第2637号(2020年9月21日)の内容
<1面>
菅新政権の反動攻撃を打ち砕け
敵基地攻撃体制の構築反対!
今こそ反戦反ファシズムの炎を!
対国会・首相官邸闘争に起て!
全学連第90回大会に結集せよ
<3面>
「維新」による「大阪都構想」=「新大阪府」づくりを許すな
Topics ――合流新党≠テくり――
「連合」分断企む右派労働貴族
<4面>
対中国最前線拠点としての在沖米軍基地強化を許すな
<2面>
神戸大・奈良女大生が奮闘
「老朽原発再稼働反対」集会 9・6 大阪
▼「機能する日米同盟」
<5面>
<学習ノート>
マルクス「学問的方法」についての黒田さんの追求に学ぶ
<6面>
第58回国際反戦集会 海外からのメッセージ E
ロシア共産主義者党
革命的労働者党(DIP)トルコ
「解放」最新号
菅新政権の反動攻撃を打ち砕け 敵基地攻撃体制の構築反対! 今こそ反戦反ファシズムの炎を! 九月十四日の自民党総裁選挙・十六日の国会での首相指名選挙をつうじて、菅政権が誕生しようとしている。安倍ネオ・ファシスト政権の官房長官を務めた菅を首班とするこの新政権は、これまでにもまして強権的=軍事的支配体制を一段と強化しようとするにちがいない。 このときに際して、わが同盟は、すべての労働者・学生・人民に呼びかける。菅新政権がふりおろす一切の反動諸攻撃をうち砕くために、いまただちに労学両戦線から総決起せよ! (1) この政権は、安倍の惨めなノックダウンを前に周章狼狽した自民党幹事長・二階らに担ぎあげられてつくりだされた。 菅は、安倍前政権の官房長官として、七年八ヵ月にわたって前首相・安倍とともにネオ・ファシズム反動攻撃のかぎりをつくしてきた張本人にほかならない。巨万の労働者・学生の反対闘争を踏みにじって強行した特定秘密保護法、「安保基本法」=侵略戦争法の制定。沖縄の労働者・学生の反基地闘争にたいする強権的弾圧をふりおろしながら強行してきた辺野古新基地建設。そして、資本家階級に莫大な富をもたらした「アベノミクス」の推進。労働者階級・人民を「非正規雇用」をはじめとする雇用形態に突き落とし、耐え難い貧窮を強いてきた労働諸法制の改悪。さらには、森友、加計、桜、IRなどの数々の安倍にまつわる疑獄とそのもみ消しのための公文書改ざんをはじめとする数々の犯罪……。まさにそれらは、傲岸と専横を極めてきた安倍を頭とするNSC専制体制の巨悪にほかならない。こうした安倍を頭とする政権の数多の反人民的な所業をことごとく官房長官として実質的に主導してきたのが、菅なのだ。 たたかう労働者・学生は、菅日本型ネオ・ファシズム政権にたいする断固たる闘いを巻きおこせ! (2) 首相であった安倍晋三は、NSC専制体制にもとづいて極反動攻撃を重ねた挙げ句の果てに、労働者・人民の怒りに包囲されて顔面蒼白となり、またもや政権を不様に投げだした。新型コロナ・パンデミックのもとで、デタラメなコロナ対策と独占ブルジョア救済のための「緊急経済対策」とによって、労働者・人民を困窮のどん底に突き落としてきたのが安倍であった。この安倍の政権にたいする労働者・人民の積もりに積もった怒りの爆発に追いつめられ、安倍晋三は、完全にノックダウンにたたきこまれたのだ。「潰瘍性大腸炎がひどくなったため」などというのは、それを押し隠すための口実にすぎない。 「政権投げだし」に安倍が追いこまれたのは、安倍政権が労働者・人民の怒りで包囲されたからにほかならない(支持率の急降下に示されるように)。そして、こうした労働者・人民の「安倍長期政権」への怒りをつくりだしてきたのは、コロナ対策・経済対策の反人民性を満天下に暴きだしたわが『解放』による「紙の弾丸」のぶち込みと、七年八ヵ月にわたってつねに<反戦・反ファシズム>の闘いの先頭にたってきた全学連の闘いなのだ。 