第2688号(2021年10月4日)の内容
<1面>
9・23 陸自大軍事演習を許すな!
全学連が対防衛省緊急闘争
戦争と強権政治を強制する自民党政権の延命を許すな
<3面>
アフガンからの軍国主義帝国の敗走と熾烈化する米中冷戦
<2面>
「自民党政権を打ち倒せ!」
愛知総がかり行動に檄 9・19名古屋
◎タカ派イチ番
<4面>
電機産業発展のための労働運動≠呼号する労働貴族
<5面>
佐世保郵便局でクラスター
配達労働者全員が出勤停止
雇用保険料の引き上げを画策する政府
Topics 「支援」とは名ばかりの「自立支援」の欺瞞
<6面>
◎「AUKUS」創設
第59回国際反戦集会 海外からのメッセージ G
ロシア共労党(ボルシェビキ)チュメニ州委員会
■『新世紀』最新号(第315号)紹介
「解放」最新号
陸自大軍事演習を許すな! 9・23 全学連が対防衛省緊急闘争
政府・防衛省は全国から一〇万人もの陸自の大部隊を総動員し、空前の大軍事演習を強行している(十一月下旬まで)。「中国の台湾侵攻阻止」を掲げる戦争計画にもとづいて在日米軍の全面的バックアップのもとに強行されているこの策動が、東アジアにおける米・日―中の戦争的危機を高めているのだ。それだけではない。自民党総裁選のただなかで、「精密誘導ミサイルの導入は絶対だ」「米軍の中距離ミサイル配備は積極的にお願いしたい」(高市)、「敵基地攻撃能力は有力な選択肢」(岸田)、「サイバー・宇宙など抑止力全体の強化を」(河野)などというように、日米軍事同盟のよりいっそうの強化と日本の軍事強国化の旗を競い合ってうちふっているのが、自民党の政治エリートどもなのだ。断じて許すな! 全学連の学生たちは、自民党政権への怒りに燃えて、陸自の大演習に反対する防衛省前緊急闘争に断固として決起したのだ。 午後四時四十五分頃、市ヶ谷の防衛省前に登場したたたかう学生たちは、団結ハチマキとゼッケンで身を固め、ただちに闘争態勢に入った。「陸自の大軍事演習反対! 自民党政権を打ち倒せ!」と大書された横断幕と真紅の全学連旗を掲げて、学生たちは、軍事演習を指揮する中枢たる防衛省にたいして怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。 「対中国の軍事演習阻止!」「日米グローバル同盟粉砕!」「敵基地攻撃体制の構築を許さないぞ!」「軍事費の大増額反対!」「憲法改悪を阻止するぞ!」 学生たちの怒りの声が防衛省の一帯に轟きわたる。沿道を行き交う人民が学生たちの勇姿に注目する。 たたかう熱気に包まれるなか、有木全学連委員長が仁王立ちとなってアジテーションをくりひろげた。「わが全学連は、政府・防衛省による対中国の戦争計画にもとづく威嚇的な軍事行動に断固として反対する! <日米グローバル同盟反対>の旗を高く掲げてたたかおう!『台湾の中国化』をめぐる米・日―中によるいっさいの軍事行動に反対する反戦闘争の炎を断固として燃えあがらせようではないか!」「労働者・人民を貧窮の奈落に突き落としながら、醜悪な権力抗争をくりひろげる自民党政治エリートどもに満腔の怒りを叩きつけよう! 今こそ全人民の力で、戦争と貧困を強制する自民党政権を打ち倒そうではないか!」 「ヨシ! そうだ!」有木委員長の熱烈な訴えに応えて、たたかう学生たちはさらに闘志を燃やし抗議闘争をたたかいぬく。早稲田大学、横浜国立大学などのたたかう学生たちが次々と決意表明をおこなった。「一切の闘いを衆院選に向けた選挙カンパニアに解消する日共中央の闘争放棄を弾劾し、自衛隊の大軍事演習や米英豪などとの多国間軍事演習に反対する反戦反安保闘争を巻きおこそう!」と。 最後に、中澤全学連書記長の音頭のもとにシュプレヒコールと団結ガンバローをおこない、すべての学生がさらにたたかう決意を燃えあがらせた。 こうして全学連の学生は、「反安保」を放棄する日共中央をのりこえるかたちで、首都中枢に「陸自大演習反対! 日米グローバル同盟反対!」の闘いの炎を燃えあがらせたのだ。そしてまた、すべての労働者・人民にたいして自民党政権を打ち倒す闘いに決起すべきことを熱烈によびかけつつたたかいぬいたのである。 |
