第2573号(2019年6月17日)の内容

<1面>
日米の対中攻守同盟強化反対!
 憲法大改悪を阻止せよ!
 <反安倍政権>の一大闘争を!
<2面>
5・25 札幌に反戦の炎
 「トランプ来日阻止!」
  北海道の労・学が怒りのデモ
 北大生 反安保の旗高く奮闘
  「辺野古新基地NO!」総行動
<4面>
電機大手の低額妥結弾劾!
<5面>
日共官僚の「平和のための五つの緊急提案」の犯罪性
<6面>
Topics 行政手続きデジタル化の悪だくみ
アマゾン ロボット化で労働者を地獄に
ユニクロ アジアの委託生産会社を収奪
<3面>
「反イラン」でトランプ政権に追従するサウジ王制権力者
南スーダンPKO司令部への自衛隊派遣の延長を許すな
<7面>
エジプト・シシ政権
 軍専制支配体制の強化に狂奔
<8面>
万華鏡2019――情勢の断層を読む
 ◆塀の中か、戦争か
 ◆モーゼの「九戒」?!
 ◆「自由作戦」の頓挫
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号





































  


日米の対中攻守同盟強化反対!

  憲法大改悪を阻止せよ!
 <反安倍政権>の一大闘争を!


 五月末に来日したアメリカ大統領トランプは首相・安倍を従え、攻撃型空母への改装を予定している海自護衛艦「かが」の艦上で、米日両国軍五〇〇名の将兵に向かって「訓示」を垂れた――「まもなくこの艦は、最先端の航空機〔F35B〕を搭載できるように改修される。この素晴らしい装備でわれわれの国を守ってくれる。遠く離れた地域の紛争にも対応してくれることになる」と(五月二十八日)。米日統合軍≠フ最高指揮官を気どったトランプは、日本国軍のF35B搭載ライトニング空母部隊を米第七艦隊の一翼に組みこむことを宣明し、アメリカ属国軍≠ニみなした自衛隊に、習近平中国が人工島に軍事拠点を築いている南シナ海へ・インド洋への出撃命令≠くだしてみせたのだ。このトランプにたいして首相・安倍は、「日米同盟のさらなる強化に向けて日本はその役割を果たしていく」と恭順の誓いを立てたのである。
 史上初めてアメリカ大統領が自衛隊の艦船に乗艦してとりおこなわれたこのセレモニーは、まさに米日トランプ軍の出陣式≠ニいうべき様相を呈した。「二十一世紀の超大国」の座をめざして対米挑戦に突き進み米軍と伍する「世界一流の軍隊」の建設に邁進している習近平中国を封じこめるために、「属国」日本を従えて対中国攻守同盟たる日米新軍事同盟の飛躍的な強化に突進していることを、とりわけ自衛隊の米軍化≠誇示してみせたのが、アメリカ帝国主義権力者トランプなのである。
 労働者・学生諸君!「いずも」型護衛艦の空母への改修を許すな! 総計一四七機ものF35ステルス戦闘機をはじめとするアメリカ製超高額兵器の導入・日本国軍の大軍拡を阻止せよ! 日米新軍事同盟=対中国攻守同盟の飛躍的強化を断じて許すな! 沖縄県辺野古への米海兵隊新基地の建設を阻止せよ! 安倍政権による憲法の大改悪を断固阻止せよ!
 いまこそ<反安倍政権>の闘いを全国からまきおこし、安倍政権打倒へと攻めのぼれ!

(以下、見出し)

日米共同の対中戦争遂行体制の構築・強化を許すな

米―中・露激突下の戦争的危機を突き破る反戦闘争を!


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電機大手の低額妥結弾劾!

