

<8面>
AIカメラで監視――「スマート店舗」
■サイバー警察局発足
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号
































  



ウクライナ東部への総攻撃阻止!


4・24労学統一行動に起て!

ウクライナ人民と連帯して闘おう



マリウポリ人民の大虐殺を許すな!

 プーチンの侵略軍はいま、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリを奪いとるために、ウクライナ軍兵士・人民を皆殺しにし都市を丸ごと破壊しつくす残虐きわまりない焦土作戦≠強行している。
 アゾフスタリ製鉄所を拠点にして反撃の戦闘を続けるウクライナ軍にたいしてロシア国防省は、「四月十七日午後一時までの投降」を迫る最後通告をつきつけた。これにたいして現地部隊とウクライナ政府は、「最後まで戦う」と降伏を敢然と拒否して戦っている。
 頑強な抵抗に直面したロシア軍は、たてこもるアゾフ大隊を「ネオ・ナチ」と烙印し、それを「総せん滅」する攻撃をしかけようとしている。ウクライナ東・南部の占領支配を企むプーチンは、東部ドンバスと南部の黒海沿岸地域の中間に位置する要衝マリウポリをなんとしても完全制圧しようとしているのだ。
 プーチン政権は、チェチェンやシリアで住民皆殺しの軍事作戦を指揮したドボルニコフをロシア軍の総司令官に任命した。そして作戦を実行する部隊として、チェチェンのカディロフ軍やシリアで住民大殺戮に狂奔した民間軍事会社の傭兵をこのマリウポリに送りこんでいる。この部隊は、製鉄所にたてこもるウクライナ軍を「化学部隊の手であぶりだせばいい」とうそぶいている。製鉄所の地下シェルターにいる兵士と一〇〇〇人の住民にたいして、毒ガス兵器や燃料気化爆弾や地下施設攻撃用のバンカーバスターなどを使った大量殺戮作戦を強行しようとしているのだ。
 市街が破壊されつくされたマリウポリにはなお一〇万人以上の人民が閉じ込められ、ロシア軍の無差別攻撃に四六時中さらされている。ロシア軍はウクライナ側への脱出を試みる住民は射殺したり、発砲して追い返したりしている。そして外部からの水・食糧の補給を断って次々と餓死に追いやっているのだ。マリウポリの民間人死者は、すでに二万〜二万二〇〇〇人を超えている。
 侵略軍に包囲されながらもマリウポリ人民は、製鉄所にたてこもって戦闘をくりひろげている兵士と連帯し、ロシアの暴虐への怒りをたぎらせて抵抗闘争をつづけている。ウクライナの独立を守るためにはいかなる迫害にも屈しない≠ニ闘志を燃えたたせて戦っているのだ。
 ロシア侵略軍と決死の戦いをくりひろげているウクライナ・マリウポリ人民と連帯してたたかおう。二十一世紀のヒトラー・プーチンによる大量殺戮を弾劾せよ!

