第2538号(2018年10月1日)の内容

<1面>
改憲攻撃を総力で打ち砕け
 9・19日比谷
 憲法九条大改悪阻止!
 辺野古新基地建設を許すな!
 労学市民四八〇〇が決起
<4〜5面>
「働き方改革」を尻押しする全教本部弾劾!
Topics JCM(金属労協)第57回大会
<6面>
灼熱下での労働現場
「個人請負」の拡大・普及企む厚労省
<7面>
投稿 「第四次産業革命」を読んで
<2面>
防衛省概算要求
 アメリカ製兵器を大量購入
<3面>
全学連88回大会かちとる 9・18〜19
◎プーチン式ディール
<8面>
第56回国際反戦集会
 海外からのメッセージ F
 ロシア共産主義労働者党
 ロシア共労党チュメニ州委員会
◎漂流政権の内幕
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号


































  


改憲攻撃を総力で打ち砕け

9・19 日比谷
憲法九条大改悪阻止! 辺野古新基地建設を許すな!
労学市民四八〇〇が決起

 「改憲絶対阻止! 安倍政権打倒!」集会の高揚のために奮闘する学生たち
 
(9月19日、日比谷野音)
 「改憲発議阻止!」力強くデモ行進する学生
  (9・19、銀座)

 すべての労働者・学生諸君! わが同盟は新たな決意のもとに訴える!
 九月二十日の自民党総裁選挙において三選を手中にしたネオ・ファシスト安倍は、ただちに「憲法改正にいよいよ挑戦し、新しい国づくりに挑む」などと叫びたてた。いまこそ安倍政権による改憲攻撃を木っ端微塵に打ち砕くために、憲法改悪絶対阻止の一大闘争を巻きおこせ!
 総裁選において石破を破った安倍は、「次の国会に改正案を提出できるよう一致結束して向かわなければならない」などとほざいた。安倍は、九条に自衛隊を明記するとともに「緊急事態条項」を創設するという改憲案を、自民党の改憲案として十月二十六日にも開会される臨時国会において憲法審査会に提出しようとしている。改憲勢力が衆参両院の三分の二以上の議席を占めている来夏の参院選前までに改憲発議=国民投票を強行することを企んでいるのだ。絶対に許すな!
 米―中・露角逐下の現代世界において、安倍政権は、核大国・中国と核武装した北朝鮮とに対抗してゆくために、日米新軍事同盟にもとづいてアメリカとともに戦争する軍事強国≠ヨと日本国家を飛躍させようとしている。そのためにこそ憲法九条を最後的に葬りさろうとしているのだ。それは、かつて朝鮮半島を植民地支配し、中国・アジアを軍靴で蹂躙した日本軍国主義者の末裔である安倍を頭とする政権が、いまやトランプのアメリカとの軍事同盟にもとづいて、再びアジア人民に銃口を突きつけるという重大な意味をもつ。この戦後史を画する一大反動攻撃を絶対に打ち砕くのでなければならない!
 この重大な局面で、日共中央は、「市民と野党の本気の共闘」をシンボルとして、来夏の参院選挙にむけた集票に血眼となっている。そのためのテコとして位置づけた「三〇〇〇万人署名」なるものに下部党員・活動家を駆り立てているのが代々木官僚なのだ。一切の闘いを「野党連合政権」樹立をめざした選挙宣伝に解消する日共中央を弾劾せよ!
 すべての諸君! われわれはいまこそ、日共中央による議会主義的闘争歪曲をのりこえ、安倍政権の改憲・安保強化の攻撃を打ち砕く闘いをおしすすめよう。すべての職場・学園から総決起せよ!

全国のたたかう学生が<反安保>の檄――野音集会

「安倍政権打倒!」
銀座に轟くシュプレヒコール

反戦・反安保・反安倍政権の闘いを巻きおこせ!

