第2574号(2019年6月24日)の内容

<1面>
アメリカ帝国主義のタンカー砲撃謀略弾劾!
 イランへの軍事攻撃を阻止する反戦闘争をまき起こせ!
<3面>
6・23 G20大阪サミット反対闘争に起て!
<2面>
現地闘争に〈反安保〉の檄
 6・2福岡・築城基地
 6・2京丹後・Xバンドレーダー
<4面>
「イノベーション人材」育成のための高校普通科再編
<5面>
次期主力戦闘機の日米共同開発に突進
<6面>
増える福島の小児甲状腺がん
 被害をもみ消す安倍政権
Topics 規制改革推進会議が副業・兼業規制撤廃を提言
<7面>
◆「いずも」が対中国共同演習
◆インチキ「修学支援」
◆金正恩の「ガマンの限界」
<8面>
架空鼎談 「全労連」役員・組合員の混迷と反乱
日共党員の「希望の星」は……
週間日誌は7面に掲載

 「解放」最新号































  


アメリカ帝国主義のタンカー砲撃謀略弾劾!

イランへの軍事攻撃を阻止する反戦闘争をまき起こせ!

6・16
改憲阻止! 日米核安保粉砕! 首都労学統一行動に起つ
「イラン攻撃阻止!」をも掲げ戦闘的デモ

(愛宕通り)

(1)
 六月十三日朝、ホルムズ海峡近くのイラン沖で、日本の海運会社「国華産業」が所有するタンカーが二度にわたって攻撃を受けるという事件が発生した(ノルウェーのタンカーも攻撃を受けた)。
 首相・安倍がイランの最高指導者ハメネイと会談しようとしていたまさにその時に勃発したこの事件を、トランプをはじめとするヤンキー権力者どもは即座に「イランの仕業だ」などと断定した。そしてアメリカ権力者どもは、「イラン革命防衛隊のボートがタンカーに接近し、証拠隠滅のために爆発しなかった吸着式機雷を取り外している様子を写した」とする映像を公開し、これをもって「動かぬ証拠」などとほざいたのである。
 だが、馬脚をあらわすとは、まさにこのことではないか。タンカーを攻撃した者が九時間後に、すでに米軍に監視され包囲されている現場にわざわざ戻ってくるなどということはありえない。そもそもイランの最高指導者ハメネイはこのかん一貫して「われわれはアメリカとの戦争を求めていない」と言明しており、革命防衛隊はハメネイ直属の軍隊であって、この軍隊がハメネイ・安倍会談のまっただ中で日本のタンカーを攻撃するなどということは、ありえないのである。
 この事件がイラン国家の国家意志にもとづいてひきおこされたものではないことは、火を見るよりも明らかなのだ。
 それだけではない。タンカーを所有する海運会社の社長が、事件翌日に、「乗組員が飛来物を目撃していた。機雷や魚雷ではありえない」と明言するとともに、タンカーが攻撃された場所についても、当初発表した左舷=左側ではなく右舷=右側であったと訂正した。
 この証言は、「不発のリムペット・マイン(吸着式機雷)を革命防衛隊が、証拠隠滅のために回収にきた」などというアメリカ権力者の主張が、虚構にすぎないことを暴きだしている。しかも、タンカーの進行方向からして、砲撃はイラン側からではなくアラビア半島側からなされたにちがいないのであって、このこともまた「イランの仕業」なる主張がまったくのでっちあげであることを示しているのだ。
 もはや明らかであろう。すでにわれわれは、このかんのタンカー攻撃などの一連の事件はアメリカ帝国主義による謀略であることを暴きだしてきているのであるが(本紙第二五七〇号一、四面参照)、今回の一段とエスカレートしたタンカーへの攻撃もまた、イランへの軍事攻撃の機をうかがうアメリカ帝国主義の特殊工作部隊による謀略であるにちがいない。あるいはイラン外相ザリフの言うように、「Bチームによる陰謀」によるものか、そのいずれかであろう。この場合も事件の黒幕はもちろんアメリカ帝国主義なのだ。〔「Bチーム」とは、「ネオ・コン」の生き残りである米大統領補佐官ボルトン、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ、そしてサウジアラビアの皇太子ムハンマド・ビン・サルマンの、名前に「B」の付く三人で、イランを早期に叩くことを主張している部分をさす。ちなみに、スンナ派のサウジアラビア権力者は、トランプ政権と歩調を合わせて、タンカーへの攻撃を「イランの仕業」とすぐに断定したのであった。〕

