第2469号(2017年5月22日)の内容

<1面>
対北朝鮮戦争と憲法九条改悪に突進する安倍政権を打倒せよ!
<4面>
中小零細企業の職場から賃金闘争を!
<5面>
福島原発事故から6年
 被災人民切り捨てを許すな
泊原発3号機再稼働を阻止せよ
<2面>
鹿大生が怒りの拳 4・25
日共の対北朝鮮政策
<3面>
対北朝鮮出撃態勢に突入した在沖縄米軍
◆沖縄人民を悪罵する政府・自民党
<6面>
大阪市当局による地下鉄・バスの民営化を許すな!
Topics 北朝鮮ミサイル基地への攻撃を是認する元日共官僚
<7面>
各地のメーデーで奮闘
 4・29「連合福岡」/5・1「愛労連」/石川メーデー
<8面>
万華鏡2017――情勢の断層を読む
◆稀代の悪法
「自衛隊改革」論の帰結
◆一在日詩人の憂い
◆一旦緩急アレバ
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」最新号


































  


対北朝鮮戦争と憲法九条改悪突進する安倍政権を打倒せよ

金正恩政権のミサイル発射弾劾!
トランプ政権の北朝鮮攻撃阻止!

共謀罪法案の衆院通過を許すな

首相官邸前に「朝鮮核戦争阻止!」の火柱
(5・14労学緊急闘争)――詳報次号
「朝鮮核戦争阻止!」を掲げ2200余の労働者・人民の先頭で闘う学生が奮闘
「5・15沖縄県民大会」――5月14日、名護市・瀬嵩の浜) 詳報次号

 五月十四日早朝、北朝鮮の金正恩政権は、新型中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を強行した。この北朝鮮権力者の反人民的なミサイル発射実験を、われわれは断固として弾劾する。
 いまや金正恩政権がアメリカ本土を射程に収める核ミサイルを手中にする寸前にまで突きすすんでいることが明らかとなった。このことに驚愕したアメリカ・トランプ政権は、いよいよ北朝鮮攻撃に踏みきる衝動に駆られている。東アジアを核戦争の焦土と化すトランプ政権の対北朝鮮軍事攻撃を絶対に許すな。安倍政権の参戦を断固として阻止せよ。米・日・南北朝鮮人民よ! 戦争放火に突進する自国政府を総力をあげて打ち倒せ!
 五月十四日、首都・東京および関西においてわが同盟を先頭とするたたかう労働者・学生は、労学緊急闘争に勇躍決起した。「朝鮮核戦争阻止!」「北朝鮮侵略に突きすすむトランプ政権を倒せ!」「戦争と改憲に突進する安倍政権を打ち倒せ!」「金正恩政権の反人民的ミサイル発射弾劾!」――日共中央をはじめとする一切の既成平和運動指導部の沈黙を突き破り、唯一わがたたかう労学のみが、戦争放火者どもの犯罪を暴露し全世界人民に革命的檄を発したのである。
 おりしも、首相・安倍は、改憲の期限を二〇二〇年に設定し、その本丸≠スる憲法第九条の大改悪にうってでる意志を傲然とぶちあげた(五月三日)。朝鮮半島情勢の緊迫化に乗じて、憲法に「自衛隊」を明文化し、もって「戦力不保持・交戦権否認」を謳った第九条を実質的に葬りさる攻撃に、ついに現実に踏みだしたのだ。日本型ネオ・ファシスト政権の悪辣きわまりない改憲攻撃を断固として打ち砕こう! 共謀罪法の衆院通過を許すな! すべての労働者・学生・人民は、いまこそ改憲阻止決戦に総力で決起せよ!

