第2625号(2020年6月29日)の内容

<1面>
首都に安倍政権打倒の火柱
6・14
米中冷戦下の戦争的危機を突き破れ!
 全学連・反戦が戦闘的デモ

<4面>
PCRはなぜ増えない――検査体制不備を居直る安倍
◎「PCR検査2万件」?
<5面>
疲弊する大阪市の保健所労働者
苦闘する福岡の医療・介護労働者
Topics 経団連「DX提言」の反労働者性
<6面>
6・14全道労学統一行動 札幌
「辺野古工事再開阻止!」
 6・12、15県学連が先頭で奮闘
<2面>
日米安保の鎖 9
 アメリカ陸軍のマルチドメイン作戦構想
敦賀2号機の再稼働を許すな
 原電が地質データ書き換え
<3面>
「2021年福島復興五輪」の欺瞞を暴く
■パンデミック下のイタリア
週間日誌は3面に掲載
 「解放」最新号

















  

首都に安倍政権打倒の火柱

6・14

米中冷戦下の戦争的危機を突き破れ!


全学連・反戦が戦闘的デモ

 
 「安倍政権を打倒するぞ!」 国会議事堂に向け進撃する労学の白ヘル部隊
(6月14日、東京都千代田区)
 六月十四日、全学連の学生と反戦青年委員会の労働者は、「貧窮人民見殺しの安倍政権打倒!」「憲法改悪阻止!」「<米中冷戦>下での戦争勃発の危機を突き破れ!」を掲げ、首都・東京において断固たるデモンストレーションに決起した。駆けつけた全学連北信越地方共闘会議の学生たちと腕を組み、首都圏のたたかう労学は、同日に北海道・東海の地においてデモに決起した労学とも固く連帯してたたかいぬいたのだ。
 安倍ネオ・ファシスト政権は、<パンデミック恐慌>のもとで一切の犠牲を労働者・人民に強制し、さらには「緊急事態条項」創設をはじめとする憲法改悪への道を開こうとしている。わが労学は、労働者・人民を貧窮の奈落に叩きこみ、憲法改悪に血道をあげる安倍政権打倒の火柱を燃えあがらせたのだ。
 いま、凋落を露わにするアメリカ帝国主義と、これを一挙に追い抜き世界の「超大国」にのしあがらんとする習近平中国とが香港や台湾を焦点として角逐し、戦争勃発の危機をいやましに高めている。この<米中冷戦>下の戦乱勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の炎を赤々と燃えあがらせるぞ! 決意も固く、わがたたかう労学は、断固としてたたかいぬいたのだ。

国会・首相官邸・米大使館に進撃

 午後二時三十分、全学連と反戦青年委員会の白ヘル部隊が、芝公園二十三号地を出発した。先頭には、「貧窮人民見殺しの安倍政権打倒! 憲法改悪阻止!」と大書された横断幕と、真紅の全学連旗・反戦旗・革マル派旗が高々と掲げられている。デモ隊は「大量首切り・賃下げ攻撃を打ち砕け!」「辺野古新基地建設阻止!」「米中冷戦下の戦争勃発の危機を突き破れ!」「政府・独占資本による<パンデミック恐慌>の犠牲強制を許すな!」などと書かれた色とりどりののぼりを翻し、雨をついて愛宕下通りを勇躍北上する。
 
