第2611号(2020年3月23日)の内容
<1面>
新型肺炎蔓延下での労働者・
人民への犠牲転嫁を許すな!
政府・独占資本家に唱和する「連合」労働貴族を弾劾せよ
<3面>
私鉄春闘を戦闘的に闘おう
<4面>
電機20春闘の高揚を!
<5面>
Topics 安倍政権のデタラメな休業補償策
日共・不破による『資本論』改ざんの反労働者性
<2面>
イスラエル一国のみの「主権」承認=パレスチナ国家の否定
トランプ「中東和平案」の大罪
<6面>
日米安保の鎖 条約改定60年 1
安倍政権の中東派兵
米「有志連合」軍への一体化
▽新型コロナ特措法
▽横紙破りの検事定年延長
「解放」最新号
新型肺炎蔓延下での労働者・ 人民への犠牲転嫁を許すな! 政府・独占資本家に唱和する「連合」労働貴族を弾劾せよ 感染対策で反人民性をむきだしにする安倍政権 新型肺炎の全世界的大流行(パンデミック)はますます拡大している。中国のみならずイタリア・フランス・スペイン・ドイツなどEU諸国で、アメリカで、韓国、イラン、そして日本で感染者が・死者が急速に増加している。 中国の習近平政権は、初動において事態を隠蔽しようとして急拡大を招いたことへの自己保身に駆られて、武漢を完全封鎖し住民を外出禁止にするなどの封じこめ策をくりひろげてきた。しかも、外に向かっては隠蔽工作の破綻を全面的に居直っている。WHO事務局長テドロスを先兵として活用し「中国では収拾しつつある」と虚偽宣伝をたれ流し、「世界は中国の経験に学べ」と説教を垂れている。 アメリカのトランプ政権は、当初は「アメリカでは広がらない」とタカをくくり無対応を決めこんでいた。だが、西海岸のみならず東部のニューヨークなどでも感染者と死者が急速に増大しはじめたことに顔面蒼白になったトランプは、「国家非常事態」を宣言した。もちこんだのはヨーロッパからの入国者だ≠ニ叫びながら、欧州二十六ヵ国(さらにイギリスとアイルランドを追加)からの入国禁止をうちだしたのだ。この輩は、公的保険にさえ加入できない多くの貧困層人民やいわゆる不法移民≠、あらかじめ検査や治療の対象とすることなく見殺しにしているのだ。 安倍政権は、「水際作戦」の名のもとにダイヤモンド・プリンセス号乗船者の隔離などをおざなりにやるのみで国内での検査・医療態勢の整備などなにひとつやってこなかった。この無為無策のゆえに、クルーズ船における・また日本国内での感染者の大量発生を招いたのだ。この安倍の対応にたいして日本の労働者・人民から怒りが噴出し、世界中の権力者や人民の疑念が高まった。 このことへの自己保身に駆られて安倍は、――桜を見る会問題≠笂結檮l沍沁亦キの定年延長問題で追いつめられていることののりきりをもかけて、――子どもを抱えた労働者が仕事を休まざるをえなくなることや学童保育の体制などには一顧だにすることなく、「全国一斉の休校」措置を首相専決で決定し指令するなどの対処を泥縄的にうちだしたのだ。 しかも安倍政権は、既存の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」をそのまま適用することを拒否し、新型肺炎を適用対象とする改定をゴリ押しし、野党諸党を巻きこんで強行した。この審議において「緊急事態宣言」を発令したばあいは、NHKや民放にたいして「政府が指示できる」と叫び、また政府に反対する集会を禁止する意志をしめした。数かずの疑惑*\露と新型肺炎対策における大失態とによって窮地に追いこまれながらもネオ・ファシスト安倍は、この機に乗じて「緊急事態宣言」の必要性をがなりたて、ナチスばりの「緊急事態条項」をもつネオ・ファシズム憲法というべきものに憲法を大改悪する道を掃き清めようとしているのだ。 三月十四日の記者会見で安倍は、「わが国では感染者増大を抑えることができている」などとほざいた。フザケルナ! 感染者数を意図的に少なく発表しているだけではないか。