第2556号(2019年2月18日)の内容

<1〜2面>
今こそ安倍政権を打倒せよ!
 勤労統計データ偽造弾劾!
 改憲・軍事強国化を阻止せよ

<4〜5面>
郵政春闘の高揚をかちとれ
Topics 郵政経営陣による扶養手当削減を許すな!
<2面>
わが同盟の2019春闘スローガン

<3面>
1・27全関西労学統一行動 大阪
日米合同演習阻止闘争 2・3 饗庭野
<6面>
日教組全国教研を創造的に実現せよ
<7面>
中国の労働者決起と学生たちの支援に思う
「黄色いベスト運動」が問いかけるもの
<8面>
大飯原発
 再稼働容認判決を元裁判官が批判
万華鏡 ◆トランプの壁
    ◆北の国から
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号






























  


今こそ安倍政権を打倒せよ!


勤労統計データ偽造弾劾!

改憲・軍事強国化を阻止せよ

 すべての労働者・学生・人民諸君! 安倍政権が許しがたい国家犯罪を犯していたことが、またしても露見した。厚生労働省の「毎月勤労統計」のデータ偽造。これは、「アベノミクスによる賃金の上昇」などという虚構を捏造し労働者・人民をだまくらかすために、安倍政府が厚労省官僚に指令して仕組んだ犯罪にほかならない。断じて許すな!
 いまや安倍政権は、嘘八百で塗り固めた「アベノミクス」のペテンが白日下にさらされ、さし迫る統一地方選・参院選での敗北に脅えている。それでもなお、この政権は、憲法大改悪の野望達成に向け今通常国会中の改憲発議を強行する策略をなんとか実現しようとあがいている。「毎月勤労統計」のデータ偽造を政府は関与せずに厚労省官僚が独自にしでかした不始末と強弁して幕引きを図り、もって改憲発議に向けての態勢を立て直すことを企んでいるのだ。事件の幕引き・逃げきりを策す安倍政権のこの醜悪な策動を、そして憲法大改悪の強行を、絶対に許してはならない。
 この安倍政権は、いま内政上の動揺に陥っているだけではない。アメリカと中国・ロシアとの国家エゴイズムをむきだしにした角逐・激突のもとで、この国際情勢の大劇変への対応不能に陥り安保・外交政策ならびに対外経済政策の策定上でも右往左往している。この意味でもこの政権は窮地に立たされているのだ。
 すべての労働者・学生・人民諸君! いまこそ安倍政権を打倒せよ! 国家犯罪を積み重ねるこのネオ・ファシスト政権のこれ以上の存命を許さず、<改憲阻止・一九春闘勝利・反安倍政権>の一大闘争の炎を噴きあげよう。