 首都中枢を席巻する全学連・反戦のデモ隊(6月14日、港区)
 「改憲阻止!」「内閣打倒!」デモ隊の気迫に満ちたかけ声が沿道一帯に轟きわたる。
 さらに労学は、シュプレヒコールをあげる。「貧窮人民を見殺しにする安倍政権弾劾!」「<米中冷戦>下の戦争的危機を突き破るぞ!」「日米新軍事同盟の強化反対!」「習近平政権による香港人民への大弾圧を許さないぞ!」
 愛宕一丁目交差点にさしかかると、デモ隊の左手にはアメリカ大使館がある。パンデミック下でアメリカの労働者・人民を貧窮に突き落とし、「人種差別」と「格差拡大」に抗議するデモに起ちあがる人民の弾圧に狂奔しているのがトランプ政権だ。このアメリカ権力者にたいして、デモ隊の労学は怒りの拳を叩きつけた。
 「トランプ政権によるデモ弾圧を許さないぞ!」「辺野古新基地建設阻止!」「安保破棄めざしてたたかうぞ!」「アメリカの核戦力の強化反対!」
 デモ隊は、さらに国会をめざして進撃する。西幸門前交差点を左折すると、デモ隊の正面には国会・首相官邸がある。マイクを持つ女子学生が訴える。「数多の労働者・人民を困窮の地獄に突き落とす安倍政権を断じて許すな! 改憲・安保強化の攻撃を打ち砕け!」
 「大量解雇・賃金切り下げ反対!」「『緊急事態条項』の創設反対!」「憲法九条の改悪阻止!」「日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化反対!」「安倍政権を打倒するぞ!」怒りに燃えるデモ隊の労学は、眼前の国会にたいしてシュプレヒコールを叩きつけた。
 こうして、結集した労学は、日比谷公園までのデモを終始戦闘的にたたかいぬいたのだ。

今こそ革命的反戦闘争に起ちあがれ! ――総決起集会

 デモに先だって、全学連と反戦青年委員会の学生・労働者たちは、芝公園二十三号地において総決起集会をかちとった。
 午後一時、中澤全学連書記長が集会の開始を宣言し、ただちに有木全学連委員長が基調提起に立つ。
 彼は冒頭、安倍政権が生活補償なき「緊急事態宣言」を延長した直後の五月八日、全学連の白ヘル部隊が首相官邸にたいする緊急闘争に決起し、敵権力をして震撼せしめたことを誇らかに報告した。そして、「わが全学連を先頭とする闘いの力によって、検察庁法改定の策動を木っ端微塵に粉砕し、安倍政権を断崖絶壁に追いつめている。今こそガタガタ安倍政権を追撃し打ち倒せ!」「『安倍政権打倒』の旗をみずから降ろし、政権延命に手を貸す日共中央を弾劾したたかおう!」と訴えた。
 彼は、労働者・人民への生活補償をなおざりにし独占資本救済に血道をあげる安倍政権を弾劾するとともに、反戦反安保・改憲阻止闘争の爆発をかちとるべきことを断固訴えた。「安倍政権は一昨日、辺野古新基地の工事再開を強行した。沖縄の労学と連帯し、新基地建設を断固阻止しよう! 日米新軍事同盟の強化反対! 安保破棄めざしてたたかおう!」「安倍政権による憲法改悪を許さず<反ファシズム>の旗幟鮮明にたたかおう!」
 同時に、有木委員長は、「米中が激突し戦乱が勃発する危機が高まっている。今こそ革命的反戦闘争の炎を燃えあがらせよう!」と熱烈に呼びかけた。
 「ヨシ!」満場の労学は有木委員長の基調提起をがっちり受けとめた。
