第2613号(2020年4月6日)の内容
<1面>
パンデミック恐慌下での労働者
人民への犠牲強制を許すな!
<2面>
森友疑獄・公文書改竄の真相を隠蔽する安倍政権
土砂搬入阻止に決起 3・19 辺野古
<3面>
地球温暖化を促進する米日欧と中露の権力者
<4面>
自動車総連指導部の賃闘破壊に抗し春闘を闘いぬこう
<5面>
Topics アメリカで週328万人が失業保険を申請
米労働者に「コロナ解雇」の大攻撃
感想 2・9労働者集会に参加して
<6面>
日米安保の鎖 3 米国製兵器を爆買い≠キる安倍政権
新型コロナウイルス出生の闇
『新世紀』最新号(第306号)紹介
週間日誌は5面に掲載
「解放」最新号
パンデミック恐慌下での労働者 人民への犠牲強制を許すな!
こうした新型コロナのパンデミックにたいして、アメリカ、欧州諸国、インドをはじめとする世界の権力者たちは、中国に続くかたちで国境閉鎖や都市封鎖を次々におこなっている。こうした国境封鎖・都市封鎖によって「ヒト・モノ・カネの自由な移動」はストップし、サプライチェーンはズタズタにされている。ほとんどの国で商業、サービス業、運輸業、製造業などのあらゆる産業で経済活動がストップした。工業用の部品、食糧、衣料、医療用品にいたるまですべての物流も停止され、労働者の移動も止められた。世界各国で同時的にモノの移動と生産活動が完全に凍りついたこの事態は――たとえ金融不安を発火点とした恐慌ではないとしても――大恐慌と同様の経済的破局の現出であり、しかも現下の実態経済の凍りつきは逆に金融破綻へと連鎖していくにちがいないのであって、まさしく世界はパンデミックと恐慌とが相乗する<パンデミック恐慌>へと突入したといわなくてはならない。 こうした経済的破局のなかでアメリカ、欧州、日本などの諸国家の独占資本家どもは、まさにおのれの生き残りのために、労働者にたいする大量首切り、雇い止め、賃金切り下げの攻撃をいっせいにふりおろしている。解雇された多くの失業者が、世界中で路頭に投げだされている。まさに世界各地で人民が次々と命を落としているという全人類的危機のなかで、各国の資本家階級は独占資本の延命のためにのみ血道をあげ、一切の犠牲を労働者階級人民に強制しているのだ。 アメリカでは、三月二十一日までの一週間で失業保険給付申請者数が前の週の十倍に増え三二八万件となった。それだけではない。このアメリカには国民皆保険制度が存在しないがゆえに、カネを持っていない貧しき人民(黒人、ヒスパニック、プアホワイト)は、病院にかかることができない。無料の検査をうけて陽性反応がでたとしても高額な医療費が払えないのだ。こうして貧しき感染者から貧しき者へと新たな感染が連鎖的にひろがり、多くの命が奪われているのである。 いま全世界において、パンデミックによる感染の拡大と恐慌の相乗的な進行のもとで、各国政府・資本家が労働者人民に犠牲を強要し、そうすることによって人民のなかに感染が爆発的に広がり・多くの人民が刻一刻と死に追いやられ奈落に突き落とされているのだ。 この世界史的な危機的事態のなかで、われわれは全世界の労働者人民に呼びかける。世界各国の労働者人民と国境を越え階級的な団結を創造しつつ、政府・資本家による一切の犠牲転嫁に断固反対してたたかおう! 全世界のすべての労働者人民は、自国政府の棄民政策を弾劾し、失業者や困窮家庭への生活支援をただちにおこなうことを強く迫れ! 労働者人民を奈落に沈める資本家どもに断固とした闘いを叩きつけよ! 全世界の労働者人民は、この未曽有の危機を突破するために力を合わせて奮闘しようではないか! 新型コロナ対策で反人民性をむきだしにする安倍政権を許すな! 日本においても、東京や大阪などの大都市圏を中心としてウイルス感染が拡大しつづけ、クルーズ船を合わせて感染者二六〇〇人・死者六十人を超えた(三月三十日現在)。 こうした状況のなかで、首相・安倍は、三月二十八日の記者会見において、「爆発的な感染拡大の発生」を避けるために、「外出自粛要請」をだした東京都などの地方自治体との「連携」をはかること、「密閉・密集・密接」の「三密」を避けることなどを呼びかけた。