春闘を産業発展のための労使協議に歪めた労働貴族を許すな

 三月十三日のJCM各産別の集中回答日、電機大手企業の経営者どもは「賃金水準改善額一〇〇〇円」を回答し、これにたいして電機連合中闘の各労組指導部はこの超低額回答を「闘争回避基準(ハドメ)を満たした」と称して受けいれ、ただちに闘争の集約方向(=各労組が妥結すること)を確認した。彼らは超低額の賃金相場≠つくりだし、もって後につづく中小組合の賃金闘争に冷や水をぶっかけ、すべての電機労働者の実質賃金低下に道を開いたのだ。
 それだけではない。同日の記者会見で電機連合委員長・野中は「経営陣と電機産業の持続的発展のための方策について十分話し合った」ことが「今春闘の成果だ」などとほざいた。電機大手組合指導部は、企業生き残りのために労働者をいかに効率よく%ュかせるか、技術革新やものづくりに必要な労働者を確保・維持するためにどのような「人への投資」(経営者が「特定のグレード」・「評価」を与えた労働者の賃上げや自己研鑽支援のあり方など)をおこなうかについて、経営陣との話し合いにうつつをぬかしてきたのである。
 しかも野中は、経団連会長・中西をはじめとする電機独占資本家どもからの「(統一要求にもとづく)横並びの賃上げ交渉」批判に屈伏し、電機産別統一闘争の「再度の見直し」をも公言したのであった。今春闘において「連合」指導部が「上げ幅要求から絶対額要求」へと転換をはかるなかで、電機連合指導部は、形骸化しているとはいえ「賃金改善(上げ幅)要求」をかかげて「産別統一闘争」を展開してきた。だがこれにたいする電機独占資本家どもの怒り≠ノ直面して、電機連合指導部は「統一闘争」という形式を残しながらもその内容を根本的に変えようとしているのだ。「人への投資の柔軟性」(書記長・神保)と称して、「統一要求」のなかみをこれまでの「賃金改善額要求」から「労働条件の維持向上」へとすりかえようとしているのである。
 一律大幅賃上げを獲得するために各労組においてたたかってきたわれわれ革命的・戦闘的労働者は、一九春闘における賃上げの低額回答=妥結を徹底的に弾劾していかなければならない。春闘を「企業生き残りの方策」について労使で協議する場へと変質させている電機連合中央と各単組指導部を弾劾し、その犯罪性をも暴きだせ。中小企業における春闘の戦闘的高揚のためにさらに奮闘しよう。同時に、原発再稼働や軍需生産の拡大に反対し、安倍政権の改憲攻撃を阻止するために職場深部から闘いをつくりだしていこうではないか。

以下見出し

1 超低額回答を受け入れた労働貴族

2 労働者の働かせ方≠労使で協議

3 「電機統一闘争見直し」の犯罪性

4 リストラへの協力弾劾!

