第2686号2021年9月20日)の内容

<1面>
英空母クイーン・エリザベスの横須賀寄港反対!
全学連 英大使館に緊急抗議 9・5
辺野古N2護岸着工弾劾!
労働者・市民が防衛局に抗議闘争 9・2嘉手納
「PFAS汚染水放出弾劾!」
米軍石平司令部に怒りの拳 9・2
<4面>
「DX、新冷戦、脱炭素」対応を政府に求める労働貴族
JCメタル「21年政策・制度要求」批判
<5面>
パラリンピック「学校観戦」の強行を弾劾しよう!
Topics パンデミックに乗じて中小企業淘汰策を貫徹する政府
<2面>
辺野古N2護岸工事強行弾劾!
新基地建設阻止闘争の高揚を!
新田原基地へのF35B配備反対!
自衛隊軽空母部隊の創設を許すな
<3面>
深刻な経済困窮下、反政府デモに揺らぐキューバ
◆「三人っ子政策」
<6面>
第59回国際反戦集会 海外からのメッセージE
共産主義的解放をめざす新左翼潮流(ギリシャ)/LALIT(モーリシャス)
 「解放」最新号






























  


英空母クイーン・エリザベスの横須賀寄港反対!

全学連 英大使館に緊急抗議


 
 「米・日・英による合同軍事演習を許すな!」
イギリス大使館前で奮闘する全学連の闘う学生
(9月5日、東京・千代田区)


 九月五日、全学連のたたかう学生たちは、英空母クイーン・エリザベスの横須賀寄港に反対し、イギリス大使館にたいする緊急抗議闘争に決起した。
 許しがたいことにこの前日の九月四日、英米日の権力者どもは、英空母クイーン・エリザベスを米海軍横須賀基地に入港させた。このことは、アメリカ、日本、イギリスの帝国主義によるネオ三国同盟≠フ形成を象徴する事態にほかならない。
 全学連の学生たちは、「反安保」を完全に放棄した日共系の反対運動をのりこえ、<日米グローバル同盟反対>の旗高く、この日の闘いに起ちあがった。
 午前十一時、全学連の学生たちは、イギリス大使館前に登場した。赤ハチマキとゼッケン姿の学生たちは、「英空母クイーン・エリザベスの横須賀寄港反対! 日米グローバル同盟粉砕!」と大書した横断幕と真紅の全学連旗をへんぽんと翻(ひるがえ)し、ただちに闘争を開始した。
 「英空母の横須賀寄港反対!」「米日英の軍事演習の強行を許さないぞ!」「対中国の威嚇的軍事行動反対!」たたかう学生たちの怒りのシュプレヒコールが大使館周辺に轟きわたる。
 全学連の学生たちは、イギリス大使館にたいして、さらに怒りの拳を叩きつけた。「日米グローバル同盟粉砕!」「米―中・露の核戦力強化競争反対!」「<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破るぞ!」
 こうして全学連の学生たちは、英空母クイーン・エリザベス横須賀寄港に反対する緊急抗議闘争を、「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえるかたちで、<日米グローバル同盟反対>の旗高く、戦闘的にたたかいぬいたのだ。
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辺野古N2護岸着工弾劾!

労働者・市民が防衛局に抗議闘争


 
 「辺野古N2護岸着工弾劾」沖縄防衛局前で闘う労働者・市民
(9・2、嘉手納)
 九月二日、嘉手納町の沖縄防衛局前において「すべての新基地建設の作業を中止せよ! 防衛局への抗議・要請行動」(ヘリ基地反対協議会の主催)が開催され、海上行動チームとたたかう労働者・市民たちは怒りに燃えて沖縄防衛局への抗議にたちあがった。
 アメリカのバイデン政権につき従う「属国」日本の菅政権は、八月二十七日に辺野古崎東側の大浦湾に砕石を投入し、新たにN2護岸建設工事を強行した。労働者・人民の抗議をふみにじり砕石を海に投入しつづけている。政府・防衛省は、この護岸を土砂の陸揚げ場所としてつかって、埋め立てのさらなる加速を狙っている。辺野古新基地を対中国の最前線出撃基地として一刻も早く建設しようと突進しているのだ。許せるか!
 怒りに燃えた県反戦の労働者たちは、この日の闘いの最先頭で「全基地撤去! 安保強化反対!」、「新基地建設反対! 対中国の戦争準備反対!」の幟をかかげ闘いの方向性をさし示し奮闘したのだ。
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9・2  「PFAS汚染水放出弾劾!」  米軍石平司令部に怒りの拳

琉大・沖国大生が労働者・人民の最先頭で奮闘


 
 「米軍基地を撤去するぞ」怒りに燃える沖縄人民
(9・2、米軍石平司令部前)
 九月二日に琉球大学と沖縄国際大学のたたかう学生たちは、「米軍のPFAS汚染水強行放出に抗議する緊急集会」(同実行委員会主催)に起ちあがった。PFAS(有機フッ素化合物)汚染水の放出を傲然と居直り、軍事事故を続発させつつ演習を激化させる米軍にたいして、沖縄の労働者・人民は怒りを爆発させている。琉大・沖国大のたたかう学生たちは、結集した一五〇名の労働者・人民の最先頭で、集会の戦闘的高揚のために奮闘した。
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「DX、新冷戦、脱炭素」への対応を政府に求める労働貴族

