第2528号(2018年7月23日)の内容

<1〜2面>
第56回国際反戦集会に結集せよ
 米―中・露の核戦力増強競争反対の革命的反戦闘争を!
<3面>
「辺野古崎埋め立て阻止!」
 労・学・市民2000が現地集会 7・7 沖縄
先制攻撃能力強化のための米日共同の戦闘機部隊演習
<4面>
中教審「教員の働き方改革」を美化する日共小官僚・藤森
<5面>
Topics 「働き方改革法」制定への相原の裏切りのパス
「個人業務請負」の普及・拡大を狙う安倍政権
国民総背番号制度の構築を許すな
<6面>
中国企業「ZTE」を破綻寸前に追い込んだトランプ
◎半導体国産化を急ぐ中国
<7面>
ハイテクで人民監視体制を強化する習近平政権
米連邦最高裁人事
 保守派新判事の役目
<8面>
豪雨災害の夜 安倍自民党が大宴会
総裁選に向けた権力抗争に軋む自民党

 「解放」最新号





























  


第56回国際反戦集会に結集せよ

米―中・露の核戦力増強競争反対の革命的反戦闘争を!

 

辺野古土砂投入阻止! ゲート前で座り込み
(7月7日)
 わが同盟は来たる八月五日、全学連・反戦青年委員会とともに、首都・東京と全国六都市において第五十六回国際反戦集会を開催する。この国際反戦集会への総結集を、すべての労働者・学生に呼びかける。
 北朝鮮・金正恩政権にたいしてアメリカ・トランプ政権は「核廃棄への具体的措置」を早急にとるべきことを迫った。このトランプ政権を金正恩政権は「一方的で強盗さながら」と非難した。――「北朝鮮の核廃棄」をめぐる具体的な協議に一歩踏みこむやいなや米朝両権力者は、両者のあいだに横たわる深刻な利害対立を先鋭化させはじめた。六月十二日に開催した米朝首脳会談の「成功」なるものを全世界にむけてうたったトランプ政権と金正恩政権はいま、それぞれの国家的利害をかけた攻防の火花を早くも散らしているのだ。
 そればかりではない。6・12米朝首脳会談を経たいま、北朝鮮に核放棄を迫るアメリカ帝国主義と、北朝鮮の後ろ盾としてアメリカにたちはだかる中国およびこれと結託するロシアとが、軍事的・政治的角逐をますます熾烈化させている。トランプのアメリカは、「属国」宰相・安倍を<安保の鎖>でしめあげつつ、日本列島を対中国の前線基地としてより強固にうちかためようとしている。このアメリカと対峙しつつ、習近平中国は、朝鮮半島を足がかりにして西太平洋への進出をもたくらんでいる。この中国とともにプーチン・ロシアはアメリカに挑戦している。これら米―中・露の権力者どもは、新たな核戦力の開発・実戦配備にしのぎを削りながら激突しあっている。そしてこれと輻輳するかたちで、米―中の「貿易戦争」がますます激化している。
 中東においては戦火が燃えひろがり、あまたの人民が今この瞬間も血の海に沈められている。
 国家エゴイズムをむきだしにして権力者どもが争闘をくりひろげ、いたるところで硝煙がたちこめる現代世界の危機。これを突破すべく、全世界人民は団結を固め、反戦の闘いに起つのでなければならない。
 いまこそわれわれは、ここ日本の地において、「平和の激動」(志位)なる幻想にまどろむ日共中央による反戦闘争の放棄を徹底的に弾劾しつつ、「米―中・露の核戦力増強競争反対!」「朝鮮戦争阻止!」「日米核軍事同盟強化反対!」の闘いのうねりをまきおこそうではないか。辺野古埋め立て絶対阻止! 安倍政権による憲法改悪の策動を木っ端微塵に粉砕せよ! 安倍ネオ・ファシスト政権を労働者・人民の力で打ち倒せ!
 国際反戦集会に結集せよ!

