第2701号2022年1月17日)の内容

<1〜4面>
改憲・安保強化を打ち砕け
 1・22 全学連闘争に起て
 <米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を創造せよ!
 中央学生組織委員会
<5面>
対中巻き返しに狂奔する断末魔のアメリカ帝国主義
<6〜7面>
年頭の決意
 北海道/東海/関西
 教育/地域一般/社会事業/金属/重工業
<8面>
対中国の戦争体制づくりを許すな
 「ヤマサクラ81」反対!
 関西の学生が奮闘 12・11 伊丹
 矢臼別現地闘争
 道共闘・反戦が決起 12・8

沖縄・山口・広島で米軍発≠フ新型コロナ感染が爆発
 「解放」最新号

























  

改憲・安保強化を打ち砕け

1・22 全学連闘争に起て


<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を創造せよ!

中央学生組織委員会


「岸田政権の憲法改悪と軍拡の大攻撃を打ち砕け!」
国会前に怒りのシュプレヒコールを轟かす全学連(特別国会開会日の2021年11月10日)
 二〇二二年の劈頭にあたって、わが革共同・中央学生組織委員会は、すべての学生・労働者に訴える! いまこそ、労学両戦線から「憲法改悪阻止・日米グローバル同盟反対」の一大闘争をまきおこせ! 米と中・露との<新東西冷戦>のもとで高まる戦争勃発の危機を突破する革命的反戦闘争を断固として創造せよ!
 本二〇二二年は、ユーラシア大陸の東(台湾海峡周辺)と西(ウクライナ)において戦火がいまにも噴きあがりかねない危機が高まるなかでその幕を開けた。
 「東」においては、「祖国の完全統一」を掲げ台湾をめぐる軍事的・政治的強硬策を強める習近平中国と、同盟諸国を束ねてこの攻勢をおしとどめようとするアメリカ帝国主義バイデン政権との激突が熾烈化している。そしてまさにそのさなかに、「西」においては、「NATO東方拡大」への怨念に燃えるロシア・プーチン政権が「ウクライナのNATO加盟阻止」を掲げて対ウクライナ軍事侵攻の引き金に手をかけている。相互に結託を強めながら同時的に対米挑戦にうってでた中国・ロシアと没落の軍国主義帝国アメリカとの、台湾・ウクライナを焦点としたこの激突ゆえに、いまや世界は日々刻々と高まる熱核戦争勃発の危機に覆われているのだ。
 熾烈を極める米―中・露激突のまっただなかで、バイデン政権とともに日米軍事同盟の対中国グローバル同盟としての飛躍的強化に突進しているのが日本帝国主義の岸田政権にほかならない。見よ、中国にたいして日米が「共同で対処」することを明記した一月七日の日米安保協議委員会(2プラス2)合意を! 岸田政権はバイデン政権とともに、中国による台湾侵攻にたいしては日米両国家が「共同対処」=軍事攻撃で対抗することを公然と謳いあげた。そして、そのための米日共同での軍事態勢を築きあげるために日本は先制攻撃システムの保有をはじめ「あらゆる選択肢を検討する」ことも確認された。このようなものとしての2プラス2合意なるものは、日米安保条約の条文そのものにはいっさい手をつけることなく、日米軍事同盟を文字どおりの対中国攻守同盟として飛躍的に強化することを世界にむけて宣明したという重大な意味をもつ。
 そして、まさにこのようにアメリカ帝国主義とともに戦争を遂行しうる文字どおりの軍事強国として日本を飛躍させるためにこそ岸田政権は、憲法改悪の一大攻撃を日本労働者階級・人民の頭上に打ちおろしているのだ。
 全学連のたたかう学生諸君! 事態はきわめて切迫している。いまこそ全学連は、「反安保」を放擲した日本共産党志位指導部翼下の既成反対運動をのりこえ、反改憲・反戦反安保の巨大な闘いを日本全国でまきおこすのでなければならない。労働戦線の深部でたたかう労働者とかたく連帯して、岸田政権・自民党による改憲策動を木っ端微塵に打ち砕く闘いを全国から創造せよ! 改憲条文案の憲法審査会への提出を断じて許すな! 日米グローバル同盟を粉砕せよ!
 1・22対国会・首相官邸闘争の爆発をかちとれ!