そのために検査を抑制するように、労働者・人民に、また医療関係者に強制してきたのだ。「すべての患者が検査を受けられるようにする」と言明してから二週間たっても、検査数は相も変わらず一日一〇〇〇名そこそこではないか。 安倍は会見で「必要で十分な経済財政政策」をとることをアピールした。だがそれは、二〇年度予算成立直後にも一〇〜二〇兆円規模の補正予算を編成するとか、日銀にETF(上場投資信託)の大量購入を期待するとかの大企業・富裕層優遇策ばかりなのだ。 そもそも安倍が謳ってきた「賃金補償」なるものは、労働者を直接支援するものでさえない。「補償」がなされるか否かは経営者の一存にかかっているものだ。しかも「休校」で子どもの世話のために仕事を休む労働者だけに適用されるものであり、それ以外の解雇や雇い止めその他で収入を失っている労働者はまったく対象外なのだ。さらにフリーランスなどいわゆる「雇用によらない働き方」の労働者にいたっては、わずか「一日四一〇〇円」という超々低額でしかないばかりか、給付対象として認定される保障さえない。要するに安倍の謳ってきた「賃金補償」なるものはオタメゴカシ以外のなにものでもないのだ。 オリンピック・パラリンピックの今夏開催について、安倍は記者会見で「感染拡大をのりこえ無事に開催したい」などとほざいた。IOCや組織委員会の首脳らのみならずトランプもが「延期」に言及し、すでに絶望的になっているにもかかわらず、なおも安倍は「今夏開催」にすがりついているのだ。オリンピックを「国威発揚」の式典として実現し、労働者・人民の国家のもとへの統合をうち固め、もって憲法改定への弾みをつけようとしてきたのが、安倍なのだからである。 以下、見出し 独占資本家どもの首切り・賃下げ・労働強化の強要 「連合」労働貴族による春闘破壊・独占資本家への全面協力を弾劾し闘おう! |
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私鉄春闘を戦闘的に闘おう 「交通政策要求実現」運動に闘いを 歪曲する私鉄総連指導部を許すな たたかう私鉄の労働者諸君! 今二〇春闘は深刻な危機に直面している。 経団連会長・中西は、「一律・横並びの賃上げ要求」を拒絶し「日本型雇用システムの見直し」をめぐって労使が議論することこそが今春闘の最大の課題だ、と叫びたてている。これにたいして「連合」会長の神津は「基本的な問題意識は共有する」と表明し、「連合」加盟労組全体が「統一要求基準」のもとに賃金闘争にとりくむことを放棄する姿勢をむきだしにしている。日本型賃金闘争=春闘を破壊し、独占資本家どもに応えることを宣言したのが「連合」労働貴族どもにほかならない。 この「連合」指導部の方針転換に直面してわが私鉄総連本部は困りはて、弱々しく「統一闘争こそが大事」と唱えるとともに、「連合」指導部が「上げ幅」要求の放棄をごまかすために掲げた「底上げ・底支え・格差是正」なるものにしがみついている。彼らは、私鉄においても「底上げをめざす」といいながら、そのためにも「事業の安定が不可欠」などとうそぶき、私鉄労働者にたいして「事業の安定」のために過酷な長時間労働を受け入れよと強要しているのだ。「魅力ある産業に向け知恵を出し合う」ことを私鉄資本家どもに申し入れ、産業発展のための労使協議≠フ場へと春闘をねじまげようとしているのだ。ふざけるな! いま私鉄資本家どもは、新型コロナウイルスの感染拡大による「インバウンド需要」の激減をつきつけられ、顔面蒼白となっている。「観光立国」を国家戦略として掲げる安倍政権のインバウンド拡大政策にしがみつき、「人口減少」のもとでも利潤を確保することをめざして「インバウンド需要」取り込みのための巨額の投資を実施してきた彼らは、このコロナ・ショック≠口実にして「先行き不透明」などと常套句をわめきたて、賃金抑制を徹底するハラを固めているのだ。 すべての私鉄労働者諸君! 