第2627号(2020年7月13日)の内容

<1面>
第58回国際反戦集会 海外へのアピール
米中冷戦下の戦争勃発の危機を
突き破る反戦闘争を創造せよ!

<2面>
香港国家安全維持法の制定・施行弾劾!
国際短信 感染症対策を口実に反対運動を弾圧するギリシャ政府
<3面>
県学連 国家安全法制定を弾劾 6・30 那覇
鹿大生 安倍政権打倒を訴え 6・23 鹿児島
◆マイナンバーと口座の連結を許すな
<4面>
日銀の「資金繰り支援」策の反人民性
民間英語試験導入の企み
<5面>
「日の丸半導体」企業(ルネサス)が生き残りのために労働者に犠牲転嫁
Topics 解雇・休業強制への屈服を指南≠キるUAゼンセン労働貴族
<6面>
日米安保の鎖 11
米海兵隊新作戦構想の実験場≠ニ化す沖縄
◆北極海 米―中・露の角逐激化
うた 憤激と決意
 「解放」最新号














  

第58回国際反戦集会海外へのアピール 

米中冷戦下の戦争勃発の危機を

突き破る反戦闘争を創造せよ!


第58回国際反戦集会実行委員会(全学連・反戦青年委員会・革マル派

 戦争と圧政と貧困をうち砕くために世界で奮闘している同志諸君! 労働者・学生・知識人諸君!
 いまわれわれは、一つの時代が終わり一つの時代が幕をあける世界史的激動の真っ只中におかれている。
 中国の武漢に発生した新型コロナウイルスは、「ヒト・モノ・カネ」の国境をこえた移動、いわゆるグローバル経済の波にのって、またたく間に世界を席捲した。このパンデミックに戦慄したのが、つい昨日まで資本制経済の全球的拡大に酔い痴れてきた世界の権力者と資本家どもであった。権力者どもは慌てふためいて国境を閉鎖し都市を封鎖し、資本家どもは生産をストップした。そして許しがたいことに、みずからの延命のために労働者階級を容赦なく路頭に放り出したのだ。
 世界経済が一瞬にして凍りついたこの<パンデミック恐慌>のなかで、むきだしになったのは十九世紀的=古典的な階級分裂と貧困である。このことは、末期資本主義の死の痙攣(けいれん)が始まったことを意味する。マルクスの言葉で言えば末期資本主義はいままさにみずからの墓掘り人を日々生産しているのだ。
 それだけではない。現下のパンデミックのもとで、現代世界はいまやいつ火を噴くかもしれない<米中冷戦>へと一挙に急旋回した。その能動的実体はいうまでもなく、「市場社会主義」などという反マルクス主義の旗を恥ずかしげもなく掲げているネオ・スターリン主義中国である。「新型コロナウイルスが米国の世紀を終わらせた」(中国の御用メディア)というあからさまな言辞をみよ! 習近平政権は、アメリカ帝国主義が新型コロナの感染爆発でのたうちまわっている今が「この時」とばかりに、今世紀の半ばには、アメリカを追い抜き世界の覇者になるという「中国の夢」にむかって、その政治的軍事的諸策動を一気に加速しだした。この中国官僚の野望をむきだしにした号砲が、香港人民にたいする「二十一世紀の天安門事件」であり、「一国二制度」の絞殺にほかならない。まさにこのことを起動力として、いまや第三次世界大戦勃発の現実的可能性が高まりつつあるのだ。
 全世界の労働者・人民よ! 今こそ全世界の労働者階級は団結し、米中冷戦下の戦争的危機をつき破る反戦闘争と、パンデミック恐慌のもと一切の犠牲を労働者階級に転嫁する政府=支配階級を叩きのめす政治経済闘争とを同時にくりひろげるのでなければならない。
 われわれは、八月二日に第五十八回国際反戦集会を、東京をはじめ日本の七都市で開催する。戦争と貧困に苦しむ世界の人民は心を一つにし、「暗黒の二十一世紀」をプロレタリアの輝かしい世紀へと逆転することをめざした闘いを開始しようではないか!