<軍国日本>再興を企むネオ・ファシスト政権を倒せ

 すべての労働者・学生諸君! いままさに、安倍政権は二〇二〇年を期限として憲法第九条の大改悪に着手しようとしている。これを断じて許してはならない!
 第九条の「1項、2項をそのまま残し自衛隊の記述を書き加える」などと、安倍はほざいている。現行憲法の「平和理念」を残すかのように装いながら、全世界において米軍とともに戦闘行動を担うにふさわしい侵略軍≠ヨと日本国軍を飛躍的に強化することを企んでいるのだ。日本国軍を血を流す軍隊≠ヨと飛躍的に強化する――このためにこそ、憲法に「自衛隊」を明記することに狂奔しているのである。安倍政権の第九条大改悪を断じて許すな!
 「『違憲かも知れないけれど、何かあれば(自衛隊は)命を張ってくれ』というのはあまりにも無責任だ」などと安倍は日共などの野党を揺さぶっている。日本国軍兵士はすすんで国家のために命を投げだせ≠ニ号令するためにこそ第九条に「自衛隊」を明記する、という安倍の本音が、ここに露出しているではないか。北朝鮮との戦争が切迫しているいま、安倍は、アメリカ帝国主義と肩を並べて、いつでも・地球上のどこでも「戦争をやれる国」へと日本国家を雄飛させることに血眼となっているのだ。
 すでに安倍政権は、反憲法的な侵略戦争法にもとづいて日本国軍に「米艦防護」を命じている。北朝鮮攻撃への本格的な参戦に突進しているのだ。こうした策動にうってでるために、この政権は、二〇一五年に日米新ガイドラインをとりむすび侵略戦争法を制定したのだ。安倍自民党は、敵基地攻撃能力は「自衛の範囲で持つべきだ。憲法上も許される」などと叫びたてている。
 安倍は、「自民党憲法改正草案」を棚上げにし、第九条に「自衛隊」を「書き加える」という新たな改憲案を突如としてぶちあげた。みずからの首相在任中になんとしても改憲を成し遂げるために、である。公明・維新両党はもとより、憲法に「自衛隊」を明記することを唱えてきた前原、細野ら民進党内改憲派などを抱きこむことをこそ狙って。まさに、安倍は、国会発議に必要な三分の二議席を大きく上回る巨大な改憲翼賛勢力を議会内で一気に形成するために、民進党を分裂に追いこみ、その一部をも呑みこむことを策しているのだ。
 安倍は、いよいよネオ・ファシストとしての本性をむきだしにしている。国会審議における野党の追及など歯牙にもかけぬ傲慢な言動をみよ!首相としては答弁を差し控える∞自民党総裁としての見解については『読売新聞』を熟読せよ≠ニ居丈高に言い放っているのが安倍ではないか。

共謀罪の新設阻止!

 われわれは、五月十八日にも策されている衆院本会議での共謀罪法案採決を絶対に阻止するのでなくてはならない。警察および検察が、二人以上のあいだで「犯罪の合意」がなされたとみなすだけで罪に問う「共謀罪」を、政府権力者は、労働者・学生・市民の組織的な闘いを封殺するためにこそ新設しようとしている。いままさに米・日の国家権力者どもが北朝鮮にたいして侵略戦争の火を放とうとしている。この戦時下≠ノおいて安倍政権は、わが革命的左翼のみならず、労働組合・学生自治会・市民団体など、「反戦」や「反政府」の旗を掲げるあらゆる団体を「テロリスト取り締まり」の名のもとに圧殺することを企んでいるのだ。今日版の治安維持法というべき共謀罪法の制定を断じて許してはならない。わが同盟は、すべての労働者・人民の最先頭において、この凶暴凶悪な攻撃を打ち砕くためにたたかいぬく。
 すべての労働者・学生諸君! <軍国日本>再興を企む安倍政権の改憲総攻撃を打ち砕け! 日本型ネオ・ファシスト政権を打倒せよ!

