第2645号(2020年11月16日)の内容

<1面>
菅ネオ・ファシズム政権の極反動攻撃を粉砕せよ!
11・3 国会前
「改憲反対! 任命拒否を許すな!」
 労学市民三千が怒りの拳
<2面>
日本学術会議の戦争翼賛団体♂サ攻撃を打ち砕け!
<3面>
10・25労学統一行動が大高揚
 札幌名古屋
<4面>
Topics 賃金闘争を「政労使対話」にすりかえる「連合」指導部
規制改革デマゴーグ=八代尚宏
投稿 コロナ解雇の果てに……
<5面>
「自己二重化の精神活動」とは何か
<6面>
万華鏡2020――情勢の断層を読む
◆トランプの最後っ屁
◆新START1年延長?
◆燃える「微笑みの国」
◆極超音速兵器開発

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号








  

菅ネオ・ファシズム政権の


極反動攻撃を粉砕せよ!



軍国主義帝国の断末魔を露わにしたアメリカ大統領選
 
 「学術会議会員の任命拒否を許すな!」闘う学生が怒りの声(11月3日、国会前)
 十一月三日に投票がおこなわれたアメリカ大統領選は、民主党バイデンが過半数の二七〇人をこえる選挙人を確保し、七日夜(現地時間)にバイデンが地元デラウェア州での演説で「勝利宣言」を発した。これにたいしてトランプは「合法的な票では私が勝っている」と強弁し、「敗北」を認めることを頑なに拒否している。「投開票で不正があった」と主張し各州で訴訟をおこしているが、もはや最期のアガキでしかない。
 バイデンは、「勝利演説」において「赤い州も青い州もない」「私は団結の大統領になる」とおしだした。「国民の団結」をバイデンがくりかえさざるをえなかったことに、アメリカ社会の対立の深まりが如実にしめされているのだ。
 七一〇〇万ものアメリカ人民――前回大統領選での獲得票数を上回る――がトランプに投票した(バイデンは七五〇〇万票)ように、「アメリカ・ファースト」や「法と秩序」を叫び白人至上主義≠煽るトランプの扇動に、なおも多くの白人労働者たちがからめとられてしまっている。悲劇的なことに、労働者階級は独占資本家階級の暴虐にたいして団結してたたかうどころか、相互に対立させられているのだ。
 バイデンは選挙戦で、「コロナ対策」を最優先することを訴え、――サンダースなどの党内「左派」に突きあげられて――「オバマケア」の擁護などトランプによって傷つけられた社会福祉政策の充実や、同盟関係の再建をおしだした。これにたいしてトランプは、「バイデンは中国のまわし者だ」と罵倒するとともに、みずからの支持者を「〔人種差別反対の運動から〕法と秩序を守れ」と、黒人などマイノリティへの敵対に駆りたててきた。煽動されたトランプ支持者の自警団が自動小銃で武装し、バイデン陣営を威嚇したほどであった。
 投開票日にもトランプは、支持者に開票所に押しかけさせ、「郵便投票の開票をやめろ」などという示威行動をくりひろげさせた。これにたいしてバイデン・民主党も大衆的な動員で対抗し、いたるところで両陣営の睨みあいと衝突が引き起こされたのだ。
 新南北戦争≠ニかと称されたほどの激戦を僅差で制した民主党バイデンの大統領選「勝利」――これをもたらしたものは何か?
 まず何よりも、今春以来の新型コロナの感染拡大にたいして、独占資本を救済するために「経済の再開」を最優先したトランプの対応が世界最大の感染者・死者をうみだし、何千万人もの失業者をうみだしたこと、このことに、アメリカの労働者・人民が「反トランプ」の怒りを噴出させた。首を切られ収入を失うだけでなく健康保険から排除されているがゆえに病院にかかることもできない黒人労働者をはじめとする貧困層に、新型コロナ・パンデミックの犠牲が集中させられた。
 しかも、相次いで発生した黒人にたいする警察官による虐殺への抗議行動、これをトランプは「暴徒」と烙印し、「法と秩序」の名において警察力を強化し、白人労働者らを銃で武装しての「自衛行動」に駆りたてた。――これらに、黒人をはじめとする労働者・人民は怒りを沸騰させたのだ。新型コロナ感染拡大下の郵便投票の条件緩和のもとで、トランプへの怒りに燃えた彼らはかつてなく積極的に投票をおこなった。
 前回、トランプが勝利したミシガン・ウィスコンシン・ペンシルベニアのいわゆる「ラストベルト」において、今回は大接戦の末にバイデンが多数を制した。四年前には「アメリカに雇用を取り戻す」と叫ぶトランプに期待を託したこの地の白人労働者たちの多くが、みずからの貧困を放置してきたトランプに反発を強め離反したのだ。――まさにこれらの労働者・人民のトランプにたいする幻滅と怒りが、「反トランプ」=バイデン票の拡大として結果したのだ。
 だが、このラストベルトの白人労働者たちも、貧困の強制と人種差別への怒りを燃やしている黒人労働者たちも、バイデンを積極的に支持したわけではない。彼らはただ、貧困と感染拡大を強制するトランプを辞めさせるために、ただそのためにバイデンに票を投じたのだ。
 こうしたアメリカ労働者階級の悲劇的な現実は、AFL―CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)などの既成労働運動指導部が独占資本の手先になりはてていることに規定されて、労働者たちが労働者的意識を喪失してしまっていることによる。この既成労組指導部の抑圧に抗して、労働者階級の階級的組織化にむかって前進することが、アメリカ労働者階級に問われている。そのためには、労働者階級の真の前衛部隊の創造が急務なのだ。

