第2669号(2021年5月24日)の内容

<1面>
今こそ末期の菅政権を労働者・
学生・人民の総力で打倒せよ!

5・12 デジタル庁関連法の制定阻止!
 全学連 採決強行に怒りの拳
<2面>
イスラエルのガザ軍事攻撃・
パレスチナ人民虐殺弾劾!

<3面>
国民投票法の改定阻止!
 自民党道連に怒り 5・6 札幌

米領事館・自民県連に抗議 4・30 福岡
■米軍嘉手納基地の再編強化
<4面>
泊原発の再稼働阻止!
寿都・神恵内の「文献調査」
 核廃棄物最終処分場建設許すな
<5面>
Topics 感染対策を放擲し「ワクチン加速」を号令する菅政権
「愛労連」メーデーに檄 5・1
「連合鹿児島」メーデーで情宣 4・29
<6面>
ピニェラ政権の弾圧に抗し闘うチリ人民
万華鏡2021――情勢の断層を読む
◆志位の本気≠フ中国批判
◆属国の宇宙作戦隊
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号






























  

今こそ末期の菅政権を労働者・学生・人民の総力で打倒せよ!

 
 全学連の闘う学生が菅政権による「デジタル庁関連法案」の参院採決強行を阻止するために国会前闘争に決起(5月12日)
 大阪を中心にして拡大してきた新型コロナウイルス感染の第四波は、三度目の緊急事態宣言のただなかで全国に拡がりつつある。政府や地方自治体当局が医療体制の拡充を怠ってきたがゆえに、多くの重症者が入院することもできず、放置されたまま死に追いやられる患者が日ごとに激増している。
 この事態を突きつけられても首相・菅とその政権は、「安全・安心な大会実現は可能」と強弁し、なにがなんでも「東京オリンピック開催」を強行しようとしている。そのために彼らは、北海道知事による緊急事態宣言指定の要請を頑なに拒否した(五月十三日)。だが、緊急事態宣言の対象地域に北海道を加えず六都府県(五月七日時点で拡大)以上に拡大しないという方針を「分科会」に諮った菅政権は、このかんことごとく警告をふみにじられて堪忍袋の緒が切れた専門家たちから猛烈な批判を浴びてその撤回を強いられ、一転して北海道・広島・岡山を対象に加えざるをえなくなった (十四日)。
 もはや対応不能に陥った彼らは、いま医療体制の緊急拡充をすべて地方自治体におしつけ、上から「ワクチン接種加速」の命令をがなりたてているだけなのだ。
 まさにこの政権は、政権延命のための「オリンピック開催」をすべてに優先することによって、現にいま感染爆発と医療崩壊を促進しているのである。そしてまた、「コロナ不況」の犠牲を転嫁されて困窮を強いられている労働者・人民にたいして、国家としての生活補償を拒否し、どこまでも「自助」と「自己責任」を強制しているのである。
 それだけではない。菅政権は、このパンデミックを利用し「コロナ禍で日本のデジタル化の遅れがはっきりした」と喚きながら、デジタル監視体制づくりのためのデジタル関連法を成立させた。そして、「感染対策の強化」を求める人民の声を逆手にとって「憲法に緊急事態条項が必要だ」と叫びたて、「憲法改正」を呼号している。そのためにこの政権はいま、国民投票法の改定を強行しようとしているのだ。<米・中激突>のもとで日米軍事同盟を対中攻守同盟として強化し、日本をアメリカとともに戦争をやれる国≠ヨと飛躍させるためにこそ、この政権は、憲法改悪とデジタル監視体制づくりに狂奔しているのだ。
 コロナ感染を拡大させ、人民を貧窮と病苦に突き落としている菅政権にたいして、いま労働者・人民の怒りが沸騰している。これに直面し追いつめられた菅政権は、まさにそれゆえにこそ、ネオ・ファシストとしての牙を剥きだしにして次々に反動攻撃をふりおろしているのだ。
 すべての労働者・学生諸君。みずからの「コロナ対策」の破綻を開き直り、凄まじい犠牲を労働者・人民に強制しつづけているこの末期の菅政権を、総選挙対策に埋没する日本共産党などの既成指導部の腐敗をのりこえ、いまこそ労働者・学生・人民の実力で打倒しようではないか。

コロナ感染第四波の拡大は菅政権の大罪だ!

