第2634号2020年8月31日)の内容

<1面>
断末魔の安倍政権を労働者人民の実力で打ち倒せ!
<2〜3面>
各地で国際反戦集会 8・2
 関西/東海/九州

九共闘 中国総領事館抗議闘争 8・1福岡
「敵基地攻撃力反対」の声 8・8金沢
<6面>
第58回国際反戦集会
海外からのメッセージB
国際レーニン・トロツキー主義派(FLTI、アルゼンチン)
戦争抵抗者同盟(アメリカ)
労働者国際同盟(WIL―ジンバブエ)
<4面>
机上の空論≠並べた厚労省の「保健所改革」
■緊迫する南シナ海
Topics 激増するウーバーイーツの労働者
<5面>
「史的唯物論入門」に学ぶ

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号



























  

断末魔の安倍政権を労働者人民の実力で打ち倒せ!

 すべての労働者・学生諸君! いま安倍政権は新型コロナ感染の第二波が襲来しているまっただなかにおいて、一切の感染対策を地方自治体に丸投げにし、失業や賃金カットによって困窮に追いこまれている労働者・人民を完全に見殺しにしている。そして独占資本家どもには至れり尽くせりの支援策を提供している。この政権は、「Go To トラベル」などという反人民的な愚策をいまなお続けているのだ。
 こうした悪行にたいする労働者・人民の怒りに包囲された首相・安倍は、いまや心身ともにノックダウン状態に陥っている。足もともおぼつかず顔色の悪さを大きなマスクで隠しているのが心神喪失状態の安倍だ。
 この安倍を首班とする政権が今なによりも執着しているのは「敵基地攻撃能力の保有」と称しての対中国・対北朝鮮の先制攻撃能力の獲得にほかならない。<米中冷戦>下においてこの政権は、中国に対抗する民主主義国の新たな同盟の構築≠呼号するトランプ政権に尻を叩かれ、オーストラリア・モリソン政権とともに、米・日・豪の対中国軍事包囲網の構築に突進しているのである。この安倍政権を一刻も早く打ち倒さなければならない!
 安倍政権が末期症状を露わにしているのを前にして既成反対運動指導部とりわけ日共中央は、次期衆院選を展望して、立憲民主党による国民民主党の吸収合併≠フ行方におずおずと「野党共闘の発展」への期待を表明している。「野党連合政権」の夢を追い求めている彼らは、安保・外交政策や経済政策のいっそうの右翼的緻密化に狂奔しているのである。この日共指導部翼下の反対運動をのりこえ、安倍政権の一切の反動攻撃を打ち砕け! 断末魔の安倍政権を労働者・人民の実力で打倒せよ!

人民に貧窮を強制する政府・独占資本家階級

 安倍政権と独占資本家階級は、労働者・勤労人民にますます貧窮を強制している。第二波の感染拡大のもとで休業を余儀なくされ収入を激減させられている勤労人民を、安倍政権は、休業補償なき「緊急事態宣言」と同様に、完全に見殺しにしている。しかも独占資本家の意を汲み、パンデミックを口実にして、「最低賃金」を据え置かせたのがこの政権ではないか。
 感染収束の見通しが立たないことを理由にして独占資本家どもは、労働者の夏季一時金を大削減あるいはゼロにし、下請け・孫請けの諸企業を切り捨てている。彼らは「雇い止め」という名の非正規雇用労働者の大量解雇を強行し、実に一三〇万人もの非正規労働者が職を失ったのだ。正規雇用労働者にたいしては、一時帰休=賃金カットを数百万人(四月には六〇〇万人)に強いてきただけでなく、事業所閉鎖・配転強制などの悪らつな手口を弄して解雇攻撃をしかけているのである。
 こうして安倍政権と独占資本家どもによって労働者・勤労人民は、収入を奪われ生活費をギリギリにまで削らざるをえなくされてきた。まさしくその一端が、GDP成長率のマイナス二七・八%(年率換算)への急落(四〜六月期)に示されているのである。
 独占資本家どもは、感染対策を口実にして、大都市部を中心に多くの正社員労働者に「テレワーク」を強制してきた。彼らはいま、あらゆる業種の業務過程に「テレワーク」を導入することをテコにして、正社員労働者のクビを切り非正規雇用労働者あるいは「個人請負」労働者に置き換えたり、「ジョブ型雇用」を拡大したりしている。独占資本家どもは口ぐちに「ポストコロナ」にむけて「働き方改革」「デジタル化」を促進すると呼号し、現実に生産過程・流通機構・業務過程のICT(AIなど)を活用しての大再編にのりだしている。彼らは労働者を無権利状態に叩きこみ、搾取・収奪を徹底的に強化しようとしているのである。
 この独占資本家どもにたいして資金の供与や労働者保護規制の緩和などの手厚い支援を与えているのが安倍政権だ。彼らは日銀にたいして、国債を無制限に購入することや、企業へ無利子無担保での融資を金融諸機関にやらせるための資金と保証を与えさせている。株式や社債も日銀に大量購入させている。株価をつり上げたり社債を日銀が買いとったりというかたちで、この政権は、莫大な金融的利益を独占資本家階級に与えているのである。こうした政府の支援策によって、パンデミック恐慌のもとにおいても独占諸資本は、巨額の利益を獲得し・一部の企業は内部留保を増大させてさえいる。多くの労働者・人民はますます貧窮を強いられ、一握りの独占資本家・資産家はますます肥え太っているのである。