ドンバス完全制圧に狂奔するロシア侵略軍

 マリウポリの市街地を焦土と化し人民大虐殺を強行しているプーチンの侵略軍は、さらにオデッサなど黒海に面する南部地域に総攻撃をしかけようとしている。
 このプーチンの出ばなをウクライナ軍はうち砕いた。四月十四日、ウクライナ軍は、オデッサ沖合に停泊し揚陸作戦にうってでようとしていたロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」にたいして対艦巡航ミサイル「ネプチューン」二発を命中させて撃沈した。
 プーチンが送りこんだこの黒海艦隊は、沖合から艦砲射撃・ミサイル攻撃を強行して市街地を灰燼と化したうえで、海上からの装甲部隊の揚陸作戦を強行せんとしていた。その司令塔の機能を果たし、巨大なレーダーと防空システムを備えてロシア軍陸上部隊の作戦支援を担ってきたミサイル巡洋艦「モスクワ」を、ウクライナ軍は木っ端みじんに撃破したのだ。
 ウクライナ軍のミサイル攻撃に慌てふためいた「モスクワ」の随伴艦五隻は、大急ぎで「ネプチューン」の射程二八〇`b圏外へと逃げ去った。旗艦「モスクワ」の撃沈によって、プーチンの侵略軍は黒海艦隊のみならず陸上部隊の防空機能を完全に喪失した。ウクライナ第一の港湾都市オデッサを占領支配し、もって黒海沿岸一帯を制圧するというプーチンの企みを、ウクライナ軍はうち砕いたのである。
 この事態についてロシア国防省は、「『モスクワ』が火災を起こし、弾薬が爆発する危険が生じたので乗員を待避させた」が「曳航中に悪天候と荒波で沈没した」などと発表し、あたかもウクライナ軍のミサイル攻撃とは無関係であるかのように装っている。だが翌十五日ただちにプーチン政権は、キエフ近郊の「ネプチューン」製造工場に三発のミサイル攻撃を強行した。これこそは、ウクライナ軍による「モスクワ」撃沈に怒り狂ったプーチンの軍事的報復であり、ウクライナ軍の攻撃がいかにロシア軍に甚大な打撃を与えたのかをしめすものにほかならない。
 五月九日の「対独戦勝記念日」を目前に控えてプーチンは、なんとしても「特別軍事作戦」なるものの「成果」をアピールすることに焦っている。だが五月九日までに東南部を制圧するという彼の計画は、マリウポリをはじめとする諸都市でのウクライナ軍・領土防衛隊と人民の頑強な反撃と抵抗によってことごとく阻まれている。このゆえにプーチンは、東部ドネツク・ルガンスク両州で親露派武装勢力と戦闘をくりひろげているウクライナ軍の後方から膨大な数の戦車・装甲車・戦闘機・自走砲などを擁した部隊を突入させてウクライナ軍を攻撃することを策している。さらにプーチンは、北東部の大都市ハリコフの住居・学校・病院にたいしても無差別のミサイル攻撃を強行しているのだ。
 これにたいしてウクライナ軍や領土防衛隊に志願した人民、住民組織は、一体となってプーチンの侵略軍を迎え撃つ態勢を整えている。ウクライナ軍は、キエフ周辺に展開していた部隊をドンバス地方に集結してロシア戦車隊を撃破する陣形をとっている。これと連携して領土防衛隊や住民組織に結集するウクライナ人民は塹壕を張りめぐらせ、みずから武器を手にして戦いぬこうとしている。
 ウクライナ外相クレバは、「平原が広がる東部地方における戦闘は第二次大戦を想起させるものとなる」と語った。身を隠す樹木も起伏も少ない東部の平原で、塹壕に身を潜めつつ銃や携行用対戦車ミサイルや対空ミサイルで武装し、もってロシア軍の大部隊に立ち向かう態勢をうち固めているのがウクライナ軍兵士および人民なのである。
 すべての労働者・学生諸君! <プーチンの戦争>をうち砕くために、決死の戦いをくりひろげるウクライナ人民と連帯して、日本の地においてウクライナ反戦闘争の炎を燃えあがらせようではないか!