 すべての労働者・学生諸君! 今秋期、われわれは、まず第一に、憲法改悪絶対阻止の一大闘争を巻きおこすのでなければならない。
 安倍政権が国会提出を狙う改憲案は、九条一項・二項はそのままにしたうえで、新たに「必要な自衛の措置をとる」ための「実力組織」として「自衛隊を保持する」と明記するものだ。もって安倍政権は、「戦争放棄」「戦力不保持」を謳う現行憲法九条を最後的に葬りさろうとしているのだ。九条改悪を断じて許してはならない! また安倍政権は、戦争への総動員体制を強化するために、労働者・人民の「民主主義的諸権利」を奪いさる「緊急事態条項」創設をも狙っている。「緊急事態条項」創設反対! 日本型ネオ・ファシズム支配体制の強化に反対しよう!
 第二に、われわれは、安倍政権による辺野古新基地建設のための土砂投入=本格埋め立てを絶対に阻止するのでなければならない。
 安倍政権は、トランプ政権に尻を叩かれつつ、沖縄県知事選後の十月初旬にも辺野古への土砂投入を強行しようとしている。6・12米朝首脳会談を区切りに現出した米―中・露の新たな政治力学のもとで、日本列島を対中国・対ロシア最前線の核軍事要塞としてうち固めようとしているトランプのアメリカ。対中国の最前線拠点として辺野古に海兵隊新基地を建設しようとしているのがトランプ政権であり、これに全面協力しているのが安倍政権だ。日米核軍事同盟強化の攻撃を断じて許してはならない。
 トランプ政権・米軍当局による横田基地へのCV22オスプレイ配備を阻止せよ! 十月一日にも企まれているオスプレイの本格配備を許すな!
 安倍政権は九月十三日、海上自衛隊のヘリ空母「かが」をはじめとする三隻の艦船と潜水艦とによる対潜水艦訓練を、中国軍が戦略原潜を遊弋(ゆうよく)させる南シナ海のど真ん中で挑発的に強行した。さらにこの海自艦隊は、フィリピン周辺で米軍の原子力空母ロナルド・レーガンと合同軍事演習をおこない、さらにインド洋に展開しようとしている。南シナ海の軍事拠点化を完成し、さらに西太平洋・インド洋に中国軍を進出させようとしている習近平中国をまえにして、中・露主敵の軍事戦略にもとづいて日豪両国を従えての対抗策にうってでているトランプ政権。この政権の「責任分担」要求に応えて、安倍政権は日本国軍をアメリカの「属国軍」として南シナ海・インド洋をはじめとする対中国の最前線へと派遣しているのだ。さらに、陸自部隊を、シナイ半島での米軍主導の多国籍軍に参加させることをも狙っている。憲法九条を踏み破り、日米新軍事同盟にもとづく海外派兵を強行する安倍政権を断じて許すな!
 われわれは「反安保」を放棄した日共系反対運動をのりこえ、辺野古新基地建設阻止の闘いを、「日米核軍事同盟=対中・対露攻守同盟の強化反対」の旗幟鮮明にたたかおう! 今こそ<安保破棄>をめざしてたたかおう!
 第三に、われわれは、米―中・露激突下の戦争的危機を突き破る革命的反戦闘争を断固としておしすすめるのでなければならない。
 いま、没落するトランプのアメリカ帝国主義と、二〇四九年までにこれを追い抜き「社会主義現代化強国」を築きあげんとする習近平中国および「大国ロシアの復活」を企むプーチンのロシアとが、政治・軍事・経済の全部面において激突している。この米―中・露激突下の現代世界で、いたるところで戦争的危機が高まり、また現に戦火が燃えあがっている。
 朝鮮半島をめぐっては、核施設のリスト提出などの具体的措置をとらないかぎり見返りは与えない≠ニ迫るトランプ政権と、まずはアメリカが終戦宣言などの「相応の措置」をとれ≠ニ突っぱりつつ、アメリカの対応次第では寧辺(ニョンビョン)核施設の永久廃棄の「用意がある」ことを提示している金正恩政権とが、互いに瞞着しあいつつ対立を先鋭化させている。南シナ海においては、米日両軍と中国軍とがつばぜり合いを展開している。このアジアをはじめ全世界でぶつかりあう米―中・露が相互に核戦力増強にしのぎを削っているがゆえに――米・中の貿易戦争と絡みあうかたちで――熱核戦争勃発の危機さえもが高まっているのだ。
 いまこそ<米―中・露の核戦力増強競争反対>のスローガンを高々と掲げ革命的反戦闘争を推進しよう! アメリカの対北朝鮮軍事攻撃反対! 日本の参戦を許すな! 北朝鮮の核武装反対! トランプ政権に支えられたイスラエル権力者によるパレスチナ人民虐殺弾劾! アサド政権・プーチン政権によるシリア・イドリブ総攻撃反対! 米―中・露の核戦力増強競争反対!
 いまこそ反戦・反安保・反安倍政権の闘いを巻きおこせ! 安倍ネオ・ファシスト政権打倒めざしてたたかおう!

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文科省版「働き方改革」を尻押しする全教本部弾劾!

長時間労働と労働強化の強制に反対しよう!
「年単位の変形労働時間制」の導入を許すな!

