第2630号(2020年8月3日)の内容

<1面>
闘う学生が怒りの決起
自民党愛知県連――中国総領事館
7・17 名古屋

九共闘 中国総領事館に抗議
7・13 福岡
<3面>
在沖米軍の感染隠蔽弾劾!
 対中即応態勢の強化反対!

日米安保の鎖13 米太平洋軍が横田で「強襲着陸」訓練を強行
<2面>
トリチウム汚染水の海洋放出を阻止せよ 福島原発

六ヶ所再処理工場稼働を許すな
<5面>
Topics 最低賃金の凍結を許すな

郵政経営陣によるコロナ「感染予防対策」の欺瞞性
<6面>難産のEU復興基金創設――分解の火種の胚胎
■「ダメオロジー」を学習して
<4面>
「AI革命」を賛美する不破の茶坊主・友寄 (下)
 「解放」最新号






























  

「敵基地攻撃能力」の保有反対!

 闘う学生が怒りの決起

7・17 名古屋

 七月十七日、全学連東海地方共闘会議(全東共)に結集するたたかう学生たちは、自民党愛知県連本部と名古屋にある中国総領事館にたいする抗議闘争に起ちあがった。
 現代世界はいつ核戦争の炎が燃えあがるともしれない<米中冷戦>に急旋回している。この危機のまっただなかで、アメリカ・トランプ政権とともに対中国の侵略戦争遂行体制を構築するために「敵基地攻撃能力」の獲得と憲法改悪へと猛突進しているのが安倍政権だ。この日本型ネオ・ファシズム政権にたいする怒りをたぎらせて、たたかう学生たちは反戦反安保・改憲阻止の炎を燃えあがらせたのだ。同時に、アメリカ帝国主義が新型コロナウイルスの感染爆発にのたうちまわっているこのときに、一気に世界の覇者にのしあがらんとしているネオ・スターリン主義中国の習近平政権。この北京官僚による反人民的な核戦力の大増強と、「香港独立」を叫ぶ労働者・学生・人民を根こそぎに圧殺する「国家安全維持法」の制定・施行を徹底的に弾劾する闘いに、全東共の学生たちは決起したのである。

自民党愛知県連本部に反戦反安保・改憲阻止の拳

 
「安倍政権打倒!」怒りの拳をつきつける全東共の学生
(7月17日、名古屋市中区)


 午後二時、全東共のたたかう学生たちは、降りしきる雨をものともせず、名古屋市中区にある自民党愛知県連本部の前に断固として登場した。
 首相・安倍は、前日の七月十六日におこなわれた自民党・麻生派のパーティーにビデオメッセージを寄せ、「憲法改正への歩みを止めるわけにはいかない」とほざいた。わが革命的左翼を先頭とした労働者・学生の闘いに追いつめられている安倍が、なおも政権の座にしがみつきつつ憲法改悪に突き進む意志を鮮明にしたのだ。しかも、再び新型コロナ感染者が増大しているただなかで、独占資本家救済のための「経済対策」に血道をあげているのが安倍政権だ。この極反動安倍政権をいまこそ労学の実力でうちたおせ!――怒りに燃えて、東海地方のたたかう学生は勇躍決起したのだ。
 「困窮人民への犠牲を強制する安倍政権打倒! 敵基地攻撃能力の保持反対! 憲法改悪阻止!」と大書した横断幕を広げ、たたかう学生たちが自民党愛知県連本部にたいして怒りのシュプレヒコールをたたきつける。「日米核軍事同盟の強化反対! 辺野古新基地建設阻止!『緊急事態条項』の新設反対! 憲法九条改悪阻止! 人民を見殺しにする安倍政権弾劾!」
 たたかう学生がアジテーションを開始する。「安倍政権は、自衛隊を米軍とともに中国軍と戦える軍隊として強化するために、『敵基地攻撃能力』の保有=アメリカと一体となっての先制攻撃体制の構築を狙っている。われわれはこれを絶対に許しはしない! 憲法九条の改悪を阻止するぞ!」雨のなか、行き交う人々が、わが全東共の部隊に注目する。最後に、たたかう学生たちは、安倍政権への抗議文をたたきつけたのだ。