T 米―中・露<新冷戦>下でさし迫る戦乱の危機

二十一世紀の覇権をかけた米―中(・露)の全面的激突

 (1)ネオ・スターリン主義中国の習近平政権は、今世紀半ばまでにアメリカをしのぐ「社会主義現代化強国」にのしあがり世界の中華≠ニして君臨するという世界制覇戦略にもとづいて、対米対抗の核軍事力増強に突き進むとともに、ロシアのプーチン政権との結託を強めながらアメリカを包囲する国家連合の形成に血眼になっている。
 中国権力者は、核戦力におけるアメリカの優位をつきくずすことを狙って、アメリカの既存のMDシステムでは迎撃不可能な極超音速ミサイルの開発・配備を急ピッチで進めている。なかんずく、地球を周回したうえで大気圏に再突入し目標に到達する新型極超音速ミサイルの発射実験(昨年八月)を成功させた中国権力者は、このことによって、米軍のMDシステムがカバーしていない南極方向から米本土に核攻撃を加えうる能力をすでに獲得しつつあることをバイデン政権にまざまざと見せつけた。〔これにバイデン政権は「スプートニク・ショックに近い」(米統合参謀本部議長の言葉)と驚愕を吐露したほどであった。〕
 「新時代の強軍目標」達成の名のもとにおしすすめられているこうした対米対抗の核戦力の強化と同時に習近平政権は、アメリカ帝国主義を包囲する国際的な政治的陣形を構築してゆくために、プーチン・ロシアと結託して、北朝鮮、イラン、ベラルーシ、ベネズエラなどの反米諸国家権力者をば「(アメリカの)内政干渉反対」「アメリカ式民主主義のおしつけ反対」を旗印とした「友好グループ」のもとに束ねあげ、これらとの国家的関係を強化している。さらには、東南アジア、アフリカ、中南米、オセアニアなどの新興国・途上国権力者を、――これら諸国の多くがアメリカン・グローバライゼーションのもとで貧困をおしつけられてきたばかりでなく、パンデミックのもとで先進諸国とのあいだでの「ワクチン格差」にあえいでいることにつけこんで――「一帯一路」経済圏構築の名によるインフラ建設や投資拡大をテコとして中国の「友好国」として囲いこむという追求を、いわゆる「ワクチン外交」とからみあわせながらおしすすめている。
 こうした習近平政権の「一帯一路」経済圏形成の策動は、貧しい国々へのインフラ支援をテコに、これらの国々を中国国家の従属下に組み敷くものにほかならない。新興国を「債務の罠」に突き落とすそのあまりにあくどいやり方への反発が高まっているがゆえに、習近平政権の策動は行きづまりを露呈しているのだ。
 そして、コロナ・パンデミック下でのサプライチェーンの寸断やアメリカ帝国主義による対中国経済制裁などの諸条件のもとで、中国経済の危機はいっそう深刻化しつつある。企業経営者どもは生き残りのために「農民工」を含む労働者の首を切り使い捨てにし、貧窮の底に突き落としている。
 まさにこうしたなかで、むきだしとなりつつある「社会主義市場経済」の諸矛盾をおしかくし、アメリカをしのぐ「社会主義現代化強国」にのしあがるという国家目標の実現にむけて中国人民を総動員してゆくために習近平政権は、今年中におこなわれる党大会(二十全大会)にむけて、総書記・習近平を「核心」に戴く中国共産党への忠誠を人民に促すための宣伝・教育にますます拍車をかけているのだ。かの「歴史決議」なるものにおいて、「党の指導」のもとでの「百年にわたる中華民族復興の歴史」を強調し「中国の特色ある社会主義思想」を宣揚しているのもその一環にほかならない。
 北京官僚どもは、みずからの専制支配に反逆するとみなした香港やウイグルの人民にたいしては、凶暴な弾圧をほしいままにしている。香港においては、北京政府の指令をうけた香港政府は、国家安全維持法をふりかざした凶暴な逮捕攻撃によって「民主派」諸団体やメディアの幹部、労働者・人民を牢獄にたたきこんでいる。そして、立候補資格をあらかじめ「愛国者」に限定した「立法会選挙」なるものをつうじて、立法会をば党=国家官僚の意志を香港にストレートに貫徹するための機関へとつくりかえたのである。
 そして、このような圧政を帝国主義諸国権力者が「民主主義・人権」をたてとして非難していることにたいしては、「民主と専政とを有機的に統一」した中国式の「全過程人民民主」こそがアメリカ式の「民主主義」より優れていると傲然と宣言しながら、苛烈な人民弾圧に狂奔しているのが習近平政権なのだ。
