第2571号(2019年6月3日)の内容

<1面>
アメリカのイラン軍事攻撃阻止!
 日共中央の闘争放棄を弾劾し革命的反戦闘争の爆発を!
<3面>
辺野古土砂投入許すな!
 平和行進・県民大会が高揚
 5・17〜19 沖縄
<2面>
愛大・名大生が先頭で奮闘
 5・3名古屋「憲法会議市民のつどい」
■電磁波兵器の陸自配備
<4面>
日共 大阪異変
拡大する日共内の造反
<5面>
頓挫したEU離脱協定の議会承認 イギリス
<6面>
シャープ
 日系人労働者を「派遣切り」
Topics 低賃金での高齢者酷使を許すな
<7面>
印刷労連労働貴族の超低額妥結を弾劾せよ!
<8面>
AI兵器の開発・配備をめぐる米―中・露の角逐
 「解放」最新号































  


アメリカのイラン軍事攻撃阻止!

日共中央の闘争放棄を弾劾し革命的反戦闘争の爆発を!

5・25トランプ来日・日米首脳会談反対! 
全学連が唯一決起し首都中枢をデモ
 今まさにイラン軍事攻撃の準備をととのえているアメリカ・トランプ政権は、迎撃ミサイル「パトリオット」の追加配備と一五〇〇人規模の米兵を増派することを決定した(五月二十四日)。イランのロウハニ政権が、「イラン核合意支持」を堅持している中・露の政治的・経済的支援をも受けながら米トランプ政権の軍事的威嚇に一歩も引くことなく対米持久戦≠ノうってでていることをみてとったトランプ政権は、イラン権力者を屈服させるために軍事的圧力を高めているのだ。そして、このトランプの意を体して名代°Cどりで六月にもイランのロウハニ政権との政治交渉にのぞもうとしているのが日本の首相・安倍である。
 五月二十五日、トランプが日本の地に降りたとうとしていたまさにその時、全学連のたたかう学生は、<アメリカのイラン軍事攻撃阻止! 日米首脳会談反対!>の雄叫びを轟かせ、首都中枢における戦闘的デモンストレーションを敢行した。
 すべての労働者・学生諸君! 一刻の猶予もならない。いまこそわれわれは、イラン攻撃の危機が高まっているにもかかわらず完全に沈黙を決めこむ日共中央をはじめとする日本の既成平和運動指導部の腐敗を弾劾し、「米トランプ政権のイラン攻撃阻止!」の反戦闘争をたたかおう! 反米の怒りに燃えて闘いに決起するイランの人民と連帯してたたかおう!

(以下、見出し)

対イラン臨戦態勢を強化するトランプ政権

中・露を後ろ盾として対米持久戦≠展開するイラン


<反米・反シオニズム>の闘いに起つ中東人民と連帯して闘おう
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大阪異変

「市民と野党の共同」の破綻に日共下部党員から批判続々

 先の四月二十一日投開票の統一地方選挙において「市民と野党の共同」を掲げた日本共産党は惨敗した。このことをも契機として、共産党近畿ブロックの組織はいま、大きな地殻変動が起きている。

その1
衆院大阪十二区補選での大惨敗


 大阪十二区の衆院補選で、日共志位指導部は、二〇〇九年いらい近畿比例区で当選し衆院議員を四期つとめてきた宮本岳志を議員辞職させ、あえて無所属で立候補させた。そうすれば、宮本の地盤でもない大阪十二区であっても「野党統一候補」のシンボルとなって勝てるかもしれないなどと皮算用したのであった。
 だが、委員長・志位が連日大阪に乗りこみ陣頭指揮したにもかかわらず、蓋を開ければ宮本は得票率八・九%の一万四〇二七票で、法定得票数にすら達せず供託金没収となった。その票数は、三位の元民主党・樽床(三万五三五八票)の半分にもみたないだけでなく、過去大阪十二区の共産党候補が獲得していた基礎票二万票よりも六〇〇〇票も少ない惨憺(さんたん)たるもの。そもそも共産党支持者の三割近くが、宮本に投票していないことがあらわとなったのだ。(マスコミの出口調査でも二割の共産党支持者が宮本に投票していないといわれている。)