北京ネオ・スターリニスト官僚を弾劾――中国総領事館
 
中国総領事館に抗議の声を叩きつける全東共の学生
(7月17日、名古屋市東区

 つづいて全東共の学生たちは、名古屋市東区にある中国総領事館前に断固として登場した。驚きあわてた愛知県警・機動隊が、総領事館正面に向かう道を封鎖し、わがたたかう部隊の前に立ちふさがろうとする。この機動隊と対峙しながら、全東共の学生たちは横断幕を広げ、総領事館に向けて怒りのシュプレヒコールをたたきつける。「香港国家安全維持法の制定・施行弾劾! 香港の労働者・人民への弾圧を許さないぞ! 南シナ海・西太平洋での軍事演習弾劾! 対米対抗の核軍事力強化反対! 香港・中国本土の労働者・学生と連帯してたたかうぞ!」
 さらに全東共の代表団が、機動隊の阻止線を突破して総領事館正面に陣取った。代表団の学生が怒りに燃えて抗議文を読みあげる。「われわれは香港国家安全維持法の制定とこれにもとづく香港人民への弾圧を弾劾する! 北京官僚による核戦力の強化反対!」
 たたかう学生は、歴史的犯罪を重ねるスターリン主義を打倒せんとする烈々たる闘志をたぎらせて、習近平のいう「中国の特色ある社会主義」なるものの反プロレタリア性を暴きだし、中国ネオ・スターリン主義専制体制をうち破る闘いに起ちあがるべきことを香港と中国本土の人民に呼びかけつつ抗議闘争を断固としてたたかいぬいたのだ。
 いま、ここアジアにおいて香港・台湾を焦点として米・中が激突し戦争勃発の危機が高まっている。「香港国家安全維持法」を施行し「一国二制度」を最後的に葬りさった中国・習近平政権は、台湾の独立を武力をもってでも阻止し台湾を併呑する野望をむきだしにしている。そして、南シナ海・東シナ海(尖閣諸島周辺)・西太平洋で軍事作戦を連続的に実施している。中国の一大攻勢に促迫されたトランプ政権は、政治・軍事・経済の全部面で「共産党中国」を封じこめるために「新たな同盟」を構築するという対中戦略を明示した。このアメリカ権力者につき従って、対中国攻守同盟としての日米新軍事同盟にもとづいてアメリカと一体となっての先制攻撃体制の構築に突き進もうとしているのが安倍政権なのだ。この極反動攻撃を断じて許してはならない。
 東海地方共闘会議は、全国のたたかう労働者・学生と連帯し、<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突破する革命的反戦闘争をさらにおしすすめる決意である。



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香港国家安全維持法の施行弾劾!






 
 「北京ネオ・スターリニスト官僚の香港人民弾圧弾劾!」
全学連九共闘の学生が決起
(7月13日、福岡市地行浜)



 九共闘 中国総領事館に抗議

7・13 福岡

 七月十三日、全学連九州地方共闘会議のたたかう学生は、「香港国家安全維持法」の制定を強行した中国・習近平政権が香港人民への弾圧に狂奔していることへの怒りに燃えて、在福岡中国総領事館にたいする抗議の闘いに起ちあがった。
 六月三十日の「国安法」制定・施行後、習近平政権は「香港独立」を叫ぶ労働者・学生・人民にいっそう苛烈な弾圧を続けている。七月に入って「民主派」と呼ばれるグループが、九月の香港立法会選挙に向けて「予備選挙」を実施していることにたいしても、「国安法に抵触するおそれがある」などと威嚇し圧殺しようとしている。こうしたネオ・スターリニスト権力者どもの凶暴な人民弾圧を反スターリン主義者として許してなるものかと、九共闘の仲間は断固として決起したのだ。
 午後四時前、福岡市地行浜の中国総領事館前に登場した学生たちは、ただちに「習近平政権による人民弾圧を許すな!」「国家安全法の制定弾劾!」と記した横断幕を掲げ、シュプレヒコールを開始した。「国家安全維持法の制定弾劾!」「ネオ・スターリニストによる香港人民の大弾圧弾劾!」「二十一世紀の天安門事件≠許さないぞ!」「中国政府による専制支配体制の強化反対!」
 住宅街に囲まれ、幹線道路に面する在福岡中国総領事館。その周囲の雰囲気はたたかう学生の怒りの声で一変した。通行する人や車から多くの人が総領事館に怒りのシュプレヒコールをたたきつける学生に注目し耳を傾けた。総領事館のなかからは、外交官とおぼしき職員が九共闘の部隊の様子をうかがうようにあわてて出てきた。
 すかさず九共闘の学生が怒りのアジテーションをおこなった。「われわれは、中国・習政権による『国家安全維持法』の制定・施行と香港人民への大弾圧を断じて許さない。習政権がむきだしにした強権性・犯罪性こそは、まさにスターリン主義者の本性そのものにほかならない。北京ネオ・スターリニスト官僚政府による二十一世紀の天安門事件≠ニいうべき香港人民への凶暴な弾圧を腹の底からの怒りをこめて弾劾する!」
 この怒りのアジテーションは、総領事館に巣くう中国の外交部高官らを震撼させたにちがいない。
 さらにシュプレヒコールだ。「歴史的犯罪を重ねるスターリン主義を打倒するぞ!」「香港人民と連帯してたたかうぞ!」「中国本土のたたかう労働者人民と連帯してたたかうぞ!」「中国の対米対抗の大軍拡反対!」「米―中・露の核戦力強化競争反対!」わが部隊は、北京ネオ・スターリニスト官僚への怒りをこめて中国総領事館にシュプレヒコールをたたきつけ、この日の闘いを締めくくった。
 九共闘の学生たちは、既成指導部の闘争放棄をのりこえ、九州の地において唯一、中国・習近平政権による「国家安全維持法」の制定と香港人民への大弾圧、そして反人民的な核軍拡を弾劾する闘いに起ちあがったのだ。