だがしかし、感染者の急速な拡大が目前に迫っているにもかかわらず、公的資金を投入して医療体制を拡充したり・不足する医療物資の緊急供給などを実施することなどの具体策については、何ひとつ明らかにしなかったのだ。 もとより、これまで安倍政権は、まったくおざなりな感染症対策を場当たり主義・ご都合主義的にくりかえしてきただけであり、これによって事態の悪化を招いてきた。 国内で初の感染者が確認された一月十六日いらい、WHO(世界保健機関)が「緊急事態」を宣言(一月三十日)しても、約一ヵ月にわたってなんらの対策らしい対策をとってこなかったのが安倍政権にほかならない。感染者が増え始めたなかで、二月二十七日になって突如として・それも首相専断で、――保護者への休業補償をおこなうことも何ひとつ考えず――、全国の小・中・高の「一律の休校要請」をおこなったのであった。しかも、こうした「休校要請」を発しても、感染者を確認するPCR検査の体制の拡充については、重い腰を上げなかったのが首相・安倍であった。それは、「東京五輪」が「中止」に追いこまれることだけは避けるために感染者数をあまり増やしたくないというネオ・ファシスト安倍の薄汚い魂胆のゆえなのである。 この安倍は、IOC(国際オリンピック委員会)から「東京五輪」の「延期」決定をひきだした途端に、――諸外国からの検査数のあまりの少なさへの非難の高まりにたいする自己保身にもかられて――従来の方針をなしくずし的に転換し、「患者にPCR検査を積極的に受けさせる」という方針を上意下達式に厚生労働省をつうじて医療機関に押しこみ始めた。だがそれは医療現場の実状にまったくふまえないものであった。こうした政府の指示によって、いま医療機関は混乱に突き落とされているのだ。 独占資本救済に狂奔する安倍政権弾劾! 困窮する人民を直ちに救援せよ! そればかりではない。安倍政権がうちだしている「緊急経済対策」なるものは、ブルジョア階級性をむきだしにしたものなのだ。 安倍政権が検討している「支援策」なるものは、将来的に「コロナ危機」が終息した暁に「経済のV字回復」をはたすために、危機におちいった独占資本を救済するというものにほかならない。現在直下に困窮しているすべての労働者世帯にたいして、ただちにかつ直接に生活支援をおこなうものではなんらないのだ。 いま独占ブルジョアどもは、労働者にたいする大量首切り、雇い止め、賃金切り下げなどの攻撃をいっせいにうちおろしている。この独占ブルジョアどもにたいする救済にのみ血道をあげているのが、安倍政権にほかならない。 われわれは、政府・独占資本家による独占資本生き残りのための労働者人民への一切の犠牲転嫁を断じて許してはならない。独占ブルジョアどもによる大量首切りを絶対に許すな。企業は、有期契約・派遣・個人請負労働者への一方的契約打ちきり=首切りを止めよ。政府・独占資本家・「連合」指導部による春闘の破壊を弾劾し、すべての労働者は、<大幅一律賃上げ>をかちとるために最後までたたかおう! 日本の労働者人民は、安倍政権にたいして、今こそ怒りの声をあげ起ちあがらなければならない。政府は、困窮にたたきこまれた労働者・勤労人民にたいする生活補償をただちにおこなえ。 政府は、失業に追いこまれた非正規や個人請負の労働者にたいして直接・無条件の生活補償をただちにおこなえ。倒産の危機にたつ中小零細企業にたいして、「融資」=借金を背負わせるのではなく、無償での援助を実施せよ。 生存の危機にあるすべての労働者人民にたいする緊急支援を即時に実施せよ。五兆円を超える莫大な軍事費に血税を注ぎこむのをただちに止めよ。またトランプにたいして四・五倍増の米軍駐留経費を献上するのをすべて止めよ。 首相・安倍が、突然発した小・中・高の「一斉休校」要請にともなって、多くの児童の保護者は休業や失業に追いこまれた。安倍政権は、保護者の収入減を全額補償せよ! われわれは、「(税率を)一度下げたら二度と上げられない」などとほざく安倍政権を弾劾し、消費税の撤廃をかちとろう! コロナの感染拡大をくいとめるために、いま医療現場においては医療労働者が懸命に感染者にたいする治療にあたっている。教育現場においても、児童の感染を防ぐかたちで開校するために教育労働者や学校用務員などの労働者が日夜奮闘している。