JCメタル「21年政策・制度要求」批判


 自動車総連、電機連合、基幹労連、JAM、全電線の五産別労組でつくる金属労協(JCメタル)の指導部は、四月に策定した「二〇二一年政策・制度要求」の実現にむけて政府省庁への要請活動を展開している。彼らは、政府が昨年十二月に閣議決定した「総合経済対策」を「グローバルな観点がまったく抜け落ちている」と批判しつつ、「DX〔デジタル・トランスフォーメーション〕、新冷戦、カーボンニュートラル〔温室効果ガス排出量の実質ゼロ〕」に対応する「野心的」な成長戦略を策定せよ、と政府に要求している。金属産業の各企業が進めている「デジタル化・脱炭素化・サプライチェーンの再編」にむけた事業構造の大再編を支援するために、巨額な国家資金の投入を政府に求めているのである。
 この「二〇二一年政策・制度要求」からは、これまで彼らが主張してきた「わが国経済を、個人消費がリードし、底支えする強固なものに転換していくためには、民間労使が賃金・労働諸条件の引き上げを行っていくことが何よりも重要だ」という文言が削られている。独占資本家どもから「百年に一度の危機がわかっていない」(トヨタ自動車社長・豊田章男)と恫喝されて縮みあがってきた彼らは、春闘をJCの統一したとりくみとするためにまがりなりにも継続してきた「JC共闘」を――春闘は「連合・金属共闘」としてとりくむという名において、産別・単組がそれぞれの産業・企業の業績などにふまえてとりくむべきものとして――解散≠ウせることをうちだした(昨年九月のJCメタル定期大会)。JCメタルとして賃上げ闘争を放棄することを資本家どもに誓約したのだ。そして今回の「政策・制度要求」では、「賃金・労働諸条件の引き上げ」についての要求をいっさい口にしなくなったのだ。いまや彼らは欲しがりません、大変革に勝ち抜くまでは≠ニ言わんばかりの心情に陥っているのである。
 しかも彼らは、今「政策・制度要求」において「従業員重視・ステークホルダー(利害関係者)重視」をかかげて、傘下組合員の意識を企業経営の「利害関係者」としての従業員意識へとつくりかえることを徹底しようとしている。もってJC労働貴族は、「大変革」に対応するための産業構造・事業構造の大再編に協力する産業報国運動に組合員をかりだそうとしているのだ。
 まさに「わが国が迅速な経済再生を図るため」と称して策定された今回の「政策・制度要求」は、いま金属産業の大手企業で吹き荒れている事業構造の再編と、それにともなう労働者への解雇・配転・転籍・出向の強要に、彼らが積極的に協力加担していくことを宣言したものにほかならない。われわれは、独占資本家どもの生き残りのためにより一層の犠牲を組合員である労働者に強要する労働貴族どもの新たな策動を絶対に許してはならない。

以下見出し

T 巨額な国家資金の投入による企業支援を要求

U 「利益構造の転換」に向け大リストラ促進の旗振り

V 「従業員重視・ステークホルダー重視経営」の反労働者性

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パラリンピック「学校観戦」の強行を弾劾しよう!


 菅政権と東京都ほか二県(千葉、埼玉)の自治体当局は、パラリンピック東京大会の「学校連携観戦プログラム(学校観戦)」を強行実施した。全国的な感染爆発と医療崩壊が進むさなかのこの観戦行事の実施は、子どもたちと教職員をコロナウイルス感染の危険にさらす暴挙にほかならない。学校観戦の強行を断固弾劾しようではないか!
 菅政権と連携する小池の都当局・教育委員会は、四区市(新宿区、渋谷区、杉並区、八王子市)において学校観戦を強行実施した。これらの区市では、二学期開始直後の学校と夏季休業中の学校が混在する業務の端境期にあたる八月二十八〜二十九日の土曜日曜に無理やり観戦を強行したことによって、教職員は夏季休暇返上ないし休日出勤、そして長時間の拘束を強いられたのだ。しかも千葉市の中学校で学校観戦を引率した教員のコロナ感染が判明するなど、感染クラスター発生の危険が高まっており、教職員たちは子どもたちを感染から守るために奔走させられ・疲労困憊させられたのである。だが政府、自治体当局、大会組織委員会などは「学校行事なのだから(感染や事故が発生した場合の)責任は校長や教員にある」などとして、全責任を学校現場に押しつけてパラ大会学校観戦を強行したのだ。
 東京都のたたかう教育労働者は、菅政権と自治体当局によるこの学校観戦強行を阻止するために、各教組執行部を突き上げつつ様ざまな取り組みをくりひろげた。こうして各区市町村に次々と「観戦中止」を表明させ、参加自治体を四自治体にまで激減させたのだ。そしてこの闘いの過程で教育労働者の団結を打ち固めてきたのである。

(以下、見出し)

学校観戦をゴリ押しした菅政権と小池都当局

学校現場や地域から「学校観戦を中止せよ」の声

学校現場への責任転嫁

教育労働者に休日の引率業務を強要した都教委

「共生・共助」教育の名による教育のネオ・ファシズム的再編を許すな!