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在沖米軍のコロナ感染隠蔽弾劾!

対中即応態勢の強化を許すな

 沖縄に駐留している米軍において新型コロナウイルスの感染者が急増し、米兵から基地外にも感染が拡がるという事態が引き起こされている。だが在日米軍は、「軍事機密」と称して感染情報を統制・隠蔽しつづけ、あくまでも対中国の即応態勢を飛躍的に強化しているのだ。
 いまアメリカ帝国主義のトランプ政権は、南シナ海の軍事拠点化を基礎として西太平洋の制海権をアメリカから奪取せんとする習近平中国を封じこめるために、南シナ海・台湾海峡に米軍艦隊を次々と展開させるとともに、対中最前線基地である在沖米軍基地の即応態勢を構築・強化している。アメリカ帝国主義が新型コロナの感染爆発と「大恐慌以来」の経済破局にのたうちまわっている今がチャンスとばかりに二十一世紀世界の覇者≠ニなる野望をむきだしにして突進する中国。この中国の対米挑戦を「共産主義にもとづく覇権への野望」(米国務長官ポンペオ)と烙印し叩きつぶそうと狂奔しているのが没落帝国主義アメリカなのだ。
 われわれは、対中軍事行動に狂奔する米軍による感染情報の隠蔽を弾劾するとともに、<米中冷戦>下での戦争的危機を突き破る反戦・反安保闘争をおしすすめなければならない。<米軍基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう。

感染実態を隠蔽する米・日両権力者

 在沖米軍基地において今、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大している。七月に入り感染者が急増し、米海兵隊の普天間基地(一〇九人)やキャンプ・ハンセン(一一七人)、米空軍・嘉手納基地(六人)など米軍六施設の米兵・軍属二三六人の新型コロナウイルス感染が明らかとなった(七月二十六日時点)。沖縄だけでなく、三沢基地や岩国基地などでも、アメリカ本国から移動してきた米兵らの感染が次々と発覚している。
 米軍はいま兵員交代期であり、六月下旬から八月末までに約五〇〇〇人の米兵・軍属とその家族が「世界最大の感染大国」アメリカ本国などから次々と日本・沖縄に移動している。アメリカ本国から沖縄に到着した米兵らは、安保条約・地位協定のもとで日本政府による入国禁止措置も検疫措置も適用されず、米軍じしんが決めた「十四日間の移動制限」さえまともにおこなっていなかったのだ。七月四日前後には、米兵や軍属ら七〇〇人が、民間地域の公園やビーチなどに集まって「アメリカ独立記念日」を祝うバーベキューやダンスパーティーなどをおこなってもいた。
 在日米軍はいま、東シナ海・南シナ海での軍事行動をエスカレートさせている中国に対抗する即応態勢を強化するために兵力を総動員し、六月十七日には感染防止対策のレベルを緩和させて軍事訓練を激化させている。この米兵・軍属のなかでコロナ感染が拡大し、基地の外=民間地域に出入りしている米兵・軍属とその家族から沖縄人民にも感染が拡がりはじめているのだ。すでに米軍関係者を乗せたタクシー運転手の感染が明らかとなっている(七月十六日)。米軍基地内でも、感染防止など気にとめることなくマスクなしで闊歩する米兵相手に仕事をさせられている日本人労働者の感染がすでに確認された(七月二十三日)。
 ところが、許しがたいことに米軍司令部は「安全保障上のリスク」を楯にして在沖米軍の感染者数も、感染経路・感染者の行動歴・居住地(民間地域に居住する米兵も多い)などの情報も公開することを拒否してきた。(今回明らかになった「感染者数」は、在沖米軍が非公式に沖縄県に伝えたものを、県当局が独自に公表したものである。)この米軍の犯罪的対応について「問題はない」「必要な情報は共有されている」(内閣官房長官・菅)などと擁護し、米軍当局の情報統制・隠蔽工作に全面的に加担しているのが、日本の安倍政権なのだ。