政府は、新型コロナ対策のために医療機関や福祉施設や学校に公的資金をただちに投入せよ。マスク、防護服、人工呼吸器などの必要な物資を供給せよ。 困窮のゆえに医療機関を受診することのできない労働者人民をださないために、医療費自己負担や介護サービス利用料を無償化せよ。社会保険料・公共料金を即時に免除せよ! ネオ・ファシズム支配体制の強化反対! 改憲阻止! いま同時に、安倍政権は、都市部を中心として感染者が増大する「オーバー・シュート」の危機の高まりのなかで、「緊急事態宣言」の発令に踏みだそうとしている。 安倍政権は、「感染爆発の危険」を回避するためには、首相が自治体の首長をつうじて「外出自粛の要請」や大規模施設や学校の「使用制限」などを「要請・指示」することができるこの「宣言」を発令する、などといっている。 だがしかし、警戒せよ! こうした「宣言」の発令によって、同時に安倍政権は、労働者人民の「基本的人権」を一方的に剥奪する権限やマスコミ統制をおこなう強権を手中に収めるとともに、「緊急事態条項」の創設を柱とする日本国憲法の大改悪への道を掃き清めようとしているのである。安倍がこうした「宣言」の発令に踏みだそうとしているのは、「一年後の五輪の実現によって自民党総裁四選をかちとり憲法改悪を実現する」といううす汚い願望の虜となっているからなのだ。 もとより、「緊急事態条項」を創設する日本国憲法の大改悪をみずからの手でなしとげるという野望を実現するために、WHO(世界保健機関)が「非常事態宣言」を発した後になっても、既存の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」をそのまま適用するかたちでただちにウイルス対策を講じることを拒み、あくまでも新型肺炎を適用対象として加える法改定に固執し・それを強行さえしてきたのが、首相・安倍であったのだ。 安倍政権は、パンデミックのなかで、むしろこの国家の歴史的危機≠も利用して憲法改悪への道をひらこうとしているのだ。議会制民主主義を最後的に破壊しつくし、首相に強権を一元的に集中した強権的=軍事的支配体制の構築に狂奔するとともに、労働者の権利・民主主義的な諸権利の一切合切を奪いさることをこそたくらんでいるのである。 政府・権力者は、いま「コロナ危機」に乗じて、労働者人民から「集会・結社の自由」を剥奪することを狙っている。彼らが一度奪ったものを労働者人民にふたたび「付与」するなどということはありえないのであって、まさにそれはブルジョア民主主義の歴史的な終焉という重大な意味をもっているのだ。 すべての労働者・学生諸君! われわれは、日本型ネオ・ファシズム支配体制を一段と強化し憲法改悪への道を掃き清めるという安倍政権の政治的な目論見を満天下に暴露しつつ、「緊急事態宣言」の発令に断固として反対するのでなければならない。いま安倍政権は、「緊急事態宣言」によって戒厳令に似た状況をつくりだし、「治安のため」と称して自衛隊を出動させることをも狙っている。われわれは、こうした強権的=軍事的支配体制の強化のための日本国軍の出動に断固として反対しようではないか! われわれは同時に、安倍政権による被災人民を見殺しにした「復興五輪」にも断固として反対するのでなければならない。「五輪」の実現にあわせて、「復興ハイウェー」なるものが開通したのであるが、東北の沿岸部では流通産業などの大資本が進出し、被災地の地元企業は次々と倒産に追いこまれ失業者が生みだされている。被災人民を見捨てた「五輪」が、なにが「復興五輪」か! 福島第一原発から溶け落ちた核燃料デブリを取り出すことがまったくできず廃炉作業は一ミリも進んでいないのに、なにが「復興五輪」だ! 棄民政策によって被災地の人民を痛めつけておきながら、「人類がウイルスに勝った証として祭典をおこなう」(安倍)などとほざいている安倍政権を断じて許してはならない。 いまこそ、日本の労働者階級・学生・人民は、反人民性をむきだしにする安倍ネオ・ファシズム政権をうち倒すことをめざして階級的に団結してたたかおうではないか! 