第2577号(2019年7月15日)の内容

<1面>
安倍政権を労学の実力で倒せ
 憲法改悪・日米核軍事同盟の強化反対! 消費税増税阻止!
<4面>
郵政65歳定年制導入
 低賃金と過酷な労働条件の強制反対!
<6面>
Topics 予防は自助努力で=\―
 「認知症施策推進大綱」の反動性
辺野古新基地建設を尻押しする本部
 6・23〜24「連合平和行動in沖縄」
<5面>
F35の大量配備を急ぐ米日両権力者
<2面>
自民党選挙公約で「早期改憲」
パレスチナ解放闘争の圧殺を狙う「支援プラン」の提示
激化する月面着陸=探査競争
<3面>
日本の商業捕鯨の再開
アスベスト被害――責任回避する安倍政権
<7面>
習近平中国のウイグル族人民大弾圧を許すな
<8面>
学習ノート
 『資本論』のマルクスのパトスをわがものに

 「解放」最新号































  


安倍政権を労学の実力で倒せ

憲法改悪・日米核軍事同盟の強化反対!消費税増税阻止!

 七月二十一日投票の参議院選挙をまえにして、わが同盟はすべての労働者・学生・人民に訴える! 安倍政権・自民党は、この選挙戦において「早期の憲法改正」を前面におしだしている。「自衛隊の明記」と「緊急事態条項の新設」を核心とする改憲をなんとしてもみずからの手でなしとげるために、自民党をはじめとする改憲勢力で再び三分の二の議席を制することに血道をあげているのが首相・安倍なのだ。断じて許してはならない! 今こそ安倍ネオ・ファシスト政権による憲法改悪を阻止する一大闘争の炎を日本全国で燃えあがらせようではないか!
 平和運動の指導部を任ずる日本共産党の不破=志位指導部たるや、集票マシーンとして党員・活動家をひきまわすことにのみ狂奔し、改憲を阻止する大衆闘争の組織化を投げ捨てている。この体たらくを弾劾しつつわが革命的左翼は、改憲阻止闘争をはじめとして、辺野古新基地建設を阻止する反戦反安保の闘いを、人民に貧窮を強制するアベノミクス諸施策に反対する闘いを、原発再稼働に反対する闘いを、全国の職場・学園において創造している。安倍政権の反動諸攻撃に抗してともに起ちあがっている労働者・学生・人民諸君! 安倍政権にたいする人民の積年の怒りを今こそ総結集し、<反安倍政権>の巨大なうねりをつくりだそうではないか! わが同盟は最先頭に立ってたたかいぬく!