大ロシア主義を鼓吹する戦争狂プーチン

 四月十二日に極東アムール州の宇宙基地でウクライナ侵攻後初めての記者会見をおこなったプーチンは、「ウクライナ東部住民の救済という作戦目的は崇高なものだ」と侵略をあくまでも正当化した。戦争開始から五十日ですでに二万人にものぼるロシア兵の戦死者が出た。息子を殺された怒れる母親たちが「戦争をやめろ」と叫びはじめた。この怒りの声を封じこめるために、プーチンは、「軍事作戦が遅れたらロシアの国境が攻撃されていた」と侵略を開き直り、「目的の達成」の日まで「軍事作戦」を続行すると傲然とうちあげたのだ。
 「キエフなど数日で制圧できる」と踏んで企んだ「親露派政権樹立・ウクライナ全土のロシアへの併呑」という作戦は、ウクライナ軍・人民の勇猛な反撃によって完全に破産した。――この惨めな敗退をプーチンは、一方では「キエフ包囲作戦の目的は達成した」とごまかし、他方では失敗の責任をFSB(連邦保安局)や軍の幹部になすりつけてのりきろうとしている。
 こうしたのりきり策は、プーチンが強権支配の実体的基礎としてきたFSBや軍の内部の不満と造反の拡大をもたらさざるをえない。このことに疑心暗鬼を募らせるプーチンは、みずからの政権をいよいよイエスマンのとりまきだけで固めているのだ。
 さらにプーチンは、この侵略戦争を正当化し労働者・人民を動員するために、ロシア正教会をも最大限に活用している。「国家が困難なとき、神は内外の敵をうち倒す能力を授けてくださる」などとロシア正教会総主教のキリルに言わせているのがプーチンなのだ。「偉大なるルーシ復活」の野望をたぎらすこの男は、みずからの威信をルーシの象徴たる正教会によって高めることを策している。ロシア国家に命を捧げる人間を大量につくりだすためにも、宗教を最大限に利用しているのである。かつてスターリンが「大祖国戦争」への人民の動員のために正教会の助けを借りたように。
 そもそも、ロシア=大ロシア、ウクライナ=小ロシア、ベラルーシ=白ロシアとしてこの三つを「単一の民族」とみなす大ロシア主義。ウクライナを独立した民族として認めないこの大ロシア主義にもとづき「旧ソ連邦の版図回復」を企んでプーチンはウクライナに侵攻した。現代の雷帝≠気どるこの男は、被抑圧民族・人民の心情がまったくわからないのだ。ゼレンスキーらの一部政治家を「ネオ・ナチ」の烙印を押して追放すれば、ウクライナ人民はロシア軍を「解放者」とみなして従うはずだ、などと愚かにも思いこんでいたのだ。
 しかも旧ソ連KGB出身のこの男は、みずからに刃向かう人間は、恫喝したり拷問にかけたりすれば屈服させることができると信じこんでいる。病院や学校を意図的に攻撃してウクライナ人民を恐怖に陥れれば政府に白旗を掲げさせることができると盲信しているのだ。
 だが、残虐な手口で肉親や同胞を虐殺されたウクライナの人民は、ロシア侵略軍にたいする怒りと憎しみをいや増しに増幅させ、プーチンとその軍隊にたいして命を賭してたたかっている。外国に出稼ぎに行ったり移住したりしていた人民も、侵略軍とたたかうために次々に帰還しているのだ。彼らは、世代を超えて受け継がれてきたスターリンによるホロドモール(農業の強制集団化による飢餓の強制によって数百万人が死亡)の記憶を甦らせ、スターリニストの末裔たるプーチンにたいする怒りを露わにしている。まさしく<プーチンの戦争>は、ウクライナ民族の怒りの炎を燃えあがらせているのである。

 高まる第三次世界大戦勃発の危機

 それだけではない。「NATOの東方拡大阻止」というプーチンの企みは完全に破産した。NATO非加盟国であったフィンランドとスウェーデンの政府は、ウクライナがNATOに加盟していないがゆえに米欧諸国に見殺しにされた≠ニ受けとめ、NATOへの加盟申請に向けて動き出した。
 こうしたNATO拡大の動きと加盟諸国によるウクライナへの兵器援助の強化にたいして、プーチンは「深刻な軍事的・政治的な結果をもたらす」と叫びたて、核攻撃の恫喝を加えている。
 ロシア軍は、ただちにフィンランドとの国境地帯にミサイルシステムを移動した。そして核兵器搭載機を含む爆撃機四機をバルト海上空に突入させたのだ。
 アメリカ政府が八億ドルの対ウクライナ軍事援助を決定した四月十三日には、ロシア政府は米国務省に「不測の結果を招く」とする文書を送りつけた。米国製兵器をウクライナに輸送する部隊を攻撃したり、米国製兵器でロシア軍が甚大な被害を受けた場合の核兵器使用をもほのめかしているのだ。日本海においても、海上自衛隊が米空母リンカーンと共同訓練中の四月十四日、ロシアの最新ディーゼル潜水艦二隻がミサイル発射演習を強行した。
 こうしていまや、ウクライナ戦争が第三次世界大戦に転化する危機が切迫しているのである。

