一律大幅賃上げ獲得の烽火 2・9
二〇春闘勝利! 改憲阻止!
労働者怒りの総決起集会に全国から一三〇〇名が結集
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「春闘勝利!」闘う戦列うち固める
(2月9日、東京・銀座ブロッサム) |
全国から結集した一三〇〇名のたたかう労働者は、「二〇春闘勝利! 憲法改悪阻止!」の決意も固く、二月九日に首都・東京の銀座ブロッサム(中央会館)において、<労働者怒りの総決起集会>を断固として実現した。
「連合」指導部は、「日本型雇用システム」の一掃を叫ぶ独占資本家どもに全面的に協力して、二〇春闘を人事・賃金制度をめぐる労使協議へとねじ曲げ解消している。彼らは、日本型賃金闘争としての春闘を完全に破壊しようとしているのだ。
たたかう労働者たちは、春闘破壊を許さず二〇春闘を戦闘的に実現する指針を確認し、闘争態勢をうち固めたのである。
「連合」指導部の春闘破壊を許さず闘おう ――第一基調報告
集会開始前から会場は全国から結集した労働者たちの熱気に包まれている。ロビーでは各産別の労働者たちが作製した展示パネルの前で熱い交流が実現された。
午後一時に司会の女性労働者が開会を宣言し第一部が開始された。実行委員会を代表して、民間労働者の仲堂静代氏が第一基調報告を提起する。
仲堂氏は冒頭、怒りを込めて訴えた。――経団連会長・中西は、「連合」会長・神津との会談で「一律賃上げの時代は終わった」「春季労使交渉の課題は日本型雇用システムの見直しだ」と突きつけた。これこそ春闘をぶち壊し、賃金を徹底的に押さえこむ宣言いがいの何ものでもない。これにたいして神津は、「基本的な問題意識は共有」していると応じて、労働者に低賃金と労働強化を受け入れさせることを独占資本家どもに固く誓った。まったく許しがたい!「連合」指導部の春闘破壊を許さず、「一律かつ大幅な賃上げ」を獲得するために断固としてたたかおう!
「第四次産業革命」をめぐる世界的競争での立ち後れに焦る日本の独占資本家どもは、「AI人材」に「ジョブ型雇用」や「より成果を重視する賃金制度」を適用し、それ以外の大多数の労働者にはいっそうの低賃金と過酷な労働を強制しようとしている。この独占資本家の一大攻撃に全面的に協力しているのが「連合」労働貴族だ。彼らは「上げ幅要求」を放棄し、春闘方式を最後的に投げ捨てた。春闘を企業発展・競争力強化のための労使協議にねじ曲げているのだ。
「『連合』指導部は労働者階級の敵∴ネ外のなにものでもない!」と彼女が喝破すると、会場から呼応の声がとぶ。「そうだ! 大裏切りを許さないぞ!」
一律かつ大幅な賃上げをかちとるためにたたかおう! 資本家によるAIを駆使した二十一世紀現代の合理化≠ノ反対する闘いをまきおこそう! 大企業・中小企業を問わずしかけられている首切り・配転・出向・転籍の攻撃をうち砕くために奮闘しよう! 安倍政権による労働法制の改悪、大衆収奪の強化に反対しよう!
最後に仲堂氏は力を込めて呼びかけた。「今日版『産業報国会』としての本性をむきだしにする『連合』を脱構築するために奮闘しよう! 今こそ労働者階級としての団結を創造しうち鍛え、反撃の闘いをつくりだそう。今春闘をその一大転機たらしめよう!」
全参加者はたたかう決意を込めて、彼女の発言に大きな拍手で応えた。
中東派兵を許すな! 核安保強化反対! ――第二基調報告
つづいて自治体労働者の東雲努氏が、第二基調報告として、<中東派兵反対・安保強化反対・憲法改悪阻止>の指針を提起した。
東雲氏は闘志を込めてきりだした。「二月二日、われわれは横須賀現地で労働組合の仲間とともに、安倍政権による中東派兵反対・憲法改悪反対のシュプレヒコールをあげた。安倍は日本国軍を米軍と一体化させ、対イラン軍事行動に参加させる腹を固めて派兵した。断じて許すな!」
トランプ政権に日米安保同盟の鎖で締めあげられている「属国」の首相・安倍は、戦争勃発の危機が日々高まっている中東へ日本国軍を米軍の補完部隊として派遣した。同時に、トランプ政権の要求に応えて、中距離核ミサイルの日本全土への配備を受け入れようとしている。さらに辺野古新基地建設やアメリカ製兵器の爆買いなど、日米新軍事同盟の強化に突進している。そして、世界中のどこででもアメリカとともに戦争をやれる軍事強国へと日本を飛躍させるために、憲法改悪に突き進んでいる。いま、新型肺炎の感染拡大に乗じて「緊急事態条項が必要だ」と自民党が叫んでいるが、安倍政権はパンデミック対策などではなく、労働者・人民を戦争に動員するためにこそこの条項を創設しようとしているのだ。こうした切迫した状況のもとで、「憲法論議は否定しない」などと表明しているのが「連合」指導部だ。
