第2598号(2019年12月9日)の内容
<1面>
修正資本主義を徹底化する
代々木官僚を弾劾せよ!
日共綱領改定案の反プロレタリア性
<2面>
女川2号機の再稼働を許すな
原子力規制委の「審査書案」了承弾劾
護憲大会に戦闘的息吹き 11・9函館
<3面>
オリエント・シールド19
「領域横断作戦」の実動演習
◎「タイ式民主主義」の闇
<4面>
北極海をめぐり激化する米―中・露の角逐
Topics 公務員にマイナンバーカード強制
<5面>
各地で<自治と文化>の祭典
11・2〜4国学院大若木祭
11・3〜4愛大祭/11・15〜18鹿大祭
<6面>
米中距離核ミサイルの沖縄・日本全土配備阻止!
工事資材搬入阻止に決起
――11・21辺野古ゲート
「解放」最新号
修正資本主義を徹底化する 代々木官僚を弾劾せよ! 日共綱領改定案の反プロレタリア性 「二〇二二年までに野党連合政権を」という画餅
大会決議案において代々木官僚は、「党創立一〇〇周年〔二〇二二年〕まで」におこなわれる総選挙と参議院選挙を「野党連合政権への道を開く歴史的な選挙」にする、という目標をうちだした。『しんぶん赤旗』の「発行そのものができなくなる危機」とか「地区委員会の存続の危機」とかと吐露していることに示される党組織の危機ののりきりをかけた「党勢拡大大運動」に党員たちを駆りたてるために、「党創立一〇〇周年まで」と期限を明示することによって、日共が参画する「野党連合政権」を樹立するという展望にあたかも現実性があるかのようにおしだすことに躍起になっているのが代々木官僚なのだ。 決議案の目玉商品として代々木官僚が宣伝しているのが「安倍政治からの転換の三つの方向」なるものだ〔@憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する、A格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる、B多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く〕。「保守本流」を自任する立憲民主党・枝野執行部や国民民主党・玉木執行部から「(日共と)政権をともにする政治的合意」をひきだすために、代々木官僚は「安保条約の廃棄」などの「政策上の不一致点」を排除し「すでに野党間で共有している」とみなした「目標」だけをならべた「三つの方向」を、「野党連合政権」の「理念」とすべきものとして売りこんでいる。これを「今日における『政治転換の三目標』」(書記局長・小池)と宣伝していることは、「民主連合政府」の樹立をつうじて実現するとしてきた「安保条約をなくす」ことを含む「革新三目標」を完全にお蔵入りにしたことを意味する。 不破=志位指導部は、「安全保障」にかんして「政権としては安保法制強行以前の憲法解釈・法制度・条約上の取り決めで対応する」と決議案のなかで強調している。政権党になれるのならば、自衛隊を合憲とみなし・武力攻撃事態法や周辺有事法を是認し・あまつさえ安保条約を全面的に肯定する(在日米軍基地と有事の際の日米共同作戦の是認)というのだ。今まさに、日米安保同盟の鎖に締めあげられた「アメリカの属国」日本の安倍政権が、アメリカとともに戦争をやれる軍事強国≠ノ日本を飛躍させるための憲法改悪や米軍辺野古新基地建設に突進していることに加えて、核弾頭搭載可能な中距離ミサイルの沖縄をはじめとする日本全土への配備や在日米軍駐留経費の日本側負担の大増額を強硬に迫るアメリカ・トランプ政権の要求をも唯々諾々と受け入れようとしている。日米新軍事同盟の反人民性があまねく露出しているこのときに、立民・国民民主への媚び売りのために「反安保」を放棄することは、反戦・反基地闘争をたたかっている労働者・学生・人民にたいする裏切り以外のなにものでもない。 代々木官僚がいかにすり寄ろうとも、立憲民主党も国民民主党も、小選挙区において日共支持票をごっそり獲得し・「野党統一候補」の運動員として日共党員をこき使うために日共との「共闘」に応じているにすぎず、日共の提唱する「野党連合政権」構想には見向きもしていない。