私鉄総連指導部の魅力ある産業づくりのための春闘≠ヨの歪曲に抗して、私鉄資本家どもによる賃金抑制攻撃をうち砕き、一律大幅賃上げをかちとるために奮闘しようではないか。 以下、見出し 1 賃金抑制を徹底する私鉄資本家 運転手不足を理由に過酷な労働を強いられるバス労働者 2 「魅力ある産業」づくりのための春闘を叫ぶ総連本部 3 私鉄二〇春闘の大爆発をかちとろう! 一律大幅賃上げをかちとろう 長時間労働・労働強化の強制反対! 労働条件の抜本的改善のために闘おう! 改憲阻止・反戦反安保闘争を推進しよう! |
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電機二〇春闘の高揚を! 労働貴族による「生産性向上」の ための労使協議への歪曲を許すな 大手労組の低額回答受け入れ弾劾! 電機連合指導部は、三月十一日の統一回答指定日にだされた「賃金改善一〇〇〇円以上」の回答を受け入れた。今春闘では電機連合指導部が「妥結の柔軟性」をうちだしたことのゆえに、各企業経営者は「賃金改善と確定拠出年金増額と合わせて一〇〇〇円」(パナソニック)、「賃金改善一〇〇〇円+三〇〇円(語学などの研修補助)」(東芝)などとバラバラな回答を電機連合の各労組指導部につきつけたのであった。われわれは超低額かつ研修補助費なども組みこんでゲタをはかせた回答に屈服した電機連合指導部を怒りをこめて弾劾する! 中国発の新型コロナウイルスの全世界的な蔓延にみまわれ、各国のブルジョアジーは自国経済・世界経済の破局に脅えながらも、危機ののりきりのためにいっさいの犠牲を労働者・人民に転嫁しようとしている。日本の独占資本家どもも「新型ウイルスの急速な拡大を深刻に受けとめている」(経団連会長・中西)と危機感をあらわにしている。 二月十三日に大手十三組合の要求提出を受けた電機独占資本家どもは、「賃上げ環境は昨年より厳しい」(日立執行役専務・中畑)などとコロナウイルスの感染拡大を逆手にとって賃上げ抑制の意志を表明した。電機連合委員長・野中は「(中国などの)サプライチェーンの混乱が長引けば業績は厳しくなる」と独占資本家どものフトコロ具合を慮ったのであった。 電機連合指導部は、先の中央委員会(一月二十三、二十四日)において「開発・設計職基幹労働者」の「賃金水準改善額三〇〇〇円以上」という超低額要求を決定した。同時に、「『人への投資』の柔軟性」をうちだし、「一定の条件を満たす場合」には「妥結における柔軟性」を容認することを初めて決定した。彼らは産別統一闘争の形式を残しつつも、実質上これを破壊することに踏みだしたのだ。 われわれは電機連合指導部の低額妥結を許さず、二〇春闘のさらなる戦闘的高揚をかちとろう! 同時に今春闘のただなかで<改憲阻止・反戦反安保>の闘いを強化しよう。安倍ネオ・ファシスト政権の打倒をめざして、うって一丸となってたたかいぬこうではないか! 以下、見出し A 賃上げ自粛ムードにつつまれた二〇春闘 1 新型コロナ感染拡大を口実とした賃金抑制攻撃 2 「妥結における柔軟性」を掲げた電機連合指導部 3 電機連合・電機懇指導部の闘争歪曲に抗したわれわれの闘い B 電機連合労働貴族による闘争歪曲をのりこえ闘おう 1 「生産性向上」に労働者をかりたて 「モチベーション」を高めるための「人への投資」 電機連合二〇春闘方針の反労働者性 2 一律大幅賃上げをかちとろう! |
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日共・不破による『資本論』改ざんの反労働者性 以下、見出し 「革命」の放棄をあらためて誓約 修正資本主義への転落を正当化 反プロレタリア的な「労働者の全面的発達」論 プロレタリアの疎外された労働を無視抹殺 労働者の階級的覚醒を阻害する転向スターリニスト官僚を弾劾せよ |