日米新軍事同盟強化・憲法改悪への突進
 バイデンの当選確実の報を受けて、首相・菅はその当日にバイデンに「祝意」を伝え、来年一月の大統領就任後早々に訪米して首脳会談にのぞみ、日米同盟強化のために協力する意志を表明した。「同盟関係の修復」を叫ぶバイデンが日米新軍事同盟における日本の役割の拡大を迫ってくるのをみこして、唯一のアメリカの「属国」の宰相として忠誠を誓ったのだ。
 アメリカ帝国主義権力者は、対米挑戦を強化している中国を封じこめるために、米・日・豪の三角軍事同盟をうち固め、さらに「自由で開かれたインド太平洋」構想の名のもとにインドの抱きこみをもはかってきた。バイデンもまた、中国を主敵とし対中国の軍事包囲網を構築するという点において、前政権と基本的に変わることはない。このバイデン政権との合意にもとづいて菅政権は、アメリカの中国包囲網の核として日米新軍事同盟を飛躍的に強化しようとしているのだ。
 十月二十六日から十一月五日まで、北海道から沖縄まで日本全土と周辺海空域を舞台として、自衛隊三軍と米四軍とが総勢四万六〇〇〇人を動員しての大合同軍事演習=「キーン・ソード21」なるものを展開した。その初日には、米空軍のCV22オスプレイが、自衛隊の統合幕僚長・山崎と在日米軍司令官のシュナイダーを乗せて、海上自衛隊の軽空母「かが」に着艦するという儀式を演じた。米海兵隊と陸自水陸機動団(日本版海兵隊)とが「離島奪還」を名分とする敵地強襲上陸演習をくりひろげ、また両国軍が初めての宇宙状況監視訓練を強行するなど、きわめて実戦的な訓練を連日にわたって展開したのだ。さらに十一月三日〜六日には、インド沖ベンガル湾において、米・日・豪・印の合同海上演習「マラバール」が強行され、海自から護衛艦「おおなみ」などが参加した。
 菅は十一月四日の衆院予算委員会で、「迎撃能力以外に抑止力を強化する方策を現在検討している」と言い放った。中国や北朝鮮のミサイル基地を米軍とともに先制攻撃する体制の構築に踏みだすということだ。すでに彼らはそのために、長射程の巡航ミサイルやF35ステルス戦闘機の導入をおしすすめている。しかも菅政権は、中国や北朝鮮の軍事的動向を常時監視するための、米軍の「衛星コンステレーション」(低い軌道を周回する二〇〇個もの衛星群による地上監視システム)なるものへの参入を表明している。米・日両軍が一体化しての先制攻撃体制構築への突進は、中国や北朝鮮の対抗的な軍事力増強を呼び起こし、ここ東アジアにおける核戦争勃発の危機をいよいよ高めているのだ。
 軍事強国としての飛躍をたくらむ菅政権は、そのためにも「戦争放棄・戦力不保持」を定めた現行憲法第九条の破棄と「緊急事態条項」の新設とを軸とする憲法改悪の野望をいっそうたぎらせている。公明・維新に加えて、改憲論議に積極的に応じることを公然と表明した玉木・前原の国民民主党を抱きこみ、もって衆参両院の憲法審査会を早期に再開しようと画策している。菅政権は国民投票法の改定さらに憲法審査会における改憲案練りあげに突き進もうとしているのだ。

