第2593号(2019年11月4日)の内容

<1面>
日本国軍の中東派遣阻止!
改憲阻止! 日本全土への米中距離核ミサイル配備反対!

<2面>
中国「建国70年」式典
 「世界の覇権」奪取にむけ長期戦≠構える習政権

<4面>
「Society5.0に向けた人材育成」を呼号する安倍政権
<5面>
「民主的自治体労働者論」を説教 自治労連第41回定期大会
Topics 冬の一時金妥結 トヨタ労使協議会
<6面>
『猿の人間への進化における労働の役割』を読んで
10・20九州労学統一行動(写真)
<3面>
万華鏡2019――情勢の断層を読む
◆ウソ八百の「人種平等」
◆島まるごとレンタル
◆逆アヘン戦争=H
◆不正操作隠蔽の策

週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号



























  

日本国軍の中東派遣阻止!

改憲阻止! 日本全土への米中距離核ミサイル配備反対!

10・27 首都中枢に「改憲阻止! 安保粉砕!」の声轟く
首都圏の闘う労働者・学生は、北海道・東海・関西・沖縄で同時に決起した労・学と固く連帯し、10・27労学統一行動の大高揚をかちとった。権力の弾圧をはね返し、国会にむけて首都中枢を戦闘的デモ(10月27日、東京・港区)
 首相・安倍からイラン周辺海域への自衛隊派遣の検討を命じられた(十月十八日)防衛相・河野は、いま派兵にむけ護衛艦や哨戒機などの部隊編成を急ピッチで進めている。米空母打撃群をペルシャ湾に展開し対イラン臨戦態勢をとりつづけているアメリカのトランプ政権の要求に応えて、戦雲たなびく中東海域に日本国軍を今年中にも出撃させるための準備に突入しているのが安倍政権なのだ。
 わが同盟はすべての労働者・学生・人民によびかける! 安倍政権による日本国軍の中東派遣を断固として阻止せよ! アメリカ帝国主義のトランプ政権によるイラン軍事攻撃を許すな! 十月二十七日に全学連と反戦青年委員会のたたかう労働者・学生は、<憲法改悪阻止! 米軍中距離核ミサイルの日本全土への配備反対! 日本国軍の中東派遣反対!>の雄叫びを轟かす戦闘的デモンストレーションに首都をはじめとして全国で打って出た。いまこそ、すべてのたたかう労働者・学生は、<反改憲・反戦反安保>の巨大な火柱を全国各地において燃えあがらせようではないか!