(2)
 アメリカの権力者どもは今、シーア派の反米国家イランへの軍事攻撃の機を虎視眈々とうかがっている。アメリカ帝国主義はすでにエイブラハム・リンカーン空母打撃群やB52戦略爆撃機部隊を配置してイラン軍事攻撃のための戦闘態勢を整えているのであって、彼ら戦争狂に必要なのは攻撃の口実だけなのである。まさにこのゆえに彼らは、イスラエルのシオニスト政権および親米国家サウジアラビアの権力者どもと謀って、自作自演の攻撃事件をひきおこしこれを「イランの仕業」と強弁するという謀略に狂奔しているのだ。
 アメリカ権力者どもは鉄面皮にも、「イランによるタンカー攻撃」なるものを槍玉にあげ、ただちに国連安保理を開催することを要求した。「即開戦」を主張する強硬派との一定の齟齬を抱えているトランプ政権は、まずはすでに物価の上昇や為替の暴落などの経済危機を深めているイランをさらに国際的孤立に追いこむことを策しているといえる。そしてイランがアメリカとの交渉を断固として拒絶したり、かつさらにはイラン自身が「核合意からの離脱」に踏みきったり・ペルシャ湾の封鎖という強硬な対抗策をとったりした場合には、アメリカ帝国主義はイスラエルやサウジアラビアとともに反米国家イランへの軍事的総攻撃をしかけることを企んでいるのである。
 アメリカ帝国主義が今、反米国家イランに打撃を与えようとしているのは、直接にはイラク軍事侵略という「ブッシュの戦争」の惨めな敗北と・その後のオバマ政権による「アラブの春」の破産とによって、中洋イスラム世界がカオスに叩きこまれ、そのなかでシーア派の反米国家イランがシリアやイラクなどと結託しつつ、親米のイスラエルやサウジアラビアと対峙するという「構図の激変」が生みだされたからにほかならない。
 しかも、それだけではない。このイランとシリアの背後には、アメリカと激しく対立するロシアおよび中国が立ちはだかっている。現に、タンカー砲撃事件の直後におこなわれたSCO(上海協力機構)首脳会議にオブザーバー参加したイラン大統領ロウハニは、ロシアのプーチンとの会談において、「地域の国々やロシアの支援を」と頼みこんでいる。
 まさにこうした世界の構造的変化(米―中・露の激突)のゆえに、アメリカ権力者どもは――「ブッシュの戦争」の時代とは異なって、シェール油田開発により世界一の産油国になりあがっている今日のアメリカは、中東の石油を強奪する必要性は希薄になっているにもかかわらず――反米のシーア派国家イランの対米挑戦と核開発の意志をへし折ることに躍起とならないわけにはいかないのだ。

