第2480号(2017年8月7日)の内容

<1面>
第55回国際反戦集会に結集せよ
 安倍政権の延命のあがきを労働者人民の実力で断て!
<4面>
JP労組第10回大会報告
 組合員を生産性向上に駆り立てる本部を弾劾せよ
<5面>
「連合」指導部の残業代ゼロ制度%ア入容認を粉砕!
Topics 新国立競技場建設で過労自殺
<2面>
「辺野古・大浦湾の埋立て阻止!」
 シュワブ基地を2000が包囲 7・22
<3面>
辺野古新基地建設を実力で阻止せよ!
 沖縄県委員会
<6面>
「第四次産業革命」は何をもたらすか? 7
 自民党が描く「未来社会経済」の反人民的正体
金沢市の広場使用規制を日共が受け入れ
<8面>
閉会中審査 墓穴掘った安倍
稲田辞任 幕引きを許すな
<7面>
万華鏡2017――情勢の断層を読む
◆「生物化学兵器への対応」
◆自衛隊は「実力組織」?!
◆AIで労務管理
『新世紀』最新号(第290号)紹介
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉

 「解放」最新号




































  


第55回国際反戦集会に結集せよ

安倍政権の延命のあがきを労働者人民の実力で断て!

 すべての労働者・学生諸君! われわれは、八月六日に、東京および全国六ヵ所で第五十五回国際反戦集会を開催する。本集会を前にして、朝鮮半島・東アジアは核戦争の危機をはらむ軍事的緊張がふたたび高まっている。七月二十八日深夜に北朝鮮の金正恩政権が大陸間弾道弾(ICBM)級ミサイルの発射実験をまたしても強行した。この「火星14」の二度めの試射によって「米本土全域が射程圏内にあることが実証された」と金正恩は豪語している。対米核攻撃能力を獲得しつつある金正恩政権にたいして憎悪と危機意識をむき出しにしているアメリカ・トランプ政権は、ただちに米・韓両軍による迎撃ミサイル発射訓練や戦略爆撃機B1と空自F2戦闘機・韓国軍F15戦闘機が朝鮮半島付近を飛行するなどの軍事的威嚇にうってでた。そして、日米首脳電話会談(七月三十一日)においてトランプと安倍は「日米共同でさらなる行動をとる」と確認した。安倍政権は、NSC専制のもとでトランプ政権の対北朝鮮攻撃に参戦する体制の整備に突き進んでいるのだ。
 北朝鮮のICBM発射弾劾! 反人民的な核兵器開発反対! トランプ政権による北朝鮮攻撃・安倍政権の参戦を許すな! 朝鮮核戦争を絶対に阻止せよ! 核ミサイル発射ボタンに手をかけているトランプ政権と金正恩政権、そして安倍政権ら戦争放火者たちを打ち倒せ!
 すべての諸君! わが革命的左翼とそのもとにたたかう労働者・学生はNSC専制の安倍政権が強行する治安維持法の今日版=共謀罪法の制定を打ち砕くべく労働者・学生・人民の先頭でたたかい、森友・加計学園疑獄の本質を的確に暴きだしてきた。このわれわれの闘いこそが、都議選における自民党の歴史的大敗、仙台市長選の惨敗、支持率の二〇%台への急低落として噴出している労働者・人民の安倍政府への不信と怒りの声を全国でまきおこしているのである。
 加計学園問題をめぐる国会閉会中審査(七月二十四、二十五日)をつうじて、みずから加計学園の獣医学部新設に便宜をはかったことを隠すために安倍がウソをついていることは、もはや誰の目にも明らかになった。陸自南スーダンPKO派遣部隊の日報を隠蔽した問題で、安倍の愛弟子∴田がついに防衛相「辞任」に追いこまれた。屋台骨が揺らぐ安倍政権を労働者・学生・人民の実力で打倒しようではないか!
 すべての諸君! 8・6国際反戦集会に総結集せよ!

以下見出し

金正恩政権のICBM発射弾劾!
米日韓の北朝鮮軍事攻撃阻止!

米―中・露の核軍事力増強競争反対! 革命的反戦闘争を推進せよ!

