第2605号(2020年2月10日)の内容

<1面>
横須賀に中東出撃阻止の炎 2・2
 全学連 海自総監部に進撃
 日共中央の闘争放棄を弾劾し勇躍決起
<3面>
日米共同軍事演習を許すな!
「フォレスト・ライト」反対集会 1・18 えびの

「ノーザン・ヴァイパー」反対集会 1・18 札幌
<2面>
条約なき反米軍事同盟形成に踏み切った中露
日豪軍事同盟構築への突進
 空軍共同演習「武士道ガーディアン」
<4面>
福島原発 汚染水の海洋投棄を許すな
◎漫画「アンダーコントロール不能」
<5面>
Topics 経団連と「連合」がトップ会談
 日本型雇用システムの一掃≠ェ眼目
低賃金・超長時間労働に呻吟する沖縄のバス労働者
<6面>
革共同政治集会に参加して
 世界の仲間と連帯して/なぜ反スタなのか
<折々の歌>
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号






























  

横須賀に中東出撃阻止の炎  2・2

全学連海自総監部に進撃

日共中央の闘争放棄を弾劾し勇躍決起


軍港を右手に見ながら全学連は
海自基地に向けて戦闘的デモ(2月2日、横須賀)
 二月二日、安倍政権は中東・イラン近海に向けて海自護衛艦「たかなみ」を横須賀基地から出港させようとしていた。この決定的局面において、首都圏・東海・関西の全学連のたたかう学生たちは、「たかなみ」の派遣を阻止する横須賀現地闘争に断固として決起した。わが全学連の白ヘル部隊は、厳戒態勢をしいた警察権力による弾圧をいっさい許さず、「出発式典」が強行されようとしていた海自・横須賀地方総監部および米海軍・横須賀基地に向けて戦闘的デモンストレーションで進撃したのだ。
 中東・アラビア海に米軍を展開させ対イランの臨戦態勢をとっているトランプ政権は自衛隊派遣部隊を米海軍第五艦隊の指揮下に組みこもうとしている。このトランプ政権につき従い、米軍に日本国軍を一体化させようとしているのが、日米安保同盟の鎖で締めあげられた「属国」日本の安倍政権なのだ。この安倍政権による中東派兵こそは、アメリカの対イラン軍事行動への参画以外のなにものでもない。
 安倍政権の一大反動攻撃を前にして、日共の中央官僚は「アメリカにイラン核合意への復帰を求める外交努力を」などという外交政策上の代案提示にうつつをぬかし、『しんぶん赤旗』紙上で現地闘争のよびかけを発することすら放棄した。この日共中央の犯罪的対応を弾劾しつつ、全学連は横須賀現地において中東派兵を阻止する闘いを、「日米安保粉砕!」を掲げて戦闘的にたたかいぬいたのだ。

たかなみ出港阻止! 白ヘル部隊がデモ

 午前九時、全学連のたたかう学生たちは、「横須賀市役所前公園」の前から勇躍デモ行進にうってでた。「中東派兵阻止! 改憲阻止! 安保粉砕!」と大書した横断幕と真紅の全学連旗を先頭にして、白ヘル部隊がつづく。
 「出兵阻止!」「安保粉砕!」
 国道十六号線沿いに進む学生たちの力強いかけ声が横須賀市街に響きわたる。
 有木全学連委員長がマイクを握り、ただちに基調提起をおこなった。「いままさに横須賀基地から、海自護衛艦が、戦雲たなびく中東に出港しようとしている。これを絶対に阻止せよ! 出発式に参加しようとしている首相・安倍を、わがデモンストレーションで断固迎え撃とう! いざ海自地方総監部に向けて進撃しよう!」有木委員長の熱烈な戦闘宣言に、デモ隊の学生が「ヨシ!」と呼応する。
 「トランプ政権は、イランと気脈をつうじたシーア派諸勢力による『米軍を中東から叩き出せ』の反米闘争に包まれ追いつめられている。しかもこの反米国家イランを中国・ロシアとが公然と支えている。このゆえにトランプ政権は、『属国』日本を動員して反米国家イランを抑えこもうとあがいているのだ。このトランプ政権による戦争放火を許すな! トランプに安保の鎖で締めあげられ、イラン軍事攻撃への参戦に突き進む安倍政権を反戦反安保の闘いで包囲せよ!」
 有木委員長の提起をがっちりと受けとめたデモ隊の学生たちは、いっそう闘志を燃えたたせ進撃する。