(3)
 すべての諸君!
 かのタンカー砲撃事件を契機として、中洋における戦乱勃発の危機はますます高まりつつある。アメリカがイランへの軍事攻撃に踏みきるならば、イスラエルやサウジアラビアもまたこれに参戦し、全中洋を巻きこむ戦火が燃えあがるのだ。
 しかも落日の軍国主義帝国アメリカの大統領トランプは、「アメリカ・ファースト」「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」を理念ならざる理念にして、「人民共和国」を名のる国(中国・北朝鮮)であれ「イスラム共和国」(イラン)であれ、国家や統治形態の違いにかかわりなく、さらに同盟国か否かにかかわらず、すべての国がアメリカの国家意志に従うべきことを強要している。アメリカの地位を脅かす者、アメリカにさからう者はすべて「悪」とみなし、軍事的脅迫と経済制裁を加えるというやり方を常態化しているのである。この意味では、トランプ政権は、――軍事戦略上・経済戦略上はブッシュ政権時のような先制攻撃戦略や資源略奪戦略をとってはいないとはいえ――すべての国々をアメリカの国家意志に従属させるという三歳児的にして傲岸きわまりない国家エゴイズム丸出しの発想を引き継いでいるのである。
 これにたいして習近平の中国は、あくまでも「二十一世紀の覇者」をめざし、「長征」を叫び、「一国二制度」のもとでの台湾の併合や西沙・南沙諸島の領有などの「核心的利益」なるものを断固として死守しようとしている(「強いロシアの再興」を目論むプーチンのロシアもまた、この中国指導部と結託している)。
 イランをめぐる国際的激動は、暗黒の二十一世紀のひとつの縮図にほかならない。「一超」の座を失いおちぶれた軍国主義帝国アメリカは、焦燥に満ちて世界の国々を隷従化せんとしている。これにたいして、中国型ネオ・スターリニスト党たる中国共産党のひきいる「市場社会主義国」中国は、あくまでも「世界の覇者」の座を奪い取ることをめざして、中華帝国¢Rとしたふるまいをますます強めている。まさにこのゆえに、アメリカ帝国主義のイランへの軍事攻撃は、第三次世界大戦の序幕となる現実的可能性を孕んでいるのだ。
 こうした情勢のなかで、イラン訪問の面子を潰された安倍は(ちなみにアメリカの新聞は「安倍は外交の初心者」と書きたてているという)、同時に、いまや日本への原油供給を絶たれる危機にたたされている。
 安倍政権は現時点では「自衛隊を派遣する考えはない」(防衛相・岩屋)とつぶやいてはいる。だがこの日本の権力者にたいして、トランプ政権は「狙われたのは日本のタンカーだ」と言いなしながら、いずれペルシャ湾への日本国軍の派兵を強力に迫るにちがいない。そして日米新軍事同盟の鎖に締めあげられた安倍政権もまた、安保法制をタテにしてこれに全面的に応えるにちがいない。
 おもてなし一色に塗りつぶされたトランプ訪日のなかで、「かが」の艦上での閲兵式がもたれた。そこにおいてトランプは、日米両軍五〇〇名の兵士を前にして、「『かが』は地域を越えて役割を果たしてくれる」「アメリカの安全保障の向上に役立つ」などと演説したのであった。星条旗と日の丸をバックにしておこなわれたあの異様な「かが」での儀式こそは、まさに米海軍とそのもとに組みこまれた日本国軍・海自部隊によるペルシャ湾への「出陣式」というべきものではなかったか。そもそもトランプ政権は、まさに<日本のタンカーの攻撃―日本国軍の出撃>を射程に入れていたからこそ、あの「かが」での儀式を演出したのではないのか。
 すべての労働者・学生諸君!
 中洋における戦乱の危機が切迫する今こそ、われわれは、<アメリカのイラン軍事攻撃阻止!>の反戦闘争に断固として決起するのでなければならない。そして反戦反安保・反改憲・反安倍政権の闘いの爆発をかちとるのでなければならない。
 同時にわれわれは、全世界の人民に、アメリカの人民に、そして中洋イスラーム圏のすべてのムスリム人民に、呼びかけなければならない。
 イラン攻撃のためのアメリカの謀略弾劾! アメリカ帝国主義のイラン軍事攻撃阻止!
 全世界の人民は、第三次世界大戦の切迫を直覚し、今ただちに反戦闘争をまき起こせ!

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6・23G20大阪サミット反対闘争に起ちあがれ!

