第2542号(2018年10月29日)の内容

<1面>
反改憲・反戦反安保闘争に起て
 辺野古沖への土砂投入阻止!
 米日の対中臨戦態勢反対!
<4面>
独与党院内総務選でメルケル腹心が落選
◎「ヒトラー支持」を絶叫
<5面>
「AI革命」を賛美する日共・友寄
<6面>
「上げ幅要求」を放棄した「連合」労働貴族弾劾
 2019春闘「基本構想」
Topics 製薬諸労組がUAゼンセン脱退
投稿 難病医療費助成の切り捨て
<7面>
出版労連第131回定期大会
<2面>
米軍管制下の日本の空
アフリカ進出を企むロシア
◎米・タリバン秘密交渉
<3面>
北海道「ブラックアウト」
大停電下で危機に見舞われた北海道の医療諸機関
<8面>
万華鏡2018――情勢の断層を読む
 ◇「現代のスルタン」のツッパリ
 ◇エジソンがあざ笑う
 ◇5G技術開発
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号


































  


反改憲・反戦反安保闘争に起て

辺野古沖への土砂投入阻止!

米日の対中臨戦態勢反対!

「改憲阻止! 安倍政権打倒!」闘う学生の声が轟く
(10月19日、参議院議員会館前)
ネオ・ファシズム憲法制定阻止! 軍事強国化反対!

辺野古新基地建設阻止!
工事再開を許すな!

米―中露激突下の戦争的危機を突き破る反戦闘争を!

