第2594号(2019年11月11日)の内容

<1面>
首都に改憲阻止・反安保の炎
 10・27
 アメリカの中距離核ミサイル配備阻止! 日本国軍の中東派遣反対!
 全学連・反戦が戦闘的デモ

<3面>
文科相・萩生田の「身の丈」発言弾劾!
台風19号豪雨災害――治水対策の放棄を居直る安倍政権
<6面>
各地で労学統一行動に決起
 10・27沖縄10・20九州
<2面>
10・20 大阪「とめよう戦争への道」集会
米中両大使館への抗議闘争に参加して
<4面>「リブラ」発行延期
 デジタル通貨をめぐる米・中争闘
NSS(国家安全保障局)
 局長交代/経済部署新設
<5面>
Topics 教育労働者への「変形労働時間制」導入阻止!
北海道当局の働かせ方改悪°ュ行を許すな
 「解放」最新号
























  


首都に改憲阻止・反安保の炎


10・27

アメリカの中距離核ミサイル配備阻止! 日本国軍の中東派遣反対!
  
全学連・反戦が戦闘的デモ



 十月二十七日、全学連と反戦青年委員会のたたかう労働者・学生たちは、「憲法改悪阻止」「日米核安保粉砕」「日本国軍の中東派遣阻止」を掲げ、首都・東京において断固たるデモンストレーションに起ちあがった。北海道から沖縄まで全国で決起した闘う労学と固く連帯して、改憲阻止・反戦反安保の炎を燃えあがらせたのだ。
 安倍政権・自民党は、今臨時国会になんとしても改憲条文案を提示するために、十月三十一日にも憲法審査会を開始することを目論んでいた。この政権は、米軍が対イランの軍事的威圧をつづけている中東への派兵をも表明した。さらには、沖縄・日本全土への中距離核ミサイル配備をねらうアメリカ・トランプ政権の策動にも、安倍政権は全面的に応えようとしている。まさに改憲・安保強化・中東派兵の攻撃を一挙に振りおろしているのが安倍政権なのだ。
 この画歴史的な反動攻撃をまえにして、反対の大衆的闘いの組織化をまったく放棄しているのが日共の不破=志位指導部にほかならない。この犯罪を徹底的に弾劾しつつわが労学は、首都中枢に米日両権力者にたいする断固たる反撃の烽火をぶちあげたのである。

白ヘル部隊が国会・米大使館に進撃

「改憲阻止!」「安保粉砕!」首都中枢を席巻する全学連・反戦
(10月27日、東京・港区)
 午後二時半、全学連と反戦青年委員会の白ヘル部隊は、芝公園二十三号地を出発しデモにうってでた。
 デモ隊の先頭には、「憲法改悪阻止! 中距離核ミサイル配備阻止! 日本国軍の中東派遣反対!」と赤・青・緑の三色で大書された横断幕と真紅の全学連旗・反戦旗・革マル旗が掲げられている。さらに「安倍ネオ・ファシスト政権打倒!」などと書かれた色とりどりののぼりを翻し、デモ隊は一路、国会・アメリカ大使館にむけて愛宕下通りを北進する。
 「安保粉砕! 改憲阻止!」「ファシズム反対! 内閣打倒!」力強いかけ声が沿道に轟きわたる。
 愛宕一丁目交差点にさしかかると、司会の女子学生が呼びかけた。「デモ隊の諸君! われわれの左手にアメリカ大使館がある。日本列島への中距離核ミサイル配備や辺野古新基地建設をごり押しするトランプ政権にたいして、断固怒りの拳を叩きつけよう!」
 「日本全土のミサイル基地化反対!」「辺野古新基地建設阻止!」「イラン軍事攻撃阻止!」「日米安保粉砕!」「安保破棄めざしてたたかうぞ!」
 アメリカ大使館にたいして怒りの拳を叩きつけた労学はさらに進撃する。
 「アメリカによる中距離核ミサイルの配備阻止!」「習近平政権の香港人民弾圧を許さないぞ!」「米―中・露の核戦力強化競争反対!」たたかう労学は、沿道を行き交うすべての人民に反戦闘争への決起を呼びかけた。
 西幸門前交差点を左折すると、デモ隊の正面に国会議事堂・首相官邸がある。たたかう労学は、「戦争をやれる軍事強国」への日本の飛躍をたくらみ改憲へと猛突進する安倍ネオ・ファシスト政権への怒りを炸裂させた。
 「憲法審査会の開会阻止!」「憲法改悪阻止!」「『反韓国』の民族排外主義を許すな!」「日本国軍の中東派遣反対!」「消費税増税弾劾!」「安倍政権を打倒するぞ!」
 労学は、眼前の国会議事堂にたいしてシュプレヒコールの嵐を浴びせかけた。
 こうして労学のデモ隊は、日比谷公園までのデモを終始戦闘的にうちぬいたのである。