東雲氏は声を大にして呼びかけた。「<日本国軍の中東派兵反対・日米新軍事同盟の強化反対・改憲阻止>を一つの闘争課題としてたたかおう! 改憲反対闘争を抑圧する『連合』指導部と議会主義的腐敗を深める『全労連』指導部をのりこえ、ナショナルセンターの枠をこえた労組共同行動を実現しよう! 安倍政権打倒へ突き進もう!」
「ヨーシ」の声が会場に轟いた。
真実のマルクス主義の復権を! ――わが同盟代表の挨拶
休憩時間には、2・2横須賀現地闘争をはじめとしたわが革命的左翼の闘いや世界各国の労働者の闘いを活写した展示に見入る参加者たちでロビーはあふれかえった。
第二部の初めに、わが同盟代表が連帯の挨拶にたった。彼は冒頭、明快に述べた。「二〇二〇年代の世界は、没落する軍国主義帝国アメリカの大統領トランプによる『偉大なアメリカ』を演出するための国家エゴイズムによって、いよいよ危機の様相を深めつつある」、と。
大統領選に向けて支持者固めに狂奔しているトランプは、福音派の離反をくいとめるために「中東和平案」を発表した。ヨルダン川西岸地域のユダヤ人入植地とエルサレムの大半をイスラエル領とするこの「中東和平案」こそ、アメリカ・イスラエルと、イランをはじめとするシーア派との戦闘によってすでにプレ戦争状態にある中東全域を、本格的戦争に叩きこむものなのだ。
他方、習近平の中国は、新型コロナウイルス問題において、政府の対応の杜撰さと遅れとによって多くの死者をだすとともに世界にウイルスをまき散らすことによって、「昇竜」失墜をさらけだしている。情報統制と強権をもって事態をのりきろうとしているのが習政権だ。こうした反人民性を露わにしながら、彼らは「市場社会主義」の道を喘ぎあえぎ歩もうとしている。
「米・中激突下で、戦争と貧困と圧制が世界を覆いつくそうとしている。この現代世界の危機を突破するためにわれわれは奮闘しよう!」「ヨシ!」――わが同盟代表の力強い訴えにすべての参加者が呼応し、会場の熱気がますます高まる。
つづけて彼は、三点の提起をおこなった。
第一に、わが同盟代表は声を大にして呼びかけた。――日本独占資本家どもによる「日本型雇用システムの見直し」および春闘の最後的破壊という歴史を画する極反動攻撃にたいして、われわれは仁王立ちになってたたかおうではないか!
第二に彼は、既成労組指導部の反労働者性を暴きだした。「日本経済と企業の発展のために労働者を動員する役割を担っている『連合』の今日版産業報国会としての本質はむきだしになり、その腐敗は極に達している」と。そして高らかに訴えた。「『一律大幅賃上げ』のスローガンは、賃金闘争を放棄した『連合』指導部の犯罪性への自覚を労働者に促す契機をつくりだすためのそれである。同時に、賃金奴隷制度そのものと賃金労働者としての自己の存在についての自覚を促すために、われわれはこのスローガンを掲げるのである。」
会場の労働者たちは、大きくうなずきながらわが同盟代表の提起に聞き入っている。
彼は第三に、ひときわ力を込めて語りかけた。「今、日本において、全世界において、労働者は十八〜十九世紀と同様の『古典的階級分裂』と『古典的貧困』につきおとされている。この現実は、ソ連スターリン主義の自己解体的瓦解によってとどめをさされたスターリン主義の反プロレタリア的大罪によってもたらされたのだ」と。「『社会主義』であると自他ともに任じてきたソ連邦が崩壊したのが厳然たる歴史的事実であったとしても、この世紀末の出来事によって、資本制社会の階級分裂の根底を諦らめたマルクス思想の核心は、いまなお燦然と輝き、物化した賃労働者階級の胸の底のここに生きつづけているのである」(『実践と場所』第二巻)――この同志黒田の言葉こそ、革命的マルクス主義者としてのわれわれの確信にほかならない、と。
「スターリン主義の虚偽性を暴きだし、真実のマルクス主義の復権をかちとろう! <反帝国主義・反スターリン主義>の深紅の旗を掲げて、暗黒の二十一世紀世界を根底から覆す階級的力を創造するためにともに奮闘しよう!」全参加者を鼓舞するわが同盟代表の渾身の訴えに、万雷の拍手が鳴りやまない。
つづいて全学連の有木委員長が連帯の挨拶にたった。二月二日、全学連は、安倍政権による護衛艦「たかなみ」の中東派遣に反対して、海自・横須賀総監部と米軍横須賀基地に向けて戦闘的なデモを敢行した。派遣隊員に訓辞を垂れていた安倍から一五〇bにまで肉薄し、「中東派兵阻止! 安倍政権打倒!」のシュプレヒコールを叩きつけた。「横須賀現地闘争を実現した地平に立脚し、安倍政権による憲法改悪と安保強化に反対する闘いをさらに推進する決意である!」パトスあふれる有木委員長の発言に、たたかう労働者は熱い連帯の拍手で応えた。