労働者階級の力を結集し反安倍政権の奔流を!

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JP労組第一〇回全国大会報告

 組合員を生産性向上に駆り立てる本部を弾劾せよ

郵政労働運動の戦闘的強化をかちとろう

 六月十四日から十六日にかけて、JP労組第一〇回定期全国大会が、被爆地・広島市の国際会議場で開催された。今大会において本部労働貴族は、地本ダラ幹を従え、あらゆる官僚統制と政治技術を駆使して「新たな運動の創造」を標榜する中期的運動方針を決定させた。われわれは、「郵政事業の成長・発展」のために郵政労働者に生産性向上に励むことを強制する反労働者的な運動方針の採択を、怒りを込めて弾劾する!
 われわれ革命的・戦闘的労働者は、たたかう方針の確立をめざして職場深部から闘いを創造してきた。全国大会議案の反労働者性を暴く郵政労働者委員会名の紙の弾丸≠ぶちこみ、職場深部からイデオロギー的=組織的闘いを展開してきた。大会初日にも、わが同盟情宣隊が「『新たな運動の創造』方針の確立を許すな!」と朱記したビラを配布し、大会を戦闘的に塗りかえるために奮闘した。こうしたわれわれの闘いによって、大会では本部の思惑をこえて良心的役員や組合員の怒りの声が噴出したのである。
 全国の郵政労働者のみなさん! 長門郵政経営陣は、日本郵政株の二次売却の道筋をつけるために、本部を従えながら「事業構造の改革」と称するリストラ・合理化攻撃に血道をあげている。われわれは、本部の裏切りを許さず、決意も新たに<リストラ合理化攻撃粉砕! 参戦と憲法改悪に突き進む安倍政権打倒!>の闘いを職場深部から創造していこうではないか。

以下、見出し

経営陣への全面協力を誓約した委員長・小俣

「賃上げ」「労働条件改善」要求の埋葬

郵政版「働き方改革」の尻押し

「新たな運動創造」方針を決定するための官僚統制と答弁

安倍政権との対決を求める意見が続出

 革命的・戦闘的労働者の奮闘

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「連合」指導部の残業代ゼロ制度%ア入容認を粉砕!
安倍政権による労基法改悪を阻止せよ

 すべての労働者諸君! わが革命的左翼を先頭とするたたかう労働者は、「連合」神津=逢見指導部による、「高度プロフェッショナル制度」(定額働かせ放題=残業代ゼロ$ァ度)の導入を柱とする労働基準法改定(政府案)の容認を断固として粉砕した。
 七月二十七日に札幌市で開催された「連合」臨時中央執行委員会において、組合員たちの怒りの声の噴出に顔面蒼白となり自己保身に駆られた神津=逢見指導部は、「組織内外に混乱を与えた、陳謝する」などと称して、みずからが策した安倍政権・経団連との「政労使合意」=労基法改定の「条件付き」容認を撤回せざるをえなくなったのだ。
 だが神津と逢見は、記者会見で、撤回の理由を「政府と議論してきたが、合意できる内容に至らなかった」からだ、などと言いつくろった。そればかりか、「報道によって『制度を容認した』という誤解が広がった」とほざいて、「容認方針」というのは「誤解だ」と強弁したのだ。みずからの責任を回避し地位にしがみつくための、このような破廉恥な居直りを絶対に許すな!

