第2526号(2018年7月9日)の内容

<1面>
働かせ方改悪法案の採決強行弾劾
 6・29
 「労働法制の大改悪を許すな!」
 闘う労学が国会前行動に決起
<2面>
改憲阻止・反安保の雄叫び
 6・17全東海労学統一行動
「アメリカの対北軍事攻撃阻止!」
 鹿大生が市街デモを貫徹 6・21
<3面>
辺野古沿岸部への土砂投入阻止!
 新基地建設を粉砕せよ
 沖縄県委員会
「安倍政権打倒!」金大生が奮闘 6・19
<4面>
軍産学共同の軍事研究の拡大を許すな!
玄海原発4号機
 九電による再稼働弾劾!
<5面>
解説
 米中貿易戦争の焦点――
 「中国製造2025」
◎トランプ政権の親子引き離し
<6面>
水道法の大改悪を許すな!
Topics 日共「職場問題学習・交流講座」のお粗末
<7面>
「史的唯物論入門」を学習して
<8面>
第56回国際反戦集会
 海外アピール
週間日誌は3面に掲載

 「解放」最新号








































  


働かせ方改悪法案の採決強行弾劾

6・29
「労働法制の大改悪を許すな!」
闘う労学が国会前行動に決起

 

「採決強行阻止!」労働法制の大改悪に反対して闘う労・学
(6月29日、参議院議員会館前)

 六月二十九日、反戦青年委員会と全学連は、安倍政権がたくらむ「働き方改革関連法案」の参議院本会議での採決強行を阻止するために、国会前で断固たる抗議行動をくりひろげた。
 安倍政権はこの日、「高度プロフェッショナル制度」と称する<定額働かせ放題・残業代ゼロ>制度の創設を盛りこんだこの極反動法案を、独占資本家階級の要求にこたえて何としても可決・成立させることをたくらんだ。そのために安倍自民党は、前日の参院議事運営委員会で国民民主党を抱きこんで、野党三党提出の参院厚生労働委員長解任決議案を審議しないことを決定し、強引にこの日の参院本会議での採決にもちこんだのだ。
 反戦青年委員会の労働者と全学連の学生たちは、この安倍政権の暴挙への怒りに燃えて参議院議員会館前に敢然と登場し、「働かせ方改悪*@案の参院採決阻止!」の雄叫びを国会に叩きつけた。