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戦争と強権政治を強制する 自民党政権の延命を許すな 米軍のアフガニスタンからの敗走を決定的契機にして、米・中間の冷戦的角逐は一気に急転回している。タリバンの権力奪取を背後から支援し、その全土制圧に凱歌をあげた中・露両国権力者は、SCO(上海協力機構)を中軸として反米国家連合の形成に突進している。これにたいしてアメリカ・バイデン政権は、軍事的にはAUKUS(米英豪三国同盟)を――オーストラリア政府に潜水艦建造でのフランスとの契約を一方的に破棄させながら――結成するとともに、政治的・経済的にはQUAD(日米豪印)四ヵ国の協力・連携で対抗するというかたちで、対中国の重層的な包囲網づくりに狂奔している。いま米・英・日・豪各国権力者は、「台湾クライシス」を想定しての史上かつてない規模の合同軍事演習を実戦さながらにくりひろげている。これにたいして中国・習近平政権もまた、東シナ海・南シナ海での軍事行動で対抗している。そして、そのさなかに強行された北朝鮮・金正恩指導部による巡航ミサイル・弾道ミサイルの連続的発射。…… このような米・中激突の一挙的進展に促迫されつつ、この日本の地において、「敵基地攻撃」や「憲法改正」を声高に叫びたてながら、次期総裁の座をめぐっての権力抗争をくりひろげているのが、自民党の政治エリートどもである。 岸田文雄、河野太郎、高市早苗、野田聖子の四人によって争われている自民党総裁選挙。それは、米・中冷戦下での日本帝国主義国家の生き残りを賭けて労働者・人民を戦争とファシズム支配のもとにいかに組み敷いていくかをめぐってのブルジョア政治エリートどもの反人民的な争い≠ノほかならない。菅政権による「経済最優先」のコロナ対策と医療体制拡充のネグレクト、失業と賃下げに苦しむ労働者・人民への生活補償の放棄と中小零細企業にたいする淘汰=切り捨て策の貫徹。――これらのゆえに噴きあがった人民の怒りの矛先をかわし、総選挙における自民党の大敗を少しでもくいとめるために、党の顔のすげかえ≠前面におしだしつつ、マスメディアやインターネットを使って政権延命のための大宣伝戦を展開しているのが、この連中なのだ。 候補者たちの背後でうごめいているのは、安倍と二階らのボスどもだ。影の権力者≠ニしての復活を企む安倍は、「右翼の軍国主義者」(自称)たる自己の思想の忠実な体現者とみたてた高市早苗をおしたて、彼女を突撃隊≠ノして総裁選の論戦≠右へ右へと引っ張らせている。毎年「靖国参拝」をくりかえし、「万世一系の天皇」を高唱する高市を担ぐことによって自民党内外の極右層(いわゆる「岩盤保守層」)を結束させつつ、細田派の力を基礎にして高市を上位におしあげる。それがかなわず河野・岸田の決選投票になったとしても、高市支持票を岸田に載せて、安倍傀儡の岸田政権・いわばハトの羽をまぶしたタカ派政権≠フようなものをつくりだす。――これが、疑獄まみれの安倍晋三の魂胆であり願望なのだ。それは、みずからの退陣後に権勢をふるってきた二階にたいする報復戦であり、石破と組んだ河野によって「森友・加計・桜」疑獄が蒸しかえされることを阻止するための生き残り戦にほかならない。 これにたいして安倍・麻生の策謀によって幹事長の座を追われることになった二階は、派閥(麻生派)からはみだした「壊し屋」河野の後ろ盾となり、彼に石破との連合を組ませるとともにそこに小泉進次カを加えて、安倍=麻生の策謀に対抗している。