全国津々浦々から「政労使合意反対」の声が噴出

 神津=逢見執行部は、「年間一〇四日の休日確保の義務づけ」などの若干の「修正」を加えるという「条件」付きで「高度プロフェッショナル制度」の導入を受け入れるという方針を、三役のみで決定した。これこそ、政権崩壊の危機に陥っている安倍政権に救いの手≠さしのべるという意味をもつ。これを主導したのは、事務局長であり、十月の「連合」大会での会長就任を狙っている逢見であった。彼らは、傘下諸労組・地方組織にこの方針を突然下達し(七月八日)、「組織内での議論は必要ない」などとほざきながら、会長・神津と首相・安倍とのトップ会談で法案成立の容認=合意を交わしたのだ(十三日)。
 この大裏切りと執行部の専横≠ノたいして、全国津々浦々から「容認反対」「政労使合意反対」の声が湧き起こったのだ。七月十五〜十六日に開催された日教組大会では、「連合」指導部の法案容認に代議員から批判がでるや、泉執行部は「法案反対の方針は変わらない」との見解を表明した。JCメタルの自動車総連会長・相原も逢見らへの批判≠口にした。全国ユニオン執行部は、「反対運動にたいする裏切り行為」を批判する声明を発表した。
 七月二十一日の「連合」中央執行委員会では、「組合員に説明がつかない」と「連合北海道」の代表が迫った。この五〜六月に、たたかう労働者の奮闘に支えられて、「連合北海道」は道内一七〇市町村を回るキャラバンを組んで「残業代ゼロ法案反対」の運動をつくってきた。この取り組みを踏みにじる「連合」中央にたいする怒りを表明したのだ。「連合島根」も「今回の対応は手続きの面で大きな問題がある」「労働者保護ルールの改悪は認めないという基本的スタンスを堅持すべきだ」という「意見書」を提出した(十九日)。たたかう労働者たちの下からの闘いに支えられて、このように地方や産別の諸組織がこぞって「反対」の態度を表明した。これによって神津=逢見執行部の企みを頓挫させたのだ。

神津=逢見の裏切りを弾劾し安倍政権打倒へ邁進しよう

 すべての労働者諸君! いまや日本全国で労働者・学生・人民は安倍政権の反人民的諸政策の数々に反逆の声をあげている。権力による国民総監視を合法化する共謀罪法案の強行採決。憲法第九条改悪と朝鮮核戦争への参戦の策動。そしてお友達@D先の加計学園・森友学園への便宜供与。そして官僚界・政界をおおう「忖度」政治の横行。
 それだけではない。日本の労働者階級は今、超長時間労働・残業を強要され、過労・過労自殺を強制されているではないか。二〇二〇年東京オリンピック開催の旗を振った安倍こそが、新国立競技場建設で月二〇〇時間以上の残業を強制された二十三歳青年労働者を過労自殺に追いこんだ張本人ではないか。電通の女性労働者の過労自殺にもかかわらず、安倍・逢見は月一〇〇時間もの残業を全労働者に強要するはらづもりなのだ。教育労働者は教育委―校長・副校長らの厳しい労務管理のもとで早朝出勤・深夜帰宅の超長時間労働を強いられている。教員の過労病死が相次いでいるではないか。しかも、金融緩和によって物価上昇を導き大企業の業績を向上させればやがて勤労者の給与も上がる、という「トリクルダウン」論を売り物にしたアベノミクスがまったくの虚構でしかないことが露見している。
 これらはすべて、四年半にわたる安倍政権の安保・外交・経済・労働の諸政策がもたらした悪∴ネ外のなにものでもない。いまや人民の反発・批判の声が一挙に噴出しているのだ(それは、東京都議会選や仙台市長選での自民候補の惨敗としてあらわれている)。まさにこのときに、安倍政権・自民党に助け舟を出しすり寄っているのが、神津=逢見執行部なのだ。このような輩は、労働者階級の敵≠ノほかならない。
 ヨレヨレ安倍政権は、今なお、独占資本家どもの意を体して、「高度プロフェッショナル制度」導入をはじめとする労働基準法改悪を、次期国会で強行することを策している。定額働かせ放題=残業代ゼロ$ァ度の新設を絶対に阻止しよう! 安倍政権に「救いの手」をさしだした「連合」神津=逢見指導部を弾劾し、<反安倍政権・労働諸法制の改悪阻止・共謀罪法撤廃・改憲阻止・朝鮮核戦争阻止>の闘いを創造し、安倍ネオ・ファシスト政権を打倒しよう。この闘いのただなかで同時に、「連合」の脱構築めざして奮闘しよう。

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辺野古新基地建設を労働者人民の実力で阻止せよ!
 今こそヨレヨレ安倍政権を打ち倒せ
  沖縄県委員会