学術会議の翼賛団体化――<鉄の六角錐>の強化に狂奔
 
 「ファシズム反対」闘う学生が「総がかり大行動」で檄(11・3、国会前)
 菅政権はいま、日本学術会議会員の選別的任命拒否への労働者・人民のゴウゴウたる非難・抗議にたいして傲然と開き直り、学術会議をネオ・ファシズム政権の意に沿って御用研究・提言を担う翼賛団体へと改編するために狂奔している。
 十月下旬からの衆参両院の本会議代表質問および予算委員会質疑において菅は、「任命拒否」の理由を質す野党議員の追及にたいして、「任命権者は私だ」「憲法第十五条にもとづく」「人事のことなので詳細については言わない」とくりかえし開き直った。そのうえで「学術会議の構成に偏りがある」などと叫び、その「見直し」なるものをがなりたてたのだ。
 まさに菅政権は、軍事研究に反対する見解を表明したり、戦争法などの反動立法に反対する運動を担う学者を多数擁している現在の学術会議から政府の戦争政策に反対する学者をパージし、もって軍学共同研究を推進する団体へと改編する攻撃に突進している。菅は、公安警察出身の官房副長官・杉田に学術会議が提出した名簿からとりわけ政府に反対する言動をとってきた学者を選別させ、彼らを新会員から排除した。これを号砲として菅政権は、学術会議の改編=翼賛団体化にむけて突進しているのだ。
 自民党は政調会長の下村を座長としてプロジェクトチームをたちあげ、「学術会議改革」のための術策を練りあげている。行革担当相の河野は、学術会議は「例外なく行政改革の対象だ」と宣言した。自民党議員連中や右翼分子は、「軍事研究を禁止する学術会議こそ『学問の自由』を侵害している」と叫び、学術会議への憎悪とその改編の必要性を煽っているのだ。
 菅政権はマスコミの統制にものりだしている。菅は、共同通信の論説副委員長であった柿崎を首相補佐官に抜擢しマスコミ対策にあたらせるとともに、各紙の政治部記者を抱きこむために選別的に「会食」に招いたりしている。「放送法改定」をちらつかせ、NHKや民放への報道統制をいちだんと強化している。ネオ・ファシズム支配体制の柱として、<鉄の六角錐(政・官・財・労・学・マスコミ)>をいっそう強固にうち固めようとしているのだ。
 さらに菅政権は「行政のデジタル化」を叫び、これを推進する「司令塔」として、「デジタル庁」なるものをNSC(国家安全保障会議)直轄の組織として創設しようとしている。行革担当の河野とデジタル改革担当の平井とを旗ふり役として、健康保険証のマイナンバーカードへのリンク(来年三月施行)につづいて、運転免許証をリンクさせるために関係省庁にトップダウンで指示を下ろしている。それは、労働者・人民のあらゆる個人情報を、NSCを頭とする国家権力が一元的に掌握し、国民総監視・総管理体制を飛躍的に強化することを意味する。日米新軍事同盟を強化し日本を「戦争をやれる国」に飛躍させようとする菅政権は、それにふさわしい「国家総動員体制」をうち固めるために驀進しているのだ。