河野・石破・小泉を前面におしたてることで、「国民受けのする選挙の顔が欲しい」と騒ぐ若手議員連中や地方組織の票を大量に獲得することに賭けているのが、二階なのだ。 このように自民党のあらゆる政治家どもが、菅政権にたいする人民の怒りと憤激におののきながら、ひたすら自民党政権を延命させることに血道をあげている。そのただなかにおいて彼らは、「敵基地攻撃能力保有」やら「憲法改正」やら「ロックダウン法制」やらをがなりたて、それを人民にむかって大宣伝しているのである。みずからが貧窮の底に突き落としてきた人民を、さらに徹底的に踏みつけにするための儀式こそが、この自民党総裁選挙なのだ。 (以下、見出し) 戦争遂行とネオ・ファシズム強化に向けた論戦 対中国グローバル同盟の強化をうち砕け! |
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アフガンからの軍国主義帝国の敗走と熾烈化する米中冷戦 T タリバンの権力奪還 アフガニスタンのイスラム武装勢力タリバンが八月十六日(日本時間)にカーブルを制圧し、アメリカ傀儡のガニ政権を打倒した。 <9・11ジハード自爆攻撃>への報復として、「対テロ戦争」の名において二十年の長きにわたりアフガンの貧しき民を虐殺しつづけてきた侵略者=アメリカ占領軍は、ついにアフガニスタンからの敗走に追いこまれたのである。この軍国主義帝国アメリカの惨めな敗退をもたらしたのは、占領軍の蛮虐にたいして親から子へと世代を超えて火のような憎しみを募らせてきたアフガン人民ならびにタリバンの反米武装闘争と、タリバンをバックアップしてきた中国・ロシアの両政府にほかならない。 中・露に支えられたカーブル攻略作戦 タリバンは、バイデン政権をして「まったく想定外」と言わしめるほどの速度で三十四州の州都を次つぎに制圧した。このような作戦は、中・露両国権力者にバックアップされてはじめて可能になったのだ。 従来はタリバン(パシュトゥーン人からなる)と敵対する「北部同盟」に加わっていた諸勢力――タジク人、ハザラ人、ウズベク人などのエスニック集団の諸部族――は、タリバンと戦闘することを意識的に避け「無血開城」に応じた。この彼らをして、タリバンと妥協するように促してきたのは中・露両権力者にほかならない。 二〇二〇年二月にトランプ前政権が二一年五月までの米軍完全撤退を決定したその時点において、中・露両権力者は、タリバンの権力奪取を支援することを腹合わせし、タリバンと「北部同盟」系諸勢力の仲介を始めたにちがいない。(ロシア大統領特使カブロフは、両者の会合をロシアが主宰して始めたのは一八年秋だと明らかにした。)中・露両権力者は、アフガン内戦を早期に終結させるためにも、アフガンの新政権を反米政権として樹立するためにも、最大勢力で反米のタリバンを支援することが自国の国益にかなうと判断したのだ。 タリバンは、首都攻略の軍事作戦に踏みきるにあたっては、それをいつ、どのようにおこなうべきかについて、中・露両国の権力者の協力を求めて協議を重ねてきた。 七月八日にロシア大統領特使らと会談したタリバン代表は「アフガン全土を武力解放する計画はない」こと、ロシアや近隣国に危害を与える意図はないことを伝えた。タリバンは、ここで「全土解放」についてロシア権力者とのあいだで協議し「北部同盟」系諸勢力や彼らとつながるタジキスタンなどと武力衝突を起こさないという約束を交わした。この約束とひきかえにタリバンは、首都カーブル制圧にさいしてのロシアの協力をとりつけたにちがいない。 つづいて七月二十八日、タリバン指導者バラダル師が天津に出向いて中国外相・王毅と会談した。