 十月二十日、米大統領トランプは、アメリカが旧ソ連とのあいだで結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約(一九八七年締結)を破棄することを宣言した。「社会主義現代化強国」を築きあげるという世界戦略にもとづいて、「グアムキラー」の異名をもつ核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイル「DF(東風)26」を大量配備するなど対米の軍事的・政治的攻勢を強めている習近平の中国。さらには「大国ロシアの復活」という国家戦略にのっとって、日米のMDシステムをかいくぐることのできるミサイルの開発や核搭載可能な短距離ミサイル「イスカンデル」改良型のロシア西部への配備など核戦力の一大増強に突進しているプーチンのロシア。これら両国によって核戦力における自国の優位が揺るがされることに危機感を募らせているアメリカのトランプ政権は、NPR(「核戦略体制の見直し」)にもとづいて「使える核兵器」と称する小型核兵器の増強や海洋発射型核巡航ミサイルの配備・増強に突進している。これに加えてトランプ政権は、「ロシアや中国がこれらの兵器〔中距離核ミサイル〕の開発を中止しようと言わないかぎりは、われわれも造らざるをえない」などと叫びたて、地上発射型中距離核ミサイルの開発・増配備にのりだそうとしている。
 いまや南シナ海の南沙・西沙諸島の軍事要塞化を完了した習近平の中国は、この南シナ海を拠点として西太平洋の制海権・制空権をアメリカから奪取することをめざして、空母四隻体制の確立、空軍の作戦範囲の拡大、アメリカのMDシステムをかいくぐることのできる極超音速ミサイルの開発などの核戦力増強に狂奔している。しかも、中国海軍は米本土を核攻撃の射程に入れる弾道ミサイル(SLBM)搭載の戦略原潜「晋級」を南シナ海に配備し、やがてはその後継艦「唐級」を日本海に配備することを計画している。これらの戦闘艦隊の作戦行動範囲を「第一列島線」から「第二列島線」にいたる海域にまで拡大するために、空母や戦略原潜に随伴し護衛する潜水艦群(現在約六十隻)や無人潜水艇の増配備をも急ピッチで進めている。
 こうした中国の対米核戦力の増強に対抗して、米日豪三ヵ国の権力者は、「自由で開かれたインド太平洋を維持する」という名のもとに対中国軍事包囲網の強化に血道をあげている。米豪両政府が米海兵隊のダーウィン巡回部隊増強を合意した(七月の米豪2プラス2)ことにつづいて、日豪両政府は、空軍戦闘機の共同訓練実施(一九年)、ならびに両国軍の作戦行動にかんする国際的とりきめたる「訪問部隊地位協定」(VFA)の早期締結に合意した(十月十日、日豪2プラス2)。オーストラリア軍とも共同しながら、日本国軍を南シナ海における米軍の「航行の自由作戦」=対中軍事行動に投入しようとしているのが安倍政権なのだ。
 日米安保同盟の鎖につながれている日本の安倍政権は、在日米軍駐留経費の負担増や高額の米国製兵器の大量購入などのトランプ政権の要求をことごとく受け入れるとともに、日本国家を軍事強国に飛躍させていくことをめざして日本国軍の一大増強に突き進んでいる。南西諸島への自衛隊対艦ミサイル部隊の配備、空自へのステルス戦闘機F35Aの導入にすでに着手しているだけではない。いままさに、水陸機動団を運搬するV22オスプレイの陸自への導入、陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の山口・秋田自衛隊基地への配備をも策している。さらに政府・防衛省は、垂直離着陸能力をもつ米軍戦闘機F35Bの離発着が可能な空母へと護衛艦「いずも」を改造する計画を正式決定しようとしている。
 こうした日本国軍の大増強を、安倍政権は、一九年度には五兆三〇〇〇億円もの巨額の軍事費を投じておしすすめんとしている。まさにこの策動は、憲法第九条改悪の攻撃と一体的におしすすめられているのであって、われわれは、アメリカの「属国軍」たる日本国軍の大増強に断固として反対しようではないか。
 すべての労働者・学生諸君! いまや南シナ海・東シナ海を主舞台として米日両軍と中国軍とが相互に臨戦態勢を恒常化しながら軍事的角逐を激化させている。このゆえに、東アジアにおける熱核戦争勃発の危機がいよいよ高まりつつあるのだ。
 こんにちこのときに、安倍政権の憲法大改悪を阻止する闘いの一切を、「市民と野党の本気の共闘」なるものをシンボルとして参院選に向けた票田開拓に解消しているのが日共の不破=志位指導部なのだ。保守系野党との「共闘」を自己目的化し「反安保」を放棄する日共中央の闘争歪曲を許さず、われわれは今こそ、改憲阻止闘争の戦闘的高揚を断固としてかちとるために奮闘しようではないか。反改憲・反戦反安保闘争の大爆発をかちとれ! 安倍日本型ネオ・ファシズム政権の打倒をめざしてたたかおう! 10・28労学統一行動に総決起せよ!
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「AI革命」を賛美する日共

 不破の茶坊主・友寄の妄言

 独占資本家どもはいま「AI・IoT・ビッグデータ」などのICT技術諸形態を生産過程や流通機構などに投入して、あくなき合理化=生産性向上を追求している。労働者たちは、AIなどのICT技術諸形態の職場への導入が、みずからのクビにつながるのではないかと戦々恐々とさせられ、またAIプログラムが導きだした生産方法や労働組織の「改善策」に従うことを強制され労働強度の一挙的増進を強いられて悲鳴をあげている。
 こうしたなかで、AIなどのICT機器・プログラムの導入を「ICT革命の新たな発展」と称して賛美し、労働者にたいする犠牲転嫁をうち砕く闘いに水を浴びせる輩が現れた。転向スターリニスト党=日本共産党の官僚とその御用学者どもである。

以下見出し

「ICT技術の発展」が生みだす「労働条件の改善」?

