第2711号(2022年3月28日)の内容

<1面>
プーチンのウクライナ人民大殺戮を許すな!
大手企業の超低額回答=妥結弾劾!
 春闘の「産業・企業発展のための労使協議」への歪曲に抗し闘おう
<3面>
労学がウクライナ反戦の炎
 3・12 那覇/大阪/福岡
<2面>
3・11「新宿大アクション」
 労学市民1200名がデモ
3・9 沖縄平和運動センター集会
3・9 大阪「総がかり集会」

<5面>
全国でウクライナ反戦のよびかけ
 福岡/大阪/名古屋/鹿児島
Topics 長期失業者66万人
資本家による首切りを許すな
◎2・6春闘集会に参加して
<4面>
「人への投資」を叫び独占資本に奉仕する「連合」指導部
<6面>
鹿屋への米軍無人機配備阻止!
3・5鹿児島 県民集会で鹿大生が奮闘
□「核シェアリング」
週間日誌は4面に掲載
 「解放」最新号  







  


プーチンのウクライナ人民大殺戮を許すな!


 
 3・17 全学連・反戦青年委がウクライナ侵略弾劾のデモ
ロシア大使館(阻止線の奥の2棟)に怒りの拳を叩きつける白ヘル部隊(港区・飯倉
詳報次号
「キエフ制圧」を企むロシア軍に対する決死の抵抗闘争

 ウクライナ人民の勇猛果敢なレジスタンスによって、首都キエフを早期に制圧し親ロシアの傀儡政権を樹立するというプーチンの当初の目論見はいまや完全に打ち砕かれた。
 キエフ近郊に三方向から迫ったロシア軍戦車部隊にたいして、その侵攻ルート沿いに待ち構えたウクライナ軍兵士は、対戦車ミサイルを撃ちこみドローンからの爆撃を加え次々と撃退している。這々(ほうほう)の体で敗走するロシア軍から戦車を奪い取り、キエフにつうじる(北西および北東の)二つの主要ルートを車両やバリケードによって封鎖するだけではなく、北東からのキエフ侵攻経路にあたるブロバリを、ウクライナ軍はロシア軍から奪還し逆制圧した。
 キエフの中心街では、兵士とともに、領土防衛隊に志願した青年たちが、いや老若男女のすべての人民が、みずから銃を取り火炎瓶をつくって、ロシア侵略軍をゲリラ戦によって迎え撃つ態勢を整えている。彼らは、キエフ市街中心部へのロシア軍侵攻を阻止するために、侵略軍の目印となりうる道路標識を撤去し、土嚢を積みあげ、鋼鉄製バリケードを築きあげている。多くの人民は、ロシア軍部隊の拠点や戦車の移動経路・駐留位置をドローンで掌握しその情報をスマホなどでウクライナ軍に連絡・集約する「SNSレジスタンス」をくりひろげてもいる。彼らは、プーチン政権がキエフに送りこんだスパイ工作員やウクライナ兵を偽装したロシア兵を次々と摘発している。
 こうしたウクライナ軍と人民の結束した反撃に直面して、キエフ北東一五`b、北西三〇`bの地点に侵攻したロシア軍戦車部隊の兵站線はズタズタに寸断されている。水・食料・弾薬・燃料の補給が絶たれ兵員交代もできない戦闘不能状態にたたきこまれているロシア軍部隊は、十数日間にわたって一歩も進軍することができずに立ち往生しているのだ。
 旧ソ連軍時代いらいの旧式通信網に依存しているロシア軍部隊は、ウクライナ軍によって侵攻作戦指令や司令部の所在を掌握され、派遣された二十名のロシア軍将官(司令官)のうち五名が、三週間余りのうちにウクライナ軍によって狙い撃ちされ戦死した。指揮・命令系統を断ち切られ、兵站・補給も寸断されて各地で孤立したロシア軍部隊は大混乱に陥り、数千人におよぶ累々たる戦死者・逃亡者がうみだされているのだ。
 「キエフ制圧」作戦のこの惨憺たる破綻に直面したプーチン政権はいま、キエフにたいするミサイル攻撃や砲撃をエスカレートするとともに、市街戦のための新たな殺戮部隊を投入しつつある。数多のシリア人民を殺戮したアサド政権の傭兵や民間軍事会社ワグネルの部隊を、さらにはプーチンの手兵としてチェチェンのイスラム武装勢力への殺戮作戦を実行してきたカディロフ軍をキエフをはじめとする各都市にさしむけているのだ。シリア内戦におけるそれと同様の残虐な無差別殺戮にうってでようとしているのがプーチン政権なのだ。

マリウポリ人民への無差別攻撃を許すな!