「参院本会議採決阻止!」
轟く戦闘的アジテーション

「連合」労働貴族の大裏切りを徹底的に弾劾せよ

 八時間労働制を無きものにするこの悪法の参院採決―可決・成立というこの画歴史的な瞬間において、この日、国会周辺には、「連合」も「全労連」も、その傘下労働組合の旗の一本さえもなく、これを阻止するために国会周辺で果敢に抗議行動を展開したのは、わが全学連・反戦青年委員会のたたかう学生・労働者をおいて他には誰一人として存在しなかった。この冷厳なる事実は、「連合」および「全労連」既成指導部のくびきのもとにある日本労働運動の現時点における腐敗・堕落のどん底を赤裸々にあらわにしたのだといわなければならない。
 「連合」神津指導部はこの日なんらの抗議行動もとりくむことなく、参院での可決・成立後の午後、事務局長・相原の「談話」を発表し、罰則付きの時間外労働の上限規制や中小企業における時間外割増率の猶予措置撤廃、「同一労働同一賃金」の法整備など「連合が求めてきた事項が実現する点は評価できる」と絶賛した。彼らは免罪符のように、「高プロ」が法案から削除されることなく創設されたことは「遺憾」だなどと、怒りのかけらもなくつぶやいたにすぎない。
 この法案が国会審議にかけられていたこのかん、ただの一回たりとも大衆的な反対運動をとりくむことさえもせず、新聞記者に突きあげられてもっぱら自己保身のために街頭での宣伝をアリバイ的にとりくんだにすぎない「連合」指導部。彼らのこの犯罪的対応を絶対に許すな!
 安倍政権は、「裁量労働制の適用範囲の拡大」案の論拠に使った労働時間調査データが、厚生労働省のねつ造によるものであることを暴露され、この案を法案から削除せざるをえない窮地に追いつめられながらも、「連合」労働貴族の公然たる協力・加担に支えられて、働かせ方改悪*@案の参院本会議採決をついに数の力で強行した。この政権の労働法制大改悪という一大攻撃に手を貸す、じつに許しがたい歴史的大裏切りに手を染めたのが「連合」労働貴族なのだ。
 労働貴族どものこの大裏切りは、彼らが「パイを大きくする」という名のもとに、企業の生産性向上のための労使協議を何よりも優先する運動路線の反労働者性を満天下にさらけだしたのだ。賃労働者と資本家との階級的対立を没却し、労使がともに企業と社会の生産性向上に奉仕する、という今日版の階級宥和思想――これこそが、「連合」が今日版産業報国会としての腐敗を極めている最深のイデオロギー的根拠をなし、それは彼らが独占資本家階級によって買収されたその手先であることの紋章にほかならない。
 他方、「本物の働き方改革の実現」と称する日本共産党の代案(「労働基準法等改正大綱」と称するそれ)の政策宣伝と署名活動にいっさいの闘いを解消し、大衆的な闘いのとりくみを放棄してきたのが日本共産党の不破=志位指導部にほかならない。この転向スターリニスト党につき従う「全労連」指導部もまた、働かせ方改悪*@案が安倍政権によって可決・成立させられたまさにこの瞬間に、ただの一人も抗議行動に動員しなかったというこの事実こそは、彼らが議会主義への度しがたいまでの陥没とその修正資本主義的な腐敗をますます深めていることを白日のもとにあらわにしたのだ。
 こうした既成労働運動指導部の腐敗を真っ向から弾劾し、職場深部から組合員を組織し働かせ方改悪*@案反対の闘いを下から創造してきたのは、唯一わが同盟革マル派とともにたたかう革命的・戦闘的労働者たちであった。
 こうした職場深部からの苦闘に呼応するかたちにおいて、全学連・反戦青年委員会の部隊は国会前に登場し、法案採決の阻止を労働者・人民に呼びかけ、終始最先頭でたたかいぬいてきたのだ。
 わが革命的左翼のこの果敢な闘いこそは、既成労働運動指導部が腐敗のどん底に沈みこんでいるただなかにあって、この日本階級闘争のかつてない危機を根底からくつがえし、安倍ネオ・ファシスト政権の極反動攻撃を打ち砕きうる真の力がどこにあるのかを、日本の労働者階級のまえに赤あかとさししめしたのである。

「連合」の脱構築のためにたたかおう!

 この日安倍政権が可決・成立させた働かせ方改悪*@案には、「生産性の向上」を「目的」に明記し「多様な就業形態の普及」をうたう「総合労働施策推進法」が組みこまれている。この法律こそは、「雇用によらない働き方」と称して、雇用保険・健康保険・労災保険・厚生年金・最低賃金制度などのいわゆる労働者保護的な諸制度の適用をいっさい除外する、個人業務請負のような就労形態(米国流「インデペンデント・コントラクター」の日本版)を多くの職種に普遍化することをもくろんで制定された「プログラム法」にほかならない。この法律の制定を見越して、すでに安倍政権は厚労省や経済産業省の研究会や各種審議会において、その具体化の方策の検討を積み重ねている。
 この日の法成立をふまえて安倍政権は、こうした「雇用によらない働き方」の制度化をはじめ、現行の労働諸規制のいっさいを反古化する諸施策を次つぎと具体化してくるにちがいない。日本の労働者階級を十七〜八世紀と同様の無権利・無保護状態に突き落とそうとたくらむ日本独占資本家階級とその政治委員会によるこの画歴史的な一大攻撃を、われわれは反スターリン主義革命的左翼の矜持にかけて断固として打ち砕くために、いまこそ勇躍奮闘するのでなければならない。
 今日版産業報国会としての純化をとげた「連合」を脱構築するイデオロギー的=組織的闘いをいまこそ強化せよ!「資本主義の民主的改良」を夢想しているにすぎない転向スターリニスト党=日共を下から革命的に解体する闘いをいまこそ強化せよ!
 全国の労働者諸君、わが同盟革マル派とともに日本労働運動の戦闘的蘇生をかちとるためにともに奮闘しようではないか!

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辺野古沿岸部への土砂投入阻止!

 新基地建設を粉砕せよ!
  沖縄県委員会

 安倍政権は、八月十七日にも辺野古崎沿岸部に土砂を投入し、本格的な埋め立て工事に着手しようとしている。辺野古沿岸部の埋め立てを絶対に許すな! すべての労働者・人民は、今こそ新基地建設を打ち砕くために総決起し<反安保>の声高く戦闘的にたたかおう!