 アメリカ・トランプ政権と安倍政権は、北朝鮮のICBM開発・配備を阻止し、中国の南シナ海「軍事要塞化」をおさえこむために、日米グローバル戦争同盟の構築・強化に突き進んでいる。そのために、沖縄の労働者・人民にたいする凶暴な弾圧をうちおろしつつ、辺野古への米海兵隊新基地建設をおしすすめているのだ。
 この米・日両権力者にたいする怒りに燃えて、沖縄の労働者・人民は新基地建設阻止の実力闘争に連日決起している。七月二十二日には二〇〇〇名以上の労働者・人民が辺野古現地に結集し、労組や学生自治会、市民団体の旗を林立させてキャンプ・シュワブを包囲し、<新基地建設阻止・全基地撤去>の声高く工事車両による資材搬入を完全に阻止した。二十五日には七十艇以上の大カヌー隊が辺野古埋め立て工事現場を海上から包囲し、「新基地建設阻止!」の雄叫びを米軍基地にとどろかせたのだ。
 すべての労働者・学生・人民諸君! いまや共謀罪法制定を強行し森友・加計疑獄を居直る安倍政権にたいする怒りが全国に燃えひろがっている。内閣支持率も下がりつづけ、ついに二〇%台に急落した。
 危機に立つ安倍政権による辺野古新基地建設の強行を許すな! いまこそヨレヨレの安倍政権を打ち倒せ! 8・12沖縄県民大会を<反戦・反安保・反安倍政権>の声とどろかせ、戦闘的にたたかおう!

以下、見出し

辺野古埋め立て・護岸工事の強行を許すな!

対中国・対北朝鮮の最前線拠点としての基地強化

 沖縄人民の抗議を圧殺して軍事訓練を強行

既成指導部の知事尻押し運動をのりこえ、<反戦・反安保>闘争の爆発を!

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今こそ安倍政権を追撃せよ
 

 
閉会中審査

「一月二十日に知った」
 ――墓穴を掘った安倍

 都議選における自民党の「歴史的敗北」と安倍政権の支持率の二〇%台への急低下――わが労働者階級・人民の怒りにうちのめされて、ついに加計学園獣医学部新設問題をめぐる閉会中審査(七月二十四日衆院、二十五日参院)にひきずりだされるにいたった首相・安倍。だが、「低姿勢」や「ていねいな説明」の名のもとになされた安倍の答弁は、ますます労働者・人民の怒りの火に油を注ぐばかりであった。
 国家戦略特区における獣医学部新設決定の過程には「一点の曇りもない」という物語≠フ辻褄をあわせるために安倍は、誰ひとりとして信じるもののない大ウソを言い張らざるをえなくなった。なんと安倍は、加計学園が獣医学部新設の意向をもっていると知ったのは今年の一月二十日になってからだ、と公言した。この見えすいた大ウソでのりきりをはかった安倍は、まさに墓穴を掘ったのである。