 ウクライナ兵士・人民の猛然たる決死の反撃によって、キエフ突入・短期制圧の目算を狂わされたプーチン政権は、いまやゼレンスキー政権に「降伏」を迫るために、ウクライナ全土の各都市にたいする見せしめ的な無差別殺戮に狂奔している。
 この政権は、ドンバスとクリミアとの中間にある人口四〇万人の要衝マリウポリにたいして、市街を全面的に包囲したうえで住宅・病院・学校などにミサイルや砲弾を雨あられと撃ちこみ、住民を無差別に殺戮している。三月十六日には、劇場を、地下シェルターに避難している乳幼児・高齢者など一〇〇〇人の人民もろともに爆撃し彼らを瓦礫の下に生き埋めにした。侵略軍は、食料・水・燃料・電気・医薬品などの補給路を完全に遮断し人民に餓死・病死を強制している。そして、数千人のマリウポリ住民を拘束しロシアの地に強制連行した。
 そのうえでプーチンは、ゼレンスキー政権にたいしてウクライナ軍の武装解除とマリウポリ市街地の明け渡しを要求し、これをウクライナ政府が拒否するや無差別殺戮にうってでようとしているのだ。このマリウポリの人民大虐殺は、現代のヒトラー=<vーチンの世紀の蛮行にほかならない。
 ロシア軍は、東部の大工業都市ハリコフにたいしても、クラスター爆弾やミサイルによる集中攻撃をくわえ、数多の人民を殺害している。
 残虐な手段でウクライナ兵士やその家族を恐怖の底に突き落とすならば抵抗の闘志を打ち砕くことができるなどと、愚かにも思いこんでいるのが、かつてKGB将校であったプーチンだ。こうしたロシア侵略軍の残虐な行為こそは、ウクライナ人民にたいするスターリン・KGB流の見せしめ的恫喝いがいのなにものでもない。
 プーチン政権は、不屈にたたかいぬいているウクライナ人民にたいして、生物・化学兵器による攻撃にふみきろうとしている。「ウクライナは生物・化学兵器を開発している」などとプーチン政権ががなりたてていることは、みずからが生物・化学兵器の使用をたくらんでいることの自己暴露にほかならない。それだけではなくロシア軍は、欧米からの武器・弾薬の補給路とみなした西部イバノフランコフスク、マリウポリ・オデッサ・キエフを結ぶ幹線上に位置するミコライフに核兵器搭載可能な極超音速ミサイルを連続的にぶちこんだ。戦争狂のプーチンは、ウクライナ人民の抵抗をおしつぶすために核攻撃さえもたくらんでいるのだ。
 プーチン政権の当面の軍事戦略上の環は、ルガンスク・ドネツクの東部二州とクリミア、これらを結ぶ要衝マリウポリの制圧にある。さらに黒海を臨む港湾を擁したオデッサを奪いとることを狙っているのだ。こうした軍事作戦を強行しつつ、プーチン政権は、東部二州とクリミアの「独立」=ロシア化を認めることをゼレンスキー政権にゴリ押ししている。NATO非加盟の確約、ロシアの脅威とみなした軍事力の廃棄などの要求を「停戦条件」と称してつきつけ、さらに次々と要求を積み増している。まさにそれは、無条件降伏に応じないかぎり大虐殺を継続することの宣言以外のなにものでもない。三三〇万人にのぼるウクライナ人民を住み慣れた故郷から難民として叩き出し、ウクライナ国土の大部分を「大ロシアの一部」として組みこむことを策しているのがプーチンなのだ。
 いまロシア全土においては、<プーチンの戦争>に反対する労働者・人民が陸続と闘いに決起している。首都モスクワやサンクトペテルブルクをはじめとするロシア各地のおよそ五十都市において「反戦」「反プーチン」のデモが敢行され、「NO WAR」「プロパガンダを信じるな」という呼びかけを国営テレビ・ディレクターが発している。
 一日二兆円におよぶ戦費支出によってロシア国家財政の危機はさし迫っている。〔侵攻開始から二週間余りで、ロシア軍は軍用機八十四機、ヘリ一〇八機、戦車四三〇台を失った。〕米・欧・日のSWIFTからの締め出しによって、ロシア国債の利払い不能(デフォルト)の危機が高まるとともに、ロシア通貨ルーブルは今年に入って約四〇%も暴落した。輸入品物価の高騰に襲われ生活困窮に突き落とされつつある労働者・人民の怒りの矛先は、いまプーチン政権へと向かいつつある。

闘うウクライナ人民と連帯して反戦闘争に起て!