香港・台湾を焦点とした米・中の激突

 七月一日に習近平政権は「香港国家安全法」の施行を強行した。抗議した人民を「外国の手先」と烙印して次々に逮捕しさった。習近平政権は、「香港独立」を掲げる人民を根こそぎ逮捕し、香港人民を中国政府・中国軍のもとに直接くみしいて、「一国二制度」を最後的に葬りさる暴挙にふみきったのだ。それはまさに、「社会主義市場経済」などという強欲なブルジョアどもを幻惑する看板の背後に隠してきたスターリニスト権力者としての血塗られた本性をむきだしにしたものにほかならない。
 この香港人民にたいする北京官僚の暴挙は当然にも、台湾の蔡英文政権をしてますます「台湾独立」への志向を強めさせている。だが、いずれは台湾を国家的に統一することをあくまでも中国の「核心的利益」と位置づけているのが習近平政権であって、彼らは先の全人代の政府活動報告において「台湾の平和統一」という従来の文言からわざわざ「平和」を削除してみせたのであった。そして、彼ら北京官僚政府は、南シナ海を事実上領海化したことにふまえて、いまや尖閣諸島を奪取する策動を強めるとともに、台湾海峡へ・さらには西太平洋へと海・空軍を展開させているのだ。
 こうした習近平政権による「中華ナショナリズム」の外にむかっての強硬な貫徹にたいして、アメリカのトランプ政権は、香港の「一国二制度」の破壊にたいしては弱々しい制裁を発動するとともに、蔡英文政権をバックアップするために米艦に台湾海峡を通過させる軍事的デモンストレーションをくりかえしている。
 こうしていまや台湾海峡は、米中両軍が対抗的に軍事行動をくりひろげる一触即発の緊迫した状況にあるのである。
 習近平政権は、「建国一〇〇年」の二〇四九年には「社会主義現代化強国」を建設するという国家的目標をうちだし、中国国家が「世界の中華(=中心)」として君臨することを世界戦略としている。この国家的目標にむかって突進を開始したのが、習近平率いるネオ・スターリニスト中国なのだ。
 そしてこうした習近平政権と結託して、対米挑戦にうってでているのが、プーチンのロシアである。依然としてアメリカに並ぶ核大国であるロシアは、「大国ロシアの復権」という国家戦略を実現するために、中国と実質上の軍事同盟を結んでいる。そしてこの「大国ロシアの復権」を大義名分として、「現代の雷帝」を気取るプーチンは、みずからが二〇三六年まで大統領の座に居座ることを可能にする憲法の改定を強行し、強権的=軍事的支配体制をますます強化しているのだ。
 こうした米―中(露)の冷戦のもとで、トランプ政権は、四ヵ月後に迫った大統領選の劣勢をくつがえすことをも狙って、「偉大なアメリカの復興」を掲げ国家エゴイズムをむきだしにしつつ「世界の覇者」たらんとする中国を封じこめるために躍起になっている。「中国共産党独裁統治の世界への拡大を許すな」などと叫びたてながら(議会むけ政府報告書)。その環をなすのが、同盟国である属国・日本およびオーストラリアを従えての、対中国軍事的包囲網の構築にほかならない。
 パンデミック下で、二十一世紀の「覇権」をアメリカからもぎとる策動にうってでたネオ・スターリン主義国家中国と、これをなんとしても阻まんとする没落帝国主義国家アメリカとがいま全面的に激突している。この米中冷戦のもとで、戦争勃発の危機がいやましに高まっているのだ。

熾烈化する米―中・露の核戦力強化競争

 南シナ海を文字通り中国の領海≠ニしてうちかためるために習近平政権は、軍事拠点化した南沙・西沙の両諸島に「特別行政区」を設置し、南シナ海上空全域に「防空識別圏」を宣言する準備をすすめている。しかも、この政権は、東アジアにおける米軍の拠点たるグアムや在日米軍基地、西太平洋に展開する米空母を射程に入れた中距離ミサイル二〇〇〇発を、中国本土に配備しているのだ。
 この中国陸・海・空軍の一大増強にたいして、南シナ海と台湾海峡に米軍艦隊を突入させ、中国軍の眼と鼻の先で軍事的威嚇を強行しているのがアメリカのトランプ政権なのである。中国が南シナ海で軍事演習を展開していた七月四日には、この演習に対抗して、同じ海域に原子力空母二隻を送りこみ演習を強行したのだ。まさに一触即発!
 トランプ政権のアメリカ製ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」導入要求を唯々諾々と受け入れてきた安倍政権は、六月末になってその設置計画を突如として撤回した。だが安倍政権は、北朝鮮・中国の軍事拠点を先制的に攻撃する「敵基地攻撃能力」を日本国軍がもつことを強力に迫るアメリカ政府の要請にあくまでも応えようとしているのだ。
 東アジアにおける中距離ミサイルの配備競争を焦点として、米・中は自国核戦力の相互対抗的強化につきすすんでいる。
 トランプ政権は、自国核戦力の強化にとって足かせになるとみなして、米・露間の「中距離核戦力全廃条約」を一方的に破棄した。「中国が参加しない軍縮交渉は意味がない」と称して、「新戦略兵器削減条約」の延長を拒否している。これにたいして、中・露両権力者は、アメリカのミサイル防衛システムをかいくぐる新型ミサイルの開発と実戦配備をおしすすめている。
 中国およびロシアと、アメリカとの核戦力強化競争が、新たな次元において熾烈化しているといわなければならない。そればかりではない。米―中・露の権力者は、生物・化学兵器の開発に狂奔している。そもそも猛威をふるっている新型コロナウイルスの出所は、中国軍の監督下でコロナウイルスの研究にたずさわっていた武漢のウイルス研究所であって、米―中・露の権力者どもは現下のパンデミックを目のあたりにして、生物化学兵器の開発にますます拍車をかけるにちがいないのだ。