人民の怒りに包囲され死に体≠ニ化した安倍政権

 新型コロナ感染者が六万数千人に達している今このとき、安倍政権は、「医療体制は逼迫していない」などと言いつづけている。各地の医師会や自治体当局者が「医療体制の危機」を叫んでいるのを傲然と無視し、PCR検査の拡充についてもすべて自治体任せにしてである。人民への給付金は一回一〇万円かぎり、それ自体がおざなりな中小・零細企業への持続化給付金なども財源払底を理由にして打ち切り・あるいは規模縮小を強行しようとしているのだ。
 パンデミックの第二波が到来している最中にこの政権は「Go To トラベル」なる愚策を強行した。「感染収束後の景気回復策」と称されていたそれを、経営危機に瀕する大手旅行会社などを救済するために前倒しで実施したのである。だが、この策が全国にコロナ感染を蔓延させる危険を非難されるや「東京」を対象地域から外し、「キャンセル代」の補償問題では二転三転するなどの大失態をさらけだした。困窮生活に追いやられ旅行も帰郷もできない圧倒的多数の労働者・人民は、怒りと憎悪をもってこの愚策を弾劾しているのだ。
 そもそも安倍は、第二波感染爆発についても「アベノマスク」第二弾中止についても「Go To トラベル」についても、人民の怒りから逃げ回っている。持続化給付金をめぐる電通中抜き°^惑。河井克行・案里の選挙買収での逮捕・起訴と彼らへの党本部からの一・五億円の提供。森友学園をめぐる公文書の改ざんを強制され自殺した近畿財務局職員の妻による提訴。「桜を見る会」についての新証拠の発覚……。これら数々の犯罪への追及を恐れて逃げ回る安倍を、われわれは断じて許さない。
 みずからが手を染めたありとあらゆる疑獄・疑惑の追及を封じるために黒川を次期検事総長に就任させることを目論んだのが安倍であった。その策動を、戒厳体制を突き破り首相官邸に怒りの拳を叩きつけた全学連を先頭にした労働者・人民の闘いが完全に粉砕したのである。わが革命的左翼を先頭とする労働者・人民の怒りが安倍を包囲し、安倍を完全にノックダウンに追いこんだのだ。
 国会を早期に閉じた後に安倍は、ほとんど富ヶ谷の私邸にとじこもり、官邸に出てきても肩を落とし足取りも重く茫然自失の体をさらしている。安倍が労働者・人民の怨嗟の的になり・完全に権威を失墜させているがゆえに「ポスト安倍」をめぐっての政権内部の抗争は急転している。これまでは自民党政調会長・岸田を担いできた安倍と財務相・麻生、首相補佐官・今井を重用する安倍に反発している官房長官・菅とこの菅との結託を強める自民党幹事長・二階。彼らは相互に反目し牽制しあい、安倍政権はガタガタになっているのだ。
 こうして死に体≠ニ化した安倍ネオ・ファシスト政権を、ありとあらゆる犠牲を労働者・人民に強制しているこの政権を、いまこそ労働者・人民の実力で打ち倒せ!

