第2580号(2019年8月5日)の内容

<1〜2面>
<反安倍政権>の闘いに起て!
 憲法改悪とペルシャ湾への日本国軍出撃を阻止せよ!
<4面>
虚妄の「平和的安全保障」論
 日共「北東アジア平和協力構想」の犯罪性
<6面>
郵政経営陣による大リストラ・合理化攻撃反対
Topics ただ働き・長時間労働を強いられる医師たち
<5面>
アフリカ諸国を「一帯一路」経済帯に囲い込む中国
3面:トルコ ロシア製防空システムを導入
習近平の中央アジア歴訪
<7面>
アフガン和平協議の急転回
活性化する米軍需産業
<8面>
南西諸島の対中最前線基地に陸自・サイバー部隊を実戦配備
■『新世紀』最新号(第302号)紹介
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号


























  


<反安倍政権>の闘いに起て!

憲法改悪とペルシャ湾への日本国軍出撃を阻止せよ!

 憲法の歴史的大改悪をなしとげようとする日本型ネオ・ファシスト政権とこれを阻止しようとする労働者階級人民との攻防は、先の参議院選挙における国会内の与野党の力関係の一定の変動を契機として、いま新たな局面を迎えつつある。
 七月二十一日に投開票された参議院選挙において、安倍自民党は改選六十六から五十七へと九議席減らし(自民単独では参院は非改選を合わせても過半数割れとなった)、かつ自民・公明・維新の「改憲勢力」をかき集めても改憲発議に必要な三分の二を割りこむという現実をつきつけられた。労働者・勤労人民が安倍自民党にたいして怒りと不信を叩きつけたのだ。
 だが自・公を合わせることによって辛くも議席の過半数を上回ったにすぎないにもかかわらず、首相・安倍は「勝利だ」などと強弁した。そして開票速報が流れているその日のうちに「改憲についての議論をすべきというのが国民の審判」などとほざいたのであった。
 すべての労働者・学生諸君、警戒せよ! われわれが選挙のまっただなかですでに警鐘を打ち鳴らしてきたように、安倍日本型ネオ・ファシズム政権は、選挙終了と同時に「戦力不保持・交戦権否認」を謳った第九条を破棄する憲法大改悪へ、さらにはホルムズ海峡への出兵へと猛突進を開始したのだ。今秋の天皇即位の礼・大嘗祭および残り一年を切った「東京五輪」を最大限に利用してナショナリズムを大々的に煽りたて・これをテコにしながら、安倍は、改憲をみずからの手で成し遂げることを狙っているのである。
 すべての労働者・学生諸君! 安倍政権にたいする反撃の闘いにただちに起て! 安倍自民党政権による憲法改悪の攻撃を阻止する一大闘争に、全国から総決起せよ! そして、アメリカが主導する対イラン「有志連合」への日本の参加を阻止する反戦反安保闘争を嵐のようにまきおこせ! <反安倍政権>の闘いを創造せよ!