八月土砂投入阻止! 本格的埋め立て着手を許すな

 六月十二日、沖縄防衛局は、八月十七日から辺野古崎南側の沿岸部に土砂を投入すると沖縄県に通知した。辺野古崎南側のK4、N3、N5護岸で仕切られる部分の六万三四一〇平方bに(図参照)土砂を投入し、埋め立てようというのだ。土砂が投入されると原状回復は物理的に不可能となり、絶滅危惧種二六二種を含む五八〇〇種以上の生物が確認されている生物多様性のホットスポットである辺野古・大浦の美ら海は破壊される。いよいよ安倍政権は、本格的埋め立て工事を開始しようとしている。
 翁長県当局による行政権限を行使しての抵抗を押しつぶすだけでなく、沖縄の労働者・人民の闘いを圧殺することを企んでいる安倍政権は、辺野古崎南側沿岸部への土砂投入に早急に着手しようとしている。「マヨネーズ状」といわれるほどの超軟弱地盤である大浦湾側の埋め立て工事については――大規模な地盤改良のために設計変更が必要となり知事認可が問題となることから――十一月知事選後に先送りし、工事が比較的容易とされている辺野古崎沿岸部の一部を先行して埋め立てようとしているのだ。
 護岸工事を急ぐ政府・防衛局は、ゲート前に座り込みたたかっている労働者・人民を道交法違反や公務執行妨害罪をデッチあげて逮捕するなど強権的に弾圧しつつ、連日三〇〇〜四〇〇台のダンプカーで資材の搬入を強行しているのだ。
 また安倍政権は、辺野古新基地建設に反対する稲嶺市当局にたいしては凍結してきた名護市への再編交付金を、新基地建設を容認する渡具知市長の誕生を契機に、二九億八〇〇〇万円支給すると通知した。さらに辺野古新基地建設で名護市の許可が必要となる、@美謝川の水路切り替え、A土砂運搬のための辺野古ダムへのベルトコンベアー設置などの工事についても、名護市長との協議を再開させようとしている。
 十一月の県知事選挙をひかえて安倍政権は、保守系の知事を誕生させるために、官房長官の菅を頻繁に沖縄に派遣するなど、総力を挙げてテコ入れしているのである。
 まさに、トランプ政権との誓約にもとづいて、辺野古の埋め立てをあくまでも強行しようと総力をあげて攻撃をうちおろしているのが安倍政権なのだ。この安倍政権による辺野古沿岸部への土砂の投入を許すな! 埋め立てを絶対に阻止せよ!

日米核安保同盟の強化反対!

 沖縄においては、米軍による軍事演習が連日連夜強行されている。最新鋭のF22ステルス戦闘機十四機が嘉手納基地に暫定配備され(五月三十日)、弾道ミサイル観測機RC135Sコブラボールも配備され、沖縄全域で戦場さながらの軍事演習が強行されている。
 六月十一日、爆音を轟かせて嘉手納基地を飛び立ち、暫定配備されたF22ステルス戦闘機との間で、空対空訓練をくりかえしていた嘉手納基地所属のF15戦闘機が、この合同演習のさなか、那覇から南八〇`の海上に墜落した。だが、この戦闘機墜落事故への人民の怒りをふみにじり、米軍は、事故からわずか二日後にF15戦闘機の飛行訓練の再開を強行した。しかも米軍は、墜落事故に抗議する決議をあげた嘉手納町議会や県議会による抗議の面談さえ拒否したのだ。
 こうした米軍の蛮行がどうして許されよう。米軍事故とそれをめぐる米軍のでたらめな対応への怒りが労働者・人民のなかに渦巻き、各自治体においても、米軍F15戦闘機の墜落事故に抗議する決議が次々とあげられている。そのさなか、今度は名護市数久田の果樹園にある作業小屋の窓ガラスが割れ、「銃弾」が発見された(六月二十一日)。近くのキャンプ・シュワブ演習場から米軍の流弾が民間地域に飛びこむという事態が生みだされたのだ。
 「米韓合同演習の中止」をうちだしたトランプ政権は、その他方において、あくまでも在日米軍・とりわけ在沖米軍の演習を強化している。まさに沖縄において米軍演習が激烈にくりひろげられ、軍事事故が激発しているのである。
 トランプは、北朝鮮が「体制保証」の措置の第一段階≠ニして要求してきた「米韓演習の中止」を宣言し、その「見返り」にふさわしい行動をとることを金正恩に迫っている。これにたいして金正恩は、習近平の指南を受けて、できるだけ「非核化」措置を先のばししようとしている。「朝鮮半島の非核化」をめぐって米朝権力者は新たな相互瞞着をくりひろげている。このことをも背景として、在日・とりわけ在沖米軍基地を文字どおり対中国・対露の前線基地として位置づけ・その強化に狂奔しているのがトランプ政権なのである。
 この政権は、安倍政権を従えて、日米核軍事同盟の対中国・対露攻守同盟としての強化にますます狂奔している。彼らは、NPR(「核戦力体制の見直し」)にもとづく「使える核兵器」の「北東アジアへの前線配備」をおしすすめ、辺野古新基地建設・核弾薬庫の整備をはじめとして、対中国最前線の核軍事要塞として在日米軍基地を飛躍的に強化することに血道をあげているのだ。その要をなす最新鋭の前線基地として辺野古新基地建設を急いでいるのが米・日の両権力者なのだ。