安倍政権・NSCの国家犯罪

 明るみにだされた厚生労働省の「毎月勤労統計」のデータ偽造を、安倍政府・自民党は厚労省官僚が勝手にしでかしたことであるかのように描きだしている。「不適切調査の実態解明」を厚労省に命ずる猿芝居を演じている。だが、このデータ偽造が、労働者の実質賃金の低下という実態をおし隠し「アベノミクスによる賃金上昇」などという嘘八百をデッチあげるために、安倍政府が厚労省官僚に指令・指示したことによるのは明々白々なのである。
 許しがたいことに、厚労相・根本さえ調査方法の変更がなければ二〇一八年の実質賃金の低下が明らかになる≠ニ認めたにもかかわらず、安倍は、「総雇用者所得はプラスだ」などと居直っている。アベノミクスのもとで暮らしていけなくなった高齢者や女性が、やむなくパートやアルバイト、副業に従事せざるをえなくなっていることを、このように自慢≠キるとは、なんたる犯罪的言辞か! この政権は、データを偽造して算出した「〇・二%上昇」などという虚構を――賃金の実態に近いといわれる「参考値」を隠蔽することによって――あくまでも押しとおそうとしているのだ。
 「毎月勤労統計」では、昨二〇一八年一月から十一月までの現金給与総額は前年同月比で十一ヵ月中五ヵ月がプラスとなり、とくに六月分は「三・六%」(速報値、のちに二・八%に下方修正)と高い伸びを示した、とされた。だがこれは、デタラメな調査方法によってはじきだしたペテンの数値なのだ。この年の一月に、二〇〇四年いらい採られてきた調査方法が変更され、従業員五〇〇人以上の企業にかんする「三分の一抽出」(東京都分で)という従来の方法から「三倍化」=「復元」する方法に切り換えられた。また、従業員三十人〜四九九人の企業にかんしても、従来の数年に一度のサンプル総入れ換え&式から半数入れ換え&式に変更された。しかも日雇いの労働者のうち月十八日以上働いている者を調査対象から除外した。――これは経済財政諮問会議(一五年十月)での財務相兼副総理・麻生の指令によることが暴露されている。
 政府の直接的指示によるこうした調査方法の変更=統計操作は、調査対象として賃金・給与の相対的に高い企業の数を増やし低い企業の数を減らすかたちでなされたのであり、賃金・給与が上昇しているというデータ(虚構)を導きだすためであることは明白なのだ。〔そもそも、小泉政権時の二〇〇四年いらい採られてきた「三分の一抽出」操作は、「全数調査」という規則を政府・厚労省が意図的に踏み破ってコッソリと導入した方式であった。それは、雇用保険や労災保険の支給額を大幅に減らすという、まさに政府・独占ブルジョアどもの利害のための反人民的所業なのだ。――本紙第二五五五号三面参照〕
 実質賃金低下の実態をおし隠すために、調査方法の切り換え=統計操作を指令したのが財務相・麻生である。これによって、低く算定された一七年に比し一八年の「今世紀最高水準の賃上げ」などという嘘八百のデータをはじきだしたのだ。
 こうしたデータ偽造の策略を易やすと貫徹しうるのは、NSC(国家安全保障会議)による官僚機構の管理・統制強化のゆえなのだ。そもそも安倍政権は、首相を頭としたNSCのもとに、直接には内閣官房に設置した内閣人事局がすべての省庁=官僚機構の人事権を握り官僚どもを管理統制し監視する行政システムをつくりだしている。このシステムをつうじて安倍政権は内閣官房・NSCが立案・策定した諸もろの反動的政策を各省庁に下達し行政事務を執行させているのだ。厚労省の「毎月勤労統計」データ偽造は、まさに安倍ネオ・ファシスト政権がNSC専制体制――日本型ネオ・ファシズム統治形態の今日的姿態――の構築を基礎として仕組んだ悪逆な国家犯罪にほかならない。森友・加計疑獄や、ついで昨年に暴露された厚労省の裁量労働制のデータ偽造と同一の、安倍政権の犯罪なのである。
 それにしても、「アベノミクスによる賃金上昇」とは、実質賃金・所得の切り下げに呻吟している労働者・人民を愚弄するにもほどがあるではないか。しかも安倍は、今通常国会開会日(一月二十八日)の「施政方針演説」で、「五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました」などと、なおもほざいてやまないのだ。だが、過去五年、安倍が独占資本家どもに「賃上げ」を要請してみせ官製春闘≠ネるものを演出しても、名目賃金から物価上昇率を引いた実質賃金は基本的に低下の一途だったのである。加えてアベノミクス諸施策のもとで、年金支給年齢の引き上げ・支給額切り下げ、各種社会保険料の引き上げ、各種補助金の大幅削減などの社会保障切り捨てによって、労働者・人民はさらなる打撃を受け貧窮地獄に叩きこまれてきたのである。
 このような労働者・人民の実態をひたすらおし隠しながら、「連合」労働貴族どもの言う――それじたいごくひとにぎりの労働者への手当や一時金、スキルアップ支援≠ネどというものを含めた――「春闘の成果」なるものをも援用して「賃金の上昇」というペテンを弄しているのが、安倍政権なのである。だが、アベノミクス諸施策が総破産に陥っていることは、いまや歴然となっている。アベノミクスの「第一の矢」と称した日銀の「異次元の金融緩和」政策も、「二年間で二%の物価上昇率達成」という到達目標が五年かかっても未いや非達成であることにみられるように完全に破綻している。この到達目標の非達成も、民間消費の伸びの停滞・低落を基本的要因としているのであって、労働者・人民の貧窮の深まりに決定されているのである。
 こうしたアベノミクスの破産とその隠蔽のための国家犯罪の一挙的暴露によって、いまや安倍政権は窮地に陥っている。安倍の心中には、厚労省管轄の社会保険庁による年金記録の杜撰な管理の露呈=「消えた年金問題」(二〇〇七年)によって参院選で与党が惨敗し第一次安倍政権が倒壊に追いこまれた手痛い記憶≠ェよぎっているのだ(二月十日の自民党大会での言)。
 そうであるからこそこの政権は、四月統一地方選・七月参院選での敗北を回避し・かつ改憲への態勢を立て直すために、「毎月勤労統計」データ偽造事件の幕引きに血道をあげている。厚労省官僚にすべての「責任」をオッペし、厚労政策統括官・大西の首を切り(大臣官房への異動というかたちでなお監視し統制下におく)、野党の要求する大西らの国会(衆院予算委員会)への参考人招致に応じてみせた。また、「厚労省は大きすぎて大臣の目配りができない」(自民党幹事長代行・萩生田)などとうそぶいて厚労省の機構再編(再分割)に問題を横すべりさせる策を弄している。
 国家犯罪を累々と積み重ねている安倍政権の厚労省データ偽造事件の幕引き=逃避策を絶対に許してはならない。実質賃金の切り下げが露わとなっているにもかかわらず、経団連会長・中西ら独占資本家どもに呼応して春闘の最後的破壊に手を染めている「連合」労働貴族どもを弾劾し、一律大幅賃上げ獲得を掲げ一九春闘の戦闘的高揚をかちとれ! そのただなかでわれわれは、労働者・人民の「反安倍政権」の怒りを組織化し、いまこそ安倍ネオ・ファシスト政権を打ち倒す闘いへの発展をかちとるのでなければならない。