参院選の結果とその意味

 天皇代替わり・新元号発表などの儀式の挙行によって祝賀ムード≠煽りたてたにもかかわらず、しかも改選定数も二議席増やしたにもかかわらず、安倍自民党は議席を減らしたのであった。とりわけ政権与党と野党との一騎打ちとなった一人区では、県学連を先頭とする人民が辺野古新基地建設反対闘争を粘り強く展開している沖縄、そしてイージス・アショアの配備や日米貿易協定の締結などに労働者・農民が断固として反対している秋田をはじめとした東北四県などにおいて自民党候補が次々と野党統一候補に敗れた。安倍自民党にたいする積年の怒りを募らせてきた労働者・人民の断固たる意志がはっきりと示されたのである。
 自民党の議席減をなんとか回避するために、安倍自民党は、選挙中にSNSを使ってありとあらゆるデマを垂れ流しゴマカシを弄した。この悪辣な手口を、われわれは怒りを込めて暴露し弾劾するのでなければならない。
 野党候補を攻撃するために、安倍は、「安定か混迷か」などのワンフレーズをくりかえしわめきたてた。まさにこれこそ、「あれか・これか」の二者択一を迫るファシスト的宣伝いがいのなにものでもない。
 そればかりではない。みずからへの支持がさらに急落する怖れがあるとみなした都合の悪い$ュ策について、安倍自民党政権はことごとく隠蔽し先に送った。緊迫するホルムズ海峡への派兵をトランプから迫られ・これにこたえるハラをかためていたにもかかわらず、首相・安倍の指示のもとに防衛相・岩屋は選挙期間中、「当面は考えていない」などとヌケヌケとくりかえした。このような言辞は、われわれが暴きだしてきたように、労働者・人民を欺くための真っ赤なウソにほかならなかった。「自国の船は自分で守れ」とトランプ政権から迫られたアメリカの「属国」日本の安倍政権は、これに応じる意志を主人≠スるトランプ政権にあらかじめ伝えたうえで、「参院選後までは待ってください」などと懇願したにちがいないのだ。そのことは、選挙投開票直後のタイミング(翌日!)で米大統領補佐官ボルトンが来日し安倍ら政府閣僚との会談にのぞんだことにはっきりと示されているではないか。加えて、日本の農畜産業を破壊する、牛肉をはじめとする農産物市場の開放、米国製兵器の爆買い≠ネどについても、「八月に大きな発表がある」というトランプの発言に明らかなように、五月の日米首脳会談で安倍はトランプと密約をかわしていたのであるが、これも選挙期間中は隠しつづけた。そして安倍自民党は、かの年金「二〇〇〇万円不足」問題についても一言も触れず、五年に一度六月におこなわれることになっている「年金財政検証」報告書(厚生労働省発表)の公表も選挙後にのばすという姑息な術策をも弄したのであった。
 その他方で安倍は、労働者・人民の目を外敵≠ノ向けさせることを企んで、韓国にたいする憎悪をかきたて排外主義を徹底的に煽りたてた。かつて日本軍国主義が植民地支配していた朝鮮半島から日本に強制連行し過酷な労働を強いた元徴用工たちが、日本国にたいして謝罪と賠償を求めるのはまったく正当なことである。ところが、あろうことか、日本軍国主義のこの犯罪を居直り、日本帝国主義が韓国の「反共」軍事ボナパルチズム権力とのあいだで結んだ日韓請求権協定(一九六五年)なるものを唯一のツイタテにして、文在寅ひきいる韓国を敵視し、韓国の基幹産業たる半導体製造業を狙い撃ちにして、懲罰的な経済制裁を加えたのが、「右翼の軍国主義者」安倍なのだ。
 SNSを使った情報操作・世論誘導こそは、トランプまがいのファシスト的な人心操作術以外のなにものでもないではないか。
 〔安倍=菅は、「ポスト安倍」を狙う岸田の地元・広島に肝いりの刺客≠送りこみ、岸田派の重鎮議員を落選に追いこんだのであった。安倍にとって次期総裁選の対抗馬となりうる岸田の政治生命を最期的に絶ち・自民党内のハト派=u宏池会」の本流である岸田派を弱小派閥に追いこむための術策をも弄したのである。〕
 安倍自民党が議席を減らしたなかで、野党第一党の立憲民主党のみが九から十七へと議席をほぼ倍増させ(ただし得票数では前回の総選挙に比して減少)、「消費税廃止」を掲げ二二八万票を集めた「れいわ新選組」もまた二議席を獲得した。その他方で、国民民主(八→六)、日共(八→七)はのきなみ議席を減らした。安倍政権への怒りと不信を抱く労働者・人民の一部が、主に立憲民主党と「れいわ新選組」に票を投じたのだ。自民党とともに既成の野党もまた得票数や議席数を減らしたことは、そして投票率が史上二番目に低い四八%であったことは、労働者・人民のなかに、安倍自民党への怒りとともに政治的なアパシーが広がってもいることを示しているのである。〔自民党は選挙区の全有権者のうち一八・九%しか得票していないにもかかわらず、改選議席の五一・四%を独占した。〕