今こそ労働者階級は国境を越えて団結せよ! われわれは、いま、現代世界を覆いつくしている「コロナ危機」が、あらゆる意味でまさに現代資本主義の<巨悪>のゆえに生みだされていることを暴きだし、労働者階級の国境を越えた団結と闘争こそがこの危機を突破する唯一の道であることを、全世界の労働者階級人民に訴えていかなければならない。 二十世紀末からこんにちにかけて、エボラ出血熱、HIV、デング熱、SARS、MERSなどのウイルスや細菌が現代社会に危機をもたらしてきたのであったが、現時点の新型コロナウイルスのパンデミックという事態もまた、現代技術文明の悪をむきだしにしたものなのである。 ソ連邦の崩壊(一九九一年)以後に、米・欧・日の帝国主義諸国の政府と独占資本家どもは、「ヒト・モノ・カネの自由な移動」=「経済のグローバル化」の名においてグローバルに展開し、東欧の旧「人民民主主義」諸国や新興諸国や途上諸国の労働者人民を強搾取の餌食とすることによって延命をはかってきた。 他方、「市場社会主義国」中国もまた、「一帯一路」の名のもとに中国企業をアジア・欧州・アフリカ・南米諸国に進出させ、現地労働者からの搾取や資源の強奪をほしいままにしながら、みずからの主導のもとに巨大経済圏をつくりだしてきたのであった。 こうした「経済のグローバル化」のもとでの帝国主義諸国や中国の諸企業がおこなってきた森林伐採をはじめとする乱開発・地球環境破壊によって地球上のエコシステムは狂わされてきたのであった。エコシステムの攪乱・変容・破壊のなかから生みだされたのが新型コロナウイルスをはじめとする新たなウイルス(や細菌)であるといえる。まさにそれは、二十一世紀文明にたいするウイルスの叛逆≠ニいう意味をもっているのである。(こうしたウイルスを軍事的に転用することが可能なバイオテクノロジーの推進に狂奔してきたのが権力者どもなのだ。) わが革マル派は呼びかける。むきだしとなった現代ブルジョア文明の悪を覆す闘いを創造することによってこそ、現在直下の世界史的危機を突破することができる――こうした革命的自覚に燃えて全世界の労働者人民は起ちあがれ! 各国権力者による国家エゴイズムと民族排外主義の鼓吹を許すな! 万国の労働者は、いまこそ団結し、労働者を奈落の底にしずめる全世界の権力者をうち倒せ! |
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森友疑獄・公文書改竄の真相を隠蔽する安倍政権弾劾! 「夫がなぜ自死に追い込まれたのか、私には知る権利がある」――財務省の決裁文書改ざんを強制され自殺に追いこまれた近畿財務局職員・赤木氏の妻の怒りと哀しみに満ちた訴えが、森友疑獄の証拠隠滅に狂奔してきた安倍政権の犯罪性をうきぼりにしている。 赤木氏が自宅のパソコン内に遺した「手記」と職場で記録した公文書改ざんの詳細――そこに当時の理財局長・佐川が命じた改ざんの指示を誰がどのように本省から近畿財務局に下達し・どのような改ざんを自分が実行させられたのかが克明に記されていた。この文書を赤木氏は大阪地検特捜部に提出したが、安倍政権・財務省と大阪地検上層部に握りつぶされたのだ。夫の自死から二年を経て、苦悩の果てに意を決した妻が、赤木氏の遺した告発の「手記」の公開に踏みきり、彼の死の原因と経緯を明らかにするために国および佐川を相手どり大阪地裁への提訴にうってでた。亡き夫の無念をはらさんとする一念が、安倍政権がおし隠そうとしてきた公文書改ざん・隠ぺい工作の実態を白日のもとに曝したのである。 しらじらしい「お悔やみ」の言葉をつくろったその口で「新たな事実はない、再調査はしない」と逃げをうつ首相・安倍と財務相・麻生にたいして、赤木氏の妻は痛烈に突きつけた――「安倍首相は、……国会の発言で、改ざんが始まる原因をつくりました。」「この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではない」と。まさにしかり! 彼女が三月二十七日にインターネット上で呼びかけた、衆参両院議長と安倍・麻生にたいして「第三者委員会による公正中立な調査」を要求する署名は、わずか一日半で一五万筆を超えた。