(以下、見出し)

米朝協議――両権力者の角逐と瞞着

米―中・露の政治力学の激変

 全世界で孤立を深めるトランプのアメリカ

 「世界の統治体制改革」を呼号する習近平の中国

日本国軍の米属国軍としての強化に突進する安倍政権

「平和」幻想を煽る日共中央を弾劾し反戦闘争の爆発を
Top

  


中教審「教員の働き方改革」を美化する日共小官僚・藤森

新学習指導要領に基づく教育再編反対!

 今、学校現場の教育労働者は、政府・文部科学省による超長時間労働と労働強化の強制によって、精神疾患・病休・休職・過労死・若手教員の自殺など、悲惨な状況に追いこまれている。この長時間労働を打開するためと称して、政府・文科省は中教審に諮問し(二〇一七年六月)、これを受けて中教審「学校における働き方改革特別部会」が「中間まとめ」を提出した(十二月)。このなかで中教審は、「教員の負担軽減」策はあくまでも「新学習指導要領の円滑な実施」のためのものであると位置づけ、教員に所定時間内に・効率的に・学習指導要領の内容に即した教育業務(道徳授業や英語授業の強化)を遂行させるための諸施策をうちだした。これは教育労働者に労働強度の飛躍的な増進を強制するものにほかならない。
 わが革命的・戦闘的教育労働者は、多くの組合員とともにこの学校版「働き方改革」の反労働者性を暴きだし、労働強化と長時間労働を怒りに燃えて打ち砕くべく全国各地で奮闘しているのだ。
 ところが、日本共産党の「文教委員会責任者」を名乗る藤森毅は、『前衛』三月号掲載の「教職員の『働き方改革』――『中間まとめ』の評価と私たちのたたかい」なる論文のなかで、文科省・中教審への賛辞を叫びたてはじめたのだ。曰く――「(『中間まとめ』は)それなりの準備と検討をへた文書であり、国はこれにそって手を打っていくでしょう」とか、「学校現場でも変化をつくりだせる可能性があります」とか、と。しかも彼は、「この課題(教職員の長時間労働を解消すること)は国会の力関係が決め手」なのだから「来年の参議院選挙での日本共産党、市民と野党の共闘の勝利にむすびつけ」よと叫んでいる。票田開拓のために学校版「働き方改革」に校長・教育長ら「保守層」とともにとりくめと号令を発しているのだ。まさに超長時間労働の強制に反対している下部党員や全教組合員の下からの闘いを集票運動に収れん=解消するために必死になっているのが小官僚・藤森なのだ。教育労働者・教組組合員の苦しみ・怒りから浮きあがった姿をさらす日共中央を断じて許すな!

以下、見出し

1 中教審「中間まとめ」の賛美

2 参院選向けの票田開拓に血眼の日共官僚

3 日共式「教師=聖職」論の反労働者性

4 不破=志位指導部に盲従する全教本部を弾劾せよ

Top
 

   


中国企業「ZTE」を破綻寸前に追い込んだトランプ

先端技術開発をめぐる米・中の攻防

 中国の移動通信機器大手の中興通訊(ZTE)と華為技術(ファーウェイ)にたいして四月中旬いらい厳しい制裁を科してきたトランプ政権は、ZTEについては制裁の解除を決定した(六月七日)。中国国家主席・習近平の直じきの要請を受けてである。トランプは制裁解除の理由に習近平への「個人的好意」をあげた。おそらくは北朝鮮核問題をからめてのなんらかの取り引きが両者のあいだでなされたのであろう(註1)。ZTEはアメリカの言う「罪状」を認めて罰金一四億j(約一五七〇億円)を支払い、経営陣の全面刷新という要求を呑むことによって、とりあえず制裁を解除された。だが、アメリカ以外の市場を主要販路にし、かつ自前の基本ソフトを使用しているファーウェイは、アメリカ政府の要求を拒絶しており制裁が科されたままだ。トランプ政権はZTEの制裁解除を決定した直後に、中国製品一一〇二品目に制裁関税を課すことを決定した(六月十五日、発動は七月六日)。米中貿易戦争の火の手は、ハイテク分野を主戦場にして、ますます激しく燃えあがっているのである。

以下見出し

狙い撃ちにされた「5G」技術開発企業
 米軍が中国製スマホの基地内販売を禁止

「コア技術」の自主開発を号令する習近平

Top

    


豪雨災害発生の夜に安倍自民党が大宴会

被災人民見殺しを弾劾せよ!