以下、見出し

激化する米―中・露の政治的・軍事的・経済的角逐

 核戦力増強競争の新たな次元への突入

 米―中の貿易・技術戦争と経済圏形成をめぐる争闘

国際情勢の劇変下で右往左往する安倍政権

安倍ネオ・ファシスト政権を労働者・人民の力で打ち倒せ

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郵政春闘の高揚をかちとれ

JP労組本部による会社発展のための春闘への歪曲を許すな!

 JP労組本部は、第十九回中央委員会(二月十四日から十五日)において、「連合」方針にのっとっての二%という超低率・低額の賃上げ要求をはじめとする二〇一九春闘方針を決定しようとしている。本部は、「事業の将来の成長による処遇の維持・向上」などと語り、低賃金に押さえこまれてきた郵政労働者のベースアップの要求をはじめから放棄している。長年低賃金を強いられ、日々生産性向上にかりたてられ、精神的・肉体的にも疲弊している郵政労働者によりいっそうの貧窮を強いるものでしかない。
 さらに彼らは、「同一労働同一賃金の実現」などと称して一八春闘で残された扶養手当の問題を一九春闘において決着させようという。その内容は、扶養手当の中心部分をなす配偶者手当を半減させ、「子ども手当」を若干増額して非正規雇用社員へも適用するといった要求でしかない。
 本部は、経営陣の合理化攻撃にも積極的に容認・加担している。郵政経営陣は、「郵便・物流事業の構造改革」と称する一大合理化攻撃を郵便労働者の頭上にふりおろし、何万人もの首切り・配転・労働強化・労務管理強化の攻撃をしかけている。本部は、経営陣との「郵便・物流事業の構造改革」の労使協議に埋没している。彼らは、一九春闘を会社発展のための労使協議とこれをバックアップする行動に歪曲しようとしているのだ。
 われわれ戦闘的・革命的労働者は、本部の裏切りに抗して、一律に大幅な賃上げの獲得、「事業の構造改革」と称する一大合理化攻撃反対、安倍政権による改憲を阻止する一九春闘の戦闘的な大高揚をかちとろう!