その2
『赤旗』近畿版に挟みこまれたお詫び<`ラシ


 「日本共産党は以上の見解を発表しました」と小さな文字で結ばれた「『近畿民報』号外」という一枚のお詫び<`ラシ。そこには「五月六日に大阪市中央公会堂で予定していた参院選勝利近畿決起集会」という共産党支持者らを集めた二〇〇〇人規模の決起集会を、「全国規模の会議が予定されていることが明らかになったため中止」と書かれてある。共産党中央による、集会開催一週間前という前代未聞の中止命令。たとえ「急なことで申し訳ありません。お詫びします」などと慇懃(いんぎん)に書かれていたとしても、会場の予約などを含め一年間にわたって準備してきたであろう下部党員たちからすれば納得いくものではない。「いったいなぜなんだ!」と。

その3
「大阪労連」メーデーで中央批判が噴出


■ チラシがはさまれた二日後の5・1「大阪労連」メーデー集会でお詫び<`ラシをみた集会準備中のある下部党員は、次のようにぶちまける。「延期じゃないんだよ! 中止だよ、中止! 別の日程が重なったわけでもないんだ。せっかく準備して講演楽しみにしてたのに……。」
 つづけて彼は、大阪ダブル選挙での志位指導部の取り組みを公然と批判する。「自公と一緒になって維新と対峙する? これやったら<自公政治 対 共産党>の構図を自分たちでこわしているようなもんや。いくらアベ政治に終止符を≠ネんていうたかて誤魔化しになる……」と怒りをあらわす。まわりの党員は黙ってうなずいてきいている。下部党員たちの怒りは、選挙の惨敗だけでなく、このかんの日共中央指導部の「市民と野党の共同」といった選挙路線にまで向けられているのだ。
■ メーデー集会では「大阪都構想ストップ大阪地区協議会」事務局長が、「私は生協労連出身の労働者としてしゃべります」と前置きして先の統一地方選について次のように言及した。「補欠選挙では維新の組織戦・集票力の強さを見せつけられた。それに比して自分たちのまわりは、組織員の減少と高齢化で力が低下している。運動が困難であればあるほど、人間らしく生きようと思えば思うほど、労働運動の強さ、労働組合の団結が重要なんです」と強調。これには参加者からひときわ大きな共感の拍手が寄せられた。「全労連」傘下の良心的な下部組合員たちの怒りは、「労働組合は『市民と野党の共同』のための敷き布団になれ」などといって労働組合運動を軽視してきた中央指導部にむけられているのだ。

その4
5・3憲法集会で元市議がわが仲間に心情吐露


 平和フォーラム系の平和人権センターや「全労連」系の労働者・学生・市民二万人が結集して実現された「5・3おおさか総がかり集会」(おおさか総がかり行動実行委主催)。わが同盟情宣隊が、落選した日共の元市会議員(以下元議員と略)を集会入り口で見つけて声をかける。
情宣隊 △△さんご苦労さん。今回の選挙残念でしたねえ。(ビラを手渡す)
元議員 あっ、ありがとうございます。
情宣隊 それにしても宮本さんの得票は少なかったですねえ。あれは共産党の基礎票にも届いていない。
元議員 そうですねえ、いやあれが基礎票なんです。(と神妙な顔)
情宣隊 でも二万票が基礎票といわれてますよ。宮本さんの一万三〇〇〇票は第三位だった樽床さんの半分にも満たない。
元議員 いやー、無所属というのがわかりにくくてねぇ、共産党は支持しても宮本さんに入れてない人もいたみたいなんです。
情宣隊 そうでしょう。古い共産党の人なんか「無所属候補」なんて入れないのとちがいます? だいたい、大阪ダブル選で自民党の候補を「自主支援」なんてやるからおかしくなる。
元議員 うん<自主支援>はまずい。あれは間違いだ。せめて<自主投票>にしなきゃいけなかった……。(少し考えこんで)でももう「野党共闘」でやるしかないんです。(わがビラを見ながら沈んだ面持ちで会場に入っていく)