それゆえにこそ代々木官僚は、ますます磯のアワビの片想いよろしく立民・国民民主から「政権構想」にかんする「前向きの合意」を得ることをこいねがって、「誤解、偏見」を払拭することに血眼になっているのだ。私たちは中国なんか社会主義のモデルにしていない、香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧にたいしては安倍政権よりも正面から批判しているんです≠ニいうように。保守系野党・保守層に媚びを売り日共が中国批判の尖兵となる証をたてることを政治的眼目として、党綱領そのものの改定にふみきったのが不破=志位指導部なのだ。 「中国=社会主義をめざす国」規定を根こそぎ破棄 ――わが同盟の批判に屈服 八中総で提示された党綱領改定案において最大の変更点とされているのが、「資本主義から離脱したいくつかの国ぐに〔中国、ベトナム、キューバ〕で、……社会主義をめざす新しい探究が開始され、……二一世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしている」という規定(三章八節)を削除することだ。中国を「世界史の重要な流れ」をつくる「社会主義をめざす国」と規定してきたことを撤回し、「世界の平和と進歩への逆流」となった「大国主義・覇権主義」だと烙印する――こうした中国評価のひっくり返しを委員長・志位は、日共を「中国共産党・中国政府と同一視」する「誤解、偏見」をとりのぞく「大きな力になる」と意義づけている。あたかも悪性の癌のように切除しようとしている現行綱領の中国にかんする規定こそ、不破哲三が当時の日共中央委員会議長として主導した二〇〇四年の綱領全面改定の核心部分のひとつであって、これの削除は不破綱領≠フ破産の自認いがいのなにものでもない。 〇四年の中国規定には「合理的根拠があった」が、「この数年来」の中国の「国際政治における動向」に「問題点があらわれてきた」ことによって「社会主義をめざす国」と判断する根拠がなくなったのだ、と代々木官僚はほざく。これほど厚顔無恥な弁解があろうか。 不破が中国を「社会主義をめざす国」と規定し・中国式の「市場経済から社会主義へ」という路線こそが「世界史の重要な流れ」だと謳いあげるテーゼをうちだしたことにたいして、間髪を入れずにわが同盟は反スターリン主義革命的左翼の矜恃にかけてこの不破テーゼ≠批判しつくし粉砕した。中国ネオ・スターリン主義官僚が掲げる「社会主義市場経済」なるものは本来的には成立しえない絶対矛盾的自己同一というべき概念でしかなく非マルクス主義の紋章であることを突きだすとともに、これに跪拝する代々木官僚を弾劾したわがイデオロギー的十字砲火。これに感化された日共党員たちがまきおこした中国を「社会主義をめざす国」などとはいえない!≠ニいう批判の嵐。これらに直撃され動揺に動揺を重ねてきたのが不破=志位指導部だったのだ。かの規定の撤回こそ、わが同盟の批判への転向スターリニスト官僚の完全屈服を意味する以外のなにものでもないのである。 不破が中国を「社会主義をめざす国」と規定した最大の根拠であった「『市場経済を通じて社会主義へ』という路線」を導入した中国が「大きな成果」をあげているという評価〔具体例として「聯想集団」(レノボ)が「IBM買収という壮挙をやった」などと賛美していた〕、この評価を覆すのかどうかについては、綱領改定案でも志位の「提案報告」でも代々木官僚は言及を避けている。「市場経済を通じて社会主義へ」は「中国の路線とわれわれのめざす路線との共通点」(不破『党綱領の力点』一四年一月刊)だと言いつづけてきた不破=志位指導部にとって、中国の経済建設路線を全否定することは自殺行為なのだからだ。このゆえに代々木官僚は、「大国主義・覇権主義」とか「人権侵害」とかの政治的問題に非難を集中する目くらましを弄して逃げまわっている。官僚的自己保身に駆られた官僚どものあがきを最後的に粉砕せよ! 「発達した資本主義」の「継承・発展」の自己目的化 中国が「社会主義をめざす国」とは判断できなくなった「歴史的条件」として志位は、中国革命が「遅れた国から始まった」ことが「中国社会の民主的発展の大きな障害」となった、と強調する。