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イスラエル一国のみの「主権」承認=パレスチナ国家の否定 トランプ「中東和平案」の大罪 燃えあがる反米・反イスラエルの炎 いま、中東・パレスチナの地に反米・反イスラエルの炎が燃えあがっている。一月二十八日にアメリカ大統領トランプがイスラエル首相ネタニヤフを同席させて公表した「中東和平案」なるもの、イスラエルの「主権」のみを認めパレスチナの独立=国家建設を根本から否定する内実のこの「和平案」にたいして、パレスチナ人民は心底からの怒りを沸きたたせ、闘いに決起しているのだ。 二月六日未明、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンで、人民は大規模デモを決行。同日にエルサレムでも、武装警備するイスラエル軍の列にたいして、パレスチナ人が車で体当たりする攻撃を決行した。 こうした闘いをパレスチナ人民は、一月二十八日いこう連日にわたってくりひろげている。ガザ地区のイスラム武装勢力ハマスは、イスラエルにたいするロケット弾攻撃を敢行している。このハマスの指導者は、トランプ提案の公表後ただちにパレスチナ自治政府議長アッバスと連絡をとり提案拒否と闘いでの「連携」を確認し、パレスチナ人民を鼓舞しているのだ。――アメリカ・オバマ前政権時に、この政権がイスラエルのパレスチナ軍事侵攻を若干は非難したことに幻惑され、アメリカとの妥協の途を模索しハマスと対立してきたPLO(パレスチナ解放機構)ファタハのアッバスも、今回のトランプ提案には猛反発し、さしあたりハマスとの和解≠フ方向に踏みきったのである。 燃えあがるパレスチナ人民の闘いにたいして、イスラエルの右派リクード・ネタニヤフ政権は、軍をさしむけ悪逆な弾圧を加えている。デモにたいしてイスラエル軍は容赦なく発砲し、またガザ地区には相次いで空爆をしかけ、パレスチナ人民を血の海に沈めているのだ。まったく許しがたいではないか。 トランプ政権の「中東和平案」弾劾! イスラエル・ネタニヤフ政権のパレスチナ圧殺を絶対に許すな! すべての中洋ムスリム人民はパレスチナ人民と連帯し反米・反シオニズムの闘いに決起せよ。われわれは、パレスチナ人民と連帯し、アメリカのイラン軍事攻撃阻止・日本の中東派兵反対の反戦闘争を断固としてたたかいぬく。 以下、見出し 福音派の支持とりつけのための術策 シオニスト政権の入植地併合・エルサレム占領の擁護 中東におけるイラン勢力圏拡大への危機感と対抗策 アメリカ帝国主義の中東支配の破綻 |
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日本政府主催の「日米安保条約六十周年」記念式典(一月十九日)で読みあげられたアメリカ大統領声明においてトランプは、「相互安全保障への日本の貢献」を安倍政権にたいして求めた。かねてから「安保条約はアンフェアな合意だ。これを変えざるをえなくなる。もし誰かがアメリカを攻撃すれば、日本はわれわれを助けざるをえなくなる。これについて安倍はノープロブレムだろう」(一九年六月二十九日、G20サミットでの記者会見)と公言してきたのがトランプであって、安保条約の重い鎖で安倍政権を固く締めあげアメリカのために日本は戦え! もっとカネを出せ!≠ニ迫っているのだ。 この式典で挨拶した首相・安倍は言った――「私たちは日米をお互いに守り合う関係に高めた。六十年先、一〇〇年先まで……日米同盟を堅牢に守り、強くしていく」と。御主人様=トランプの傲岸な要求に応えてカネも兵もさしだし血を流す≠アとを固く誓ったのが、「アメリカ属国」宰相の安倍なのだ。 現行の日米安保条約の発効から六十年のこんにち、いまや日米軍事同盟は米・日両帝国主義権力者によって中国(およびロシア)を主敵とする攻守同盟に飛躍的に強化されている。