その5
「上で野党統一でやってもだめ」―沖縄住民団体代表に拍手喝采


 5・3集会では、山下や辰巳といった日共議員が、「市民と野党の共同」の選挙宣伝にあいもかわらず終始したのであるが、そのあとで沖縄の辺野古新基地建設反対をたたかっている住民団体の代表は次のように発言した。
 「野党の代表の発言をきいたが、沖縄では辺野古埋め立てに賛成する候補を敗北させた。沖縄で勝てて、なんで大阪では維新に負けるのか、上で野党統一でやってもだめなんです。地域で共闘する。運動につなげてゆくことが重要なんです」と。会場からは、ひときわ大きな共感の拍手と声援が、「全労連」系の組合員たちからも寄せられる。まさにその拍手は、壇上に居並ぶ共産党中央指導部盲従の日共国会議員連中への批判としても向けられてもいるのだ。

 「全労連」系組合の中で労働運動にとりくむ良心的党員諸君! 緊急に開催された六中総において志位委員長は、「従来にない割り切り方」で「比例区を軸に」ということを力説すると同時に、参院一人区では野党候補一本化のために全力をあげることを宣言した。それは、「反基地・反安保」、「改憲反対」の大衆運動の放棄を正当化するものではないのか。あくまでも「市民と野党の共同」なるものにしがみつく共産党中央指導部を下から弾劾し、反ファシズムの闘いを共にたたかおう!
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拡大する日共内の造反

「野党共闘」の「甘い香り」にイカレた党中央に不信と怒り

党中央への反発と革命的左翼への共感

 全国各地の5・1「全労連」系メーデーや5・3憲法集会において、日共下部党員や「全労連」傘下諸労組の活動家たちから、わが革命的左翼への共感や、不破=志位指導部への不満・反発が続々と寄せられた。
 東京・有明で開催された5・3憲法集会において、わが同盟情宣隊の「改憲阻止、辺野古新基地建設阻止・反戦反安保、安倍政権打倒」の呼びかけに、じつに多くの日共系活動家たちが呼応の声をあげた。ある日共系の労組員は「今だからこそ、君たちみたいに安保に反対しないといけないんだ」と熱っぽく語った。年金者組合や「九条の会」などの隊列からは、「辺野古頑張ろう」「沖縄行って来たよ」「ファシズム反対、そうだ!」「安倍を打ち倒そう」という声が次々と発せられた。
 「全労連」傘下組合の一団の多くで、先頭を歩くダラ幹=党中央盲従分子がわが同盟のビラの受けとりをあからさまに拒否しても、すぐ後ろを歩く労組員たちはすすんで手をのばしビラを取っていく。「革マルはいつも元気だなあ!」とにこやかに話しかけてくる者、「受けとるなと言われてるんだよね」と言いながらビラを折りたたんでカバンにしまう者……。
 5・1「全労連」メーデーでは、党中央盲従分子によるわが同盟のビラ配布への妨害・敵対が鳴りをひそめた。日共の下部党員や日共系活動家らの多くが、不破=志位指導部による参院選むけ票田開拓への没入と「反安保」の放棄を弾劾するわが同盟情宣隊の訴えにうなずき、共感をあらわしたのであった。
 各地方の5・3憲法集会でも同様だ。金沢では、ある日共系の労組員がわが情宣隊に「統一戦線で一緒にやろうよ」と話しかけてきた。名古屋では、名古屋大・愛知大のたたかう学生の部隊を暴力的に排除しようとする「愛労連」の一部ダラ幹にたいして、多くの労組員がこれを体を張ってはねのけ、学生を先頭に押したて共にデモ行進した。「ビラをもらうと革マルだって言われちゃうんだよね」と笑いながら、「『解放』や本も読んでみようかな」と情宣隊に話しかけてくる労組員もいた。
 沖縄では、わが仲間が日共系の労組員に「反安保の放棄はおかしいじゃないか」と問いかけるや、「われわれだって我慢してるんだよ!」と吐きすてるように語り、「反安保」を掲げることを抑圧する代々木官僚への批判を公然と口にした。
 大阪の5・3総がかり集会では、多くの日共党員・活動家がわが情宣隊にたいして、衆院大阪十二区補選での惨敗と、大阪ダブル選挙で自民党候補を押したてた官僚どもへの怒りをブチまけてきた。日共系大衆団体の代表として登壇した男が「今日は労働者として喋ります」と宣言し、「運動が困難であればあるほど、労働運動の強さ、労働組合の団結が重要なんです」と語った。労働運動を「市民運動」に従属させる方針を強要してきた不破=志位指導部にたいして回し蹴り≠くらわせたのだ。
 「共同行動の敷き布団たれ」と労組活動家に指令し、組合旗や幟を掲げることを抑圧してきた官僚どもに抗して、どの集会でも多数の労組の旗や幟が掲げられた。「こういうときだからこそ、労働組合の旗を掲げてたたかうことが大事だ」(九州のメーデーでの発言)という叫びが、全国で噴きあがっている。
 これら全国で渦巻いている日共系活動家の党中央への反逆・造反は、不破=志位指導部の「市民と野党の共闘」の自己目的化と、そのゆえの「反安保」の放棄など政策・基本路線のとめどもない右傾化、理念のブルジョア化を批判し弾劾するイデオロギー闘争を、わが革命的左翼が職場・学園・地域のあらゆる場面で柔軟かつ原則的に展開していることの、成果の一端にほかならない。