 (2)軍事的・政治的の対米攻勢を強める習近平政権をまえにして、没落アメリカのバイデン政権は、この中国との「二十一世紀を決定づける戦略的競争に打ち勝つ」ために「同盟の再構築」をはかるという世界戦略にもとづき、同盟諸国を動員しながら、中国にたいする政治的・軍事的の包囲網の形成と、半導体・5Gなどの独自の供給網の構築にうってでている。
 軍事的には、「ゲーム・チェンジャー」とも呼ばれる極超音速兵器の開発において中・露に大きく引き離されたことのゆえに、いまや核戦力におけるアメリカの圧倒的優位じたいが大きく揺らぎはじめている。このことに震撼しているバイデン政権は、「二二年国防権限法」で決定された莫大な国家予算(日本円にして八九兆円)を投じ、核戦力の量的のみならず質的な増強に狂奔している。押っ取り刀で極超音速ミサイルの対抗的開発のピッチをあげているだけではない。既存のMDシステムでは把捉できない低空軌道の極超音速巡航ミサイルの動きをとらえるために、大量の小型衛星をはりめぐらし・上空からミサイルの動きを把握するという新たな軍事システム(「衛星コンステレーション」)の構築をも急いでいるのだ。
 バイデン政権はまた、インド太平洋地域にNATOのような対中国の多国間軍事同盟を構築することをめざして、米英豪からなる実質上の核軍事同盟たるAUKUSに日本や欧州諸国をも加えようとしている。このいわば拡大AUKUS≠フ中軸をなすものとして、日米の軍事同盟を位置づけ・岸田政権とともにその強化に狂奔しているのである。これとあわせてバイデン政権は、米日豪にインドを加えた「クアッド」をば、主として「経済安保」上の利害にもとづく政治的な協力枠組みとしてつくりだしてもいる。このように、対中国の包囲網を幾重にも構築しようとしているのが、もはや中国を独力で抑えこむ力を喪って久しいアメリカ帝国主義のバイデン政権なのである。
 こうした追求とともに、政治的には、中国主導の「友好国」グループに組織されつつある途上国・新興国などを切り崩すことを狙ってバイデン政権が開催したのが「民主主義サミット」(オンライン)なるものであった。かき集められた一一〇の国・地域の代表にたいして、「影響力を拡大しつつある独裁者」に抗する「民主主義」国の結集なるものを呼びかけたバイデン。それは、「内政干渉反対」を旗印とした中国・ロシアによるアメリカ包囲の陣形づくりが――かつてはアメリカの裏庭≠ニも呼ばれた中南米の諸国をも含めて――世界的に進展しつつあることへの、バイデンの戦慄をあからさまにしたものにほかならない。
 バイデン政権は、いまや一日の新規感染者数が一〇〇万人を超えるほどの新型コロナ「オミクロン株」のすさまじい感染爆発にみまわれ顔面蒼白になっている。石油や生活必需品価格の暴騰に生活を直撃された労働者・人民の高まる怒りにもバイデンは包まれている。こうしていまや支持率が三八%にまで低下したヨレヨレ・バイデン政権を、今年十一月八日投票の中間選挙が待ちうけている。民主党がこの選挙でトランプ共和党に敗北を喫し・バイデン政権がレイムダックに突入する可能性はいよいよ濃厚になっているのだ。
 (3)コロナ・パンデミック突入から二年を迎えようとしている現代世界は、まさに米―中・露<新東西冷戦>というべき様相を色濃くしつつ激動している。
 コロナ感染爆発に直撃されたアメリカ帝国主義の断末魔をとらえ、アメリカを追い抜くための政治的・軍事的攻勢を加速しはじめた中国ネオ・スターリン主義と、この中国の攻勢を抑えこもうと狂奔するアメリカ帝国主義との、台湾を焦点とした激突。中国との実質上の軍事同盟にもとづき、NATO東方拡大をおしかえす挑戦を開始したプーチン・ロシアと米欧諸国との角逐。まさにユーラシア大陸の東西において激突するアメリカ帝国主義と中国・ロシアとは、互いに核戦力の強化や「宇宙軍拡」、AI兵器開発、BC(生物・化学)兵器開発にしのぎをけずると同時に、相手の政府機関・インフラを狙ったサイバー攻撃やフェイク情報散布などのグレーゾーン戦争≠も熾烈にくりひろげている。
 さらに彼らは「経済安保」の名による希少資源・半導体の輸出規制、相手国政府や企業を従属させるための経済的攪乱(これらは総じて「エコノミック・ステートクラフト」と称される)にも血道をあげている。
 こうしたことのゆえに、世界的な戦乱勃発の危機はいやましに高まっているのである。

