「平和」幻想を煽る日共官僚を弾劾し反戦反安保の奔流を!
二〇一八年六月十二日の米朝首脳会談を区切りとして、アメリカ・トランプ政権と北朝鮮・金正恩政権およびその後ろ盾たる中国・習近平政権とが「朝鮮半島の非核化」をめぐって新たな次元で攻防をくりひろげている。「米韓合同軍事演習の中止」を先制的にうちだすことによって北朝鮮に手を渡す″を打ったトランプは、金正恩にたいして「完全な非核化」に向けての措置の早急な開始をもって返すべきことを迫っている。これにたいして金正恩は、習近平との三度目の会談を急きょもち指南を受けながら、「核廃棄」をできるかぎり先延ばしにすることを画策している。経済制裁の解除のみならず北朝鮮のネポチズム支配体制の存続をアメリカ国家に永続的に保証させる証文≠もぎとるまでは対米交渉の最大の武器である核兵器を温存する戦略≠――トランプ政権の「次」をも見通しながら――練っているのが金正恩なのである。もしも金正恩政権から十一月のアメリカ中間選挙までに集票に利用できる成果(アメリカ本土に届く核ICBMの廃棄の開始など)をひきだせないと判断したならば対北朝鮮の軍事強硬策に転じることを、トランプ政権は構えているのだ。
わが同盟は訴える! 米・朝両権力者による「非核化」交渉の瞞着性を、その裏側で戦争的危機が胚胎していることを、すべての労働者・学生・人民は直覚せよ!
ここ日本においては、安倍政権が、御用マスコミを操って「米韓合同軍事演習の中止は対北・対中の抑止力を弱める」などとキャンペーンさせながら、米軍辺野古新基地建設の強権的強行や日米共同軍事演習の強化、日本国軍の大増強にますます突進している。「将来の在韓米軍の撤退」をも口にしているトランプが、こと日本にたいしては中国主敵の核軍事戦略にのっとって日米新軍事同盟=対中(・対露)攻守同盟を飛躍的に強化するために「日本の役割分担の拡大」要求をごり押ししている。これに唯々諾々と全面的に応えようとしているのが安倍政権なのだ。
わが同盟は訴える! 日本の労働者・学生・人民は、日本列島を対中最前線の核軍事要塞としてうち固めようとしている米・日両帝国主義権力者の策動を打ち砕く闘いに総決起するのでなければならない。日米核安保同盟の強化反対! 今こそ<安保破棄>めざしてたたかおうではないか!
いま・このときに日本共産党の委員長・志位和夫は、米朝首脳会談は「平和のプロセスの始まり」だ、などと脳天気にも絶賛している。なんという平和ボケぶりか! 平和運動の指導部を任ずるこの代々木中央官僚は、「いま大事なことは……開始された平和のプロセスを前に進め、成功させるために、世界中が協力すること」だと叫びたてている。反戦・反安保闘争の大衆的組織化を放棄し、核兵器を向け合って瞞着しあっている権力者どもの「対話」を支持し尻押しする圧力手段に労働者・人民の反戦平和の闘いをねじ曲げようとしているのだ。
すべての労働者・学生・人民は、日共・不破=志位指導部翼下の既成平和運動をのりこえ、全国の職場・学園で起ちあがろうではないか! 新たな朝鮮戦争の勃発を阻止せよ! トランプ政権の対北朝鮮軍事攻撃を許すな! 日本の参戦阻止! 北朝鮮の核武装反対! 日米核軍事同盟の強化反対! 米―中・露の核戦力増強競争反対! 南北朝鮮人民をはじめとする全世界の労働者・人民と連帯し、反戦・反安保闘争の大爆発をかちとれ!
以下、見出し
T 志位が吹聴する「米朝会談の歴史的意義」なるもの
U 「平和のプロセスの開始」という大錯誤
習近平中国への依存の隠蔽と破廉恥な「米国の二側面」論
V 権力者の瞞着外交を尻押しする日共の闘争歪曲を許すな
「拉致問題解決」を叫ぶ安倍政権の尻押し
米・中・露「核大国」の共存=「地球規模の平和」?!
「安保解消の大展望」なるものの欺瞞
「反安保」を放棄した日共系平和運動をのりこえ総決起せよ
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