王毅は、タリバンが権力を奪取することは前提にし、むしろこれを「一帯一路」建設にアフガンをとりこむチャンスとみなして、バラダルを迎えた。しかも彼は、ウイグル独立をめざす「東トルキスタン・イスラム運動」と一線を画すことをタリバンに求め、これにタリバンが応じるならばアフガニスタン復興を支援すると提起した。 こうして、タリバン指導部は、中・露両権力者から首都攻略の作戦についての了承をとりつけ、さらに権力奪取後も政治的・経済的支援を継続するという確約をひきだしたのである。 権力を奪取した現在においてタリバン指導部は、米・欧諸国政府の「人権侵害」非難にたいして、「内政干渉反対」を叫ぶ中・露両国を後ろ楯として、あくまでもイスラム法にもとづくタリバン主導政権の正式発足にこぎつけようとしている。しかも、アフガンのリチウムや銅などの埋蔵資源に垂涎している習近平中国の腹の内を見透かしながら、資源提供とひきかえに大規模なインフラ投資をおこなうことを中国に要求しているのがタリバン指導部なのだ。 U 反米包囲網の一挙的強化を策す中・露権力者 アメリカの敗走に凱歌 タリバン政権支援の協力体制づくり 「内政不干渉」を旗印にした反米連合≠フ拡大・強化 V 威信喪失ぶりをさらけだしたバイデン政権 アフガン人民の怒りの炎に焼かれ、這(ほ)う這(ほ)うの体で敗走したアメリカ帝国主義のバイデン政権。彼らは米軍撤退計画が大混乱に陥れられようが英・仏・独から非難を浴びようが一切かまわず、八月末撤退完了をおし通した。中国の台湾「武力侵攻」に備え一刻も早く米軍兵力を東アジアに集中させるためにはアフガン撤退を一日たりとも遅らせてはならじ、という意志をバイデンは頑強につらぬいたのだ。 英・仏・独・伊の欧州同盟諸国の「駐留延長」要求をも蹴とばしアメリカの国益を最優先にしたこのアフガン撤退のゆえに、バイデン政権はこれら欧州諸国の対米不信を招き寄せてしまったのだ。このかんバイデン政権は、トランプ前政権の「アメリカ・ファースト」を破棄し「民主主義と専制主義との戦い」なるスローガンを掲げ、「属国」日本や、イギリス、NATO諸国などとの「同盟の再構築」によってアメリカ帝国主義の威信回復をはかることに血道をあげてきた。だが、バイデンがいくら「同盟の再構築」を叫ぼうとも欧州の同盟諸国の制止をふりきってのアメリカのアフガニスタンからの逃走こそは、アメリカの権威失墜ぶりを全世界に告知するものとなったのである。 しかも、九月十五日に、バイデン政権が英・豪の両首脳とともに、AUKUS(AU=豪+UK=英+US=米)と銘打つ三国軍事協力体制を抜き打ち的に旗揚げしたことは、仏・独をはじめとするEU諸国とアメリカとの政治的亀裂を決定的なものにしたのである。 それだけではない。AUKUS旗揚げの目玉として、アメリカがオーストラリアに攻撃型原潜の技術を供与する決定までもがなされ、オーストラリアはフランスからの次期潜水艦の購入契約(七兆円超)を、これまた騙しうち的にキャンセルした。激怒したフランス権力者が駐豪・駐米の両大使を召還しEUがこれを支持するドタバタさえもが演じられている。中国が台湾を「武力侵攻」する時期を「早ければ六年先」と想定して、これを「撃退」する軍事システムの構築を急いでいるバイデン政権は、猛スピードで原潜を建造しつづける中国に対抗するためには、中国近海を常時潜航できる原潜をオーストラリアに保有させるのが最も早くて確実である、と計算していっさいを極秘裏にすすめたのだ。こうしたバイデン政権の策動は、仏・独をはじめとするEU諸国から総スカンを食らっている。 アメリカ帝国主義からの覇権の奪取を策す中国を封じこめるために、独力では中国に対抗できないがゆえにアメリカのバイデン政権は、「多国間の協調」だの「同盟の再構築」だのという看板を掲げ、このもとに同盟諸国を束ね対中国包囲網を構築することに血道をあげてきた。