 いま全国の都道府県教育委員会(および政令市教育委員会)は、文部科学省の指示のもとに学校版「働き方改革」推進のためのプランを策定し、各学校においては「働き方改革」の具体策なるものを実施しつつある。しかしそのプランたるや、教員の「長時間労働解消」の目標として週当たりの在校時間の上限を六十時間以内(これは過労死ラインに達する月八十時間の残業時間に相当する)とするなど、長時間労働の「是正」どころかこれを容認するしろものばかりなのだ。「勤務時間を客観的に記録するため」と称してタイムレコーダーの導入がうちだされても、出勤時に打刻させるだけで退勤時刻は打刻させないとか、退勤打刻をした後に再び職場に戻り仕事をさせるなどのでたらめな運用が多くの職場でまかり通っている。こうして多くの教育労働者は今まで以上の超長時間労働を、しかも一段と強度が増した労働を強いられているのだ。
 ところが、「新学習指導要領の円滑な実施」(中教審「中間まとめ」)のためにこそ政府・文科省がすすめているこの「学校における働き方改革」を、「私たちの要求との関係で今後生かしていける内容も含まれている」、「真に長時間過密労働の解消につながるものとなるよう改善を求める」(いずれも第五十七回中央委員会議案より)として美化し、尻押ししているのが全教本部にほかならない。彼らは年内に発せられる予定の「中教審」の答申に期待しているだけで、今もって教組を主体とした反対運動にとりくもうとはしていないのだ。
 われわれは、いまこそ全教本部による文科省・中教審尻押し運動への歪曲をのりこえ、学校版「働き方改革」反対・長時間労働の強制反対の闘いを広範につくりだしていかなければならない。そのためにここでは、さる六月二十四日に開催された第五十七回中央委員会議案(以下「議案」)および昨年十一月に全教が公表した「教職員の長時間過密労働の抜本的な解決を求める全教の提言」(以下「提言」)を検討し、彼らの「長時間過密労働の解消」、「給特法の改正」方針の犯罪性と反労働者性を暴きだしていきたい。

以下、見出し

1 「長時間過密労働の解消を求める取り組み」の犯罪性

2 日共式「教師=聖職」論を振り回す御用学者

3 文科省・中教審頼みの「給特法改正」要求

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灼熱下での労働現場

工場内の体感温度はゆうに四〇度超え

 暑い! とにかく暑い。四〇度近くの猛暑に何度もおそわれたこの夏。中小・零細企業の労働現場の劣悪な労働環境に耐えぬくことが、労働者が職場で生き残ることにつながる、といっても過言ではなかった。現場では、吹き出す汗は止まらない、意識はもうろうとする、休憩するベンチは熱い。風もまともに通らない・稼働する機械とスポットクーラーの排気で、工場内の体感温度はゆうに四〇度を超えているからだ。
 今、日本の自動車・ICT(情報通信)・軍需産業などは、かなり活況にある。アメリカ(と中国)経済の「堅調」による輸出増と、安倍=黒田による「緩和マネー」のバラマキとによって、一時的に経済の好景気として現象しているからだ。たとえば、自動車など輸送機器の部品を製造する中小企業などでは、事実、大幅に受注が増えている。価格競争に勝ち残れない企業は淘汰されている。
 しかし、EV化やAI化の大波≠ノよって、部品の生産がいつまで続くのか・その後はどうなるのかが、今は予測できない。だからこそ中小企業の資本家は、増産型の設備投資をさけて・生産過程の主体的契機の技術化(=労働強度の増進を手段とした労働の生産性の向上)によって、ここ数年の経営をのりきろうとしている。すなわち、儲けれるときに儲けろ・後は野となれ山となれ≠ニいうわけだ。
 たとえ「人手不足」の打開のために作業者が増員されても・それは非正規の(低賃金で、かつ相対的に解雇されやすい)労働者であって、とどのつまり、「生産性を上げる」ために、「乾いたタオルをさらに絞る」がごとく、労働者は徹底してこき使われることになるのだ。私は思う、牛や馬のほうが絶対に大切にされている(ミスト付きの牛舎を見よ)。
 以下は中小企業における今夏の労働現場の生々しい実態である。

