第2474号(2017年6月26日)の内容

<1面>
NSC専制=安倍政権打倒!
 共謀罪法制定強行を弾劾せよ
 <戦争と暗黒支配>を打ち砕け
<2〜3面>
共謀罪法案参院採決阻止!
怒りの国会包囲
 全学連が徹夜の激闘 6・14〜15
 1万8000大結集 6・10 国会
 日比谷に5200 6・13
 国会前と連帯し集会 6・10 辺野古
<4〜5面>
祖国防衛主義に転落した日共
 第27回党大会路線批判
党勢後退傾向≠嘆く代々木官僚
<6面>
血も涙もないAI・ロボット診療
「過労死ライン」超え容認の労働貴族
Topics 改憲に突進するための「骨太方針」
<7面>
集配労働者に犠牲転嫁 ヤマト運輸
「第四次産業革命」は何をもたらすか? 4
 自動運転宅配「ロボネコヤマト」実験
<8面>
「ロシア・ゲート」暴露
断崖絶壁にたつトランプ

 「解放」最新号

































  


NSC専制=安倍政権打倒!

共謀罪法制定強行を弾劾せよ
<戦争と暗黒支配>を打ち砕け

6・18「憲法9条改悪絶対阻止!」全学連・反戦が
首都中枢を席巻
「参院強行採決阻止!」参院議員会館前で闘う全学連(6・14)

 安倍政権は、参議院法務委員会での審議を一方的にうちきり、六月十五日早朝に参院本会議での「中間報告」なるものをおこなっただけで一挙に共謀罪新設法案の採決を強行した。労働者人民を愚弄しきったこの歴史的暴挙を、わが同盟は満腔の怒りをこめて弾劾する! 衆参両院議席の三分の二を制圧している政府・与党は、議会制民主主義の化粧≠ウえほどこすことなく、なりふり構わず強権を発動したのだ。このネオ・ファシスト政権を絶対に許すな!
 わが同盟と全学連のたたかう学生は、怒りに燃えて十四日朝から国会前闘争に決起した。「共謀罪法制定阻止!」「九条改憲を絶対に許すな!」「朝鮮核戦争阻止!」をかかげ、十五日朝まで夜を徹して怒れる人民の最先頭でたたかいぬいた。
 この政権は共謀罪新設法の制定を踏み台にして、加計学園疑獄を力ずくでもみ消しつつ、いよいよ憲法第九条の改悪に向けて突進している。七月十一日には早々に新法を施行し、もって改憲反対・反戦をかかげる運動や団体への弾圧を一挙に強化しようとしている。
 われわれは、すべての労働者人民に訴える! ただちに共謀罪法撤廃・改憲阻止の闘いに断固として起ちあがれ! いまこそ、<戦争とファシズム>の暗黒を労働者人民に強制する安倍ネオ・ファシスト政権を総力で打ち倒そう!

NSC専制体制の暴挙を許すな!