在沖米軍基地強化に突進するトランプ政権

 アメリカの国務長官ポンペオは、「中国が南シナ海をみずからの海洋帝国として扱うことを世界は許さない」(七月十三日)、「(習近平は)全体主義イデオロギーの信奉者であり、中国的共産主義にもとづく世界的覇権を切望している」(二十三日)と中国を非難した。このポンペオ発言こそは、「共産主義体制」の中国をアメリカ中心の諸国家が政治的・軍事的にも経済的にも封じこめていくという新たな対中戦略への転換を意味する。
 すでにアメリカ政府は、米軍部隊を連続的に南シナ海に突入させている。「航行の自由作戦」と称して米海軍のミサイル駆逐艦を南沙諸島海域に突入させた。七月上旬と七月十七日の二度にわたって、空母ニミッツとロナルド・レーガンの二個空母打撃群による大軍事演習をおこなった。そして、七月十九日から二十三日にかけて、ロナルド・レーガン空母打撃群を投入して米・日・豪の合同軍事演習を南シナ海から西太平洋にかけて強行したのだ。
 この南シナ海への戦闘部隊の突入と連動するかたちで、対中国の最前線拠点である沖縄・日本に駐留する米軍の即応態勢の維持・強化に血眼になっているのが、トランプ政権だ。在沖米軍は、沖縄県中部の市街地ど真ん中に位置する嘉手納基地で危険なパラシュート降下訓練を、地元住民の反対の声をふみにじって強行している(七月九日)。オスプレイの飛行訓練も、住宅地や学校の上空であれおかまいなしに、連日、深夜十一時まで強行しているのだ。
 習近平の中国は、新型コロナウイルスの感染爆発・恐慌に叩きこまれ断末魔にあえぐアメリカ帝国主義の足下を見透かして、一挙にアメリカを抜きさり「世界の覇者」の座を奪い取ろうとしている。南シナ海における実効支配を強化する策動を一段と強めている。のみならず、尖閣諸島を奪取する策動に突進している。尖閣諸島周辺の接続水域への中国公船の進入は一〇〇日を超えて連続している。習近平政権は、西太平洋の制海権を米軍から奪うために「第一列島線」を突破して軍事行動を強行しているのだ。
 かくして米・日―中の軍事的角逐は激烈化し、現代世界はいつ火を噴くかもしれない<米中冷戦>へと一挙に転回しつつあるのだ。

全米軍基地撤去・安保破棄めざして闘おう!

 在沖米軍内での新型コロナウイルス感染の拡大にかんする情報統制・隠蔽工作をおこなうのみならず演習を連日連夜強行しているアメリカ政府・米軍当局と、これに全面的に協力・加担しつづけている日本政府とにたいする沖縄の労働者・人民の怒りはいまや沸点に達している。県や市町村の議会では「米軍基地を封鎖せよ」という決議が次々とあがり、「米軍基地撤去」の声が沖縄人民から澎湃(ほうはい)と起こっているのだ。
 七月十日に、沖縄平和運動センターに結集する労働者たちは、米海兵隊・普天間基地の野嵩ゲート前に結集し、抗議闘争を断固としてたたかった。たたかう労働者たちは、「コロナウイルス感染情報を隠蔽する米軍糾弾!」「パラシュート降下訓練やめろ!」「米軍基地撤去!」と怒りのシュプレヒコールを米軍に叩きつけた。
 わが革命的・戦闘的労働者と県学連のたたかう学生は、怒りたかぶる労働者・人民に「<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を断固として推進しよう! <全米軍基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう!」と熱烈に訴え、反戦・反安保闘争の一大高揚をかちとるべく奮闘しているのだ。
 すべての労働者・学生諸君!
 トランプ政権・米軍司令部および日本政府による米軍基地内の感染実態の隠蔽を許すな! 一切の米軍演習阻止! 労働者・人民の実力で辺野古新基地建設を阻止せよ! すべての米軍基地を撤去せよ!
 日本共産党指導部による「反安保」なき「情報公開と感染拡大防止」「検疫法適用のための地位協定改定」要請運動をのりこえ、<全米軍基地撤去・安保破棄>をめざしてたたかおう! いまこそ<米中冷戦>下の戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を断固創造しよう!