荒唐無稽な辻褄合わせ

 民進党議員・大串が「加計理事長が獣医学部新設の特区申請をしているのを知ったのはいつか?」と問うた(閉会中審査一日目の七月二十四日)。これにたいして安倍は、「加計学園の申請が正式に認められた一月二十日の国家戦略特区諮問会議で知るにいたった」と明言≠オた。
 なんと安倍は、加計学園が獣医学部新設に応募したことも、さらには応募の意向をもっていたことも、一月二十日までまったく知らなかった、と言ったのだ。人民を愚弄するにもほどがあるというものだ。いったい誰がこの安倍の「説明」を信じるというのか!!
 加計学園理事長の加計孝太郎は安倍にとっては、四十年来の「腹心の友」ではなかったのか! 昨年七月以降だけでも、安倍みずからが加計と七回にわたって会食・ゴルフをくりかえしているのであり、そのさいに「獣医学部新設」の話がでないわけがないのだ。
 そもそも、加計学園が獣医学部を新設しようとしていることを知ったのはいつかの問いに、安倍はこれまでなんと言ってきたのか。
 「十五年間、特区は申請され続けてきた。あきらめずにやってきたところがあったのは事実。これが加計学園だった」(三月十三日、参院予算委員会)。
 「安倍政権になってから国家戦略特区に申請を今治市とともに出された段階(一五年六月)で承知した」(六月五日、参院決算委)。
 「(小泉政権の)構造改革特区に申請していたことについては私は承知していた」(六月十六日、参院予算委)。
 ちなみに前愛媛県知事の加戸が、「今治市出身の議員が加計学園の事務局長と友達でつながった」「愛媛県は十二年間『加計ありき』でやってきた」と証言している。今治市の特区申請が加計学園の獣医学部新設申請であることは、広く知れわたっていたのだ。
 野党から過去の答弁との矛盾をつかれた安倍は、うろたえたあげくのはてに、「急に質問されて混同した」などと子供だましにもならない理由をつけて過去の答弁を「訂正」し、「一月二十日」こそが「正式」などと強弁をつづけた。
 安倍がそうまでして「一月二十日」にこだわったのは、加計学園が獣医学部の新設を希望していたことを一七年一月二十日の正式決定前に安倍が知っていたことを認めたならば、「職務に関連して贈物や供応接待を受けること」を禁じた「大臣規範」に違反することになり、場合によっては収賄罪で訴追されるおそれがあるからなのだ。
 実際、加計との「ゴルフ」や「会食」は、一三年以降をとりあげれば十六回、加計学園獣医学部の新設問題が急進展した昨年七月以降には七回におよぶ。
 加計とのゴルフ・会食についての野党の追及を受けて、「食事代は私がごちそうすることもあるし、先方がもつ場合もある」と安倍は答えた。誰がみても「関係業者」からの「供応接待」以外のなにものでもない。
 「大臣規範」違反どころか収賄罪にさえ問われかねないことが安倍の念頭によぎったにちがいない。このことに気づいた安倍が窮余の一策としてひねりだしたのが、加計学園の獣医学部新設希望については、知りうる立場にあったとはいえ、実際に知ったのは一月二十日に申請が正式に決定されたときだった≠ニいうストーリーなのである。
 あまりにも荒唐無稽でデタラメなストーリーを語ることによって安倍は、まさに墓穴を掘ったのである。

「記憶がない」「記録がない」を連発し隠蔽に汲々

 文部科学省前事務次官・前川の「告発」をはじめとした数多くの暴露や今治市当局の記録などによって、安倍とそのとりまきの内閣官房・内閣府の官僚どもが、文科省官僚に強圧をかけたり今治市への異例の厚遇をしたりした事実が、次々と暴きだされてきた。国会でこのことを問いただされた「官邸」の官僚どもは、口をそろえて「記憶がない」「記録がない」の二点ばり≠ナ、ただひたすら隠蔽につとめたのだ。
 「総理は自分が言えないから自分が言う」と前川に迫った首相補佐官・和泉は、当時前川と何度も会ったと認めたものの、その発言については「記憶はまったく残っていない。したがって言っていない」と強弁。今治市職員に破格の便宜をはかった元首相秘書官・柳瀬も、「記憶がない」を連発。今治市職員を首相官邸に入れたのが誰であり会ったのが誰なのかを問われた安倍は、官邸の入退出記録を「処分した」「確認できない」という官房副長官・萩生田の見えすいた作り話≠オウム返しにした。
 首相・内閣官房のもとに全行政機関を一元的に統制し、一切の反抗を警察権力の力をも使って圧殺してきた安倍・菅。このネオ・ファシストの強権的専横にたいして、文科省官僚や獣医師会幹部などが反発を公然と噴出させている。和泉や萩生田や安倍のウソにウソを上塗りするような弁明は、追いつめられた安倍政権の断末魔のあがきにほかならない。
 ここまで安倍政権を追いつめたのは、共謀罪法制定阻止闘争を最先頭でたたかいぬいたわが革命的左翼とこれに鼓舞された労働者・人民の怒りの炎だ。ウソにウソを重ねてこの怒りの炎に油をそそいできた安倍は、閉会中審査でついに墓穴を掘ったのだ。
 労働者・人民諸君! 今こそ<貧困と戦争>を強制する安倍政権の階級的本質を見抜き、これを打倒する力は労働者階級・人民の内にあることを自覚して団結せよ。安倍政権追撃の闘いにうって出よ!