パンデミック恐慌下で戦争と貧困を強制する権力者どもを打ち倒せ!

 全世界の労働者・人民諸君! 中東では、トランプ政権が、ロシアと中国を後ろ盾にして台頭するシーア派反米国家イランにたいして、経済制裁と軍事的圧力を一段と強めている。中東・ペルシャ湾岸での戦争の危機が高まっているのだ。トランプに庇護されたイスラエル・ネタニヤフ政権は、ヨルダン川西岸パレスチナ人自治区内のユダヤ人入植地をイスラエルに併合する策動を強化している。パレスチナ占領者イスラエルを弾劾せよ! シリアにおいては、ロシアに庇護されたアサド政権が、反政府勢力の最後の砦イドリブにたいして、人民皆殺しの爆撃をつづけている。断じて許すな!
 世界の労働者・人民諸君! 各国の独占資本家どもは今、大量解雇・賃金切り下げの攻撃を労働者にふりおろしている。劣悪な環境で低賃金で働かされ使い捨てにされた黒人や移民の・またあらゆる人種の貧しい非正規雇用労働者たちは、飢餓と感染死に追いやられている。マネーゲームに狂奔する資本家・資産家どもは、政府による株価の人為的吊り上げによって、この数ヵ月で巨万の富を蓄えた。各国の権力者は、独占資本の救済のために莫大な国費を投じておきながら、困窮する人民は見殺しにしているのだ。アメリカからイギリスをはじめとするヨーロッパ諸国、世界中に人種の別をこえてひろがりつつある「人種差別反対」「格差拡大反対」デモは、こうした現実にたいする貧しき労働者たちの反逆にほかならない。
 パンデミック下で拡大する富める者と貧しき者との「格差」とは、搾取する者と搾取される者との対立にほかならない。この資本家と労働者の階級対立が、パンデミック恐慌のなかで、むきだしの姿をあらわにしているのだ。「市場社会主義国」中国でも、二億の農民工が首を切られて路頭に放り出された。そればかりではない。資本主義諸国の権力者は、ブルジョア民主主義の装いさえかなぐり捨てて、強権的支配体制の強化に突進している。一切の犠牲を労働者に強制している資本家と権力者どもにたいして、たたかう人民は、今こそ労働者階級としての団結をうちかためて、反撃にうってでようではないか。
 年金制度改悪に反対する労働組合のスト・デモ・集会を、フランス権力者マクロンは「今は戦時だ」とほざいて弾圧した。チリのピニェラ政権は、人民の燃え上がる反政府闘争を軍隊を動員して圧殺した。アルゼンチンやギリシャでも同様だ。各国権力者は、「感染対策」に乗じて、強権的支配体制の強化につき進んでいる。今こそ、反撃に起とう!
 戦争の危機と貧困におおいつくされた暗黒の二十一世紀世界をくつがえしうるのは、搾取され支配される労働者階級の国際的に団結した闘いのみだ。今こそ、「社会主義大国」を自称し二十世紀世界を翻弄したニセ社会主義たるソ連スターリン主義の崩壊(一九九一年)の根拠と必然性にめざめ、国家と階級を廃絶して真の社会主義・共産主義を建設するための新たな歩みを開始しようではないか。帝国主義とスターリン主義に抗してたたかう労働者階級の組織的闘いの創造のために邁進してきたわが日本の革命的左翼は、その先頭に立つ。
 世界の労働者・人民諸君! 米中冷戦下で高まる戦争勃発の危機をつき破る反戦闘争を、今こそ創造しよう! 米―中・露核戦力強化競争反対!
 日本人民の闘いに包囲され、ガタガタの末期症状を呈している安倍は、なおも政権の座にしがみつきつつ、日本国憲法のネオ・ファシズム的改悪の機をうかがっている。だが、労組ナショナルセンター「連合」の指導部は、政労使協議に埋没し、安倍政権に反対する労働者の闘いの抑圧に狂奔している。日本共産党中央指導部は、「〔非常時の〕今は安倍政権打倒とは言わない」と公言さえしているのだ。こうした既成反対運動指導部の腐敗をのりこえ、われわれは、安倍政権への反撃を職場・学園から創造してきた。
 わが全学連は、五月八日、新型コロナウイルス緊急事態宣言下の厳戒態勢をうちやぶり、「貧窮人民を見殺しにする安倍政権打倒!」を掲げて、首相官邸への緊急闘争に決起した。また六月十四日には、全学連と反戦青年委員会の労働者・学生は、首相官邸とアメリカ大使館にたいする戦闘的デモを敢行した。米中冷戦下の戦争勃発の危機を突破する革命的反戦闘争の火柱を赤々と燃え上がらせたのだ。
 全世界の労働者・人民諸君! われわれと共に、反戦闘争の大奔流をまきおこそう! パンデミック恐慌下で犠牲を強制された世界の人民の怒りは、いやがうえにも高まっている。この怒りを階級的自覚へと高め、プロレタリア階級闘争の全世界的蘇生をかちとれ。今こそ労働者階級の国境をこえた団結を創造せよ!
(二〇二〇年七月四日)
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香港国家安全維持法の制定・施行弾劾!