階級的団結を強化し前進するぞ! ――産別・地方の決意表明
各産別・地方で奮闘する労働者の決意表明のはじめに、東海の民間労働者が登壇する。彼は開口一番トヨタ労働貴族を弾劾した。「トヨタ労組は賃上げに差をつけることを、経営者に労組の側から要求した。会社の利益に貢献しなければ賃金はあがらない、と組合員に示したのだ。」「全トヨタ労連幹部は、今春闘において、従来の企業別・地域別の共闘体制を廃止し、業種別のグループをつくった。各組合は、賃上げをめぐる共闘体制などとらず、業種ごとの生き残り策について経営者と論議しろ、というわけなのだ。」
「このままでは会社に殺されるぞ!」と組合員に語りかけて、組合組織を下からつくる――この地道な闘いを積みかさねていくぞ、という決意表明に、会場から「ともにガンバロー!」と声がとぶ。
つぎに郵政労働者が発言にたった。「郵政経営陣は、かんぽ問題を創業いらい最大の危機と叫び、ベアゼロ、一時金も引き下げという姿勢だ。JP労組本部はこれを受け入れようとしている。ふざけるな! 郵政労働者は民営化いらい九度もベアゼロ、四年連続でベアゼロを強いられているのだ。」
「かんぽ営業」で高齢者をターゲットとする経営方針を掲げ、営業目標数値を渉外労働者に強要したのは経営陣なのだ。彼らは、目標を達成した者には「海外旅行やシャンパン・パーティ」を褒美として与え、達成できなかった労働者には懲罰研修で「給料泥棒だ! 土下座をして謝れ!」と罵倒する。このことを、郵政労働者は怒りを込めて弾劾した。
JP労組本部は、「経営方針は理解できる」と称して組合員があげる悲鳴を無視し、また賃上げや増員という組合員の要求も蹴飛ばしている。「JP労組本部の事業救済春闘をのりこえ断固としてたたかう!」郵政労働者の固い決意に大きな拍手がおくられた。
沖縄の教育労働者はまず、自衛隊機P3Cの中東派遣にたいする抗議集会と辺野古新基地建設を阻止する体を張った闘いを生き生きと報告した。
教育労働者はつづける。政府・文科省は、「新学習指導要領」の完全実施により、いっそうの激務を教員におしつけようとしている。しかも給特法を一部改定して制定された「一年単位の変形労働時間制」は、教育労働者を効率よくこき使い管理するためのものだ。だが、なんとこの「変形労働時間制」の導入を年末の臨時国会で議員に要請したのが日教組本部なのだ。教育労働者は彼らにたいする抑えきれぬ怒りを叩きつけた。
「厳しい状況にある職場や組合の現実をきりひらいていく闘いの支えとなったのが、黒田さんの『変革の論理』です。私は、黒田さんの哲学を拠点に、自分自身を鍛え、仲間を獲得し、わが戦列を大きく創りだしていく!」――この教育労働者の決意に、参加者から共感の拍手がわきおこった。
最後は交運労働者だ。彼はバス労働者の過酷な現実を怒りを込めてあきらかにした。昨年十二月、はとバスがハイヤーに乗り上げ、ハイヤー運転手が死亡する事故があった。三十八度の高熱にもかかわらず、バス運転手は首になることを怖れてバスの運行を担うなかで、意識不明となり事故をおこした。低賃金と長時間労働を強制され、業務多忙を口実に休みも禁じられた彼の現実は、すべてのバス運転手がおかれている現実なのだ。
だが、資本家どもに全面協力を表明しているのが既成労組指導部だ。彼らは事業安定のためにインバウンドを取りこむことしか眼中にない。今春闘においても、賃上げを勝ちとる気などなく、「ストで賃上げを」という組合員の切実な声を押しつぶしている。
「事故を起こした労働者や管理職のパワハラを受けた労働者は、自分自身だけの問題と思いこまされている。われわれは、組合員に、あなたの問題は労働者全体の問題なのだ、と論議をつくりだしている。二〇春闘を戦闘的に創造するために労働者の階級的団結を強化したたかう決意です!」闘魂こめた彼の発言に、盛大な拍手がおくられた。
最後に、全参加者の団結ガンバロー三唱が響きわたった。
本集会をつうじて、今二〇春闘におけるたたかう労働者の任務は鮮明にされた。たたかう労働者諸君! 独占資本家と「連合」労働貴族どもによる春闘破壊と「全労連」指導部の議会主義的・市民主義的闘争歪曲を弾劾し、一律大幅賃上げを獲得するために断固としてたたかいぬこう! 中東派兵反対! 日本の参戦を許すな! 日米核安保同盟の強化反対! 憲法改悪阻止! 今日版産業報国会=「連合」を脱構築しよう! 安倍政権打倒!
二〇春闘の勝利めざしてたたかおう!
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