 次に、反戦青年委員会の代表が発言に立った。彼は開口一番、「コロナ危機」を口実にして賃金カット・解雇・雇い止めの攻撃をうちおろす資本家どもへの憤激をみなぎらせ訴えた。「われわれ労働者を窮乏生活に追いこんでいるのが独占資本家どもであり、なんの補償もせず外出自粛・休業を強制してきた安倍政権だ。まったく許しがたい!」「今このときに『連合』労働貴族は、資本家どもによる解雇・雇い止めの攻撃に何の反撃もおこなっていないではないか!」彼は、テレワーク推進とジョブ型雇用・成果主義賃金の導入を一挙的におしすすめ労働者を強搾取せんとしている独占資本家どもの攻撃を打ち砕くために、「連合」労働貴族を弾劾してたたかう決意を表明した。労学が惜しみない拍手で応える。
 会場の熱気が高まるなかを、わが革共同革マル派の代表が連帯あいさつに立った。彼はまず、「米中の全面的な激突のもとで高まる戦争勃発の危機を突破する反戦闘争を断固として創造せよ!」と高らかに呼びかけた。中国・習近平政権は全人代において「国家安全法制」を香港に導入する決定を強行した。この政権は、「一国二制度」を最後的に葬りさり、香港人民の闘いを根絶やしにする一大攻撃にのりだしたのだ、と彼は怒りをこめて弾劾した。そして、この習近平政権にたいしてトランプ政権が、貿易やビザ発給にかんする香港への「優遇制度」の撤廃をふりかざしている。このトランプ政権によるWHO総会への台湾のオブザーバー参加ゴリ押しを、習近平政権は傲然とはね返した。米・中両権力者は、いま台湾周辺で、南シナ海で軍事行動の応酬を激化させている。このように米・中の激突が熾烈を極めていることを彼は暴きだし訴えた。「いま世界は、アメリカを一挙に抜きさることをめざして政治的・軍事的攻勢をしかけるネオ・スターリン主義中国と、この中国を今のうちに叩きのめさんとする没落帝国主義アメリカとが全面的に対決する米中冷戦構造をなす。われわれは、今こそ<米中冷戦>のもとでの世界的な戦乱勃発の危機を突破する革命的反戦闘争を断固創造しよう!」
 つづいてわが同盟代表は、「人種差別」と「格差の拡大」に怒りを爆発させるアメリカ人民にたいして強権的弾圧をふりおろすトランプ政権、および農民工をはじめとする二億人もの労働者を路頭に放りだしている習近平政権を弾劾しつつ、全世界の人民に向かって高らかに呼びかけた。「今こそ万国の労働者は団結し、人民を熱核戦争の危機と貧困の奈落に沈める各国権力者を打倒せよ! その闘いの旗は<反帝国主義・反スターリン主義>である!」
 わが同盟代表の熱き提起に、会場の労学は万雷の拍手で応えた。
 つづいて本闘争に駆けつけた全学連北信越地方共闘会議のたたかう学生が発言に立った。彼は、キャンパスが閉鎖され学生が集まれないという困難をも突き破り、学生自治会の団結を強化しつつ大学当局や安倍政権にたいして学費減免や生活補償を要求する闘いを創造してきたことを報告した。そして本闘争をたたかう決意を鮮烈に表明した。集会の最後に、たたかう早稲田大生が、全早大生に、困窮学生を切り捨てる安倍政権を弾劾し学費無償化と生活補償をかちとる闘いへの決起を呼びかけ奮闘してきたことを生き生きと報告し、本闘争を最先頭でたたかう決意を表明した。
 こうしてたたかう決意をがっちりとうち固めた労学は、意気軒昂とデモにうってでたのである。