「安保破棄めざして闘おう!」
全学連新委員長が戦闘宣言


労学がスクラム固く国会に向け進撃
(10月27日、霞が関)
 デモに先だって、全学連と反戦青年委員会のたたかう労学は、芝公園二十三号地において総決起集会をかちとった。
 午後〇時半からかちとられた全学連の独自集会をうけ、早くもたたかう熱気が高まるなか、午後一時、司会の風間全学連副委員長が高らかに総決起集会開始を宣言した。集会冒頭は、九月の全学連大会において新たに就任した有木全学連委員長による基調提起だ。
 万雷の拍手のなかで発言にたった有木委員長は、開口一番、烈々たる戦闘宣言を発した。「安倍ネオ・ファシスト政権は、今国会中にも憲法審査会を開会させ、自民党改憲案を提示せんと猛突進している。憲法改悪阻止闘争はまさに今が正念場だ。憲法審査会の開会反対! 国民投票法改定案の制定を断固打ち砕け! 今こそ猛然と決起しようではないか!」「ヨシ!」気迫に満ちた呼びかけに労学がいっせいに呼応する。
 安倍政権の改憲攻撃こそは、米と中・露が激突する現代世界において、アメリカとともに戦争する軍事強国へと日本国家を飛躍させるという日本帝国主義国家権力の階級的野望をこめた一大攻撃にほかならない――有木委員長はこのように喝破しつつ、改憲阻止闘争を「反安保・反ファシズム」の旗高くたたかうことを訴えた。さらに彼は、日本全土への中距離核ミサイル配備を企むトランプ政権にたいする怒りに燃えて、「アメリカによる日本全土の核ミサイル基地化を断固として打ち砕こう! 辺野古新基地建設阻止! 今こそ安保破棄めざしてたたかおう!」と訴えた。
 彼は日共中央の闘争放棄を怒りをこめて弾劾しつつ、渾身の力で呼びかけた。「憲法改悪、日米核安保の強化、自衛隊の中東派遣の攻撃をもろともに打ち砕く闘いを断固として創造しよう!」「米―中・露の核戦力強化競争反対の革命的反戦闘争の火柱をぶちあげよう!」「いまこそ悪行を重ねる安倍ネオ・ファシスト政権の打倒にむけていざ進撃しようではないか!」
 新委員長の熱烈な提起に鼓舞された満場の労学は大きな拍手で応えた。
 次に発言にたった反戦青年委員会の代表は、安倍政権による改憲案の国会提示とそのための憲法審査会開会に反対し戦闘的・革命的労働者が先頭にたってたたかうと、力強く宣言した。
 彼は、「全労連」中央が安倍政権の改憲攻撃をまえに、労組を主体とした改憲阻止闘争の創造を完全に放棄していることを怒りをこめて弾劾した。「全労連」の日共中央盲従幹部どもは、「野党は共闘・野党は政権」をシンボルとして、「野党共闘」の一致点とならないとみなした「憲法審査会開会反対」を放棄し、「戦争する国づくり」に反対することさえ後景化させている。「こうした『全労連』中央による闘争歪曲をのりこえ職場から改憲阻止の闘いを断固としてつくりだそう!」
 つづいて彼は、「連合」指導部が地方連合組織・平和フォーラム加盟労組の改憲阻止などの闘いを徹底して抑圧していることを怒りをこめて弾劾した。十月十〜十一日に開催された「連合」第十六回定期大会において、神津指導部は「運動領域」を「重点分野」と「推進分野」とにふりわけ、「平和運動」については「推進分野」におしさげた。これは改憲反対などの取り組みを放棄することの宣言ではないか。このことをつきだしたうえで彼は訴えた。「労働者階級の階級的に団結した闘いこそが、真に改憲攻撃を打ち砕き、支配階級を震撼させるものである、この自覚にたってたたかいぬこう!」彼の労働者魂あふれる発言に、「ヨシ、頑張るぞ!」という声が飛ぶ。