致命傷の衆院大阪補選惨敗ショック

 四月の統一地方選と衆院大阪補選での日共の大惨敗こそが、この下部活動家の溜まりに溜まった不満・反発が公然たる造反へと転じる決定的な転機となった。
 前・後半に分けて実施された地方選で日共は、得票においても議席数においても軒なみ一〇〜二〇%の激減に見舞われた。二〇%減の大敗北を喫した東京特別区議選では、二〜三人の複数候補が落選する共倒れ区≠ェ相次いだ。愛知県議選では、数年ぶりに議席ゼロの空白県≠ノ転落した。だが、この歴然たる敗北を日共中央はなんと、「一七年十月の総選挙で獲得した票」からは前進した、などとおよそ比較しようもないものをもちだして居直った(四月八日と二十二日の二つの「常任幹部会見解」)。この党中央の歴然たるスリ替えと居直りに、多くの党員たちから不信と怒りがわきおこっている。ある日共系労組の役員は「中央の指導が悪いんや!」と言い放ち、他の日共系労組の役員は「もう無駄な選挙運動はやらん!」と宣言した。
 しかも大阪の二つの選挙の大破綻が、日共党組織に激震を走らせた。
 「大阪都構想反対・カジノ反対」を掲げ、府知事と市長のダブル選挙にうってでた「維新の会」の当選を押しとどめるために、「自主支援」と称してレッキとした自民党候補の選挙運動に下部党員を駆りたてたのが、党中央であり、党副委員長・山下芳生を事実上の責任者とする大阪府委員会だ。だが、結果はかつてない維新の「大勝」に終わった。それだけでなく、敗北した自民・公明両党の大阪府連はそれぞれにただちに維新に頭を垂れ、「都構想」の是非を問う住民投票に与(くみ)することをうちだした。ここにいたって、「反安倍政権」を事実上ひきおろすにひとしい自民党候補の全面支持≠強制した党中央・府委員会官僚どもへの下部党員の不信が一気に噴きだしているのだ。
 それ以上に日共総体を揺さぶっているのが、衆院大阪十二区補選の破綻だ。
 不破=志位の代々木中央は、現役衆院議員だった宮本岳志を議員辞職させ・「無所属」で補選に立候補させた。彼らはこれを、参院選にむけての「本気の共闘」なるもの(これまでのように日共が候補を自主的に降ろして他党候補を「統一候補」とするのでなく、「相互推薦・相互支援」であるべきとするそれ)のモデルケースとすることを目論んだのであった。
 だが、志位みずからが大阪に張りつき、『しんぶん赤旗』紙上では連日「野党共闘の前進」を叫びたててきたにもかかわらず、前回の総選挙で日共候補が当該区で獲得した票(二万二八五八票)と比べても、その約六割しか得票できなかったのだ。他党の支持層からまったく集票できなかっただけでなく、日共の支持基盤を固めることもできなかった。いや多くの日共党員たちが、ひたすら「保守層」にすり寄るこの選挙戦術の愚劣さに愛想を尽かして、選挙活動をサボタージュしたのである。