再調査要求に共感を寄せ・公文書改ざんの責任逃れと森友疑獄の幕引きに汲々としてきた安倍にたいする怒りをふたたび燃やしている労働者・人民諸君! いまこそ安倍政権の犯罪を徹底的に暴きだし、<反安倍政権>の奔流をつくりだそうではないか! 八億円値引き算出の根拠なし≠ニ売却担当者が告白 改ざん作業をやらされた当事者の赤木氏が「すべて、佐川理財局長の指示」と書き遺し「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」と妻に語っていた。「私と妻がかかわっていたら首相も国会議員も辞める」と口走った安倍を守るために、佐川が先兵となって安倍と妻・昭恵の関与を示す記述を削除する公文書改ざんを末端の職員に強制したのだ。しかも、会計検査院の近畿財務局にたいする特別検査(一七年四、六月)に際して財務省本省は、森友学園との応接記録を一切しめさず「保存していない」と説明せよと近畿財務局に指示した、と「手記」には書かれている。 こうした改ざんと隠ぺいの命令を下におろした上級官僚どもは全員が不起訴になった後に栄転した。他方で、上席国有財産管理官として実際に改ざんを強制された赤木氏は自殺に追いこまれ、彼の同僚だった下級官僚たちは今なお口封じされている。まさに「最後は下部がしっぽを切られる」と赤木氏が遺書に刻んだ怨嗟の叫び通りではないか。 赤木氏が作成し大阪地検特捜部に提出した公文書改ざんのすべてを記録した文書、この動かぬ証拠を握りつぶし・告発された三十八人の財務省官僚全員を「不起訴」にさせるという横車を押したのが、当時の法務省事務次官であり・いま安倍が次期検事総長に据えようとしている黒川(現東京高検検事長)なのだ。 それだけではない。森友学園への国有地売却取引の当事者であり赤木氏の上司であった、当時の近畿財務局の統括国有財産管理官じしんが、「八億の算出に問題がある。確実に撤去する費用が八億になるという確証が取れてない」と赤木氏の妻に語っていた、という(一九年三月)。「愛国心」教育のモデル小学校を森友学園に建設させるために、鑑定額約九億五六〇〇万円の国有地を、「地下埋設物」の撤去費用を口実として不当に値引きし約一億三四〇〇万円で売却した――これが森友疑獄の本丸≠ナある。この「八億円値引き」の「根拠」がまったくのウソであったことが、売却交渉の担当者じしんの口から語られていたのだ。〔買い手であった森友学園元理事長・籠池も「除去しなければならないゴミはなかった」と証言している(一九年五月)。〕 首相・NSC専決体制の悪を暴きだせ! 首相・NSCが諸省庁・官僚機構を意のままに操って、安倍肝いりの「教育改革」モデル校づくりのために森友学園に国有地を不当廉売し、これが明るみにだされるやNSC主導で強権的に証拠を隠ぺいする――こうした安倍政権・NSCが重ねてきた犯罪を徹底的に弾劾せよ。森友疑獄にかかわる公文書改ざん問題の再調査を拒否する安倍・麻生を許すな! 子どもに「教育勅語」を暗唱させ、戦争法制定時には「安倍首相ありがとう」などと叫ばせた――こうした森友学園の教育方針を、安倍式の「忠君愛国」教育の手本たらしめようとしたからこそ、安倍政権は、小学校建設用地として国有地の八億円引きでの払い下げを近畿財務局におこなわせたのだ。みずからの名代として「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任した安倍昭恵を森友学園への破格の便宜供与に利用してきた首相・安倍こそが森友疑獄の主犯なのである。 森友疑獄弾劾! 公文書改ざんを近畿財務局職員に強制し自殺に追いやった安倍政権・財務省を断じて許すな! 首相・NSC専決体制の悪を暴きだせ!「コロナ対策」を利用した強権的=軍事的支配体制の強化を許すな! 反人民性をむきだしにする安倍ネオ・ファシスト政権を打ち倒せ! |