アメリカと共に戦争する軍事強国≠ヨの突進を許すな

 アメリカ大統領トランプは言い放っている――「日本が攻撃されたらアメリカは第三次世界大戦を戦うが、われわれが攻撃されても日本はわれわれを助ける必要がない。この不公平な(日米安保)条約を変えるべきだ」「日本の輸送路は自国で守れ」と。トランプは自衛隊はアメリカのために前線で血を流せ、ペルシャ湾にも出兵せよ≠ニ安倍政権を恫喝しているのだ。想起せよ、F35B戦闘機を搭載できる空母に改修予定の海自護衛艦「かが」の艦上において、日米両軍の兵士を閲兵したトランプが「この艦はまもなく改修されわれわれの国を守ってくれる」とほざき、安倍が「日本はしっかりと役割をはたしていく」と誓約したことを。これぞ米日統合軍のペルシャ湾への出陣式≠ナはなかったか。
 「核合意」で定められたウラン濃縮度の制限を超えたことを公表したイラン(七月八日)にたいして、トランプ政権が空爆開始の機をうかがっている。アメリカ帝国主義のイラン軍事攻撃が切迫しているのだ。トランプ政権は早晩、安倍政権にたいして日本国軍のペルシャ湾派兵を迫るにちがいない。アメリカのために戦え≠ニいうトランプの命令に唯々諾々と従うしか道がないのが、日米新軍事同盟の鎖に縛られた安倍政権なのである。
 この政権は、「交戦権放棄・戦力不保持」を明記した日本国憲法第九条をアメリカとともに戦争をやる軍事強国≠ノ日本をおしあげることにとっての手かせ足かせとみなしている。だからこそ九条の改定に突進しているのだ。しかも、首相・NSC専制の強権的=軍事的支配体制の飛躍的強化をなしとげるために、「緊急事態条項」という名の首相の非常大権を明記しようとしている。安倍政権の改憲攻撃は、まさしく<日本型ネオ・ファシズム憲法の制定>を意味するのである。
 安倍がトランプに誓った「日本の役割」とは何か?――陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波の全戦域を横断する作戦において米軍を日本国軍が補完する。アメリカのミサイル防衛システムの一翼を対中・対露の最前線で担う。宇宙軍拡への日本の衛星・技術・カネの供出。総計一四七機ものF35戦闘機(維持費を含め総額六兆円強!)をはじめとするアメリカ製兵器の、日本人民の血税を注ぎこんでの爆買い=B「普天間基地移転は一〇〇億ドルの価値がある土地の収奪だ」などという盗っ人猛々しいトランプの脅しに促迫されての、辺野古新基地建設の強行と在日米軍駐留経費の日本負担のさらなる増大……。安倍がおしだしている「史上最も強固な日米同盟」とは、日本国軍の米軍への一体化とアメリカにとっての日本のATM化≠フ謂いであり、日本の「アメリカの属国」化の徹底を意味するのである。
 ときあたかも「一超」の座を失いおちぶれた軍国主義帝国アメリカが焦燥に満ちて世界の国々を隷属化せんとしており、「市場社会主義国」中国がアメリカから「世界の覇者」の座を奪いとろうとしている。この米と中(・露)の激突のゆえに、アメリカ帝国主義のイラン軍事攻撃が第三次世界大戦の序幕となる現実的可能性が高まっているといわなければならない。この重大な危機を直覚せよ! もしも今、われわれ日本の労働者・学生・人民が安倍政権による憲法改悪と日米新軍事同盟=対中・対露攻守同盟の強化に抗して起ちあがらないならば、日本国家は「アメリカの属国」として参戦し・軍国主義帝国アメリカと心中する破滅の道を突き進みかねないのである。
 くわえて、日米の貿易交渉をめぐって「八月には大きな取引を発表できる」というトランプの予告を見よ。対米輸出の日本製自動車への関税引き上げを当面は見送ってもらうことと引き換えにして牛肉・豚肉・乳製品などの農畜産物をアメリカに全面的に開放する密約を、安倍政権がトランプ政権に呑まされたことは歴然としているではないか。日本の農畜産業にたずさわり汗水たらして働いている人民を、独占資本の利害を守るために人柱に供することを断じて許すな!
 もはやこれ以上、トランプ政権に隷従する安倍政権の悪行を絶対に許してはならない! 憲法改悪を断固阻止しよう! 日米核軍事同盟の強化反対! 日米FTAの締結阻止! <戦争と暗黒支配と貧窮地獄>を人民に強制する安倍政権をうち倒せ!

年金・社会保障大削減攻撃を粉砕せよ!