<9・14事件>後の新たな戦乱の危機を突き破れ
――わが同盟代表が連帯挨拶


 会場の熱気が高まるなか、わが革共同革マル派の代表が連帯あいさつにたった。
 彼は第一に、アメリカ帝国主義のトランプ政権が中国に対抗して日本への中距離核ミサイル大量配備にのりだしたことによって、「ここ日本列島を焦点とした、アジアへの核ミサイルの相互対抗的配備の火蓋がいまや切られた」と明らかにし、米―中・露の核戦力強化競争に断固反対すべきことを訴えた。
 そして彼は、この米と中・露の角逐のはざまで新たな戦火が噴き、または戦乱の火種がくすぶっていることをつきだした。トランプの任期中に「体制保障」「経済制裁解除」をもぎとることをめざす北朝鮮・金正恩の新たな攻勢=iICBM発射をちらつかせてのアメリカへの威嚇)。米軍のシリア北部からの撤退直後にトルコ・エルドアン政権が強行した、シリアへの侵攻・クルド人民の殺戮。さらに、トランプ政権の要求にこたえての、安倍政権による自衛隊の中東派遣の策動……。わが同盟代表は、これらの事態が総じて、アメリカ帝国主義の歴史的というべき力の喪失≠ゥらうみだされていることを喝破しつつ、次のように訴えた。
 「わが同盟は、かの九月十四日のサウジ石油施設攻撃が、イラン権力者によるアメリカへの満を持した反撃にほかならないとつきだすとともに、この<9・14>の歴史的意義を明らかにしたのであった。すなわち、かの攻撃は、まさしくトランプ式『隷従化戦略』の張り子の虎≠スるを暴露し、さらにアメリカの中東支配の最後的終焉をも告知したのだ、と」「このわれわれの洞察の先見性と的確性は、今日の情勢の展開にもはっきりと示されているといってよい。このことをかみしめつつわれわれは、<9・14>後の世界において高まる新たな戦乱の危機に警鐘を乱打しなければならない。<米―中・露の核戦力強化競争反対>のスローガンをいっそう高くかかげたたかおう!」
 わが同盟代表の提起に真剣に聞き入っていた労学が、「ヨシ!」といっせいに呼応した。
 わが同盟代表は第二に、日共の不破=志位指導部による改憲反対をはじめとしたいっさいの反対運動の放棄を怒りをこめて弾劾しつつ、「いまこそ、改憲阻止・反戦反安保闘争を断固推進し・そのただなかで、わが同盟の革命的批判に揺さぶられた日共下部党員のわが戦列への大量の結集をかちとろう!」と高らかに訴えた。
 さらに第三に彼は、たたかう香港人民にたいする中国・習近平政権の弾圧を徹底的に弾劾した。彼は、習近平政権の暴圧に抗し「五大要求」をかかげて不屈にたたかう香港人民にたいして「連帯を表明する」とともに「反スターリン主義の立場から彼ら香港人民の闘いをとらえかえす」べきことを提起しつつ、以下のように香港人民への呼びかけを発した。
 「習近平政権の弾圧への危機感にもとづいてではあれ、アメリカ帝国主義に助けを求めることなかれ。『自由・人権・民主主義』の虚偽に目覚め、みずからの闘いの質をプロレタリア的に高めよ。北京官僚のスターリニストとしての本性を自覚し、その暗黒支配に呻吟する中国本土人民との連帯を創造する困難な闘いをすすめよ!」
 反スタ魂みなぎるわが同盟代表の呼びかけに、結集した労学は「そうだ!」「ヨーシ!」と奮いたち、惜しみない拍手でこたえたのである。
 集会の最後に、早稲田大学のたたかう学生が登壇し、台風・大雨の被災人民を苦境に追いやり改憲に狂奔する安倍政権を怒りをこめて弾劾し「反ファシズム」の旗幟鮮明にたたかう決意を表明した。
 こうして決意をうち固めた全学連と反戦青年委の労学は、勇躍デモにうってでたのである。

改憲・安保強化に突き進む安倍政権を打ち倒せ!