一方では、中国革命もロシア革命も「資本主義の発展が遅れた国」だったから「大きな困難」に直面した、とくくりあげて否定する。その他方で、「『発達した資本主義国における社会変革は、社会主義・共産主義への大道である』という命題」をおしだし、これを志位は「世界史的な『割り切り』をした」と自画自賛している。 綱領改定案で明示されたこの「命題」たるや、「発達した資本主義国での社会主義的変革は、……資本主義のもとでつくりだされた……成果を、継承し発展させることによって、実現される」と断言するしろものだ。こんな「命題」をあたかもマルクスが明らかにした「展望」ででもあるかのように騙り基礎づけようとするのは、マルクスを修正資本主義者にしたてあげ冒涜する犯罪なのである。 代々木官僚が言う「発達した資本主義」がつくりだした「成果」とは何か。@「高度な生産力」、A「経済を社会的に管理・規制するしくみ」、B「国民の生活と権利を守るルール」、C「自由と民主主義の諸制度」、D「人間の豊かな個性」――この「五つの要素」が「未来社会」に「継承・発展」される、それらが「豊かに花開く」条件が日本ではすでにできあがっている、と志位は吹聴する。バラ色の「未来社会」の準備ができている、などと描きだすのは、われわれがおいてあるこの日本の現実からあまりにも浮きあがった妄想でしかない。 「資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力をそっくり引き継ぐ」などと志位は平然とほざく。直接的生産過程において成立する生産力はつねに必ず資本の生産力であり、その向上は資本の技術的構成の高度化――それは労働力商品の使用価値の消費としての生きた労働(可変資本)の量にたいする生産諸手段(不変資本)の量的な増大としてあらわれる――によってなしとげられる。このゆえに、直接的生産過程になげこまれた労働者にとっては労働強度の非合理的強化と極限的な長時間労働と労務管理の強化、すなわち搾取の強化いがいのなにものでもない。自己の労働力を商品として販売しなければ生きてゆけない労働者、すなわち商品にまで物化された賃労働者が「生産性向上」に駆りたてられ呻吟させられている現実は、代々木官僚の眼中にはまったく入らないのだ。 「日本では戦後七十年余にわたって、基本的人権、議会制民主主義が発展させられてきた」だと? 安倍政権下でNSC専制というべき強権的な支配体制が強化され立法府は行政府のとる政策の追認機関と化しているではないか。労働組合・学生自治会を破壊する攻撃が吹き荒れていることへの怒りはないのか。日本型ネオ・ファシズム支配体制の安全弁になりさがった徒輩にふさわしい脳天気な寝言ではないか。 「豊かな個性が形成されている」? ブルジョア的市民の個立℃蜍`を全面肯定するのみならず、IoT機器が氾濫する現代技術文明のもとで電子情報の物神崇拝にもとづく精神的疎外が深まっていることの恐ろしさを、代々木官僚は感じることもできないのだ。 要するに、代々木官僚が描く「五つの要素が花開く未来社会」などという青写真は、国家独占資本主義――ブルジョア国家の政府が帝国主義経済の諸矛盾を弥縫し経済的延命をはかるために経済過程に介入する政策をとる政治経済形態――に跪拝していることをイデオロギー的根拠とした、反プロレタリア的な資本制商品経済の永続化論≠ネのだといわなければならない。〔「生産手段の社会化を土台に」することが社会主義のメルクマールであるかのように代々木官僚が装っていることの欺瞞性については、別稿に譲る。〕 もとより、「市場経済を通じて社会主義に進む」ことが「日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向」であり「資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」と明記されたのが〇四年に策定された現行綱領であった。