パンデミック恐慌下で人民に犠牲を強制する安倍政権を打倒せよ!

 全学連と反戦青年委員会のたたかう労学は、<パンデミック恐慌>下で労働者・人民に一切の犠牲を強制する安倍政権にたいして、「貧窮人民見殺しの安倍政権打倒!」「憲法改悪阻止!」を掲げ断固たる大衆的反撃の闘いを首都中枢に燃えあがらせた。
 政府・独占資本家どもは労働者・人民に未曽有の失業と貧困を強制し、また安倍政権は「コロナ危機」に乗じて憲法への「緊急事態条項」創設を叫びたてている。この局面にあって、「連合」労働貴族どもは、安倍政権の経済対策に賛意を示し政府・資本家にたいする何らの反撃の闘いも組織していない。また日本共産党中央は、安倍政権がうちだした第二次補正予算を「世論の力で支援拡充」などともちあげているありさまだ。まさにこうした既成指導部の腐敗を弾劾し、たたかう労働者・学生は、今こそ労働組合や学生自治団体のもとに団結を創造し、<パンデミック恐慌>下の政府・独占資本による犠牲強制と、安倍政権による憲法改悪の攻撃を打ち砕く決意に燃えて断固としてデモをたたかいぬいたのだ。
 さらにたたかう労学は、この日、米中の角逐のもとで高まる戦乱勃発の危機を突き破る革命的反戦闘争の烽火を、日本の地において赤々と燃えあがらせた。
 まさに今、中国ネオ・スターリニスト政府は、アメリカ帝国主義が「世界最悪の感染国」となり未曽有の経済的破局にあえいでいるこの機に、アメリカを抜きさり「世界の中華」にのしあがるという国家戦略を実現せんと突進している。香港「一国二制度」を葬る「国家安全法」導入、台湾のWHOからの締めだし、台湾における激突に備えての南シナ海の「中国の内海化」などの攻勢に打ってでている。これにたいして没落軍国主義帝国アメリカのトランプ政権は、習近平中国がアメリカを追い抜くことをなんとしても阻止しようと、その軍事的・政治的・経済的の挑戦を打ち砕くことに躍起となっている。こうした米・中両国家の激突ゆえに、いつ戦火が噴きあがるともしれない危機が高まっているのだ。
 こうした極めて緊迫した情勢のもとで、わが労学は、「<米中冷戦>下での戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争を巻きおこせ!」という革命的スローガンを高々と掲げ、全世界人民に危機を直覚し反戦闘争に決起するべきことを呼びかけつつたたかいぬいた。アメリカ権力者が「属国」日本の権力者を従えて日本列島を対中国最前線の拠点としてうち固めようとしていることにたいして、日米核安保粉砕の炎を燃えあがらせた。まさにこの闘いによって、わが労学は全世界人民にたいして、没落軍国主義帝国アメリカとネオ・スターリン主義中国とが相互に核戦力を強化しあいながら激突する世界的な戦乱勃発の危機を、プロレタリア国際主義にもとづき突破する方途を鮮明にさししめしたのである。