首都中枢に「安倍政権打倒!」の声を轟かせる労学
(10月27日)
 全学連と反戦青年委員会のたたかう労働者・学生たちは、安倍政権がふりおろす改憲、日米核安保の強化、中東派兵という一大反動攻撃をもろともに打ち砕く大衆的反撃の烽火を、「反安保」を放棄した日共翼下の既成反対運動をのりこえるかたちで、断固ぶちあげた。
 安倍政権による憲法九条への自衛隊明記と緊急事態条項創設を核心とする改憲の策動は、まさに日本を「戦争する国」に名実ともに飛躍させるとともに、日本国憲法をば日本型ネオ・ファシズム統治形態にふさわしい憲法へとつくりかえるという重大な攻撃にほかならない。この日本労働者階級・人民の命運を決する重大局面において代々木官僚どもは、立憲民主党などとの「共同歩調」と称してこれら野党にスリより、この「共同歩調」を優先するという観点から、憲法審査会にノコノコ参加しようとしている。「改憲反対」の大衆運動の組織化も完全にネグレクトしているのだ。この既成指導部の議会主義的闘争歪曲をのりこえてわが労学は、<反安保・反ファシズム>の旗幟鮮明にたたかいぬいたのだ。
 また本闘争の重要な意義は、トランプのアメリカが企む日本全土への中距離核ミサイル配備の策動を、日本列島を対中・対露の最前線核ミサイル攻撃基地としてうち固めるというその重大性を全人民の前に満天下に暴露しつつ、これにたいする反撃の巨弾を放ったことにある。既成指導部がこの攻撃について死の沈黙≠決めこんでいるなかにあってわが労学は、日本を核の戦場たらしめることもいとわぬトランプ政権と、ミサイル配備を受けいれようとしている安倍政権にたいして、唯一大衆的な闘いをもって反撃したのだ。
 さらに年内にも日本国軍を中東・イラン近海へと派遣することを表明した安倍政権にたいして、わが労学は、ただちに「中東派兵阻止」の巨弾をぶちこんだ。まさに米日両権力者によって全地球を日米両軍の出動範囲とする侵略戦争同盟として飛躍的に強化されつつある日米軍事同盟――その反人民性を満天下に暴露しつつ、わが労学は、「日米核安保粉砕!」の旗高くたたかいぬいた。
 いま中・露を「戦略的ライバル」と断じその挑戦を阻止せんとするトランプのアメリカと、アメリカから「世界の覇者」の座を奪いとることを企む中国およびロシアとが、まさにここ日本列島・東アジアを焦点として、相互対抗的に核ミサイル配備に狂奔している。このゆえに、両者の角逐とそのはざまで噴きあがる戦火が熱核戦争へと直結しかねないのである。この戦争的危機を突き破る決意に燃えてわが労学は、まさにトランプが核ミサイル列島♂サを企むここ日本列島のど真ん中において、<米―中・露の核戦力強化競争反対>の革命的スローガンを高々と掲げてたたかった。この闘いこそは、<人類の滅び>さえ招き寄せつつある米と中・露の悪循環的な核戦力強化競争を、プロレタリア国際主義に立脚してうちやぶる闘いの行く手を全世界人民に赤々とさし示したという革命的意義をもっているのだ。