 今回の緊急事態宣言中にも感染は大きく拡がった。
 世界で相次いで出現している変異ウイルスにたいする水際対策も、迅速な遺伝子検査も、政府がまともにおこなわなかったがゆえに、従来型に比べて感染力がはるかに強く重症化率も高いイギリス型の変異株が、またたくまに拡がった。それは、政府が強行した「聖火リレー」や「テスト大会」とともに各地に拡散し、いまや全国の感染の九〇%以上がイギリス型に置き換わった。〔いまインドで凄まじい感染爆発を惹きおこしているインド型の変異ウイルスも日本国内で次第に拡がりつつある。〕
 そもそも「変異株が増大しているので短期での抑え込みは不可能」という専門家の強い警告を蹴飛ばして、今回の緊急事態宣言を五月十一日までのわずか十七日間で終わらせようとしたのが、菅なのだ(五月十七日に予定されていたIOC会長バッハ来日に間に合わせるために)。
 大阪では、多くの重症者が、入院もホテル療養さえもできないで放置され、治療も受けられずに死に追いやられている。大阪の人口一〇〇万人当たりの死亡者数は、ついにインドを超えた!(入院が必要な患者が実際に入院できた比率は大阪ではわずか一〇%!)。それにつづいて全国各地で感染の拡がりにともなって病床が逼迫しはじめている。
 その発足いらい菅政権は、感染が収まらないなかで「GoToキャンペーン」を強行したり、大企業のビジネス優先で海外往来を大幅に緩和したり、「自粛」要請をしながら「聖火リレー」などのオリンピックのプレ・イベントだけは強行したりしてきた。そして、「日本は欧米に比べて感染率が桁違いに低いから焦らなくていい」などとほざきながら、医療・保健体制の拡充やワクチンの国内開発への支援をネグレクトしてきた。現在の新たな感染拡大と重症者・死亡者の激増こそは、この大企業優先・オリンピック第一≠フデタラメな「コロナ対策」をくりかえしてきた菅政権の大犯罪にほかならない。

以下、見出し

東京オリンピック開催を直ちに中止せよ!

政府の反人民的な医療政策を弾劾せよ!

困窮する人民の切り捨てを許すな

憲法改悪・デジタル監視体制づくりをうち砕け


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5・12 デジタル庁関連法の制定阻止! 

全学連 採決強行に怒りの拳


 
 五月十二日、全学連のたたかう学生たちは、菅政権によるデジタル庁関連法案の参院採決を阻止するために、国会前闘争に勇躍決起した。
 菅政権はこの日の参院本会議において、デジタル庁設置法・デジタル社会形成基本法をはじめとする「デジタル改革関連法案」を一挙に採決することを狙っていた。このときに日本共産党中央は、法案に基本的には賛成する立憲民主党との「共闘」にしがみつき、粛々と国会審議に応じるという犯罪的対応をとっていた。全学連のたたかう学生たちは、この日共中央の犯罪的対応を弾劾し、「デジタル改革関連法制定阻止」の闘いを<反ファシズム>の旗高く燃えあがらせたのだ。
 
  「菅日本型ネオ・ファシズム政権打倒」全学連が怒りの声(5月12日、国会前)  
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イスラエルのガザ軍事攻撃・パレスチナ人民虐殺弾劾!

 イスラエルの極右シオニスト・ネタニヤフ政権が、いまパレスチナ・ガザ地区に猛爆撃と砲撃を加え、ヨルダン川西岸地区においてデモに決起した人民に銃撃を加えている。このイスラエル権力者の暴挙を「イスラエルには自衛権がある」と称して擁護しているのがアメリカ・バイデン政権にほかならない。われわれは、バイデン政権の庇護のもとに強行されているイスラエルのガザ軍事攻撃・パレスチナ人民虐殺を、満腔の怒りを込めて弾劾する。
 「ハマス拠点への攻撃」の名においてイスラエル軍は、ミサイルや砲弾をガザ地区に雨あられと撃ちこんでいる。経済封鎖によって食糧・水・電気・医薬品などに事欠く状態を強いられている人民にたいして連日何十波もの爆撃を加え、多くの人民を虐殺しさっている(五月十七日現在でガザで死者二一二名)。この戦争犯罪行為を押し隠すためにイスラエル軍は、アルジャジーラなどの国際報道機関が入居しているビルにたいして「ハマスの拠点」と称してミサイル攻撃を加え破壊したのだ。
 ヨルダン川西岸地区においてもネタニヤフ政権は、イスラエル軍に、ガザ攻撃に抗議するデモにたいする発砲を命じ、五月十四日だけで十一人を虐殺した。この血に飢えたシオニスト権力者を、われわれは断固として弾劾する。
 イスラエルの軍事攻撃にたいしてパレスチナ人民は、各地で敢然と反撃にうってでている。ハマスはロケット弾による攻撃を続行している。イスラエル国内の諸都市においても、在住パレスチナ・ムスリム人民が次々に決起しているのだ。彼らは東エルサレムにおけるパレスチナ人の土地の強奪、そしてイスラームの第三の聖地たる「アルアクサ・モスク」を蹂躙する弾圧を強行した極右シオニスト・ネタニヤフ政権にたいして、宗教的・民族的な怒りを爆発させているのである。