安倍政権による「集団的自衛権の行使」合憲化の閣議決定(一四年)と「安保法制」という名の侵略戦争法の強行的制定(一五年)、これにふまえて日米両権力者はいま日本国軍の米軍化を劇的にすすめている。その実態(日本の中東派兵や日米共同軍事演習など)の暴露をはじめとして、現時点の米日両帝国主義国家の軍事戦略・軍事作戦構想の分析、安保条約の条文改定なき改定≠フ歴史などを、本シリーズ「日米安保の鎖」で連載する。<反安保>の闘いの高揚をかちとってゆくための討論資料として活用していただきたい。 安倍政権の中東派兵―― 米「有志連合」軍への一体化 米中央海軍司令部に一佐を派遣 海自護衛艦「たかなみ」が中東・イラン近海において――哨戒機P3Cとともに――二月二十六日から活動を開始している。安倍政権は、アメリカ中央海軍司令部(バーレーン)に一等海佐(大佐に相当)を「連絡幹部」として派遣してもいる(一月十六日から)。 米中央海軍司令部は、中東・東アフリカ海域に展開する米海軍第五艦隊および対イラン「有志連合」軍(「センチネル連合任務部隊」)をはじめとする種々の連合任務部隊=CTF(アデン湾での海賊対処を名分として海自部隊・司令官が派遣されているCTF151もそのひとつ)を統括し指揮している。この米海軍中枢の司令部に送りこんだ最上級佐官をつうじて、中東に派遣された日本国軍部隊は、海自護衛艦・哨戒機の収集した索敵情報を米軍へ集約し・米軍から「情報提供」という名の指示を受けているのだ。このことは、海自中東派遣部隊が米軍指揮下に組みこまれ・「有志連合」軍と実質的に一体化していることを意味する。 「たかなみ」と海自P3Cの活動海域(当面はオマーン湾〜アラビア海〜バベルマンデブ海峡)は、米軍中心の「有志連合」軍による対イラン「センチネル(番人)作戦」のそれ(ペルシャ湾〜ホルムズ海峡〜オマーン湾〜バベルマンデブ海峡)と重なっている。「海洋安全保障イニシアチブ」という名の対イラン「有志連合」に参加しているアメリカ以外の六ヵ国で、艦船・航空機を派遣しているのはイギリス(駆逐艦二隻)とオーストラリア(フリゲート艦一隻とP3C一機)だけ。安倍政権にたいして再三にわたって「有志連合」への参加をごり押ししてきたトランプ政権が、日本国軍の護衛艦と哨戒機を「有志連合」軍を補完する戦力として位置づけているのは明白だ。たとえ安倍政権が形式上は「有志連合」への不参加を表明しているとしても、「船舶の安全のための警戒・監視」を名目として臨戦態勢をとりイランに軍事的圧力をかけているアメリカの「センチネル作戦」の実動部隊の一翼を日本国軍が実質的に担っていることは明らかなのである。 安倍政権は、トランプ政権の求めに早急に応えるために、国会承認が不要な防衛省設置法第四条にもとづく「調査・研究」を名目として中東派兵を強行した。この政権は、日本船舶の「護衛」の必要が生じたならば自衛隊法にもとづく「海上警備行動」(「治安維持」のための武器使用が可能とされる)を発令する、その際にはホルムズ海峡・ペルシャ湾に進入することも「排除しない」と公言している(一月十七日、防衛相・河野の答弁)。 それだけではない。想起せよ、侵略戦争法を安倍政権が強行的に制定した際に、「ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合は、我が国の存立が脅かされ国民の生死にかかわる重大な影響が出る『存立危機事態』に該当し、武力行使の要件に当てはまる」と主張していたのが安倍だ(一五年七月)。日本が集団的自衛権を行使し・海外で武力行使する具体例として安倍政権が挙げてきたのがホルムズ海峡危機≠セったのだ。〔昨秋には、ペルシャ湾において実施された米軍主導の「国際海事演習」に海自の掃海母艦と掃海艇が参加し、機雷掃海の共同作戦を展開する実戦的訓練をおこなった。〕 もしもアメリカ軍とイラン軍の戦闘が勃発するならば、安倍政権がトランプ政権から「相互安全保障」の名で米軍とともに戦え!≠ニ強制され、アメリカの対イラン戦争に参戦するにちがいないのである。安倍政権の中東派兵・アメリカのイラン軍事攻撃に断固として反対しよう! |