 七月五日頃から連日にわたって近畿・中国・四国・九州地方を記録的な豪雨が襲い、広島・岡山をはじめとする西日本各地で土砂崩れや河川の氾濫、ダムの決壊による甚大な浸水被害が引き起こされた。この西日本豪雨災害の犠牲者は、わかっているだけでも、死者二一一名、安否不明者二十名におよんでいる(七月十六日現在)。水没した地域では、連日三十度を超える炎天下のもとで、とり残されて助けを求める人びとの救助と、土砂で埋もれた家屋・建物での安否不明者の捜索が懸命に続けられている。
 だが、このときに、被災人民の救援および被災地の復旧を二の次にしているのが安倍政権ではないか。

対策本部も設置せず自治体に責任転嫁

 安倍は、豪雨災害の発生から三日間、八日にいたるまで官邸に「非常災害対策本部」を設置もせず、自身が記者会見すらおこなわなかった。首相・安倍をはじめとする閣僚たちはいったい何をやっていたのか。
 七月五日、気象庁が大雨では異例の緊急会見を十四時に開いて「厳重な警戒」をよびかけ、約一六万人に「避難指示」が出されたこの日の夜に、驚くべき写真がツイッター上に投稿された。安倍が約三十名の自民党議員たちに囲まれて、酒の入ったグラスを手にしながら赤ら顔に緩みきった笑みを浮かべている写真が。他にも、防衛相・小野寺、法相・上川、復興相・吉野といった主要閣僚や、政調会長・岸田、総務会長・竹下といった自民党役員の姿も映っている。
 なんだこれは! 政府の公式の発表では、この日の午後に「関係省庁災害警戒会議を開催」したことになっているが、なんと、その直後に酒宴にうち興じていたのが、首相・安倍をはじめとする閣僚どもなのだ。しかも、この酒宴の様子をツイートしたのは、「防災担当」の肩書きをもつ官房副長官・西村康稔(やすとし)だ。
 彼らの醜態たるや、見聞きするに堪えず、許しがたい。西村のツイートによると、五日夜に催された会合は、毎月一回、赤坂の衆議院議員宿舎で開かれる「党幹部と若手議員のざっくばらんに話す懇親会」、通称「赤坂自民亭」。総務会長・竹下が「亭主」役、法相・上川(岸田派)が「女将」役、元経産相・小渕優子(竹下派)が「若女将」役、その他の議員が「店員」役というバカげた設定のもとに、「和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真をとり放題! 正に自由民主党」などと西村は大はしゃぎ。この男、安倍が初めて「来店」したことがよほど嬉しかったのか、「多くの議員は『(安倍総理が差し入れた)獺祭〔安倍の地元・山口の地酒〕と(岸田が差し入れた)賀茂鶴〔岸田の地元・広島の地酒〕とどっちを飲むんだ??』と聞かれ、一瞬戸惑いながらも、結局両方飲んでました。……笑笑 いいなあ自民党」などと酩酊状態でツイートしまくる始末……。
 この安倍政権の閣僚・自民党議員どもには、「数十年に一度の重大な災害」が迫っているという警戒心も危機感も、ましてや被害を被るやもしれぬ人民を案ずる心などこれっぽっちもないことは明らかではないか!
 当事者意識を完全に欠いた西村の不謹慎極まりないツイートにたいして、当然にも批判の声が殺到。自己保身にかられた西村は、夜なかに「地元秘書から、地元明石淡路の雨は、山を越えた〔!!〕との報告を受け〔てい〕ました」などと弁明につとめ状況を過小評価するツイートを投稿。だが、同じ頃、気象庁は、「数十年に一度の重大な災害」を意味する「大雨特別警報」を、福岡・佐賀・長崎によびかけ、その後断続的に広島・岡山・鳥取・京都・兵庫へと拡大していったのだ。首相官邸中枢で災害対応の責任者の立場にあるこの男は、酒席で浮かれまくっていたおのれの犯罪をうち消すために、気象庁による「特別警報」すら否定する言辞をふりまいたのだ!
 それだけではない。今回の災害でこれほど多くの犠牲者をだしてしまった根拠について問われた西村は、「それぞれの自治体が政府のよびかけに対し、どう反応したか検証していくことが大事だ」などという総括を口にした(七月九日)。恥知らずにも安倍政権は、酒宴に興じて「政府のよびかけ」などそっちのけにしてきたみずからの犯罪については頬被りし、あろうことか一切の責任を被災地の自治体当局に転嫁しているのだ!
 安倍が災害対応をそっちのけにして「赤坂自民亭」に初めて足を運んだのはなぜか? 来る自民党総裁選に向けて、「地方票」に強いといわれる石破に競り勝つために、「国会議員票」の確保に必死となっている安倍。この安倍にとって、竹下派、岸田派に所属する中堅・若手の議員が集う「懇親会」は、彼らとの「親睦」を深める絶好の機会というわけなのだ。
 豪雨による被害から人民を救うために一刻も早い災害対応の判断が問われていた、まさにその瞬間に、安倍の頭を占めていたのは、なんとしても総裁三選を果たしたいという徹頭徹尾自分ファースト≠フ野心、ただこれだけなのだ。だからして、十一日から予定していたヨーロッパ・中東訪問の中止を決めたのも、なんと九日になってから。なんという人非人! 〔法相・上川は三日にオウム真理教の七人の死刑をいっせいに執行する命令に署名した。その死刑執行(六日)の前夜、酒宴に参加し「女将」としてはしゃぎまわっていたのだ。〕
 被災人民をふみつけにしつつ総裁三選をもくろむ安倍に怒りの鉄槌をふりおろせ! 全国の職場・学園・地域から被災人民を支援するために起ちあがるとともに、そのただなかで安倍政権の反人民性を徹底的に暴露し弾劾しよう!