中小企業の淘汰と社会保障の切り捨て
 菅は「行政のデジタル化」とともに「産業のデジタル化」を叫んでいる。国際競争力強化のために米・中・韓などの諸独占体・諸企業にたち後れた「デジタル化」の推進に狂奔している独占資本家どもに、全面的な支援を与えるものだ。
 独占資本家どもはいま、AIやビッグデータ解析などのいわゆる「デジタル技術」を開発し活用して、革新的な製品・サービスを創造してあらたな産業分野を起こそうとしている。また彼らは、生産過程・業務過程・流通機構にAIなどのデジタル技術諸形態を導入し生産性向上をはかることに躍起となっている。まさにそれは、大量の労働者を職場から放逐するとともに、残った労働者には耐えがたい労働強化を強いるものだ。この独占資本家どもの要求に応えて菅政権は、彼らに規制緩和や優遇税制、官民プロジェクト創出などありとあらゆる支援を施しているのだ。
 菅政権は、あらたに「成長戦略会議」なるものを創設した。その委員として菅が登用したのが、それぞれに生産性の低い中小企業はコロナ不況下にあっても支援するな=つぶせ≠ニ喚いている竹中平蔵およびデービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長)である。菅はこうした連中をブレーンとして活用して、日本の企業の九九・七%をしめる中小企業を容赦なく選別・淘汰しようとしている。それは、数多の労働者を路頭に放りだし、彼らにみずからの力で諸企業から求められる技術・技能を身につけ、あらたな場で生産性向上のために尽力することを強いるものなのだ。
 「自助・共助」を叫びたてている菅政権は、社会保障のさらなる削減・切り捨てに躍起となっている。来年度予算編成において彼らは、高齢者の医療費窓口負担の増額にいよいよ踏みきろうとしている。公的年金や生活保護費の引き下げも虎視眈々と狙っている。
 新型コロナ感染者がふたたびみたび激増し、多くの中小企業が倒産の危機にあるこのときに、菅政権は雇用調整助成金の特例措置の縮小と早期終結をたくらんでいる。まさにそれは中小企業の淘汰を促進し、大量の労働者を寒風のなかに投げだすものだ。菅政権の悪逆な攻撃を絶対に許すな!

<反安保>も<反ファシズム>も放棄する日共中央をのりこえて闘おう!
 労働者階級・人民に戦争と貧窮と強権政治を強制する菅政権の極反動攻撃と対決することが問われているいまこのときに、反対運動の既成指導部とりわけ日共の不破=志位指導部は、およそ腐敗しきった対応に陥没している。
 十一月上旬の衆参両院予算委員会で質問にたった志位および小池は、学術会議会員の任命拒否問題の追及において、もっぱら学術会議法を基準として菅による任命拒否の「違法性」を明らかにすることに終始した。だが、菅政権が「日本の主権と安全が中国や北朝鮮に脅かされている」と煽りたて、学者・知識人を軍事研究に協力させ動員していこうとしているときに、ただ現行学術会議法の条文を盾にして「学術会議の独立性を守れ」と菅政権に要請するなどというのは、あまりに無力ではないか。菅政権の任命拒否に怒り危機感をもって起ちあがりつつある労働者・人民にたいして、ネオ・ファシズム的反動化を打ち砕く闘いへの決起を、さらには反戦反安保闘争への決起を呼びかけることなくして、菅の極反動攻撃を阻止する主体的力を創造することはできないのだ。
 そればかりではない。「次の総選挙で野党連合政権を樹立する」という方針をぶちあげた彼らは、立憲民主党と「政権合意・政策合意」をとり結ぶことをいっさいに優先して、基本政策の超右翼的緻密化に腐心している。その最たるものが、「連合政権の政策」としては「日本有事には安保条約第五条で対応する〔=米軍の出動を要請する〕」ことをおしだしていることだ。こうした「日米共同作戦」を肯定する言動は、政府の国防イデオロギーの鼓吹にさらされている労働者・人民を、反戦・反安保の闘いの担い手へと変革し組織することを阻害する以外のなにものでもない。
 すべてのたたかう労働者・学生諸君! 菅政権の極反動攻撃を打ち砕く闘いを断固として創造しよう。菅政権による先制攻撃体制の構築反対! 日米新軍事同盟の強化反対! 憲法改悪阻止! 学術会議会員の任命拒否を許すな! NSC専制の強権的=軍事的支配体制の強化反対! 社会保障切り捨て・貧窮人民見殺しを許すな! <反安保>も<反ファシズム>も放棄する日共をのりこえてたたかおう! 極反動菅政権の打倒めざしてたたかおう!
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11・3
 国会前
 