「市民と野党の共闘」に噴きあがる批判

 日共国会議員団は五月九日の衆院本会議で、新天皇の即位を祝す「賀詞」決議に諸手をあげて賛成した。「天皇制は憲法上の制度」であるから「憲法のすべての条文を擁護する」日共としては、新天皇に「祝意を示すことは当然」(志位)と言い放って。この党中央の対応にたいして、古参党員からは「天皇の名のもとに戦場に人々が送られたのに、祝意なんてなんで贈るんだ、せめて黙っていてくれ」とかの反発が噴きあがっている。
 不破=志位の日共中央は、「市民と野党の共闘」などという「統一戦線政策」をうちだし、他の野党との政策的一致を追い求めて安保防衛政策の代案の右翼的緻密化に精をだしてきた。自衛隊が「国を守る」ことを当然とし、下部党員らに「災害救助ありがとう」などという横断幕を掲げさせた。他国による主権侵害にたいしては「安保条約第五条にもとづく日米共同対処」をおこなうことを宣言しさえした。各地の防衛問題や憲法問題の講演会に元自衛官を招くことを、下部党員らに強制してもきた。これらにたいする下部党員の疑問・不満が溜まりに溜まり、いまや「野党連合政権のもとでは自衛隊=合憲の憲法解釈をとる」などと公言し・日米軍事同盟をNATO並みの対等・平等な関係≠ノ改良すべきことを主張する代々木官僚にたいする批判が、そこかしこで公然と表明されはじめている。
 大衆運動においては「市民」が主役だと主張し、労働組合はその「敷き布団」役に徹することを指令して、諸集会に労組の旗や幟を立てることを禁止する指導をしてきたのが、代々木の官僚どもだ。彼らは労組の隊列をバラけさせて、地区ごとに市民の隊列に潜りこませることさえしてきた。こうした不破=志位指導部の指導にたいして、全国の日共系労組活動家たちが堪忍袋の緒が切れた≠ニばかりに公然と反旗を翻しはじめたのだ。

「担い手」がいない≠ニ志位が悲鳴――六中総

 噴出した党中央への反発と造反を抑えこむために、予定されていた近畿ブロックの参院選決起集会を中止するなどして急きょ開催した日共六中総。そこにおいて志位は、参院選挙方針として何よりも「『比例を軸に』を過去のどの参院選でもなかったような割り切り方で、文字通り中心にすえよう」と声をはりあげた。
 二〇一七年の総選挙で議席を半減させたうえに今回の大阪補選惨敗によって日共党内にわきおこっている「市民と野党の共闘」を最優先する方針への批判を封殺し、参院選にむけて集票マシーンとして党組織を動かすために、不破=志位指導部は、もっぱら「比例区」での集票を強調し、今度こそ日共の議席を死守≠キる構えをおしだすことに躍起になっているのだ。
 さらに六中総で志位は、「選挙をともにたたかう『担い手』を広げる」ことをくりかえし強調した。「『しんぶん赤旗』読者、後援会員」などに集票活動の「担い手」になってもらうことを「折り入って」お願いする「折り入って大作戦」なるものを呼号し、「二回、三回、四回とお願いしていくことが大事」などと説教をたれている。大阪補選のように党員すら「担い手」にならず選挙カンパニアをサボタージュしている現実に直面して、「折り入って」党員たちにタガはめし集票に動員することに血眼になっているのが不破=志位指導部なのだ。
 だが、いまだに「市民と野党の『本気の共闘』を成功させる」などと吹聴しつづけているのが不破=志位指導部であって、これにたいする下部党員らの造反がいっそう拡大するにちがいない。いや、党本部のなかにも志位にたいする反発と侮蔑がひろがりつつあることを、当人ははたしてご存じか? 六中総開催を報じた『しんぶん赤旗』(五月十三日付)第一面に何の脈絡もなくつっこまれている囲み記事に曰く、「甘い香りに誘われて」と。これ、まるで「野党共闘」「野党連合政権」の媚薬≠ノイカレっぱなしの志位へのアテコスリ。
 すべての同志諸君! わが革命的左翼の果敢なイデオロギー的=組織的闘いによって、われわれは代々木共産党のどてっ腹に大きな風穴を開けてきた。今こそ改憲阻止・反戦反安保の闘いを、彼らの闘争歪曲を打ち破り戦闘的に創造するとともに、そのただなかで日共下部党員の覚醒をさらにうながし、彼らの党中央にたいする造反を組織せよ。良心的な日共党員たちをわが反スターリン主義運動の戦列に結集させるべく全力でたたかいぬこう! 恥多き日本転向スターリニスト党の革命的解体をかちとれ!
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頓挫したEU離脱協定の議会承認