 安倍ネオ・ファシスト政権は、アメリカ製兵器の大量購入を中心とする軍備大増強に必要な国家予算を確保するために、教育予算や社会保障費を極限的におさえている。
 年金「二〇〇〇万円不足」問題が明らかになり、年金制度は「百年安心」≠ニだましつづけてきた政府与党(自民・公明両党)に労働者・勤労人民が怒りの矛先を向けているにもかかわらず、安倍政権はさらに「マクロ経済スライド」を強行しつづけ、年金給付額を二〇四三年には七兆円も減額(年金水準を三割引き下げ)しようとしている。これは現在四十歳以下の労働者を直撃する施策以外の何ものでもない。それにもかかわらず安倍政権は、二〇四三年度になっても基礎年金は「六万三〇〇〇円給付できる」などと強弁してさえいる。だが、これは今後約二十年間で実質賃金が四割も上昇するという想定(空想!)にもとづく試算なのだ。アベノミクスの六年間で実質賃金が一四万円も減少しているにもかかわらず、よくもこんなデマゴギーを垂れ流すものだ!
 この他方で、安倍政権の指令にもとづいて年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、労働者・勤労人民から収奪した総額一五一兆円超にものぼる年金積立金を――黒田日銀と二人三脚で――国内外の株式市場や債券市場に投じている。株価をつりあげアベノミクス成功≠偽装するために、勤労人民から収奪した年金基金を湯水のごとく注ぎこんでいるのだ。この「活況」による配当金や債券の高利で潤っているのは、独占資本と一握りの富裕層、ならびに海外の投資ファンドだけなのである。
 しかも安倍政権は、今年の十月から消費税税率を一〇%に引き上げようとしている。軍備大増強と独占資本優遇策をつづけるために、だ。安倍政権は「経済を強くすれば税収は増える。今年税収は過去最高になった」などとうそぶいている。だが、国税収入が六〇兆円超で並ぶ一九九〇年と比較すれば、消費税税収が四倍の一三兆円増収、法人税と所得税がそれぞれ六兆円以上の減収となっている。独占資本と富裕層には大減税を施し、貧困層には大増税を強いてきたのが実態なのである。消費税大増税=労働者・勤労人民からの大衆収奪の強化を絶対に許すな!
 今次参院選に臨んで安倍政権は、有効求人倍率などの数値をあげつらって雇用政策の成果などと言いつのっている。だが、安倍政権下での雇用増の七割以上が非正規雇用労働者(三二七万人もの増)であって、全雇用労働者の四割近くになっているではないか。有効求人倍率の増加なるものは、労働人口の減少と低賃金・労働強化のゆえに離職率が上がっていることからしてもたらされているにすぎないのだ。
 こんにち、安倍政権は「ジョブ型正社員」制度の拡充を謳い、解雇の金銭解決制度の新設を強行しようとしている。まさにそれは、米欧の諸独占資本とのデジタル革新技術の開発と実用化をめぐる激烈な競争下で、一定の技術性をもつ労働者を必要なときに必要なだけ外部から調達し、用済みとなれば即座に解雇できる雇用形態への転換を追求している独占資本家の要求に応えるものなのである。「『非正規』という言葉をこの国から一掃する」と喚いて、安倍政権がおしすすめている「働き方改革」なるものの欺瞞性・反労働者性はもはや明白ではないか。
 大学生とその家族には高騰する一方の学費負担が重くのしかかり、多くの学生は在学中にはアルバイトに追われ、卒業後も四十歳代まで奨学金の返済に追われている。安倍政権による教育予算の削減を許すな! 社会保障の大削減に断固として反対するとともに、労働諸法制の改悪を阻止する闘いを職場・学園から創造しようではないか!

民族排外主義を煽る日本型ネオ・ファシスト政権打倒!