5 電機連合中央の裏切りに抗して粘り強く闘おう


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日共官僚の「平和のための五つの緊急提案」の犯罪性

「選挙共闘」にしがみつき代案の右翼的緻密化に狂奔

 日本共産党の不破=志位指導部は、四月におこなわれた衆院大阪補選において現職衆院議員であった宮本岳志を「無所属」で立候補させたが、日共の基礎票≠固めることすらできずに最下位での落選を喫した。統一地方選挙でも議席を大幅に後退させた。これらの大敗北は、彼らが「九条改憲反対」をはじめとした大衆闘争を票田開拓に従属させ、「市民と野党の共闘」を自己目的的に追求してきたことの必然的結果にほかならない。いまや代々木官僚の議会主義的闘争歪曲を弾劾するわが革命的左翼への共感が多くの日共党員たちから続々と示され、党内からは不破=志位指導部にたいする不満・反発が噴出している。
 官僚的自己保身にかられた不破=志位指導部は、急きょ開催した第六回中央委員会総会(五月十二日)において、「今後の前進・躍進にむけた足がかりをつくった」などと強弁している。敗北の責任回避に汲々としているのだ。今夏の参院選での議席激減の悪夢にうち震えながら、「野党統一候補」だからといって他党の候補者の選挙活動をやるのはまっぴらだ≠ニ反発する下部党員を集票に駆りたてるために、「『比例を軸に』を、過去のどの参院選でもなかったような割り切り方で、文字通り中心にすえる」などという選挙戦術≠六中総でおしだしはじめたのが代々木官僚なのだ。
 同時に不破=志位指導部は、「市民と野党の共闘にこそ政治を変える希望がある」(六中総幹部会報告)と称して、全国三十二の参院一人区で野党が候補者を一本化することを、あくまでも最優先させている。わずか三選挙区で日共擁立の候補者が「野党統一候補」として他の野党に認められた(五月二十九日現在)ことに、「画期的」だと欣喜雀躍しているのが代々木官僚だ。そして日共を含む四野党一会派が「市民連合」の十三項目の「要望」に調印した(五月二十九日)ことをもって、「市民と野党の共通政策」の「合意」ができたと吹聴している。
 この「要望」には「九条『改定』反対」や「辺野古新基地建設の中止」が含まれてはいる。とはいえ、「個別的自衛権と限定した上で、その自衛権は『戦力』であり、その行使は『交戦権の一部行使』であることを明確にすべき」(山尾志桜里)と公言する議員をかかえ自衛隊も日米安保も容認する立憲民主党や国民民主党でも同意できるかぎりのものであって、現に自衛隊の存在を肯定的前提として「防衛装備の精査」を要求したり、日米安保条約には手をつけずに「地位協定の改定」だけを求めたりする内実なのだ。こうした「要望」を「受け止める」と各野党が確認したことをもって志位は、「国政の根幹部分で共通の旗が立った」などと胸を張っている。
 それもそのはず、「市民連合」の「要望」の安全保障政策にかかわる部分(第一〜第五項目)とほぼ同一の内容の代案を、「当面する闘いの課題と日本共産党の立場」と題してうちだしてきたのが代々木官僚なのだからだ。昨年十月の日共第五回中央委員会総会における委員長・志位の幹部会報告で提示された「安倍九条改憲阻止」方針と「平和のための五つの緊急提案」(以下「緊急提案」)なるものがそれである。「基本政策が異なる党とは政権をともにできない」(枝野)とか「共産党は安保・自衛隊を認めて欲しい」(玉木)とかと「野党共闘」のハードルを上げてきた立憲民主党や国民民主党とも一致できる「魅力ある共通公約」の叩き台≠スらしめるために、代々木官僚が念入りに緻密化をほどこしてうちだしたのが、この「緊急提案」なのだ。以下、本稿では日共の「緊急提案」の反労働者性をあきらかにする。

以下見出し

「立憲主義破壊反対」を衝立にして自衛隊・安保を容認

「専守防衛の原則」を基準とした「軍縮」要求

「米軍の異常な特権」をただす日米軍事同盟改良を要求

権力者の瞞着外交尻押しの反労働者性


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「反イラン」でトランプ政権に追従するサウジ王制権力者

 アメリカのトランプ政権がイランに軍事攻撃を仕掛ける態勢をとっているさなかに、サウジアラビア権力者の提唱のもとにアラブ連盟緊急首脳会議が開かれた(五月三十一日)。集まった権力者どもは会議終了後に、「イランはテロ組織への支援をやめるべきだ」「イランの脅威にたいして(各国の)協力を強化する」という共同声明を発表した(イラクとカタールは反対)。サウジ権力者がとりまとめたこの共同声明は、アメリカ帝国主義およびシオニズム国家イスラエルが強行せんとしている対イラン軍事攻撃に協力して「イラン包囲網」を形成し、もって新たな中東地域大戦勃発の危機を醸成する反人民的意味をもつ。実に許しがたいシロモノにほかならない。

以下見出し

サルマンの「全会一致」追求の破綻
 アラブ連盟緊急首脳会議

アメリカと結託してのイランへの軍事的対抗

シオニスト権力のムスリム人民圧殺への加担

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5・25札幌 「日米首脳会談反対! 核安保粉砕!」
 「トランプ来日阻止!」 北海道の労・学が怒りのデモ
横断幕・幟を掲げ札幌市街を意気高くデモ行進する北海道の闘う労学
(5月25日)
デモ隊に呼応し沿道の市民が共感の拳
(5月25日、北海道庁前)
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  北大生 反安保の旗高く奮闘
  「辺野古新基地NO!」全国総行動 5・25札幌 
プラカードを掲げ労働者・市民の先頭で闘う学生たち
(5月25日、札幌市)
猛暑のなか全道から結集して闘う
(5月25日、札幌市)
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