トランプ政権に隷従し対中軍事包囲網形成に突進

 コロナ・パンデミックにあえぐアメリカから二十一世紀世界の覇者の座を奪取せんとしている中国・習近平政権の攻勢にたいして、トランプ政権は、ニクソン政権いらいの歴代アメリカ政府の対中「関与」政策は「失敗した」と断じ、「中国共産党の世界支配」を阻止するための「民主主義国の新たな同盟の結成」(国務長官ポンペオ、七月二十三日)を呼号している。彼らは対中国戦略の転換を明示し、「中国共産党の支配体制」そのものとの対決を鮮明にしたのである。そして「民主主義国の同盟」の名のもとに米・日・豪の対中国軍事包囲網の構築に狂奔するとともに、「一つの中国」政策を破棄し台湾に政府高官を公式訪問させるなど、蔡英文政権への政治的・軍事的のテコ入れを強化しているのである。
 このトランプ政権の台湾へのテコ入れに猛反発しているのが習近平政権だ。この政権は、アメリカを凌駕する「社会主義現代化強国」の建設という国家戦略にのっとり「国家分裂阻止・領土領海の護持」を最大の「核心的利益」と位置づけて、香港に国家安全維持法を施行し「一国二制度」を最後的に破壊した。南シナ海には新たな行政区を設置し人工島に戦闘機を常駐配備している。東シナ海(尖閣諸島)には「管轄権の行使」と称して中国公船を張り付かせているのである。そして北京官僚の香港人民弾圧に反発し独立志向を強めている台湾・蔡英文政権にたいしては、軍事的圧力を一気に強化しているのだ。これら一連の策動において習近平指導部がむきだしにしているものは、まさしくスターリン主義的膨張主義にほかならない。
 いまや台湾を焦点にして米・中は軍事的・政治的角逐の火花を散らしている。「台湾独立派を震えあがらせる」と称して南シナ海で軍事演習を強行したり、台湾が実効支配する東沙諸島(南シナ海北部)の「武力奪取」のための作戦計画にもとづく演習を実施すると国防大学教授に語らせたりと、まさしく「心理戦」を交えての軍事的圧力を強めているのが中国政府だ。これに対抗すべくトランプ政権は、南シナ海に空母ロナルド・レーガンの機動部隊を送りこみ準臨戦態勢をとっているのだ。そして台湾に近い沖縄の米軍を対中国の即応部隊として強化するための演習や基地強化に――安倍政権の協力・加担のもとに――狂奔しているのである。
 いまや、日米安保の鎖≠ノ縛られている安倍自民党政権は、米・日、日・豪、米・日・豪の軍事演習を重ねて、三国の対中国軍事包囲網の形成に突進している。この政権は、トランプ政権とともに東シナ海において、米空母部隊や米軍B1爆撃機をも投入しての合同軍事演習を連続的に強行した(八月中旬)。米日両軍は対中国・対北朝鮮の準臨戦態勢に突入しているのである。
 同時に安倍政権は、中国によるミサイルの大量一斉攻撃(飽和攻撃)や極超音速ミサイル、北朝鮮も配備している変則軌道のミサイルなどへの「確実な対応を検討する」(防衛相・河野)などと称して、トランプ政権が要求する米軍中距離ミサイルの日本配備を受けいれる布石を打つとともに、地上発射型イージス・アショアにかわる新たなミサイル防衛システムの開発・配備に着手しているのである。
 現に安倍政権・自民党は、公然と「敵基地攻撃能力の保持の必要性」を叫びたてている。日本政府が実際に着手しようとしているのは、アメリカ政府・国防総省が構想しているところの、小型偵察衛星群によって敵を「丸裸」にして攻撃目標を把捉し・先制攻撃を加えるという作戦の一角に自衛隊が加わるということである。だが、もしも日本が対中国・対北朝鮮の先制攻撃能力の保有にふみだすならば、中国や北朝鮮が在日米軍基地や自衛隊基地にたいする攻撃態勢の強化に突進することは明らかではないか。安倍政権・自民党がたくらむ「敵基地攻撃能力の保有」とは、東アジア・日本列島における核戦争勃発の危機を決定的に増大させる以外のなにものでもない。
 この許しがたい構想にもとづいて政府は、「宇宙基本計画」(六月三十日策定)にアメリカとの軍事協力を明記し、小型偵察衛星の開発・配備に着手しようとしているのだ。中期防衛力整備計画にのっとって安倍政権は、スタンドオフ・ミサイル(長射程の空対地ミサイル)とこれを装備できるF35戦闘機、イージスシステム用のレーダーなどの兵器の購入を画策している。これらの兵器を敵基地先制攻撃用に「転用」することを狙っているのが安倍政権なのだ。
 しかもこの政権は、FMSという名のアメリカ言い値購入$ァ度にもとづいて、これらアメリカ製兵器を大量に購入しようとしている。日本人民から搾りとった血税をトランプ政権とアメリカ軍産複合体とに献上しようとしているのが安倍政権なのである。

「敵基地攻撃能力」の保有反対! 憲法改悪阻止!