 すべての労働者・学生諸君!
 安倍政権は、わが闘いによってガタガタだ。前法相・河井夫妻の選挙運動における買収による逮捕や、「持続化給付金」事業を安倍自民党とつながりの深い企業の食い物にした悪行の暴露にも直撃されダッチロールに陥っている。反人民性をむきだしにしている安倍ネオ・ファシスト政権をさらに追撃せよ!
 首相・安倍は国会閉会後の記者会見で、「みずからの自民党総裁任期中に改憲を成し遂げる」などとほざいた。安倍政権による憲法第九条改悪と「緊急事態条項」創設を柱とする憲法改悪を絶対に粉砕せよ! トランプのアメリカに付き従い、辺野古新基地建設やアメリカ製兵器の大量購入に突き進むこの政権を断じて許さず、改憲阻止・反戦反安保闘争の爆発をかちとれ!
 <パンデミック恐慌>下での政府・支配階級による労働者・人民への犠牲強制を打ち砕け! <米中冷戦>下の戦乱勃発の危機を突き破る反戦闘争をさらに大きく巻きおこせ!
 今こそ、労働者・学生の団結を創造し、安倍政権打倒へ進撃せよ!
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PCRはなぜ増えない――

検査体制の不備を居直る安倍


「人的な目詰まり」?!
責任を回避する安倍


 五月二十五日に「緊急事態解除宣言」をおこなった首相・安倍は、「一ヵ月半」で新型コロナウイルスの感染蔓延を終息させたなどと、それがみずからの成果≠ナでもあるかのように吹聴した。ふざけるな! 日本において初めての感染者が一月に確認されて以降、今日までの約五ヵ月間にわたり、医療も検査も生活補償も、すべてデタラメなことをくりかえしてきたのが安倍政権ではないか!
 首相・安倍は緊急事態宣言の延長前には、PCR検査の実施数が伸びないことのブザマな弁明をくりかえしていた――「本気でやる気がなかったわけではまったくない。PCR(検査)をやる人的な目詰まりもあった」と(五月四日)。感染が蔓延した四月には、発熱し症状が進行しているにもかかわらず感染を確定するためのPCR検査を受けることもできずに、また遅れて実施しても、症状悪化により死亡した人もいた。このような痛ましい事態についても、この輩は「目詰まり」などと一切の責任を保健所・検査機関・医療機関にあるがごとく他人事として語ったのだ。なんという人非人的言辞だ。
 そもそも政府・厚生労働省が、新型コロナウイルスの感染疑いでの相談・受診の目安を「三七・五度以上の発熱が四日以上つづいた場合」とするようにと「帰国者・接触者相談センター(保健所等)」に指示したではないか。そのうえ、「帰国者・接触者外来(非公開)」にて受診、そこでPCR検査の必要性を確認してようやく検査という何段階ものハードルを作ったのは、政府・厚労省じしんではないか(二月十七日)。〔ちなみに厚労省は、感染拡大の勢いがすでに弱まり始めた五月になってからようやく、「三七・五度以上の発熱が四日以上つづく」という「目安」を示した通達内容を変更した。その理由を説明すると称して、「目安を基準と誤解された」などとうそぶいた(五月八日)のが厚労相の加藤だ。〕
 三月に入ってからは、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの「パンデミック(世界的大流行)宣言」を出し(三月十一日)、事務局長テドロスが「(今なすべきなのはとにかく)検査! 検査! 検査!」(三月十六日)と世界中にアピールを発していた。にもかかわらず、なんとしてもオリンピック・パラリンピック中止を避けたかった安倍は、検査で陽性と確定する感染者の人数を増やしたくなかったのである。安倍政権は、クラスター対策に軸をおく「封じ込め」を「クラスター班」に丸投げしただけで、検査体制の再構築などまったく手を付けなかった。形ばかりは「PCR検査」の保険適用(三月六日)をうちだすも、相談窓口や検体採取・運搬・検査施設などの体制をどうつくり直すのかの具体的な手立てを一切構想もせず、また指示することもなく、そのあげくにオリ・パラの延期を確認した(三月二十四日)その後になって、首相・安倍は「PCR検査を一日二万件にする」と公言しだしたのだ(四月六日)。
 日本において感染者が確認された一月以降、新型コロナウイルスの唯一の感染確認方法としてあるPCR検査をおこなってきたのは、保健所、地方衛生研究所、感染研、検疫所等であり、一日あたりの検査実施可能件数は約九〇〇〇件といわれている。だが、実際の検査実施件数は、今日、民間検査機関を含めても、一日五〇〇〇件から六〇〇〇件でしかないのである。安倍がただただ「PCR検査を一日二万件にする」と吹聴し、号令をだしているだけでは、検査件数が増えるわけではないのだ。
 PCRの検査体制について保健所・医療機関・検査施設がどのように連携して担っているのか、どこに・どのような問題があるのか――を、安倍はまったくつかんでいない。いや、つかもうとさえしないままに、専門家会議のいう「目詰まり」があったという言辞を借用しているのだ。専門家会議の少なくないメンバーが「目詰まりが解消できないのは政府の責任」とみなしていることにもまったく気づかないのがNSC専制に安住してきた安倍である。

以下、見出し

既存検査体制の延長で対応する愚策
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6・14
「パンデミック恐慌下の犠牲強要反対!」


労学が札幌市街を席巻


 
全道労学統一行動
 
「<パンデミック恐慌>下での犠牲強要反対!」「改憲阻止!」
自民党道連にむけて戦闘的デモをくりひろげる北海道の
闘う労働者・学生の部隊(6月14日、札幌駅前通)

 六月十四日、全道から結集した戦闘的・革命的労働者と全学連北海道地方共闘会議のたたかう学生は、<パンデミック恐慌>の犠牲を労働者・人民に強制する安倍政権・独占ブルジョアジーへの怒りに燃えて札幌市街を席巻するデモンストレーションを戦闘的にうちぬいた。たたかう労・学は、<米中冷戦>下で高まる戦争勃発の危機を突き破る反戦闘争にすべての人民が起ちあがるべきことを呼びかけつつたたかいぬいたのだ。