 すべての労働者・学生諸君! 今まさに闘いの正念場である。安倍ネオ・ファシスト政権のふりおろす改憲・核安保強化・中東派兵という歴史的攻撃を木っ端微塵に打ち砕くために、すべての職場・学園から総決起せよ!
 十月三十一日、安倍・菅子飼いの極右分子である法相・河井が、先の参院選における妻の選挙違反を暴露され、経産相・菅原につづいて辞任した。まさに安倍政権・自民党の閣僚・議員どもは、改憲発議に必要な議席を確保するためにこそ、選挙運動員の買収や札束で票を買う≠らんかぎりの悪行に手を染めてきたのだ。反人民性をむきだしにして改憲に突進する安倍自民党政権を徹底的に弾劾せよ! 憲法審査会の開会を絶対に許すな! 自民党改憲案の提示を粉砕せよ!
 トランプ政権は、この十一月中にも中距離弾道ミサイルの発射実験を強行せんとしている。これを断じて許すな! 沖縄・日本全土への地上発射型中距離核ミサイルの配備阻止! 辺野古新基地・核弾薬庫の建設を阻止しよう! 安倍政権による日本国軍の中東派遣阻止! 日米核安保粉砕! 社会保障大削減を断じて許すな! 安倍ネオ・ファシスト政権打倒めざして進撃せよ!
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文科相 萩生田「身の丈」発言弾劾!

 <反安倍政権>の闘いを巻き起こせ


「優勝劣敗」思想をむきだしにした安倍政権

 十一月一日に、文部科学相・萩生田は、「大学入学共通テスト」における英語民間試験の二〇二〇年度からの実施を見送ると発表した。このかん「中止・見直し」を求める高校生・受験生や教育労働者の声を無視して「民間試験の円滑な実施」を強弁してきた政府・文科省は、萩生田じしんの「身の丈」発言にたいして沸きおこった高校生をはじめとする労働者・学生・人民の憤激に直面して、土壇場で民間試験実施の延期に追いこまれたのだ。
 文科相・萩生田は十月二十四日に生出演したBSフジのテレビ番組で、民間試験は居住地域や家庭の経済状況によって受験に不公平がおきると問われ、こう答えた。「裕福な家庭が数回受けてウォーミングアップできることはあるが、そこは自分の身の丈に合わせて、二回を選んで勝負してがんばってもらえば」と。金持ちの子供が有利になって当然、貧乏人は身の丈に合わせてガマンしろ≠ニ、よりによって文科大臣が言い放ったのだ。
 英語民間検定試験の受験料は約六〇〇〇円〜二万七〇〇〇円もかかり、高額な試験を二回受ければ五万円超、しかも試験会場が都市部に集中しているから稚内や小笠原諸島など僻地・離島の地方在住者は交通費や宿泊費などを含めなんと一〇万円以上にもなるのだ。こんなに多額の費用をどうやって賄えというのか!
 いま労働者人民の多くが窮乏化し、その子供たちが貧困にあえいでいる。大学生・高校生の多くが、親・保護者の収入の激減のゆえに奨学金(=借金)を受け、アルバイト漬けの生活をおくらなければ進学・通学がかなわない。経済的・地域的に受験すらままならない生徒が激増しているのが現実ではないか。
 萩生田の「身の丈」発言にたいして、高校生・受験生が「ふざけるな!」と怒りの声をあげ、連日、文科省前で抗議を叩きつけた。おりから公職選挙法違反を暴露された経産相・法相の辞任が相次ぎ、安倍政権にたいする労働者人民の批判が噴出している。このまま英語民間試験を強行実施するならば政権への致命傷になりかねないとの政治的計算をはたらかせた安倍が、萩生田にかたちばかりの謝罪≠させ、急きょ民間試験導入の「延期」を発表させたのだ。
 安倍政権の姑息なのりきり策を断じて許すな! 「身の丈での受験」とは、よくぞ言ったものだ。この萩生田の発言にこそ安倍ネオ・ファシスト政権の本性があからさまとなっているではないか。
 社会に蔓延している「貧富の格差」じたいが、安倍政権がアベノミクス諸施策によって急激に拡大してきたものではないか。ありとあらゆる独占資本優遇策をとる反面で、圧倒的多数の労働者人民に低賃金・非正規雇用を強制し失業に追いこんできたのが安倍政権だ。賃金格差・所得格差はひろがる一方だ。この許しがたい格差社会の現実をつくってきた張本人どもが、格差は当然、身のほどをわきまえろ≠ニほざくとは! 人民を愚弄するのもいいかげんにしろ!
 安倍政権は、ほんの一握りの「IT・グローバル人材」を超エリートとして育成し、大多数の学生・生徒を低賃金でこき使われる労働者の予備軍としてふりわける「教育改革」を遂行しようとしている。その基底にあるイデオロギーは、「弱肉強食」「優勝劣敗」の社会ダーウィニズムでありネオ・ファシスト流の社会優生思想そのものだ。絶対に許すことはできない。
 この安倍式「教育改革」を強行するためにうごめいてきたのが、安倍の側近中の側近・萩生田だ。「日本会議国会議員懇談会」の元事務局長であり安倍子飼いのこの極右反動分子は、かの加計学園獣医学部新設のさいに安倍の指示を「総理のご意向」として文科省官僚に迫った張本人だ。当時、官房副長官=内閣人事局長であったこの男は、全省庁官僚の人事権の掌握をテコとしてNSC専決体制の強化に暗躍した。今年七月には、憲法審査会における憲法改定論議が労働者人民の改憲阻止の闘いのまえに阻まれていることに嫌悪をむきだしにして、改憲発議を急ぐために「有力者を衆院議長に」交代させるなどと暴言を吐いた。こういう輩を尖兵として、安倍政権はネオ・ファシズム的教育再編をおしすすめようとしているのだ。