 安倍政権は、韓国にたいする半導体材料の輸出規制を発動した(七月四日)。元徴用工の日本企業にたいする賠償請求を認めた韓国最高裁判決を「尊重する」という態度を文在寅政権がとりつづけていることへの報復として、韓国の基幹産業を狙い撃ちにする経済制裁にふみきったのだ。「反韓・嫌韓」の感情を抱く右翼・保守層を参院選に向けて安倍の岩盤支持層≠ニして固めるために、安倍じしんが「韓国は約束を守らず信用できない」などと罵倒し反韓国の排外主義を煽りたてているのである。
 トランプの猿まねをして対韓経済制裁をふりかざす安倍こそ、恥を知れ! 日本軍国主義の朝鮮半島植民地支配と「大東亜聖戦」の名のもとでの中国・アジアへの軍事侵略を安倍が開きなおっていることをこそ、日本の労働者・学生・人民は徹底的に弾劾するのでなければならない。徴用工・慰安婦など日本帝国主義の歴史的大罪にたいする韓国人民の抗議の声を傲然と足蹴にしている安倍政権を断じて許すな!
 徴用工問題・慰安婦問題を「解決済み」などと居直っていることのゆえに、またトランプ政権に露骨に媚びへつらっていることのゆえに、安倍政権はいまや完全に「アジアの孤児」と化しているではないか。トランプ来日時の異様なまでの「おもてなし」は全世界の嘲笑の的となった。議長国であったG20大阪サミットでは、首脳宣言から「保護貿易主義と闘う」の文言を除外するトランプ忖度≠ヤりを発揮。にもかかわらず、その直後に電撃的に開催された板門店での米朝首脳会談をめぐっては完全に蚊帳の外。「イランとアメリカを仲介する」などと意気込んで安倍が訪問したイランでは「お前は日本の代表か、それともアメリカの大使か」というプラカードを掲げたデモ隊に迎えられ、しかもかのタンカー砲撃事件の発生――イラン攻撃の口実をつくるためのアメリカ帝国主義の謀略だ!――によって面子は丸潰れ。トランプに弄ばれてもつき従うしか生きる術がない妾ならぬオカケとなっているのが安倍ではないのか。この「属国」宰相をこれ以上のさばらせるな!

 もはや一刻の猶予もない。すべての労働者・学生・人民よ、今こそ起て! 安倍ネオ・ファシスト政権を打ち倒す闘いに!
 「連合」神津指導部は、憲法審査会における改憲に向けての論議を黙認しているだけではなく、「日米合意に基づく沖縄普天間基地の移設について早期実現をはかる」などと六月にうちだした「政策・制度 要求と提言」で公然と謳っている。この方針は、辺野古新基地建設を「連合」として積極的に尻押しすることを意味する以外のなにものでもないではないか! 絶対に許すことはできない。
 日共の不破=志位指導部は、分析上では「九条改憲は自衛隊が海外で米軍と肩を並べて無制限の武力行使をできるようにするもの」とは言うが、方針においては自衛隊の米軍化がまさに日米安保条約を根拠として強行されていることを暴露し・反安保の自覚をうながすことを欠落させているのだ。そればかりか、「保守層」に媚を売るために「私が閣僚になったら自衛隊は合憲だと答弁する」(書記局長・小池)などとほざいてはばからないのが代々木中央官僚なのである。
 代々木中央のように「批判とともに希望を語ることが大切」と称して票田開拓のための代案宣伝に明け暮れることによっては、憲法改悪をはじめとする安倍政権の反動攻撃を打ち砕く力をつくりだすことはできない。
 <憲法改悪阻止! 日米核軍事同盟=対中・対露攻守同盟の強化反対! 安倍政権の大軍拡反対!>の反改憲・反戦反安保闘争を全国の職場・学園で断固としてまきおこそう!
 <消費税税率の一〇%への引き上げ阻止! 社会保障費の大削減反対! 労働法制の改悪反対!>の闘いや日米FTAの締結を阻止する闘い、原発・核開発反対闘争をもひとつに結びつけ、<反安倍政権>の一大奔流を創造しよう!
 監視カメラ・盗聴による国民総管理=総監視体制の強化反対! 共謀罪適用を手段とする反対運動弾圧を許すな!
 労働者・学生・人民の<反安保・反ファシズム>の団結をうち固め、安倍政権を打倒する力を結集しようではないか!

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65歳定年制による低賃金と過酷な労働条件の強制反対!