 アメリカのバイデン政権は、ロシアのSWIFTからの締め出し、権力者やオルガルヒ(新興財閥)の資産凍結などの経済制裁にふみきっている。凋落ぶりをあらわにしているかつての「一超」帝国主義アメリカの権力者たるバイデンは、「戦争犯罪人」だの「人殺しの独裁者」だのとプーチンを罵倒することによって、ウクライナ危機に乗じてアメリカを「専制主義と戦う民主主義」の「旗手」としておしだすことに躍起となっているのだ。けれどもバイデンは、「ロシアは今も最強の核保有国だ」と凄むプーチンを前にして、ロシアへの経済制裁とウクライナへの一定程度の武器援助をおこなうことしかできないのだ。
 他方、ネオ・スターリン主義の中国は、表向きは「ウクライナ危機は中国がみたくないものだ」とうそぶきながら、「対露制裁反対」を表明することによって実質的にはロシアを支持する姿勢をとっている。北京五輪に合わせて訪中したプーチンとのあいだでウクライナ侵攻についての腹合わせをしたのが習近平の中国なのだ。
 こうしたなかで、ウクライナ人民は全世界の労働者・人民の連帯に支えられ、ロシア侵略軍を撃破するために断固としてたたかっている。
 「ロシアとウクライナは同一民族だ」などと強弁しウクライナ民族そのものの存在を抹殺せんとしているのがプーチンだ。このプーチン政権との戦いを、ウクライナ人民は、「スターリンのロシア」によって蹂躙されつづけてきた民族の怒りを胸に刻んでたたかいつづけている。
 農地が国土の七割を占め「欧州の穀倉」と呼ばれるウクライナにおいては、かつてスターリンが「農業集団化」政策にもとづいて農民から家畜や農地や種子までも強制的に奪いとり、数百万の人民に餓死を強制した(「ホロドモール」)。「富農絶滅」と称して、農地・家畜の強奪に抵抗する数多の貧しき農民を強制収容所にぶちこみ、あるいはシベリア流刑に処してきたのがスターリンなのだ。
 それは、「社会主義」という名の偽のマルクス・レーニン主義、すなわちスターリン主義の犯罪にほかならない。このスターリンの民族政策をさえ「民族主義者に譲歩した」とほざいているのがプーチンなのだ。ソ連邦の崩壊を「二十世紀最大の地政学的惨事」と叫んできたこの輩は、米欧帝国主義のNATO東方拡大によって削り取られてきたロシアの「大国としての復権」をなしとげるという野望にとりつかれている。ウクライナを「小ロシア」とみなす「大ロシア主義」の軍事的貫徹こそが、ウクライナ軍事侵略なのである。
 いまこそ、ウクライナの労働者・人民は、レーニン率いる一九一七年ロシア革命と連帯して勝ちとられたウクライナ・ソビエト革命の精神をよみがえらせ、プーチンの侵略軍を撃退しよう!
 「ウクライナの兄弟を殺すな!」「侵略戦争反対!」――ロシア全土に湧き起こる人民の声を徹底的に封じ込めるために、プーチンとその取り巻きたるシロビキは、FSB強権型支配体制の国家暴力装置を総動員している。この輩は、<プーチンの戦争>に反対する労働者・人民にたいして「裏切り者は口に飛び込んだハエのように吐き捨て浄化する」(プーチン)などと叫びたて、警察部隊をさし向け次々と拘束するという徹底的な弾圧にうってでている。しかも、徴集兵を騙して前線に送りこみ累々たる戦死者をうみだしたことにたいするロシア人民の不信と怒りに直面しているこの政権は、夥しいロシア軍戦死者を闇に葬るために、その遺体から身分証や階級章をはぎとり、クリミアの大型火葬場に運びこんでいるのだ。
 ウクライナ人民を血の海に沈め、みずからの権力に刃向かうロシア人民にたいしては、逮捕・長期投獄という苛烈な弾圧を強行するプーチン。かつてKGB将校であったこの男は、反対派にたいする一大粛清・処刑を強行したスターリンの末裔にほかならない。
 反スターリニズム革命的左翼たるわれわれは、ロシアの労働者・人民によびかける。ウクライナの兄弟・同胞にむけて侵略の砲弾を撃ちこんでいる自国の政府にたいする闘いに断固として決起せよ! いまこそ<反戦=反プーチン>の闘争を断固としておしすすめよ! プーチンを頂点としたFSB強権型支配体制を打倒せよ!

