第2505号(2018年2月12日)の内容

<1面>
トランプ政権の北朝鮮への核先制攻撃を阻止せよ!
 八方塞がりの軍国主義帝国のあがき―― 一般教書演説
<4面>
辺野古新基地の建設を阻止せよ
 沖縄県委員会
<5面>
病院当局による超長時間労働の強要を許すな!
<6面>
2017年度 年末年始繁忙期
 郵政当局が強いた極限的労働強化を弾劾する
Topics 「連合」の股裂き≠フりきり策=「連合フォーラム」の設立
<7面>
「EV時代」到来下の下請け中小企業の再編・淘汰
<2面>
わが同盟の2018春闘スローガン
◎トランプ減税の正体
<8面>
国際短信 ゼネストで闘うアルゼンチン労働者
闇に葬られた朝鮮人虐殺
<3面>
万華鏡2018――情勢の断層を読む
◇困ったときのカモ頼み
◇歴史の偽造
◇「二人っ子」に変えても
◇芝麻・天網・金盾
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号  


































  

トランプ政権の北朝鮮への
核先制攻撃を阻止せよ!


 八方塞がりの軍国主義帝国のあがき―― 一般教書演説

 アメリカ大統領ドナルド・トランプは、一般教書演説(一月三十日)と「核戦力体制見直し(NPR)」(二月二日)において、中国・ロシア、北朝鮮・イランの脅威≠あげつらい「われわれの力を回復する」(一般教書)などと称して、小型核兵器の開発・配備推進を全世界にむけて宣言した。この戦争狂政権は、敵国≠ゥらの通常兵器による攻撃にたいしても核兵器の先制使用を辞さない、という傲岸な姿勢をむきだしにしているのだ。
 北朝鮮の金正恩政権にたいして「残忍な独裁政権」と烙印しつつ、北朝鮮がアメリカ本土に到達する核ICBMを手にするまえに、先制的な攻撃にうってでる構えをうちかためているのが、トランプ政権にほかならない。
 「米国第一」を掲げたトランプのアメリカの国際的な孤立と権威の失墜につけこんで「世界の中華」へとのしあがるという野望に燃える習近平の中国は、「一帯一路」という名の巨大経済圏づくりをテコにして中国主導の国際秩序の形成に狂奔している。そして、「大国ロシアの復活」をもくろむプーチンのロシアもまた、旧ソ連圏に含まれていた東欧地域をはじめとして自国の勢力圏拡大にふみだしている。
 中国・ロシア両権力者が核軍事力の増強をバックにしておしすすめている策動、これによって、トランプのアメリカは、経済・政治のあらゆる部面におけるアメリカの力の衰退をさらけだしている。軍国主義帝国アメリカの八方塞がりの窮地を突破するためにこそトランプ政権は、「世界でのアメリカの強さや存在感を取り戻す」などと叫びつつ「世界最強の米軍を再構築」することに狂奔しているのだ。
 われわれは、トランプのアメリカの「使える小型核兵器」の開発による核戦力の飛躍的増強を絶対に許してはならない。米―中・露の核戦力増強競争に反対する革命的反戦闘争に断固として起ちあがれ!「核戦力見直し」を賛美した日本帝国主義の安倍政権を弾劾せよ!
 朝鮮半島において今、平昌オリンピックの喧騒の裏側で核戦争が勃発する危機が日増しに迫っている。アメリカ軍による北朝鮮にたいする先制攻撃に日本国軍が参戦する日が刻一刻と近づいている。いまこそわれわれは、今日版の祖国防衛主義をむきだしにする日共指導部を弾劾し、朝鮮核戦争を絶対に阻止する闘いに起ちあがらなくてはならない。アメリカの先制攻撃を許すな。日本帝国主義の参戦を阻止せよ。「合同軍事演習」という名の北朝鮮軍事攻撃のための米・日・韓の臨戦態勢を許すな。いまこそ、<日米安保破棄>めざしてたたかおう。北朝鮮の金正恩政権による核・ミサイル開発を弾劾し阻止せよ。
 われわれは、アメリカの労働者・人民に、ともに朝鮮核戦争阻止の革命的反戦闘争に起ちあがることを呼びかけようではないか。

北朝鮮に「核ICBMの放棄」を迫る最後通牒

対中・対露の核戦力増強の宣言――「核戦略体制見直し」

通商政策の大破綻を隠蔽

資本家・富裕層優遇の税制改革と移民排斥の煽りたて

アメリカ労働者はトランプ政権打倒の闘いに起て!