 下部党員の造反――保身に汲々とする日共中央

 日共の不破=志位指導部は、比例の得票が前回(二〇一六年)の参院選の約四分の三(約六〇一万票から約四四八万票に一五三万票減)に激減したことにはいっさい口をつぐんで、ただもっぱら「重要なのは……改憲勢力が改憲発議に必要な三分の二を割ったこと」(幹部会声明)などと強調し「大健闘」などと強弁している。いま日共の内部においては、「市民と野党の共闘」なる旗印のもとに「労組は市民運動の敷布団たれ」と号令してきた党中央にたいする下部党員たちの不満と怒りと絶望感が噴出している。党中央にたいする批判の弾丸を撃ちこんできたわが革命的左翼に鼓舞された広範な下部党員の造反がうみだされている。これに直面した代々木官僚どもは、自己保身に駆られ欺瞞に満ちた「総括」をデッチあげることに汲々となっているのである。
 今回の参院選の過程において、代々木官僚どもは、自民党総裁・安倍が街頭で改憲を叫んでいたそのときに、街頭演説でもビラでも改憲問題をまともにとりあげもしなかった。あまりにも犯罪的ではないか!
 公示日の新宿駅頭での最初の選挙演説において、委員長・志位が改憲問題に触れたのは、なんと一番最後であった。イランへのアメリカの軍事攻撃とペルシャ湾への日本の派兵という重大問題についてはただの一言も触れることなく、これに反対する態度をうちだしたのは、わが同盟に批判された後のじつに選挙戦の中盤になってからであった。しかも、選挙前には天皇代替わりを利用してナショナリズムを煽りたてた権力者に屈服して、代々木官僚は、新天皇即位に際する「賀詞決議」に賛成さえした。このようなていたらくのゆえに、良心的な労働者・勤労人民から怒りが噴出し不破=志位指導部は、彼らから最後的に愛想を尽かされたのである。
 いわゆる「組織内候補」が立憲民主党と国民民主党とに分かれるという股裂き¥態に陥った「連合」の会長・神津は、「こういう選挙は二度とやりたくない」と消耗感をにじませた。
 だが、「改憲支持」を公言するUAゼンセンや「原発推進」を信条とする電力総連など、神津執行部が足をおく右派単産の労働貴族どもは、市民連合が主導した「共通政策」を足蹴にし「野党統一候補」の支援を公然とネグレクトしたのであった。この右派労働貴族どもは、国民民主から立った電機連合およびJAM出身候補が落選したとはいえ彼らを含めて右派単産出身候補の得票が立憲民主から出馬した候補の得票を上まわったことをおしだしつつ、国民民主党・玉木執行部を改憲支持≠ノ誘うために蠢きを開始しているのだ。
 こうした日共をはじめとする既成反対運動の指導部の惨状を弾劾しつつ、職場深部において、そして全国の大学キャンパスにおいて、安倍政権による改憲やホルムズ海峡への派兵、辺野古新基地建設などの反動諸攻撃を真に阻止する大衆的な闘いを爆発させるために、わが革命的・戦闘的労働者と全学連のたたかう学生たちこそが、ねばり強く闘いをつくりだしてきたのだ。
 わがたたかう労働者たちは、「連合」や「全労連」の内部において、憲法改悪を阻止し安倍反動政権を倒す真の力は、ブルジョア選挙にではなく労働者階級人民の団結と闘争にこそあることを、組合員たちに粘りづよく・かつ柔軟に訴えかけつつたたかった。また全学連のたたかう学生たちは、所属するクラス・サークルにおいて、さらに学生大会・自治委員会などにおいて自治会員・サークル員たちとひざ詰めの討論を積み重ね、学園から<反安倍政権>の闘いを大きく創造してきたのである。