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地球温暖化を促進する米日欧と中露の権力者を弾劾せよ T CO2排出規制を撤廃・緩和する大量排出国の政府 「地球温暖化対策」の国際的枠組みであるパリ協定の本格運用が開始された今年、十一月に予定されている国連気候変動枠組み条約第二十六回締約国会議(COP26)では、二〇三〇年までに各国が達成すべき温室効果ガス削減目標を決定するとされている。しかし、二酸化炭素を大量に排出している諸国(EUを除く)の政府は、削減目標の引き上げをおこなうという国際公約(国連への目標提出期限は二月)を無視し、温室効果ガスの放出量を増加させつづけている。 昨一九年十二月にスペインの首都マドリードで開催されたCOP25は、加速する地球温暖化の抑制を議題としていたにもかかわらず、パリ協定から脱退を宣言し・各国の温室効果ガス削減目標の引き上げを義務化することに強硬に反対したトランプのアメリカとこれに同調したオーストラリアや日本、そして「後進国の権利」を主張する中国・インド・ブラジルなどの新興諸国、さらにパリ協定を「積極的に」実現するべきと主張するEU諸国とが激しく対立し、主要な問題について何らの合意もできないまま閉幕した。 もとより二〇一五年にオバマ政権のイニシアチブのもとに締結されたパリ協定は、各国が示した削減目標をすべて達成したとしても今世紀末の気温が産業革命前(十八世紀後半)に比して三〜四度上昇し、深刻化する地球温暖化を防ぎ止める内実すらないシロモノであった。だがしかし、このパリ協定さえも、いま、前オバマ政権時に締結を主導したアメリカが公然と、また中国も実質的に踏みにじって、それぞれに、温室効果ガス排出量世界第二位と第一位の両国が排出量を一挙に増大させているのだ。 温暖化など「フェイクだ」などとうそぶいてパリ協定からの脱退を宣言したトランプのアメリカは、エネルギー関連の諸企業をしてシェールオイルの増産にもとづいて石油精製能力を増強させている。こうしたトランプ政権こそが、温室効果ガスの野放図な排出による地球温暖化をさらに加速させている元凶なのだ。 これにたいして、習近平の中国も「まずは先進国が温室効果ガス削減目標の引き上げをおこなうべきだ」と主張するとともに、みずからは過去の「排出削減実績」を今後の「排出権として認めよ」などと叫びながら、温室効果ガスの大量排出をつづけている。国内の石炭火力発電所建設を再開させているばかりか、「一帯一路」構想にもとづき石炭火力発電所・液化天然ガス(LNG)発電所をアジア・アフリカ・中東にまで輸出し、温室効果ガスの大量放出を促進しているのが習近平の中国なのである。 資源輸出に依存しているプーチンのロシアもまた、中国との結託を基礎にして、石油・液化天然ガス開発をつづけている。プーチン政権は、北極海の氷原の融解をチャンスと受けとめ、中国の習近平政権と共同で新たな海上輸送ルートの開拓や沿岸・海底の資源開発、そして、戦略ミサイル搭載の原潜の再配備に狂奔している。 さらに、世界各地でミニ・トランプ≠ヌもが跋扈し、地球温暖化は促進されてもいる。自国で森林火災が猛烈に広がっているにもかかわらず「雇用と経済を破壊する削減目標には向き合わない」と公言していたオーストラリアのモリソン政権は、いまなお石炭の採掘・輸出を継続する政策をとっている。「アマゾンはブラジルのものだ」「口だしは許さない!」とフランス(マクロン)などの欧州諸国権力者への反発をむきだしにして叫ぶブラジルのボルソナロ政権は、「アマゾン開発」の大号令のもとに熱帯雨林を伐採しての農地拡大や鉱山開発、道路・インフラ整備を加速させている。 大災害・疫病禍は被支配階級に集中 こうした乱開発によって、そしてかつてない高温と乾燥により発生した大規模な森林火災によって、世界中の森林が急速な勢いで失われている。 台風やハリケーンはモンスター化し、各地を襲っている。グリーンランドや南極の氷は急速に溶け出し、海面上昇により島嶼諸国の民衆は生活の場を奪われている。アラスカ州の氷河・永久凍土は溶解し、少数民族は移住を強制されている。海の倍のスピードで陸地の気温は上昇し、地球の土地の四分の一は劣化し、砂漠化し、食料生産ができない地域が拡大している。 気候異変や熱帯雨林の伐採、「化石燃料」の濫費による大気や水の汚染、そして、米・中・露の核実験の強行や原発事故の影響により、世界的にエコシステムの攪乱と破壊が進んでいる。多種多様な生物種が死滅するだけでなく、細菌類・ウイルスが突然変異を起こしたり、その発生範囲を拡大させてもいる。 