<反安保>の怒りの炎でシュワブ基地を包囲せよ!

 安倍政権が、辺野古の海に土砂を投入し本格的な埋め立てにのりだそうとしていることにたいして、沖縄の労働者・人民はこれを阻止するために体を張って連日たたかいぬいている。八月十一日には、数万人規模の県民大会が開催されようとしている。キャンプ・シュワブのゲート前では座り込み闘争を強化すべくわがたたかう労働者・学生を先頭として闘いを開始している。
 だがまさにこの時に、「十一月の県知事選挙で、翁長県政を断固守り抜き、発展させることができれば、辺野古新基地をつくることは決してできない」(委員長・志位)と、いっさいの闘いを秋の県知事選挙にむけた選挙カンパニアへ収斂させようとしているのが日共指導部なのだ。しかも日共指導部は、「(翁長知事を支える)オール沖縄の一致点を大事にする」と称して、闘いの方針から「反安保」を意図的に抜きさっているのである。
 県知事の行政権限の行使を尻押しすることにいっさいの闘いを収斂させるなどというのは、凶暴な牙をむきだしにしている安倍ネオ・ファシスト政権にたいする労働者・人民の反戦反安保闘争を断固として組織化することを阻害する犯罪いがいのなにものでもない。翁長県当局による行政権限の行使にたいして、安倍政権は強権の発動をもって基地建設を強行せんとしている。これを打ち砕く労働者・人民の闘いを、<日米核安保粉砕>の旗高く推進し、反戦反安保の闘いを沖縄から全国へと拡げることこそが問われているのではないか。
 われわれは、日共指導部による知事権限行使への尻押し運動をのりこえ、労働者・人民の実力で辺野古への土砂投入を断固阻止し、新基地建設を打ち砕くために総決起したたかおうではないか! 陸上および海上からの土砂の搬入を阻止せよ! キャンプ・シュワブを労働者・人民の<反安保>の怒りの炎で包囲し、基地ゲートを断固として封鎖したたかおう! <全基地撤去・安保破棄>の声高く辺野古新基地建設阻止の闘いを断固たたかおう! すべての労働者・人民は、辺野古新基地建設阻止闘争を爆発させ、安倍政権打倒へと攻めのぼれ!

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軍産学共同の軍事研究の拡大を許すな!

以下、見出し

軍事技術開発に役立つ研究に防衛省が資金供与

AIを搭載した無人兵器開発の推進

大学・企業・研究機関の動員

日本の軍事強国化阻止を鮮明にして闘おう!