まさにこうした労働者・人民の怒りが自民党政権そのものへの怒りに高まったことに恐怖したがゆえに、自民党幹事長・二階を筆頭とする各派閥(二階派・細田派・麻生派・竹下派など)の領袖は、安倍前政権の中枢にいた菅を「ショート・リリーフ」の首相として担ぎあげ、自民党政権の延命のために狂奔しているのだ。われわれは、すべての労働者・学生・人民に、政治的な危機の乗り切りをかけた自民党政府・権力者どもの一切の策動を粉砕する闘いに起ちあがることを呼びかける。 (3) 菅こそは、反動政権をその中枢で取り仕切ってきたネオ・ファシストであって、この政権が日本型ネオ・ファシズム支配体制を一段と強化することは火を見るよりも明らかではないか。 「自助・共助・公助」などというのは、ファシズム的な滅私奉公の精神そのものなのだ。それは「国家に助けてもらうのではなく、まずは自分でやるべき」などという菅の言辞にむきだしになっているではないか。安倍前政権による独占資本救済のための「緊急経済対策」の実施によって、そしてまた資本家どもの解雇攻撃・賃下げ攻撃によって、数多の労働者・勤労人民が困窮のどん底に突き落とされている。年末にかけて、労働者の貧窮はいっそうすさまじくなる。このときに「自助」をがなりたてることは、菅政権が「コロナのもとで、貧しき民は国家を頼らずのたれ死ね」というネオ・ファシストの棄民政策をとることの公然たる宣言にほかならない。 菅は、消費税のさらなる大増税という大衆収奪を一挙的に強化する企みをもむきだしにした。この輩の唱える「デジタル庁」創設、それは人民監視体制強化と独占資本の意を体した「経済のデジタル化」のための反動攻撃なのだ。もはや明らかではないか。菅政権を打倒することは、日本労働者・人民の任務なのだ。 われわれは<パンデミック恐慌>下で労働者・人民に犠牲を強制する菅政権の一切の攻撃を粉砕するために、政治経済闘争の大爆発をかちとろうではないか! さらに首相・菅は、一朝事あれば、米軍とともに日本国軍が敵国とみなした国家(北朝鮮や中国)の「基地」に先制攻撃をおこなう軍事システムの構築にも突進しようとしている。そのために菅政権は、「自分の国は自分で守るように米国製の兵器を買え」と迫るアメリカのトランプ政権の要求にこたえて、労働者・人民から搾りとった血税を湯水のように注ぎこんで米国製兵器のさらなる爆買いに踏みだそうとしているのだ。 菅政権は、アメリカと中国との戦火がいつ噴きあがってもおかしくないような<米中冷戦>のもとで、対中攻守同盟たる日米新軍事同盟を飛躍的に強化しようとしている。まさにそれは、「安保の鎖」で締めあげられた「属国」として、アメリカのトランプと心中する道いがいの何ものでもない。 われわれは、菅政権がたくらむ憲法第九条の改悪と緊急事態条項の創設という憲法大改悪の攻撃を木っ端微塵に粉砕する反改憲の闘いとともに、敵基地先制攻撃の軍事体制構築や南シナ海への日本国軍の出兵を阻止する反戦反安保闘争の大爆発をかちとるために、いまこそ起ちあがろうではないか! すべての労働者・学生・人民は、<反戦・反ファシズム>の闘いに起て! 全戦線からの壮大な階級的な闘いを創造せよ! そして、菅日本型ネオ・ファシズム政権を打倒することをめざして前進せよ! (九月十五日) |
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対国会・首相官邸闘争に起て! 全学連第90回大会に結集せよ 全学連のたたかう学生諸君! 九月十六日、安倍前政権の基本政策を「継承」するとほざく菅が新首相に就任した。この菅を首班とする自公新政権にたいして、たたかう学生たちはただちに断固たる闘争に総決起しようではないか! 菅政権による一切の反動攻撃を打ち砕け! 職場深部でたたかう戦闘的・革命的労働者と連帯して、国会・首相官邸にたいする闘争に起て! 新首相となった菅は、「敵基地攻撃能力の保有」を柱とする新たな軍事政策の策定を次期政権にうながした前首相・安倍の9・11「談話」――トランプ政権との腹合わせにもとづくそれ――に沿って、日本国軍が米軍と一体となって「敵基地」に先制攻撃を加える軍事システムの構築に突進しようとしている。