中国ネオ・スターリニスト権力による香港人民大弾圧を許すな


 中国・習近平政権は六月三十日に、「香港国家安全維持法」(以下「国安法」と略す)を制定し、その日の深夜にこれを施行した。「香港独立」を叫ぶ労働者・学生・人民を根こそぎに圧殺するために習近平を頭とするネオ・スターリン主義官僚政府は、「国家分裂・政府転覆・テロ・外国勢力との結託」の「犯罪」およびそれをたくらむ者を処罰する(最高刑は終身刑)と謳う国安法を施行したのだ。この法律の執行機関として中央政府=党中央直轄の「国家安全維持公署」を香港に設置し、これに香港行政府を超える権限を与えた。特定の被疑者は中国本土に送還する(闇から闇への抹殺!)と国安法に明記した。まさしく香港の「一国二制度・高度な自治」を、習近平政権は完全に破壊したのである。
 習近平政権は、「天滅中共」を叫ぶ「香港独立派」の若者たちを片っ端から逮捕し血祭りにあげながら、「一国二制度」の「二制度」の遵守を求める「民主派」(立法会の最大野党・民主党など)の重鎮たちをこの「独立派」の「黒幕」などと烙印して大弾圧にふみだしている。香港警察は「民主派」の指導者・活動家を大量に逮捕し、「デモ支持」を表明してきた商店や企業経営者を恫喝して回っている。過去の言動(デモ参加やSNSへの書き込み)に遡っての処罰もありうると脅している。まさに中国国家と党への忠誠を誓うか・否か(国外に逃亡するか)の選択を、すべての香港人民に迫っているのである。ここに露わになっているのは、スターリン主義権力の残忍さ・反人民性にほかならない。
 われわれ日本の反スターリン主義革命的左翼は、習近平政権による国安法の制定・施行と香港人民にたいする大弾圧を、満腔の怒りを込めて弾劾する。習近平指導部がむきだしにした強権性・犯罪性は、まさにスターリン主義の本性そのものであることを、全世界の労働者・人民は直視せよ。わが反スターリン主義革命的左翼とともに習近平政権弾劾の闘いに起ちあがれ!