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米中貿易戦争の焦点――
「中国製造2025」
〔解説〕

 七月六日を期してアメリカ・トランプ政権は、中国製品八一八品目に二五%の制裁関税を課そうとしている。「中国による知的財産権侵害を許さない」と叫ぶこの政権は、中国国務院が三年前に発表した産業政策「中国製造2025」を産業スパイの根源≠ニ非難し、その撤回を習近平政権に迫ってきた。この要求が拒絶されたことをもってトランプは今回の制裁関税にふみきったのである。すでに四月中旬には次世代高速通信(5G)技術を開発しているIT企業「華為(ファーウェイ)」と「中興通訊(ZTE)」にたいして、アメリカ企業との取引を全面禁止する制裁を科した〔ZTEは罰金一四億ドルを支払って制裁解除〕。
 これにたいして中国・習近平政権は、アメリカ製品五四五品目への同率の追加関税を同日に課すという報復措置にうってでただけではない。トランプ政権が米企業クアルコムの半導体チップ(集積回路)供給を止めたことによってZTEがスマホの生産をストップさせられた。これに驚愕した習近平は、国産チップ製造を「自力更生」で達成せよと科学者・技術者に大号令を発し、チップ製造工場を各地に大急ぎで建設しているのだ。
 トランプ政権は、アメリカの経済的利害を貫徹するために、中西部のトランプ支持層の歓心を買うためにも、EUやカナダ、メキシコ、日本などといったアメリカ同盟諸国にたいしても鉄鋼・アルミニウム製品への二五%の追加関税を課した。だが中国にたいしてはただたんに経済的利害の貫徹を追求しているだけではない。いま習近平政権が国家の総力をかけて「中国製造2025」で謳われている諸施策を実施している。それが次世代通信技術・ロボット・宇宙開発・電気自動車などの最先端技術部門における世界的覇権を中国が握ることを目的にしており、同時にアメリカを凌駕する軍事技術の獲得をも目的としているとトランプ政権は分析している。それゆえにこの政権は、「製造強国化」をめざす習近平政権の施策を挫折に追いこむために、対中貿易戦争にうってでたのである。
 日本の安倍属国$ュ府をのぞいて、EUやカナダ・メキシコなどが中国とともに対米報復措置に着手している。厳しい報復措置に見舞われたトランプ政権はさらなる強硬策にうってでている。これら全体の動向についての分析は別稿に譲る。本稿はトランプ政権が非難する「中国製造2025」とは何かを解説し、今後の分析の一助としたい。

以下、見出し

「製造大国」から「製造強国」へ

「イノベーション」の号令また号令

「産業スパイ」に狂奔する中国企業

軍事的角逐とも結びついた貿易戦争

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第56回国際反戦集会海外アピール

米―中・露の核戦力増強競争反対!

全世界人民は国境を越えて団結し反戦闘争に決起せよ

2018年6月30日 第56回国際反戦集会実行委員会(全学連・反戦青年委員会・革マル派)

 全世界の仲間たち。われわれは、第五十六回国際反戦集会を、広島が原爆の火で焼かれた日の前日にあたる八月五日に、東京はじめ日本の七都市で開催する。集会に熱い連帯表明を寄せられんことを心から訴える。
 われわれは、帝国主義国家アメリカとこれに対抗して「超大国」に成りあがりつつある中国およびロシアとが核戦力の増強競争をいまだかつてなかったような残忍さをもって開始していることに、警鐘を乱打する。許しがたいことに、米・中・露の権力者は、「実際に使える」核兵器を開発すると平然と言いはじめた。彼らは、広島・長崎の悲劇をふたたびもたらすことさえいとわないのだ。
 そればかりではない。「朝鮮半島の非核化」をめぐる米・朝両権力者の攻防は、いつ戦争に転化するやもしれぬ危機をはらんでいる。南シナ海では、米・中両軍が一触即発の軍事的応酬を展開している。中東はいたるところで戦火が燃えひろがっている。
 世界の仲間たち! 硝煙たちこめる二十一世紀世界の危機をラディカルに突破する革命的な反戦闘争を、われわれと共に推進しよう。

トランプ政権による対北軍事攻撃反対! 日本の参戦阻止! 北朝鮮の核武装反対!