米海軍基地に〈安保粉砕〉の拳

 本町二丁目にさしかかると、デモ隊の真横に米軍横須賀基地のゲートが見えてきた。たたかう学生たちは、トランプ政権・米軍当局にたいする怒りを炸裂させた。「アメリカのイラン軍事攻撃反対!」「トランプの戦争放火を許さないぞ!」「日米新軍事同盟の強化反対!」「米―中・露の核戦力強化競争反対!」
 米軍基地ゲートにシュプレヒコールを叩きつけた学生たちは、十六号線を一路、護衛艦「たかなみ」が停泊する海自横須賀基地めざして進撃する。

首相・安倍参加の出発式を直撃――基地ゲート前を席巻

 学生たちが米軍基地にシュプレヒコールを叩きつけた九時二十分ころ、首相・安倍が、海自横須賀基地に陸自ヘリで降り立った。安倍はただちに防衛相・河野をともなって護衛艦「たかなみ」に乗りこみ、船内視察をおこなう。
 デモ隊は横須賀駅前を通過し、シュプレヒコールをあげながら海自横須賀地方総監部の正門に向けグイグイと前進する。
 「海自護衛艦出港阻止!」「アメリカのイラン軍事攻撃反対!」「日本の参戦を許さないぞ!」
 午前十時、白ヘル部隊は、警察権力の弾圧をはねのけ、海自横須賀地方総監部の正門へと進撃した。デモ隊の眼前一五〇bほど先に、禍々しい旭日旗を掲げた「たかなみ」の船体が見えてきた。手前の埠頭では派遣隊員たちが整列している。まさに今、米第五艦隊の尖兵となって対イラン軍事作戦の片棒を担ごうとしている「たかなみ」の出発式が開始されようとしているのだ。たたかう学生たちは怒りを爆発させ、あらん限りの力で拳を叩きつける。
 「中東派兵を阻止するぞ!」「『たかなみ』の出港阻止!」
 基地内ではまさにこのとき、船内視察を終えた首相・安倍が、海自隊員をまえに訓示を垂れようとしていた。たたかう学生のシュプレヒコールの嵐が、安倍列席の出発式を直撃する。同時に、中澤全学連書記長が、海自総監部にたいして「海自護衛艦出港をただちに中止せよ」と迫る抗議文を断固突きつけた。
 全学連のたたかう学生たちは、首相・安倍が出港の最後の号令を下そうとしているまっただなかで、基地正門前を席巻し、「出兵阻止・安保粉砕」の怒りの巨弾を叩きこんだのである。
 たたかう学生たちは、護衛艦出港を阻止するべくさらに闘いを継続する。国道十六号線に戻ったデモ隊は、「たかなみ」など日米両軍の艦船が向かい合って停泊する横須賀港を一望する横須賀陸橋上を進撃した。学生たちは反安保の闘志をみなぎらせ、「たかなみ」に向けて波状的にシュプレヒコールを叩きつけた。
 デモ隊は再び市街中心部に戻った。有木全学連委員長が、行き交う労働者・人民にたいして熱烈に呼びかけた。
 「安倍政権が、ここ横須賀から、海自護衛艦を中東に派遣しようとしていることにたいして断固として反対しよう!『情報収集』のための派遣などというのはまったくのペテンだ。海自部隊を、米第五艦隊の指揮のもとに対イラン軍事行動に動員しようとしているトランプ政権。このアメリカに安保の鎖で締めあげられた忠実な僕として派兵に突き進む安倍政権を断じて許すな!『反安保』を放棄した日共系反対運動をのりこえ、わが全学連とともに反戦反安保の闘いに起ちあがれ!」熱烈な訴えに共感した市民から「がんばれよ!」という声援が飛ぶ。
 デモ隊が、横須賀市街中心部で労働者・人民に総決起を呼びかけていたそのときだ。自衛隊ヘリが轟音を立てて上空を飛びまわる。午前十時四十分、安倍政権が、ついに「たかなみ」の出港を強行したのだ。
 この暴挙を絶対に許してなるものか! たたかう学生たちの怒りは沸点に達した。「出兵阻止!」「安保粉砕!」学生たちは、安倍政権による護衛艦派遣の強行を腹の底からの怒りを込めて弾劾し、最後まで戦闘的にたたかいぬいた。
 こうして全学連のたたかう学生たちは、「市役所前公園」までの約二時間におよぶデモを、終始戦闘的にぶち抜いたのである。