 すべての労働者・学生諸君! パンデミック下で解雇され・収入を奪われた労働者・人民を見殺しにしている安倍政権を、そしてトランプ政権に隷従し日米新軍事同盟強化に狂奔している安倍政権を、いまこそ労働者・人民の実力で打ち倒そう!
 安倍政権が犯罪性・反人民性をさらけだし労働者・人民の怒りに包囲されているときに、不破=志位の日共指導部は、「(政府の)コロナ対策を前に進める」と称して国会開会中には「安倍退陣」をとりさげ、安倍政権でも呑める′サ実的代案の対置に没入してきたのだ。これは安倍政権を「左」から補完する犯罪的対応ではないか。
 彼らはパンデミックのもとで拡大した所得格差などの最深の根拠は「新自由主義」にあるなどと描きあげて、「新自由主義」を転換してつくりだすべきヨリましな資本主義≠フ理念や未来像≠宣伝している。だが、コロナ・パンデミックのもとで極限的に拡大している富める者と貧しき者との「格差」の本質は、まさしく搾取する者と搾取される者との階級対立にほかならない。パンデミック恐慌は、資本家階級と労働者階級との階級対立を鮮明に照らしだしているのだ。このときに、労働者の階級的団結にもとづく反撃を組織するのではなく、新自由主義ではないヨリましな資本主義≠ヨの転換の代案の宣伝にうつつを抜かしているのが不破=志位指導部だ。
 彼らは「新自由主義からの転換」を一致点とする「野党共闘の発展」をこそ自己目的的に追い求めているのである。この日共指導部の反労働者性を断固として暴きだし、いまこそ安倍政権と独占資本家どもの攻撃をはね返す労働者的団結を創造してたたかおう!
 「敵基地攻撃能力保有」の策動を開始した安倍政権・自民党にたいして日共指導部は、「日米同盟で日本は専守防衛の『盾』で、打撃力を担う米軍が『矛』としてきた従来の建前上の役割分担から踏みだすもの」(書記局長・小池)などという非難≠フ声をあげている。在日米軍の存在も、「日本有事」の際の安保条約にもとづく日米共同作戦も是認していることを、彼らは公然と語っているのだ。「野党連合政権」では「安保法制以前」の自民党政権がとってきた安保・防衛政策を踏襲することを立憲民主党に誓っているのが不破=志位指導部である。だが、安保条約を是認し、日米共同作戦による「日本防衛」を是認することによっては、<米中冷戦>下の日米新軍事同盟強化を打ち砕く階級的力を組織化することはできないのである。
 「反安保」を放棄した日共指導部を弾劾し、反戦・反安保の闘いに断固として起ちあがろう!
 パンデミック下で労働者・人民を見殺しにする安倍政権を弾劾せよ!「敵基地攻撃能力」保有反対! 日米新軍事同盟の強化を打ち砕け!
 安倍の意を受けた下村博文が自民党改憲案の「緊急事態条項」の対象に「感染症対策」を加えることを自民党「新国家ビジョン議連」で提案した。断末魔の安倍政権の反動的あがきを断て! 憲法改悪を阻止せよ!
 いまこそ安倍政権を労働者・人民の実力で打倒せよ!

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 各地で国際反戦集会を実現 8・2
 
安倍政権打倒の戦列固める
 関西集会
 八月二日、関西地方のたたかう労働者・学生は、第五十八回国際反戦関西集会を成功的に実現した。
 
関西の労・学は革命的反戦闘争の断固たる前進をかちとる
決意をうち固めた (8月2日、大阪市)














 
革命的反戦闘争の拠点築く
 東海集会
 東海地方のたたかう労働者・学生は八月二日、名古屋市の東別院ホールにおいて第五十八回国際反戦東海集会を断固としてかちとった。
 
「戦争的危機を突き破る反戦闘争の一大高揚を!」決意うち固める東海の労・学
 (8月2日、名古屋市)
 
対中前線拠点化阻止を決意
 九州集会
 八月二日、九州のたたかう労働者・学生は福岡市において第五十八回国際反戦九州集会を盛大に実現した。
 
 九州における対中国の臨戦態勢強化に反対する闘いの爆発を誓う労・学
(8月2日、福岡市)

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九共闘 中国総領事館抗議闘争 8・1福岡

  八月一日、全学連九州地方共闘会議のたたかう学生たちは、福岡市中央区にある中国総領事館にたいする抗議闘争に起ちあがった。彼らは、七月十三日に続いて、習近平政権による香港人民への大弾圧を徹底的に弾劾した。と同時に、国際反戦集会前日のこの日、現在の新たな世界大戦勃発の危機をもたらしている一方の張本人である北京政府の核戦力増強への怒りの声をたたきつけたのだ。

 
中国総領事館に怒りのシュプレヒコールを叩きつける九共闘(8・1、福岡市)

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  「敵基地攻撃力反対」の声   8・8 金沢
  
 八月八日、金沢地区平和運動センターの主催のもとで「被爆75周年『憲法改悪反対! 
敵基地攻撃力NO!』平和行進」がおこなわれた。
 
 「敵基地攻撃能力の保有反対!」を掲げ金沢市街をデモ行進する労働者・学生
(8月8日)

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机上の空論≠並べた厚労省の「保健所改革」

保健所労働者にさらなる苛酷な労働を強制

元凶は歴代自民党政権の社会保障切り捨て

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