AI機器導入下の労働者の現状からの浮きあがり

生産力の発展が搾取制度と矛盾する=H

「国家と階級支配」の打倒なき「社会主義社会」実現の妄想
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「連合」一九春闘「基本構想」

「上げ幅要求」を放棄した「連合」労働貴族を弾劾せよ

 「連合」が十月十八日の中央執行委員会で、二〇一九「春季生活闘争」の「基本構想」をうちだした。
 この「基本構想」最終案において、「連合」指導部は、「『春闘』の形を再構築していく」「『上げ幅』のみならず『賃金水準』を追求する闘争の強化をはかっていく」などと称して、賃金要求の「上げ幅(引き上げ率)」を提示しないことをうちだした。「連合」指導部は、二〇一六年から一八年にかけて一応は要求してきた「二%引き上げ」という超低率の要求さえも放棄することを策しているのだ。この「連合」指導部による「上げ幅要求」の放棄=賃上げ要求の放棄を断じて許すな!
 マスコミ報道によれば、「連合」指導部が十月二日の「幹部会議」に提起した「春闘基本構想」の「素案」のなかでは、一九五五年いらい続いてきた「『春闘』の形を変革し、闘争の争点を賃金の『上げ幅』追求から働きの価値に見合った賃金『水準追求』へと転換をはかっていかなければならない」と、明瞭な表現で「転換」がうたわれ、二〇一九年を「その足がかりを築いていく年」と位置づけていたという。ところが、二日の会議で構成組織の幹部から「なぜ数字を出さないのか?」との疑問が数多く出されたので、「基本構想」には数字を出さないものの、十一月の中央委員会でうちだす二〇一九年の具体的な「春闘方針」にかぎっては、「何らかの引き上げ率目標を入れる」という釈明が執行部からなされた、と報じられていた。
 こうした構成組織内からの疑問・反発をかわすために、「連合」指導部は十八日の中執に提出した「基本構想」最終案においては、文言上「転換」という表現を削除し、「『春闘』の形を再構築していく」「『上げ幅』のみならず『賃金水準』を追求する闘争の強化をはかっていく」というゴマカシの表現にスリ変えたのだ。

「春闘方式」の形骸さえも最後的に一掃

 「連合」指導部は「基本構想」の「賃金関連」要求において、(1)「連合は、マクロの観点で必要な賃上げと、中小組合・非正規労働者の『底上げ・底支え』『格差是正』に資する社会横断的な水準を設定する」、(2)「すべての構成組織は、名目賃金の到達目標の実現と最低到達水準の確保」にとりくむとうたって、「連合」と「構成組織」の持ち分≠画した。「連合」としては「連合リビングウェイジ(必要生計費)」などの「マクロ水準」と中小・非正規の到達すべき賃金水準を設定することだけに役割を限定し、構成産別・単組のとりくみにたいしては、「□%程度」といった「上げ幅」を「基本構想」にいっさい示さないことを明確にしたのだ。
 このかん「連合」指導部は、中小・非正規労働者を対象とする「底上げ・底支え」「格差是正」に春闘方針の重点をおき、「大手追従・大手準拠の構造を転換する」とうたってきた。とはいえ、なお一応「□%程度」という「賃上げ要求基準」を掲げ、大手企業組合が「先行組合」として三月ヤマ場の集中回答日に回答をひきだし「社会的相場形成」につとめるという闘争形式を、形のうえだけはかろうじて維持してきたのであった。こうした「上げ幅要求」を掲げての「先行組合による相場形成」と「情報開示によるその波及」という、形骸だけをわずかにとどめていたにすぎない「春闘方式」の名残りをさえも「連合」指導部はいまや最後的に一掃する腹を固めたのだ。
 今年の二〇一八春闘においては、「連合」指導部は「社会全体の生産性向上」を前面におしだし、「底上げ・底支え」「格差是正」を名分に「二%程度の賃金改善」という「要求基準」を掲げたのであった。その内実は、中小労組の賃金水準が産別の「最低到達水準」にはるかにおよばない場合でも、一気に賃上げをかちとるのは「現実的でない」、少しずつ何年でもかけてゆっくり「到達」しろ、その「少しずつ」を設定する「参考」値が「二%程度」なのだ、というシロモノでしかなかった。
 いまや彼らは、こうした「格差是正要求」をさえも、「上げ幅だけに着目すると、格差は縮まるどころか開いてしまう」(十月十一日、会長・神津の記者会見)などという屁理屈をこねて投げ捨てようとしているのだ。具体的には、「賃金水準の絶対値にこだわるとりくみ」と称して、「連合」指導部が従来も(「上げ幅」と並べて)掲げてきた「三十五歳勤続○○年労働者の最低到達水準△△万円」・「三十歳労働者の到達目標水準□□万円」というような、いわゆる「個別銘柄要求方式」一辺倒へと、賃金要求の内容・形式をきりちぢめようとしているのだ。