<米中冷戦>のただなかで日本をアメリカとともに戦争をやれる国家へと飛躍させようとするこの策動を断じて許すな!「反安保」を放棄した日共中央をのりこえ、<敵基地先制攻撃の軍事体制構築阻止・中距離ミサイルの日本配備阻止・日米新軍事同盟の強化反対>の反戦反安保の闘いを巻きおこせ! 憲法九条の改悪阻止! 全学連は来たる九月二十〜二十一日、首都・東京において第九十回定期全国大会を開催する。全国のたたかう学生は、いままさにたちあらわれようとしている菅新政権にたいする断固たる闘争の総決起集会として、本大会を実現しようではないか! 今秋期闘争の革命的指針をねりあげるとともに盤石の組織体制を構築せよ! 以下見出し 今春期闘争の革命的意義をうち固めよ 今秋期闘争の革命的指針と闘争態勢を確立せよ |
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「維新」による「大阪都構想」=「新大阪府」づくりを許すな 大阪維新の会(以下「維新」と略す)が「結党の原点」と呼ぶ「大阪都構想」の制度案(「特別区設置協定書」以下「制度案」と略す)が八月二十八日の大阪府議会、九月三日の大阪市議会で可決された。 「維新」は、二〇二〇年六月の法定協議会で、「維新」・公明党、自民党府議団の賛成で可決したこの「制度案」を、新型コロナウイルスの感染拡大が続いているにもかかわらず、いやそうであるからこそ、「コロナ対策」でのパフォーマンスで大阪府知事・吉村の支持率が上がっている今がチャンスとみて、府・市の臨時議会を開催し議決し、十一月一日に大阪市の住民投票を実施する方針をも決定した(経費約一〇億七〇〇〇万円の補正予算)。 五年前に大阪都構想の賛否を問う住民投票で否決をつきつけられ、大阪府知事・大阪市長を歴任した橋下の「政界引退」を余儀なくされた「維新」、この「維新」が、大阪市長・松井―吉村体制のもとで捲土重来を期しているのだ。彼らは、「二重行政のムダ」をなくすと標榜しながら、大阪市を解体して「新淀川区・新北区・新中央区・新天王寺区」の四つの特別区に分割し、大阪市がもつ権限と財源の主要部分を広域自治体・大阪府に移管して強大な権限をもつ「大阪都」(新大阪府)をつくりだすという形で地方自治体行政機構を大再編しようとしているのである。 以下、見出し 「二重行政の解消」の反人民性 関西独占資本へのカンフル剤 日本型ネオ・ファシズム政権の先兵=「維新」 |
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対中国最前線拠点としての在沖米軍基地強化を許すな アメリカのトランプ政権は、南シナ海・東シナ海のみならず西太平洋の制海権を奪取せんとしている中国・習近平政権の策動に対抗するために、在沖米軍基地を飛躍的に強化しようとしている。あくまでも辺野古への新基地建設を強行することを日本政府に迫ると同時に、那覇軍港「移設」と称して浦添新軍港の建設を一気におしすすめようとしているのだ。 われわれは、在沖米軍基地を対中国の有事即応・最前線出撃基地として強化する米・日両権力者の策動を断固うち砕くのでなければならない! 米中の軍事演習の応酬 ―高まる戦争勃発の危機 「海兵沿岸連隊」の沖縄配備を企むトランプ政権 中国・習近平政権が、在日米軍基地や米艦船を標的にするミサイル基地網を構築し、空母機動部隊を創設・強化して東シナ海、さらに西太平洋まで展開するとともに、南シナ海の南沙・西沙諸島を軍事要塞化している。この中国の対米挑戦に対抗するためにトランプ政権・国防総省は、中国を主敵とする軍事戦略にもとづいてアジア・西太平洋に米第七艦隊に加えて第三艦隊(東太平洋担当・空母四隻所属)の一部をふりむけ、南シナ海に二つの空母打撃群を投入して頻繁に大演習を強行し、中国を軍事的に威圧している。