 「改憲反対! 任命拒否を許すな!」

 労学市民三千が怒りの拳

 菅政権が、日本学術会議会員の任命拒否をはじめとして、一気に反動的な攻撃にうってでている。この菅政権にたいして、労働者・学生・市民三〇〇〇名が「11・3大行動」(総がかり行動実行委員会主催)に結集し、怒りの声をあげた。わが革命的左翼は、「連合」指導部の闘争抑圧や日共中央の腐敗をつき破り、この集会を戦闘的に高揚させるために奮闘した。

「総がかり大行動」にわが同盟が革命的檄

 集会開始予定の午後一時半をめざして、多くの労働組合員や市民団体が国会前に結集しはじめた。革命的・戦闘的労働者たちは、「安保・自衛隊堅持」を掲げる「連合」指導部の抑圧や、労組を「野党共闘」の尻押し部隊にしようとする「全労連」指導部の闘争歪曲に抗して、組合の仲間とともに結集した。
 わが同盟情宣隊は、結集する労働者・市民たちに革命的な檄を飛ばすべく、十二時半まえから、永田町駅、国会議事堂前駅の各出入り口と国会正門下の三ヵ所において、「今こそ<反戦・反ファシズム>の闘いに起て!」と赤く大書したビラを配布した。
 「菅政権のファシズム的攻撃を打ち破りましょう!」情宣隊は力強く声をかけて、参加者に次々とビラを手渡す。「頑張れ」とこたえる労働者、「菅語録」というコラム欄を見て共感を示す女性労働者。続々と結集する労働組合員や市民、学生に、わが同盟の熱烈な訴えが響く。
 日本学術会議会員の任命拒否=NSC専制支配体制を支える<鉄の六角錐>の強化を許すな! 敵基地先制攻撃体制の構築を阻止せよ! 憲法改悪阻止! 「自助・共助」をふりかざして貧窮する労働者・人民を切り捨てる策動を打ち砕け!
 国会前に結集したすべての労働者・市民にたいして、わが同盟は、菅政権の反動諸攻撃を粉砕するために団結してたたかおう、とよびかけたのである。