 すべてのアメリカの労働者・人民よ! 中間選挙での敗北―大統領弾劾訴追を回避するために、大統領トランプが白人労働者と移民労働者との対立を煽りたてていることを断じて許してはならない。反移民・反ムスリムのショービニズムを鼓吹することによって、アメリカ労働者階級のなかに相互反目をつくりだし・たがいに憎悪するように仕向け<分断>をはかるトランプの右腕には、ハーケンクロイツ≠ェ刻まれているのだ。
 欧州でも、中・東欧諸国を席巻しているミニ・トランプどもが反難民・反移民の排外主義を煽りたてている。
 今こそ、アメリカの労働者・人民は、そして欧州をはじめとする全世界の労働者は、国籍・人種・宗教の違いを超えて団結を創造せよ! 諸君らは、ひとしく資本の鉄鎖のもとで搾取され虐げられたプロレタリアなのだ。こうした階級的な自覚にもとづいて、プロレタリア階級の階級的団結を、国境を越えた団結を創造するのでなければならない。
 アメリカ最大の労組ナショナルセンターたる労働総同盟産別会議(AFL―CIO)の指導部は、「移民排斥」「白人至上主義」をむきだしにするトランプには「反対」の姿勢をとりつつも、階級協調主義にどっぷりと浸かっている。こうした既成労働運動指導部の腐敗に抗して、トランプによるネオ・ファシズム的な反動諸攻撃を粉砕する闘いに起て! トランプに支援された資本家どもの賃金切り下げの攻撃に反対する闘いを創造せよ!
 朝鮮半島においては今、アメリカ・日本と、これに対抗するかたちで核・ミサイル実験を強行する北朝鮮との朝鮮核戦争が勃発する危機が切迫している。もはや一刻の猶予もない。
 今こそ、朝鮮核戦争阻止の反戦闘争の爆発をかちとるのでなければならない。安倍政権が煽りたてる反北朝鮮(韓国)の民族排外主義を突き破り、今日版祖国防衛主義をむきだしにする日共系の平和運動をのりこえ、反戦・改憲阻止の闘いを断固として推進しようではないか!
 アメリカの労働者階級もまた、トランプ政権による対北朝鮮攻撃を阻止するために、朝鮮核戦争阻止の反戦闘争に決意もかたく起ちあがるのでなければならない。反米国家への核先制攻撃を構えているトランプ政権による核戦力の増強を阻止せよ。アメリカの労働者階級は、北朝鮮にたいする先制攻撃にうってでようとしているトランプ政権を打倒する闘いに決起せよ!

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辺野古新基地の建設阻止!

日米新軍事同盟の強化反対!

 反安保を放棄する日共中央を弾劾し闘おう
                         沖縄県委員会

 年明け早々続発する普天間基地所属の米海兵隊ヘリによる不時着事故。米軍ヘリの墜落・炎上、米軍ヘリからの部品落下――相次ぐ米軍事故にたいして沖縄の労働者人民の怒りが大爆発している。しかし米軍は、これを踏みにじってすぐさま訓練飛行を再開し、いっそう殺人演習を強化しているのだ。安倍政権も、米軍によるこの傍若無人の演習強化を容認しているのだ。そしてアメリカ・トランプ政権につき従い、辺野古埋め立てに向けて護岸工事を加速させているのが安倍政権だ。占領者意識♀ロ出しのトランプ政権・米軍当局とこれに協力・加担する安倍政権を徹底的に弾劾せよ!
 トランプ政権は、平昌オリンピック後にも安倍政権を従えて北朝鮮先制攻撃の火蓋を切ろうと構えている。続発する米軍機事故は、対北朝鮮・対中国の出撃拠点と位置づけた沖縄で臨戦態勢を強化していることによって必然的に引き起こされた事態にほかならない。日米新軍事同盟の反人民性がここに如実にあらわれているのだ。
 安倍政権は、二月四日投開票の名護市長選挙に、国政選挙以上のヒト・カネ・モノをつぎ込み、なりふり構わぬ露骨な利益誘導と札束攻勢=Aそして徹底的な基地問題の争点はずしで辛くも自民党候補が「勝利」したことを地元の合意を得た≠ニ言いくるめつつ、これを利用して新たな攻撃を労働者人民の頭上に振り下ろそうとしている。
 すべての労働者・学生諸君! まさにいまが正念場だ。いまこそわれわれは、「反安保」を放棄し議会主義的・市民主義的腐敗を深める日共中央を弾劾し、辺野古新基地建設阻止・普天間基地撤去・米軍の事故弾劾の闘いを<反戦・反安保>の闘いとして大高揚させるのでなければならない。対北朝鮮の臨戦態勢強化に反対し、沖縄からの米軍出撃を阻止せよ! そのために、わが同盟は、怒れる沖縄の労働者人民の最先頭で奮闘する。いまこそ<全米軍基地撤去・安保破棄>をめざしてともに起ちあがれ!