朝鮮核戦争を阻止せよ

 われわれは、北朝鮮・金正恩政権が再び三たび反人民的な弾道ミサイル発射実験を強行したことを怒りを込めて弾劾する。
 アメリカ帝国主義の核攻撃への恐怖に駆りたてられている金正恩政権は、あくまでも北朝鮮の「核強国」としての地位を獲得することに血道をあげている。現に新型の弾道ミサイルを、ロフテッド(高角度)軌道によって二〇〇〇`b超の高度にまで打ちあげ日本海に予定通り着弾させてみせた(射程四五〇〇`bに相当するとされる)。ICBM(大陸間弾道弾)開発の能力を獲得しつつあることを、トランプ政権に見せつけたのだ。金正恩は、「米本土と太平洋作戦地帯がわれわれの攻撃圏内にはいっている現実に背を向けてはならない」などと言い放ち、トランプ政権にたいする軍事的威嚇を強化している。
 北朝鮮によるアメリカ本土への核ミサイル攻撃がいよいよ現実性を増してきたことに焦りを募らせているのが、トランプ政権だ。この政権は、北朝鮮にたいして核・ミサイル開発の「凍結」ではなく「完全放棄」を迫っている。この要求を金正恩政権が呑まないならば、カール・ビンソン空母機動部隊、原子力潜水艦ミシガン、さらには戦略爆撃機B1B、B2、B52などを総動員した海と空からの総攻撃をいよいよ開始するという構えを固めているのだ。しかも、韓国人民の反対の声を踏みにじりながら、THAAD(最終段階高高度ミサイル防衛)システムの運用をすでに開始した。いままさにトランプ政権が着手しようとしている北朝鮮攻撃を断じて許すな!
 この政権は、みずからの陣営幹部のプーチン政権との密通やトランプ自身のスキャンダルがKGBに握られているなどのいわゆる「プーチン・ゲート」をめぐって、野党民主党のみならず、共和党の主流派もふくむアメリカ支配階級内の反トランプ派の政治的揺さぶりに見舞われている。これにたいしてトランプは、アメリカ大統領選へのロシア政府の関与疑惑≠ノかんして捜査に着手したFBI長官コミーを突如解任するという前代未聞の強権発動にうってでた。反トランプ派の政治的攻勢をかわし、政権基盤を打ち固めるためにも、トランプは、反北朝鮮の排外主義をヒステリックに鼓吹し軍事攻撃の火ぶたを切る構えをとっているのだ。
 韓国大統領選挙において「朝鮮半島の平和のために東奔西走する」「条件が整えば平壌にも行く」と訴え勝利を収めた文在寅(ムンジェイン)は、就任からわずか五日後の五月十四日に北朝鮮のミサイル発射に直面して、「強く糾弾する」と表明し「南北対話」を当面は先送りせざるをえなくなった。この文在寅政権にたいして、トランプ政権は、米韓軍事同盟の首輪を締め直し釘を刺しつつ、あくまでも対北朝鮮軍事攻撃を身構えているのである。
 このトランプにつきしたがってひときわ好戦的姿勢をむきだしにしているのが、安倍ネオ・ファシスト政権なのだ。すでに安倍は、トランプとのあいだで、対北朝鮮攻撃をいつ・どのようなかたちで開始するかを腹合わせしている(五月一日、電話会談)。国会においても、世界各国政府との協議においても、「対話のための対話はおこなわない」などとあらゆる場面でくりかえし噴きあげ、北朝鮮への敵愾心をむきだしにしながら、対北朝鮮攻撃への参戦に勇みたっている。対北朝鮮侵略戦争の道を驀進する安倍ネオ・ファシスト政権をただちに打ち倒せ!