超長時間労働で怪我・心身疾患・死亡事故

 @ A職場。部品の受注量がどんどんと増えて、技術・整備・製造部門などの労働者は、月に八十時間を超える時間外労働があたりまえになっている。若い班長たちは、「毎日残業三時間・月三回土曜出勤をさせられている」、「土曜の夜勤はきつい、火曜まで体がだるい」、「夜勤帰りの信号まちで一瞬寝ている」と良心的な組合三役にうちあけたという。労働者たちは、暑さで疲労困憊し・たびかさなる大怪我を目の当たりにして、櫛の歯が欠けたように辞めていく。
 そんなことにはお構いなしに、ここの経営陣は、なんと!「法定内休日」を日曜日から土曜日に変更して、時間外労働をさらに延長できるようにしたのだ。従業員の心身の健康などは知らぬ存ぜぬで、製品の納入を滞らさずに利潤をうみだすことだけが、資本家の関心事なのだ。
 A B職場。自社開発製品の数割もの増産によって、直接・間接部門の労働者のほとんどに残業や土曜出勤が「半強制」された。職制は「夏休み返上」の休出にかりだされたという。熱中症による体調不良で突発休や早退がつづき、暑さで意識を失い転倒して骨折し、「出勤停止措置」にされた労働者がでたほどだ。
 B C職場。電機部品職場で、熱中症で倒れた労働者が救急車で運ばれたが、手遅れになった。さすがに経営者は、従業員一人ずつに「水につけて首にまくスカーフ」を配布した。そんな子供だましで労働者の健康を保障できるのか?! かつて同志・岩瀬兼二が喝破したように、「まさに焼け石にポカリスエット!=v(本紙第一八八五号)。

(中略)

 F G職場。次々と労働者が「仕事をやめて、スポットクーラーの前でドリンクを飲みながらしばらく休んでいる」。防塵対策の装備をして仕事をこなしているから、余計に「ものすごい暑さ」なのだ。労働者たちは、「仕事中に何度も頭痛がする」と言う(熱中症の初期症状だ)。体力がもたない年配の労働者は、準間接部門の職場に配転させられたが、精神的にも不調をきたして「自主退職」を余儀なくされた。
 別の工場で、外国人の労働者が足先をつぶすという「大けが」をした。経営陣は「気をつけろ」と命令するだけ。翌日は、外国人労働者の数人が休んで、会社に抗議の意志をあらわした。「機械のスイッチを押した」といわれる日本人労働者も、「ショック」をうけたまま休んだ。暑いうえに、「意思疎通がうまくいってない」のに、経営陣が作業を急がせていることが原因なのだ。しかも、直後に消防署と警察が検分に入ったときに、経営陣は「目につきにくい」職場の作業は続行させたという。これが資本家の本性だ。

既成労働運動をのりこえる闘いを!

 以上のようなすさまじい労働現場の実態は、建設・運輸・介護などの産業をふくめれば、氷山の一角にすぎない。「生産性向上・イノベーション創造」に全力をあげる独占資本家、あうんの呼吸で「生産性革命・働き方改革」をうちだした安倍政権。彼らによって労働者は、超長時間の労働と労働強度の増進を強要されている。あまつさえ、労働者の命が奪われても三猿主義≠きめこんでいるのが、「連合」の労働貴族なのだ。ここに問題がある!
 けれども、われわれ労働者は、「ペストのように忌み嫌われる労働」を強いられ・資本家に搾取されつづける<賃金奴隷>に、決して甘んじているわけではない。企業・産業・国家のために奉仕する≠ニいう「連合」運動のすべてが破綻していることを、理論的に暴露し批判し・克服してゆくためのイデオロギー的=組織的闘いを、われわれ革命的労働者は断固としておしすすめている。われわれが組織的にとりくんできた諸教訓を生かしながら。

(以下略)

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9・18〜19
全学連第88回全国大会かちとる

憲法改悪阻止・辺野古新基地建設阻止の一大闘争を!

 秋期闘争へむけて闘志をみなぎらせる全学連の仲間たち
 (9月19日)

 九月二十日、三期目の自民党総裁の座を手に入れた安倍は「戦後七十年、一度もしてこなかった憲法改正にいよいよ挑戦する」などと叫びたてた。安倍政権は、十月の臨時国会において衆参両院への自民党改憲案の提出をめざして突進を開始したのだ。すべての労働者・学生・人民は、憲法大改悪を阻止する闘争にいまただちに総決起せよ!
 この決定的局面において全学連は、自民党総裁選に先だつ十八日、十九日の両日、首都・東京において第八十八回定期全国大会をかちとり、「憲法大改悪阻止・辺野古新基地建設阻止」を焦眉の課題とする今秋期闘争の革命的指針と盤石な闘争態勢を確立した。全学連は、本大会を、安倍政権による改憲・安保強化の攻撃を打ち砕き、米―中・露が激突するもとで高まる戦争的危機を突き破る革命的反戦闘争の爆発をかちとるための総決起集会≠ニして実現したのだ。

米―中・露激突下の内外情勢の分析を深化

改憲阻止・反戦反安保闘争の革命的指針を確立

安倍政権打倒をめざして前進せよ!

選出された新三役
委員長   酒井悠一郎(北海道大学農学部)
副委員長 中澤拓己(早稲田大学社会科学部)
         風間 卓(国学院大学経済学部)
書記長   有木悠祐(早稲田大学人間科学部)

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