追いつめられたイギリス・メイ政権

辞任を表明した首相メイ
 イギリスの首相メイは五月二十四日、与党・保守党内のEU強硬離脱派≠中心としたグループによる党首・首相をやめよ≠ニいう要求に追いつめられ、ついに辞任を表明した(六月七日に党首辞任、後任党首の選出後に首相も辞任)。
 北アイルランド国境問題が解決するまでイギリスがEU関税同盟にとどまることなどを内容とする、みずからが提唱した離脱協定、そのイギリス議会下院での可決にこぎつけるためにメイは、野党・労働党にたいする説得工作に狂奔してきた。党首コービンに、離脱協定を下院で可決したうえで労働党の要求に応じて再度の国民投票を実施する、という提案を示したのだ。だがこの提案がコービンから拒否されただけではない。メイが労働党に示した再度の国民投票の提案をEU離脱という前提じたいを覆そうとするもの≠ニみなした保守党内強硬離脱派から猛反発を買い、下院院内総務レッドサムから抗議の辞任を叩きつけられた。すでに五月の統一地方選における保守党の大敗、欧州議会選挙を前にした保守党支持率の急落のゆえに、完全に党内における権威を失墜させていたメイは、一挙に党首・首相辞任に追いつめられたのだ。
 こうしてもたらされたメイの辞任は、メイが提唱してきた、「激変緩和措置」として「移行期間」を設けるという離脱方針の頓挫を意味する。後継の首相には強硬離脱派の徒輩(前外相ジョンソンなど)が名のりをあげており、彼らは離脱協定の見直し=EUとの再交渉を唱えている。だがEU主要諸国の権力者は、再交渉には絶対に応じない≠ニ応えている。イギリスの次期首相が誰になろうと、保守党のイギリス政府と独・仏主導のEUとの対立はいっそう深刻化するにちがいない。

A 「合意なき離脱」回避のための離脱期限の延期

B 保守党の基盤を侵食する民族排外主義勢力

C グローバル化・「金融立国」のもとでの格差の拡大


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印刷労連労働貴族の超低額妥結を弾劾せよ!

一九春闘を最後まで闘いぬこう

 「連合」傘下の印刷労連の一九春闘は超低額の回答=妥結が相次ぎ、いまなお闘争継続中の組合も苦難をしいられている。
 三月二十日に最大手の凸版印刷経営者が「年俸改定制度維持+ベア一五〇〇円」(昨年と同額)を回答したのをはじめとして、各印刷企業の資本家どもはそれぞれに、昨年なみか昨年の回答にわずかばかりの上乗せをした回答をおこなった。これを受けて各単組執行部は、この超低額回答を「業績低迷の中での最大限の回答」などともちあげてこれを受けいれ妥結した。
 印刷労連の一九春闘は、労組幹部らが賃金抑制に狂奔する印刷資本家に屈服し呼応することによってまたしても敗北させられようとしている。「企業業績向上」のための賃金抑制策を貫徹され、「働き方改革」の名のもとに「生産性の向上」をめぐる春討=i労使協議)の場として収斂させられようとしているのだ。