 トランプと金正恩とが共に「画期的」だと自画自賛してやまない六月十二日の米朝首脳会談は、「世界平和の転換点」(日本共産党)などでは断じてない。われわれは、両権力者の握手そのものの瞞着性を、また「朝鮮半島の非核化」をめぐって両者が開始した攻防の危機性をこそ暴かなければならない。
 米韓合同軍事演習の「一時停止」を宣言したトランプは、金正恩にたいして、次はお前の番だ≠ニばかりに、「非核化」の具体的行動への着手を迫っている。軍事攻撃の可能性をちらつかせながら。これにたいして、核武装こそがアメリカの攻撃から体制を護る命綱だと考えている金正恩政権は、中国を後ろ盾としつつ、核ミサイルを温存しようとたくらんでいる。米朝両国家のこうした利害の対立は、今後の交渉において先鋭化するだろう。金正恩を組みふせられないことが明らかになれば、そのときは反北朝鮮・反中国のナショナリズムを煽りつつ対北軍事攻撃にうってでると身構えているのがトランプなのだ。
 しかも、北朝鮮の後ろ盾としてたちふるまっている中国とアメリカとの軍事的角逐がいよいよ激化している。日本全土の米軍・日本国軍の基地は、対中国の最前線基地として強化されつつある(沖縄・辺野古に巨大な米海兵隊基地を建設せんとしている日本の安倍政権は、労働者・学生・市民の反対運動を力ずくで弾圧している)。南シナ海では、人工島の軍事基地群に陣取る中国軍の鼻先で米軍が挑発的軍事行動を展開している。
 こうした危機はらむ現実をまったく感覚しえずに「平和体制構築のプロセスが開始された」などと評することは許されない。そもそも、「握手」の裏側で米・朝両権力者は、それぞれの国家利害を貫徹するために相互に核戦力をむけあい威嚇しあっている。この権力者の瞞着を美化することは犯罪にひとしい。こうした「権力政治の論理」を突破し朝鮮戦争勃発の危機を根本的に打破する力は、国際的に団結した労働者・人民の反戦闘争にこそある。
 そればかりではない。たとえ「朝鮮戦争の終結」と「平和体制の構築」が南北朝鮮および米・中の政府によって宣言されたとしても、それは南北分断の固定化しか意味しない。南の人民がアメリカと軍事同盟を結ぶ韓国国家のもとで十大財閥のブルジョアジーに搾取されつづけ、北の人民が金王朝≠フネポティズム的強権支配のもとで生活苦にあえぎつづけることを、それは意味する。そもそも南北の分断は、かつて朝鮮半島を植民地支配した日本軍国主義の第二次大戦での敗北後の、帝国主義とスターリン主義とによる分割支配に歴史的淵源をもつ。朝鮮人民の国家的分断の悲劇は、南と北の労働者・人民が、韓国のブルジョア国家権力と、スターリン主義国家の成れの果てたる北朝鮮国家権力とを共に団結して打ち倒し、みずからの手で統一をかちとることによってしか打破しえないのだ。

米―中露角逐下で高まる戦争勃発の危機を突破せよ

 東アジアにとどまらず全世界的規模において米・中・露の権力者が、軍事的・政治的・経済的のあらゆる面で激しい角逐をくりひろげている。
 中国・ロシアの対米挑戦に危機感をみなぎらせるトランプ政権は、両国を「現状変更勢力」とみなし、その抑えこみを眼目とする世界戦略を策定した。その要が、「世界最強の米軍の再建」を掲げた核戦力の増強だ。核戦力見直しにかんする報告書(NPR)では、「実際に使える核兵器」と称して、巡航ミサイルに搭載するような小型核兵器の開発・配備の方針がうちだされた。トランプは、「通常兵器による攻撃がなされた場合でも、核兵器を使う」と傲然と言い放った。
 これに対抗してロシアのプーチン政権は、小型核兵器や超音速ミサイルをすでに開発・配備していると宣言。中国もAIを搭載した核攻撃用無人機の開発を進めている。
 米・中・露の権力者は、情報通信技術やロボット技術を駆使し、宇宙空間にまでおよんで、新たな核戦力の開発・配備を競いあっている。今や彼らは、核兵器を「実際に使用」して相手国人民を大量殺戮することを平然と宣言しながら、核戦力の増強競争に突進しているのだ。
 「資本のグローバル化」にともなう産業空洞化と莫大な国家財政赤字に足元を揺さぶられているアメリカ帝国主義。この落日のアメリカの「復興」を叫んで登場したトランプ政権は、「経済安全保障は国家安全保障である」(「国家安全保障戦略」)と叫びつつ軍事戦略とリンクした経済戦略を貫徹している。中国への最先端技術の「流出」は「アメリカの安全保障を揺るがす」と叫んで対中国貿易戦争にうってでた。EUや日本にたいしても「不公平だ」と難癖をつけてあくまでもアメリカ国家・独占資本家にとって有利な貿易・投資ルールや関税率をおしつけることに狂奔している。さらには移民・難民にたいする血も涙もない処罰と排除。黒人やヒスパニックなどにたいする差別の扇動。イラン核開発にかんする国際合意からの一方的離脱、等々。アメリカの歴代政権が「世界のリーダー」としての権威をイデオロギー的に粉飾するために掲げてきた「普遍的価値たる自由と民主主義の擁護者としてのアメリカ」という欺瞞的旗印さえかなぐり捨てて、トランプ政権は、「アメリカ・ファースト」の名のもとにアメリカの国家利害をゴリ押ししている。かくして、この政権は労働者・人民の怒りを世界中でかきたてているだけではなく、各国権力者からさえも総スカンをくらっている。
 アメリカの凋落と孤立を絶好のチャンスとして、習近平の中国は、今世紀半ばまでにアメリカを凌ぐ「一流の軍事力」を備えた「社会主義強国」になることを国家戦略にしている。これにのっとり軍事的には、「海洋強国」の旗を掲げ、南シナ海に築いた基地群を拠点に西太平洋の制海権をアメリカから奪取せんとしている。同時に、「一帯一路」構想にもとづく中国主導の巨大経済圏を、まるで中国がアメリカにかわる「自由貿易の旗手」であるかのようにふるまいながら、発展途上諸国だけではなくEU諸国の権力者をもたらしこんで構築しつつある。(インド洋や南太平洋の島嶼国を借金漬けにして次々と属国化≠オてもいる。)
 この中国との結束をテコにして、「大国ロシアの復興」を夢想しているのがロシアのプーチン政権だ。
 世界の既成秩序の解体的再編が進行しつつある。米・中・露の権力者は、「偉大なアメリカ」とか「偉大な中華民族」とか「大国ロシア」とかといったナショナリズムをむき出しにして激突している。アメリカの帝国主義的国家利害を、また中国・ロシアの国家利害を貫徹するためならば、彼ら権力者は核兵器を実際に使うこともいとわない。世界の仲間たち! 米―中・露の核戦力増強競争が核戦争による人類の滅亡を招きかねないことを直覚せよ! 今こそ、闘いにたちあがろう。