反戦反ファシズムの旗高く首都圏の学生が奮闘

 十二時四十五分ごろ、早稲田大学などの首都圏各大学のたたかう学生たちが国会正門前に陣どった。学生たちは、「憲法改悪絶対阻止! 先制攻撃体制の構築反対! 学術会議会員の任命拒否を許すな!」と大書された横断幕と、「菅政権打倒をめざしてたたかおう!」などのスローガンや各大学の名が記された幟旗を林立させ、独自集会を開始した。
 たたかう学生たちが菅政権への怒りに燃えて、国会に向けて拳をふりあげた。「憲法九条の改悪を阻止するぞ!」「学界への統制を許さないぞ!」「ファシズム反対!」「敵基地攻撃体制の構築阻止!」
 学生たちの戦闘的シュプレヒコールが響きわたり、国会前はたたかう熱気に包まれた。学生たちの勇姿に鼓舞された労働者・市民たちがともに拳をふりあげ声をあげながら、続々と国会周辺に結集してくる。たたかう学生がマイクを握り、熱烈によびかけた。
 「菅政権は、年内にも敵基地先制攻撃体制の構築を柱とする新たな軍事政策を策定するとともに、『戦争放棄・戦力不保持』をうたった憲法第九条を破棄する改憲条文案の策定に一挙に突きすすもうとしている。そして、戦争翼賛学界≠つくりだすために日本学術会議そのものの『改革』に強権的にのりだしているのだ。これら菅政権によるネオ・ファシズム的な総攻撃を労働者・学生の団結した力で打ち砕こう! <反戦・反ファシズム>の旗幟を鮮明にして、菅政権にたいする断固たる闘いを巻きおこそう!」
 たたかう学生たちは、菅政権のネオ・ファシズム的本性を満天下に暴露しつつ、「学問の自由を守れ」と菅政権に要請するにすぎない日共中央をのりこえてたたかう方向性をさししめしながら奮闘したのだ。
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日本学術会議の戦争翼賛団体♂サ攻撃を打ち砕け!

 日本学術会議新会員の選別的任命拒否にたいして澎湃(ほうはい)と巻きおこっている労働者・学生・学者・知識人の怒りの声にもかかわらず、あくまでも首相・菅は、「出身や大学に偏りが見られる」だの「選出方法が閉鎖的で既得権のようになっている」だのという御託をならべたて、これを居直りつづけている。
 すべての労働者・学生・知識人諸君! まさにいま菅政権がしかけているネオ・ファシズム的反動総攻撃を断固として打ち砕くために全国・全戦線から闘いに起ちあがろうではないか!

国策に同調しない学者を選別的に排除

 十一月四日の国会質疑において首相・菅は、学術会議会員の任命にさいして「官房長官のころからもっていた懸念」や「任命の考え方」を首相就任の直後に内閣府に伝え、そのうえで六人を除外した決裁文書の内容にかんする報告を官房副長官・杉田から受けたなどと答弁した。この言辞からしても、首相・菅が公安警察官僚出身の杉田に命じて学術会議会員に推薦された学者の経歴・人脈・思想などをすべて調査したうえで、六人を見せしめ的にパージするという挙にうってでたことは明らかだ。
 これぞ、第二次世界大戦前・戦中において、<軍国日本>=天皇制ボナパルチズム権力が特高警察を総動員して強行した労働者・人民・大学・研究機関・マスコミにたいする言論統制・思想弾圧と瓜二つではないか。菅いうところの「任命の考え方」なるものは、――安保法制という名の侵略戦争法や共謀罪法・特定秘密保護法、さらには辺野古新基地建設をはじめとする軍事基地強化など――国策に同調しない学者・研究者すべてを学術会議から選別的に排除せよ、ということにほかならない。
 ネオ・ファシスト菅を頭とするこの政権の学術会議会員の任命拒否を徹底的に弾劾せよ!「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」という創設理念を継承することを表明(二〇一七年)した日本学術会議から、国家の戦争政策に異を唱える会員をパージし、もって学術会議を頂点とする学界にたいするファシズム的な統制を一挙に強化する攻撃にうってでているのがこの政権だ。
 見よ! 菅の意を体した自民党議員どもが「学術会議は軍事目的の研究はおこなわないとしているが、防衛や安全保障でもっと時代にあった組織であるべき」(元防衛相・中谷)だの「最先端技術は軍民のデュアルユース(両用)だという認識をもつべきだ」(元拉致問題担当相・山谷)だのと噴きあげている。しかも、元経済財政相・甘利をはじめとする自民党議員や極右分子が、「千人計画(世界の科学者を中国の研究機関に招聘(しょうへい)する計画)に学術会議が積極的に協力している」などというデマをインターネットにたれ流し、同会議に所属する学者・研究者に中国のスパイ≠ネどという烙印を押しているではないか。
 菅政権が一挙におしすすめている日本学術会議の解体的再編こそは、まさしく戦争翼賛学界≠創出することをこそ核心としているのだ。