 政府・与党は、デタラメ極まりない国会答弁をくりかえしたあげくに審議を暴力的にうち切り、数の力≠ナ共謀罪新設法案を一挙に可決=成立させた。この安倍ネオ・ファシスト政権は、その反人民的で凶悪な本性をむきだしにしたのだ。
 いまや首相・安倍と官房長官・菅の率いる国家安全保障会議(日本版NSC)が、内閣官房・内閣府を頂点にしてすべての省庁・官僚諸機構を従え、立法府をも無視し蹂躙(じゅうりん)してファシスト的諸政策を次々に貫徹している。まさに行政府のすさまじき突出! これこそは、今ヒトラー=アベを頭にいただくNSC専制体制というべきものである。「世界の真ん中で輝く日本」などというシンボルで飾りたてたこの体制は、日本型ネオ・ファシズム支配体制の今日的姿態にほかならない。
 安倍ネオ・ファシスト政権は、アメリカとともにいつでも世界のどこででも戦争を遂行する態勢をつくりだすために、NSCでうち固めた国家意志を、内閣官房・内閣府のトップダウンで貫徹する体制をつくりだしている。菅を最高責任者とする内閣人事局(二〇一四年五月発足)は、官僚どもの生殺与奪の権限を一手に握っている。抵抗≠キる者には、「国家公務員法違反」(文科副大臣・義家)や「再就職(天下り)規制違反」の疑いをかけてパージする。党総裁である安倍が小選挙区制のもとで候補者選定の権限を握り、自民党のすべての国会議員を服従させてもいる。司法(裁判所)も行政権力の追認機関と化している。
 それだけではない。加計疑獄をめぐって前文科事務次官・前川が「総理のご意向」や「官邸の最高レベルの指示」と記された文書の存在を証言することを察知するやいなや、安倍=菅は、すでに公安警察を動員して調べあげていた情報を御用マスコミ・『読売』にリークし、前川にたいするネガティブ・キャンペーンを開始させた。
 加計疑獄にたいする人民の怒りの高まりをまえに、問題の文書(内閣府が「総理の意向」を振りかざして加計学園の獣医学部新設承認を文科省に迫ったことを示すもの)を隠し通すことができなくなった安倍は、会期を延長せずに早々に国会を閉じるために、共謀罪新設法案の採決を強行した(六月十五日)。そのうえで文科省が「文書が見つかった」などと白じらしくも発表し、わずか一日の国会「審議」で幕を強引に引いたのだ(六月十六日)。
 この文科省の文書を当初「怪文書」と言い放った官房長官・菅は、こんにちにいたって、「怪文書という言葉が一人歩きしたことは残念だ」などと傲然と居直っている。加計学園以外の学校法人が申請できないように設置条件を修正したのが官房副長官・萩生田(加計学園系列の千葉科学大学名誉客員教授)であること、このことを示す証拠文書を文科省に暴露された内閣府は、文書は文科省からの出向者が作成したもの≠ナ、「陰で隠れて本省にご注進した」ものだと強弁している(地方創生相・山本)。すべてを「文科省の責任」にするだけでなく、「内部告発者」を血祭りにあげて抑えこもうとしているのだ。安倍は強権をふるっての不正行為を「岩盤規制の打破」を大義名分として傲然と居直り、みずからにあらがう「抵抗勢力」は今後も容赦なく粉砕する、と凄んでいるのだ。
 安倍政権は今、日本型ネオ・ファシズム支配体制を支える臣民≠つくるために躍起となっている。森友学園は、安倍式愛国教育のモデル校にほかならない。教育勅語を幼稚園児に暗唱させる塚本幼稚園を想起せよ!
 安倍は、みずからが理念とする愛国教育や日本の国家戦略(「成長戦略」)にのっとった教育を実現するために、内閣官房・内閣府の主導のもとに文科行政における旧来の規制や慣行をぶち壊し、加計学園や森友学園を優遇する策をごり押しした。これが、加計・森友疑獄の本質なのだ。
 アベノミクスの破綻を隠蔽するとともに、むきだしになったみずからのファシスト的強権性にたいする労働者人民の反発を懐柔するために、安倍政権はマスコミを使って「好調な経済成長」なるものを喧伝している。NHKは、共謀罪新設法案が可決されたニュースにひきつづいて、「景気回復の期間が『戦後三番目の長さ』になった」という内閣府の研究会による大本営発表≠まことしやかに垂れ流した。しかし、政府が喧伝する「好景気」なるものは、政府・日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株価を人為的につりあげて生みだした虚構だ。労働者・勤労人民は、低賃金の非正規雇用で働くことを強制され、長時間のサービス残業にあえぎ、死と隣り合わせの疎外労働に歯を食いしばりながら生き・働いているのだ! このような貧困に突き落とされている労働者人民の怒りをも上から抑えこみ、ネオ・ファシズム国家のもとに組織化するために、NSC立案のゲッベルス的デマ宣伝に狂奔しているのが、この今ヒトラー政権なのだ。
 わが同盟は、日本版NSC専制体制のより一層の強化を許さず、<戦争とファシズム>の暗黒を打ち破るために労働者人民の最先頭で断固たたかうことを宣言する!