パンデミックに乗じた「一国二制度」の破壊

 習近平指導部は、「五十年間は一国二制度を守る」というケ小平の約束≠、二十三年目にして投げ捨てた。この政権は、新型コロナウイルスのパンデミックのもとでの経済的危機にあえぎ対中国輸出や中国からの投資の維持を必要としている帝国主義諸国の足もとを見て、香港「一国二制度・高度な自治」の破壊にふみきったのだ。
 アメリカを除く帝国主義諸国の政府は、「一国二制度」の破壊を口先で非難しても、対中国の制裁措置などまったく実施していない。それぞれの国家的利益を優先する彼らは、世界最大の中国市場を捨てはしないのだ。「五十年間の一国二制度維持」を中英協定でとり交わした当事者たるイギリスのジョンソン政権も、国安法の制定を口先では非難しても、香港ドル発券銀行たるイギリスの大手銀行が「国安法支持」を表明するのを黙認したのだ。
 現実に制裁措置をとったのはアメリカ・トランプ政権だけだ。このトランプのアメリカとの全面的対決に習近平政権はふみだした。アメリカが武漢発新型コロナ感染の世界最悪の感染国に転落していることに乗じて、習近平政権は、二十一世紀世界の<覇者の座>をアメリカから奪取せんとしているのである。
 香港・ウイグル・チベット・台湾問題をとりあげて「中国共産党の全体主義的支配」を非難しているトランプ政権と米議会をば、習近平政権は、香港の「独立派・民主派」を支援して「カラー革命」――ウクライナなどの旧ソ連圏における親米政権樹立のクーデタ――の中国版を画策し、もって中国の国家分裂を狙っていると非難している。彼らは「社会主義現代化強国」実現という国家戦略にのっとって、中国の「国家分裂」の阻止を最大の「核心的利益」と位置づけ、実際に「香港独立」を叫ぶ人民を徹底的に弾圧しているのだ。新型コロナウイルス感染にアメリカがあえいでいる今を好機として、「アメリカの手先」と烙印した香港の「独立派・民主派」を根絶する大弾圧にふみだしたのである。
 習近平政権は、香港に中央政府直轄の治安弾圧体制を敷いた。「香港独立派・民主派はアメリカの手先、アメリカの国家分裂策動を阻止せよ」と吹きこんだ人民解放軍兵士や公安要員を、香港に大量に送りこんでいるのである。

二十一世紀の天安門事件≠許すな!

 われわれ日本の反スターリン主義革命的左翼は、北京ネオ・スターリニスト官僚政府の二十一世紀の天安門事件≠ニもいうべき凶暴な人民弾圧を、腹の底からの怒りをもって弾劾する。自称「社会主義国」の政府=党に反抗する人民が――たとえ香港の多くの人民が米欧的「自由と民主主義」への憧憬を抱き・その実現を求めていたのだとしても――スターリニスト権力によって、またしても、無残に弾圧されている。これにたいしてわれわれは、反スターリン主義者としての怒りと憤りを、いま新たにしている。歴史的犯罪を重ねるスターリン主義を打倒せよ! そのための闘いに、香港の、中国本土の、そして全世界の労働者・人民が、わが日本の反スターリン主義革命的左翼とともに起ちあがるべきことを呼びかける。
 われわれ日本の反スタ左翼は、習近平政権の香港人民弾圧を弾劾する闘いに何次にもわたって決起し、全国の学園・職場において、北京官僚を弾劾する闘いに起ちあがるべきことを学生・労働者・人民に呼びかけつつたたかっている。
 そして香港人民に呼びかけてきた――一九五六年に勃発したハンガリー革命とその挫折いらい、自称「社会主義国」でいくたびか起こった勤労人民の反政府闘争とその敗北の教訓に学ぼう。とりわけ一九八九年天安門事件の血の教訓をかみしめよう、と。
 「ソ連圏における第二革命の問題は権力の問題であるだけではなく同時に組織問題なのであって、虚偽の前衛党としてのスターリン主義党を革命的に解体することを通じて真の労働者党を創造することが革命に勝利する実体的根拠なのである。」(黒田寛一「決起したポーランド労働者」『ソ連圏革命論ノート』こぶし書房刊、二三九頁)
 香港の労働者・学生・人民は、ネオ・スターリニスト国家中国の本質を、「中国の特色ある社会主義」なるものの反プロレタリア的本質を自覚し、みずからが真にめざすべきものは何かを自覚せよ。そして非公然の組織(地下党)を創造する闘いに着手せよ。ネオ・スターリン主義官僚専制支配のもとで匍匐(ほふく)前進をつづける中国本土の労働者・人民との階級的連帯を築く闘いを開始せよ。スターリニズムの本質を自覚した共産主義者からなる真実の前衛党を建設する困難な闘いこそが、北京官僚政府の専制支配をうち破り・香港人民の<未来>をきりひらくただひとつの道なのだ。
 日本の、そして全世界の労働者・学生・人民は、いまこそわが革命的左翼とともに、香港人民にたいする北京ネオ・スターリニスト権力の大弾圧を弾劾する闘いに起て! <反帝国主義・反スターリン主義>の旗のもとに決起せよ!
(七月五日)
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パンデミック恐慌下の日銀の「資金繰り支援」策の反人民性