没落軍国主義帝国アメリカの再興をかけたバイデン政権のこうした追求は、完全にデッドロックにつきあたっている。この危機をのりきるためにもバイデン政権は、英・豪などとのアングロサクソン同盟および「属国」日本との軍事同盟を要として中国主敵≠フ国際的包囲網構築に血眼となっているのだ。 バイデンのアメリカのこの落ちぶれた姿を「帝国の黄昏」とあざ笑っているのが習近平の中国である。この政権は、米・欧の亀裂にクサビを打ちこむ外交攻勢を強め、AUKUS旗揚げに懸念をいだくASEAN諸国の抱きこみを追求しつつ、AUKUSに対抗するための大軍拡に突進するにちがいない。 台湾海峡を焦点にして米中が軍事衝突する一触即発の危機がますます高まっている。米軍のアフガン撤退後の今日、これが中東におけるイランとイスラエルの軍事衝突の危機とともに、世界大戦の導火線となりかねないのだ。いまこそ、この危機を突破する革命的反戦闘争の爆発をかちとろう! |
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電機産業発展のための労働運動≠呼号する労働貴族 「デジタル化・脱炭素化」対応支援・「人材育成」の大合唱 昨年に引き続きリモートで開催された電機連合第六十九回定期大会(七月五日)は、いま電機産業が直面している「デジタル化・脱炭素化・サプライチェーンの強靱化」などの課題に、電機連合がいかに対応していくか≠ニいう問題意識一色に染めあげられた。 神保指導部は、「二〇二〇・二〇二一年度運動方針の補強」案において、従来の「デジタル社会を支える基盤整備」などの重要項目に「脱炭素社会の実現」と「グローバルな事業環境の改善」(米中対立下での「サプライチェーンの強靱化」と「必要不可欠な産業・人材の国内維持・発展」を核心とするそれ)を新たに加えた「政策・制度要求」(六月策定)の実現を強調した。それとともに、「妥結の柔軟性」と称して各社の経営戦略・「人材戦略」にもとづく「賃上げ」のバラツキを容認した二一春闘の妥結結果について「電機産業労使の社会的役割を果たした」と強弁しつつ「統一闘争の強化」を提起した。 しかも彼らは、「一人ひとりが輝く持続可能な社会をめざして〜新潮流と多様性を成長の糧に〜」をスローガンとする新「中期運動方針」を提起し、「ウイズ・アフターコロナ社会」と熾烈化するグローバル競争にふまえた労働運動のあり方なるものをうちだした。この中期運動方針の提起にあたり神保はコロナ禍によって価値観は大きく変化した。変化を嘆くのではなく、意識を高め・変化に対応する新しい行動様式をつくりあげる≠ニ言い放ち、従来の組合運動からの転換≠おしだしたのだ。 これに呼応して大手企業労組の代議員は、「AIや量子コンピュータなどの先端技術分野のデジタル人材の確保と育成は、(中期運動方針に沿ったものであり)電機産業労使の共通の課題であるから、産別労使で協議を始めてはどうか」(NECグループ連合)とか、「DXによる新しい付加価値の創出と変革が産業の持続的成長のカギ」(三菱電機労連)とかと発言した。この輩どもは電機独占資本家どもが喚いている「デジタル人材の確保・育成」をめぐる労使協議を労働運動の中心課題とすべきだと主張したのであり、これにたいする答弁として電機連合指導部も「基幹人材の確保は産業の成長に欠かせない。産官学が連携して取りくむ」と強調したのだ。 しかも神保指導部は、組織内国会議員が「提案型で偏らない立ち位置に共感し、国民民主党を選択したことは間違っていなかった」と強調し、「脱炭素社会の実現」などの電機産業振興策としての「政策・制度要求」を実現するために組織内議員の重要性をアピールした。