安倍政権のネオ・ファシズム的「教育改革」を許すな!

 「グローバル社会で活躍する人材を育てる」という独占ブルジョアジーの要請を積極的に受け入れ、彼らと提携しながら、安倍政権は「IT・グローバル人材育成」を「教育改革」の要に掲げるとともに、大学入試の民間企業委託を進めてきた。それは、大学入試をビジネスチャンスとみなし涎を垂らして群がる教育関連の大手民間企業資本家に、安倍政権が膨大な市場開放・利益供与をおこなうものにほかならない。
 大企業には多大な便宜をはかり莫大な利益を保証する優遇策を講じる他方で、労働者人民には消費税増税、大衆収奪の強化、社会保障切り捨ての反動的諸政策を徹底的におしすすめているのが、安倍政権だ。軍事費に巨額予算をつぎこみながら、福祉・社会保障費や教育関連予算を削りに削って労働者人民に犠牲を転嫁する反動的諸政策を打ち砕け!
 安倍政権は国家・産業に奉仕するグローバル人材∴逅ャをめざして、「愛国心」教育および外国語教育を柱とするものへと教育内容のさらなる改変を狙っている。安倍政権による教育のネオ・ファシズム的再編を粉砕しよう! 憲法改悪絶対阻止!
 安倍政権が企む学校教育・教育労働者への管理統制の強化を許すな! 教育労働者に労働強度増進・超長時間労働を強制する「一年単位の変形労働時間制」の公立学校への導入反対! 極反動安倍政権を打倒するために断固としてたたかおう。
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教育労働者への「一年単位の変形労働時間制」導入阻止!