 日本の地においてわれわれは、たたかうウクライナ人民と連帯して<ロシアのウクライナ侵略弾劾>の闘いを広範に組織化するのでなければならない。わが革命的左翼を先頭とするたたかう労働者・学生は、各職場・学園においてウクライナ反戦闘争の組織化のために連日にわたって奮闘している。「国連憲章と人道法を守れ」などと称してロシアのプーチンや米・日・中の政府に「外交交渉」をお願いするにすぎない日共中央を弾劾し、ウクライナ反戦闘争を全国から巻き起こそうではないか!
 ロシア軍によるウクライナ人民大虐殺を許すな! ロシア人民は断末魔のプーチン政権を打ち倒せ! すべての労働者・学生・人民は、わが同盟とともに起ちあがろう!
 (三月二十二日)
Top



  


大手企業の超低額回答=妥結弾劾!

春闘の「産業・企業発展のための労使協議」への歪曲に抗し闘おう


 春闘集中回答日の三月十六〜十七日に、自動車・電機・鉄鋼などの独占資本家どもは、一%にも満たない「三〇〇〇円」を上限とする超低額の「賃上げ回答」をうちだした。こんな「回答」は、公共料金や生活必需品価格が次々と引き上げられているいま、労働者に実質賃金のさらなる低下を強制する以外のなにものでもない。にもかかわらずこれらの諸産別・諸労組の労働貴族どもは、「経営側に『人への投資』の必要性を理解してもらった」(JCメタル議長・金子)などとほざいて、この超低額回答をただちに受けいれ、妥結・収拾へと突き進んでいる。
 コロナ・パンデミックに直撃され、収益を減少させてきた航空や鉄道などの大手企業経営者どもなどは、「回答」をしめさなかったり(ANA、JAL)、ゼロ回答を突きつけたり(JR、私鉄大手)さえしている。この回答ならざる回答≠突きつけられてもなお、これら諸労組の労働貴族・ダラ幹どもは、「企業の維持・存続が最優先」などとうそぶいて、なんらの闘いもつくりだすことなく妥結・収拾をはかっている。
 「連合」会長・芳野は、「多くの組合で賃上げを獲得し」たのは、「中長期的視点を持って『人への投資』と月例賃金にこだわり粘り強く交渉した結果」であり、「総じて後に続く組合を勇気づけるものである」などとほざいた。ふざけるな! 急激な物価高騰をも無視し、産業・企業発展第一の「中長期的視点」なるものをもって「賃上げ要求」を徹底的に自粛≠オたことの結果が、この実質賃下げ¢テ結ではないか。
 「連合」指導部とその傘下の大手企業諸労組の労働貴族・ダラ幹どもによるこの春闘の大裏切りを弾劾せよ!
 超低額妥結による二二春闘の裏切りを先導しているのが、トヨタ経営陣に屈従するトヨタ労組指導部であり、自動車や電機などJCメタルの労働貴族どもだ。
 トヨタの労使は、集中回答日の一週間前(三月九日)に異例≠フ早期妥結を演出し、形骸化いちじるしい<春闘方式>において唯一残されていたともいえる産別の枠をこえた集中回答日の設定≠ニいう形式さえ葬りさる挙にでた。トヨタ社長・豊田章男は、「従来の『労使協議』から抜け出し、全員参加の『経営会議』のようになってきた」などと傲然と言い放った。「春の労使協議会」において、賃金にかんしてはいっさい「協議」せず、EV化をめぐる国際競争での立ち後れを打開するための「経営協議」に集中したことを前面におしだし、春闘の「労使協議」を各企業の経営戦略をめぐる協議に徹せよ、などと号令をかけてきたのが、トヨタ経営陣とこれにつき従うトヨタ労働貴族どもなのだ。