「資本主義の枠内での民主的改革」よりも先に「なにか革命としてやるべき課題があるわけではない」(不破)と称してスターリニスト的な「革命」すら完全に放棄し、「よりましな資本主義への改良」を未来永劫の目標とする修正資本主義の路線を明示した<アンチ革命>の宣言、それが不破綱領≠ノほかならない――とわが同盟はつとに暴きだしてきた。いまや今回の綱領改定案において「価値ある成果」とは「五つの要素」だと明示し、それら「発達した資本主義」の「成果」を「継承し発展させること」こそ「社会主義・共産主義の大道」だと綱領上で公然と宣言したのが代々木官僚なのだ。まさに真正の修正資本主義の綱領を完成させたというべきなのである。 「社会主義・共産主義」とか「搾取も抑圧もない共同社会の建設」とかという言葉だけは綱領改定案に残されているとしても、それらは左翼的な党員や労働者・人民を欺くための煙幕にすぎない。ブルジョア国家権力を打倒するプロレタリア革命を全面否定し、資本主義制度の転覆を完全に彼岸においやり、価値法則の揚棄・労働力商品化の廃絶を根幹としたマルクスのイデーを真っ向から否定する転向スターリニスト官僚を満腔の怒りを込めて弾劾せよ! 転向スターリニストを追撃するイデオロギー闘争を! たたかう労働者・学生諸君! われわれは、憲法改悪・日米新軍事同盟強化・中東派兵に反対する闘いを推進し<反安倍政権>の奔流をつくりだすとともに、北京ネオ・スターリニスト官僚政府による香港人民にたいする武力弾圧を弾劾する闘いに総決起するのでなければならない。これらの闘いのただなかで、代々木官僚が策している党綱領改定の犯罪性を徹底的に暴きだすイデオロギー闘争を縦横に展開しようではないか。その狼煙として、香港情勢への日共の対応と綱領改定案の「二一世紀世界の発展方向」論および「未来社会」論にかぎって、簡潔に暴露する。 (1)不破=志位指導部は、「香港政府による抑圧的措置」と「中国政府の武力による威嚇」に「反対」するとおしだしているが、国連憲章・世界人権宣言・国際人権規約に明記された「国際的な人権保障の規範」(国家・個人がある国の人権侵害を通報し、人権委員会が検討・調停する、というもの)を基準にして北京官僚に「平和的な話し合いでの解決」を要請しているにすぎない。凶暴な武力弾圧に抗して「五大要求の完全実現」のためにたたかいぬいている香港の学生・人民にたいしては一言も「連帯」を表明しないどころか、「暴力をきびしく自制することが大切」などと嫌悪感をむきだしにした説教をたれている始末だ。中国政府・党と日共との区別だてに躍起になっているのと同次元で、暴徒を支持していると思われたら票が逃げる≠ニ恐れていることがありありの反人民的な対応をとっている代々木官僚を弾劾せよ。 (2)綱領改定案では、「(中国などで)社会主義をめざす新しい探究が開始」されていることが「世界史の重要な流れ」という現行綱領に明記されていた時代認識≠ェ全面的に破棄され、代わって「一握りの大国から世界の多数の国ぐにと市民社会に、国際政治の主役が交代」する「新しい時代」が開かれている、と謳われている。これと結びついて「国際的な人権保障」とりわけ「ジェンダー(社会的・文化的性差)平等を求める国際的潮流」が「人類の歴史的進歩の象徴」とされている。 「国際政治の構成員」としての「市民社会」とは、「国連の諸活動に自発的にかかわる個人(専門家、宗教指導者、国会議員など)と〔非政府〕団体」とされる。国連の諸会議・諸活動に参加する一握りの諸個人・NGOと諸国家政府を「世界政治の主人公」としておしだすことは、労働者・人民の大衆闘争、労働運動を国連を舞台とする各国権力者らの政治的駆け引きを尻押しする端役=i圧力手段)としかみなさないことを意味する。 「ジェンダー平等」理念を前面化させることによって、代々木官僚はますます<階級>という観点を蒸発させている。 完全に物化された存在であるがゆえに歴史の主体である労働者階級の自己解放の闘いに背を向けているかぎり、「市民社会が主役」とか「新しい人権保障」とかの理念は小ブルジョア的幻想でしかないのである。 (3)「発達した資本主義」の成果が「全面的に継承」され「豊かに花開く」という「未来社会」論を、マルクスの『資本論』の恣意的な解釈をもって基礎づけるのみならず、不破=志位指導部は、あろうことか『資本論』そのものを改ざんするにいたった(新版『資本論』なるものを刊行)。 