<鉄の六角錐>を柱とする日本型ネオ・ファシズム体制の強化

 菅政権がネオ・ファシズム的な統制を強化しているのは、学界だけではない。あらゆる国家行政機関をNSC(国家安全保障会議)・内閣官房のもとに組み敷き意のままに操るために、公安警察機構=国家暴力装置と密接に通じている杉田を内閣人事局長にすえ、各省庁幹部官僚の身辺調査・更迭などをちらつかせるかたちで露骨な恫喝を加えているのだ。
 蛇のごとき冷酷な視線で「人事こそ最大の武器」と語る菅。この男は、かつて総務相時代に、NHK改革に異論を唱えた官僚を「政策に反対したから」という理由をもって更迭したり、ふるさと納税制度に反対した総務省幹部を主要ポストから排除したりしてきたという経歴≠国会において平然と披瀝してみせている。
 「(政治家は)愛されるよりも恐れられていたほうがはるかに安全である」(『君主論』)というマキャベリの言を座右の銘としている首相・菅は、いまや政府・国家権力に異を唱えるものは国家暴力装置をも総動員して徹底的に壊滅し一掃しつくすことに狂奔している。「やるべきことを説明して(反対意見も)二回まで聞くが、三回目は自分の判断をさせてもらう」(十一月四日の国会答弁)と公言し、NSC専制体制の強化に突進する首相・菅。ここにこそ、菅のネオ・ファシストとしての本性が如実に示されているではないか。
 しかも、菅政権は、NHKや民放などのマスコミをも、政府の翼賛・宣伝機関≠スらしめるために、マスコミ界の内情に通じている共同通信の元論説副委員長・柿崎を首相補佐官として抱きこんだ。そして、「放送法改正」をちらつかせ、「停波」などの行政処分によってマスコミ・報道機関を脅しつけるとともに、「グループ・インタビュー」と称してマスコミに政府公認≠フ情報のみを一方的にたれ流させることを強制しているのが菅政権だ。これぞ、今日版の「大本営発表」!
 まさにこれらの事態こそは、菅政権が政界・財界・官界および労働界にくわえて学界・マスコミ界からなる<鉄の六角錐>を柱として日本型ネオ・ファシズム支配体制を飛躍的に強化しつつあることを意味するのだ。
 菅政権がいま、一挙に学術研究・言論・報道へのネオ・ファシズム的統制を強化しているのは、東アジアを焦点とした現下の米・中激突のもとで、日米安保同盟の鎖に繋がれたアメリカの「属国」として、対中国・対北朝鮮の先制攻撃体制の構築と第九条破棄・「緊急事態条項」新設を核心とする憲法改悪に突き進もうとしているからなのである。アメリカとともに戦争をやれる軍事強国へと飛躍するために、それにふさわしい今日版国家総動員体制を構築することに血道をあげている菅日本型ネオ・ファシズム政権のウルトラ反動攻撃を断固として打ち砕け!
 すべての労働者・学生・知識人諸君! 菅政権による学術研究・言論・報道にたいするネオ・ファシズム的統制の強化を許すな! NSC専制の強権的=軍事的支配体制の強化反対! 憲法改悪阻止! 敵基地先制攻撃の軍事体制構築を阻止せよ! <反戦反安保・反ファシズム>の旗高く、菅日本型ネオ・ファシズム政権の打倒をめざしてたたかおう!
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 10・25労学統一行動が大高揚 
 