各代議員もまた「組合員に政治活動の重要性」を訴え、組織内議員を国会に送りだす「国政選挙」活動に全力をつくすと決意表明をおこなったのだ(パナソニックグループ労連、日立グループ連合)。彼ら労働貴族は、今大会終了直後に、その場を現職国会議員である衆議院議員候補・浅野(日立労組出身)と参議院議員候補・矢田(パナソニック労組出身)の「決起集会」に切り替え、二人の出身組織の組合員をも動員するかたちでこの「集会」を開催したのである。 このように電機連合指導部は今大会において、「ウイズ・アフターコロナ社会を見据えた労働組合の運動構築」という名のもとに、「デジタル化・脱炭素化」のための諸施策に狂奔する電機独占資本家どもの意を体して、事業構造・産業構造の転換を支える「人材」となるべきことを組合員に号令することと、政府に「電機産業の発展」を支える産業政策の採用を求めることを運動方針の基軸としてうちだしたのだ。 ここでは、こうした運動方針にあらわれている電機連合労働貴族どもの反労働者性を暴きだしていきたい。 「労働運動の一大転換」の呼号――中期運動方針 莫大な国家資金投入≠叫ぶ「政策・制度要求」 「産別統一闘争のさらなる強化」の呼号――欺瞞的な21春闘総括 今日版産業報国運動への一層の変質 電機連合指導部は、大会発言でも「補強」方針でも「組織強化」「組織力の向上」を声高に叫び、「組合員の共感を得る」組合運動なるものをことさら強調した。それは、雇用と生活を守る≠ヘずの労組指導部が、経営者の労務施策に協力し、組合員に犠牲を強要していることに「何のために組合はあるのか、フザケルナ!」という怒りの声が職場に広がっていることへの、それが組合の統制を突き破って会社への反発として吹きあがりかねないことへの、労働貴族としての自己保身的対応にほかならない。彼ら労働貴族は、組合員に企業の経営戦略・事業方針に従業員として従って自己研鑽に励み「付加価値増大」のために身を粉にして働くことを促したり、産業・企業発展のための「政策・制度要求」実現をめざして組織内候補を当選させる選挙運動に組合員を動員したりすることが困難になっていることに危機感を募らせ、その打開のためにこそ「組織強化」とか「組織力の向上」とかを強調しているのだ。現に、「組織強化」と称する「一人ひとりの下部組合員の声を聴く」という「職場ミーティング」の内実は、会社の施策や組織内議員の必要性を組合員に下達するものになり下がっているのだ。 このように労働貴族は、賃金闘争を完全に骨抜き化し投げ捨て、電機産業発展のために、キャリア転換≠ネる美名のもとに労働者に「スキル向上」を迫りつつ経営者が不必要≠ニみなした労働者を職場から放逐することに手を貸すとともに、「政策・制度要求」の実現をめざす「国政選挙活動」に埋没している。この彼らが主導する電機連合の労働運動は、まさに電機産業の発展をもって国家に報いる≠ニいうイデオロギーを根幹とした今日版産業報国運動≠ニいうべきものなのである。 われわれ戦闘的・革命的労働者は、今大会方針に貫かれている反労働者性を暴きだし、組合運動を左翼的につくり変えていくためのイデオロギー的=組織的闘いをさらにさらに強化しなければならない。ともにたたかわん。 |
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第59回国際反戦集会にメッセージを 寄せた12ヵ国の23組織・個人