戦闘的デモに圧倒的共感

 午後二時過ぎ。うす曇りの空の下、中央区の中島公園で隊列を組んだ白ヘル・ゼッケン姿の労・学は、自民党道連に向けてデモ行進を開始した。
 「<パンデミック恐慌>下での犠牲強要反対!」「首切り・雇い止めを許さないぞ!」労・学のシュプレヒコールが繁華街に響き渡る。デモ隊の勇姿に歩道を歩く市民の目がいっせいに注がれる。横断幕やのぼり・プラカードを見つめるどのまなざしも真剣だ。生活補償もせずに「外出自粛・休業要請」を強制してきた安倍政権に誰しもが怒っているのだ。
 「改憲阻止! 内閣打倒!」かけ声をあげながらデモ隊は、大通公園の角を曲がり駅前通を北上する。「緊急事態条項新設反対! <米中冷戦>下の戦争的危機を突き破ろう!」歩道の男性や高校生たちがシュプレヒコールに合わせて拳をつきあげる。学生がデモ隊にかけ寄り、「すごいですね!」と声をかける。
 いよいよ自民党道連の入るビルがみえてきた。たたかう学生がマイクで呼びかける。「貧窮人民を見殺しにする安倍自民党政権にわれわれの怒りをたたきつけようではないか!」「ヨーシ!」怒りに燃えた労・学は、自民党道連にたいしてシュプレヒコールを嵐のようにあびせかける。「貧窮人民見殺しの安倍政権打倒! 憲法改悪阻止!」
 こうしてたたかう労・学は、労働者・人民の圧倒的な共感をまきおこしつつ、札幌市中心部を席巻するデモンストレーションを戦闘的に貫徹したのだ。

大戦勃発の危機を突き破る反戦闘争を!――決起集会

 デモに先立ち全学連道共闘と反戦青年委員会のたたかう労働者は、中島公園において総決起集会をかちとった。午後一時、司会の女子学生が凛とした声で開会を宣言する。「今、安倍政権は労働者・人民の批判の声に追いつめられてガタガタになっています。安倍政権に階級的怒りをたたきつけるときだ!」「ヨシ!」会場の労・学が呼応する。周囲をゆく市民も足をとめ、発言に聞き入っている。
 はじめに全学連道共闘の学生が基調提起をおこなった。第一に彼は、安倍政権の独占資本救済策と棄民政策の反人民性を怒りをこめて暴きだしつつ「政府・独占資本による<パンデミック恐慌>下の犠牲強制に反対しよう! 今こそ安倍政権を打倒しよう! コロナ危機を利用した憲法改悪を阻止しよう!」と呼びかけた。第二に彼は、コロナ・パンデミックを契機とした<米中冷戦>下での現代世界の大戦勃発の危機の高まりに警鐘を鳴らした。そして、この危機を突破する反戦闘争を全世界人民の最先頭で創造するべきことを熱烈に訴えたのだ。
 つづいて、反戦青年委員会のたたかう労働者が決意表明にたった。彼は、安倍政権の反労働者的な「コロナ対策」のもとで犠牲を強制されている労働者たちの苦悩・憤激を一身に体現して、その労働現場の実態を暴きだした。医療・介護・学校・郵政といった各職場の過酷な状況やそこにおける労働者の悩み・苦しみ・怒りを彼は情感豊かに報告した。集会会場の周辺で発言を聞いていた労働者も「そうだ、そうだ!」と共感の声をあげる。「今こそ労働者階級の階級的団結をつくりだして前進しよう!」既成労組指導部の闘争歪曲をのりこえたたかう彼の決意に参加者たちは惜しみない拍手を送った。
 次は、わが同盟の代表の連帯あいさつだ。「新型コロナのパンデミックと経済的破局が相乗する未曽有の危機にある現代世界は、アメリカ帝国主義とネオ・スターリン主義中国とが全面的に対決する米中冷戦の構造を露わにしている。」現代世界の位相をダイナミックにつきだす彼の提起に参加者たちは真剣に聞き入る。
 「この<冷戦>下で戦争勃発の危機がかつてなく高まり、労働者人民は貧窮のどん底にたたきこまれている。この危機を突き破るために、いまこそ<帝国主義打倒! スターリン主義打倒!>の旗を高く掲げ、そのもとに一致団結してたたかおう!」現代世界の危機を根底から覆す方途を赤々と照らしだすわが同盟代表の呼びかけに、すべてのたたかう労・学が万雷の拍手で応えた。
 集会の最後は北海道大学のたたかう学生による決意表明だ。彼は、五月十九日に全学連道共闘と反戦青年委員会が自民党道連にたいして弾劾闘争をうちぬいてきたことを誇りにみちて報告した。彼は「新型コロナの感染拡大下で苦闘する労働者の話を聞くたびに、たたかう学生として労働者階級と連帯してたたかうことが重要だと感じてきた」「資本制社会への憤激に燃えてたたかう決意です!」と締めくくった。「ヨシ!」「ガンバロウ!」すべての労・学が彼のパトスみなぎる決意をガッチリと受けとめた。
 こうしてたたかう決意を燃えたたせた全道の労・学は、安倍政権・支配階級にたいする反撃の狼煙を札幌の地から断固としてぶちあげたのだ。
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辺野古工事再開に怒り爆発