アルアクサ・モスクを蹂躙したシオニスト政権

 シオニストの祝日≠スる「エルサレムの日」=五月十日(一九六七年にイスラエル軍が東エルサレムを占領した日)にむけてネタニヤフ政権は、東エルサレムに居住する数世帯のパレスチナ人に立ち退きを命ずる最高裁判決をくだそうとしていた。これに抗議するパレスチナ人民はエルサレム旧市街の「神殿の丘」(アルアクサ・モスクがある)に結集し、ラマダンの巡礼者七万人とともにイスラエル権力者に怒りを叩きつけた。五月七日からはイスラエル警官隊にたいする抗議デモを敢行し、何百人もの負傷者をだしながらも不屈にたたかいつづけた。
 この抗議闘争を弾圧するためにネタニヤフ政権は、アルアクサ・モスクの入り口を封鎖して入場を妨害した。これに抗して結集した巡礼者たちを叩きだすために、モスク内に催涙弾をぶちこんだ。エルサレムにおけるイスラーム最高の神殿を、イスラエルの治安部隊が土足で踏みにじったのである。
 パレスチナ人民が独立国家の首都たらしめようとしている東エルサレムをふくむ全エルサレムをイスラエルの支配下におくというシオニスト的野望にもとづいて、ネタニヤフ政権は一大攻撃にうってでたのである。

ネタニヤフ政権の蛮行を擁護するバイデン政権を許すな

 もとよりアメリカのトランプ前政権は、エルサレム全域のイスラエルによる支配とユダヤ人入植地のイスラエル領併合とをアメリカ国家として認め、その証しにアメリカ大使館をエルサレムに移設した。バイデン新政権もまた、口先ではイスラエルとパレスチナの「二国家共存」を再び語っているとしても、イスラエルによるエルサレム全域支配の容認を継承している。そして現に、ネタニヤフ政権のパレスチナ人民大虐殺を「イスラエルの自衛権」の名において正当化し、国連安保理決議をことごとく葬りさってネタニヤフ政権の暴虐を支えているのである。
 中国の香港・ウイグル人民弾圧にかんしては「自由と人権の守護者」づらをしながら、イスラエル権力者の蛮行については、これを公然と擁護するバイデン政権を断固として弾劾せよ。
 全世界の労働者・人民はいまこそイスラエルの軍事攻撃を阻止する闘いに起ちあがれ! パレスチナ独立国家樹立をめざしてたたかうパレスチナ人民そして反米・反シオニズムの闘いに起ちあがるムスリム人民と連帯してたたかおう!
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感染対策を放擲し「ワクチン加速」を号令する菅政権

自治体・医療労働者への犠牲強要を許すな!