 こうしたトヨタ式「春の労使協議」に倣(なら)って、いまやJCメタルの他の諸労組指導部もまた、賃上げなどはそっちのけで、国際競争にかちぬくための労使協議に明け暮れている。電機の労働貴族などは、もっぱら高度ICT人材≠フ確保・育成策をめぐる労使協議に狂奔しているのだ。
 まさに「連合」労働貴族・ダラ幹どもが「人への投資」を掲げ、今春闘をこのように「産業・企業発展のための労使協議」の徹底に解消してきたことの帰結が、「二一年度の大企業収益は史上最高益」といわれるなかで独占資本家どもがうちだした超低額ないし賃上げゼロという搾取欲をむきだしにした「回答」であり、これを直ちに受けいれ労働者たちに屈服を強制する労働貴族・ダラ幹どもの反労働者的立ち回りなのだ。
 そもそも喧伝されているトヨタや日立などの「満額回答」などというのは、これらの諸労組の労働貴族どもがあらかじめ独占資本家どもと腹合わせしてうちだした「賃金改善」要求を、そのまま「回答」として提示したものでしかない。「連合」指導部が「目安」として示した超低率の「二%」どころか、一%にも満たない「三〇〇〇円」程度しか要求しなかったのが日立などの労働貴族どもなのだ。なにが「満額回答」だ! なにが「着実な成果」だ!
 しかも、「三〇〇〇円」などとおしだされている回答額の内実の多くは、ごく一部のIT技術労働者などに選別的に賃上げ配分し、大多数の労働者は賃上げゼロであったり、さらには賃下げを強制するようなものにほかならないのだ。
 〔「満額回答」などとおしだされている日立では、四月から全社員に「ジョブ型」の賃金支払い形態の導入が強行されようとしているのであって、多くの労働者は経営者による「職務」や「貢献度」の恣意的な評価による賃金抑制・切り下げの攻撃にさらされているのだ。〕
 労働者を分断し多くの労働者の賃金を徹底的に抑制するこうした賃金支払い形態を、にもかかわらずいまや積極的に容認し、その導入を要求してさえいるのが労働貴族どもなのである。「スキルアップとモチベーションアップにつながる『人への投資』」などと称して。
 まさに今二二春闘の危機的な現実は、「労組のナショナルセンター」を自任する「連合」指導部が政府・独占資本家どもに呼応して「人への投資」を前面に掲げ、「デジタル化」・「脱炭素化」による「生産性向上・付加価値増大のために人に投資してください」などと懇願するまでに腐敗を深めてきたことの結果にほかならない。「連合」芳野指導部は、「未来づくり春闘」を掲げ、「デジタル化」・「脱炭素化」にむけた産業構造・事業構造の再編を支え促進するために労使協議すべきことを傘下諸労組に指示するとともに、みずからも独占資本家どもの経営戦略に沿った産業政策要求を実現するために岸田政権・自民党に抱きついた(いまや彼らが支持する国民民主党は与党入りをめざしてうごめいている!)。「連合」の産業報国会としての変質は、ここまで極まっている。
 たたかう労働者諸君! 反労働者性をいよいよあらわにしている「連合」労働貴族どもの二二春闘の大裏切りを許すな! 大手企業経営者の超低額回答と労働貴族どもによるその受け入れを弾劾せよ! この超低額回答=妥結を口実とした中小企業労働者・非正規雇用労働者への賃金抑制攻撃をうちくだき、彼らの大幅一律賃上げと労働条件の抜本的改善をかちとるために、二二春闘を最後まで戦闘的にたたかいぬこう! 今こそネオ産業報国会=「連合」の脱構築をめざしてたたかおう!
 そして、この春闘のただなかにおいて同時に、各職場から「ロシアのウクライナ軍事侵略弾劾」の闘いを断固として創りだそうではないか。
 (三月十七日)
Top

 

   


 各地で労学がウクライナ反戦の炎 

3・12

     