侵略戦争遂行のための今日版治安維持法

 安倍ネオ・ファシスト政権は、アメリカのトランプ政権による対北朝鮮戦争に参戦し、いつでも・世界のどこででもアメリカとともに侵略戦争を遂行するために、日本人民を総監視する体制をきずき、労働組合であれ市民団体であれ、自国政府の参戦と戦争政策に反対するあらゆる運動と組織を根こそぎ一掃しようと企んでいる。そのためにこそ大急ぎで、共謀罪新設法を制定したのだ。
 警戒せよ! この法律は、たとえ犯罪の実行行為がなくとも、「捜査機関」=警察・検察が「計画」「共謀」がなされたとみなしただけで、その関係者¢S員を一網打尽に逮捕・拘束し処罰しうるとする今日版の治安維持法いがいの何ものでもない。
 かつて日本軍国主義権力は、「八紘一宇」「大東亜共栄圏建設」の名のもとに、日本とアジアの労働者人民を戦争の惨禍にたたきこんだ。日本帝国主義権力の横暴・支配に反対した共産主義者や民主主義者を、科学者や芸術家・宗教家を、治安維持法を適用して大量に検挙し投獄し、拷問のあげくに闇に葬った。法務大臣・金田は、「(治安維持法は)適法に制定され、勾留・拘禁、刑の執行も適法だった」などと言い放った(六月八日)。絶対に許せない!
 安倍政権は戦争狂・トランプのアメリカ政府による対北朝鮮戦争に参戦するために、これに反対する労働者人民を共謀罪新設法を適用して弾圧することを虎視眈々と企てている。NSC主導で共謀罪新設法を制定したネオ・ファシスト安倍政権を絶対に許すな!
 同時に安倍政権は、みずからの任期中になんとしても憲法第九条を改悪しようと狂奔している。五月三日の「憲法記念日」に首相・安倍は、「九条一項、二項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」とぶちあげた。まさにこれは、新たな三項をもって「戦争放棄」(一項)と「戦力不保持、交戦権の否認」(二項)を謳う九条そのものを根本からぶっ壊すものだ。
 自民党改憲本部は、年内にも改憲案をまとめると息巻いている。安倍のブレーン≠ナある日本会議の政策委員・伊藤某は、「九条三項」に「但し前項の規定は確立された国際法に基づく自衛のための実力の保持を否定するものではない」と、自衛隊の存在を明記すればいいと安倍に進言している。この男がいう「国際法」とは、日米安保条約(および関連とりきめ)にほかならない。日米安保条約を絶対的前提にして九条を換骨奪胎し、アメリカ軍とともに戦争をやる軍隊として自衛隊を定義せよというのだ。
 安倍は、「安倍政権のもとでの改憲に反対する」ことを一致点としてなんとか統一≠保ってきた民進党にくさびを打ちこみ、加憲案≠唱える前原や細野をからめとるために、そして「連合」の右派諸労組を抱きこむために、このような改憲案をうちだしたのだ。「二〇二〇年までに新憲法を施行する」と豪語する安倍政権は、地球大的規模で米軍と一体となり日本国軍が戦争にうってでる道を驀進(ばくしん)しているのだ。

トランプに付き従い世界の孤児≠ニ化す安倍

 安倍政権は今や、トランプ政権に唯一つき従う政権となっており、完全に世界の孤児≠ニ化している。国連人権理事会の特別報告者・ケナタッチが安倍政権につきつけた共謀罪についての「懸念」も、「一個人の意見にすぎない」と足蹴にした。
 それだけではない。アメリカのトランプがパリ協定からの離脱を表明(六月一日)したことに、欧州の各国政府権力者はいっせいに反発を露わにしている。ドイツの首相メルケルは言い放った――「他者に頼りきる時代は終わった」と。「アメリカ・ファースト」をかかげるトランプの盟友≠気取っていたフランスのルペンが率いる「国民戦線」は、六月の国民議会選挙で惨敗した。同じく保護主義・EU離脱を標榜し、トランプ政権との「友好」をおしだしてきたイギリスのメイ保守党政権も、前倒し実施した総選挙で大幅に議席を失った。いまや、トランプのアメリカは、欧州諸国の権力者や人民にもそっぽを向かれ、国際的孤立は一挙に深まっている。
 これら欧州諸国政府・諸勢力の動向をみてとり、習近平の中国は、トランプ政権がパリ協定からの離脱を表明するやいなや、「(中国は)協定を断固堅持する」と、温暖化対策にとりくむ姿勢をことさらに強調してみせた。ロシアのプーチンは、アメリカ上院本会議でロシアへの制裁を強化する法案が可決されたことにたいして、「(アメリカ)国内の政治抗争」とうそぶき余裕の構えをみせつけた。米韓軍事同盟の一翼である韓国の文新政権は、前政権がすすめてきたTHAADの増配備を延期する決定を早々にくだした。
 しかも北朝鮮の金正恩政権は、トランプ政権の足下をみて、挑発的にミサイル発射実験をくりかえしている。
 トランプ政権は、アメリカ国内でもプーチン政権との密通・機密漏洩疑惑=「ロシア・ゲート」を暴露・追及され、支配階級内権力抗争に足下を揺さぶられている。そうであるがゆえにこそ、トランプ政権は、ますます「アメリカ・ファースト」を対外的に強硬に貫徹し、起死回生をかけて対北朝鮮侵略戦争にうってでる衝動にかられているのだ。
 このトランプの顔色をうかがいながら日米新軍事同盟の鎖を抱きしめ、日米共同の対北朝鮮侵略戦争に突進しているのが安倍政権なのだ。