反戦反安保・憲法改悪阻止、安倍政権打倒へ総決起せよ

出港せんとしている「たかなみ」に
満腔の怒り(2・2、海自横須賀基地前)
 全学連のたたかう学生は、日共中央の闘争放棄を弾劾し、横須賀現地において「たかなみ」の中東派遣を阻止する闘いの炎を断固として燃えあがらせた。本闘争の実現にふまえ、すべての全学連のたたかう学生は、さらに全国から反戦反安保・改憲阻止の闘いを嵐のごとく巻きおこせ!
 安倍政権は護衛艦「たかなみ」に二月中にもイラン近海において「情報収集」を名目とする軍事活動を担わせようとしている。アメリカの「属国」の軍隊として日本国軍が中東ムスリム人民に銃口を向けることを断じて許すな! 憲法第九条をふみにじって中東派兵を強行した安倍政権を満腔の怒りを込めて弾劾せよ!
 安倍政権は「アメリカ主導の有志連合には加わらない」などとおしだしているとはいえ、米軍艦船が攻撃された場合には「海上警備行動」の指令を、さらには侵略戦争法にもとづく「米艦防護」の指令を発する腹づもりにちがいない。トランプ政権に日米安保同盟の鎖で締めあげられた「属国」日本の安倍政権、その反人民性がむき出しとなっているではないか! 今こそ、「中東派兵阻止」・「安保粉砕」・「改憲阻止」の闘いの大爆発をかちとれ!
海自横須賀総監部に「中東派兵阻止!」の拳
全学連は2月2日、海自護衛艦「たかなみ」の中東出撃を阻止する
現地闘争を断固貫徹。右前方の「たかなみ」に怒りのシュプレヒコールを叩きつけた
 トランプ政権によるイラン軍事攻撃を絶対に許すな! トランプ政権と真っ向から対峙しているイラン権力者を公然と支えているのが、中国・ロシアの権力者にほかならない。まさにアメリカとイランとのあいだで戦端がひらかれるならば、それは第三次世界大戦=熱核戦争に発展しかねないのだ。全学連のたたかう学生は、全世界の労働者・人民と連帯し、米―中・露角逐下の戦争的危機を突き破る革命的反戦闘争の炎を燃えあがらせよ!
 トランプ政権は日本はもっとリスクを分担せよ≠ネどと叫び、日本国軍を世界中にひきずりだすとともに、在日米軍駐留経費の約四・五倍への増額をもゴリ押ししている。このトランプ政権に、「相互に守りあう同盟」は「不滅の柱」などと誓ってみせているのが安倍なのだ。日米安保条約の改定(一九六〇年)から六十年目を迎えるこんにち、今こそ日本の労働者・学生は、日米両権力者への憤激に燃えて「安保粉砕!」の旗高く総決起せよ! 日米新軍事同盟=対中・対露攻守同盟の飛躍的強化反対! 在日米軍駐留経費の大増額反対! 辺野古新基地建設の攻撃を実力で粉砕せよ!
 中東派兵・安保強化と一体でしかけられている憲法大改悪を絶対に阻止せよ!
 「桜を見る会」における不正接待・IR疑獄の暴露によってガタガタとなっている反動・安倍政権を打倒せよ! すべての全学連の学生は、二〇春闘をたたかう労働者階級と連帯し、全国から闘いを巻きおこせ!
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条約なき反米軍事同盟形成に踏み切った中露両国家

 ロシア大統領プーチンは、昨二〇一九年十月三日、ロシア南部のソチに国内外の有識者を集めておこなった「ワルダイ会議」において、中国を「同盟国」と呼び、「中国の(ミサイル防衛のために)早期警戒システムの開発を支援している」ことを公言した。プーチンが中露両国の関係を「同盟」と呼んだのは、これが初めてのことである。現在、中露両国が締結している善隣友好協力条約(二〇〇一年にプーチンと江沢民が調印)には「戦略的パートナー関係」とか「侵略の脅威を除去するための双方の協議」とかが謳われてはいる。とはいえ、「軍事協力」や「相互援助」(有事における共同作戦)という文言は盛りこまれてはいない。両政府も公式には「同盟」を否定してきたのであった。
 だが、明らかにこんにち、プーチン・習近平の両政権は、天然ガス・原油を中心とする貿易=通商のみならず、政治的・軍事的協力関係をいちだんと緊密化している。いまや、中露両国家は条約改定なき事実上の反米軍事同盟の形成にふみきったのである。

以下、見出し

ミサイル防衛・対米軍事作戦をめぐる協力を強化

「新時代」の「安保協力」を謳った共同声明
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福島原発汚染水の海洋投棄を絶対に許すな!