県学連が沖縄人民の先頭で奮闘


 
 工事車両を実力で阻止!
(6月15日午前9時20分頃、キャンプシュワブ・ゲート前)
 六月十二日、許しがたいことに安倍政権・防衛省は、新型コロナウイルス感染拡大のもと二ヵ月にわたって中断していた辺野古埋め立て工事を再開した。
 アメリカ帝国主義トランプ政権の強圧を受け、沖縄県議会選挙(六月七日)が終了するや工事再開を表明した安倍は、ついに辺野古の海への土砂投入を強行したのだ。この暴挙を断じて許すな!
 沖縄では労働者・人民が安倍政権への怒りを爆発させている。沖縄県学連のたたかう学生たちは、怒れる沖縄の労働者・人民とともに工事資材搬入を阻止するキャンプシュワブ・ゲート封鎖闘争に連続的に決起したのだ。

6・12
シュワブ・ゲート前に「安倍政権打倒」の拳


 午前八時四十分、赤ハチマキ・ゼッケンで身を固めた県学連の学生たちは、県内各地から結集した労働者・市民五十名とともにキャンプ・シュワブ工事車両用ゲートを封鎖するかたちで座りこんだ。
 
 「工事再開許さんぞ!」
(6月12日、キャンプシュワブ・ゲート前)
 ときを同じくして、埋め立て工事現場周辺の海域では土砂を積んだ運搬船が護岸に向かっていた。これを阻止すべくカヌーチームと船団は海上保安庁の弾圧に抗して運搬船に肉迫する。果敢に海上闘争をくりひろげるカヌーチーム・船団とあい固く連帯して、労働者・学生・市民はゲートを封鎖する座りこみ闘争をたたかったのだ。
 八時五十分、工事車両用ゲートにダンプカーの車列が到着した。労働者・学生・市民はただちにシュプレヒコールをたたきつける。「新基地建設反対! 工事再開を許さんぞ! 安倍内閣糾弾!」労・学・市民の阻止線に阻まれた工事車両の列は延びていき、その数七十台を超えた。「速やかに退去せよ!」沖縄県警機動隊ががなりたてる。労・学・市民はなおもシュプレヒコールをあげつづける。「規制開始!」県警機動隊が座りこみ部隊に襲いかかる。しかし、団結かたく座りこむ労・学・市民によって、工事車両はまったく動けない。県警機動隊は焦燥感もあらわに座りこみ部隊の暴力的排除にのりだした。たたかう学生がシュプレヒコールをあげる。「埋め立て工事阻止! 辺野古新基地建設反対! 安保強化を許さないぞ!」まわりの労働者・市民もともにこぶしを突きあげる。梅雨明けの灼熱のなか、県学連の学生たちは、労働者・市民とともに約一時間にわたって工事資材の搬入を阻止しつづけ、たたかいぬいたのだ。
 労働者・学生・市民は、次なる闘いの決意を固めるべく集会をおこなった。労働者・市民が次々と発言に立ち、辺野古新基地建設を阻止する決意を述べる。琉球大のたたかう学生が発言に立つ。彼は怒りをほとばしらせて訴えた。「みなさん! 新型コロナパンデミックのもとでアメリカと中国が角逐を激化させ、戦争の危機が高まっています。南シナ海の制海権を奪取する策動に拍車をかける中国・習近平政権に対抗して、アメリカのトランプ政権は日本の安倍政権を従えて日米新軍事同盟の強化に突進しています。沖縄では米軍をフル稼働させ、爆音や墜落の恐怖、そして有毒物質による河川の汚染など犠牲の一切を私たち労働者・学生・市民に強制しているではありませんか! 私たちは米・日の権力者による安保強化に反対しよう! トランプにつき従う安倍政権を打倒しよう!」「ヨシ!」パトスあふれる学生の発言に、労働者・市民は万雷の拍手で応えた。
 集会後、労働者・学生・市民は工事資材搬入を阻止すべく、ふたたび工事車両用ゲートに座りこんだ。
 十二時、工事車両がゲートに到着するや県警機動隊が座りこみ部隊の排除にのりだす。弾圧に抗してたたかう学生が地声でシュプレヒコールをあげる。「埋め立て工事阻止! 辺野古新基地建設阻止! 安保強化粉砕!」学生に呼応して現場指揮者がマイクで音頭をとる。「工事再開許さんぞ! 安倍内閣打倒!」労働者・学生・市民も唱和し、工事車両が通過するゲートを三方から包囲するかたちでシュプレヒコールを嵐のように轟かせた。