日本型ネオ・ファシズム政権を打倒せよ!

 すべての労働者人民に訴える! わが同盟とともに、「改憲阻止・朝鮮核戦争阻止」の闘いに起ちあがれ!
 アメリカ国防長官マティスは、六月十二日の議会公聴会において北朝鮮を「最も差し迫った危険な脅威」と烙印した。「外交交渉が失敗したら、必要な軍事力を行使しなければならない。非常に深刻な戦争になるだろう」と叫びたてた。しかもトランプ政権は「狂犬・マティス」といわれるこの男に、アフガニスタンにアメリカ軍を増派する決定権を与えた。マティスは早くも、アフガニスタンに米軍四〇〇〇人を増派する意志を固めたと明言している。
 トランプ政権は、安保の鎖≠ナ縛りあげた安倍政権を引き連れて、世界中のどこででも戦争を遂行する態勢をうち固めているのだ。
 この歴史的局面において、日本共産党中央はいったい何をしているのか。安倍ネオ・ファシスト政権にたいして、「国会のルールを守っていない」などと嘆くとは! 今こそ安倍政権のネオ・ファシスト政権としての階級的本質を、労働者人民のまえに暴きだすべきではないのか!
 共産党の志位指導部は、共謀罪新設法は「『海外で戦争する国』づくりの道具立て」だという。しかし、現にいま米日両軍が対北朝鮮侵略戦争の態勢をとっていることにたいして、何ひとつ闘いを呼びかけてもいない。彼ら「祖国防衛主義」の輩は対北朝鮮軍事攻撃への日本の参戦を実質的には容認しているではないか。しかも、共謀罪法を「廃止」するための闘いを、「立憲主義まもれ」の「一点」での「野党と市民の共闘」に求めているにすぎない。ただただ次の総選挙での「四野党共闘」の護持と、間近にせまった都議選での共産党の票田開拓にいそしんでいるのだ。安倍政権が国会を蹂躙して行政権力の突出≠むきだしにしている今このときに、ブルジョア議会制民主主義への幻想を労働者人民に煽ることはプロレタリア人民を武装解除する以外のなにものでもない。今こそ、労働者階級の主導のもとに反ファシズムの強固な戦線を構築し、もって安倍政権打倒の闘いを創造するべきときなのである。
 すべての労働者人民は、わが同盟とともに「改憲阻止!」「朝鮮核戦争阻止!」の闘いに決起せよ! 共謀罪新設法撤廃! 今こそ安倍ネオ・ファシスト政権を打ち倒す闘いに総決起しようではないか!