 
 国際通りに「ウクライナ侵略弾劾!」の声轟く
(3・12、那覇市)
国際通りを侵略弾劾の坩堝に  那覇




 三月十二日、沖縄県学連と県反戦労働者委員会は、プーチン政権のウクライナ軍事侵略への怒りに燃え、国際通りを席巻するデモを戦闘的に貫徹した。










 
 「プーチン倒せ!」関西の労学が怒りのデモ
(3・12、大阪市)
「キエフ侵攻許すな」の雄叫び  大阪



 三月十二日、全学連関西共闘会議と反戦青年委員会は、大阪市内において「ロシアのウクライナ軍事侵略弾劾! プーチン政権打倒!」を掲げて、緊急の労学統一行動に起ちあがった。ウクライナ人民の果敢なレジスタンスによってキエフ侵攻を阻まれたプーチンは、人民への無差別攻撃を開始した。関西のたたかう労学は、プーチン・ロシアの侵略に怒りを燃えたたせて断固として闘いに起ちあがった。








 
 全九州の労・学がウクライナ人民と連帯し決起
(3・12、福岡市天神)
天神を怒りのデモで席巻  福岡



 全学連九州地方共闘会議と反戦青年委員会は、三月十二日午後、プーチン・ロシアによるウクライナ侵略を弾劾する緊急の労学統一行動に断固として決起した。福岡市中心部の天神で抗議集会・デモ行進・情宣を大々的に実現したのだ。

 
 西鉄福岡駅前で労・学が情宣
(3月12日)






Top



    



 
 「キエフ総攻撃を許さないぞ!」たたかう学生が闘争を牽引
(3月11日、東京・新宿駅南口前)
「ロシアのウクライナ軍事侵略弾劾!」

労学市民一二〇〇名がデモ

3・11「新宿大アクション」
 

 三月十一日、「ロシアのウクライナ侵略糾弾! 即時撤退を!」を掲げて「新宿大アクション」(呼びかけは、戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会)が開催された。
 まさにロシア・プーチン政権が、ウクライナの首都キエフ総攻撃を構えて包囲を狭めるとともに、諸都市に猛爆撃を加え数多の労働者人民を無差別に殺戮している。これにたいしてウクライナ人民は、ライフラインを断たれ窮乏に叩きこまれながらもレジスタンスを果敢にたたかいぬいている。
 こうしたなかで開催された「大アクション」には、ウクライナ軍事侵略にたいする怒りに燃えて一二〇〇名の労働者・学生・市民が結集した。早稲田大学をはじめとする首都圏のたたかう学生たちは、「連合」指導部の抑圧を食い破り反戦闘争を高揚させるためにたたかう戦闘的・革命的労働者と連帯して、この集会・デモの戦闘的高揚をかちとるべく奮闘した。


 

 
 「県民ひろば」で反戦の雄叫びをあげる労・学・市民
(3月9日、那覇市)
「全世界人民と連帯して闘おう」

琉大・沖国大生が怒りの拳  

3・9沖縄平和運動センター集会


 三月九日、那覇市の「県民ひろば」において「『プーチンの戦争』を終わらせよう! ウクライナ侵略から撤退を! 平和を求める集会」が沖縄平和運動センターの主催でおこなわれた。戦争狂プーチンの蛮行を断じて許すな! 琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、結集した労働者とともにロシアによるウクライナ侵略弾劾の怒りの拳をプーチン政権に断固として叩きつけたのだ。







 
 神戸大・奈良女大生が「侵略弾劾」の拳
(3月9日、大阪市)
「プーチンの人民大虐殺を許すな」

闘う学生が最先頭で奮闘 

3・9大阪「総がかり集会」


 三月九日に、ロシアのウクライナ軍事侵略に抗議する「緊急集会とパレード」が大阪市内で開催され、七〇〇名を超える労働者・市民・学生が結集した(主催・おおさか総がかり行動実行委員会)。関西のたたかう学生たちは、大ロシア主義をむき出しにしたプーチン政権のウクライナ軍事侵略にたいする烈々たる怒りに燃えて、労働者・市民の最先頭でたたかいぬいた。
Top


 

  


「人への投資」を叫び独占資本に奉仕する「連合」指導部を許すな

二二春闘を最後まで戦闘的に闘おう!