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新型コロナ特措法 改憲=「緊急事態条項」創設を企む安倍政権を許すな! 新型コロナウイルス対策における安倍政権の失策によって日本全国で感染者が増大しつづけ、安倍政権への不満と怒りが全国で渦巻いている。WHOからは「最大の懸念国」と名指しされ、アメリカ大統領トランプが「東京オリンピックの一年延期」を主張しはじめた。この窮地にうろたえている安倍政権は、そののりきりをかけて、首相に「緊急事態宣言」を発する権限を与える「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下「特措法」と略)を新型コロナ対策でも適用できるように、この法律の改定を強行した(三月十四日施行)。 この特措法改定は、首相・NSC(国家安全保障会議)の腹ひとつで「緊急事態」を宣言し、都道府県知事をつうじて、住民の外出のみならずイベントや集会の制限・禁止や「臨時の医療施設」のための土地・建物の収用などを強制し、人民の「私権」の制限を可能とするものにほかならない(拒否すると懲役刑などが科せられる)。 こうした新型コロナ対策での緊急事態措置の必要性を、「緊急事態条項」を創設する憲法改定の地ならし≠ニして、安倍政権はおしだしているのだ。「現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」と安倍は口にしている(三月十四日の記者会見)が、――アメリカでトランプが「国家非常事態宣言」を発したことをも横目で見ながら――みずからも宣言を発する機をうかがっているにちがいない。なんとしても改憲をなしとげるために、労働者・人民の広範な「改憲反対」の声をおしつぶし緊急事態条項が必要≠ニいう世論を醸成する手段として、新型肺炎発生をも利用しているのが安倍であり自民党の幹部どもなのだ。立憲民主党など野党が特措法改定に賛成したことを追い風≠ニして、「国家的な危機にあっては、与党も野党もない」(安倍)などと言いなしながら。 元衆議院議長・伊吹文明は、新型肺炎を「緊急事態の一つの例」として憲法に「緊急事態条項」を盛りこむための「大きな実験台」とすべきだと提唱した(一月三十日)。自民党総務会長・鈴木俊一は憲法で感染症などの「事態にすぐ対応できる裁量を政府に与える」べきだと記者会見で明言した。自民党選挙対策委員長・下村博文は改憲論議の「きっかけにするべきだ」と叫んだ。 また日本維新の会幹事長・馬場伸行は、「憲法改正問題のなかでも自民党がイメージしている緊急事態条項は、国民が聞いてもよく分からない。新型コロナウイルスの感染拡大は、非常に良いお手本になる」などと自民党に呼応した。 これら右派分子どもは、「ダイヤモンド・プリンセス号」で乗員・乗客の集団感染を拡大させた安倍政権の無能・無策ぶりにたいする批判の高まりに顔面蒼白となり、いったんは黙らざるをえなくなった。だが、三月に入るや安倍は、憲法への「緊急事態条項」の新設が「極めて大切な課題」だ、この条項を「入れるべきだという議論を憲法審査会の場で」おこなうべきだ、と言い放ち、労働者・人民が感染の対処と混乱と困窮に苦しめられているまっただなかでも、みずからの手で改憲を実現せんとする野望をむきだしにしているのだ(三月三日、参院予算委員会)。 新型肺炎の蔓延に動揺しながらも、これへの対処に乗じて、行き詰まっている「改憲審議」の突破を企んでいるのが安倍政権なのだ。極悪ネオ・ファシスト政権による改憲策動を断じて許すな。 |
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