米主導の対イラン共同作戦への参画を企む安倍政権

 現時点において安倍政権は、「防衛省設置法にもとづいた調査・研究目的」の自衛隊派遣などとおしだし、活動範囲も「オマーン湾、アラビア海北部の公海、バブルマンデブ海峡東側の公海」に限定するかのように発表している。早急に派兵を強行するために国会承認も閣議決定も経る必要のない「調査・研究」を名目として、しかも産油国イランとの外交・通商関係を維持することを願望して形式上はアメリカ主導の「有志連合」に参加しないかたちをとる、という姑息な策を弄しているのが安倍政権なのだ。
 だが、もしもイラン軍事制裁にアメリカがうってでるならば、安倍政権が、「海上警備行動」さらには「安保関連法」=侵略戦争法を適用して日米の対イラン共同作戦に参画することを、すでにトランプ政権に誓約していることは明白なのだ。現に、防衛相・河野や統合幕僚長・山崎は、「(武器使用可能な海上警備行動を)状況次第で検討する」だの、「ホルムズ海峡やペルシャ湾も(派遣先から)排除しない」だのと早ばやと公言しているではないか(十月二十四日、衆院安全保障委員会での河野の答弁、同日の山崎の会見)。自衛隊の中東派遣方針を確認した国家安全保障会議(NSC)の直後に、官房長官・菅は、「新規アセットとしての艦艇派遣」を「検討する」と称して、最新式イージス艦や空母への改修が予定される「いずも」型護衛艦の出撃をもほのめかしているではないか(十八日)。
 この日本政府の事実上の中東派兵決定にたいしてアメリカ帝国主義権力者は、「日本の決断を評価する」「詳細はアメリカ主導の有志国と連絡、調整することになる」(米国防次官補シュライバー)とただちに歓迎の意を表した。たとえ、自衛隊の単独派遣≠ニいう建前を安倍政権がおしだしているのだとしても、中東に派遣された日本国軍がアメリカ主導の対イラン軍事包囲網に組みこまれようとしているのは明らかではないか。
 このかんトランプ政権が呼びかけてきた「有志連合」構想なるものは、――「イラン核合意」を一方的に破棄し経済制裁を乱発するという国家エゴイズムむきだしのゆえに――いまやもののみごとに破綻している。「有志連合」への参加を表明したのは、英、豪、サウジアラビア、バーレーン、UAEのわずか五ヵ国でしかない。しかも、ドローン・巡航ミサイルによってサウジの心臓部を射貫いた、かの<9・14サウジ石油施設への攻撃事件>は、まさに軍国主義帝国アメリカのシーア派国家イランへの敗北を、アメリカ帝国主義の歴史を画する力の衰弱≠ヤりを鮮やかに浮き彫りにしたのである。
 だがこのゆえにこそ、没落軍国主義帝国アメリカのトランプ政権は、同盟国なかんずく日本にたいして「カネと兵を出せ」「自国の船は自国で守れ」と恫喝しながら中東への出兵をますます強力に迫っているのだ。そして日米新軍事同盟の鎖で縛りあげられた安倍政権は、侵略戦争法を盾にしてこれに全面的に応えるにちがいないのだ。

〈日米核安保粉砕〉の闘いに起て!

 このかん、アメリカの国防次官補や国務次官補らが相次いで来日し、安倍政権・NSCと日本国軍の中東派遣について腹合わせしている(十月二十五〜二十七日)。同時にトランプ政権は、日本の防衛省・外務省・国家安全保障局(NSS)の幹部らにたいして、沖縄から北海道にいたるまでの日本全土に大量の中距離ミサイルを配備する計画を提示した(十月十八日)。沖縄・佐世保・岩国・横須賀・横田・三沢などの在日米軍基地および艦船・航空機に中距離核ミサイルを配備・搭載することを画策しているのが日・米両権力者にほかならない。
 二〇〇〇発ともいわれる中距離ミサイルを南シナ海に面する沿岸部に配備している中国。極東地域を対艦ミサイルによる米軍攻撃の拠点たらしめようとしているロシア。この中・露に対抗してトランプ政権は、安倍政権とともに日本列島をはじめとするアジア全域に中距離核ミサイルの発射拠点を確保し、対中国・対ロシアのミサイルの壁≠構築しようとしているのだ。
 「一超」の座を失いながらも、いまなお保持している強大なハイテク核戦力とドルによる金融支配をバックとして、イランであれ中国であれ国家の統治形態にかかわりなく軍事的脅迫と経済制裁をふりかざし他国にアメリカの国家意志に従うことをおしつける、その傲岸さのゆえに、全世界の憎悪の的となっているトランプ。アメリカ国内においてもこの輩は、「ウクライナ疑惑」追及の声が高まり大統領弾劾・訴追の窮地にたたされている。アメリカ大統領選が一年後に迫っているなかで、もしもトランプが支持率回復不能という危機に陥るならば、これを突破するためにUSAナショナリズムを労働者・人民に向かって声高に煽りたて、イランあるいは北朝鮮にたいする軍事攻撃に打って出るにちがいないのである。
 このトランプ政権に世界で唯一つき従っているのが日本の安倍政権なのだ。安倍政権がおしすすめんとしている日本国軍の中東派兵、アメリカとともに世界中で戦争をやれる国家へと日本を雄飛させるための憲法改悪、そして日米核安保同盟強化――まさに一体的にしかけられているこれらの諸攻撃をもろともに打ち砕く闘いに断固として打って出ようではないか。
 日本国軍の中東派遣にたいして日共中央は、「アメリカとイランが戦争状態になったら、自衛隊が……一緒に戦争をやることになる」(志位)と一応は非難している。だが、彼らは、日本国軍の中東派遣に反対する闘いに決起すべきことを労働者・人民になにひとつ呼びかけてもいない。中東派兵に突き進んでいる安倍政権にたいして、「自衛隊を出すことではなく『イラン核合意に戻れ』と、トランプ大統領に正面切って言う」ことをただただ提言=お願いしているにすぎないのである。
 すべての労働者・学生諸君! われわれは、日共中央の闘争放棄を弾劾し、<日本国軍の中東派遣阻止>の闘いを全国各地の職場・学園から巻き起こすのでなければならない。憲法改悪阻止! 日米安保条約破棄をめざしてたたかおう! <米―中・露の核戦力強化競争反対>の革命的スローガンを高だかと掲げ反戦闘争をおしすすめよう! 安倍日本型ネオ・ファシスト政権の打倒めざしてたたかいぬこうではないか!
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中国「建国七十年」式典