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祖国防衛主義に転落した代々木官僚を弾劾せよ

    日共第27回党大会路線の犯罪性

T 改憲攻撃と朝鮮核戦争の危機への対応不能

U 「専守防衛の自衛隊活用」を基本政策とする企み

 代々木官僚は、大会決議において「野党と市民の共闘に、日米安保条約や自衛隊についての(日共の)独自の立場を持ち込まない」とくりかえし強調している。そのうえで「独自の立場を明らかにする、わが党独自の努力が大切」とかたちばかりはつけ加えている。
 「戦争法廃止の国民連合政府」のもとでは「急迫不正の主権侵害」など「日本有事」の際に「戦争法制定以前の自衛隊法にもとづいて自衛隊を活用」し「安保条約第五条にもとづいて日米共同対処をする」――一五年十月にこのように宣言し、「自衛隊の活用」のみならず日米両軍の共同作戦すらも容認するにいたった不破=志位指導部を徹底的に弾劾するイデオロギー闘争を、わが同盟は強力に展開してきた。わが闘いに感化された多くの日共下部党員による党中央にたいする反逆がみるみる拡がっていったことに動転し、官僚的自己保身に駆られた代々木官僚が、反発する党員たちを丸めこむために、「独自の立場を明らかにする、わが党独自の努力」もするのだと決議に記したのだ。
 こんなものは目くらましでしかない。「国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」と党綱領に記されているところの「自衛隊の段階的解消」と「安保条約廃棄・日米友好条約締結」という日共の「独自の立場」をあらためて確認するかのような装いが、決議ではとられている。だがそのじつは、この基本政策そのものの内容がこっそりと改変されているのだ。ここにこそ不破=志位指導部の狡猾な企みがつらぬかれているのである。
 大会決議における自衛隊問題にかんする記述のなかには、綱領の引用ただ一ヵ所いがいには「解消」の文言は一言もない。「憲法九条という理想に向かって自衛隊の現実を改革していく」と意図的に書き換えているのだ。しかも、「かなりの長期間にわたって、自衛隊と共存する期間が続く」というように、従来は「一定の期間」としていた(「三段階解消」論をうちだした第二十二回党大会)ものから言い換えている。代々木官僚が、実質上は無期限で自衛隊の存続を認めるという意図をこそ込めていることは明らかではないか。
 「自衛隊解消」を完全に彼岸に追いやって、自衛隊を「専守防衛」にふさわしく「改革」し有事の際には「活用」する――これを「憲法を守ることと、国民の命を守ることの、両方を真剣に追求する最も責任ある立場」などと言いくるめるのは、党員をだまくらかすための欺瞞でしかない。不破=志位指導部はもはや「自衛隊解消」をなしくずし的に解消したというべきである。徹底した現実肯定主義にすべり落ち、現存国家の存続のためには国家暴力装置=軍事力の強化が絶対的条件であることを実質的に是認するにいたった代々木官僚を弾劾せよ!
 不破=志位指導部がうちだした「自衛隊改革」論は、安倍が吹聴する自衛隊を合憲化するための加憲§_をうち砕くイデオロギー的拠点をみずから掘り崩すもの以外のなにものでもない。こうした「独自の立場」の破廉恥きわまりない緻密化に彼らがのめりこんでいるのは、次期衆院選にむけて蓮舫民進党と「選挙協力」のみならず「政権問題」での「前向きの合意」をはかるために、基本政策をすりあわせていくことを展望しているからなのだ。
 たとえ蓮舫民進党が戦争法に反対し「安倍政権による九条改憲反対」を唱えているとしても、幹事長・野田が首相時代には「動的防衛協力」の名でアメリカ権力者とともに日米新軍事同盟強化に突進し、日米統合軍≠フ一翼を担う有事即応部隊として自衛隊を強化してきた悪党であることを忘れるな! ところが代々木官僚は、この民進党にすり寄るために、自衛隊を「違憲」とする「共産党独自」の主張をできるかぎり後景に押しやることに血眼になっているだけではない。ハラのうちでは「専守防衛の自衛隊」ならば憲法九条と共存できる≠ニ認めることを基本政策としてうちだすという邪心を抱き、その布石としてこそ「自衛隊改革」論をうちだしたのである。

 〔補〕日共の安保・自衛隊にかんする基本政策をいかに緻密化してゆくかをめぐって、元日共安保外交部長で現「自衛隊を活かす会」事務局長の松竹伸幸は、「自衛隊の三段階解消」論のうち「侵略には自衛隊と日米安保で対処する」という「第一段階の考え方」を「基本政策として位置づける」ならば「民進党と一致」できる、と提言している(『対米従属の謎』平凡社新書)。これにたいして日共御用学者の一橋大名誉教授・渡辺治は、「日米安保条約廃棄と自衛隊解散という自らの立場を堅持すべき」と一応は確認すると同時に、「連合政権づくり」のためには「共産党は、周辺事態法や有事法制の見直し、さらに安保条約の廃棄・再検討、自衛隊の縮小・解散は求めない」ことを民進党と合意すべき、と主張する(『日米安保と戦争法に代わる選択肢』大月書店)。