 <反ファシズム>の旗幟鮮明に闘おう

 わが革共同革マル派は、全国の労働者・人民に呼びかける。既成指導部のように、ブルジョア議会選挙のみによって安倍日本型ネオ・ファシズム政権の改憲や辺野古新基地建設、さらには貧困の強制などの一切の反動攻撃をうち砕くことができるかのように考えるのは議会主義に陥っているがゆえの幻想にすぎない。<反改憲・反戦反安保>の闘いの断固たる推進の積み重ねをつうじて労働者階級の階級的団結を打ち固め、これを中軸とする<反ファシズム>の統一戦線を構築すること、これこそが安倍政権の総攻撃をうち砕きこの政権をうち倒すことのできるただ一つの道なのである。こうした革命的自覚を明確にし、日本のすべての労働者階級は、そしてたたかう労働者と連帯してたたかう全学連の学生は、わが革共同革マル派とともに決意も新たに闘いにうってでるのでなければならない。
 参院における改憲勢力の議席が三分の二に四議席足りなくなったという議会内力学のもとで、安倍自民党は、次期国会において憲法審査会を一刻も早く動かすための新たな策動に踏みだしている。
 選挙が終わるやいなや安倍は、「国民民主党の中には憲法改正を議論すべきだと考えている人がたくさんいる」「自民党改憲案にはこだわらない」などと国民民主党に公然と呼びかけた。憲法審査会の開催とその場での改憲案の討議に賛成するように国民民主党への働きかけを強めているのである(国民民主の議員にたいして一本釣りする政治的な工作も強めている)。国民民主党が憲法審査会での改憲案の論議に応じた場合には、さっそく現在の自民党改憲案に近いものをベースにして改憲案の国会発議に持ちこむことを企んでいるに違いないのである。
 この安倍にたいして、UAゼンセンなどの改憲推進派の労働貴族に足を置く国民民主の玉木もまた、「私は生まれ変わった、改憲論議はしっかりと進めてゆく」などと呼応したのであった(二十五日、玉木は安倍との党首会談にも応じようとしていた)。
 そればかりではない。安倍の側近である自民党幹事長代行・萩生田は、「今のメンバーでなかなか動かないとすれば、有力な方を議長において憲法改正シフトを国会がおこなっていく」などとほざいた(二十六日)。次期臨時国会においてなんとしても憲法審査会での審議を開始するために、「調整型」とみなした現衆院議長・大島の首をすげかえることをも、安倍は企んでいるのだ。立法府の長にNSCの指示通りに動く人物をすえ直しもって強権的に憲法審査会を運営する、という安倍=菅らのこの策動は、改憲をなんとしても成し遂げるために日本型ネオ・ファシズム支配体制をよりいっそう強化するという意味をもつのである。
 われわれは、「日米新軍事同盟の強化反対」とともに「安倍政権による日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化反対」の旗幟を鮮明にして、改憲阻止の闘いを巻き起こしてゆくのでなければならない。
 すべての労働者・学生諸君! 憲法改悪を阻止する闘いに、そしてホルムズ海峡への日本国軍の出撃を実力で阻止する闘いに、新たな決意で起ちあがろうではないか!

(以下、見出し)

ペルシャ湾・南シナ海・朝鮮半島で高まる戦乱の危機

反改憲・ペルシャ湾派兵反対・反安倍政権の闘いを!


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虚妄の「平和的安全保障」論

日共「北東アジア平和協力構想」の犯罪性

 七月参院選において自民党は九議席減に見舞われたにもかかわらず、これを「勝利」と言いくるめながら首相・安倍は、みずからの任期中に改憲をなんとしてもなしとげるために、新たな策動にうってでている。「改憲勢力」の参院三分の二議席を確保し直すために、改憲派議員をかかえる国民民主党などをからめとり、憲法審査会を早期に再開することをはかっているのだ。
 この重大な局面において、日本共産党の不破=志位指導部は、改憲阻止の一大闘争を労働者・人民によびかけていない。彼らは、日共の比例区での獲得票数が前回参院選の四分の三に減少し議席も一議席減になったことに内心おののきながら、みずからの責任をおし隠すために「大健闘」と言いくるめている。「安倍改憲阻止」にとっては「市民と野党の共闘」こそが「決定的役割」を果たすと称して、衆院選に向けた野党間の「政権問題での前向きの一致」をめざして、自党の政策=代案の右翼的緻密化にいよいよ拍車をかけているのだ。
 腐敗をきわめる日共翼下の反対運動をのりこえ、<反改憲・反安倍政権>の一大闘争を創造するために、ここでは、代々木官僚が安保・外交政策上の代案として掲げている「九条を生かした平和外交」政策、その中心軸をなす「北東アジア平和協力構想」の反人民性・犯罪性を暴きだす。

以下、見出し

T 日米軍事同盟の存在を容認する「構想」

U ブルジョア的「安全保障」理念のとりこみ


 「平和の激流」論による現情勢の錯視

 「ASEANウェイ」賛美の大錯誤

 安倍政権の安保・外交政策の補完


V 不破=志位指導部の路線的・思想的腐敗を暴きだせ

 「安保廃棄」の廃棄≠フなれの果て

 労働者階級の闘いへの敵対


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アフリカ諸国を「一帯一路」経済帯に囲い込む中国

アフリカ諸国権力者と結束強化をはかる習近平政権

「デジタル一帯一路」構築に狂奔


 借金づけのアフリカ諸国

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最新号紹介

新世紀 The Communist

第302号 2019年9月

アメリカのイラン軍事攻撃阻止!