6・15
資材搬入を実力阻止!
労・学・市民が座り込み


 
灼熱をものともせず座り込みで工事車両進入を阻止する
労・学・市民(6月15日正午、工事用ゲート前)
 辺野古埋め立て工事を再開した安倍政権に沖縄の人民は怒りを爆発させた。十五日には「オール沖縄会議」の呼びかけのもと、沖縄の労・学・市民が資材搬入を阻止するためにキャンプ・シュワブのゲート前で、そして土砂搬出作業を阻止するために名護市安和と本部港塩川地区で、さらに土砂の陸揚げ・投入を阻止するために辺野古埋め立て工事現場海域で、断固たる闘いを全力でくりひろげたのだ。
 午前八時四十分、キャンプシュワブ・ゲート前に結集した七十名の労・学・市民は闘争歌をうたい士気を高める。沖縄県学連のたたかう学生は「全基地撤去! 安保破棄! 安倍政権打倒!」と大書した横断幕をかかげ、全体を鼓舞する。一〇〇台を超える工事車両が続々とゲートに到着した。「規制開始!」沖縄県警機動隊が、真っ先にたたかう学生をゴボウ抜きする。労働者・市民が猛然と抗議する。「暴力的弾圧やめろ!」「埋め立て工事を阻止するぞ!」排除に躍起となる県警機動隊を弾劾しつつ、労・学・市民はなおも阻止線を維持しつづける。たたかう学生がシュプレヒコールをあげる。「辺野古新基地建設阻止! 日米安保強化反対! 安倍政権を打倒するぞ!」ただちに現場指揮者がマイクで音頭をとり、労・学・市民全体でシュプレヒコールをあげる。団結の力を基礎に、労・学・市民は工事資材搬入を阻止する座りこみ闘争を一時間にわたってたたかいぬいたのだ。
 午後の闘いにそなえて、労働者・学生・市民が集会をはじめる。琉大学生会会長が発言に立つ。彼は、米・中が二十一世紀世界の「覇権」をかけて激突するなか、トランプ政権が沖縄をはじめ日本全国に「使える核兵器」を配備しようとしていることを弾劾した。「まさに米・日両権力者は、対中国の核戦争出撃拠点として辺野古新基地を建設しようとしているのです。私たちは<日米核安保粉砕>をかかげてたたかいましょう!」<反安保>の闘いを熱烈に訴える学生の発言に、労働者・市民が惜しみない拍手をおくる。つづいて発言に立った市民は、「今日は6・15です。六〇年安保闘争の時代から日米安保も大きく変わってしまった。いまや自衛隊は戦う軍隊として強化され、どんどん海外に出撃している。先島への配備も進んでいる」と危機感をこめて語った。そして今こそ安保に反対すべきことを切々と訴えた。
 労働者・市民とともに集会を熱気あるものとして実現したことにふまえ、県学連のたたかう学生はふたたび工事車両用ゲート前で座りこみ、工事資材搬入を阻止するためにたたかった。たたかう学生たちは、結集した労働者・人民とともに、その最先頭で<反安保>の旗高く奮闘したのだ。
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「二〇二一年福島復興五輪」の欺瞞を暴く

人民に被曝と貧窮を強いる安倍政権

以下見出し

五輪中止回避のために感染対策をなおざりに

「福島復興」なる虚構
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