米海軍は、「分散型海洋作戦(DMO)」と称する新たな軍事作戦計画にもとづいて、大型水上戦闘艦を単独、または数隻で広範囲の海域に分散配置し、中国のミサイル攻撃をかわしつつ多方面から中国を攻撃しうる攻防一体の態勢をとろうとしている。そして米艦隊が中国の対艦ミサイルの射程内に入る前に敵の水上艦・航空機・地上ミサイル発射機を先制攻撃できるようにするために、新型長距離ミサイルの開発・配備を急いでいるのだ。 こうした米海軍の作戦を支援するために、海兵隊司令部は中国ミサイルの射程内にある海域に海兵隊を分散展開し、島々に前方基地を構築して中国海洋艦隊を攻撃するという「遠征前方基地作戦(EABO)」構想をねりあげ、その軍事体制の構築を急いでいる。そのために沖縄に司令部がある第三海兵遠征軍の下に三つの「海兵沿岸連隊」を創設し、ハワイ、グアム、沖縄に各一個連隊を配備することを企んでいる。この沿岸連隊は、「遠征前方基地作戦」の中軸を担う最前線の戦闘部隊なのである。海兵隊総司令官バーガーは、二〇二七年までに沖縄にこの沿岸連隊を配備することを明らかにし、沖縄配備にむけて日本政府と協議を開始しているのだ。 すでに在沖米海兵隊は、海兵沿岸連隊の配備をまつことなく、EABO構想にもとづいて伊江島においてパラシュート降下、高機動ロケット砲システムHIMARSの輸送・設置、ステルス戦闘機F35Bやオスプレイの展開・離着陸といった大規模な訓練を連続的に強行している。米軍司令部は、このEABOを実行できる部隊として海兵隊を強化するために、伊江島補助飛行場を改修し、F35Bが垂直着陸する際の高温爆風に耐えうる滑走路に舗装し直し、一辺約一八三bもの大きな正方形の垂直離着陸帯を新設した。米軍はこのリニューアルされた伊江島補助飛行場を「(EABOにとって)最高の訓練場だ」と自賛し、激烈な軍事訓練を開始しているのだ。 海兵隊司令部は、海兵隊と自衛隊は「完全に補完し合う関係だ」(バーガー)と強調し、米・日両軍の一体化をおしすすめようとしている。これに応えて日本政府・防衛省は、南西諸島にミサイル基地網を構築するとともに、陸上自衛隊・水陸機動団の三つめの連隊を創設して在沖米海兵隊の拠点基地キャンプ・ハンセンに配備することを画策しているのだ。 以下、見出し 辺野古新基地と浦添新軍港の建設への突進 〈全基地撤去・安保破棄〉めざして闘おう! |
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9・6大阪 老朽原発の再稼働を阻止せよ! 闘う学生が1600名の先頭で奮闘
神戸大学と奈良女子大学のたたかう学生たちは、近畿圏を中心に全国から結集した一六〇〇名の労働者・学生・市民にたいして「全原発・核燃料サイクル施設を即時停止し廃棄せよ! 原発・核開発阻止!」「日米核安保の強化と日本の軍事強国化に反対しよう!」と熱く呼びかけ、戦闘的・革命的労働者とあい固く連帯しつつ、最後まで戦闘的にたたかった。 日米核安保粉砕の闘いと結びつけ闘おう! 関西電力経営陣は、八月二十一日、美浜原発3号機を来年一月に、高浜原発1号機を来年三月に再稼働させる計画をうちだした。原発を「重要なベースロード(基幹)電源」と位置づけ、二〇三〇年度の電源構成に占める原発の比率を「二〇〜三〇%」とするエネルギー政策を護持している政府・自民党は、関電経営陣の尻をたたきながら、運転開始から四十年超経過したポンコツ原発をなにがなんでも再稼働させようと躍起になっているのだ。
事態は切迫しているにもかかわらず、日共官僚どもは「コロナ対策」を口実にしてこの日の集会への労組の動員を基本的にネグレクトした。たたかう学生たちは、日共中央の犯罪的対応を弾劾し、<日本の原発・核開発反対>の旗幟を鮮明にしてたたかうとともに、反戦反安保・反改憲の闘いと結びつけてたたかうべきことを労働者・市民に熱く呼びかけ、最後まで戦闘的にたたかったのだ。 |
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