革命的反戦闘争の指針を鮮明に提起

 七月二十一日の参議院選挙の結果、自民党は九議席を減らし過半数を割ったばかりか、自民・公明・維新の「改憲勢力」も改憲発議に必要な三分の二を割りこんだ。にもかかわらず、自民・公明の与党が参院における過半数を維持したことをもって首相・安倍は、国民の支持を得た≠ニ強弁しながら、憲法改悪、日米新軍事同盟を基礎としての自衛隊のペルシャ湾派遣、消費税増税などの策動に一挙にうって出ている。この反動諸攻撃をうち砕く闘いの武器として、『新世紀』第三〇二号を、すべてのたたかう労働者・学生、読者諸氏におくる。
 ◆本号の冒頭に「タンカー砲撃謀略弾劾! アメリカのイラン軍事攻撃を阻止せよ」(無署名)を掲げた。安倍がイランを訪問して最高指導者ハメネイと会談しようとしていた六月十三日のまさにその時に、日本の海運会社が所有するタンカーが攻撃を受けるという事件が発生した。この事態を六月十六日の時点で、「イランへの軍事攻撃の機をうかがうアメリカ帝国主義の特殊工作部隊による謀略であるにちがいない」と、即座に的確に暴露したのがこの論文である。わが同盟は、アメリカ帝国主義のイラン軍事攻撃が「第三次世界大戦の序幕となる現実的可能性」をはらんでいることへの警鐘を乱打し、日本の、そして全世界の人民に決起を呼びかけている。
 ホルムズ海峡における軍事的緊張をみずからつくりだしてきたトランプ政権はいま、「船舶の安全確保」を名分にして対イラン「有志連合」の形成にのりだしている。この「連合」への参加を迫るトランプ政権に従順に従わざるをえないのが「属国」日本の安倍政権である。「日米核軍事同盟の強化反対・改憲阻止の奔流を」(無署名)は海自護衛艦「かが」艦上においてトランプと安倍が米日両軍兵士を前におこなった共同演説こそが、「日米統合軍の出陣式≠ノほかならない」と喝破している。
 米・中をはじめとした各国権力者が国家エゴイズムむきだしで、自国や他国の人民を戦乱・失業・貧困・環境破壊にたたきこむことなどおかまいなしに激突していることを弾劾した「G20大阪サミット反対闘争に起て」(無署名)や「米・中激突下の戦争勃発の危機を突き破れ」と題した第五十七回国際反戦集会実行委員会の「海外へのアピール」を合わせて掲載した。

拡大する日共内の造反

 代々木共産党内においては、四月の統一地方選と衆院大阪補選での大惨敗を喫し、わが革命的左翼のイデオロギー闘争の直撃をうけ、党中央への党員の不満が噴出している。今号は、日共内の造反をさらに促し、良心的な党員たちをわが反スターリン主義運動の戦列に結集させるために、小特集を組んだ。「架空鼎談 『全労連』組合役員・組合員の反乱」は、「全労連」傘下組合における下部党員や組合員の現状を浮き彫りにしている。「『野党共闘』の『甘い香り』にイカレた党中央に不信と怒り」、「大阪異変」、「党員の『希望の星』は…」を合わせて読んでいただきたい。
 ◆「学校版『働き方改革』反対! 中教審答申の『実効化』要請運動をのりこえ闘おう」(牛山剛三)は、教育労働者の長時間労働を「是正」すると銘打ってうちだされた中教審の「働き方改革に関する総合的な方策」なるものが、教育労働者にいっそうの長時間労働・労働強化を強いるものであることを暴きだしている。「『イノベーション人材』育成のための高校普通科の再編」(安芸喜太三)、「安倍政権による大学への国家統制の強化」(平尾謙司)は教育のネオ・ファシズム的再編の今日的特徴を明らかにしている。
 ◆「年金『二〇〇〇万円不足』問題の居直りと幕引きを許すな」(無署名)、「AI兵器の開発・配備をめぐる米―中・露の角逐」(北門弦矢)、「改定盗聴法の施行を弾劾せよ!」(団大蔵)、「農業分野で強搾取される外国人労働者」(木多あかり)など、重要なテーマにかんする意欲的論文を掲載した。今回の「シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史」は「一九七〇年安保闘争の高揚を切り拓く」(山川鮎太)である。

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