「祖国防衛主義」に転落する既成指導部を弾劾し闘おう

 もはや一刻の猶予もない。いまこそ、侵略戦争と改憲に突進する安倍政権を打倒する闘いに起ちあがるべきときだ。
 この決定的なときに日共の不破=志位指導部は、まさに朝鮮核戦争の災厄を全世界人民の頭上にもたらそうとしているトランプや安倍、金正恩らの権力者どもにたいして、「対話による政治的解決」をお願いしているありさまだ。これら戦争放火に突進する権力者どもにたいする期待と幻想を煽りたてるなどというのは、労働者・人民を武装解除し闘いを内側から破壊する犯罪ではないか。この日共中央の対応を、われわれは怒りを込めて弾劾する。
 それだけではない。日共中央指導下の「改憲反対」運動は、無力きわまりない姿をさらけだしている。一五年夏の戦争法制定に反対する国会前闘争いらい彼らは、「憲法九条守れ」を正面から掲げることさえもなく、改憲派の保守層でも一致できる≠謔、にもっぱら「立憲主義守れ」なるものをおしだしてきた。反憲法%Iな自衛隊そのものを「専守防衛」の名のもとに事実上賛美したうえで、「自衛隊員を海外の戦場に送らない」ことを一致点にした没階級的な「野党と市民の共闘」なるものをとなえることほど、無力で犯罪的なことはない。
 日本国軍=自衛隊を世界中どこででも米軍とともに戦闘行動に参戦させるためにこそ、安倍は第九条に「自衛隊」を明記するという策にうってでたのだ。こうした安倍の攻撃をまえにして、「九条改悪反対」を鮮明に掲げることを回避し「立憲主義守れ」とか「海外の戦場に自衛隊員を送らない」とかの一点での「共闘」なるものをもっぱら唱えるというのは、労働者・人民をネオ・ファシストの策略のまえに無防備でさらすことをしか意味しない。
 現に、「『違憲かも知れないけれど、何かあれば命を張ってくれ』というのはあまりにも無責任だ」などという安倍の言にたいして、腰砕けになってしまっているのが日共の不破=志位指導部なのだ。
 国会における日共書記局長・小池の「追及」ならぬ無様な哀訴をみよ。「自衛隊が合憲というのは政府の不動の立場でしょう」と。実質上は、明文改憲ではなく解釈改憲で自衛隊を合憲化してほしい≠ネどと安倍自民党に泣きついているのが彼らなのだ。
 安倍に「共産党は一貫して自衛隊は違憲との立場をとり続けている」などと追及されるや、代々木官僚どもは「自衛隊の即時解散は主張していない」「今の政治の焦点は、自衛隊が違憲かどうかではなく専守防衛の志を持った自衛隊員を、海外で殺し殺される戦場に送っていいかどうかだ」とただただ防衛的に対応するだけなのである。
 たとえ、口先では「憲法九条を守れ」をまったく語らないわけではないとしても、彼らは自衛隊=日本国軍を憲法に明記し是認することを迫る安倍の策動に抗するべき主体的拠点を喪失してしまっている。日共の不破=志位指導部は、「自衛隊の段階的解消」という党是を反故にし「専守防衛の自衛隊」の存在を肯定するほどまでに思想的・イデオロギー的に変質している。この日共中央の腐敗を断じて許すな!
 安倍政権が、北朝鮮にたいする民族排外主義的イデオロギーを鼓吹しながら「自衛のための敵基地攻撃」なるものを呼号しているこのときに、「専守防衛」なるものを肯定的に唱えるなどというのは、侵略戦争に免罪符を与える行為であり労働者・人民の闘いにたいする大裏切りではないか。
 かつて、第一次世界大戦の勃発(一九一四年)にさいして、その二年前のバーゼル大会で決定されたプロレタリア・インターナショナリズムに貫かれた反戦決議を踏みにじって、「自国防衛」の名のもとに各国政府の戦争遂行を熱狂的に支持したのが、ドイツ社会民主党を先頭とする第二インターナショナルの諸党であった。この第二インター社民諸党と同様の祖国防衛主義に転落しているのが、こんにちの代々木共産党中央なのだ。
 度しがたい腐敗をさらけだす日共系反対運動を断固としてのりこえ、プロレタリア国際主義を貫徹してたたかったロシアの革命家レーニンの、彼が率いたボルシェビキの闘いを、現在に蘇らせるのでなければならない。迫り来る朝鮮核戦争を阻止するために全力を傾注しよう。戦争狂トランプ政権の北朝鮮への軍事攻撃を許すな。対北朝鮮軍事攻撃への日本の参戦を阻止せよ。日韓人民に核・ミサイルの矛先を向ける金正恩政権を打ち倒せ。
 憲法第九条の大改悪を絶対に阻止しよう。改憲発議・国民投票を絶対に阻止せよ! 共謀罪法案の衆院通過を許すな!
 辺野古新基地建設・埋め立て工事強行を阻止するために、沖縄・全国の労働者・学生・人民の総力でたたかおう!
 いまこそ、全世界人民は、国境を越えて団結し、戦争放火に突進する自国政府を打倒せよ!