 六月二十八日から大阪市で開かれるG20サミットを目前にひかえて、中東地域を舞台として戦争勃発の危機が一挙に高まっている。日本の首相・安倍がイランを訪れ大統領ロウハニ(十二日)との会談につづいて、最高指導者ハメネイ師と会談した六月十三日午前、ホルムズ海峡近くのオマーン湾で、東京に本社がある国華産業のタンカー(パナマ船籍)が二回の攻撃を受け炎上するという事件が発生した。(近くを航行中のノルウェー船籍のタンカーも一回の攻撃を受けた。)
 この事態にかんして、米国務長官ポンペオはすぐさま「イランに責任がある。イランの最高指導者は日本を侮辱した」などと断言した。
 アメリカとイランとの仲介役≠自任する安倍との会談をつうじてイラン権力者は、「核合意」から一方的に離脱したトランプ政権の不当性を世界にアピールしその国際的孤立化を促そうとしていた。その矢先に日本タンカーへの攻撃が仕組まれたのだ。明らかに今回のタンカー攻撃は、イラン権力者の目論見をうち砕くと同時にイランへの軍事攻撃の口実をつくりだすために、対イラン強硬派のボルトン(国家安全保障担当大統領補佐官)らアメリカ帝国主義権力者が仕組んだ謀略であるにちがいない。
 このタンカー攻撃事件を発火点として、中東地域における戦争勃発の危機がいやましに高まっている。
 六月二十八日〜二十九日に大阪市で開かれるG20サミット(主要二十ヵ国・地域首脳会議)は、「イランによるタンカー攻撃」なるものをでっちあげ、これを口実としてイランへの軍事攻撃と経済制裁の正当性を鼓吹するアメリカのトランプ政権と、これに反対し「イラン核合意」の維持を主張する中国の習近平政権およびロシアのプーチン政権とが政治的角逐をくりひろげる場となるであろう。サミット議長国として、イラン訪問の成果≠誇示するという虫のいい願望をふくらませてきた日本の首相・安倍は、ここにきて完全に政治的面子をつぶされた。タンカー攻撃事件にかんしてアメリカに形ばかりの証拠提示要求≠おこない、当面は「予断をもって発言することは控えたい」(官房長官・菅)などと明言を回避しているのだとはいえ、日米新軍事同盟の鎖でトランプ政権にしめあげられている安倍政権が、イランへの軍事攻撃への協力要求に全面的に応える道を選びとることは明白なのだ。
 G20大阪サミットをまえにして、現代世界は、イラン核問題をめぐって、<ハイテク覇権>と結びついた貿易=通商問題をめぐって米・中両国家の激突の様相をいよいよ色濃くしている。「一超」の座から転落しつつも「アメリカ・ファースト」をふりかざし自国の国家意志に隷属する意志をもつ国ぐにのみを糾合せんとしているトランプのアメリカにつくのか、それとも「社会主義現代化強国への成長」を掲げてアメリカを凌駕する二十一世紀の超大国にのしあがることを企む習近平の中国につくのか――G20サミットの一連の会議・会談をつうじて、アメリカと中国との二十一世紀の覇権をかけた政治的・軍事的・経済的の角逐は、ますます鮮明となるにちがいない。
 これら米・中をはじめとした各国権力者が、自国や他国の人民を戦乱・失業・貧困・環境破壊にたたきこむことなどおかまいなしに、国家エゴイズムむきだしで激突しようとしているG20サミットに、われわれは断固として反対する。アメリカのイラン軍事攻撃阻止! 米―中・露の核戦力増強競争反対! 6・23大阪G20サミット反対闘争に決起せよ!