以下、見出し

続発する米軍事故と沖縄人民の怒りの高まり

辺野古埋め立て・護岸工事に突進する安倍政権

日米新軍事同盟の強化に狂奔する日米両政府

「反安保」ぬきの既成平和運動をのりこえ闘おう

<全米軍基地撤去・安保破棄>めざして前進せよ!

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安倍政権の社会保障費削減反対!

病院当局による超長時間労働の強要を許すな!

日共系労組指導部の法令遵守要求運動をのりこえ闘おう

 私は急性期病院(A病院)で働く看護師だ。
 政府・厚労省の医療政策にも規定され職場はますます多忙となり、看護師たちは超長時間・労働強度の非合理的強化を強いられている。日勤では早朝から夜遅くまで働き、十六時間も働いた夜勤の明けでも昼頃まで居残り、後輩の指導プログラム作成や感染防止や事故防止などの係業務の計画書を準備する。計画書を完了させることができず、二日連続して病院に泊まりこんだ看護師もいた。過労のあまりのメンタル疾患の続出! ところが病院当局は、職場に残っているのは「自己研鑽」のためなのだから超勤申請するな≠ニ陰に陽に圧力をかける。他方で、「申請された超勤はすべて認めています」と涼しい顔をして言う。
 一〇〇年前に戻ったかのような古典的資本主義の時代を彷彿とさせる事態だ! 許せない! 私はこうした現実を何とか打開すべく日々奮闘しているが困難を極めている。
 このような現実を変革していくためにも、何故超長時間かつ労働強度の非合理的強化がなされているのか考えてみたい。

看護労働者の超長時間労働・労働強度の強化は何故うみだされるのか?

 安倍政権は「軍事大国」としての財政的基盤を強固にするために国家財政から社会保障費を徹底的に削減している。
 その一環として政府・厚労省は入院基本料が最も高く設定されている「急性期7対1入院基本料」(以下「7対1」と略す)病床の削減を最大の課題とし、現在三三万床ある「7対1」病床を二〇二五年までに一八万床に削減することを狙って、診療報酬の取得要件を厳密化している。
 また政府・厚労省は、医療費の国庫負担削減を策している。高度な機械や医療品をたっぷり使う「急性期病院」での在院日数をできる限り減らし、各病院が患者を早期に自宅退院させるために、平均在院日数が増えると収益が大幅に減るように診療報酬を設定している。彼らはこれを「川上から川下に早く流していく」と称す。患者は完全に「モノ扱い」なのだ!
 こういうなかで病院当局は、「7対1」を維持し、収益を上げて急性期病院として生き残るために、現場の看護労働者に多大な犠牲を強いる。そのことによって次のような悲惨な現実が生みだされている。

在院日数の短縮化

 病院当局は在院日数を短縮するために必死になっている。A病院も十日前後の平均在院日数だ。患者の入れ代わりが激しく、看護師は勤務のたびに新たな患者に対応しなくてはならない。しかも絶えず重症患者が入院しているのだ。さらに政府・厚労省が二〇一六年診療報酬で「重症度、医療・看護必要度」の高い入院患者が二五%以上でないと「7対1」を維持できないように設定したために、病院当局は重症で処置の多い患者の割合を増やそうと躍起となっている。そのため看護師の労働は過重となる。

「説明と同意」――退院にむけての膨大な業務

 政府・厚労省は平均入院日数が長期化すると診療報酬を減額する一方で、「退院支援」に診療報酬を加算している。それゆえに入院直後から退院を促すための指導を医師も看護師も当局によって強要される。
 現在は高齢・独居患者が多いため退院にはリスクがともなう。この自宅退院への指導こそが、現在のA病院看護師の労働の量をふやし労働の種類・質もことなるものにしているのだ。

悲惨な現実を覆すためにともに頑張ろう!