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中小零細企業の職場から賃金闘争を!

T 労働貴族による中小企業春闘の歪曲と抑圧

 二〇一七春闘の山場とされた三月十五日の金属大手集中回答以降も、多くの中小企業の労働組合が、大手の超低額妥結をタテに「賃上げゼロ」を回答したり回答そのものを拒否したりしている中小資本家どもにたいして粘り強く賃上げ闘争をたたかっている。だがこの闘争は、それを指導≠オている中小企業諸産別労組の旧同盟系・社民系・日共系などの指導部によって大きく歪められており、たたかう労働者たちはそのような闘争歪曲を内側からのりこえるために苦闘している。
 中小企業労組を多く組織しているJAM(「ものづくり産業労働組合」)のダラ幹は、今一七春闘を「賃上げ原資を生み出す春闘」と位置づけ、「労使が一体となって企業収益の改善にとりくむ」ことを提言している。
 完成車メーカーだけでなく下請けの膨大な系列企業の諸労組をもそのうちに組織している自動車総連の労働貴族どもは、今春闘において、「格差是正」の格好をつけるために、関連する下請け企業での賃上げ額が、メーカー諸独占企業のそれを多少なりとも上回るか、ないしは同水準になるように腐心してきた。彼らは、傘下の中小企業の諸労組にたいして、下請け中小企業でも新たな付加価値をみずから生みだすこと、そのためにどのような「働き方」をすべきかを労使で真剣に考えることを春闘の課題とせよ、と号令してきたのだ。
 このような労働貴族の指導≠フもとで、金属大手労使の「一〇〇〇円」前後という妥結額は、現にたたかっている中小企業諸労組にとって大きな壁≠ニなってたちはだかっている。この回答=妥結をみた中小企業の経営者たちは、揃って「ウチは大手以上は出せない」とほざいているのだ。
 こんにち自動車総連指導部は、トヨタや他の自動車独占体の下請け中小企業の労組において、メーカー労組よりわずかに高い「賃金改善」がかちえたとして、「産業内・グループ内の格差が是正された」などと宣伝している。だがそれは、メーカー労組があらかじめ月例賃金については意識的に要求を低くおさえておいて、一次下請けの中堅諸企業などの労組にそれをちょっぴり超えた額を要求させるなど、はじめから仕組まれ演出されたそれでしかない(本紙第二四六六号、七面参照)。
 このようにグループぐるみ労使一体での「中小と大手との格差是正」なるものの演出は、中小企業であっても、労働者たちが「新たな付加価値創出」や「労働生産性向上」をつうじて企業収益確保に励むことが最も大事なのだと、社会的にキャンペーンする絶好の機会として、資本家どもによって活用されているのだ。
 彼ら労働貴族は、つまるところ賃上げを、その「原資」とみなした「付加価値」を増大させることにすりかえ、そのために労働者が「効率の良い働き方」をする方策を協議する場が春闘だ、と考えている。もしも「賃上げ」がなされるなら、それは、さらなる「生産性向上」による「企業収益確保」をなしとげていくための労働者の「モチベーション(励み)アップにつながる」と、彼ら労働貴族は独占資本家と同様に位置づけているのである。
 しかしこのことによって、多くの中小企業労働者が、企業経営者から「賃上げはできないが、(賃金原資にも配分されることになる)付加価値創造のための効率ある働き方をしろ」ということだけを強要され、それに従わざるをえない状況に追いつめられているのだ。
 中小零細企業でたたかうわが仲間たちは、このような腐敗した既成労組指導部の支配下での中小労働運動の危機を突破するために、それぞれの職場で創意的にたたかっている。わが仲間たちは、このかん職場に密着したさまざまな課題をめぐって労働者たちを組織化するためのイデオロギー闘争と諸活動を柔軟にくりひろげ、たたかう意志をもった労働者たちとともに労働組合を結成し強化して果敢にたたかいぬいてきた。この闘いの意義は一言では語りつくせない。今日においても職場に労働組合をつくりだすことは、ますます喫緊の課題となっているのだ。

(以下、見出し)

U 職場で苦闘する戦闘的労働者たち

V 「付加価値を生み出す春闘」への歪曲を許すな!