実質賃下げ回答を「成果」と自賛

 三月十六〜十七日の二二春闘大手集中回答日において、自動車・電機・鉄鋼・情報通信などの独占資本家どもは、一%にも満たない「三〇〇〇円」を上限とする超低額回答をうちだした。物価高騰下で実質賃金の切り下げをしか意味しないこの回答を、各単組執行部の労働貴族どもはただちに受けいれた。彼らは「経営側に『人への投資』の必要性を理解してもらった」(JCメタル議長・金子晃浩)などとほざき、これがあたかも「成果」ででもあるかのようにおしだし喧伝している。
 パンデミックのもとで需要が急減したANA・JALの航空業独占体の経営者はいっさい回答を示さず、一時金の大幅削減を継続しようとしている。JR各社や私鉄大手の経営者も、軒なみゼロ回答をうちだした。
 喧伝されている「満額回答」なるものは、労組執行部があらかじめ経営陣と腹あわせしたうえで提出した低額要求(「連合」の「目安」=二%にさえおよばない、率にして一%前後のそれ)に、そのまま回答したということにすぎない。
 「脱炭素」と「電動化」をめぐっての労使協議に終始したトヨタ労組を先頭にして、JCメタルなどのほとんどの大企業労組の幹部らは、賃上げなどそっちのけで競争力強化のための労使協議≠ノうつつをぬかした。電機の労働貴族などは、「デジタル・トランスフォーメーション=DX」を推進するために必要な高度ICT人材≠ネどを確保し育成するための策をめぐる協議をこそ展開した。「人への投資」の名において、「ジョブ型雇用」の導入・拡大やいわゆる「能力開発投資」などをめぐって、経営陣の施策につき従うことを誓約したのだ。
 そもそも公表されている妥結額の多くは、「組合員平均」ではない。ごく一部の高度人材≠ノ選別的に配分するものを示したり、「若年層の上限」を表示したりしたものであって、大多数の労働者はベースアップ・ゼロさらには賃下げを強いられるものなのだ。
 しかもこの春闘のなかで各経営者どもは、新たな事業再編・大リストラ策を労組に提起し、ただちに実現に踏みだしている。好業績≠フ企業においても「選択と集中」の名において、「不採算部門」を廃棄し、「成長分野」とみなした部門に投資を集中している。これにともなって資本家どもは、大量の労働者に首切りや転籍・配転を強制している。採算悪化≠ノ見舞われている航空業や鉄道業の独占資本家どもは、減便や乗務員の削減(車掌の廃止など)、地上勤務者の大幅削減、地方交通線の廃止など、人員削減と乗客サービスの切り捨てに一気に突進している。飲食業や宿泊業などでも、非正規雇用労働者の雇い止めやシフト削減、大幅賃下げ・賃金カットなどの攻撃が、春闘のただなかにおいても吹き荒れている。
 製造業大手傘下の中小企業もまた、大企業による単価引き下げの強要や事業構造転換にともなう発注停止などに見舞われており、これらの経営者はみずからの生き残りをかけて労働者に首切り・賃下げをさらに強要している。
 こうした今春闘で進行している許しがたい事態こそは、「連合」指導部およびその傘下の大企業労組の労働貴族どもが、独占資本家どもと岸田政権による日本経済の危機突破=競争力強化″に呼応して、「未来をつくる」ための「人への投資」なるものを経営者にお願い≠キることに終始してきたことの結果にほかならない。