 安倍政権は来年度の診療報酬と介護報酬のダブル改定に際しても、さらなる社会保障費の削減を狙っている。政府・厚労省によると、国公立を含む病床二十床以上の一般病院の平均収支は二〇一六年度一億五七〇七万円の赤字で、赤字幅も拡大したという。
 このような政府・厚労省の財政的締め上げのもとでA病院当局も収益優先の経営を迫られている。事故防止・収益向上等のために業務量は増える一方。看護師たちの労働は過酷さを増すばかりだ。私も、事故を起こせばクビになり、ナースとしての再就職もむずかしくなってしまう、その必死の思いで働いた二十時間近い夜勤労働の後はまったく死んだようになってしまう。マルクスが『資本論』のなかで、あるいは、エンゲルスが『イギリスにおける労働者階級の状態』のなかで告発したような古典的資本主義の時代に舞い戻ったかのような現実に自分じしんも投げこまれていることを痛感する。私はなんとかしてこのような自分の・すなわち労働者の悲惨な現実を覆すのだ、労働者階級こそがみずからを解放する主体なのだ……と仲間とともに頑張っている。
 病院当局は、看護師に専門職意識を徹底的に植えつけている。過酷な業務に耐え・どんなに忙しくとも「専門職」としての技術の研鑽を怠らないようにしていくために、口をひらけば「スキルアップ」「看護の質の向上」「自己研鑽」とかと叫びたてている。目標管理制度など様ざまな労務管理手法を導入し、数かずの研修、看護研究、専門・認定看護師の資格取得などを強要し、看護師をがんじがらめにしているのだ。このような当局による「洗脳」の結果、多くの看護師が超過勤務になっても、「自分の仕事ですから」「自分は仕事が遅いので」と、不払い残業を止むをえないものとして受け入れているという痛苦な現実が生みだされているのだ。
 日共系労組指導部は、このような職場の実態にたいして、労働基準法や厚労省の「ガイドライン」を盾に「不払い残業」の違法性を訴え、当局にたいしては法令遵守を要求し、組合員には働いたとおりに手当を申請するように促している。しかし彼らは、なぜ看護師が不払い残業をやらざるをえないとまで考えるように追いこまれているのかについて、当局のふりまくイデオロギーや労務管理強化の実体構造などの具体的な分析もなく、当局によってつくり変えられている看護師の意識をひっくりかえしていくためにどうするのかということもなく、ただただ病院当局に、法律を守れとお願いしているにすぎないのだ。
 私は、日共系労組指導部による闘争歪曲に抗して、当局のふりまくイデオロギーの欺瞞性や安倍政権の医療政策の犯罪性などを暴露しながら、組合員と論議を積み重ね、日々奮闘している。この運動のただなかでフラクション活動をくりひろげ、労組の内部に実存する革命的フラクションを強化・拡大し、これを基礎にして労働組合の戦闘的強化をたたかいとろう! また、この力を基礎にして長時間労働・労働強化をはねかえし、安倍政権による社会保障の切りすてに反対する闘いを戦闘的におしすすめよう! 共に頑張ろう!

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二〇一七年度 年末年始繁忙期

郵便・集配労働者に強いられた極限的労働強化を弾劾する

 郵便・集配・ゆうパック労働者は、かつてない人員不足のこの年末年始繁忙期、郵政経営陣がうちおろす人件費削減のための諸施策によって苛酷な労働を強いられた。戦闘的・革命的労働者は、郵政経営陣の極めて悪辣な諸施策からなる業務運行計画の反動性を赤裸々に暴露するとともに、JP労組本部による「必要労働力は確保」と称する労使協議妥結を弾劾し職場深部から長時間労働・極限的労働強化反対の闘いを推進した。われわれたたかう郵政労働者は、この年末年始の当局による極限的な労働強化にたいする怒りを沸騰させ二〇一八春闘を戦闘的にたたかいとろうではないか。
 昨年末は大手宅配企業のヤマト運輸、佐川急便による料金値上げと、郵政経営陣がとった一八年三月までの料金据え置きによって、郵便・集配職場は処理しきれないゆうパックで溢れかえった。地域区分局でゆうパックの区分や輸送にたずさわる郵便内務労働者も、集配局で配達を担当する集配とゆうパックの労働者も、昨年十一月中旬から二ヵ月あまりの長期間にわたり極限的な労働強化を強いられた。
 年賀を取り扱う最繁忙期に突入してからは、経営陣はコスト削減の観点から捻りだしたあくどい諸施策を貫徹し、郵便・集配労働者をこき使った。日本郵政社長・長門は、「少し遅れたが大きな致命的な遅れではない」とうそぶいて、広範なゆうパック配達の遅れを利用者におしつけ、郵政労働者には徹底した労働強化を強いたのだ。

(以下、見出し)

ゆうパック繁忙期における超長時間労働・労働強化

配達休止日の拡大と「変形勤務」強制による徹底したコスト削減

年賀作業期間における極悪な労働諸条件の強制

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