    


稲田辞任による日報隠蔽問題の幕引きを許すな

 七月二十八日に防衛相・稲田が辞任した。南スーダンPKO派遣部隊の日報問題をめぐる「特別防衛監察結果」を公表し、陸上幕僚長・岡部と防衛事務次官・黒江の「更迭」を発表、稲田じしんの隠蔽への関与は否定したまま「監督責任をとる」などと称してみずから辞意を表明した。
 稲田をかばいつづけてきた首相・安倍は、一週後の内閣改造の防衛相交代で逃げきるという目論見が頓挫、事実上の稲田更迭に追いこまれたのだ。
 防衛相直轄という身内による「特別防衛監察」、その報告書では稲田の隠蔽関与は曖昧にしたまま、陸自幹部と防衛省事務官僚とが日報の存在を把握しながらデータの廃棄を指示したと指摘されている。稲田は辞任会見で「隠蔽はありませんでした」と言ってのけた。だがひとりではなにも決められない稲田が、安倍に報告せず・安倍の指示を仰がずに日報問題の収拾をはかることなどありえない。安倍が隠したいのは、安倍じしんの関与だ。稲田の辞任で日報隠蔽の幕引きを狙う安倍の腹黒い企みを絶対に許すな。

安倍=稲田が日報隠蔽の張本人だ

 現時点で明るみにだされていることからするならば、「日報問題」は以下のような経緯をたどった。
 陸上自衛隊が「廃棄した」としていた昨年七月の日報(南スーダンで「戦闘が生起」と記されていた)が、十二月に統合幕僚監部で発見されたことになっているが、陸自内でもデータが保管されていたことが今年一月に判明。その事実を公表するかどうか、防衛省最高幹部による緊急会議が二月十五日にもたれた。その場で、稲田、黒江、岡部が陸自のデータの「非公表」=隠蔽の方針を決めた。〔二日前の二月十三日にも報告をうけた稲田が「明日、なんて答えよう」と発言したという「防衛省幹部の手書きメモ」をメディアが報道した(七月二十五日)。「監察結果」では「メモ」の存在に触れず、十三、十五日の会議で「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」と記述、稲田の関与をにおわせるものになっている。〕
 ところが、三月十五日の報道で陸自のデータが保管されていたことが暴露された。稲田は「報告されなかった」と強弁し、「特別防衛監察」を指示した。
 日報問題にかんする閉会中審査で防衛相・稲田に攻撃が集中すれば、政権は火だるまだ。防衛省事務方と陸自それぞれのトップが辞任し、稲田だけが無傷では、政権じたいがもたないと、安倍が稲田の更迭を決断したのだ。

「戦闘」地域へのPKO派兵が狙いだ

 そもそもなぜ安倍政権は日報を隠したのか。昨年七月十一日の日報には、南スーダンの首都ジュバで「戦闘が生起」と記されていた。当時、政府・防衛省は、安全保障関連法=侵略戦争法にもとづいて「駆けつけ警護」と「宿営地共同防衛」の新任務を派遣部隊に付与する準備を進めていた。南スーダンでの死者数百人にのぼる大規模な戦闘や自衛隊の宿営地をはさんでの銃撃戦の実態が明るみにでれば、派遣部隊の撤退に追いこまれる。それを封じるために、日報を人民の目から隠したのだ。
 安倍政権は、日本国家をアメリカとともに世界のどこででもいつでも戦争のやれる国へと雄飛させ、自衛隊を戦う軍隊として育成することに狂奔している。侵略戦争法の制定を強行し、戦闘任務を付与した日本国軍を海外に派遣するという実績を積み重ねながら、憲法第九条の改悪に突進している。けれども、わが革命的・戦闘的労学を先頭とする戦争法制定反対・改憲阻止の闘いの高揚にみまわれたがゆえに、安倍政権は、欺瞞的にも、PKO部隊は「戦闘地域には派遣しない」などとおしだしてきたのだ。それゆえに、南スーダン現地の「戦闘」を伝える日報の存在は不都合そのものだったのである。
 防衛省が二月七日に公開した統幕監部の日報はのり弁≠フように黒塗りされていた。翌八日の国会答弁で稲田は、「憲法九条上の問題となる言葉を使うべきではない」から「戦闘」ではなく「武力衝突」と言う、などと素直に°ュ弁した(規定性の転換≠ェできない保守・反動温室育ち≠フ彼女は、自民党アベフラクションのメンバーとして確認した内容をそのまま防衛相の見解として国会でまくしたてた)。