U 改憲・安保強化――岸田政権のウルトラ反動攻撃

 台湾を焦点として熾烈を極める米―中の激突のなかで、この激突のまさに最前線に立たされながら、バイデン政権とのあいだで日米軍事同盟の対中国グローバル同盟としての強化の追求に血道をあげているのが、「安保の鎖」で締めあげられたアメリカの属国=日本の岸田政権にほかならない。
 一月七日、岸田政権(外相・林、防衛相・岸)は、バイデン政権(国務長官ブリンケン、国防長官オースティン)とのあいだで2プラス2会合(オンライン)を開催し、四閣僚の「共同発表」をうちだした。そこにおいて日米両権力者は、中国が台湾や尖閣諸島周辺・南シナ海においてとっている軍事的強硬策について「地域の安定を損なう行動」と非難し、これにたいしては「必要に応じて協力して対処」すると、2プラス2文書としては史上初めて明記した。そうすることによって彼らは、中国が台湾にたいして武力侵攻などの「地域の安定を損なう行動」をとった場合には、米日両国家がまさに一体となって中国に軍事的に対決することを、彼らの国家意志として習近平政権にたいして突きつけたのである。〔この2プラス2発表にたいして、習近平政権は即座に反応し「中国内政への乱暴な干渉」と非難した。〕
 さらに「共同発表」において日米両権力者は、岸田政権が今年末までに策定しようとしている新たな「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」などの戦略文書にかんして、「日米両国の戦略を完全に整合させる」ことを公然と宣言した。そして、「緊急事態にかんする共同作戦計画作業の確固とした進展」を確認するとともに、この作戦計画にもとづき日米両軍の「役割・任務・能力」を「進化」させると称して、「ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する」こと、さらには「日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取り組みを含め、日米の施設の共同使用を増加」させることなどをも明記したのである。
 まさに今回の2プラス2は、東アジアにおける習近平中国の猛烈な軍事的攻勢に対抗するために、米主導の多国間軍事同盟の構築を主眼とした軍国主義帝国アメリカの世界戦略・軍事戦略に日本の軍事戦略をよりいっそう従属させること、これにもとづき「台湾有事」において日米両軍が中国軍を撃滅する軍事作戦計画を練りあげること、さらにこの作戦計画を実行するにふさわしく・日本国軍を米軍の補完部隊として飛躍的に強化してゆくこと――その核心をなすのが、「ミサイルの脅威に対抗するための能力」すなわち敵基地先制攻撃システムの獲得である――が、全世界にむけて告知されたという画歴史的な意味をもっているのだ。

 
12・19 闘う学生が「国会議員会館前行動」に決起
「改憲発議阻止!」を掲げ労働者・市民の最先頭で闘う首都圏の学生
(21年12月19日、国会前)
V 既成反対運動の腐敗と全学連の革命的闘い