イスラエルによるパレスチナ人民虐殺弾劾!

 相対立する宗教・宗派間および民族国家・エスニック集団間の抗争が火を噴く中東において、トランプ政権は、新たな犯罪に手をそめている。アメリカの同盟国たるイスラエル国家を庇護するために(同時に、アメリカ国内のキリスト教福音派からのみずからへの支持を固めるために)、ムスリムの聖地でもあるエルサレムを一方的にイスラエル国家の首都として認定し、アメリカ大使館のエルサレム移転を強行した。これに抗議するパレスチナ人民にシオニスト・ネタニヤフ政権が誰かまうことなく銃弾の雨を浴びせていることをも、トランプは公然と擁護している。シーア派イスラム大国イランが核武装すればイスラエルにとって脅威となるとみなして、イラン核開発にかんする国際合意からも離脱した。さらに、イランの宿敵たるスンナ派のサウジアラビアに武器を大量供与し対イラン戦争をたきつけている。サウジアラビアの王制権力は、隣国イエメンのシーア派系反政府勢力支配地域を米国製戦闘機で無差別爆撃している。トランプは、中東の戦争放火者だ!
 かたやロシアのプーチン政権は、シリアをロシア軍基地を擁する中東唯一の同盟国として護持するために、反アサド政権勢力の掃討作戦を、アサド政権を指南しつつ一体となって進めてきた。反アサド派の拠点都市は、まさに「この世の地獄」のような惨状に叩きこまれている。シリア内戦の死者は五〇万をこえ、国外で難民としての境遇に苦しんでいる人民は数百万にのぼる。この悲惨は、アサド政権とその庇護者たるロシア、米欧諸国またトルコ・イランその他の権力者が、それぞれの国家的エゴイズムを「反テロ」の美名でおし隠し介入してきた犯罪こそが生みだしたものだ。