 <パンデミック恐慌>の世界的爆発――米・欧・中・日の各国権力者が新型コロナウイルス感染拡大防止のために発令し実施してきた国境閉鎖・都市封鎖・人民の外出規制、これらによって経済のグローバル化のもとで形成されてきた国際的なサプライチェーンが寸断・破壊された。日本においても、製造業などの物質的生産が停止・途絶に追いこまれ、観光・レジャー・飲食をはじめとする商業・サービス産業が需要急減にみまわれている。諸独占体・企業の資本家どもが労働者に大量の解雇=失業・雇い止め・一時帰休、賃金不払い・切り下げの犠牲を強制し、労働者・人民は貧窮の奈落に叩きこまれている(とくに非正規雇用労働者数は四月に前月比で一三一万人も減少している)。
 こうした経済危機のもとで日銀・黒田当局は、「経済のV字回復」を願望する安倍政権の意を体して「企業の資金繰り支援」を柱とする超金融緩和策にのりだした。その内実は、労働者に過酷な犠牲を強いる諸独占体への支援を基本としているのであり、きわめて反人民的なシロモノにほかならない。

以下、見出し

独占諸資本救済・支援の膨大な資金供給

財政赤字・財政危機の労働者・人民への犠牲転嫁
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6・30那覇

「中国の香港国家安全法制定弾劾!」

沖縄県学連が抗議の街宣

 六月三十日、沖縄県学連のたたかう学生たちは、中国・習近平政権による「香港国家安全維持法」の可決・成立を弾劾する怒りの街頭情宣にうってでた。
 この日の午前中、習近平政権は、許しがたいことに、中国全人代常務委員会において、国家安全維持法の採決を強行し全会一致で成立させ即日施行したのだ。「一国二制度」にもとづく「高度な自治」を最後的に奪いさり、香港人民の闘いを根絶やしにするために香港の労働者・人民の抗議の声を押しつぶして法制定を強行したのだ。
 この暴挙を断じて許すな! 県学連のたたかう学生たちは、香港でたたかう労働者・人民と連帯し、中国・習近平政権にたいして断固とした怒りをたたきつけたのだ。
中国・習近平政権による香港国家安全維持法制定を弾劾してたたかう県学連の学生
(6月30日、那覇市パレットくもじ前)

  県学連のビラは共感をもってうけとられた
(6月30日、那覇市パレットくもじ前)
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6・23鹿児島

「困窮人民の見殺しを許すな!」

鹿大生 安倍政権打倒を訴え


 六月二十三日、鹿児島大学のたたかう学生たちは、JR鹿児島中央駅前での街頭情宣に断固起ちあがった。安倍政権が強行した「生活補償」なき「緊急事態」の宣言によって、多くの労働者・学生が苦境に追いこまれている。たたかう学生たちは、「政府は人民の生活をただちに補償せよ!」「学費を無償化せよ!」とともに「コロナ禍に乗じた憲法改悪阻止!」の声を大きくあげたのだ。

「がんばれ!」
怒る労働者・学生から声援


 街頭情宣をくりひろげるなかで鹿大生たちは、労働者・市民・学生の圧倒的な共感をつくりだしてきた。たたかう学生たちが情宣を開始するやいなや、二人連れの年配の女性が駆け寄ってきて、「安倍は大嫌い!」「即刻退陣よね!」と政府にたいする怒りを表明した。そして別のある男性は受け取ったビラを読んで「米中の対立の問題も書いているのが偉い」「君たちを応援してます」と、たたかう学生を力強く激励した。「バイトが休業になって本当に大変です」と訴えかける男子学生や「がんばってください!」と声援を送る女子高生。わがたたかう学生とともに拳をあげる高校生の姿もあった。
 まさにいま、労働者人民のなかに安倍政権への怒りが大きく渦まいている。だがしかし、日共中央をはじめとする既成指導部が政府・資本家階級にたいする反撃の闘いをいっさい放棄しさることによって、この人民の怒りの爆発がおさえこまれているのだ。
 まさに、この痛苦な現実を突破するために鹿児島大のたたかう学生たちは、<反安倍政権>の声を大きくつくりだし、さらには<米中冷戦>下での東アジアを舞台にした高まる核戦争勃発の危機を阻止する闘いをつくりだすために、この日の街頭宣伝を断固として貫徹したのだ。
情宣をくりひろげる鹿児島大の闘う学生
(6月23日、JR鹿児島中央駅前)
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