郵政労働者の怒りをもって粉砕せよ

T 高齢労働者を生産性向上に駆り立てる郵政経営陣

 JP労組中央本部は、一九春闘において六十五歳定年制の実現を要求し、これを受けて日本郵政経営陣は六十五歳定年制の制度化を回答し、労使協議をつうじて六十五歳定年制の導入に合意した。その妥結の内容は以下のようなものである。
(1)役職定年制の導入。六十歳になった労働者は全員、役職を降ろされシニアスタッフ(一般職)とされる。だが役職の継続希望者には会社が選考したうえで継続させる。
(2)六十歳を超えた正社員に新たな職種コースを設定する。担当社員は「シニアスタッフ(一般職)」コース、役職者は「シニア地域基幹職」コース、(役職は、課長代理と課長。)
(3)基本給は、シニアスタッフ一八万四二〇〇円、課長代理二四万四〇〇円、課長二七万一〇〇〇円、と格段の格差をつけたうえで固定する。基礎(定期)昇給はなく、人事評価にもとづいた査定昇給をおこなう。
(4)扶養手当や住居手当、寒冷地手当などの生活に関連した手当の支給はしない。
(5)定年延長にともない、退職金の支払い額の算出の基礎となる役割等級ポイントを新たに創設する。
(6)これらを二〇二〇年度に満六十歳に達する社員から適用する。これにともなって現行の高齢者再雇用制度は廃止する。
 郵政経営陣は高齢者を最大限活用するために、六十五歳定年制を導入しようというのだ。経営陣はこの制度導入の目的を「高齢層社員の能力および経験を本格的に活用するため」などと語っている。現在の高齢者再雇用制度を廃止して高齢労働者をヨリ生産性向上に駆りたててゆく制度に改変する必要に彼らは駆られているのだ。
 経営陣は、現行の高齢者再雇用制度での基本給は、かつてあった新昇格制度のもとでの退職時の俸給表に紐づいた年功的な要素が残るものなので、これを改めて基本給を一本化するとしている。すなわち今後は六十歳を超えた社員をシニアスタッフ(一般職)、シニア課長代理、シニア課長と高齢の労働者を三階層とし、それぞれの基本給は俸給表を設けずに一律にする。シニア職の大多数を占めるシニアスタッフに支払う賃金は、現行再雇用制度の基本給より約四万円も低額の設定となっている。経営陣は、再雇用制度のもとで低賃金(定年時の六割に満たない)で働かせていた高齢労働者を、より低賃金でこき使おうと考えているのだ。(経営陣はこのシニア職における一般職と役職者のみに純化した三階層のシステムを労働組織のモデルとし、これを会社全体に浸透させてゆくことをも目論んでいるに違いない。彼らは役職に就かない地域基幹職社員は一掃してゆきたいのだ。)
 そのうえで経営陣は、現行の再雇用制度では適用していなかった人事評価制度にもとづく能力・成果主義的な賃金支払い形態を導入して、高齢労働者にたいして査定による昇給をおこなうとしている。昇給をエサに労働者同士を競わせてもっと生産性を上げさせようと目論んでいるのだ。さらに彼らは、姑息にも退職の時期を延ばせば延ばすほど、退職手当ポイントが加算されて受け取る退職金が増額される仕組みをも導入しようとしている。退職金を人質にとられて辞めるに辞められない高齢の労働者のヤル気を無理やりにでもひきだそうというわけだ。
 六十五歳定年制の導入によって、今までは郵便業務運行のための労働組織の中においては中途半端な位置づけであった高齢再雇用社員を今後は正社員に位置付けるのだと経営陣は言いなしている。にもかかわらず、シニアスタッフ職には正社員であっても、扶養手当、住居手当、寒冷地手当などの生活関連手当はこれまで同様に支給しない。六十歳を超えれば「ライフステージに応じた生計費の増加等に対応する目的で支給される手当」はもう支払う必要もない、高齢者にはもうそんなに生活費もかからないだろうということなのだ。冗談ではない。家族は養わないわけにはいかないのだ。六十歳を超えたら家賃が下がったり、住宅ローンが安くなるなどという話は聞いたこともないではないか。六十歳を超えた人には寒波が襲来を遠慮してくれるとでもいうのか。(中略)

U 「なんで組合がそんなものを要求するのだ」怒る労働者

V 経営陣のお先棒をかつぐJP労組本部を許すな!