W 反改憲・反戦反安保・反ファシズム闘争の爆発を

A 「反安保」を放棄する日共中央を弾劾せよ

 今日の代々木官僚がうちだしている九条改憲反対の方針・その特質は、次のようなものである。(引用は主に一月四日の「党旗びらき」で委員長・志位がおこなったあいさつより)
 @まず、岸田政権・自民党がもくろむ憲法九条改定の策動について日共中央は、「米中の覇権争いがさまざまな分野で強まる」なかで「米国に追随」して「海外派兵体制の強化をはかろうと」するものであり、「軍事対軍事の悪循環とエスカレーション」という「危険きわまりない道」を進むものであると特徴づけ、これに「反対」するとしている。そして、この「岸田政権による九条改憲の企てを断固阻止するために、五月三日の憲法記念日にむけて、九条改憲阻止の署名を、全国津々浦々から一〇〇〇万人規模で集める」としている。
 Aこうした改憲反対運動の方針は、次のような政府にたいする安保外交政策の代案の提起とセットでうちだされている。すなわち、日共中央は現存政府にたいして、「破局的な戦争につながる軍事的対応の強化」ではなく、「東アジアを平和と協力の地域にしていくための、憲法九条を生かした平和外交」という日共の代案の採用を迫る。具体的には、ASEANを中心とする「東アジアサミット」を「米中日を含む『対話と協力』のフォーラムとして強化」し「東アジア規模の友好協力条約(TAC)をめざす」ための「外交努力」を日本政府に「強く求める」というのである。
 こうした日共中央の九条改悪反対の方針は、岸田政権の憲法改悪攻撃をまえにして、きわめて無力かつ反プロレタリア的なものにほかならない。
 (1)日共中央は、「米中の覇権争い」を口にし、「軍事対軍事の悪循環」に「反対」を唱えているのであるが、それは、「東アジアを平和と協力の地域にするための平和外交」なる自党の安保・外交政策の代案の現実性を宣伝する観点からのそれにほかならない。ここにおける決定的な犯罪は、日米軍事同盟をアジアにおける多国間軍事同盟の中核として位置づけ・その強化に突進している日米両帝国主義権力者の策動に反対することを、代々木官僚が意図的に抜きさっていることにある。
 アジアにおけるAUKUSの拡大≠はかるバイデン政権に呼応して・日米軍事同盟を対中国の多国間軍事同盟の中核をなすものとして強化せんとしているのが岸田政権である。岸田政権・自民党による現行憲法第九条破棄の攻撃とは、まさしくこのような多国間軍事同盟の担い手にふさわしい一流の軍事強国≠ノ日本を飛躍させることを狙った攻撃にほかならない。
 まさにこのような画歴史的な攻撃がしかけられているときに代々木官僚は、――情勢認識上では「米バイデン政権は、中国に対して、軍事同盟の全面的強化で対応しようとして」いるなどとチョッピリ触れていながらも――改憲反対の方針展開上「反安保」のハの字も唱えることをしない。彼らは、日米軍事同盟の強化に反対する日本の労働者・人民の主体的・階級的な力をいかに創造するかという核心問題を完全に無視抹殺して、「九条を生かした平和外交」なるものを――げんに日米軍事同盟が存在するもとでも日本政府が採用しうる政策として――「提案」しているのだ。だが、これほど無力で犯罪的なことがあろうか! 岸田政権が中国や北朝鮮の「脅威」を煽りたてながら、これへの日米「共同の対処」(2プラス2)をおこなうことや「敵基地攻撃能力」を獲得してゆくことをも正当化しているなかにあって、労働者・人民を武装解除することにしかならないではないか。
 まさにそれは、じつのところ先の総選挙で自民党がくりひろげた「安保廃棄の共産党と立憲民主党とが野合している」などという非難攻撃に、彼ら代々木官僚が屈服していることの証左なのだ。
 (2)この「反安保」を完全放棄した「九条改憲反対」方針と一対のものとして――米・日―中の「戦争という破局的事態」を招きよせないためと称して――うちだされているのが、「ASEAN十ヵ国プラス八ヵ国――日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド、米国、ロシアによって構成される東アジアサミット」を「活用・発展」させる「外交努力」をする、などという安保・外交政策上の代案である。この日共中央が「提案」している外交政策の代案なるものは、先にも触れたように、日米軍事同盟が現存在するもとでもただちに日本政府が採用可能なものとしてうちだされている。現存のブルジョア諸国家やネオ・スターリン主義国家などの諸国家がおのおのの国益をつらぬくために軍事同盟をとりむすび、軍事力を保持して対峙しあっていること、このことを前提にしたうえで、政府に「外交努力」をお願いすることが、「九条を生かす」ことだというのだ。ここに彼らの「九条を生かす」ということの、驚くべき超右翼的本質がしめされているではないか。