以下、見出し

イラン核問題・通商問題をめぐる米―中・露の角逐

 <ハイテク覇権>をかけた米・中の激突

トランプ追従・独占資本擁護の安倍式「環境対策」

G20サミット反対! アメリカのイラン軍事攻撃阻止! 労学統一行動に決起せよ

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「イノベーション人材」育成のための高校普通科の再編

普通科の「四タイプの類型化」

「ソサエティ5・0」実現に向けた高校教育再編への突進

 教育再生実行会議は今回の「十一次提言」において、 その冒頭から、「Society5.0の基盤となるAI、IoTなどの技術の開発に関する国際的な競争は激しさを増している」「我が国は、これらの分野における研究開発や専門人材の育成・確保の面で、最先端にある国々に比べ大きく立ち遅れている」「このことが、我が国の社会の発展や経済の成長、生産の向上への足かせともなりかねない」「危機感をもって速やかにこれらの分野の専門人材の育成やデータサイエンス等に関する国民のリテラシーの向上をはかることが必要であり、教育における取り組みは急務になっている」と、述べたてている。
 彼らは、デジタル革新技術開発競争における日本の敗勢に危機感と焦燥感を募らせる独占資本家どもの要求に全面的に応えて、「1、技術の進展に応じた教育の革新」「2、新時代に対応した高等学校改革」を掲げて、「イノベーション人材」育成に向けた教育再編の内容・制度改革を直截に語っているのだ。
 そのなかでは、新たに「STEAM教育」が強調されている。「新たな価値を創造できる力を育むこと」「幅広い分野で新しい価値を提供できる人材を養成」することが「Society5.0で求められる」として、「STEAM教育(Science〔科学〕、Technology〔技術〕、Engineering〔ものづくり〕、Art〔芸術〕、Mathematics〔数学〕などの各教科での学習をつうじて、『予測不可能な社会』において問題を発見し、解決してゆくことのできる人材を育てるための教科横断的な教育)を推進する」と叫びたてている。
 「Society5.0」・「第四次産業革命」に向けたデジタル革新技術開発と活用をめぐる国際競争に勝ちぬくためには、理系的発想だけではなく芸術的発想(をはじめ文系的発想)を豊かにもった人材が必要だ、と文部科学省は考えているのだ。「Society5.0の実現」のためには、付加価値を生みだす「新しいサービス」や「新しい製品」の開発が不可欠であり、そのためには「データ・サイエンティスト」などの豊かな「想像力と創造力」をもった新たな高度技術者や、開発されたデジタル革新技術をビジネスに生かし・使いこなすことのできる「高度な技術・技能」をもった人材を大量につくりだす必要性に、彼らは迫られているのである。(ちなみに、このような人材の育成に向けて、デジタル技術に早期から興味をわかせ慣れさせるために、二〇二〇年度からSTEAM教育の一部であるプログラミング教育が小学校で必修化されようとしてもいる。)
 そして「新時代に対応した高等学校改革」構想において、「新時代の高等学校は、Society5.0を生き抜く力を身に付けさせるとともに、新たな社会を牽引する人材や地域を分厚く支える人材の育成につなげていくことが必要である」として、現在、生徒の約七割が在籍する普通科を解体し、「四類型」に再編することをうちだしたのである。
 これらは、「Society5.0の実現」「人づくり革命」「生産性革命」「地方創生」などの、安倍政権の「国家戦略」(「成長戦略」)にもとづいた大学教育改革政策とセットの高校教育改革構想にほかならない。
 「統合イノベーション戦略推進会議」(議長:官房長官・菅)は三月に、いわゆる「AI戦略」をうちだした。そこにおいて安倍政権は「AI人材」の育成目標として、「全国で一学年約五〇万人いるすべての大学生・高等専門学校生にAIの初級教育を、そのうち約二五万人にAIの専門的な教育を」おこなうことを掲げている。二〇二五年をメドに年間二五万人の「AI人材」を大学や高専で育成するというのだ。これにともなって、政府・文科省は新たに再編される大学に送りこむのにふさわしい高校生を育成するために、高校普通科を四タイプに類型化しようというのである。
 それだけではない。大学に進学しない高卒者にたいしても、「AIによる様々なサービスをこなす知識を持つ人材」として、高卒時に即戦力になるように育成することを目論んでいるのだ。

以下、見出し

「AI人材」確保に血眼の独占資本家ども

加速する教育労働者の長時間残業と労働強化

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自衛隊次期主力戦闘機の日米共同開発への突進

以下見出し

「中・露の脅威への対抗」をおしだしての新型戦闘機開発

アメリカ隷従を強いるトランプ政権と「日本主導」を願望する安倍政権・軍需独占体

「競争力強化」に狂奔する日本軍需独占体のハイテク兵器開発

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架空鼎談

「全労連」日共系組合役員・組合員の混迷と反乱

 日共系活動家の党中央への叛逆が渦巻き、収まる気配もない六中総以降の六月のある日のこと。所は「全労連」傘下のある産別の組合事務所。
 日共党員でもある組合役員のBと、『赤旗』を購読している女性組合員のCさんが話している。
 そこへ党中央の官僚Aがやって来た。

 A だから、比例を軸に共産党の躍進を必ずかちとる、そのために直ちに臨戦態勢をとってください。
 B でもよう。情けねえことに、組合員のほとんどがわが共産党を良くは思ってねえ。こないだトランプのヤツが来日して安倍が太鼓持ちみたいにでれでれ歓待したときだって、わが党はデモも呼びかけなかったじゃねえか。まったく主人のご機嫌をとるイヌみてえな安倍の態度を見てるとよ、「従属国」規定の方が良いように思えてくる。
 C みんな言ってるわ。「イギリスじゃあんなに大きなデモやってるのに、うちらには動員かからなかった。あれで良かったの?」って。
 A いまは連続選挙のまっただなかの大事なときなのでデモどころじゃ……。いや、デモをやるよりは、「選挙に行って政治を変えよう」と呼びかけることの方が重要なのです。