Top
 

  


総裁選に向けた権力抗争に軋む自民党

 いま、日本の労働者・勤労人民は切に問われている。政権危機ののりきりに狂奔する安倍政権の延命策を断ち、この政権を打ち倒せ! もしもこの政権の延命を許してしまうならば、いよいよ憲法大改悪攻撃が本格化され、日米新軍事同盟の飛躍的強化・日本国軍の軍備大増強、社会保障切り捨て・消費税大増税が強行され、労働者・人民はますます<戦争と暗黒支配と貧窮>の底なし地獄に閉じこめられてしまいかねないのである。
 今秋九月二十日予定の自民党総裁選においておのれの三選を果たすべく、安倍とその一味は、森友・加計疑獄を強権をも発動してもみ消し、「外交の安倍」だのアベノミクスの「成果」だのといった虚飾をおしだし、もって政権危機ののりきりを策している。こうした策謀の貫徹など、絶対に許してはならない。
 このかん、四月・五月・六月初と森友・加計疑獄の「証拠」隠蔽を示す文書の暴露が相次ぎ、わが革命的左翼を先頭とした労働者・人民の怒りの爆発によって、安倍政権は存亡の危機に陥ってきた。しかも、自民党の内部から竹下派などによる安倍降ろし≠フ策動が巻き起こされてきた。この事態は、労働者階級・勤労人民の力に押されての敵=支配階級内の対立・矛盾の発生と露出にほかならない。
 このような自民党内対立=権力抗争の労働者・人民にとっての意味をも暴きだしつつ、安倍政権を打倒する階級的力を創造するためにわれわれは奮闘するのでなければならない。

以下見出し

T「反安倍」の蠢動

 「安倍三選阻止」の陣形構築を策す竹下・石破

 「戦い」に逡巡する岸田派

Top
 



  
7・7沖縄 
 「辺野古崎埋め立て阻止!」
 労・学・市民2000が現地集会  
工事用ゲートを座り込みで封鎖
(7月7日)
「辺野古崎沿岸部の埋め立て阻止!」
辺野古の浜に学生の声が響きわたる
(7月7日)
Top