(以下、見出し)

T 経営陣の賃金抑制・合理化攻撃とそれに呼応する本部

U ベースアップ要求放棄、手当削減容認の大裏切りを画策
 1 要求内容と闘争態勢
  A賃金要求とその基礎づけ
  B「扶養手当」見直し要求
  C「六十五歳定年制」および「多様な働き方」
  D「長時間労働の是正」と「労働力確保」
  E闘争態勢
 2 本部の春闘方針の反労働者性
  (1)ベースアップ獲得の放棄
  (2)扶養手当の「再構成」の欺瞞性
  (3)増員要求を放棄した「長時間労働是正」・「要員問題」への取り組み
  (4)組合員の批判を封殺するための「機関手続き」

V 一律かつ大幅な賃上げ獲得! 一九春闘を戦闘的に闘おう!

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わが同盟の二〇一九春闘スローガン

一九春闘勝利! 憲法改悪阻止!
「連合」指導部の春闘破壊を許さず、一律大幅賃上げを獲得しよう!

T すべての労働者は団結し、春季賃金闘争を戦闘的に再生しよう!
 ◇「仕事・役割・貢献度重視」の人事・賃金制度大改悪を許すな!「働き方改革」の名による労働強化をうち砕け!
 ◇中小企業労働者や非正規雇用労働者の賃金・労働条件の抜本的改善をかちとれ!
 ◇AI・IoT・ロボットなどの導入による首切り・労務管理の強化反対!
 ◇公務労働者の大量人員削減・賃金切り下げ反対!
 ◇「格差是正」を名分とした「上げ幅」要求放棄を許すな!「働きの価値に見合った賃金水準」と称して成果主義の徹底に協力する労働貴族を弾劾せよ!
 ◇選挙カンパニアに埋没する「全労連」日共系指導部を許すな!

U 安倍政権の貧困強制をうち砕け!
 ◇「働き方改革」「雇用改革」の名における「解雇の金銭解決」制度導入・裁量労働制の適用対象拡大・個人請負拡大のための法改定を許すな!
 ◇消費税税率引き上げ反対! 社会保障制度の改悪反対! 年金支給年齢の引き上げ反対!
 ◇改定入管難民法の四月施行反対! 外国人技能実習制度撤廃! 外国人労働者の抜本的処遇改善をかちとれ!

V 憲法改悪阻止! 日米核安保の強化反対!
 ◇第九条破棄と緊急事態条項創設を核心とした改憲案の国会発議を許すな!
 ◇「アメリカとともに戦争をやれる国」づくり反対! 辺野古新基地建設阻止! イージス・アショア配備反対! 安保破棄めざして闘おう!
 ◇アメリカの対北朝鮮軍事攻撃反対! 北朝鮮の核武装反対!
 ◇米―中・露の核戦力増強競争反対!
 ◇労組破壊を許すな! 教育のネオ・ファシズム的再編反対! NSC専制支配体制の強化を許すな!
 ◇「連合」指導部の闘争抑圧を許さず闘おう!
 ◇反改憲の労組共同行動を創造せよ!

ネオ産業報国会として純化した「連合」を脱構築せよ!
改憲に突進する安倍日本型ネオ・ファシズム政権打倒にむけて進撃しよう!

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自民党大阪府連に怒りの拳
1・27 全関西労学統一行動
 一月二十七日、関西のたたかう労働者・学生は、大阪中枢において「憲法改悪阻止! 辺野古への土砂投入反対!」の火柱を断固としてぶちあげた。
「改憲阻止!」声高らかに大阪市街を進撃する労学の白ヘル部隊
(1月27日)
自民党大阪府連(右端の建物内)に怒りのシュプレヒコール
(1月27日、大阪市)
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 日米軍事演習阻止に起つ
 2・3 饗庭野 
 二月三日、滋賀県・高島市の住吉公園で、「2019日米合同軍事演習反対! 2・3あいば野集会」(主催は平和フォーラム関西ブロックと非日共系の市民団体で構成される「2019あいば野に平和を! 近畿ネットワーク」)が開催され、近畿一円から二五〇名の労働者・市民が結集した。
 神戸大・奈良女子大のたたかう学生たちは、オスプレイを使った軍事訓練を強行しようとしていた米日両権力者にたいする怒りに燃え、この日の闘いに勇躍決起した。
闘う学生が結集した労働者・市民に
(2月3日、高島市住吉公園)
デモ行進する250名の先頭で奮闘
(2月3日、高島市)
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