 制服組の反乱

 「戦闘地域」であることを隠蔽しながら内戦の火が噴く南スーダンに日本国軍を送りこむ首相・安倍と防衛相・稲田にたいして、陸自内の一部幹部および隊員たちは反発を抱いている。戦闘地帯・南スーダンでの命がけ≠フ部隊活動を記録した日報を人民の目から隠蔽し、しかもその責任を陸自におしつけるこのやり口に、陸自内部には不満と不信が鬱積しているのだ。
 「特別防衛監察」の聴取において陸自幹部たちは「大臣の承認」の事実を証言した。にもかかわらず、「監察結果原案」では、稲田を不問に付し、制服組の責任ばかりが強調されていた。この稲田と黒江を続投させるという内閣官房=安倍・菅の方針に陸自幹部は猛反発。陸自の日報データ保管を稲田・黒江に報告していたとの情報を報道機関にリークするという陸自の反乱≠ノうってでた。これをメディアがいっせいに報道した。「監察結果」は事務方の関与を認めるものに修正された。これをうけて安倍は、陸自幹部と事務官僚それぞれのトップ、そしてついに防衛相・稲田の「更迭」にふみきった。制服組は、背広組・防衛相と差し違えることで矛を収めた。安倍もまた、3トップの更迭で、日報問題の幕引きを図るという腹を固めたのだ。
 稲田は最後まで安倍の意向を墨守し、みずからは知らぬ存ぜぬ≠おしとおして、安倍に火の粉がかかるのをおしとどめようとしたわけである。

延命を策す安倍政権にトドメを!

 稲田は安倍政権の反動的性格を一身に体現してきた。「教育勅語の精神をよみがえらせるべき」と国会で公言。「森友学園」の顧問弁護士でありながらそれを否定した虚偽答弁。東京都議選での「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」という応援演説は、「自衛隊の政治利用、私物化」と集中砲火を浴びた。安保・防衛政策をめぐる国会答弁ではしばしば答えに窮し立ち往生。防衛大臣以前的な政治家としての資質、言動・服装すべからく攻撃され、安倍の任命責任が追及されてきた。
 だが安倍は一貫して稲田を擁護。極右反動思想を同じくする愛弟子として寵愛・重用し、野党の度重なる罷免要求を突っぱねてきた。安倍自身が政界にスカウトした稲田を「将来の、女性初の首相候補」ともちあげ、行政改革担当相、党政調会長に起用。「彼女に安保・防衛を学ばせたい」とほざいて防衛相に抜擢。この度を外れたえこひいき$l事に、与党内には嫉妬と不満が充満していた。安倍政権の支持率急降下にみまわれ、安倍一強≠フもとでくすぶっていた各派閥の政治家どもが稲田をヤリ玉にあげつつポスト安倍のうごめきを開始している。
 共謀罪法の制定強行、森友・加計疑獄のもみ消し、数々の反動諸攻撃に狂奔してきた安倍政権は、わが同盟を先頭とする労働者・人民の弾劾のつぶてをうけて断末魔にのたうちまわっている。いまこそ怒濤の怒りを込めてこのネオ・ファシスト政権を打ち倒せ!

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最新号紹介

新世紀 The Communist 第290号
2017年9月

安倍NSC専制体制を打ち倒せ ――革命的指針を満載

「シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史」連載開始!