組合員を生産性向上・競争力強化に駆りたて

 「連合」指導部は、賃金要求にかんして、正規と非正規労働者を問わず「それぞれの働きと能力の高まりによって生み出された労働の質的向上分にふさわしい処遇改善」とか、「働きの価値に見合った水準」「働きの価値に見合った絶対額にこだわり」とかとおしだしている。
 だが「働きの価値に見合った水準」とは何か。その内実は少しもあきらかではないのだ。ただただ資本家的経営者に利潤をできるだけ多く生み出すネウチのある労働にはそれに見合った賃金を支払ってくれ≠ニいうのでは、賃金要求の基礎づけとは何らなりえないというだけではない。そうした「水準要求」なるものは、資本家的経営者に「価値」のある「働き」をしている≠ニ評価してもらえるように身を粉にして必死で働け、と労組の側から傘下組合員を生産性向上に駆りたてる意味をもつものなのだ。
 「それぞれの働きと能力の高まりによって生み出された労働の質的向上分にふさわしい処遇改善」だと?! こうした「要求」なるものは、賃金をその本質である労働力商品の価値から完全にきりはなして「労働の対価」とみなすブルジョア的俗論を大前提として、なおかつ個々の労働者が日々みずからの「スキルアップ」にはげみ労働生産性向上・企業の競争力強化に貢献している、と企業経営者が査定・評価するかぎりにおいてのみ、それにふさわしく「処遇」をしていただければそれだけで結構です≠ニ、労働貴族どもが経営者に頭を垂れて進言≠キる以外のなにものでもない。
 まさしくこうした「水準追求」なるものは、企業経営者の労務管理による個々の組合員にたいする分断支配の貫徹と組合的団結の掘り崩しを労組幹部みずから容認し、企業の生産性向上・競争力強化施策への全面協力と低賃金・悪労働条件への忍従を傘下組合員に強要するものにほかならない。

労働貴族の裏切りを弾劾し一九春闘の高揚を!

 二〇一八春闘において、トヨタ自動車社長・豊田章男が「百年に一度の危機感をもっているならば過去の成果に目を向けているヒマはない」などと、労働貴族を居丈高に恫喝した。これに屈し、資本家どもと一体となって賃上げ回答額の「非公表」という前代未聞の秘密回答=妥結≠強行したのがトヨタ自動車労組の労働貴族だ。このJCメタルや旧同盟系の労働貴族が牛耳る「連合」指導部は、一九春闘をまえにして、もはや賃金の額や率を云々している時代ではない∞春闘は企業競争力強化のための労使協議に純化せよ≠ニいう独占資本家どもの御託宣のまえに深々とひれ伏しているのだ。その象徴こそ「率・額」要求の放棄にほかならない。彼らは、「成果配分」だの「パイの分け前」だのという賃金要求の基礎づけをさえもいまや後景化し、「人への投資」という基礎づけの内実をも資本家どもの生産性向上施策とそのための労務施策によりいっそう迎合するものへと腐敗を濃化させているのだ。
 すべての戦闘的・革命的労働者は、こうした「連合」労働貴族による大裏切りを暴露し弾劾しつつ二〇一九春闘の戦闘的高揚を切り拓こうではないか。そのただなかで今日版産業報国会へと純化をとげた「連合」を<脱構築>するために、いまこそ力こぶを入れて頑張ろう!
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