 安倍政権はいま、大量にたまった東京電力福島第一原発汚染水の海洋投棄を強行するための策動に拍車をかけている。一月三十一日に、経済産業省が汚染水の海洋投棄と大気放出の二つの処分案を提出し、これを政府の「有識者」小委員会(「ALPS処理対策小委員会」)が了承した。この処分案には「海洋放出の方が確実に実施できる」と記されている。安倍政権・経産省は、海洋投棄の方針をおしとおすために、有識者が複数の処分方法を科学的に検討し選択している≠ニいう儀式≠御用学者どもにおこなわせているのだ。太平洋に放射能をまきちらし、漁民の生活を破壊する汚染水の海洋投棄を、絶対に許すな!

以下、見出し

影響は十分に小さい≠ニ強弁

タンク増設・長期保存案をあらかじめ排除

海洋放出の「安全性」のインチ

トリチウムの危険性を意図的に過小評価
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わが同盟の二〇二〇春闘スローガン

二〇春闘勝利! 憲法改悪阻止!
「連合」指導部の春闘破壊を許さず一律大幅賃上げを獲得しよう!


T すべての労働者は団結し、春闘の戦闘的高揚をかちとろう!
 ◇人事・賃金制度の大改悪を許すな!「ジョブ型雇用」拡大反対! 非正規雇用化・個人請負化を許すな!「働き方改革」の名による労働強化をうち砕け!
 ◇中小企業・非正規雇用・外国人の労働者にたいする低賃金・劣悪な労働条件の強制を許すな! 公務労働者の大量人員削減・賃金切り下げ反対!
 ◇AI・ロボット導入をテコとした首切り・労働強化を許すな!
 ◇「上げ幅」要求を放棄した「連合」指導部を弾劾せよ! 選挙カンパニアに埋没する「全労連」日共系指導部を許すな!

U 安倍政権による労働法制と社会保障制度の大改悪をうち砕け!
 ◇個人請負拡大・解雇の金銭解決制度導入・裁量労働制の適用対象拡大・日雇い派遣の規制緩和を許すな!
 ◇「全世代型社会保障」の名における給付減・負担増を許すな!

V 日本国軍の中東派兵・日米核安保強化・憲法改悪を許すな!
 ◇辺野古新基地建設阻止! イージス・アショア配備反対! 中距離核ミサイルの日本配備阻止! 安保破棄めざして闘おう!
 ◇米―中・露の核戦力強化競争反対!
 ◇労組破壊を許すな! NSC専制支配体制の強化を許すな!
 ◇派兵阻止・改憲阻止の労組共同行動を創造せよ!

ネオ産業報国会=「連合」を脱構築せよ!
安倍日本型ネオ・ファシズム政権打倒にむけて進撃しよう!
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日米共同軍事演習を許すな!
「フォレスト・ライト」反対集会 1・18 えびの
 一月十八日、宮崎県えびの市で「日米共同訓練抗議集会」が開催された。米・日両政府は、この日から米海兵隊一五〇名と陸上自衛隊四五〇名を動員し、霧島演習場と大矢野原演習場で、米軍オスプレイ四機を投入した日米共同演習「フォレスト・ライト」を開始した。鹿児島大学のたたかう学生たちは、九州一円から結集した八五〇名の労働者・市民とともに軍事演習への怒りに燃えて、この日の集会に勇躍決起した。
日米共同演習「フォレスト・ライト」に反対し全国から結集した労・学・市民850名
(1月18日、宮崎県えびの市)
闘う鹿大生が横断幕を掲げ闘いの方向性を指し示し奮闘
(1月18日、宮崎県えびの市)
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「ノーザン・ヴァイパー」反対集会 1・18 札幌
 一月十八日、札幌市中央区の「共済ホール」において、「日米共同訓練の規模縮小! オスプレイ参加に反対する全道総決起集会」が開催され、約六五〇名の労働者・学生・市民が結集した。
オスプレイを使った日米共同演習「ノーザン・ヴァイパー」に反対しデモ行進する北大生ら
(1月18日、札幌市中央区)
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