ウクライナ人民と連帯し<プーチンの戦争>を粉砕せよ

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スターリンの大ロシア主義にたいするレーニンの闘い


ウクライナのソ連邦編入をめぐって


 ロシア侵略軍を撃退する壮絶な戦いを、ウクライナ人民はくりひろげている。彼らは領土防衛隊に志願し、あるいは住民自警団を街や村ごとに組織し、国軍と一丸となって戦っている。首都キエフに向かっていた圧倒的な数の戦車隊を、彼らは、弾幕をもかいくぐって携行式ミサイルで撃破し、首都制圧=カイライ政権樹立というプーチン政権の戦争目的そのものを一頓挫に追いこんだ。そしていま、アゾフ海沿岸の要衝マリウポリを死守するために、二万人以上もの犠牲者をうみだしながらも英雄的に戦っているのだ。
 彼らは、ウクライナ民族そのものをロシアに併呑し消滅させる野望をむきだしたプーチンのロシアにたいして、民族の存亡をかけてたたかう闘志を赤あかと燃やしている。そして彼らのパトスは、スターリンのソ連邦のもとでウクライナ人民が受けたすさまじい迫害の数かずについての、消すことのできない怨念と怒りの爆発でもあるのだ。
 われわれは彼らの怒りを全身で受けとめ、反スターリン主義者として彼らと連帯してたたかい、そのただなかでスターリニズムへの自覚をいまこそ彼らに促すのでなければならない。
 本稿では、ソ連邦の結成過程において露わになったスターリンの大ロシア主義、そしてこれを直観したレーニンの反スターリン闘争に焦点を絞り、ロシアとウクライナの人民が共同でなしとげた革命の意義と、これを簒奪したスターリンの犯罪をあらためて明らかにしたい。