 大幅・一律賃上げをかちとろう

 首切り・労働強化を許すな

 労働者の団結を強化せよ!

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トランプへの幻想を煽る日共の対北朝鮮政策

 日本共産党の不破=志位指導部は、アメリカ大統領トランプが「適切な条件下であれば金正恩と会う」と語った(五月一日)ことをもって、北朝鮮の核・ミサイル開発問題の「対話による解決の機運が広がっている」などとほざいている(五月十四日の志位談話など)。まさにいまトランプ政権が北朝鮮を空母機動部隊・戦略原潜・戦略爆撃機・特殊部隊などで重包囲し朝鮮核戦争の火を放とうとしているときに、こともあろうにトランプその人が理性≠発揮しているかのような幻想を煽りたてるとは! 労働者人民の目から切迫する朝鮮核戦争の危機をおし隠す代々木官僚を弾劾せよ。

米朝直接対話≠フ懇願

 これほどまでに代々木官僚がトランプを美化してはばからないのは、対北朝鮮政策での「新しい問題提起」――委員長・志位が二月十九日の「NHK日曜討論」で提唱したそれ――を投射してトランプの言動を眺め、己れに都合よく解釈しているからだ。
 志位の「問題提起」とは――
 「いかにして北朝鮮の核・ミサイル開発を止めるか。この点で、私は、安倍首相が日米首脳会談をうけての国会答弁で、『トランプ政権に代わり、オバマ政権時代の戦略的忍耐から、政策の変更について今議論している最中だ』(二月十四日)とのべたことに注目しています。」「私たちは、米国が、北朝鮮に対して、経済制裁の厳格な実施・強化をはかりながら、従来の『戦略的忍耐』の方針を転換して、北朝鮮との外交交渉のなかで非核化を迫るという方針をとるべきだと考えています。」「こういう方向に向かうように、日本政府は(アメリカ政府に)働きかけるべきだと思います。」
 「新しい問題提起」といっても「経済制裁の厳格な実施・強化と一体に、外交交渉のなかで非核化を迫る」という内容では、従来の日共の代案と変わるところはない(たとえば一六年九月の六中総・志位報告)。違うところは、北朝鮮に非核化を迫る主体が、従来の「六ヵ国協議という対話のテーブル」というものを後景におしやって、もっぱらアメリカ(トランプ政権)とされているところにある。政策転換したトランプ政権が、北朝鮮の金正恩政権に外交交渉のなかで、核・ミサイル開発の手を縛り、放棄に向かわせる=\―いわば米朝直接対話=i!)――、これが「新しい問題提起」だ、というのである。