 自衛戦争翼賛の愛国ナショナリズム

 代々木官僚が「自衛隊改革」の基準としているのは「専守防衛」という「建て前」にほかならない。大会決議に「専守防衛」という語は明記されていないが、志位や小池らは国会質問などで「いわゆる専守防衛を建て前とする自衛隊」を「安保法制によって世界の何処へでも派兵できるようになった自衛隊」との対比で肯定的に描きだしている。しんぶん赤旗日曜版編集部編『元自衛官が本気で反対する理由』(一七年一月刊)では、「個別的自衛権による専守防衛と災害救助を任務としてきた自衛隊」が全面的に肯定され、「憲法と自衛隊員の命を守れ」こそ「共同して取り組むべき焦眉の課題だ」とすら強調されている。いまや代々木官僚は、かつての自民党政府が日本の安保・軍事戦略の理念として掲げてきた「専守防衛」を、実質上は憲法九条に沿った防衛理念≠ニみなして積極的に肯定しているというべきである。
 「日本防衛」の建て前を守り、アメリカが起こす戦争への参戦=海外での武力行使はしない=\―これが志位らが言うところの「専守防衛の志」であり「平和国家としてのあり方」の中身だ。もちろん決議では同時に「外交交渉による紛争の平和的解決」などの「平和外交」の代案がおしだされてはいる。そうだとしても、他国から「急迫不正の侵害」を受けたならば「日本防衛」のために「自衛隊を活用する」とは、有事の際には国家権力が日本国軍を動員して現存日本国家の「自衛」の名による戦争を遂行することを翼賛する宣言以外のなにものでもない。
 まさに朝鮮核戦争の危機が切迫し、米日共同の対北朝鮮臨戦態勢が強化されているまっただなかで、不破=志位指導部は、軍事力による現存ブルジョア国家の防衛を全面的に肯定しているのだ。この転向スターリン主義官僚たるや、第一次世界大戦時に「祖国防衛」の名において自国政府が遂行する帝国主義戦争を熱烈に支持した第二インターナショナルの社会排外主義者どもと同断の、祖国防衛主義・社会愛国主義に転落しているというべきである。これぞ労働者階級にたいする最悪の裏切りといわずして何といおうか!
 「『祖国擁護』というスローガンの真の意義は、『自分の』国のブルジョアジーが他民族を圧迫する『権利』を擁護することであり……プロレタリアの大衆と被搾取者に敵対する……一部の特権的労働者と、『自分の』国のブルジョアジーとの同盟である。このような政策をおこなっている社会主義者は……社会排外主義者である。軍事費協賛、政府参加、国内平和等々の政策は、社会主義への裏切りである」(レーニン一九一五年執筆「ツィンメルワルド左派の決議草案」)。
 われわれは、革命的祖国敗北主義の旗を掲げてたたかいぬいたレーニン率いるボリシェビキ党のプロレタリア国際主義の魂をわがものとして、今日版の社会排外主義者に転落した代々木官僚を徹底的に弾劾するのでなければならない!
 代々木官僚が自衛隊の帝国主義軍隊としての・国家暴力装置としての階級性を没却し、日本国家そのもののブルジョア階級性も不問にして、ブルジョア・ナショナリズムに迎合していることの反動性を暴きだせ。
 「国家は――それが支配階級としてのブルジョア階級のためのものであるにもかかわらず――全社会的に妥当するものたらしめられるのであって、資本制社会において生存するすべての人びとに『国民意識』を注ぎこみ、『公民意識』をつくりだすのである。支配する階級の諸利害を代弁する国家権力者(政治階級)および彼らのイデオローグは、『お国意識』を注ぎこまれた勤労大衆を、精神的にからめとるとともに、剰余価値生産のための物(労働力商品)としてつなぎとめておこうとはかるのである」(黒田寛一『実践と場所』第二巻、一一九〜一二〇頁)。
 日本国家の平和と安全を確保するためには日米安保条約にもとづいて自衛隊=「防衛力」を増強することが不可欠だ≠ニ歴代の自民党政府は「専守防衛」の名において喧伝し、「国防」イデオロギーを勤労人民に注入してきた。このブルジョア・イデオロギーに、平和運動の指導部を自任する者がみずから同一化≠キることほど度しがたい犯罪があろうか! 資本制階級国家の「国益」の幻想性・虚偽性を暴きだし、ブルジョア的「国益」ナショナリズムを注ぎこまれた労働者・勤労人民の精神的疎外を労働者階級としての階級的覚醒をうながしつつうち砕くことなくしては、日本帝国主義権力者の戦争政策と憲法改悪の攻撃を阻止する主体的力を創造することはできないのである。
 <朝鮮核戦争阻止! 戦争放火に突進する自国政府打倒!>の闘いを、そして憲法第九条改悪阻止闘争を燃えあがらせるために、代々木官僚式の愛国ナショナリズムを根底的に超克するのでなければならない。