「恐慌は産業循環の一つの局面にすぎず、資本主義はこの循環を繰り返しながら発展をとげていく」という「恐慌の運動論」こそ「マルクスが到達した理論的立場」だ、マルクス没後に『資本論』を編集したエンゲルスはこのマルクスの「新発見」を見落とした、などと不破=志位指導部はほざいている。この珍説にのっとって『資本論』を編集し直すという暴挙に手を染めているのだ。資本主義がつくりだした成果の継承・発展≠自己目的化する日共の路線を正当化するためにマルクスの名と『資本論』を悪用する代々木官僚を断じて許すな。 『資本論』の基底に流れているところの、「人間の物化」を集中的に体現している賃労働者の階級的自己解放の途を照らしだそうとするマルクスの革命的意志と熱情をわがものにすることを拠点として、代々木官僚によるマルクス冒涜を粉砕せよ。 革命的・戦闘的な労働者・学生諸君! 代々木官僚による破産した不破綱領≠フ弥縫策が修正資本主義を徹底化する反プロレタリア的なものであることを満天下に暴きだすイデオロギー闘争を果敢に展開しよう。心ある日共党員諸君よ、日本労働者階級にたいする裏切りに裏切りをかさね・下部党員を集票マシーンとしてひきまわしてきた代々木転向スターリニスト官僚から今こそ決裂するときだ。わが<反帝国主義・反スターリン主義>の旗のもとに結集せよ! |
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女川2号機再稼働を許すな 規制委による「審査書案」了承弾劾! 十一月二十七日、原子力規制委員会は、東北電力女川原発2号機(出力八二・五万`h)について、新規制基準に適合しているとの「審査書案」を了承した。3・11東日本大地震・大津波によって被災しボロボロになったこの原発の再稼働を承認したのだ。 女川原子力発電所が所在する宮城県牡鹿半島は、今後三十年以内にM7級の大地震にみまわれる確率が九〇%とされる。東北電力経営陣と安倍政権による危険極まりない女川原発2号機の再稼働を断じて許すな。 規制委は、東北電力経営陣が想定する基準地震動の最大値を五八〇ガルから一〇〇〇ガルに引き上げて「安全対策」をとったことや、基準津波を一三・六bから二三・一bに引き上げて海面から二九bの防潮堤を設置したことなどを評価したとしている。 だが、こうした「安全対策」は気休めにすぎない。東日本大地震の震源域の最も近くに位置している女川原発は、震度六弱の激震にみまわれて甚大な打撃をこうむっているのだからである。 東日本大地震発生時に女川原発は、1、3号機が運転中であり、2号機は定期検査を終えて起動した直後(未臨界)であった。三基とも自動停止したのであるが、外部電源五系統のうち四系統が送電鉄塔の倒壊などによって失われ、かろうじて一系統のみが維持された。津波は一三bに達したが敷地の高さが一四・八bであったので直撃はまぬがれた。とはいえ、この地震で地盤が一b沈下し海水がうちあげて重油タンクが倒れ重油が流出した。 1号機では地震の揺れによるショートが原因とみられる火災が発生し再循環ポンプなどが使用不能になった。2号機では海水ポンプの取水口から海水が原子炉建屋に流れこみ、非常用ディーゼル発電機三台のうち二台が停止した。3号機でも海水が海水系ポンプエリアに流れこみ冷却用ポンプが停止して通常の冷却ができなくなり、運転員が手動でRCIC(原子炉隔離時冷却系)を起動した。 このように女川原発は、メルトダウン寸前となりながらも、運転員の必死の対処と好運(全外部電源が失われた福島第一原発と異なり外部電源が一系統維持されたことなど)が重なって、大惨事をまぬがれたのであった。とはいえ、原発施設総体が甚大な被害を受けたのだ。原子炉建屋の壁には一一三〇ヵ所ものヒビが入った。配管や格納容器の構造物にも目に見えない亀裂やゆがみが生じているのは歴然としている。ボロの継ぎ当てのような「安全対策」が施されようとも原発の耐震性の低下はまぬがれない。東日本大地震程度の激震に再度みまわれたならば、今度こそ大惨事が起きかねないのである。 