「人への投資」論による春季賃金闘争の破壊

 「連合」指導部は「二〇二二春季生活闘争方針」において、「未来をつくる みんなでつくる」というメインスローガンを掲げた。「『未来をつくる』とは、産業・企業と働く者の未来を語ること。経済成長や企業業績の後追いではなく、産業・企業、経済・社会の活力の原動力となる『人への投資』を起点として、今の延長線上にある未来を変え、経済の好循環を力強く回していくことだ」(『二〇二二連合白書』二〇頁)と。
 彼らのいう「未来をつくる」とは、「デジタル化」や「脱炭素」などをめぐって激烈化している米・欧・韓・中国などの独占体・大企業とのグローバル競争に勝ちぬくために、日本の「産業・企業の活力〔=競争力〕」を高める、そのために「連合」として力を尽くすということにほかならない。「働く者の未来」は、日本の産業・企業の発展あってこそ保証されるという信念=i「労使運命共同体思想」)のもとに、独占資本家どもと一体となって競争力強化に邁進する決意を表明し、これを下部組合員たちに叩きこもうとしているのが「連合」指導部なのだ。
 彼らは、「安いニッポン」〔!〕と称して、「日本の賃金水準は主要先進国の中で最低グループ」だ、などと、みずからの賃上げ闘争の放棄を棚にあげて、平然とほざく。そして、これを克服するためには「『人への投資』―→能力・意欲の向上と所得増―→消費拡大―→企業の利益向上―→『人への投資』という好循環」が必要だと語り、「賃金要求」だけでなく高度人材≠リクルートする費用や企業内人材教育費の拡大などすべてをひっくるめたところの「人への投資の拡大」なるものを、資本家にお願い≠オているのである。
 だが、労組の指導部たるものが、労働者の賃上げを「人への投資」などとおしだすことじたいが、反労働者的腐敗の極みではないか。
 「安いニッポン」などと鉄面皮にも語るのは、みずからこそが賃金闘争を放棄し日本の労働者を低賃金に叩きこんできたことを開き直る犯罪以外のなにものでもない。

以下 見出し

資本の高度人材確保″に呼応する「人への投資」論

賃上げ闘争放棄の隠蔽と居直り

わずか「二%」の賃上げ要求の目安≠ネるもの


「公正な移行」の名による大量首切りの是認

 超低額の回答を「満額回答」などと言いくるめて妥結した「連合」傘下大手諸労組の二二春闘の現実は、労使協議路線を徹底化した労働貴族どもの今日的腐敗を鮮明にした。この大手組合の賃下げ妥結を見てとった中小企業の経営者たちは、賃上げをいっそう抑制してくるにちがいない。
 わが戦闘的・革命的労働者は「連合」指導部の腐敗を弾劾し「全労連」日共系指導部の闘争歪曲に抗して、いっさいの首切り・賃金削減攻撃をはねのけ、大幅な賃上げを・しかも一律に獲得するために、たたかう団結をうち固め今春闘を最後まで戦闘的にたたかいぬこうではないか。
 そのただなかで、たたかうウクライナ人民と連帯し、ロシアのウクライナ侵略を弾劾する闘いをも職場の仲間たちを組織化し断固として創造しよう。
 岸田政権による日米軍事同盟強化、日本の大軍拡・核武装に反対する闘いを、憲法改悪に反対する闘いを、各組合の深部からまきおこそう。
 政府・自民党に公然と抱きつき、安保強化・憲法改悪を尻押しする「連合」芳野指導部を弾劾し、「連合」の脱構築をめざしてたたかいぬこう。
 (三月二十日)
Top


 

   


海上自衛隊鹿屋基地への米軍無人機配備を阻止せよ


 岸田政権はアメリカ・バイデン政権の意を受けて、海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)に米軍無人武装偵察機「MQ9リーパー(死に神)」の部隊を配備する計画を受け入れた(一月二十四日判明)。そして、その実現にむけた日米合同の現地調査を二月二十八日から強行している。
 この鹿屋基地への米軍無人機配備こそは、今年一月初旬の日米2プラス2合意にもとづいて「台湾有事」に備えた日米共同の対中国戦争遂行体制を構築するためにほかならない。われわれは、これを阻止する闘いを断固として創造するのでなければならない。


以下 見出し

「台湾有事」に備えた米日統合軍の前線拠点化

日米2+2合意に基づく敵基地攻撃体制の構築

〈対中国グローバル同盟反対〉の旗幟鮮明に闘おう!

Top






  
「米軍無人機配備を許すな!」
鹿大生が県民集会で奮闘  3・5鹿児島
 三月五日、鹿児島市の市街地中心部にある中央公園で「壊憲NO! 馬毛島・鹿屋・奄美 かごしまを軍事拠点にするな! 3・5県民集会」が開催された(主催は「憲法壊すな・戦争法廃止! かごしまの会」)。 鹿児島大学のたたかう学生たちは、この日参加した労組員・市民二五〇人の先頭で、「日米グローバル同盟の強化反対!」の怒りの声をあげたのだ。
「かごしまを軍事拠点にするな! 3・5県民集会」に労・学・市民が結集
(鹿児島市中央公園)
  横断幕を掲げ戦闘的檄を飛ばす鹿大生たち
(3月5日、鹿児島市中央公園)
Top