以下見出し

産別統一要求のもとでの闘いを完全に否定

資本家の賃金抑制・賃金制度改悪への屈服

「ベースアップ」なるものの欺瞞

労使共同での「生産性向上」策の推進

中小企業での闘いをさらに推進せよ!

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AI兵器の開発・配備をめぐる米―中・露の角逐

 火薬、核兵器につづき戦争に「第三の革命」をもたらすといわれる人工知能(AI)を搭載した兵器の開発・配備をめぐりアメリカと中国・ロシアの各国権力者が熾烈なせめぎ合いをくりひろげている。とりわけ中国・習近平政権がAI兵器の開発・配備を急ピッチでおしすすめていることにたいして、アメリカ・トランプ政権はこのままでは負ける≠ニ危機感を昂じさせている。二月十二日に、アメリカ国防総省はAIの軍事利用をさらにおしすすめるために新たに「AI戦略」を発表した。

以下見出し

「軍民融合」で猛追撃(中国)
軍産学連携・同盟国の動員で対抗(アメリカ)

「キラーロボット」をはじめ全分野で開発・配備競争

「被害減少」を名分とした開発・実戦配備を許すな!
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愛大・名大生が先頭で奮闘
 5・3名古屋「憲法会議市民のつどい」
 五月三日、名古屋市公会堂(昭和区鶴舞)で、愛知憲法会議主催の「憲法会議市民のつどい」が開催され、二五〇〇名の労働者・学生・市民が参加した。参加者たちは集会後に、市中心部に向けてデモ行進した(「安倍9条改憲NO! あいち市民アクション」などが共催)。愛知大・名古屋大のたたかう学生は、労組内部でたたかう革命的・戦闘的労働者とともに、<日米核軍事同盟の強化反対>の方向性を鮮明にして集会・デモの戦闘的高揚のために奮闘した。
「自民党改憲案国会提示阻止!」の横断幕を掲げデモを牽引する愛大・名大の闘う学生
(5月3日、名古屋市)
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沖縄平和行進・県民大会が高揚 5・17〜19
辺野古土砂投入許すな! 改憲阻止!
労・学・人民二〇〇〇が結集
 五月十七日から十九日までの三日間、沖縄において全県・全国から結集したのべ約三六〇〇人の労働者・学生・市民が「復帰47年 5・15平和行進・県民大会」(同実行委員会・沖縄平和運動センター主催)をたたかいぬいた。
 米・日両権力者は、四月の2プラス2(日米安全保障協議委員会)において、中・露を主敵≠ニして宇宙・サイバーを含むあらゆる領域を横断して日米両軍が一体的に共同作戦を展開する体制を構築・強化することをうたいあげた。そして、辺野古新基地建設を「早期に完了する」などと傲岸にも宣言したのだ。
 怒りに燃えたつ労働者・学生・市民は、「辺野古新基地建設阻止!」の鬨の声を断固としてあげた。
 わが革命的・戦闘的労働者たちは、それぞれの職場から組合員を組織化し、闘いの戦闘的高揚をつくりだすために奮闘した。この労働者たちと固く連帯し、沖縄県学連と金沢大学派遣団のたたかう学生たちは<全基地撤去! 安保破棄!>を掲げて闘いの方向性を鮮明にさし示し、平和行進・県民大会の最先頭で奮闘したのだ。
普天間基地を左手ににらみ労働者・学生の隊列が沿道を力強く行進
(5月19日、沖縄・宜野湾市)
「基地撤去! 安保破棄!」の大横断幕で闘う学生が檄
(5月19日、宜野湾市海浜公園)
普天間基地を包囲する平和行進へいざ出発!
(5月19日、宜野湾市役所)
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