1 レーニンに悪罵を投げつけるプーチン

 ウクライナ民族を大ロシア民族に併呑する意志をもむきだしにするプーチン、この二十一世紀のツァーリ≠ヘ、ウクライナ独立の根拠をつくったのはレーニンであるとして、あらんかぎりの悪罵を投げつけている。
 ウクライナ侵略のまさに直前の二月二十一日に、プーチンは、「ロシアの市民」と「ウクライナにいる同胞」=ロシア人に向けてメッセージを発した。彼はそこで、ウクライナがロシアの「不可分の一部」であることを宣言し、「歴史的にロシアの土地であるものを分離し、切断するという、ロシアにとって極めて過酷な」決定をおこなった張本人としてレーニンを名指しし、ヒステリックに罵った。「なぜ民族主義者をなだめる必要があったのか」「恣意的に形成された行政単位、ソ連の共和国諸国に、彼ら〔ウクライナ人など〕とは何の関係もない〔ロシアの〕広大な領土を移譲することに何の意味があったのか」と。
 プーチンはここで、「ウクライナ・ソビエト共和国」をソ連邦構成の一共和国とした歴史的決定それ自体を、ソ連邦解体に導いた「時限爆弾」と烙印し、これを全面否定している。そして、ウクライナは有史以来ロシアの領土である、と主張するのだ。デタラメにもほどがある! ウクライナの労働者と農民は一九一七年にソビエトを結成し、帝政ロシアへの隷従を断ち切る歴史的な独立闘争に決起したのだ。この革命を全力で支援したのが、ボルシェビキに指導されたロシア労・農ソビエトなのであり、彼らは、ウクライナ独立を拒否したロシア臨時政府を打倒する十月革命を実現し、もってウクライナ独立を現実のものたらしめたのだ。さらにキエフの「中央ラーダ政府」の反ボルシェビキ策動のゆえに招いた帝国主義列強の干渉軍を撃退する二年余もの革命戦争を、ウクライナ・ソビエトを結成した労働者・農民・兵士を主体にし、赤軍の援助をも受けて戦い、勝利をかちとったのだ。プーチンの主張は、ウクライナ人民のこの苦難をのりこえた闘いを足蹴にし、ツァーリの支配下と同様のロシア属国に戻れと彼らに迫る以外のなにものでもない。
 〔ウクライナの労働者・農民・兵士評議会を慣例としてロシア語で「ソビエト」と表記する。ウクライナ語では「ラーダ」と呼称するが、意味は同じである。社会民主主義諸党が主導したキエフの「中央ラーダ」にたいしてハリコフ中心の「ソビエト」がおこなった闘争の意味については、別稿で論じる。〕
 それだけではない。プーチンは、「深刻な意見の不一致」をもってレーニンと対立したスターリンを、ロシアとウクライナの「一体性」を守ろうとした愛国者として賛美し、彼がウクライナのロシア連邦への併合を果たせなかったことを残念がっているほどなのである。――「スターリンは、自治の原則にもとづいて国を建設すること……つまり統一国家〔ロシア連邦共和国〕に参加するさいに……領土の実体となる各共和国〔ロシア連邦の自治共和国〕に広範な権限を与える」ことを提案したが、レーニンに反対されて果たせず、「分離の自由」が一九二四年の『ソビエト憲法』に刻まれ」てしまった、と。
 スターリンが頑張ってレーニン案を葬っていたならば、ウクライナがロシアと敵対する「地政学的悲劇」はなかった、独立運動などは力で捻じ伏せることができたのに――このように心底からくやしがっているのが、プーチンなのだ。まさに皇帝気どりの小スターリン!
 くりかえし言おう。一九一七年から二〇年にかけての闘いは、たとえ強いられて内戦のかたちをとったのだとしても、まぎれもなくウクライナ独立のソビエト革命であった。そしてロシア・ソビエトは、ウクライナをはじめとして帝政ロシアに何百年ものあいだ支配されてきた諸民族を鼓舞し、彼らの独立闘争を全力で援助した。この援助にも支えられて、それら諸民族は次々にソビエト国家を樹立したのだ。そして、ウクライナの領土強奪を狙って帝国主義戦争をくりひろげたドイツ・オーストリアとフランス・イギリスの二年以上にわたる干渉戦争にたいして、ロシアとウクライナの労働者・農民は固く団結してたたかい、それぞれのソビエト国家を守りぬいた。そして、この闘いをつうじて築きあげた相互信頼を基礎にして、ロシアとウクライナそれぞれのソビエト共和国間の関係をいかに創造するかをめぐる論争をくりひろげたのである。
 内戦の渦中にあってウクライナ・ソビエトが赤軍とまさに一体で革命戦争をくりひろげていたときでさえ、ウクライナをロシアと国家的に一体化しようなどという主張は、ごく一部でしかなされなかった(この点については後述)。だが、一九二二年になって、レーニンとスターリンが決定的に対立したのだ。レーニンはスターリンの案、ロシア連邦に諸共和国を吸収する案が提出されたことに愕然とし、これを断固として批判したのである。