(以下、見出し)

V 民進党との「政権協力」の自己目的化

 「綱領上の位置づけ」の棚上げ

 「統一戦線政策」の変節

 ブルジョア個人主義の理念化

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「ロシア・ゲート」暴露――断崖絶壁にたつトランプ

(以下、見出し)

プーチンとの密通疑惑の暴露
――FBI前長官コミーの証言

対露政策をめぐるアメリカ支配階級内の抗争

労働者・人民の国際的連帯で戦争狂政権を打倒せよ!

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「共謀罪法案の参院採決阻止!」怒りの国会包囲

闘う労働者・学生が連日決起
 六月十五日の午前七時四十六分、安倍政権・自民党は、参院本会議において共謀罪法案を強行採決し、成立させた。連日にわたって国会を包囲した労働者・人民の反対闘争を傲然とふみにじって、稀代の弾圧立法=今日版治安維持法の制定を強行した安倍政権の暴挙を、わが同盟は満身の怒りを込めて弾劾する!
 政府・与党は、法務委員会委員長(公明党・秋野)に本会議において「中間報告」なるものをおこなわせることをもって、委員会での審議・採決をやることなく直接に本会議での採決を強行するという前代未聞の強硬策にうってでた。安倍政権は、東京都議選を目前にして加計学園への不正便宜供与疑惑を追及されつづけることを恐れて国会会期の延長を回避するとともに、残されたわずか数日の会期内になにがなんでも共謀罪法案の可決・成立をなしとげるために、なりふりかまわず強権をふるったのだ。いまや安倍政権は、対北朝鮮の臨戦態勢をとりつつ国内の治安弾圧体制を早急につくりだすと同時に、憲法九条の明文改定に向けて反対運動を破壊するために、国会での審議というブルジョア民主主義的な粉飾をさえもかなぐりすて、ネオ・ファシズム的本性をむきだしにしたのだ。
 日共の不破=志位指導部は、この安倍政権の反動性を暴き対決することもなく、もっぱら「内心の自由を守れ」と弱々しく叫ぶだけであった。「テロ対策のより有効な代案」を対置する民進党との議会内での共闘に明け暮れるとともに、労働者・人民の反対運動を、こうした議会内での政治的駆け引きを応援する運動へとねじまげる、という犯罪的指導に終始したのだ。
 わが革命的左翼は、この日共中央をはじめとする既成反対運動指導部の腐敗を暴きだし、これをのりこえるかたちで、6・10、13、14〜15の連続闘争をたたかいぬいた。わが同盟はあらゆる闘争現場で「今日版治安維持法の制定阻止!」「戦争と改憲に突進する安倍政権を労働者・人民の総力で打ち倒せ!」という檄を記したビラを断固として配布した。労働戦線深部でたたかう革命的・戦闘的労働者の奮闘によって、労働組合の大結集をかちとった6・10国会包囲行動および6・13集会。この労働戦線における闘いと連帯して、全学連は、共謀罪法制定に突きすすむ安倍政権のネオ・ファシズム的本性を満天下に暴きだしつつ、「ファシズム反対」「憲法改悪阻止」「朝鮮核戦争阻止」の旗高く、6・10集会、そして6・14〜15の徹夜の激闘をたたかいぬいたのだ。
  
全学連が徹夜の激闘 6・14〜15
「参院強行採決阻止!」の雄叫びを嵐のごとくあびせる全学連の学生たち
(6月14日22時、参院議員会館前)
採決強行に燃えあがる怒りのシュプレヒコール
(6月15日本会議採決時、参院議員会館前)
  
一万八〇〇〇名が大結集 6・10 国会
労働者・市民とエールを交わす全学連の闘う仲間たち
(6・10、国会前)
  
わが同盟が安倍政権打倒の檄 6・13 日比谷
会場を埋めつくしプラカードを掲げる労働者・市民
(6・13、日比谷野音)
  
「埋立て阻止! 共謀罪法制定阻止!」
一八〇〇名がゲート前集会 6・10 辺野古
キャンプシュワブ・ゲート前に共謀罪法制定阻止の声
(6・10)
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