大災害や疫病による被害は、被支配階級・貧困階層に集中している。森林火災の頻発するアメリカ・カリフォルニア州では年間一〇〇万円の保険料を払うことのできない民衆は民間の消防隊の活動範囲から除外されている。ハリケーンに襲われるニューヨーク州でも富裕層の住むマンハッタン島以外は防潮堤の建設計画が放棄されている。各国政府によって医療・社会保障が削減され、新型コロナウイルスに感染しても高額な医療費が払えず病院へ行けない民衆があふれ、「医療崩壊」が露わになっている。 米・中や各国政府が国家エゴイズムをむき出しにして温室効果ガスの排出を増加させつづけていることにより、地球温暖化は加速し労働者人民の生活破壊・貧困・飢餓などの社会的諸矛盾が拡大しているのだ。 (以下、見出し) U 国家エゴイズムをむきだしにする米・中・欧・日の権力者 シェールオイル増産に突き進むトランプ政権 経済破局突破のため環境規制の解除に走る習近平政権 独・仏と東欧諸国との環境対策をめぐる対立 石炭火力発電所建設・輸出に狂奔する安倍政権 V 環境破壊を加速させる権力者どもを許すな |
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自動車総連指導部の賃闘破壊に抗し二〇春闘を闘いぬこう 超低額回答を受け入れた大手労組労働貴族弾劾! 三月十一日、自動車大手各社経営陣は、米中貿易戦争や新型コロナウイルス感染拡大による世界的販売減、そして何よりも自動運転などをめぐる国際競争の激化を口実として、軒並み昨年以下の超低額回答を労組に突きつけた。トヨタが総額八六〇〇円(定昇制度維持分と諸手当増分)、ホンダが一〇〇〇円(賃金改善分五〇〇円と「チャレンジ加算金」五〇〇円)、日産が総額七〇〇〇円などというように。とりわけ過去二年「賃金改善分」を非公表としてきたトヨタ経営陣が、今回はあえて「賃金改善分はゼロ」と公表した。国際競争のなかで生き残るためには、もはや「仕事・役割・貢献度」基準の賃金支払い形態にもとづく昇給以外の賃上げを認めるべきではないとグループ企業内外にアピールしたのだ。 ところが、これらの低額回答を唯々諾々と受け入れたのが、各社労組の労働貴族どもだ。自動車総連会長・倉(金属労協議長)もまた、「昨年と比べても意味がない」とか、「産業・企業をとりまく環境・制度がまったく違うなかで真摯に当該労使が論議を積み重ねて見いだした結論でありますから、私は尊重したい」とかという屁理屈を並べて居直った(三月十一日の金属労協記者会見)。これら大手企業労組労働貴族と彼らが牛耳る自動車総連指導部を徹底的に弾劾せよ! 中小企業でたたかう革命的・戦闘的労働者は、大手企業の低額回答を口実とした中小企業経営者による賃上げ抑制攻撃をうち砕き、<一律大幅賃上げ>を獲得するために、さらにさらに奮闘しよう! (三月十五日) (以下、見出し) 米中貿易戦争に直撃され危機に陥る日本の自動車産業 春闘を産業生き残りのための労使協議に歪曲する労働貴族 賃上げ闘争としての春闘の破壊 「脱・一律ベア」を叫ぶトヨタ労働貴族 「魅力ある自動車産業に向けた取り組み」の反労働者性 二〇春闘の戦闘的高揚を切り拓こう |
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安倍政権の反人民的新型コロナ対策を弾劾 改憲阻止・反戦反安保の一大奔流を 新型コロナウイルス肺炎は、いまやパンデミックの様相を呈している。――この事態のもとで各国権力者・支配階級が労働者・人民の頭上にふりおろしつつある攻撃に、われわれはいかにたち向かいたたかうべきか。 ◆本号の巻頭には「新型コロナ肺炎禍に無為無策の安倍政権を打倒せよ」を掲載した。初動における無為無策にたいしてわきあがる人民の憤激に焦った安倍は、突如として全国の小中高校の一斉休校を強行。この泥縄的措置は、共稼ぎや母子家庭の労働者を困窮にたたきこんだ。そればかりか、安倍政権は新型インフルエンザ等対策特別措置法の改定を強行した。この法律にもとづく「緊急事態」宣言をテコにして、人民の「私権」を制限・剥奪しうる緊急事態条項を、第九条改定とともに憲法に盛りこもうと狂奔している。