「対話の流れ」という錯視

 志位は、二月の時点で、国防長官マティスが「われわれはいかなる選択肢も除外すべきではない」と述べた(一月十二日の上院公聴会)ことを引きあいに出して、「(トランプ政権は)今の段階では、軍事力行使から外交的解決まで、すべての選択肢がテーブルの上に乗っかっている」だから「今が重大な分かれ道」「軍事的選択肢」をとらないように、皆で(日本も、「国際社会」も)「米国に働きかけることが必要」だ、などと主張しはじめた。
 己れの甲羅に似せてトランプをみる♂苴c引水だといったら美化になってしまうほどの、トランプ政権にたいする度し難いまでの期待=美化ではないか!
 マティスがあらゆる選択肢を排除しない≠ニ言ったのは、オバマの弱腰外交を否定して軍事攻撃という選択肢を検討している≠ニいう意味であり、北朝鮮への恫喝以外の何ものでもない。にもかかわらず、あたかもトランプが「聞く耳」を持つ理性的≠ネ権力者であるかのように期待するのは、トチ狂っているとしかいいようがない。アメリカ本土に届く核弾頭搭載ICBMを北朝鮮が持つことを阻止するためには核攻撃も辞さない=\―これがトランプの「アメリカ・ファースト」なのである。
 大統領就任前からトランプ詣で≠ノいそしんできた安倍政権に、外交交渉による解決の選択肢をとるようにアメリカ政府に働きかけよ≠ネどと尻押しするのも同断だ。北朝鮮のミサイル基地空爆を検討するトランプ政権に、安倍政権は「強硬措置」を進言してさえいるではないか!
 代々木官僚は、トランプ政権のシリア巡航ミサイル攻撃(四月六日)に直面して「軍事的覇権主義だ」と評論し、対北朝鮮でも一時は「軍事的対応へ向かう危険」とつぶやきはした。だが彼らは、トランプが「対話」を口にするやこれにすがりついて、あたかもみずからが提唱した通りに「対話による解決」の流れがアメリカ主導でつくられているかのように情勢を描きだすことに躍起になっているのだ。
 ブルジョア議会における議席の拡大しか眼中になく、身も心もとろけきり、平和ボケ・民主主義ボケ≠フ果てに、政治的認知症=i修正資本主義という不治の病)を患うにいたった日共・不破=志位指導部には、生きた現実を反映する感性も知性も喪失してしまっているのだ。

「北朝鮮の脅威」論に唱和

 しかも、「外交交渉のなかで北朝鮮政府に非核化を迫れ」とトランプ政権に働きかけることを安倍政権に進言する、という日共の「新しい問題提起」なるものの中身は、アメリカによる対北朝鮮の「経済制裁の厳格な実施・強化」を尻押しするものであって、北朝鮮人民にいっそうの困窮と飢餓を強いることを圧力手段にする、徹頭徹尾、反人民的な代物である。
 いま、朝鮮半島は、「在日米軍基地に打撃を与える訓練」だとか「われわれの核攻撃は米本土を焦土化する」とかといいなしつつ核・ミサイル開発に狂奔する金正恩政権と、対北軍事攻撃をチラつかせた軍事的恫喝とミサイル防衛システムの配備や実戦的な軍事演習をくりかえす米・韓・日権力者が対峙し、一触即発の戦争的危機が一気に醸成されている。
 今このときに、安倍政権による「北朝鮮の脅威」論の大々的鼓吹に唱和し、トランプや安倍への幻想を煽りたてる日共・不破=志位指導部を、怒りを込めて弾劾せよ! われわれは、朝鮮核戦争の危機をうち破るために、参戦に突進する安倍政権の補完物と化した代々木官僚をブッ飛ばし、反戦・反権力の闘争を断固として組織するのでなければならない。

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大阪市
吉村当局による市営地下鉄・バスの民営化を許すな!

「市営廃止条例」の可決強行を弾劾する

 吉村大阪市当局が大阪市議会の二〇一七年第一回定例会に上程していた大阪市営地下鉄・バスの民営化条例案が会期末の三月二十八日に維新の会、公明党、自民党の賛成によって可決された。断じて許せない。
 二〇一一年暮れに大阪府知事から大阪市長に転じた橋下が、二〇一三年に上程した大阪地下鉄・バスを民営化する条例案は、「維新の会」以外の全会派の反対で一四年・一五年の二度にわたって否決され葬られていた。この「市営地下鉄・バスの廃止」条例案を、一六年に市長になった吉村が若干リニューアルし、かつ<BRT(バス高速輸送システム)のための社会実験や基金創立>などの自民党修正案を受け入れて公明党・自民党の賛成を取りつけることによって成立させたのだ。
 自治体のもとでの公営鉄道としては全国初の民営化を来年四月にも強行しようとしている維新の会・吉村市当局の悪辣な企みを許してはならない。

以下見出し
「財政健全化」の名による公的サービスの切り捨て
労働者の大量首切りと市公務員労組の破壊
地下鉄事業に群がる私鉄資本家ども

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北朝鮮ミサイル基地への攻撃は自衛の範囲=H!