暗黒の二十一世紀世界――今こそ労働者人民は団結せよ

 われわれが今ここにおいてある現代世界は、戦火燃えあがり、核戦争の危機をはらんでいる。それだけではない。末期資本主義の危機の深まりにあえぐ資本主義各国の政府・支配階級は、被支配階級たる労働者階級にたいして容赦のない犠牲を強いている。労働者階級は低賃金と労働強化を強いられ、みずからの闘いをつうじてかちとってきた八時間労働制や団結権などの諸権利を剥奪する攻撃にさらされてもいる。勤労人民は、マルクスの時代の「古典的貧困」に逆戻りしたかのような悲惨につきおとされている。しかも支配階級の一部は、みずからへの勤労人民の不満をそらすために、反ムスリム・反移民の排外主義をあおりたてている。EU加盟諸国ではネオ・ナチ勢力が台頭しつつある。
 「市場社会主義国」中国のネオ・スターリン主義官僚は、資本主義的搾取と生活苦にあえぐ労働者・農民工・農民の反抗や少数民族の反乱を力でおさえこんでいる。ロシアのプーチン政権もまたFSB(連邦保安局)強権支配体制をいっそう強化している。
 二十一世紀世界は戦争と貧困と強権支配とネオ・ファシズムの暗雲におおわれている。
 だが、資本主義各国の労働者階級は、自国の政府・支配階級にたいする強力な闘いに決起しえていない。労働者階級の指導部が、おしなべてナショナリズムに、また政労使協議路線に転落しているからだ。こうした屈辱的事態は、たたかう労働者・人民の力をもって打破されなければならない。
 日本では、首相・安倍が「交戦権否認」「戦力不保持」を謳う憲法九条の改悪を準備していることに反対して、労組・大衆団体の共同行動が組織されている。だが、独占ブルジョアジーの番頭になりさがっている「連合」中央本部の労働貴族は、「憲法改正の議論は必要」と称して、傘下労組の改憲反対のとりくみを抑圧している。日本共産党中央指導部は、改憲は「日本がアメリカと共に海外で戦争するためのものだから反対」という見解を表明している。この見解は、明らかに、「自衛のための戦争」については肯定するという態度にもとづいている。祖国防衛主義の立場から「改憲は日本の防衛にとってマイナスだ」と弱々しくつぶやいているにすぎないのだ。われわれは、こうした既成指導部による反対運動の抑圧と歪曲をのりこえるためにたたかっている。そして、大衆行動にたちあがった労働者や学生の隊列を強化するために奮闘している。
 われわれは「朝鮮核戦争阻止」の熱烈な呼びかけを全世界の労働者・人民に発してきた。「日米核安保同盟の強化反対」の旗を掲げて、沖縄の米軍新基地建設に反対する労働者・人民の闘いの最先頭に、われわれは立ってきた。国会議事堂を包囲する労働者・学生の反安倍政権デモの先頭にわれわれは立ってきた。全世界の仲間たちよ、われわれと共にたたかおう!
 アメリカ帝国主義国家権力者および中国・ロシアの国家権力者がそれぞれの国家利害を貫徹するために世界中で犯罪行為をはたらいていることを暴露せよ! アメリカに追従する日本の安倍政権をはじめとするすべての国の権力者の犯罪行為を暴露せよ! 労働者・人民の国際的に団結した反戦闘争の組織化と、これを基礎にした政治的・経済的諸闘争の推進を通じて、彼らの犯罪行為を粉砕せよ!
 労働者階級の既成指導部の祖国防衛主義への転落を弾劾せよ! 彼らの多くがナショナリズムに転落した根拠は、自称「社会主義」ソ連邦の崩壊いらい流布されてきた「マルクス主義の破産」というブルジョアジーの神話に膝を屈して、マルクスもレーニンも屑箱に投げ入れてしまったことにある。だが、彼らの腐敗に抗してわれわれは言わなければならない。戦争の暗雲におおわれた二十一世紀世界の危機を突破せんとする者にとって、「労働者は祖国をもたない」「万国の労働者は団結せよ」というマルクスの呼びかけは、また「祖国防衛主義反対」というレーニンの呼びかけは、ますます輝きを増している、と。
 世界の仲間たち! プロレタリア・インターナショナリズムにもとづく反戦闘争の炎を今こそ燃えあがらせよう!

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改憲阻止・反安保の雄叫び
6・17全東海労学統一行動
名古屋中心街を戦闘的デモで席巻
 六月十七日に、東海地方のたたかう労働者・学生は、労学統一行動に決起した。この日、全国各地で決起した仲間たちと固く連帯して「改憲阻止! 朝鮮戦争阻止!」の炎をぶちあげたのだ。
梅雨空を吹き飛ばし進撃する東海の労学
(6月17日、名古屋市)
結集した労働者・学生が意気高くシュプレヒコール
(6月17日、名古屋市)
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6・21鹿児島
「アメリカの対北軍事攻撃阻止!」
 鹿大生が市街デモを貫徹 
 六月二十一日、鹿児島大学のたたかう学生たちは、「止めよう! 憲法改悪と新たな朝鮮戦争を 6・21きしゃばアピールWALK」と銘打ち、キャンパス周辺でのデモに決起した。
憲法改悪阻止を掲げてデモ行進する鹿大生
(6月21日、鹿児島市騎射場電停付近)
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6・19
金沢市街に安倍政権打倒の声
闘う金大生の檄に共感広がる 
 六月十九日、たたかう金沢大生は「安倍退陣を求める緊急集会」(安倍改憲NO! 市民アクション主催)に結集し、労働者・市民とともにたたかいぬいた。
闘う学生が横断幕を掲げて奮闘
(6・19、金沢市・四高記念公園)
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