 連続深夜勤をも含む定年延長後の働き方が「これまでの高齢再雇用社員の働き方と基本的には変わりません」などと鉄面皮にも言ってのけているのがJP労組中央本部だ。いったいどこがこれまでと変わらないというのだ? 本部はこれをやらされる労働者の身になってこの制度のもとで労働者がいかに酷くこき使われるのか、と考えてみよ。まったく許せないではないか。本部は経営陣との交渉時において、シニア職に人事評価制度を導入するために新たに作成する役割等級定義に「自身が培ってきた広い知見やノウハウを活用して後進の育成や技能の承継を行い」の一文を入れさせたことを成果としておしだしている。だがこのことは労働者に担わせる業務上の役割が拡大して労働強化に直結するという意味をもつのであって、労組の側から労働者の尻を叩き生産性向上にはげませる内容を盛りこませたということにほかならない。なんと反労働者的なことか。
 安倍政権が「一億総活躍社会の実現」を掲げた政策のもとに高齢者の就労促進を企業に働きかけていることにつき動かされ、「働き方改革関連法」の施行に合わせて六十五歳定年制を実現せんとしているのが日本郵政経営陣である。経営陣は深刻な労働力不足をのりきるために、高齢労働者をつなぎ止め低賃金で酷使する六十五歳定年制の導入に踏みきったのだ。この実現を求めるJP労組本部に応えるかたちで! JP労組本部の労働貴族どもは組合の側から六十五歳定年制を要求し、社会的にも許されない極めて低賃金で悪労働条件の制度を導入するという、犯罪に手を染めているのだ。(昨年春闘時には、同一労働同一賃金の名目のもとに正社員の労働条件を切り下げていくその先陣を切るという重罪を犯したことにひきつづきまたしても!)
 いま本部は定年制の詳細な制度設計に向けて密室で経営陣との労使協議を続行している。そして経営陣とのあいだで練りあげた制度見直しの提案を次期第十二回全国大会議案に提起し、その妥結承認とこれにもとづく労働協約の改定の承認を取り付けようと画策している。
 本部は全国大会での承認を得るために経営陣との労使協議をつうじてみずからもその制定に与してきたこの制度を自画自賛し、組合員を教育しこれを浸透させんと躍起になっている。本部はこの制度の導入によって「高齢再雇用者の年収は大幅に引き上がる」とおしだしている。だがこれは大ウソなのである。彼らの示す試算ではシニアスタッフ(一般職)の年収は四一二万円になるとされている。しかしこれは基本給に諸手当と一時金を合計した額なのであって、基本給である月例賃金は約四万円も引き下げられているのだ。諸手当のなかには毎月二十時間を超えて超勤をすることが前提とされた超勤手当も含まれているのだ。いくらなんでもこれほどに高齢者に超勤をさせている職場がどこにあるというのだ。一時金は今春闘の妥結額の四・三ヵ月で計算されているが、本部は経営陣から「来年度も同様の一時金を支給できるとの見通しが立つものではない」とつきつけられていることには頬かぶりをしているのだ。極めつけは、一般職の社員が定年延長した場合には現行の高齢再雇用制度を適用した場合よりも年収が一三一万円(三二%)増えると喧伝していることだ。一般職の導入からはまだ日も浅く、これに該当する社員は極めて少数である。にもかかわらず、多くの組合員の年収が上がるかのごとくに本部はおしだしている。本部は「長く安心して働きつづけるために」などという欺瞞的な言辞をも使いこの制度をバラ色に描きだし、組合員にたいしてあたかもフルタイムでの定年延長以外に六十歳以降の働き方の選択肢はないかのごとくにおしだし宣伝し、この施策の導入に向けてそのお先棒を担ぐことに血眼になっているのだ。
 われわれ戦闘的・革命的労働者は、労働者にさらなる辛苦をもたらす、六十五歳定年制の導入による低賃金と極悪労働条件の強制を打ち砕かねばならない。われわれは、組合員との論議を広範に巻き起こし、全国大会議案の否決を勝ちとろう! ともにたたかおう。

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習近平中国のウイグル族人民大弾圧を許すな


T 〈収容所群島〉と化した新疆ウイグル自治区

U 「一帯一路」経済圏構築のための「反テロ闘争」

   「西域大開発」によるウイグル族の生活基盤の破壊

   「中華民族共同体」への帰属の強制

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