「野党共闘」のパンク

 B だけど、大阪の府知事選挙じゃ自民のヤツを「自主支援」したり現役衆院議員の宮本をわざわざ辞めさせて無所属で衆院補選に立候補させたりして、結局惨敗したじゃねえか。「共闘、共闘」ばっか言ってよう、結局わが党の議席は減る一方。今度だってわが党員で野党統一候補になれたのは、勝てそうにないところの三つの選挙区だけだろ。中央の選挙方針がおかしいんじゃねえのか。
 A ですから、今度は選挙戦術としてはね、かつてない割り切り方できっぱりと「比例を軸に」たたかうんです。「本気の共闘」を強調してないでしょ。わが党の独自性をおしだして、「共産党のここが好き」「ここが魅力」を大いに広げるんですよ。
 B そんなこと言ったって、独自性なんて薄めっぱなしじゃねえか。新天皇の即位に祝意を表したのはどうなんだ。古い党員たちみんな大反発してるぜ。天皇の名による戦争に反対して獄死していった共産党の先輩同志たちにたいしてよう、顔向けできるのか。
 A あれは、儀礼的な敬意をもって対応したものですよ。そこは、志位さんが『赤旗』のインタビューに応じて汗だくで必死に答えているじゃないか。二〇〇四年の新綱領で、それまで「ブルジョア君主制の一種」としていた規定を変えたのですから、「君主制の廃止」は民主主義革命の課題じゃなくなったわけ。「天皇の制度」を賛美したっていいわけよ。
 C「君主制の廃止」って、そんなのあったの? 平成生まれのわたしにはワカンナイ。
 B だけんど志位のヤツは、「日本が社会主義的変革に踏み出した段階でも天皇の制度が存続していることはありうる」なんて言ってるじゃねえか。天皇のいる社会主義≠ネんて俺泣いちゃうよ。共産党の名が泣くぜ。
 C だったら党名変えたらいいじゃん。「協賛党」とか。
 A 逆、逆! いまは、共産党の名を売ることだよ。政府への批判よりも、……イヤ、批判とともに希望を語り、共産党の独自の政策を宣伝してください。「担い手」を広げに広げてという「折り入って大作戦」やってるの?
 C 選挙の「担い手」? それって候補者のことなの? それとも党員? 支持者?
 B そんなの全部に決まってるだろ、人がいないんだから。『赤旗』読者にも後援会にも支持者にも票を広げてください、とお願いするってんだろ。俺もやったよ。「組合員を選挙の一票に解消するのか」と非難する組合員にも、「たった一票じゃありません。折り入って話すけど、これからはあんたも票田開拓の開拓者になってください」と。でも「やっぱ選挙第一主義じゃねえか」って言われちまった。
 C 党の政策、魅力ないし。党員以外の人に、票を広げる運動員になってもらうのはちょっと無理みたい。

「党の独自性」の強調

 A ダメダメ、もっと希望を語って。わが党独自の政策に確信をもって! たとえば「北東アジア平和協力構想」とか、魅力的な政策があるでしょう。米朝間においても双方「建設的だった」と会談を評価している今だからこそ、「平和のプロセスが前進するように憲法九条を生かした平和外交を」と、うんと宣伝できますね。
 C それって浮いてるゥ。庶民感覚と違う。だって米朝会談は決裂したし、尖閣のあたりも緊迫してるしイランの方も危ないし……。
 B それを言うとさ、生きのいい組合員に「反戦平和の課題をもっと組合でとりくめ」って言われるし、「反安保は言わないのか」って責められるんだ。それもこれも、こんなに党の力が落ちているのも、みんなあんたら中央指導部が言うとおりにやってきたからだ。「市民と野党の共闘」とか「保守の人々との共同」とかが大事って言われたんで「安保反対」も言わずにこらえてきた。あんたら、「市民が主体だ」「新しい動きだ」と言って、労働組合は体質が古いみたいにさんざん言ってきたじゃないか。
 「組合の旗は出すな」とあんたらが言うので、いろんな集会で労組の旗も下げてきたじゃないか。フワーッとした市民の連合の「掛け布団」を支えるのが「敷き布団」である組合の役目だと言われたから、組合の俺らは、縁の下の力持ちになろうと我慢に我慢を重ねてきたんだ。労働者や人民という言葉さえ使わなくなった共産党なんぞ、歌を忘れたカナリヤだ。魅力なし! それをいまさら「党の独自性」なんて言うのかよ!
 C カナリヤはかっこよすぎない? けど、シールズと一緒にやってた民青の人たちが、何人も民青やめちゃったしね。共産党のイデオロギーに縛られたくないって。なんか抑圧される感じがあるのかしら。
 A な、なにを言う! わが党は「個の全面的発達」を保障する立場だぞ。党の綱領・理念に確信をもて! わが党は、社会主義・共産主義の未来社会では、労働時間が抜本的に短縮され、すべての人間の能力を自由に全面的に発展させられる、と言ってるでしょ。
 B なんだよ、「労働時間の短縮」なんて政府の「働き方改革」の真似すんじゃねえ。六中総の挨拶のなかで「労働者」の「ろ」の字も言わねえ志位の野郎なんか信用できるかよ。
 C その未来社会の話だけど……。志位さんが言っている「未来社会はいまのたたかいと『地つづき』」ってわざわざ「 」付きで言ってるのはどうしてなの?
 B おおかた革マルなんぞに「プロレタリア革命を彼岸化している」って批判されないようにするためじゃねえの。