元日共官僚・松竹が『産経』紙上で主張

 元日本共産党の安保外交部長であり、このかんは「自衛隊を活かす会」の事務局長として党外から「二十一世紀にふさわしい自衛隊の活かし方」なるものを日共党員・支持者のなかに浸透させるために蠢いてきた松竹伸幸。この輩が、「北朝鮮有事―日本が取るべき選択肢はこれしかない」と題する四月二十一日付『産経新聞』のコラムで、北朝鮮ミサイル基地にたいする軍事攻撃は「自衛の範囲」だ=Aなどとがなりたてている。
――「迫り来る北朝鮮有事に日本はどう対応し、いかに備えるか」「軍事対応と外交努力をどう適切に結合させればいいのか」、松竹はこのように問題を投げかけつつ次のように言う。
 「もし、北朝鮮有事が起これば、戦場になるのは日本と韓国」であって、「日本が軍事的対応は絶対にとらないという選択肢も、有り得ない」、それは「北朝鮮からミサイルが撃ち込まれるようなことがあっても『日本は我慢する』と言っているようなもの」だ。「もし北朝鮮が核やミサイルで先制攻撃してくれば、それ相応の『反撃』をするという意図は北朝鮮に伝えていく必要がある」。具体的には「現存のミサイル防衛システムを発動する」。これは「国際法上許される自衛措置である」と。
 さらに松竹は平然と言ってのける、「仮に北朝鮮からミサイルが撃ち込まれた場合は、その発射基地をたたく」、この「程度のもの」なら「自衛の範囲」だ、と。
 この松竹の主張は、敵ミサイル基地への攻撃能力を――「反撃能力」などと言いかえて――保持するべきことを高唱する自民党安全保障調査会の「提言」と見まごうような代物ではないか。政権維持のための唯一のよすがとして核・ミサイル開発にしがみつく金正恩を、その足下で飢えに苦しむ北の勤労人民もろともにミサイル攻撃で焼き尽くそうとしている米・日の権力者ども。この輩を祖国防衛主義・北朝鮮排外主義にもとづいて免罪しているのが松竹なのだ。松竹は、朝鮮核戦争勃発寸前というべき危機的情勢のもとで、北朝鮮にたいする全面攻撃への参戦と労働者人民の動員に狂奔する安倍政権にたいして、わずかに日米から先制攻撃はしない≠ニ注文をつけるにすぎず、むしろ対北朝鮮の「軍事的対応」を尻押しする応援団≠ニして立ち現れたのだ。
 松竹は今、何のために、「北朝鮮ミサイル基地攻撃」という「選択肢」さえも担保するべきことをがなりたてはじめたのか。もっぱら「経済制裁と一体で外交的措置を」という代案の宣伝をくりかえしている不破=志位指導部の対応に不満を抱き、「野党連合政府」を担うにふさわしい防衛政策を(防衛大臣になったつもりで!?)提示するためなのである。
 松竹の言いたいことはこうだ。
 現に北朝鮮が日本にたいして核・ミサイルを撃ち込む可能性があるときに、「外交努力」だけをくりかえすのは非現実的で、国民の支持を得られない。日本共産党はかねてより、急迫不正の侵略にたいしては、自衛隊の活用と安保条約第五条での対処を謳ってきたのだから、北朝鮮のミサイル攻撃にたいして自衛権を発動して反撃するという「選択肢」をとることを明確にすればいい、それこそが国民の支持を広げる途なのだ≠ニ。
 今や「違憲の自衛隊の解消」という党の基本政策じたいを「解消」し、「専守防衛」の理念にもとづく「自衛隊の改革・活用」という代案をうちだすところまでみずからの安保・自衛隊政策を右翼的に変質させているのが、日共中央である。安倍ネオ・ファシスト政権の朝鮮核戦争への参戦策動に公然と呼応しはじめた松竹の醜悪な姿こそは、明日の日共・不破=志位指導部の姿にほかならない。

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「自衛隊改革」論の帰結

「自衛」の名のもとに対北朝鮮戦争を翼賛する日共

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