 だが、げんに台湾を焦点としたアメリカ帝国主義と中国ネオ・スターリン主義との激突のなかで、この一方の極たるアメリカとの軍事同盟を強化するとともに・アジア版NATOというべき多国間軍事同盟の創出のために「役割」を果たそうとしている日本の岸田政権にたいして、「九条を生かした平和外交」をおこなうようにお願いすることによって、「破局的な戦争」を回避することができるというのか。断じて否である。
 代々木官僚は、「東アジアサミット」をば「すでにつくられている平和の枠組み」などと美化し、日本政府の外交政策によってこれを「米日中を含む『対話と協力のフォーラム』として強化する」ことによって「軍事対軍事の悪循環」から脱することができる、などと能天気にもほざく。
 だがこれこそ、げんに角逐しあう米・日―中の国家およびその担い手の階級性・党派性を没却し、したがって中国のネオ・スターリニスト官僚とそのもとで支配され抑圧されている労働者・人民との対立も、そしてまた米日両帝国主義の政府・支配階級と労働者・人民との階級対立も没却した者のみが披瀝することのできる幻想にほかならない。いうまでもなく、米・日の帝国主義権力者どもは、現代中国を敵とみなし、ブルジョア支配階級の階級的な経済的・政治的利害を貫徹してゆくためにこそ、帝国主義階級同盟としての日米軍事同盟を強化し中国への軍事的対抗を強めている。これにたいして、中国の北京ネオ・スターリン主義権力者どももまた、一四億人民を支配する党=国家官僚としてのおのれの官僚的な諸利害を貫徹するためにこそ、アメリカを追い落とし「世界の中華」として君臨するという名において対米の挑戦を加速しているのである。
 だからして明らかに、こうした米日両帝国主義と中国ネオ・スターリン主義の角逐下で高まる戦争勃発の危機をつきやぶる道は、米・日と中国それぞれの政府権力者に支配されている労働者・勤労人民の国境を越えたプロレタリア的団結にもとづく革命的反戦闘争の創造いがいにはない。それゆえに、中国・習近平政権の「台湾の中国化」をめざした軍事行動に反対するとともに、これにたいしてげんにバイデン政権と岸田政権が日米軍事同盟にもとづいて威嚇的軍事行動にうってでていることにたいして断固反対する反戦闘争を日本の地で創造し・その国際的波及をめざしてたたかうのでなければならないのだ。
 にもかかわらず、米・日の帝国主義による戦争政策に反対する労働者・人民の闘いを組織するという「反帝国主義」の旗を投げ捨てているだけではなく、中国の軍事的行動に反対する反戦闘争の組織化をもいっさい投げ捨てているのが代々木官僚なのである。
 日共中央が中国権力者の台湾・南シナ海をめぐる軍事的策動にたいして、労働者・人民の断固たる反戦闘争の組織化をもって応えないことじたいが許しがたいのだ。もとより日共官僚どもは、たとえいまごろになっておのれと中共との区別立てのために中国を「覇権主義」などと非難しているとしても、二〇二〇年一月にいたるまで中国を「社会主義をめざす国」と明記した党綱領を護持し、ほんの数年前まで中国を「アジアと世界の平和の流れ」の主導者として美化してきたのであった。中国による対米対抗の核軍事力増強についても、ウイグル人民への凶暴な弾圧についても黙認してきたのがこの輩どもではないか。このようなみずからの近い過去における犯罪には固く口を閉ざし頬かむりしていることじしんが、代々木官僚のネオ・スターリン主義者としての正体をおしかくすためにほかならない。
 米・日―中の権力者どもによる相互対抗的な軍事的策動にたいする労働者・人民の反戦闘争を断固まきおこすことの彼岸において、「中国の覇権主義」を非難しながら・この中国を「外交」的に包囲するように日・米の権力者を突きあげるなどという代々木官僚のこんにちの対応。それは、政府・支配階級が中国の権力者とこれに支配される人民とを一緒くたにして煽りたてる「反中国」のナショナリズム煽動に棹差し、そのお先棒をかつぐ犯罪にほかならないではないか。
 (3)まさにこのような内実の「九条を生かした平和外交」なる政策的代案(これとセットでの「九条改憲反対」方針)はもちろん、党の存亡がかかった今夏の参院選にむけて、「保守層」を含む人々を票田としてとりこむという集票主義・議会主義の観点からうちだされているのである。「改憲反対」に起ちあがった労働者・学生にたいして、敵の攻撃の本質への自覚をうながし、彼らの変革と階級的な組織化をかちとってゆくということを、完全に投げ捨てているのが代々木官僚どもなのだ。
 われわれは、「反安保」を完全放棄したこの日共中央翼下の反対運動をのりこえ、憲法改悪阻止の闘いを、日米グローバル同盟の強化に反対し、アメリカ帝国主義と中国ネオ・スターリン主義との角逐ゆえに高まる戦乱勃発の危機を突破することをめざす反戦反安保の闘いとして推進するのでなければならない。