革命的左翼への共感

 C へー「プロレタリア革命」なんて言葉、新鮮でステキね。わたしそういえば「革命的マルクス主義派」のビラをメーデーの時もらったわよ。
 B そうか、俺ももらった。今年のメーデーでは、いつもと違って「革マルのビラは受けとるな」って統制もなかったからな。実はみんな読んどるわ。
 C「反安保」や「反ファシズム」なんて書いてあったんで「いいね」って感じ。わたし、配ってた人に思わず「頑張って」と言っちゃったし、たくさんビラもらって組合の皆にも配っちゃった。
 A な、なんてことを!
 B そりゃおめえ、やり過ぎだよ。でもメーデーも様がわりして、近頃の全労連メーデーはさえねえな。みんなブルーシートの上に車座になって宴会してるから志位の話なんぞ聞いてやしねえ。歌だって今ふやけてきてるな。昔は「起て万国の労働者、とどろき渡るメーデーの……」
 C わたし、その歌知らなーい。でも今こういうのがはやってるわ。

♪どんぐりころころ
 どんぶりこ
 コイケとはまって
 さあたいへん
 ドジョウがでてきて
 こんにちは
 坊ちゃん一緒に
 遊びましょ
♪どんぐりころころ
 喜んで
 しばらく一緒に
 遊んだが
 やっぱり議席が恋しいと
 泣いてはドジョウを
 こまらせた〜

〔歌詞・註〕
@ドングリは主にブナ科の木の実の総称で、「ボッチャン!」と池に落ちたのはシイ(志位)の実。
Aコイケはもちろん日共書記局長の小池。
Bシイとコイケが落ちた池にはドジョウ・コイ・諸々の野党などが棲んでおり、市民の憩いの場≠ニもなっている。
Cドジョウは、ふだんは池や田んぼの泥底にもぐっているが、酸欠になると空気を吸うために水面に顔を出す。ここでは野党の党首のみなさんをさす。
 ―お・し・ま・い―

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党勢衰退に悩む日共党員の「希望の星」は……

国民民主党候補者をおもてなし

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現地闘争に〈反安保〉の檄

6・2 福岡・築城
「滑走路延伸・米軍弾薬庫新設阻止!」
1500が現地闘争に決起
            
 六月二日、福岡県築上町で「築城基地の米軍基地化を許さない! 福岡県集会」(主催は「福岡県総がかり実行委員会」と「戦争への道を許さない福岡県フォーラム」)が開催され、九州各県から約一五〇〇名の労働者・市民が結集した。鹿児島大生を中心とする「九州学生ネット」のたたかう学生たちは、安倍政権による築城基地の拡張・強化を阻止するために、この闘いに勇躍決起した。
 
横断幕をかかげ労働者・市民とともに集会をかちとる鹿大生ら九州の闘う学生たち
(6月2日、福岡県・築上町)
鹿大生ら闘う学生が労働者・市民を鼓舞しデモで奮闘
(6月2日、福岡県・築上町)
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6・2 京丹後
  「Xバンドレーダー基地撤去!」
  労・学・市民が怒りのデモ
       
 六月二日、京都府・京丹後市において、「米軍Xバンドレーダー基地撤去! 東アジアの平和を! 辺野古埋め立てを許さない! 6・2京丹後総決起集会」が開催された(主催は「米軍Xバンドレーダー基地撤去・近畿連絡会」)。神戸大学のたたかう学生たちは、対中国の戦争準備を進める日米両政府への怒りに燃えて、この日の闘いに断固として決起した。
赤ハチマキを身につけた闘う神戸大生は労働者・市民と意気軒昂にデモ
(6月2日、京都府・京丹後市)
米軍Xバンドレーダー基地に「基地撤去!」の怒りのシュプレヒコール
(6月2日、京都府・京丹後市)
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