 
  
「先制攻撃体制の構築阻止!」

自民党道連に怒りの拳

10・25全道労学統一行動

  十月二十五日、全学連北海道地方共闘会議と反戦青年委員会は、菅政権による先制攻撃体制の構築と憲法改悪の一大攻撃を打ち砕く決意に燃えて、全道労学統一行動に勇躍決起した。

札幌市街を戦闘的デモ

 「安保粉砕!」「改憲阻止!」午後二時頃、たたかう労働者・学生は、札幌市の大通公園西七丁目広場から市街に向けて、怒りのデモにうってでた。「敵基地攻撃体制の構築阻止! 憲法改悪阻止! 安保粉砕! 日本型ネオ・ファシズム支配体制強化反対!」と大書された横断幕を先頭に、色とりどりののぼりやプラカードを林立させた白ヘル部隊が、大通公園の赤や黄色や橙に彩られた木々に沿って力強く東進する。
 「日米新軍事同盟の強化反対!」「学術会議の任命拒否弾劾!」「高レベル核廃棄物処分場建設阻止!」「米―中・露の核戦力強化競争反対!」力強いシュプレヒコールが札幌市街に響きわたる。たたかう労学の勇姿を目の当たりにして、道行く市民やバスの中の観光客らがくいいるようにデモ隊を見ている。沿道にいた男女がシュプレヒコールに拳をあげて呼応する。札幌の中心街がまたたくまに戦闘的雰囲気に包まれた。
 駅前通りを北上し西に左折すると、自民党道連の本部が入るビルが見えてきた。「ファシスト的強権をもって反動攻撃を振りおろす菅政権にたいし、満腔の怒りを叩きつけよう!」たたかう学生がメガホンで熱烈に呼びかける。「先制攻撃体制の構築阻止!」「憲法改悪阻止!」「反ファシズム統一戦線を構築するぞ!」「菅政権打倒をめざしてたたかうぞ!」
 たたかう労学は自民党道連に幾重にもシュプレヒコールを叩きつけた。こうして、全道の労学は、札幌市街を席巻する戦闘的デモンストレーションを断固として貫徹したのだ。
菅政権による「学術会議会員の任命拒否弾劾!」を掲げ紅葉する大通を進撃する北海道の労学
(10月25日、札幌市)
  旧道庁赤れんが前をデモ行進する労学
(10月25日、札幌市)
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「菅政権の反動攻撃を打ち砕け!」

名古屋市街に反戦反安保の炎

10・25全東海労学統一行動


 十月二十五日、名古屋地区反戦と全学連東海地方共闘会議のたたかう労働者と学生は、ウルトラ反動攻撃をふりおろす菅政権にたいする怒りに燃えて、全東海労学統一行動を断固として勝ちとった。

全学連・反戦旗はためかせ白ヘル部隊が進撃

 午後二時二十分、若宮大通公園ミニ・スポーツ広場において決起集会をかちとった労学は名古屋市中心街の栄にデモンストレーションにうって出た。深紅の全学連旗と名古屋地区反戦の旗が秋風にはためき、力強いシュプレヒコールが一帯に響きわたる。「菅政権による困窮人民の切り捨てを許さないぞ!」「敵基地先制攻撃体制の構築反対!」沿道の労働者・市民が足を止めデモ隊に注目する。「菅政権の学術会議会員任命拒否弾劾!」「『自助』を叫ぶ菅政権の人民見殺しを許すな!」「憲法改悪阻止!」たたかう労学が手にしたのぼり旗やプラカードを共感のまなざしでのぞき込む。年配の市民が「デモ隊がんばれ」と拳を突きあげる。東海の労学はデモを戦闘的にたたかいぬいた。
「先制攻撃体制の構築阻止・改憲阻止」の声を轟かせる東海のたたかう労学
(10月25日、名古屋市)
  総決起集会で決意をうち固める労学
(10月25日、名古屋市)
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