 七月の東京都議会選挙における自民党の歴史的大惨敗、内閣支持率の急低落、――われわれはまさにいま、安倍政権を断末魔に追いつめている。この決定的局面において、「安倍NSC専制体制を打ち倒せ」と題して本号を贈る。
 巻頭の「反戦・改憲阻止・反安倍政権の闘いを」(無署名)は、共謀罪法案の強行採決、加計疑獄の隠蔽、憲法九条改悪に狂奔し傲り高ぶる安倍政権、これに激しい怒りを叩きつけている労働者・人民にたいして、真の前衛党たるの責任において、力強く呼びかけている。「今こそ、安倍自民党政権のネオ・ファシズム的な階級的本質に目覚め……階級的に団結し、もって安倍政権打倒の巨大な闘いを断固として創造せよ」と。
 共謀罪法案の強行採決を弾劾し、ここに剥きだしになった「NSC専制体制」の本質を暴きだしているのが「共謀罪法撤廃! 安倍政権を打倒せよ」(無署名)である。首相・安倍をトップとする国家安全保障会議(NSC)が国家意志を決定し、「内閣官房・内閣府を頂点にしてすべての省庁・官僚諸機構を従え」専制支配を貫徹している。これこそが日本型ネオ・ファシズム支配体制の今日的姿態なのだ。
 森友疑獄につづく加計疑獄こそ、この支配体制の悪を白日のもとにさらけだした。このことを、「暴露された内閣官房主導の加計疑獄」(更科葵)が的確に暴きだしている。
 わが闘いの革命的指針「共謀罪新設阻止・参戦と改憲への突進を打ち砕け」(無署名)、「今日版治安維持法の制定を許すな」(中里仁平)を闘いのドキュメントとあわせて掲載した。
 われわれは、「野党と市民の共闘」の名のもとに一切の反対運動を議会主義的・市民主義的におしゆがめる日共翼下の反対運動をのりこえるかたちで闘いの前進をきりひらいてきた。その理論的武器こそが、「九条改憲攻撃に対応不能の代々木官僚」(大迫新一)と「祖国防衛主義への転落」(猿田直彦)である。
 「北朝鮮のICBM発射弾劾! 米日韓の軍事攻撃を阻止せよ」(無署名)は、金正恩政権の核・ミサイル開発と北朝鮮への核攻撃の機をうかがうトランプ・安倍の策動に反対せよと訴える。プロレタリア国際主義をつらぬいた反戦闘争の推進を全世界に呼びかけているのが、「第五十五回国際反戦集会 海外へのアピール」(集会実行委員会)だ。
 安倍NSC専制体制を下支えし、「残業代ゼロ」攻撃の受けいれという大裏切りを演じた「連合」執行部。彼らは、今一七春闘において「新たな付加価値の創造を」などと叫び、低賃金のもとでこれまで以上に働くことを労働者に強要した。「生産性向上のための労使協議≠ノ歪められた一七春闘」(神長徹)、「中小零細企業の職場から賃金闘争を」(今泉登)は、労働貴族のこの犯罪性を理論的に抉りだし、労働者のたたかう団結をつくりだしてゆくことを提起している。「第四次産業革命」を謳い文句にしながら、鉄鋼資本家どもは生産過程における悪辣な搾取強化を構想している。「労働者を犠牲に『高度ITの活用』を進める鉄鋼独占資本」(堅井博光)は、この内実をリアルに暴く意欲作である。
 本号より、『解放』紙上で好評連載された「シリーズ わが革命的反戦闘争の歴史」を、わが闘いの武器を鍛えてゆく一助として抄録・連載する。第一回として「六〇年安保闘争」と「米・ソ核実験反対闘争」を収録した。

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7・22沖縄 「辺野古・大浦湾の埋め立て阻止!」
シュワブ基地を二千が包囲
 七月二十二日、「辺野古・大浦湾の埋め立てを止めよう! 人間の鎖大行動」(主催:基地の県内移設に反対する県民会議)が沖縄県名護市の米軍キャンプシュワブ・ゲート前でおこなわれた。琉球大と沖縄国際大のたたかう学生たちは、沖縄全県から怒りもあらたに結集した二〇〇〇人の労働者・市民とともにその最先頭で、<反安保>の旗を高く掲げ闘いの爆発をかちとるために奮闘したのだ。
4つのゲートを封鎖したぞ! キャンプ・シュワブ包囲の最先頭で奮闘する学生たち
(7月22日)
キャンプ・シュワブ第1ゲート前でも<反安保>の旗高く闘う
(7月22日)
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