 三回目の緊急事態宣言を延長した首相・菅は、「感染対策の決め手」と称して「ワクチン接種の加速化」を号令している。「一日百万回の接種」で「希望するすべての高齢者に二回接種を七月末までにおわらせる」と見得を切ったのが、支持率も低下しヨレヨレになっている菅である。
 この菅にたいして、労働者人民は、いっせいに憤怒と怨嗟の声をあげている。これまで八月以降も接種する計画をたて予約をとってきた市区町村当局は、いま予約とり直し≠フ業務に追いたてられようとしている。すでに受付けが始まっている高齢者のワクチン予約業務も、相次ぐシステム障害や電話回線のパンクにみまわれている。そのうえに予約変更業務も強いられる自治体労働者は、さらなる労働強化に苛まれるのだ。
 急増する新型コロナウイルス感染者や疑いのある人々の検査・治療・看護をしながらワクチン接種もおこなっている医療労働者らも、「過労死寸前だ!」「このうえ五輪に看護師など出せるか!」と叫んでいる。
 政権延命をかけて東京五輪を強行するために「ワクチンを早く打て」と号令している菅政権――この政権が感染対策をなおざりにして感染蔓延を加速させてきたのだ。「経済回復」を最優先して「GoToトラベル」を続行、首相・自民党議員・厚労省官僚らが多人数で会食三昧、スポンサー企業を先頭にして人を密集させての聖火リレーの強行……等々の悪行を見よ!
 そして、菅政権自身が、これまでワクチンを必要量調達できず、接種計画をズルズル遅らせてきたのではないか。少量ずつしか届かないワクチンを前に、地方自治体のワクチン担当部署の職員は、幾度も計画の練り直しを強いられてきた。四月までに都道府県に分けられたワクチンの量はあまりに少量。接種の直接の担当となる市区町村当局は、この少量のワクチンを、医療従事者枠・高齢者枠の人たちにどのような優先順位で接種するのかに苦慮した(クラスター発生率の高い高齢者施設からや、年齢の高い八十五歳以上からなど)。
 欧州で製造したファイザー社のワクチンを輸入しようとしていた日本政府は、自国のワクチン確保のために輸出制限にのりだしたEU諸国権力者たちとのワクチン争奪戦≠ノ敗北したのである。アメリカの属国≠ナある日本の政府権力者は、アメリカの企業に頼めば何とかなる≠ニ甘く考えていたのであろう。国内でのワクチン開発を支援することにもまったくのりださなかったのだ。
 このような愚策のゆえに、先行接種している医療従事者でも二回接種がおわった人は約三〇%にすぎず、多くの医療従事者が接種をうけないうちに高齢者の接種を担っている。高齢者の二回接種済みはまだ〇・一%にすぎない(五月十五日現在)。このワクチン遅れ≠フみずからの責任に頬被りしつつ、この遅れを取り戻すために人手が足りないなら「休んでいる看護師」や歯科医師にも接種させろ≠ニ息巻いているのが、反動菅政権なのだ。
 インフルエンザ・ワクチンなどに比しても新型コロナ・ワクチンの接種は手間ひまかかる≠フであり医療労働者に負担を強いるものである。
 現在使用されているファイザー社のワクチンは、マイナス七〇度前後の超低温保存や接種直前の粉末薬剤の溶解などの使用上の課題がある。特殊冷蔵庫の設置場所・運搬方法・接種会場の人員配置などを緻密に構想しなければ、薬剤を毀損したりムダにしたりすることになりかねない。さらに、インフルエンザ・ワクチンに比してアナフィラキシーの起こる割合がはるかに高いので(インフルエンザ・ワクチンの約十一倍)、副反応にそなえて事前の問診をきちんととることや、アナフィラキシー発生にそなえて点滴や高次病院への搬送など構想とシミュレーションと器具の準備などが不可欠である。(臨機応変な手当がむずかしい集団接種会場でも、副反応対策を緻密に練っておかねばならない。)また、このワクチンは筋肉注射用であるから、インフルエンザ・ワクチンなどの皮下注射に比して注射の担い手は熟練を要し、受け手はしっかり(肩が見えるほど)袖をまくった準備が必要となる。パカパカ打てばいいというものではない。
 だがさらに、菅政権は「一日一万回接種」の大型接種会場で自衛官を接種にあたらせることをも画策している。そして、このような自衛隊活用と軌を一にして、感染蔓延にたいする労働者人民の不安に乗じて「憲法には緊急事態条項が必要」「自衛隊の明記を」などと喧伝し改憲につき進もうとしているのが、ネオ・ファシスト菅なのだ。
 われわれは、いまこそ菅日本型ネオ・ファシズム政権の打倒をめざしてたたかうのでなければならない。
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5・6札幌   「国民投票法改定を阻止するぞ!」 闘う労学 自民党道連に怒り
 五月六日、全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生と反戦青年委員会のたたかう労働者は、この日の衆院憲法審査会で菅政権・自民党が策した国民投票法改定案採決を阻止するために、自民党道連にたいする緊急抗議闘争にたちあがった。
  「採決強行を許さないぞ!」「憲法改悪阻止!」自民党道連に怒りのシュプレヒコールをたたきつける(5月6日、札幌市)
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4・30福岡   対中攻守同盟反対の雄叫び  米領事館・自民党県連に抗議闘争
 四月三十日、福岡中央地区反戦青年委員会は、「対中攻守同盟の強化反対!」「憲法改悪阻止!」を掲げ、アメリカ領事館(福岡市中央区)と自民党福岡県連(福岡市博多区)にたいする怒りの抗議闘争に決起した。
 「日米仏合同軍事演習反対!」の怒りの拳(4月30日、福岡市・米領事館前)
 自民党福岡県連ビル前に登場し、国民投票法改定阻止・憲法改悪阻止の断固たる意志を突きつける(4月30日)
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