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N2護岸建設工事の強行弾劾!

辺野古新基地建設阻止闘争の高揚をかちとろう


 菅政権・防衛省は、労働者・人民の抗議を傲然とふみにじり、八月二十七日に大浦湾側の海岸に砕石を投入し、新たにN2護岸を建設する工事に着手した。
 工事開始にあたって防衛相・岸は「普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現すべく辺野古移設に向けた工事を進める」とほざいた。ふざけるな! 対中国戦争の出撃拠点である最新鋭の海兵隊新基地の建設を断じて許してはならない。

大浦湾側への砕石投入を強行した政府・防衛省
 海底に超軟弱地盤が広範囲に存在している大浦湾側の埋め立て計画は、新基地建設阻止に起ちあがった労働者・学生・人民の闘いのゆえに、そしてこれにゆさぶられた沖縄県知事が防衛省の「設計変更」申請への認可を拒否していることのゆえに、完全に頓挫している。焦りにかられた政府・防衛省は、大浦湾側の工事をあくまで強行するという意志を示すと同時にその足がかりを構築するために、N2護岸建設工事に着手したのだ。(中略)
 政府・防衛省が強権的に工事を急いでいるのは、アメリカ・バイデン政権が中国主敵の米軍戦力の大再編を進めていることに応えるためなのである。バイデン政権は、アフガニスタンから敗走し、没落帝国主義のみじめな姿をさらしている。ヨレヨレになりながらも、東アジアを中国と対決する主戦場と位置づけ、中国が六年以内にも台湾に侵攻するであろう≠ニ予測して、最前線拠点である沖縄の米軍基地を強化することに血眼となっている。そうであるからこそ米・日両権力者は、米軍再編計画の重要環として、F35戦闘機やオスプレイが離発着できる滑走路、強襲揚陸艦が接岸できる岸壁、核兵器も貯蔵できる弾薬庫を備え、さらに日本国軍の水陸機動団が常駐することを織りこんだ米日共同使用≠フ対中国出撃拠点として辺野古新基地建設を急いでいるのだ。

<対中国グローバル同盟反対!>の旗高く闘おう

 われわれは、この重大なときに「有事の際には安保条約第五条で対応する」などと犯罪的な言辞を弄する日共指導部を弾劾し、辺野古新基地建設阻止の闘いを、<対中国グローバル同盟としての安保同盟の強化反対!>の旗幟を鮮明にしてたたかおう! <米中冷戦>のもとで高まる戦争勃発の危機を打ち破れ!

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新田原基地へのF35B配備反対!

自衛隊初の軽空母部隊の創設を許すな


南西諸島をにらむ新田原に空母艦載機の拠点を構築

 菅政権・防衛省は、アメリカから購入予定の最新鋭ステルス戦闘機F35Bを航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)に配備することを決定した(七月に地元に通告)。二〇二四年度に六機配備するのを皮切りに、最終的におよそ二十機で編成する一個飛行隊を配備する計画なのだ。菅政権は、「第一列島線」にあたる南西諸島をにらむ南九州の新田原基地を自衛隊で初めての空母艦載機部隊の出撃拠点にしようとしているのである。
 政府・防衛省は、新田原基地が配備先として最適と判断した理由に「海上自衛隊呉基地(広島県)の『かが』との連携が可能」だとか、「発着艦訓練のための馬毛島(鹿児島)に近い」ことだとかをあげている。彼らは、呉基地に配備している護衛艦「かが」(軽空母に改修中)にF35Bを搭載することを想定しているのだ。しかも米軍の空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)を移転する計画をたてている馬毛島を、この空自F35B部隊の訓練基地としても活用する計画なのである。まさしく、台湾海峡や東シナ海などでの対中国の作戦行動に呉基地の軽空母にF35Bを載せて出撃しやすいこと、日常的に(米軍と連携して)訓練ができることなどのゆえに菅政権は新田原基地を「最適地」と判断したのだ。
 政府・防衛省はいま、新田原基地にすでに配備しているF15戦闘機二個飛行隊にくわえて、新たに増員する一〇〇人以上の兵員を収容するための兵舎や機体整備施設などを建設し、基地を大増強しようとしているのである。

対中国の日本版軽空母部隊の創設

日米両軍が共同使用する一大出撃拠点

対中の日米共同作戦体制の強化反対!


 まさしく、日本の軽空母部隊の創出こそ米中激突下の東アジアの戦争勃発の危機をいよいよ高めるものにほかならない。
 われわれは怒りもあらたに、新田原へのF35B配備を阻止するのでなければならない。
 敵基地先制攻撃体制の構築反対!「いずも」「かが」の空母化反対! 一〇万人を投入する空前の規模での陸自大演習を阻止せよ! 中国の対抗的軍拡反対! 日共中央の「反安保」の放棄をのりこえ、「対中国の日米グローバル同盟反対」の旗幟鮮明にたたかおう!
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