にもかかわらず東北電力経営陣は、三四〇〇億円もの巨費を投入して女川2号機の再稼働に突きすすんでいる。2号機の建設費が三二五六億円であったことからして、すでに建設費を超える額を投入している。今後に予定している「テロ対策施設」(特定重大事故等対処施設)の建設費を加えれば四〇〇〇億円を超える巨費となる。これらの費用はすべて労働者・人民から徴収する電気料金に上のせされるのだ。そして、関西電力の原発マネー還流事件が示したのと同様の、政・財・官の黒い癒着構造が女川原発の「安全対策工事」推進の背後に存在するにちがいないのである。 安倍政権の原発・核開発反対! この東北電力経営陣をバックアップし尻を叩いているのが安倍政権にほかならない。二〇三〇年度の電源構成に占める原発の比率を「二〇〜二二%」とするというエネルギー政策をとっているこの政権は、原発の再稼働が遅々としてすすまないことに焦っている。この目標を達成するためには三十基程度の原発が稼働することが必要であるにもかかわらず、現在までに再稼働できたのは九基にとどまっているからだ。とりわけ福島第一原発と同型のBWR(沸騰水型炉)は一基も稼働していない。東電柏崎刈羽原発6、7号機と日本原電東海第二原発(これも東日本大地震被災原発だ)の三基が規制委の審査で「適合」の評価を得ているけれども、地元自治体の同意をとりつけられていない。そこで、この女川2号機をBWR再稼働の第一号にしようと目論んでいるのだ。 安倍政権は、「エネルギー安全保障」と潜在的核兵器製造能力の維持・向上のために原発・核開発をおしすすめるという国家戦略にもとづき、事故処理の明確な展望もうちだせないほどの福島第一原発の核惨事を隠蔽しながら、原発再稼働に突進しているのである。 第二のフクシマ核惨事≠もたらしかねない女川原発2号機の再稼働を阻止せよ! すべての原発・核燃料サイクル施設を即時停止し・廃棄せよ! |
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オリエント・シールド19 日米統合軍が日本国内初の「領域横断作戦」の実動演習 以下見出し サイバー部隊とミサイル部隊が連携して島しょ戦闘訓練 日米共同作戦体制の強化を打ち砕け! |
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北極海をめぐり激化する米―中・露の角逐 地球温暖化――縮小する海氷 以下見出し 氷の溶解により増大する経済的・軍事的重要性 「氷上のシルクロード」建設に邁進する中・露 対露・対中の核戦力強化に狂奔するトランプ政権 補 グリーンランドで米・中が攻防 |
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アメリカ中距離核ミサイルの沖縄・日本全土配備阻止! 沖 縄 県 委 員 会 アメリカ・トランプ政権は、中国・ロシアを射程に収める中距離核ミサイルを、沖縄・日本列島に配備しようとしている。断じて許すな! すべての労働者・人民は、怒りに燃えて「中距離核ミサイルの沖縄・日本全土配備阻止! 辺野古新基地建設阻止!」の一大闘争に起ちあがれ! 以下、見出し 在沖米軍基地の対中・対露核攻撃拠点としての強化を狙うトランプ政権 米―中・露の核戦力強化競争の激化 日米核安保同盟の強化を打ち砕く一大闘争を! |
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11・21辺野古 工事資材搬入阻止に決起 労・学・市民がゲートで座り込み |
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「新基地建設絶対阻止!」労・学・市民が四重の隊列で座り込み (11・21、キャンプ・シュワブ工事用ゲート) |
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凶暴な弾圧に固いスクラムで反撃 (11・21、辺野古) |
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