「世界の覇権」奪取にむけて長期戦≠構える習近平政権

 北京の天安門広場で大々的に催された中国建国七十年を記念する式典(十月一日)。毛沢東をまねて人民服で身を固め、広場を見おろす城楼に立った習近平は声をはりあげて言った――「社会主義の中国は世界の東方にそびえ立ち、いかなる勢力もわれわれの偉大な祖国の地位を揺るがすことはできない」と。落日の軍国主義帝国アメリカから「世界の覇者」の座を必ずや奪取するという意志を、習近平はここに公々然と宣言したのだ。
 中国が経済的・政治的・軍事的にアメリカを凌駕するのを絶対に阻止せんと血眼になって反撃をしかけてくるアメリカ帝国主義権力者。この没落帝国主義との全面対決に、中国ネオ・スターリン主義官僚は踏みだしている。「二十一世紀世界の覇権」をかけてのアメリカとの激闘にそなえて習近平政権は、彼らにとっての内憂≠除去すべく、香港人民やウイグルやチベットの人民の闘いを圧殺することに狂奔している。中国共産党を名のるネオ・スターリニスト党が率いる人民解放軍や武装警察という名の常備軍と公安警察などの治安機関の力をもって香港をはじめとする様ざまな人民の反抗や抗議を強権的に押さえこむ意志を、彼ら官僚指導部はうち固めている。こうした習近平政権の対外・対内強硬姿勢を象徴したものが、一万五〇〇〇人の将兵を動員し延々八十分間つづいた大軍事パレードであった。
 パレードに先だつ式典冒頭での習近平演説は簡単明瞭だ。「党の指導を堅持し」「中国の特色ある社会主義の道を堅持」し、「祖国の完全統一実現」「『二つの百年』の奮闘目標実現」「人類運命共同体構築推進」と、彼らの国家戦略の核心的内容はすべて語っている。
 軍事パレードにつづく「民衆パレード」なるものでは、人民中国を建国した毛沢東から――その後の「社会主義」建設や文化大革命の時期はぬきにして――一足飛びに「改革開放」以降のケ小平・江沢民・胡錦濤そして習近平の巨大肖像画を並べる「七十年史」、そしてウイグルやチベットや香港などをふくめ各地方や各民族の飾りたてた山車などが列をなしてつづく。党中央の指導のもとでの諸地方・諸民族の「団結」「友好」「共栄」をさもさもらしく演出するためにおこなわれたのが、このパレードであった。

以下見出し

アメリカへの軍事的対抗――最先端兵器を誇示

「強国化」スローガンの後景化と「新時代の長征」の呼号

「法治」の名による強権的人民支配の強化
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10・20 九州の地に<改憲阻止・反安保>の火柱

 
福岡市天神南をデモ行進する労学の部隊に共感広がる
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