 安倍政権は十月十八日の閣議において、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)の改定案を決定し、今国会で成立させようとしている。
 「働き方改革」の名においてうちだされたこの給特法改定案。その核心は、現行労働基準法「第三十二条の四」に定められている「一年単位の変形労働時間制」の規定を、公立学校教員に適用することにほかならない。当の給特法にもとづいて残業規制や残業代条項の適用除外とされ、超長時間の過酷な労働を強いられているのが教育労働者だ。この給特法改定案なるものは、全国の教育労働者から湧きあがる<給特法撤廃>の声を足蹴にし、逆に教育労働者をよりいっそう徹底的にこき使うためのもの以外のなにものでもない。
 政府・文部科学省はこの「変形制」導入を、「休日のまとめ取り促進のため」であり、あたかも教育労働者の長時間労働を「改善」しようとするものであるかのようにおしだす。だが、それは真っ赤なウソだ。
 一日七時間四十五分とされている公立学校教員の所定労働時間を「繁忙期」には一日十時間まで延長し、代わりに夏休みなど「閑散期」に休日を「まとめ取り」できるようにする、という。だが、現在でも日々十時間をはるかに超えて労働させられているのが教育労働者であって、所定労働時間を延長されればさらに膨大な業務が押しつけられるのは火を見るよりも明らかだ。新学習指導要領の「前倒し実施」を強行し、「特別の教科・道徳」や小学校での英語教育、ICT教育などを強制し、業務量のいっそうの増大とそのための研鑽や準備に教育労働者を駆りたてているのが文科省であり各地の教育委員会なのだ。
 夏休みなどに「休日のまとめ取り」をはかるというが、教育労働者にとって夏休みはけっして「閑散期」などではない。研修や補習、部活指導などが膨大に強いられているのであって、たとえ「閉庁日」を設けたとしても、それは持ち帰り業務≠フ拡大をうみだすだけなのだ。
 「変形労働時間制」なるものは、「一日八時間労働」という労基法の大原則を破壊するものであり、民間企業にかんしてはその導入には「労使協定」を必要とすると建て前としては謳われてきた。ところが安倍政権は、この「変形制」を、給特法のゆえに超長時間労働を強いられている教育労働者に適用するというのだ。しかも、労基法の「労使協定」にかんする規定の「読替え」なる悪逆な方法を駆使して、「労使協定の締結」という条件を切り捨て・各自治体が制定する条例をもって導入できるというのだ。さらに、労基法では厚労省令で定めるとされている実施要綱は、文科省令で代替するとしている。まさに文科省・教育委員会がいかようにも適用できる制度にしようというのだ。
 日教組本部は、「労使協定の締結」を条件とするというみずからの提案が歯牙にもかけられなかったにもかかわらず、この法案にたいして「談話」ひとつ発表することなく事実上容認する姿勢をとっている。
 他方、全教本部は「書記長談話」を発し(十月二十三日)、法案の「撤回」を求めてはいる。だが、彼らが盲従する日共中央はこれに先だって「提言」なるものを公表し、「休日のまとめ取り」には「私たちも大賛成です」とほざき、教育労働者の長時間労働を改善するヨリ効果的な方策=対案をうちだすことに腐心している。しかも、各地の教育長や校長からも「導入反対」の声があがっていることをおしだし、彼らとの「共同」をこそ願望している。教育委や校長などを尻押しするこのような指針は、労働者・人民の団結した闘いを創造することを阻害するものだ。
 既成労働運動・野党指導部の犯罪的対応を弾劾し、全国の教育労働者を先頭に「教育労働者への一年単位の変形労働時間制導入反対」の声をまきおこせ! 反人民性を剥き出しにした文科相・萩生田の「身の丈」発言を徹底的に弾劾しよう! いまこそ安倍日本型ネオ・ファシズム政権打倒めざしてたたかおう!

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闘う学生が720名の先頭で奮闘
「とめよう戦争への道」集会 10・20大阪
 十月二十日に、大阪で「とめよう戦争への道 めざそうアジアの平和 二〇一九関西の集い」が開催され、労働者・学生・市民七二〇名が結集した。怒りに燃える神戸大、奈良女子大のたたかう学生は、結集した労働者・市民の最先頭で奮闘した。
「中東派兵阻止」も呼びかけ行進する学生たち
(10月20日、大阪市)
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米核ミサイル配備阻止の火柱
10・27沖縄労学統一行動
 十月二十七日、沖縄のたたかう労働者・学生は<辺野古新基地建設阻止! 改憲阻止!>労学統一行動に決起した。
 中距離核ミサイルを沖縄に配備し、対中国最前線の核基地として辺野古新基地を建設することを企む米日両権力者に反撃する闘いの火柱を高だかと打ちあげたのである。
那覇・国際通りに轟く「辺野古新基地建設阻止! 安保粉砕!」の声
(10月27日)
「安倍政権打倒!」労学が総決起集会
(那覇市・松山公園)
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福岡中心街で反安保の雄叫び
10・20全九州労学統一行動
 十月二十日、福岡市において、全九州から結集した革命的・戦闘的労働者と全学連九州地方共闘会議のたたかう学生たちは、労学統一行動に決起した。憲法改悪と日米新軍事同盟の強化に突き進む安倍政権への怒りに燃えて、たたかう労学は、福岡市の中心街・天神を席巻する戦闘的デモンストレーションをうちぬいたのだ。
〈改憲阻止・安保粉砕〉の闘志を固める決起集会
(10月20日、福岡市・須崎公園)
福岡・天神を戦闘的デモで席巻する労学
(10月20日)
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