以下見出し

B 革命的反戦闘争の嵐をまきおこせ

 「新しい資本主義」の名による人民への犠牲強制反対!

 米欧日帝国主義と中国ネオ・スターリン主義による地球環境破壊を弾劾せよ
Top




  

対中巻き返しに狂奔する断末魔のアメリカ帝国主義 

 「アメリカ・ファースト」を呼号するトランプにたいして「多国間協調主義」の旗を掲げて辛勝したバイデンが新大統領に就任してからおよそ一年。本二〇二二年秋の中間選挙をひかえて、この政権は支持率の急落とトランプ共和党の伸長に見舞われ、早くもレイムダック寸前の苦境に叩きこまれている。
 足下においては、オミクロン株出現による一日あたりの新規感染者一〇〇万人超(一月五日時点)という新型コロナウイルスの爆発的な再拡大と前年同月比六・八%(昨年十一月時点)にのぼるインフレーションの昂進にたいする労働者・人民の怒りと不満が充満している。バイデンがみずから最大の目玉政策≠ニしてアピールしてきた「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」法案=気候変動対策・教育福祉への大型歳出法案も、与党民主党内右派の抵抗のゆえに議会審議が停滞しその可決・成立は危ぶまれている。
 対外的には、「祖国の完全統一」をふりかざした習近平中国による台湾近海・南シナ海における政治的・軍事的攻勢に加えて、昨年秋から一挙に開始されたところの・「NATOの東方拡大阻止」を叫ぶプーチンのロシアによるウクライナ国境付近での威嚇的軍事行動――まさに、アメリカ大陸の東西から反米共闘≠形成した中国・ロシアによる攻撃的な対米挑戦に追いつめられているアメリカ帝国主義のバイデン政権。この政権はいま、「民主主義と専制主義との戦い」を叫びたて中・露に対抗する「民主主義国」の結束を構築することにアメリカ帝国主義国家としての生き残りを賭けているのである。
 建国一〇〇年の二〇四九年までにアメリカ帝国主義を「一超」の座から最後的に引きずり降ろし「社会主義現代化強国」にのしあがろうとしている習近平の中国。この中国と二人三脚を組みながら、ソ連邦崩壊いこう帝国主義諸国によって侵食された勢力圏を奪還し大ロシア帝国≠フ復活を企むプーチンのロシア。アメリカ帝国主義が主導してきた既成の国際秩序を根幹から揺るがすこうした中国およびロシアの挑戦に焦りと恐怖を募らせているバイデンのアメリカは、中国の覇権確立≠絶対に阻止するために、「人権・民主主義」の色あせたボロ旗を掲げ直し「二十一世紀を決定づける中国との戦略的競争」を呼号して必死の反撃にでている。
 かくして没落帝国主義アメリカとネオ・スターリン主義中国とが激突する<冷戦>は一段と熾烈化を極め、この二十一世紀世界の構造変化のゆえに全世界各地で戦争勃発の危機が高まっているのである。

以下見出し

A 中露共闘≠ヨの対抗に大童のバイデン政権

  アジア版NATO構築の画策

B 虚飾にまみれた「民主主義国結束」のセレモニー

C 軍民両用技術の囲い込みと対中デカップリング
Top

 


   
沖縄・山口・広島で米軍発≠フ新型コロナ感染が爆発

 基地撤去・安保破棄めざし闘おう

安保条約・地位協定を盾に米軍が無検査で入国

 昨年十二月に沖縄―岩国―横田などの米軍基地内で米兵による新型コロナウイルス(オミクロン株)のクラスターが発生した。(米軍は基地内の感染状況の詳細を公表していないが、一月七日時点の在沖米軍基地内の新規感染者は二五四人、直近一週間で九〇三人。岩国基地四八九人、三沢基地八十二人、横田基地六十五人である。)米軍基地で働く日本人従業員とその家族に次々と感染し、周辺自治体の市中感染が驚くほどの速さで拡大した。アメリカ本土から移動してきた大量の米兵によって、「オミクロン株」が日本国内にもちこまれ新型コロナ感染の拡大が一気に加速されているのだ。
 沖縄では、海兵隊の半年ごとの部隊の入れ替え期にあたる十二月初旬に大量の海兵隊員が、連日一〇万人前後の新規コロナ感染者がでていたアメリカから入国時の検査をうけることなく、輸送機で直接在沖米軍基地に入った。これによってキャンプ・ハンセン(金武町)では数百人規模のクラスターが発生し、海兵隊員から日本人従業員とその家族に感染が広がり、さらに県内全域へと拡大したのだ。わずか半月で沖縄の感染者数はゼロから一日あたり過去最大の約一四〇〇人へと急拡大した(一月七日、元日の五十二人から一週間で約三十倍)。
 アメリカ国防総省は、安保条約・地位協定の特権を盾にして日本の入国管理・検疫がおよばない米軍嘉手納空軍基地経由で、アメリカ出国時と日本入国直後の両方ともPCR検査をせずに米兵を入国させていたのだ。(日米安保条約にもとづく地位協定第九条により「米軍人の旅券・ビザなどは日本の法令適用から除外」し、日米合意で「米軍関係者が直接米軍施設に入国する場合は米国が検疫をおこなう」としていることを盾にして。)
 在沖米軍基地に入った海兵隊員らは、表向きは「十日間の(兵舎内)隔離」とされてはいるが、基地内施設を自由に動き回っていた。米軍当局は十二月十七日に兵士のクラスターが発生した後も、兵士のキャンプ・ハンセン基地外への出入りを禁止せず、兵士らはマスクもつけずに歓楽街に出て飲食していた。同基地所属の海兵隊員は、北谷町内(二十一日)や那覇市内(二十五日)で次々と酒気帯び運転で逮捕されるありさまだった。キャンプ・キンザー(牧港補給基地)では、コロナ感染者がでても、大勢の兵士たちが体育館でマスクなしで大綱曳き大会にうち興じていたのだ。これで他の兵士や日本人従業員に感染が拡大しないわけがないではないか!
 労働者・人民は辺野古ゲート前やキャンプ・ハンセンのゲート前で米軍にたいして怒りの声を叩きつけた。この怒りの高まりにおされた沖縄県知事は、「米軍発の感染に怒りを覚える。ただちに米兵の外出禁止を」と訴え、米軍ならびに日本政府に「兵士のPCR検査とコロナ株の種類の検査を要求」した。だが米軍当局は「オミクロン株の検査は本国に送ると一ヵ月かかる」などと称して検査を拒否し、PCR検査にも応じなかったのだ。こうした傲岸な対応に労働者・人民の怒りが高まると、米軍当局は半月も経って感染した兵士の株種を検査し、キャンプ・ハンセンの検体の四七%がオミクロン株だったことを公表した。
 岸田政権は、「米軍から兵士は基地内で厳格に隔離中と聞いている」などと米軍の言をおうむ返しにし、「在沖米軍の即応性を維持することは極めて重要だ」(十七日、官房長官・松野)とほざいて米軍の行動になんの規制も求めない態度をとった。岸田政権は、時間をかけて検査や隔離をやっていられるか。ワクチン接種さえあればいい≠ニばかりに米軍部隊の迅速な在日米軍基地への移動を最優先にする米政府につき従い、米軍兵士らによる在日米軍基地経由のオミクロン株感染大爆発を容認し放置してきたのだ。