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福島第一原発

トリチウム汚染水の海洋放出を阻止せよ!

 安倍政権・東京電力経営陣は、福島第一原子力発電所の敷地内に保管しているトリチウム汚染水を大量の海水で薄めて海にたれ流す「処分」方針を、この夏にも決定しようとしている。日本列島の太平洋沿岸の漁業や農業に大打撃を与え、白血病やガンの激増をもたらすことが必至のこの大犯罪行為を絶対に阻止せよ。
 経済産業省はトリチウム汚染水処分にかんする「関係者の御意見を伺う会」なるものを、この四月から七月十七日まで、福島県や東京都において計五回開催した。新型コロナウイルス感染の拡大で政府が「緊急事態宣言」を発令している最中にも、オンライン方式をも駆使して強行してきたのだ。
 政府・東電経営陣は、二〇二二年夏にトリチウム汚染水の海洋放出を実施する肚を固め、その関係施設の建設のために二年間かかるというスケジュールを立案して、この夏中に海洋放出を正式に決定しようとしているのだ。「御意見を伺う会」なるものは、地元漁業関係者をはじめとした圧倒的な反対の声をふみにじってこの決定をくだすために、意見を聞いた≠ニいうアリバイをつくるために開催されたものにほかならない。

(中略)

 東電の発表によれば、現在タンクに保管されているトリチウムの総量は八六〇兆ベクレル、建屋内の残留水に一二〇九兆ベクレルが存在している。これらすべてを十年から三十年程度かけて海にたれ流そうというのが政府・東電の計画なのである。(かつて福島第一原発が運転されていた時期には、年二二兆ベクレルが放出基準とされていた。)たれ流す前に海水で薄めたとしても総量に何の変わりもない。トリチウム放出量が多い加圧水型炉の玄海原発から三〇`bに位置する壱岐市では、原発稼働後の白血病死亡率が稼働以前の六〜七倍に増加したという報告もなされている(『壱岐日報』一九年三月一日付)。「トリチウムの出す放射線は透過力が弱く、また体内にとりこんでも十日前後で排出されるので危険性は低い」などという御用学者の弁は、水素と化学的性質がまったく同一のトリチウムがDNAに損傷を与える内部被曝の危険性を意図的に無視した詭弁以外の何ものでもない。

(中略)

 わが革命的左翼は、日共系反対運動をのりこえ、トリチウム汚染水の海洋放出に反対する闘いを創造するのでなければならない。すべての原発・核燃料サイクル施設を即時停止し廃棄せよ。

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郵政

経営陣によるコロナ「感染予防対策」の欺瞞性を暴け

 郵政経営陣は、六月十六日、「日本郵便における新型コロナウイルス感染予防対策基本的対応方針」を公表した。彼らは「監督官庁からの指導」を受けていっそう感染防止のための取り組みを進めるかのようにいいなしている。だが、経営陣はこのかんまともな感染防止対策を講じてきてはいない。今回公表した「対応方針」は、あたかも感染対策をおこなっているかのように見せかけるためのものにすぎない。
 だが、この「対応方針」にたいしてJP労組本部は、「労組の意見等を踏まえたもの」などと許しがたいことに全面賛美している。しかも本部は、「国民生活を支えるインフラ機能を維持する役割が求められる」などと組合員に説教をたれ業務に駆りたてる役目を果たし経営陣を支えているのだ。
 全国のたたかう郵政労働者の皆さん! 経営陣のコロナ対策の欺瞞性を徹底的に暴きだし弾劾しよう! 同時に経営陣に追随する本部を弾劾する闘いを職場生産点から断固としてつくりだし、労働組合の戦闘的強化をかちとろうではないか! そのために、ここでは「対応方針」の欺瞞性と、経営陣の悪辣さを怒りをこめて明らかにする。

以下、見出し

1 感染予防は二の次の「対応方針」

(1) ザル抜けの三密回避策

(2) ズサンでやる気のない消毒・清掃

(3) 管理者の業務優先の徹底化

2 「事業の持続的発展」を最優先

3 経営陣の「感染予防対策」に呼応するJP労組本部

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「AI革命」を賛美する不破の茶坊主・友寄

目次

T 資本制的という規定性を蒸発させた「労働過程分析」

U AI導入により放逐される労働者の辛苦を無視抹殺

 (第二六二九号)

V 「スマート工場」への心酔

W AI利用によるサービスの充実≠フ説教

X 修正資本主義のなれの果て

 (本号)


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