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対中国の日米グローバル同盟強化反対の指針を提起 アフガンからのアメリカ軍国主義帝国敗走の意味 今年八月のイスラム武装勢力タリバンによるアフガニスタン・カーブルの制圧。これこそは、すでに露わになっていたソ連邦崩壊以後のアメリカ帝国主義の「一超」支配の瓦解を、まさに全世界に告げ知らせた。このアメリカ帝国主義の惨状をあざ笑い、公然と「米国の覇権凋落の弔鐘が鳴る」と勝ち誇っているのが習近平の中国である。 こうした現代世界のドラスティックな展開を鮮やかに剔出しているのが、巻頭の「カーブル陥落―アメリカ軍国主義帝国の敗走」(無署名)である。 新型コロナウイルスの感染爆発と医療崩壊を招き寄せ、人民を困窮地獄に突き落としてきた首相・菅義偉は、人民の怒りの炎に包囲されて政権を投げだした。この菅政権の犯罪は何か?「ポスト菅」をめぐって自民党政治エリートどもがくりひろげている政争は何を意味するのか?「全人民の力で自民党政権を打ち倒せ!」(無署名)は、この問いに全面的に応えるであろう。 ◆第五十九回国際反戦中央集会基調報告「<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破れ!」(戸塚洋士)を掲載した。こんにちでは、ICTや宇宙開発技術が発達し、AI・ビッグデータの利用が横行するもとで、米―中・露が相互に宇宙戦争=Aサイバー攻撃、SNSを用いての情報戦をくりひろげている。このゆえに、すでにアメリカと中国・ロシアとは、プレ戦争状態に突入していると言っても過言ではない、と同論文は明らかにしている。 「日米グローバル同盟を打ち砕け」(無署名)は、熾烈化する<米中冷戦>のもとで九月初旬に強行された英空母打撃部隊の横須賀米海軍基地などへの寄港こそは「アメリカ、日本、イギリスの帝国主義によるネオ三国同盟≠フ形成を世界に告知するもの」であると喝破する。そして、二〇二〇年代の反戦闘争の普遍的課題は<米中冷戦>のもとで高まる戦争勃発の危機を突破することであると明らかにし、革命的反戦闘争の断固たる前進を呼びかけている。 米中デカップリング下での日本帝国主義の生き残り策 いま半導体・AI・5G・量子技術、さらにはレアアースなどの軍民両面にまたがる高度技術および稀少物質をめぐって米・中間の覇権争奪は一気に熾烈化している。米・中が相互にサプライチェーンを分断し排除し合うという米・中デカップリング≠フ激化のもとで、いまや米・中両国が政治的・軍事的には対立しながらも経済的にはウィン・ウィン≠フ関係を維持する、という時代は過ぎ去った。これに直面した日本帝国主義はいかに生き残らんとしているか。この点について、「日本帝国主義の『経済安全保障戦略』」(深水新平)は、鮮明に明らかにしている。 ◆「医療崩壊を招いた菅政権の自宅療養強制」(小倉研一)は、首都圏で八万人にのぼる自宅療養者にたいして菅政権がおこなってきた反人民的所業と医療労働者の駆りたての犯罪性を徹底的に暴いている。「『オリ・パラ教育』という名の愛国心教育」(芙山梗丞)は、政府・文部科学省が学校現場にごり押ししてきた「オリンピック・パラリンピック学校観戦」の反動性を抉る。郵政大合理化攻撃のもとで労働者を生産性向上に駆りたてるJP労働貴族を弾劾する島津郷代論文・真中悟論文とともに、労働戦線における闘いの武器として是非検討されたい。 ◆マル学同革マル派署名の「全学連大会の成功にふまえ革命的学生運動の大前進を!」は、コロナ感染急拡大のもとで大学当局によってサークル施設の閉鎖措置がとられている状況下においても、反戦闘争、政経闘争さらには自治・サークル活動規制反対の大衆的闘いを創造してきた全学連の今春の闘い、その教訓をうちかため新たな前進を切り拓く烈々たる気迫にあふれている。 国際反戦集会にむけた実行委員会の海外むけ英文アピール、世界各地からの連帯メッセージの各国語原文を巻末に収録した。 今号を今秋の労学両戦線での闘いに大いに活用されんことを。 |
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