「コロナ危機」に乗じてファシスト的攻撃を企む安倍政権を巻頭論文は痛烈に弾劾している。さらに「安倍の大失策のもとで苦闘する医療労働者」を掲載した。 「<反安倍政権>の闘いに起て」は、新型コロナウイルス対策で反人民性をむきだしにし、「桜を見る会」での不正接待、安倍子飼い分子を検事総長に据える策略=検事長の「定年延長」決定、中東派兵、改憲への突進という安倍の反動政策・不正腐敗への怒りを結集し安倍政権を打倒せよと訴えている。 パンデミックの発端をつくりだしながら、「感染を封じた」と居直る中国ネオ・スターリニスト官僚、その官僚的自己保身にかられた犯罪を暴いたのが「情報統制・隠蔽に狂奔する習近平」(梅林芳樹)だ。「WHO事務局長を手先とした中国の情報操作」も掲載した。 「決裂≠オたCOP25」は、温室効果ガスの排出量削減目標でなんの合意もできなかった惨状を的確に分析している。 ◆「日共の綱領改定―国家独占資本主義への跪拝」(木本泰次)は、改定綱領の反プロレタリア性を暴く。「中国=社会主義をめざす国」規定の全面削除、志位が「世界史的な『割り切り』」だと叫ぶ「資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力を〔未来社会に〕そっくり引き継ぐ」という戯言などに批判の弾丸を浴びせている。「組織的・思想的崩落を露わにした日共第二十八回党大会」も掲載した。 二〇春闘の戦闘的高揚を! ◆「二〇春闘の勝利をかちとれ」(中央労働者組織委員会)はまず、二〇春闘をたたかうわれわれがおいてある場を世界史的視野にたって明らかにする。トランプ政権によるイラン革命防衛隊司令官爆殺にたいして、中・露に支えられたイランがイラクの米軍基地にミサイルで反撃を加えた――この一連の事態は、アメリカ帝国主義の中東支配終焉の日が迫っていることを意味するのである、と。そして、日米安保の鎖で締めあげられた属国日本の安倍政権による中東への日本国軍派遣に反撃せよと訴える。日本独占ブルジョアジーは、産業構造の「デジタル革新」を叫びたて、「日本型雇用システム」の限界をあげつらいつつ「優秀なIT人材」の獲得に奔走し、それ以外の労働者の多くにいっそうの低賃金を強制しようと策している。これに呼応する「連合」労働貴族による賃金闘争・春闘方式の放棄を弾劾し、大幅一律賃上げ獲得、大衆収奪強化―増税・社会保障制度改悪に反対せよ、と論文は呼びかけている。 2・9労働者怒りの総決起集会における二つの基調報告を収録した。「『連合』指導部の春闘破壊を許さず闘おう」(仲堂静代)と「中東派兵反対・日米核安保同盟の強化反対! 改憲を阻止せよ」(東雲努)である。地域基幹職の主任以下の労働者の賃金を引き下げて低賃金の一般職のそれと統合するという反労働者的な改革案を経営陣にたいして提案しようとしているJP労組本部を弾劾してたたかう指針を明らかにしているのが「郵政春闘の戦闘的高揚を切り開け」(溝江伯山)だ。「トヨタ生き残りに挺身する労働貴族」(村山武)もあわせて検討されたい。 ◆<シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史>は、一九七二年の「相模原闘争 三ヵ月の激闘」と「10・28総評青年協北熊本闘争」を掲載した。 |
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土砂搬入阻止に決起 3・19 辺野古 |
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三月十九日、沖縄県学連のたたかう学生たちは、辺野古新基地建設の埋め立て工事を実力で阻止するために辺野古現地闘争に勇躍決起した。結集した労働者・市民とともにその最先頭で<日米核安保粉砕>の旗高くたたかいぬいた。 |
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土砂や生コンを積んだトラックの前にたちはだかりデモを敢行する労・学・市民 (3・19、辺野古ゲート前) |
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