米・日の対中国戦争体制づくりを許すな!

 今回の米軍基地経由のオミクロン株感染爆発は、米・日両帝国主義権力者が焦りに満ちて反人民的な対中国戦争体制づくりを急いでいるさなかに引き起こされた。
 オミクロン株の感染が全世界に拡大しはじめた昨年十一月から十二月にかけて、岸田政権は、陸・海・空自衛隊三軍を動員し米軍との合同で「台湾有事」に南西諸島全域が戦域≠ノなるという想定のもとに、島しょ上陸訓練、地対艦攻撃訓練などを宇宙・サイバー・電子戦を組みこんだ種々の「領域横断作戦」演習として連続的に実施してきた。そのたびごとに、何千名もの米軍兵士がアメリカ本土と日本の日米両軍の基地や演習場との往来をくりかえしているのだ。
 対中即応態勢を強化している米軍が「感染対策」を無視して部隊移動・日本国軍との軍事訓練を強行してきたことのゆえに、沖縄や岩国など米軍基地所在地での労働者・人民への感染爆発を招いていることを怒りを込めて弾劾しよう! 一切の米軍演習阻止! <米軍基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう!
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対中国の戦争体制づくりを許すな 

12・11 伊丹

「ヤマサクラ81反対」の声轟く

関西の闘う学生が最先頭で奮闘
 二〇二一年十二月十一日に、兵庫県伊丹市において「ストップ! ヤマサクラ81大集会」が開催された(主催は同実行委員会)。
 バイデン政権と岸田政権は、昨年十二月一日から十三日にかけて、「台湾有事」を想定した日米共同統合指揮所演習「ヤマサクラ81」を、自衛隊三軍三五〇〇人、米陸軍・海兵隊一五〇〇人以上を動員して強行した。彼らは、陸自中部方面総監部がある伊丹駐屯地に「台湾有事」の最前線作戦司令部を設置し、これと在日米陸軍第一軍団前方司令部がある座間基地(神奈川県)や陸上総隊司令部がある朝霞基地(埼玉県)、陸自水陸機動団がある相浦基地(長崎県)などを一体的に結び、過去最大規模でこの演習を実施した。
 日米グローバル同盟の飛躍的強化を許してなるものか!――神戸大・奈良女子大のたたかう学生たちは米日両権力者への怒りに燃えて、結集した労働者・市民二五〇名の最先頭で奮闘した。
「日米共同統合指揮所演習を許すな!」 集会参加者を鼓舞する関西の闘う学生
(21年12月11日、兵庫県伊丹市)
   反安保の呼びかけに共感の声
(12月11日、阪急伊丹駅前)
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「レゾリュート・ドラゴン21」阻止!

道共闘
反 戦
 12・8矢臼別現地闘争に決起
 二〇二一年十二月八日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会のたたかう労働者は、陸上自衛隊と在沖縄米海兵隊による日米共同実動演習「レゾリュート・ドラゴン21」に反対する矢臼別現地闘争に勇躍決起した。道東の陸自・矢臼別演習場(根室支庁別海町)で強行された、オスプレイを投入した物資輸送訓練・攻撃ヘリによる射撃訓練にたいして、たたかう労学は怒りの拳をたたきつけた。
矢臼別演習場前で日米共同演習に怒りの拳を叩きつける闘う労学
(21年12月8日)
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