2 スターリン式「連邦」案を弾劾したレーニン

 ソビエト諸共和国の関係をめぐる論議は一九二二年八月に「統一憲法」の草案を「憲法委員会議長」のスターリンが起草したことをもって始まった。ウクライナとベラルーシのみならずグルジア・アルメニア・アゼルバイジャンのカフカス三国をもロシア連邦に編入することを明記したこの案を見て、レーニンは激怒した。ウクライナなどの共和国は、スターリンの案ではロシアの属国におとしめられ、対等の権利も分離独立の自由もいっさい奪われてしまうことは火を見るよりも明らかだったからである。
 病床にあったレーニンはペンをとることもできず、口述で「ヨーロッパ・アジア・ソビエト共和国同盟」(ССPЕА〔エスエスエルイェア〕)という彼の案を伝えた(一九二二年九月、「ソヴェト社会主義共和国連邦の結成について」『レーニン全集』第四十三巻所収)。レーニンは、ソビエト権力をさしあたり樹立した諸国だけの閉鎖的な「連邦」を、しかもロシア連邦への編入というかたちで結成しようとするスターリンの案に、大ロシア・ナショナリズムのまぎれもない兆候を見てとり、これを世界革命への裏切りとみなして弾劾したのである。
 ССPЕАというレーニン案は、まさにこれからヨーロッパとアジアで次々にプロレタリア革命を実現するであろう諸国にむけて開かれたものであった。しかも、各共和国はロシア連邦という既存の「連邦に加入」するのではなく、「平等の権利」をもち「同列にならんで」まったく「新しい同盟に加盟」する形式をとるべきであると、レーニンはあくまでも主張した。彼は、第一に加盟諸国の完全な同権と自由意志にもとづく加盟、第二に離脱の自由(離脱の勧告ではない)、第三に同盟議長を加盟各共和国の輪番制とすることを同盟の原則として最後まで譲らなかったが、スターリンはカーメネフやジノビエフを抱きこみトロツキーを孤立させる策を弄して、それらをすべて足蹴にした。こうして、全同盟ソビエト大会(二二年十二月)で憲法草案の最終案を採択したのであった。
 スターリンが譲歩し断念したのが「ロシア連邦への編入」案であり、唯一かたちばかりとり入れたのが「離脱の自由」であった。この当時、まだ専制的権力を手にしていなかったスターリンは、トロツキーら党指導部の反対を押しきる力をまだもっていなかったのである。プーチンはまさにこの点をくやしがっているのだ!
 最終案において新しい同盟の名称は「ソビエト社会主義共和国連邦」(CCCP〔エスエスエスエル〕)とされた。レーニンは「社会主義」を強制する内容をもつこの名称をも弾劾し、ソ連邦結成条約の採択の当日(十二月三十日)、「ロシアの労働者への謝罪」の痛切なことばで始まる「覚え書き」を口述した(「少数民族の問題または『自治共和国化』の問題によせて」『レーニン全集』第三十六巻)。
 レーニンはここで、病気のせいでスターリン案を粉砕できなかったことを、「大きな罪をおかした」と心から詫び、「次のソヴェト大会で昔にかえることはないと……あらかじめ断言してはけっしてならない」というように、条約の今後の修正をも訴えている。彼の痛恨の思いを、われわれは次のことばからつかみとることができる。
 「諸民族共和国の機構とロシアの機構が統合されていないためにわが〔ロシア〕国家がこうむるかもしれない損害は……近い将来われわれにつづいて歴史の前面に登場しようとしているアジア幾億の諸民族がこうむるであろう損害にくらべれば、はかりしれないほど小さく、無限に小さい。……東洋のめざめが始まっているそのときに、われわれが自国内の異民族にたいしてすこしでも粗暴で不公正にふるまったため、東洋でのわれわれの権威をそこなうようなことがあれば、それは許しがたい日和見主義であろう。」「ここには重要な原則問題がある。それは、国際主義をどう理解するか、という問題である」と。
 医者から絶対安静を指示されていたレーニンが最後の力をふりしぼってスターリンと闘争したバネ、それはプロレタリアートの全世界的自己解放への献身であり、この歴史的事業を台無しにするスターリンへの烈火のごとき怒りであったのだ。
 レーニンは、連邦問題にスターリンの革命家としての「致命的」な欠陥があらわれた、と直観した。連邦結成過程において、グルジア・ソビエト共和国のロシア連邦への編入に抗議したグルジア共産党員をスターリンの手下たるオルジョニキッゼが殴って黙らせ、「暴力事件」としてグルジア共産党員を処分するという事態が生じ、レーニンはこれを党の官僚的変質の決定的なあらわれとみた。そして、スターリンを党書記長から解任することを求める「遺書」を残した。これはレーニンの文字どおり命をかけた闘いであったのだ。
 その後のスターリンとスターリンによって変質させられたスターリニスト・ソ連邦の官僚どもは、農業集団化を強行してウクライナを中心に農民数百万人を餓死させたことをはじめとして、数限りない大犯罪を歴史にしるした。そしていままた、ソ連邦崩壊後の亡国ロシアに残されたスターリン主義国家暴力装置の残骸たるFSBに大ロシア主義を吹きこんだプーチンのロシアがウクライナ人民に襲いかかっているのだ。われわれは、ウクライナ人民の反スターリン・反プーチンの怒りをうけとめ、わが怒りと練りあわせ、反スターリン主義者としてのわれわれ自身をいっそう鍛えあげるのでなければならない。このことを拠点にして、スターリン主義がニセモノのマルクス主義であることをウクライナ人民に力強く訴えていかなければならない。

以下 見出し

3 「分離ののちの連邦制」――マルクス主義的原則

  ウクライナ人民へのレーニンの訴え

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私鉄

総連本部・大手労組ダラ幹による超低額妥結弾劾!


以下 見出し

「検討に値する回答を引きだした」と居直る総連本部

「産業の再建」の名による賃金闘争の放棄

<ウクライナ反戦・改憲阻止>の闘いをまきおこそう


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NTT

「新たな経営スタイルへの変革」の名による大リストラ反対!


労組本部の裏切りを許さず闘おう!


 NTT労組本部は三月十六日、NTT経営陣が提示した「主要六社の正社員の月例賃金を平均二二〇〇円引き上げる」という回答を受け入れ妥結した。NTT労組の要求である「二%」(六八〇〇円相当)にさえ遠くおよばないこの超低額妥結を、われわれは満腔の怒りをもって弾劾する。
 しかも、「二二〇〇円」の賃上げなるものは、主要六社の正社員というNTTグループ全体からすればごく一部の労働者だけであり、多数を占める子会社の正社員はそれ以下の超低額(二〇〇〇円〜一五〇〇円)妥結を、そして契約社員などの非正規雇用労働者はまたしても月例賃金の引き上げゼロを強制されたのだ。
 NTT労組委員長・鈴木は、妥結にあたって「会社回答は、すべての組合員・社員の努力と頑張り・貢献を評価するとともに、今後の事業戦略に対応するための『人財への投資』と受けとめている。すべての組合員・社員の賃金改善を実施したことは、大きな成果である」と自画自賛し、この超低額妥結を居直っているのである。
 情報通信戦線でたたかうすべての戦闘的・革命的労働者のみなさん! われわれは、このようなNTT労組本部の反労働者性を暴き弾劾し、「大幅一律賃上げ獲得!」「大リストラ・首切り攻撃反対!」を掲げて情報通信産別における二二春闘を最後まで戦闘的にたたかいぬこうではないか。

以下 見出し

T グローバル競争に勝ちぬくためのドコモ中軸の企業再編

 事業構造の転換と新規事業の推進

 デジタル人材の育成・確保に躍起となる経営陣


U 賃上げ要求を自制し「人財への投資」を懇願

 NTT労組本部の二二春闘方針の特徴

 本部の春闘方針の反労働者性を暴きだせ!


V 大幅一律賃上げをめざしてたたかおう!

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 「ロシアのウクライナ侵略弾劾!」

日比谷野音に反戦の声轟く

4・8「総がかり行動」集会


 四月八日午後六時から東京・日比谷野外音楽堂で「ロシアは侵略をやめろ ウクライナから撤退を! #0408日比谷集会」(主催=「戦争をさせない・9条を壊すな! 総がかり行動実行委員会」)が開催された。わが同盟は、この集会において「<プーチンの戦争>を打ち砕け」と訴える情宣をくりひろげた。わがたたかう労働者たちは、職場深部からウクライナ反戦・憲法改悪阻止の運動を創造し、多くの組合員とともにこの集会・デモに参加して、闘いを戦闘的に高揚させるために奮闘したのだ。
「ロシア軍による人民大虐殺弾劾!」結集した労組員に呼びかける闘う学生
(4月8日、日比谷野音)

  「〈プーチンの戦争〉を打ち砕け!」わが同盟が革命的檄
(4・8)
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